JP2009223130A - カメラモジュール - Google Patents

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弘朗 大西
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Abstract

【課題】より低いコストで製造可能な防水機能を有するカメラモジュールを提供する。
【解決手段】本発明によって提供されるカメラモジュールA1は、撮像素子20と、撮像素子20に光を収束させるレンズ11と、撮像素子20とレンズ11とを収容するケースと、を備えており、上記ケースは、2つの部品40,50を接合することによって構成されており、上記ケースの内部は密閉空間となっていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば車載カメラやセキュリティカメラに用いられるカメラモジュールに関する。
近年、車載カメラや野外に設置されるセキュリティカメラとして小型で防水性に優れたカメラモジュールの需要が高まっている。特許文献1では、Oリングを用いたカメラモジュールの一例が挙げられている。図9には、従来のOリングを用いたカメラモジュールの一例を簡略に示している。
図9に示すカメラモジュールXは、レンズモジュール91、撮像素子92、基板93、ケース本体94、ケース蓋部95、ケース底部96、Oリング97、ネジ98、およびケーブル99を備えている。ケース蓋部95は、その中央に透明カバー95aを有しており、この透明カバー95aを通してレンズモジュール91に外部からの光が入射する。レンズモジュール91に入射した光は基板93に搭載された撮像素子92に収束される。撮像素子92は受光した光に応じて信号を発し、この信号は基板93に接続されたケーブル99を通して外部に出力される。カメラモジュールXでは、ケース本体94とケース蓋部95との間にOリング97を挟み、ネジ98によって締め付けることによって、ケース本体94とケース蓋部95との間を防水している。ケース底部96は、たとえばネジによってケース本体94に組みつけられている。
しかしながら、このようなカメラモジュールXでは、ケース本体94とケース底部96との間の防水性が不十分であり、さらに部品数が多いために製造工程が煩雑となり、製造コストが高くなっていた。
特開2006−327512号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より低いコストで製造可能な防水機能を有するカメラモジュールを提供することをその課題とする。
本発明によって提供されるカメラモジュールは、撮像素子と、上記撮像素子に光を収束させるレンズと、上記撮像素子と上記レンズとを収容するケースと、を備えたカメラモジュールであって、上記ケースは、2つの部品を接合することによって構成されており、上記ケースの内部は密閉空間となっていることを特徴とする。
このような構成によれば、密閉された上記ケースの内部には水が入りにくいため、高い防水機能を得ることができる。さらに、上記ケースは比較的少ない部品で作ることができるため、より低いコストで効率的に防水機能を有するカメラモジュールを製造することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースの2つの部品の接合部は、上記レンズの光軸方向において、上記撮像素子よりも上記レンズから遠ざかる位置に形成されている。このような構成によれば、上記接合部が上記レンズから遠ざかるため、上記接合部から浸水した場合であっても上記レンズへの浸水を防ぎやすくなっている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースの2つの部品のうち、上記レンズにより近い部品は、樹脂によって一体形成されている。このような構成によれば、より一層に防水機能を高めることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明にかかるカメラモジュールの第1実施形態を示している。本実施形態のカメラモジュールA1は、レンズモジュール10、撮像素子20、基板30、透明ケース40、ケース底部50、および、緩衝部材61,62を備えている。カメラモジュールA1は、たとえば、車載カメラとして用いられるのに適した構成とされている。なお、図1にはレンズモジュール10の光軸Lを仮想線によって示している。
レンズモジュール10は、レンズ11、レンズ11が装着されるレンズ支持部12、および、レンズ支持部12を保持するレンズホルダー13を備えている。レンズ支持部12は、光軸L方向に沿う一方の端部にレンズ11を保持しており、他方の端部はレンズホルダー13に嵌め込まれている。レンズ支持部12のレンズホルダー13に嵌め込まれる部分の外面には螺旋状の凸部(図示略)が形成されている。レンズホルダー13は、光軸L方向に沿って延びる2種類の異なる口径の有する筒部131,132を組み合わせた形状をしている。口径の小さい方の筒部131は、内部に図示しない螺旋状の溝(図示略)が形成されており、レンズ支持部12と連結されている。口径の大きい方の筒部132の光軸L方向における一方の端部は筒部131に連結されており、他方の端部は基板30によって塞がれている。レンズ支持部12の凸部と筒部131の溝とが嵌合することによって、レンズ支持部12とレンズホルダー13とは光軸L方向に沿って位置調整可能に連結されている。本実施形態では、レンズ11に入射した光が撮像素子20に収束するようにレンズ支持部12はレンズホルダー13に固定されている。
撮像素子20は、入射される光像を電気信号に変換可能に構成された電子部品であり、基板30の表面に搭載されている。
基板30は、撮像素子20で得られた電気信号の各種処理を行うために表面に形成された電子回路と、この電子回路に接続され裏面に実装されたコネクタ31とを有している。この基板30はその表面の周縁がレンズホルダー13に接着されて固定されている。
透明ケース40は、本発明にかかるケースの2つの部品の一方であり、光軸L方向の一方の端部にレンズ11と対向する曲面41と、他方の端部に形成された開口部42とを備えている。この透明ケース40は、ポリカーボネイト、ゼオネックス、またはアートンなどの透明樹脂を用いて一体形成される。曲面41には、反射の防止ためのARコーティング、キズ防止のための無機系樹脂コーティング、および、撥水性を高めるためのフッ素コーティングが施されている。さらに、曲面41には、曲面41を保護するための硬化膜がスパッタリングにより形成されている。この硬化膜は、たとえばSiO2やSi34が用いられる。なお、この硬化膜の形成は蒸着またはCVD法を用いても可能である。
開口部42にはケース底部50の周縁部を受け止めるための受止面43が形成されている。この透明ケース40は、光軸L方向の一方側と他方側との間に段差を有しており、この段差部分には筒部132の一方の端部と対向する受止面44が形成されている。この受止面44と筒部132との間には、緩衝部材61が挟み込まれている。
ケース底部50は、本発明にかかるケースの2つの部品の他方であり、中央に嵌め込まれた接続ピン51と、周縁部に形成された突出部52と、凹嵌部53とを有している。接続ピン51は、一方の端部がコネクタ31に接続され、他方の端部が外部へ突出している。接続ピン51は中央部が凹んだ形状であり、脱落しにくくなっている。この接続ピンに通信ケーブルを導通接続させることにより、撮像素子20で得られた画像データを出力することが可能となる。突出部52は、その先端部が受止面43に接合されている。凹嵌部53には、緩衝部材62が嵌め込まれている。ケース底部50は、緩衝部材62を介して基板30を支持している。
図2および図3には、ケース底部50と透明ケース40とを接合する工程を示している。
図2には、ケース底部50を開口部42に嵌め込む前の状態を示している。この状態では、突出部52の先端はとがった形状に形成されている。図3には、開口部42にケース底部50を嵌め込み、突出部52と受止面43との接合を行う工程を示している。突出部52と受止面43との接合は、超音波振動子Bをケース底部50に当てて、超音波を付与することによって行われる。超音波による振動によって、突出部52の先端は融解して受止面43に溶着される。このようにして形成される突出部52と受止面43との接合部からは水分などが入り込むことがない。従って、透明ケース40およびケース底部50の接合後、その内側は密閉空間となる。
本実施形態では、超音波振動子Bによるケース底部50と透明ケース40との接合を、乾燥窒素雰囲気中で行っている。このようにすると、透明ケース40内に乾燥窒素が充填され、透明ケース40内で結露が発生するのを防ぐことができる。
緩衝部材61,62は、ゴムまたはスポンジであり、レンズモジュール10および基板30を衝撃から保護している。
次に、カメラモジュールA1の作用について説明する。
本実施形態によれば、透明ケース40およびケース底部50の接合後、その内側は密閉空間となるため、カメラモジュールA1は防水性に優れている。さらに、カメラモジュールA1は、部品数が少ないため、軽量化が可能となり、製造工程が簡略化され、コスト面も有利となっている。
さらに、本実施形態によれば、透明ケース40内で結露が発生しにくく、複数のコーティングが施された曲面41が傷や汚れに強いため、より鮮明な画像を得ることができる。またさらに、緩衝部材61,62によってレンズモジュール10および基板30が衝撃から保護されているため、故障しにくくなっている。
図4は、本発明にかかるカメラモジュールの第2実施形態を示している。図4に示すカメラモジュールA2は、以下の点を除いてカメラモジュールA1と同様の構成を有している。カメラモジュールA2では、カメラモジュールA1における緩衝部材61,62が設けられておらず、筒部132が受止面44に接着されている。さらに、カメラモジュールA2では、カメラモジュールA1における接続ピン51がケース底部50に設けられておらず、透明ケース40にケーブル70を通すことにより外部との接続が行われている。
カメラモジュールA2における透明ケース40は、ケーブル70を通すための孔部45と、孔部45に隣接するように形成された樹脂充填部46とが形成されている。樹脂充填部46には防水のために封止樹脂71が充填されている。
このようなカメラモジュールA2は、防水性に優れており、かつ、少ない部品によって構成されている。このため、カメラモジュールA2は、軽量化および製造工程の簡略化が可能であり、コスト面も有利となっている。
図5および図6は、本発明にかかるカメラモジュールの第3実施形態を示している。図5に示すカメラモジュールA3は、外部との接続手段以外はカメラモジュールA2と同様の構造を有している。カメラモジュールA3では、外部との接続手段として、FPC(フレキシブルプリント基板)72が用いられている。図5に示すように、FPC72は、一端がコネクタ31に接続されており、他方の端はケース底部50を貫通して外部へ延出している。
カメラモジュールA3では、図6に示すように、ケース底部50にFPC72を通すためのスリット54が設けられている。このスリット54の周縁部は、周囲よりも厚く形成されている。本実施形態では、スリット54にFPC72を挟み、加熱装置Cを用いてスリット54の周縁部を加熱することにより、スリット54を熱封着している。このため、スリット54から透明ケース40内に水分が入り込むのを防ぐことができる。従って、カメラモジュールA3は、防水性に優れており、かつ、少ない部品によって構成されているため軽量化および製造工程の簡略化が可能であり、コスト面でも有利となっている。
図7は、本発明にかかるカメラモジュールの第4実施形態を示している。図7に示すカメラモジュールA4は、透明ケース40の形状および外部との接続手段が異なる以外は、カメラモジュールA3と同様の構造を有している。
カメラモジュールA4では、透明ケース40は、直方体形状となっている。このような形状の透明ケース40は、カメラモジュールA1〜A3の曲面を有する透明ケースよりも容易に製造することができる。
カメラモジュールA4における外部との接続手段には、コネクタ31に接続された複数の導線73が用いられる。複数の導線73は、ケース底部50を貫通するケーブル74に保護されて外部へ延出している。ケース底部50のケーブル74が貫通する部分には凹部55が形成されており、凹部55には防水セメント75が充填されている。このため、カメラモジュールA4では、ケーブル74を通すための孔から水分が浸入するのを防ぐことができる。なお、図7では、ケース底部50の表裏の双方に凹部55が形成されているが、一方にだけ凹部55を形成した場合でも防水効果を得ることができる。また、防水セメント75の替わりに封止樹脂を充填してもよい。
図8は、本発明にかかるカメラモジュールの第5実施形態を示している。図8に示すカメラモジュールA5は、カメラモジュールA4の透明ケース40の一方の端部にガラスカバー47をインサート形成したものである。透明ケース40を形成する透明樹脂よりも強度が高いガラスカバー47を嵌め込むことにより、カメラモジュールA5では透明ケース40の表面をコーティングする工程を省略することができる。
本発明にかかるカメラモジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明にかかるカメラモジュールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、カメラモジュールA1ないしA3における曲面を有する透明ケース40は、いずれもカメラモジュールA4における直方体の透明ケース40と交換可能である。また、カメラモジュールA4の透明ケース40においても、カメラモジュールA2のようにケーブルを通すことが可能である。
上記の実施形態においては、透明ケース40とケース底部50との接合を超音波溶着によって行っているが、十分な防水効果を得られるなら、接着剤等の他の手段を用いて接合してもよい。また、上記の実施形態においては、透明ケース40の他方の端部にケース底部50が接合されているが、密封可能であれば接合場所はどこであっても構わない。たとえば、基板寄りの端部が封鎖され、レンズ寄りの端部が開口するケースに、レンズに対向する透明ケースを接合してもよい。
本発明にかかるカメラモジュールの第1実施形態を示す断面図である。 図1に示すカメラモジュールの製造工程の一例を示す断面図である。 図1に示すカメラモジュールの製造工程の一例を示す断面図である。 本発明にかかるカメラモジュールの第2実施形態を示す断面図である。 本発明にかかるカメラモジュールの第3実施形態を示す断面図である。 図5に示すカメラモジュールの製造工程の一例を示す要部断面図である。 本発明にかかるカメラモジュールの第4実施形態を示す断面図である。 本発明にかかるカメラモジュールの第5実施形態を示す要部断面図である。 従来のカメラモジュールの一例を示す断面図である。
符号の説明
A1,A2,A3,A4,A5 カメラモジュール
B 超音波振動子
C 加熱装置
L 光軸
10 レンズモジュール
11 レンズ
12 レンズ支持部
13 レンズホルダー
20 撮像素子
30 基板
40 透明ケース
41 曲面
42 開口部
43,44 受止面
45 孔部
46 樹脂充填部
47 ガラスカバー
50 ケース底部
51 接続ピン
52 突出部
53 凹嵌部
54 スリット
55 凹部
61,62 緩衝部材
70,74 ケーブル
71 封止樹脂
72 FPC
73 複数の導線
75 防水セメント
131,132 筒部

Claims (3)

  1. 撮像素子と、
    上記撮像素子に光を収束させるレンズと、
    上記撮像素子と上記レンズとを収容するケースと、
    を備えたカメラモジュールであって、
    上記ケースは、2つの部品を接合することによって構成されており、上記ケースの内部は密閉空間となっていることを特徴とする、カメラモジュール。
  2. 上記ケースの2つの部品の接合部は、上記レンズの光軸方向において、上記撮像素子よりも上記レンズから遠ざかる位置に形成されている、請求項1に記載のカメラモジュール。
  3. 上記ケースの2つの部品のうち、上記レンズにより近い部品は、樹脂によって一体形成されている、請求項2に記載のカメラモジュール。
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