JP2009222800A - 電荷発生層形成用塗布液、電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層を有する電子写真感光体の電荷発生層形成用塗布液であって、前記電荷発生層形成用塗布液が、電荷発生物質としての顔料粒子及び結着樹脂を含み、かつろ過処理されており、前記顔料粒子が、1次粒子及び2次凝集粒子を含み、1.0μm以下の平均粒子径を有し、かつろ過前の累積90%粒子径に対するろ過後の累積90%粒子径の比率として、65〜90%を示すことを特徴とする電荷発生層形成用塗布液により上記課題を解決する。
【選択図】図4
Description
まず、装置に備わる電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の感光層を、帯電器により帯電させ、画像情報に応じて照射されるレーザ光のような光によって露光することで、感光層に静電潜像を形成する。形成された静電潜像に対応する感光体の表面に現像剤成分であるトナーを付着させることによって静電潜像を現像する(トナー画像として顕像化する)。形成されたトナー画像を、記録紙のような被転写材上に転写し、次いで定着させることで画像が形成される。
積層型の機能分離型感光体では、電荷発生機能を担う電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されている。電荷発生層及び電荷輸送層は、通常、電荷発生物質及び電荷輸送物質がそれぞれ結着剤である結着樹脂中に分散された構成を有している。
また、単層型の機能分散型感光体では、電荷発生物質と電荷輸送物質とが結着樹脂中に共に分散されている。
場合によっては、オゾン暴露に対する耐久性の向上や機械強度の向上のために、感光体の最上層に保護層を設ける場合がある。この機能分離型の有機感光体の製造のほとんどが、各層の形成用の塗布液に浸漬塗布し、塗膜を乾燥させることにより各層を形成している。
かくして本発明によれば、導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層を有する電子写真感光体の電荷発生層形成用塗布液であって、
前記電荷発生層形成用塗布液が、電荷発生物質としての顔料粒子及び結着樹脂を含み、かつろ過処理されており、
前記顔料粒子が、1次粒子及び2次凝集粒子を含み、1.0μm以下の平均粒子径を有し、かつろ過前の累積90%粒子径に対するろ過後の累積90%粒子径の比率として、65〜90%を示すことを特徴とする電荷発生層形成用塗布液が提供される。
また、顔料粒子がフタロシアニン顔料である場合、高感度で化学的安定性に優れ、かつ長期的にも高感度を維持できる感光体を提供可能な塗布液を提供できる。また、このような塗布液を用いて形成された感光体は、上記特徴に加え、画像欠陥を少なくできる。
また、ろ過が、デプスフィルターを用いて行われる場合、凝集体を短時間に効率よく、捕捉除去することが可能である。そのため、長期的なろ過条件においても耐久性が高く、網目状構造より細部にまで充分なろ過が可能である。その結果、より均一性の高い膜形成が可能な塗布液を提供できる。
また、ろ過が、循環ろ過であり、かつろ過前の累積90%粒子径より小さい平均孔径のフィルターを用いて行われる場合、凝集体を短時間に効率よく、捕捉除去できる。そのため、ろ過後における顔料粒子の粒度分布がシャープ化され、より均一性の高い膜形成が可能な塗布液を提供できる。
また、電荷発生層が浸漬塗布法によって製造されることにより、より高い均一性で、感度変化の小さい、安定した特性の感光体を高い生産性で製造できる。
更に、上記方法により得られた感光体は、電荷発生層がきれいに製造されるため、画像欠陥が抑制されている。
また、上記感光体を反転現像法を採用した画像形成装置に使用することで、デジタルタイプの画像形成装置に搭載される結晶型の維持と微粒子化が困難な感光体であっても、画像欠陥のない画像形成装置を提供できる。
本発明において規定する顔料粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)及び累積90%粒子径とは、1次粒子及び2次凝集粒子に係る値であって、以下の内容を意味する。すなわち、粒子の全体積を100%として粒子径の累積カーブを試算する。得られた累積カーブが50%となる点の粒子径を体積平均粒子径とし、累積カーブが90%となる点の粒子径を累積90%粒子径とする。これらの値は、重量沈降法、動的光散乱法等の粒度分布測定等の公知の方法により測定可能である。
詳細には、前者は、結晶型が安定な材料かつ分散時間の最適化により、分散と凝集のバランスを保ちながら、粒子の小径化をはかる方法である。また、後者は、ある一定粒子径まで分散された粒子のうち2次凝集粒子をフィルターを用いてろ過による除去する方法である。但し、場合によってはこれらの方法は分散時間の長期化やシェアによる過剰なストレスにより、塗布液の顔料粒子に結晶転移を発生させてしまうことがある。
本発明は、上記問題点を解決し、分散により結晶型の転移がなく、凝集体の残存が少ない電荷発生層形成用塗布液を実現した。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
ただし、以下に説明する実施の形態は、本発明の趣旨に順ずる範囲において、変形可能であり、限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体1(以下、感光体1と略称する)は、導電性材料からなる円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上に更に積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とを含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
また、図2に示すように、導電性基体11と電荷発生層12との間に中間層15を設けた積層型感光体であってもよい。
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、他の各層12、13の支持部材としても機能する。なお導電性基体11の形状は、図1では円筒状であるけれども、これに限定されることなく、円柱状、シート状又は無端ベルト状等であってもよい。
導電性基体11を構成する導電性材料としては、例えばアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン等の金属単体、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の合金を用いることができる。またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンもしくはポリスチレン等の高分子材料、硬質紙又はガラス等の表面に、金属(アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、チタン)箔をラミネートしたもの、金属(アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、チタン)材料を蒸着したもの、又は導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したもの等を用いることもできる。これらの導電性材料は所定の形状に加工されて使用される。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。主成分とは、その成分がその主たる機能を発現できる量を含有することを意味する。電荷発生物質として有効な物質としては、有機顔料が挙げられる。有機顔料としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料等のアゾ系顔料、インジゴ又はチオインジゴ等のインジゴ系顔料、ペリレンイミド又はペリレン酸無水物等のペリレン系顔料、アントラキノン又はピレンキノン等の多環キノン系顔料、金属フタロシアニン又は無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が挙げられる。これら有機顔料を単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記の電荷発生物質の中でも、下記一般式(A):
で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
一般式(A)における、X1、X2、X3及びX4が示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
また、X1、X2、X3及びX4が示すアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基のようなC1〜C4のアルキル基が挙げられる。
更に、X1、X2、X3及びX4が示すアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ基のようなC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。
例えば、前記一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物のうち、r、s、y及びzが0である無置換のオキソチタニウムフタロシアニンの場合は、フタロニトリルと四塩化チタンとを、加熱融解するか又はα−クロロナフタレン等の適当な溶剤中で加熱反応させることによってジクロロチタニウムフタロシアニンを合成した後、塩基又は水で加水分解することによって得られる。
主成分として含まれる電荷発生物質以外の任意成分としては、増感染料、結着樹脂、レベリング剤、可塑剤等が挙げられる。
電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミル及びサンドミル等を挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器及び分散機を構成する部材の摩耗等による不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択することが好ましい。
また、ろ過前の累積90%粒子径に対するろ過後の累積90%粒子径の比率は、65〜90%であることが好ましい。比率が65%未満の場合、顔料を余分に除去することで感度劣化を起こすことがある。比率が90%より大きい場合、充分なろ過効果が得られないことがある。比率は、75〜85%であることがより好ましい。
また、ろ過前の累積90%粒子径は1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。一方、ろ過後の累積90%粒子径は1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。
前記のようなシャープ化された分布状態にすることで、平均粒子径が同一な場合であっても、画像欠陥を引き起こす凝集体の比率は極めて少なくなり、しいては最終画像への影響を抑制できる。
また、図3(a)及び図3(b)のろ過前後の塗布液を用いて形成された電荷発生層を備えた感光体を用いて、反転現像方式により画像形成を行った場合に出力された画像データを図4(a)、図4(b)に示す(最も黒ポチ等が発生する領域での条件を選択している)。図4(a)はろ過前の塗布液を用いた場合を、図4(b)はろ過後の塗布液を用いた場合を示している。両図を比較すると、ろ過後は、ろ過前に比べて有意に黒ポチを減少できていることがわかる。
また、循環ろ過に使用するフィルターの平均孔径は、ろ過前の累積90%粒子径より小さい平均孔径であることが好ましい。
電荷発生層12上には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させる結着樹脂とを含みうる。
電荷輸送物質としては、ホール輸送物質及び電子輸送物質を用いることができる。
また、上記化合物の基本構成を主鎖又は側鎖に有するポリマー、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリ(1−ビニルピレン)及びポリ(9−ビニルアントラセン)等も電荷輸送物質として使用できる。
結着樹脂は、電荷輸送層全量に対して、好ましくは30〜80重量%の範囲で使用できる。
電荷輸送層13は、電荷発生層12を塗布によって形成する場合と同様に、塗布法により形成できる。例えば、適当な溶媒中に、電荷輸送物質及び結着樹脂、ならびに必要な場合には添加剤を溶解又は分散させて電荷輸送層形成用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層12上に塗布することによって電荷輸送層を形成できる。
電荷輸送層13の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下することがある。電荷輸送層13の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下することがある。
感光層14の各層には、感度の向上を図り、更に繰返し使用による残留電位の上昇及び疲労等を抑えるために、電子受容物質及び色素等の増感剤を1種又は2種以上添加してもよい。
また感光層14の各層12、13には、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等を添加してもよい。特に電荷輸送層13には、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等を添加することが好ましい。これによって、オゾン、窒素酸化物等の酸化性のガスに対しての劣化を少なくすることができる。また各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
図2は、本発明の第2の実施の形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体2は、第1の実施の形態の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体2において注目すべきは、導電性基体11と感光層14との間に、中間層(下引き層)15が設けられていることである。
中間層15には、各種樹脂材料からなる樹脂層又はアルマイト層等が用いられる。
金属酸化物粒子としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及び酸化スズ等の粒子を挙げることができる。
中間層形成用塗布液中において、樹脂材料及び粒子の合計重量Cと、中間層形成用塗布液に使用されている溶剤の重量Dとの比率C/Dは、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂材料の重量Eと粒子の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
本発明の感光体の製造方法には、電荷発生層12、電荷輸送層13、中間層15等の各層の乾燥工程が含まれていてもよい。乾燥温度としては、約50℃〜約140℃が適当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好ましい。乾燥温度が約80℃未満では乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が約130℃を越えると、各層の繰返し使用時の電気的特性が悪くなることがあり、感光体を使用して得られる画像も劣化することがある。
図6は、本発明の画像形成装置の一例の構成を簡略化して示す側面図である。図6に示す画像形成装置30は、第1の実施の形態の感光体1を搭載するレーザプリンタである。以下、図6を参照してレーザプリンタ30の構成及び画像形成動作について説明する。なお図6に記載のレーザプリンタ30は、本発明の例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置が限定されるものではない。
レーザプリンタ30は、図6に示す構成に限定されるものではなく、本発明の感光体を使用できるものであれば、他の異なる構成であってもよい。
例えば、感光体1の外径が40mm以下の場合には、分離帯電器42を設けなくてもよい。また、感光体1を、コロナ帯電器36、現像器37及びクリーナ46のうちの少なくともいずれか1つと一体的に構成して、プロセスカートリッジとしてもかまわない。例えば、感光体1とコロナ帯電器36と現像器37とクリーナ46とを組込んだプロセスカートリッジ、感光体1とコロナ放電器36と現像器37とを組込んだプロセスカートリッジ、感光体1とクリーナ46とを組込んだプロセスカートリッジ、感光体1と現像器37とを組込んだプロセスカートリッジ等が挙げられる。このようないくつかの部材を一体化したプロセスカートリッジを用いることによって、装置の保守管理が容易になる。
まず、直径:30mm、長さ:362mmのアルミニウム製導電性基体上に種々の条件にて感光層を形成し、実施例及び比較例として準備した感光体について説明する。実施例及び比較例中、「部」は重量部を意味する。
TTO−MI−1(石原産業製):酸化チタン3部、CM−8000(東レ社製):アルコール可溶性ナイロン樹脂3部、メタノール60部、1,3−ジオキソラン40部とをペイントシェーカにて10時間分散処理し、中間層形成用塗布液を調製した。調整した中間層形成用塗布液を、直径30mm、長さ362mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚0.9μmとなるように浸漬塗布法によって成膜し、中間層を形成した。
以上の工程により、実施例1の感光体を作製した。
電荷発生物質として下記構造式(C)で示される下記に示すチタニルフタロシアニンをボールミルにより72時間分散し、電荷発生層形成用塗布液を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.81μm(平均粒子径:0.37μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.68μm(平均粒子径:0.33μm)であった。
循環ろ過時間を48時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.83μm(平均粒子径:0.36μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.63μm(平均粒子径:0.29μm)であった。
(実施例4)
循環ろ過時間を72時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.89μm(平均粒子径:0.37μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.60μm(平均粒子径:0.27μm)であった。
ボールミルによる分散時間を48時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が1.12μm(平均粒子径:0.61μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.99μm(平均粒子径:0.57μm)であった。
(実施例6)
フィルター種をメンブレンフィルター(MCF-100:アドバンテック社製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.83μm(平均粒子径:0.36μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.74μm(平均粒子径:0.34μm)であった。
フィルター孔径を3.0μm(ザルトファインPP:ザルトリウス社製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.86μm(平均粒子径:0.39μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.77μm(平均粒子径:0.36μm)であった。
(実施例8)
フィルター孔径を0.5μm(ザルトファインPP:ザルトリウス社製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.84μm(平均粒子径:0.38μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.69μm(平均粒子径:0.33μm)であった。
循環ろ過を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.82μm(平均粒子径:0.35μm)であった。
(比較例2)
循環ろ過を行わないこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.81μm(平均粒子径:0.37μm)であった。
循環ろ過を行なわないこと以外は実施例5と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が1.02μm(平均粒子径:0.61μm)であった。
(比較例4)
フィルター孔径を5.0μm(ザルトファインPP:ザルトリウス社製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.85μm(平均粒子径:0.38μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.83μm(平均粒子径:0.37μm)であった。
フィルター孔径を0.5μm(ザルトファインPP:ザルトリウス社製)に変更し、循環ろ過時間を72時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、感光体を作製した。分散終了時の累積90%粒子径が0.86μm(平均粒子径:0.36μm)であり、循環ろ過終了時の累積90%粒子径が0.48μm(平均粒子径:0.24μm)であった。
次に、各性能の評価方法について説明する。
試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン社製:model 344)を設ける。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−600Vに調整する。その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定する。露光電位VLの絶対値が小さい程、高感度であると評価する。5万枚疲労後に同様にVL(V)を測定する。電気特性の評価基準としては以下の通りとする。
○:初期、疲労後ともに |VL|<100(V)
△:初期、疲労後のいずれか1つ以上 100(V)≦|VL|<130(V)
×:初期、疲労後のいずれか1つ以上 130(V)≦|VL|
1)画像判定(白ベタ画像(黒点/地肌汚れ))
試験用複写機にて、温度30℃、相対湿度80%の高温/高湿(H/H:High Temperature/High Humidity)環境中において、白ベタ画像を出力し、画像評価を行う。5万枚疲労後に上記内容と同様の画像評価を行う。黒点/地肌汚れの評価基準としては以下の通りとする。
5:目視にて、サンプル画像上に地肌汚れ(黒点)の画像欠陥がない。
4:目視にて、サンプル画像上に地肌汚れ(黒点)ほとんどみられない。
3:目視にて、サンプル画像上に地肌汚れ(黒点)があるが、実使用上問題ないレベル。
2:目視にて、サンプル画像上に多数地肌汚れ(黒点)がみられ、実使用上問題となるレベル。
1:目視にて、サンプル画像上に全面に地肌汚れ(黒点)がみられ、実使用上問題となるレベル。
上記2項目の判定結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:電気特性が○、かつ地肌汚れレベルが4〜5。
○:電気特性が○、かつ地肌汚れレベル3、又は電気特性が△かつ地肌汚れがレベル4もしくは5。
△:電気特性が○もしくは△、かつ地肌汚れレベル2
×:電気特性が×、又は地肌汚れレベル1
[評価結果]
評価結果を表1に示す。
また、実施例2〜4の比較より、ろ過前後での粒子径比率が小さいほど、画像欠陥が少なくなる傾向があることがわかった。
また、実施例2と5の比較において、分散工程で、ある一定粒子径まで小粒径化されている方が、ろ過においてフィルターの目詰まりがしにくい。そのため、2次凝集体粒子を効率よく、捕捉除去できるため、均一な膜が形成でき、その結果、画像欠陥が少ないことがわかった。
比較例1〜5においては、充分満足できる電気特性及び画像評価は得られなかった。詳細には、比較例1〜3は、平均粒子径及び累積90%粒子径の大小に関わらず、ろ過による処理がなされておらず、いずれも画像欠陥が発生し、品質上問題となるレベルであった。
加えて、比較例6のように過剰なろ過を行われると、電荷発生に必要な顔料粒子まで除去してしまうために、感度劣化が起こる問題が発生した。
上記評価結果から、本発明の優位性を十分認識することができる。
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 感光層
15 中間層
21 循環用塗布槽
22 循環用ポンプ
23 循環用フィルター及びフィルターハウジング
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
49 露光手段
Claims (8)
- 導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層を有する電子写真感光体の電荷発生層形成用塗布液であって、
前記電荷発生層形成用塗布液が、電荷発生物質としての顔料粒子及び結着樹脂を含み、かつろ過処理されており、
前記顔料粒子が、1次粒子及び2次凝集粒子を含み、1.0μm以下の平均粒子径を有し、かつろ過前の累積90%粒子径に対するろ過後の累積90%粒子径の比率として、65〜90%を示すことを特徴とする電荷発生層形成用塗布液。 - 前記顔料粒子が、フタロシアニン系顔料からなる粒子である請求項1に記載の電荷発生層形成用塗布液。
- 前記ろ過処理前の累積90%粒子径が、1.0μm以下である請求項1又は2に記載の電荷発生層形成用塗布液。
- 前記ろ過処理が、デプスフィルターを用いて行われる請求項1〜3のいずれか1つに記載の電荷発生層形成用塗布液。
- 前記ろ過処理が、循環ろ過処理であり、かつ5μm以下の平均孔径のフィルターを用いて行われる請求項1〜4のいずれか1つに記載の電荷発生層形成用塗布液。
- 前記ろ過が、循環ろ過であり、かつ前記ろ過前の累積90%粒子径より小さい平均孔径のフィルターを用いて行われる請求項1〜5のいずれか1つに記載の電荷発生層形成用塗布液。
- 導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む電子写真感光体の製造方法であって、前記電荷発生層が請求項1〜6のいずれか1つに記載の電荷発生層形成用塗布液を用いて形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷発生層が、浸漬塗布方法によって製造される請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法。
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