JP2009222041A - エンジン始動用トルク伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチユニットの状態で軸受3の位置決めが可能なエンジン始動用トルク伝達装置を提供する。
【解決手段】第1の回転体4と第2の回転体6は、両者を組み合わせたクラッチユニットの状態で車両メーカへ納入される。また、クラッチユニットには、第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aに位置決め用リング9が予め保持されている。メーカ側では、軸受3の内輪を軸受面の外周に隙間嵌めしてエンジンブロック2にクラッチユニットを組み付けた後、第2の回転体6に形成された貫通孔6bに治具12を挿入して、リング嵌め込み溝6aに保持されている位置決め用リング9を治具12により押し出してリング取り付け溝2bに落とし込むことにより、軸受3の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、組み付け工数を減らすことができ、コストダウンに繋がる。
【選択図】図4
【解決手段】第1の回転体4と第2の回転体6は、両者を組み合わせたクラッチユニットの状態で車両メーカへ納入される。また、クラッチユニットには、第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aに位置決め用リング9が予め保持されている。メーカ側では、軸受3の内輪を軸受面の外周に隙間嵌めしてエンジンブロック2にクラッチユニットを組み付けた後、第2の回転体6に形成された貫通孔6bに治具12を挿入して、リング嵌め込み溝6aに保持されている位置決め用リング9を治具12により押し出してリング取り付け溝2bに落とし込むことにより、軸受3の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、組み付け工数を減らすことができ、コストダウンに繋がる。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジン側のフライホイールとリングギヤとの間にクラッチを内蔵し、このクラッチを介してリングギヤからフライホイールにスタータの駆動トルクを伝達してエンジンを始動させるエンジン始動用トルク伝達装置に関する。
例えば、特許文献1に開示された従来技術がある。
この従来技術は、エンジンのクランク軸に固定されるフライホイールと、軸受(転がり軸受)を介してエンジンブロックに回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合うリングギヤと、両者の間に内蔵されるクラッチ等を備える。
エンジン始動時には、スタータの駆動トルクがピニオンギヤからリングギヤに伝達されてクラッチが結合状態となり、そのクラッチを介してリングギヤからフライホイールにトルク伝達されてエンジンをクランキングする。
また、フライホイールの回転速度がリングギヤの回転速度を上回ると、クラッチが空転して、フライホイールからリングギヤへのトルク伝達が遮断されることにより、エンジンの回転がスタータへ伝達されることはない。
独国特許出願公開第10343400号明細書
この従来技術は、エンジンのクランク軸に固定されるフライホイールと、軸受(転がり軸受)を介してエンジンブロックに回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合うリングギヤと、両者の間に内蔵されるクラッチ等を備える。
エンジン始動時には、スタータの駆動トルクがピニオンギヤからリングギヤに伝達されてクラッチが結合状態となり、そのクラッチを介してリングギヤからフライホイールにトルク伝達されてエンジンをクランキングする。
また、フライホイールの回転速度がリングギヤの回転速度を上回ると、クラッチが空転して、フライホイールからリングギヤへのトルク伝達が遮断されることにより、エンジンの回転がスタータへ伝達されることはない。
ところで、上記の従来技術は、エンジンブロックに対して軸受が一方向にしか位置決めされていない、言い換えると、軸受が他方向(フライホイール側)に位置決めされていないので、エンジン振動によって軸受が他方向に動く恐れがある。軸受が動くと、この軸受の外輪が圧入されたリングギヤも動くため、リングギヤとピニオンギヤとの軸方向の掛かりが小さく(浅く)なり、異音が発生する要因となる。最悪の場合は、リングギヤがフライホイールと干渉して空転不能となる恐れがある。
そこで、エンジンブロックに対して軸受を他方向にも位置決めすることが考えられる。しかし、エンジン側にリングギヤとフライホイールとを組み付けた後に軸受の位置決めを行うことはできない。つまり、リングギヤとフライホイールとを組み合わせて構成されるクラッチユニットをエンジンブロックに組み付けた状態では、軸受がフライホイールに隠れてしまうため、クラッチユニットをエンジン側に組み付けてから軸受の位置決めを行うことはできない。従って、組み付け手順としては、軸受の内輪をエンジンブロックの軸受面に隙間嵌めして、軸受の外輪が圧入されているリングギヤをエンジン側に組み付けた後、軸受の位置決めを行い、その後、クラッチやオイルシールに使用される潤滑材を封入しながらフライホイールを組み付けてクランク軸に固定することになる。
ところが、上記の組み付け手順では、クラッチユニットの状態で車両メーカ側へ納入することができない。つまり、リングギヤとフライホイールとをばらした状態でメーカ側へ納入し、メーカ側では、上記の様に、リングギヤとフライホイールとを別々にエンジン側に組み付ける必要がある。この場合、組み付け工数が増大するため、メーカ側の手間が大きくなり、コストアップとなる問題が生じる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、クラッチユニットの状態で軸受の位置決めが可能なエンジン始動用トルク伝達装置を提供することにある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、クラッチユニットの状態で軸受の位置決めが可能なエンジン始動用トルク伝達装置を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明のエンジン始動用トルク伝達装置は、エンジンブロックに転がり軸受を介して回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合う歯部を有する第1の回転体と、エンジンのクランク軸に固定される第2の回転体と、第1の回転体と第2の回転体との間に設けられ、第1の回転体がスタータに駆動されて回転する時に、第1の回転体から第2の回転体へトルクを伝達し、第2の回転体がエンジンに駆動されて回転する時に、第2の回転体から第1の回転体へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチと、エンジンブロックに対して転がり軸受を軸方向に位置決めする位置決め用リングとを備える。
位置決め用リングは、周方向の一カ所に切れ目を有し、径方向の外側へ押し広げることが可能な形状に設けられている。
本発明のエンジン始動用トルク伝達装置は、エンジンブロックに転がり軸受を介して回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合う歯部を有する第1の回転体と、エンジンのクランク軸に固定される第2の回転体と、第1の回転体と第2の回転体との間に設けられ、第1の回転体がスタータに駆動されて回転する時に、第1の回転体から第2の回転体へトルクを伝達し、第2の回転体がエンジンに駆動されて回転する時に、第2の回転体から第1の回転体へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチと、エンジンブロックに対して転がり軸受を軸方向に位置決めする位置決め用リングとを備える。
位置決め用リングは、周方向の一カ所に切れ目を有し、径方向の外側へ押し広げることが可能な形状に設けられている。
エンジンブロックは、転がり軸受を支持する円筒の軸受面を有し、この軸受面には、位置決め用リングを取り付けるためのリング取り付け溝が形成されている。
第1の回転体は、クラッチのインナが一体に設けられて、このインナの内周に転がり軸受の外輪が圧入され、第2の回転体は、クラッチのアウタが一体に設けられると共に、軸方向のエンジンブロック側の端面に位置決め用リングを径方向に押し広げた状態で保持できるリング嵌め込み溝が形成され、且つ、径方向にリング嵌め込み溝と重なる位置で軸方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。
転がり軸受は、内輪が軸受面の外周に隙間嵌めされて、軸方向のエンジンブロック側が、エンジンブロックに形成された段差によって位置決めされ、軸方向の第2の回転体側が位置決め用リングによって位置決めされていることを特徴とする。
第1の回転体は、クラッチのインナが一体に設けられて、このインナの内周に転がり軸受の外輪が圧入され、第2の回転体は、クラッチのアウタが一体に設けられると共に、軸方向のエンジンブロック側の端面に位置決め用リングを径方向に押し広げた状態で保持できるリング嵌め込み溝が形成され、且つ、径方向にリング嵌め込み溝と重なる位置で軸方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。
転がり軸受は、内輪が軸受面の外周に隙間嵌めされて、軸方向のエンジンブロック側が、エンジンブロックに形成された段差によって位置決めされ、軸方向の第2の回転体側が位置決め用リングによって位置決めされていることを特徴とする。
上記の構成によれば、エンジンブロックに形成された段差と、位置決め用リングとで転がり軸受を軸方向に位置決めできるので、例えば、エンジン振動によって転がり軸受が軸方向に動くことを防止できる。これにより、第1の回転体が軸方向に動くこともないので、第1の回転体が第2の回転体と干渉して空転不能になることはない。また、第1の回転体に設けられた歯部とピニオンギヤとの軸方向の掛かりを適正に確保できるので、異音の発生を防止できる。
さらに、第2の回転体に形成されたリング嵌め込み溝に、位置決め用リングを予め嵌め込んでおくことで、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせて構成されるクラッチユニットをエンジン側に組み付けた後でも、位置決め用リングをリング取り付け溝に落とし込むことによって転がり軸受の位置決めを行うことができる。
さらに、第2の回転体に形成されたリング嵌め込み溝に、位置決め用リングを予め嵌め込んでおくことで、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせて構成されるクラッチユニットをエンジン側に組み付けた後でも、位置決め用リングをリング取り付け溝に落とし込むことによって転がり軸受の位置決めを行うことができる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載したエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法であって、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせてクラッチユニットを構成した状態で、転がり軸受の内輪を軸受面の外周に隙間嵌めした後、第2の回転体の反エンジンブロック側より貫通孔に治具を挿入して、予めリング嵌め込み溝に保持されている位置決め用リングを治具により押し出してリング取り付け溝に落とし込むことにより、転がり軸受の位置決めを行うことを特徴とする。
請求項1に記載したエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法であって、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせてクラッチユニットを構成した状態で、転がり軸受の内輪を軸受面の外周に隙間嵌めした後、第2の回転体の反エンジンブロック側より貫通孔に治具を挿入して、予めリング嵌め込み溝に保持されている位置決め用リングを治具により押し出してリング取り付け溝に落とし込むことにより、転がり軸受の位置決めを行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、第2の回転体に形成されたリング嵌め込み溝に予め位置決め用リングを嵌め込んでおくことで、第1の回転体と第2の回転体とをばらした状態ではなく、両者を組み合わせたクラッチユニットの状態で車両メーカ側へ納入できる。
車両メーカ側では、転がり軸受の内輪を軸受面の外周に隙間嵌めしてエンジンブロックにクラッチユニットを組み付けた後、第2の回転体に形成された貫通孔に治具を挿入して、予めリング嵌め込み溝に保持されている位置決め用リングを治具により押し出してリング取り付け溝に落とし込むことにより、転がり軸受の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、第1の回転体と第2の回転体とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
車両メーカ側では、転がり軸受の内輪を軸受面の外周に隙間嵌めしてエンジンブロックにクラッチユニットを組み付けた後、第2の回転体に形成された貫通孔に治具を挿入して、予めリング嵌め込み溝に保持されている位置決め用リングを治具により押し出してリング取り付け溝に落とし込むことにより、転がり軸受の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、第1の回転体と第2の回転体とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
(請求項3の発明)
本発明のエンジン始動用トルク伝達装置は、エンジンブロックに転がり軸受を介して回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合う歯部を有する第1の回転体と、エンジンのクランク軸に固定される第2の回転体と、第1の回転体と第2の回転体との間に設けられ、第1の回転体がスタータに駆動されて回転する時に、第1の回転体から第2の回転体へトルクを伝達し、第2の回転体がエンジンに駆動されて回転する時に、第2の回転体から第1の回転体へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチと、エンジンブロックに対して転がり軸受を軸方向に位置決めする位置決め部材とを備える。
本発明のエンジン始動用トルク伝達装置は、エンジンブロックに転がり軸受を介して回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合う歯部を有する第1の回転体と、エンジンのクランク軸に固定される第2の回転体と、第1の回転体と第2の回転体との間に設けられ、第1の回転体がスタータに駆動されて回転する時に、第1の回転体から第2の回転体へトルクを伝達し、第2の回転体がエンジンに駆動されて回転する時に、第2の回転体から第1の回転体へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチと、エンジンブロックに対して転がり軸受を軸方向に位置決めする位置決め部材とを備える。
位置決め部材は、転がり軸受の内輪の内周に装着されて、内輪に対し軸方向に移動不能に固定されると共に、径方向の内側へ突き出る爪部が一体に設けられている。
エンジンブロックは、転がり軸受を支持する円筒の軸受面を有し、この軸受面には、位置決め部材の爪部が嵌まり込む係合溝が形成されている。
第1の回転体は、クラッチのインナが一体に設けられて、このインナの内周に転がり軸受の外輪が圧入されている。
転がり軸受は、位置決め部材の爪部が係合溝に係合することによって軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
エンジンブロックは、転がり軸受を支持する円筒の軸受面を有し、この軸受面には、位置決め部材の爪部が嵌まり込む係合溝が形成されている。
第1の回転体は、クラッチのインナが一体に設けられて、このインナの内周に転がり軸受の外輪が圧入されている。
転がり軸受は、位置決め部材の爪部が係合溝に係合することによって軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
上記の構成によれば、位置決め部材を介して転がり軸受を軸方向に位置決めできるので、例えば、エンジン振動によって転がり軸受が軸方向に動くことを防止できる。これにより、第1の回転体が軸方向に動くこともないので、第1の回転体が第2の回転体と干渉して空転不能になることはない。また、第1の回転体に設けられた歯部とピニオンギヤとの軸方向の掛かりを適正に確保できるので、異音の発生を防止できる。
さらに、位置決め部材は、予め転がり軸受の内輪の内周に装着されているので、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせて構成されるクラッチユニットをエンジン側に組み付ける際に、位置決め部材の爪部が軸受面に形成された係合溝に係合することにより、転がり軸受の位置決めを行うことができる。
さらに、位置決め部材は、予め転がり軸受の内輪の内周に装着されているので、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせて構成されるクラッチユニットをエンジン側に組み付ける際に、位置決め部材の爪部が軸受面に形成された係合溝に係合することにより、転がり軸受の位置決めを行うことができる。
(請求項4の発明)
請求項3に記載したエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法であって、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせてクラッチユニットを構成した状態で、位置決め部材を軸受面の外周に嵌め込みながら、位置決め部材の爪部を係合溝に係合させることにより、転がり軸受の位置決めを行うことを特徴とする。
請求項3に記載したエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法であって、第1の回転体と第2の回転体とを組み合わせてクラッチユニットを構成した状態で、位置決め部材を軸受面の外周に嵌め込みながら、位置決め部材の爪部を係合溝に係合させることにより、転がり軸受の位置決めを行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、第1の回転体と第2の回転体とをばらした状態ではなく、両者を組み合わせたクラッチユニットの状態で車両メーカ側へ納入できる。
車両メーカ側では、クラッチユニットをエンジンブロックに組み付ける際に、位置決め用部材を介して転がり軸受の位置決めを行うことができる。具体的には、位置決め部材をエンジンブロックの軸受面に嵌め込む際に、位置決め部材に設けられた爪部を軸受面に形成された係合溝に係合させることで、転がり軸受の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、第1の回転体と第2の回転体とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
車両メーカ側では、クラッチユニットをエンジンブロックに組み付ける際に、位置決め用部材を介して転がり軸受の位置決めを行うことができる。具体的には、位置決め部材をエンジンブロックの軸受面に嵌め込む際に、位置決め部材に設けられた爪部を軸受面に形成された係合溝に係合させることで、転がり軸受の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、第1の回転体と第2の回転体とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1はエンジン始動用トルク伝達装置(以下、トルク伝達装置1と略して呼ぶ)の断面図である。
本実施例のトルク伝達装置1は、図1に示す様に、エンジンブロック2に軸受3を介して回転自在に支持される第1の回転体4と、エンジンのクランク軸5に固定される第2の回転体6と、第1の回転体4と第2の回転体6との間に内蔵されるクラッチ7と、このクラッチ7に使用される潤滑剤(例えばグリース)の流出を防止するオイルシール8と、軸受3を軸方向に位置決めするための位置決め用リング9等より構成される。
本実施例のトルク伝達装置1は、図1に示す様に、エンジンブロック2に軸受3を介して回転自在に支持される第1の回転体4と、エンジンのクランク軸5に固定される第2の回転体6と、第1の回転体4と第2の回転体6との間に内蔵されるクラッチ7と、このクラッチ7に使用される潤滑剤(例えばグリース)の流出を防止するオイルシール8と、軸受3を軸方向に位置決めするための位置決め用リング9等より構成される。
このトルク伝達装置1は、例えば、交差点の赤信号、あるいは渋滞等で停車した時にエンジンを自動停止させ、その後、所定の発進操作(例えば、運転者がブレーキペダルを離した時)に応答して、エンジンを自動的に再始動させるエンジン自動停止/再始動システム(アイドルストップシステム、エコランシステム等とも呼ばれる)に適用できる。
エンジンブロック2には、図2に示す様に、軸受3を支持するための円筒状の軸受面2aが設けられると共に、この軸受面2aに支持される軸受3のエンジンブロック側(図示左側)を位置決めする段差2cが設けられている。また、軸受面2aの先端部には、位置決め用リング9を取り付けるためのリング取り付け溝2bが形成されている。
軸受3は、外輪3aと内輪3bとの間に複数のボール3cを転動可能に配置したボールベアリングであり、シール機能を有している。
エンジンブロック2には、図2に示す様に、軸受3を支持するための円筒状の軸受面2aが設けられると共に、この軸受面2aに支持される軸受3のエンジンブロック側(図示左側)を位置決めする段差2cが設けられている。また、軸受面2aの先端部には、位置決め用リング9を取り付けるためのリング取り付け溝2bが形成されている。
軸受3は、外輪3aと内輪3bとの間に複数のボール3cを転動可能に配置したボールベアリングであり、シール機能を有している。
第1の回転体4は、最外径部に歯部4aが形成されたリングギヤであり、このリングギヤにスタータ(図示せず)のピニオンギヤ10が常時噛み合っている。この第1の回転体4には、クラッチ7を形成するための空間と、オイルシール8を組み込むための空間とが形成されている。
第2の回転体6は、例えば、MT車用のフライホイールまたはAT車用のドライブプレートであり、エンジンブロック2から突き出るクランク軸5の端部にボルト11を締め付けて固定されている。この第2の回転体6には、図2に示す様に、軸方向のエンジンブロック側の端面にリング嵌め込み溝6aが環状に形成され、且つ、径方向にリング嵌め込み溝6aと重なる位置で軸方向に貫通する複数の貫通孔6bが形成されている。なお、リング嵌め込み溝6aの内周径は、エンジンブロック2の軸受面2aの外径と略同じ大きさに設定されている。
第2の回転体6は、例えば、MT車用のフライホイールまたはAT車用のドライブプレートであり、エンジンブロック2から突き出るクランク軸5の端部にボルト11を締め付けて固定されている。この第2の回転体6には、図2に示す様に、軸方向のエンジンブロック側の端面にリング嵌め込み溝6aが環状に形成され、且つ、径方向にリング嵌め込み溝6aと重なる位置で軸方向に貫通する複数の貫通孔6bが形成されている。なお、リング嵌め込み溝6aの内周径は、エンジンブロック2の軸受面2aの外径と略同じ大きさに設定されている。
クラッチ7は、図2に示す様に、第2の回転体6の最内径部に一体に設けられたインナ7aと、第1の回転体4と一体に設けられ、且つ、インナ7aの外周面との間に複数のカム室を形成するアウタ7bと、カム室に配設されるローラ7c(ローラ7c以外にスプラグ、カム等でも良い)と、このローラ7cをカム室の狭小方向へ付勢するスプリング7dと、ローラ7cおよびスプリング7dを保持するリング状のリテーナ7e等より構成される。このクラッチ7は、第1の回転体4がスタータに駆動されて回転する時に、第1の回転体4から第2の回転体6へトルクを伝達し、第2の回転体6がエンジンに駆動されて回転する時に、第2の回転体6から第1の回転体4へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチとして構成されている。
オイルシール8は、第1の回転体4に形成される空間において、アウタ7bの径方向外側に配置され、ゴム製のリップ部8aがアウタ7bの外周面に摺接することによりクラッチ7の外周側をシールしている。
位置決め用リング9は、金属製であり、周方向の一カ所に切れ目9a〔図4(b)参照〕を有する円環状に設けられている。この位置決め用リング9の内周径は、第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aの内周径より若干小さく形成されている。
位置決め用リング9は、金属製であり、周方向の一カ所に切れ目9a〔図4(b)参照〕を有する円環状に設けられている。この位置決め用リング9の内周径は、第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aの内周径より若干小さく形成されている。
次に、トルク伝達装置1の組み付け手順について図2〜図4を基に説明する。
a)アウタ7bに形成された複数のカム室に、それぞれローラ7cとスプリング7dを配置する(図2参照)。なお、複数のローラ7cとスプリング7dは、リテーナ7eに保持されているので、カム室から脱落することはない。
b)第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aに位置決め用リング9を径方向に押し広げた状態で嵌め込む〔図4(b)参照〕。
c)第1の回転体4にオイルシール8を圧入する。なお、第1の回転体4には、オイルシール8を組み付けた後、あるいはオイルシール8を組み付ける前に、インナ7aの内周に軸受3の外輪3aが圧入される。
a)アウタ7bに形成された複数のカム室に、それぞれローラ7cとスプリング7dを配置する(図2参照)。なお、複数のローラ7cとスプリング7dは、リテーナ7eに保持されているので、カム室から脱落することはない。
b)第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aに位置決め用リング9を径方向に押し広げた状態で嵌め込む〔図4(b)参照〕。
c)第1の回転体4にオイルシール8を圧入する。なお、第1の回転体4には、オイルシール8を組み付けた後、あるいはオイルシール8を組み付ける前に、インナ7aの内周に軸受3の外輪3aが圧入される。
d)オイルシール8およびカム室にそれぞれグリースを封入する。カム室へのグリースの封入は、上記a)の工程の後に行うこともできる。
e)第1の回転体4と第2の回転体6とを組み合わせてクラッチユニットA(図3参照)を構成する。
上記a)〜e)までの工程は、部品製造側で行われる。
この後、組み立てられたクラッチユニットAが車両メーカへ納入され、メーカ側では、以下のf)〜h)の工程が実施される。
e)第1の回転体4と第2の回転体6とを組み合わせてクラッチユニットA(図3参照)を構成する。
上記a)〜e)までの工程は、部品製造側で行われる。
この後、組み立てられたクラッチユニットAが車両メーカへ納入され、メーカ側では、以下のf)〜h)の工程が実施される。
f)軸受3の内輪3bをエンジンブロック2に設けられた軸受面2aの外周に隙間嵌めして、クラッチユニットAをエンジンブロック2に組み付ける。
g)図4(a)に示す様に、第2の回転体6の反エンジンブロック側(図示右側)より貫通孔6bに治具12を挿入して、図示矢印で示す様に、予めリング嵌め込み溝6aに保持されている位置決め用リング9を治具12により押し出して、軸受面2aに形成されたリング取り付け溝2bに位置決め用リング9を落とし込む。
h)第2の回転体6をクランク軸5にボルト11を締め付けて固定する。
i)第2の回転体6に形成された貫通孔6bをキャップ13(図1参照)で塞ぐ。
g)図4(a)に示す様に、第2の回転体6の反エンジンブロック側(図示右側)より貫通孔6bに治具12を挿入して、図示矢印で示す様に、予めリング嵌め込み溝6aに保持されている位置決め用リング9を治具12により押し出して、軸受面2aに形成されたリング取り付け溝2bに位置決め用リング9を落とし込む。
h)第2の回転体6をクランク軸5にボルト11を締め付けて固定する。
i)第2の回転体6に形成された貫通孔6bをキャップ13(図1参照)で塞ぐ。
続いて、トルク伝達装置1の作動を説明する。
a)エンジン始動時
第1の回転体4がスタータにより駆動されて回転すると、クラッチ7が係合状態(ローラ7cを介してインナ7aとアウタ7bとが連結された状態)となり、第1の回転体4→クラッチ7→第2の回転体6→クランク軸5の順にトルクが伝達されてクランキングを開始する。
b)エンジン始動後
クランキングからエンジンが完爆してクランク軸5の回転が第2の回転体6に伝達され、その第2の回転体6の回転速度が第1の回転体4の回転速度を上回ると、クラッチ7が空転状態となって、第2の回転体6から第1の回転体4へのトルク伝達が遮断される。
a)エンジン始動時
第1の回転体4がスタータにより駆動されて回転すると、クラッチ7が係合状態(ローラ7cを介してインナ7aとアウタ7bとが連結された状態)となり、第1の回転体4→クラッチ7→第2の回転体6→クランク軸5の順にトルクが伝達されてクランキングを開始する。
b)エンジン始動後
クランキングからエンジンが完爆してクランク軸5の回転が第2の回転体6に伝達され、その第2の回転体6の回転速度が第1の回転体4の回転速度を上回ると、クラッチ7が空転状態となって、第2の回転体6から第1の回転体4へのトルク伝達が遮断される。
(実施例1の効果)
本実施例のトルク伝達装置1は、エンジンブロック2に形成された段差2cと、位置決め用リング9とで軸受3を軸方向に位置決めできるので、例えば、エンジン振動によって軸受3が軸方向に動くことを防止できる。その結果、軸方向のがたつきの発生を抑えることができ、品質の向上を図ることができる。また、第1の回転体4は、軸受3の外輪3aがインナ7aの内周に圧入固定されているので、軸受3が軸方向に位置決めされることにより、第1の回転体4が軸方向に動くことを防止でき、第1の回転体4が第2の回転体6と干渉して空転不能になることはない。
また、第1の回転体4に設けられた歯部4aとピニオンギヤ10との軸方向の掛かりを適正に確保できるので、異音の発生を防止できる。
本実施例のトルク伝達装置1は、エンジンブロック2に形成された段差2cと、位置決め用リング9とで軸受3を軸方向に位置決めできるので、例えば、エンジン振動によって軸受3が軸方向に動くことを防止できる。その結果、軸方向のがたつきの発生を抑えることができ、品質の向上を図ることができる。また、第1の回転体4は、軸受3の外輪3aがインナ7aの内周に圧入固定されているので、軸受3が軸方向に位置決めされることにより、第1の回転体4が軸方向に動くことを防止でき、第1の回転体4が第2の回転体6と干渉して空転不能になることはない。
また、第1の回転体4に設けられた歯部4aとピニオンギヤ10との軸方向の掛かりを適正に確保できるので、異音の発生を防止できる。
さらに、第2の回転体6に形成されたリング嵌め込み溝6aに予め位置決め用リング9を嵌め込んでおくことで、第1の回転体4と第2の回転体6とをばらした状態ではなく、両者を組み合わせたクラッチユニットAの状態で車両メーカへ納入できる。
メーカ側では、軸受3の内輪3bを軸受面2aの外周に隙間嵌めしてエンジンブロック2にクラッチユニットAを組み付けた後、第2の回転体6に形成された貫通孔6bに治具12を挿入して、予めリング嵌め込み溝6aに保持されている位置決め用リング9を治具12により押し出してリング取り付け溝2bに落とし込むことにより、エンジンブロック2にクラッチユニットAを組み付けた状態で軸受3の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、第1の回転体4と第2の回転体6とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
メーカ側では、軸受3の内輪3bを軸受面2aの外周に隙間嵌めしてエンジンブロック2にクラッチユニットAを組み付けた後、第2の回転体6に形成された貫通孔6bに治具12を挿入して、予めリング嵌め込み溝6aに保持されている位置決め用リング9を治具12により押し出してリング取り付け溝2bに落とし込むことにより、エンジンブロック2にクラッチユニットAを組み付けた状態で軸受3の位置決めを行うことができる。これにより、メーカ側では、第1の回転体4と第2の回転体6とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
図5はトルク伝達装置1をエンジンブロック2に組み付ける工程を示す断面図である。 本実施例のトルク伝達装置1は、軸受3の内輪3bに装着されるスペーサ部材14を介して軸受3を位置決めする一例である。
スペーサ部材14は、金属製でリング形状を有し、図5に示す様に、内輪3bの内周に装着されて、内輪3bに対し軸方向に移動不能に固定されている。また、スペーサ部材14には、軸方向の端部に径方向の内側へ突き出る爪部14aが一体に設けられている。
一方、エンジンブロック2の軸受面2aには、スペーサ部材14の爪部14aが嵌まり込む係合溝2dが形成されている。
スペーサ部材14は、金属製でリング形状を有し、図5に示す様に、内輪3bの内周に装着されて、内輪3bに対し軸方向に移動不能に固定されている。また、スペーサ部材14には、軸方向の端部に径方向の内側へ突き出る爪部14aが一体に設けられている。
一方、エンジンブロック2の軸受面2aには、スペーサ部材14の爪部14aが嵌まり込む係合溝2dが形成されている。
実施例1と同じく、部品製造側でクラッチユニットAを組み立てた後、車両メーカへクラッチユニットAが納入される。
メーカ側では、軸受3の内輪3bに固定されたスペーサ部材14を軸受面2aの外周に嵌め込んで、スペーサ部材14の爪部14aを係合溝2dに係合させ、その後、第2の回転体6をクランク軸5にボルト11で固定する。
上記の構成によれば、実施例1と同様に、スペーサ部材14によって軸受3を軸方向に位置決めできるので、がたつきの発生が少なく、品質の向上を図ることができると共に、エンジン振動によって軸受3が軸方向に動くことを防止できる。
また、第1の回転体4と第2の回転体6は、両者を組み合わせて構成されるクラッチユニットAの状態で車両メーカへ納入できるので、メーカ側では、第1の回転体4と第2の回転体6とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができ、コストダウンに繋がる。
メーカ側では、軸受3の内輪3bに固定されたスペーサ部材14を軸受面2aの外周に嵌め込んで、スペーサ部材14の爪部14aを係合溝2dに係合させ、その後、第2の回転体6をクランク軸5にボルト11で固定する。
上記の構成によれば、実施例1と同様に、スペーサ部材14によって軸受3を軸方向に位置決めできるので、がたつきの発生が少なく、品質の向上を図ることができると共に、エンジン振動によって軸受3が軸方向に動くことを防止できる。
また、第1の回転体4と第2の回転体6は、両者を組み合わせて構成されるクラッチユニットAの状態で車両メーカへ納入できるので、メーカ側では、第1の回転体4と第2の回転体6とを別々に組み付ける場合と比較して、組み付け工数を減らすことができ、コストダウンに繋がる。
1 エンジン始動用トルク伝達装置
2 エンジンブロック
2a 軸受面
2b リング取り付け溝
2c エンジンブロックに形成された段差
2d 軸受面に形成された係合溝
3 軸受(転がり軸受) 4 第1の回転体
4a 歯部
5 エンジンのクランク軸
6 第2の回転体
6a リング嵌め込み溝
6b 貫通孔
7 一方向クラッチ
7a クラッチのインナ
7b クラッチのアウタ
9 位置決め用リング
10 ピニオンギヤ
12 治具
14 スペーサ部材(位置決め部材)
14a スペーサ部材の爪部
A クラッチユニット
2 エンジンブロック
2a 軸受面
2b リング取り付け溝
2c エンジンブロックに形成された段差
2d 軸受面に形成された係合溝
3 軸受(転がり軸受) 4 第1の回転体
4a 歯部
5 エンジンのクランク軸
6 第2の回転体
6a リング嵌め込み溝
6b 貫通孔
7 一方向クラッチ
7a クラッチのインナ
7b クラッチのアウタ
9 位置決め用リング
10 ピニオンギヤ
12 治具
14 スペーサ部材(位置決め部材)
14a スペーサ部材の爪部
A クラッチユニット
Claims (4)
- エンジンブロックに転がり軸受を介して回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合う歯部を有する第1の回転体と、
エンジンのクランク軸に固定される第2の回転体と、
前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に設けられ、前記第1の回転体が前記スタータに駆動されて回転する時に、前記第1の回転体から前記第2の回転体へトルクを伝達し、前記第2の回転体が前記エンジンに駆動されて回転する時に、前記第2の回転体から前記第1の回転体へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチと、
前記エンジンブロックに対して前記転がり軸受を軸方向に位置決めする位置決め用リングとを備えるエンジン始動用トルク伝達装置であって、
前記位置決め用リングは、周方向の一カ所に切れ目を有し、径方向の外側へ押し広げることが可能な形状に設けられ、
前記エンジンブロックは、前記転がり軸受を支持する円筒の軸受面を有し、この軸受面には、前記位置決め用リングを取り付けるためのリング取り付け溝が形成され、
前記第1の回転体は、前記クラッチのインナが一体に設けられて、このインナの内周に前記転がり軸受の外輪が圧入され、
前記第2の回転体は、前記クラッチのアウタが一体に設けられると共に、軸方向のエンジンブロック側の端面に前記位置決め用リングを径方向に押し広げた状態で保持できるリング嵌め込み溝が形成され、且つ、径方向に前記リング嵌め込み溝と重なる位置で軸方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、
前記転がり軸受は、内輪が前記軸受面の外周に隙間嵌めされて、軸方向のエンジンブロック側が、前記エンジンブロックに形成された段差によって位置決めされ、軸方向の第2の回転体側が前記位置決め用リングによって位置決めされていることを特徴とするエンジン始動用トルク伝達装置。 - 請求項1に記載したエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法であって、
前記第1の回転体と前記第2の回転体とを組み合わせてクラッチユニットを構成した状態で、前記転がり軸受の内輪を前記軸受面の外周に隙間嵌めした後、前記第2の回転体の反エンジンブロック側より前記貫通孔に治具を挿入して、予め前記リング嵌め込み溝に保持されている前記位置決め用リングを前記治具により押し出して前記リング取り付け溝に落とし込むことにより、前記転がり軸受の位置決めを行うことを特徴とするエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法。 - エンジンブロックに転がり軸受を介して回転自在に支持され、且つ、スタータのピニオンギヤに常時噛み合う歯部を有する第1の回転体と、
エンジンのクランク軸に固定される第2の回転体と、
前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に設けられ、前記第1の回転体が前記スタータに駆動されて回転する時に、前記第1の回転体から前記第2の回転体へトルクを伝達し、前記第2の回転体が前記エンジンに駆動されて回転する時に、前記第2の回転体から前記第1の回転体へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチと、
前記エンジンブロックに対して前記転がり軸受を軸方向に位置決めする位置決め部材とを備えるエンジン始動用トルク伝達装置であって、
前記位置決め部材は、前記転がり軸受の内輪の内周に装着されて、前記内輪に対し軸方向に移動不能に固定されると共に、径方向の内側へ突き出る爪部が一体に設けられ、
前記エンジンブロックは、前記転がり軸受を支持する円筒の軸受面を有し、この軸受面には、前記位置決め部材の爪部が嵌まり込む係合溝が形成され、
前記第1の回転体は、前記クラッチのインナが一体に設けられて、このインナの内周に前記転がり軸受の外輪が圧入され、
前記転がり軸受は、前記位置決め部材の爪部が前記係合溝に係合することによって軸方向に位置決めされていることを特徴とするエンジン始動用トルク伝達装置。 - 請求項3に記載したエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法であって、
前記第1の回転体と前記第2の回転体とを組み合わせてクラッチユニットを構成した状態で、前記位置決め部材を前記軸受面の外周に嵌め込みながら、前記位置決め部材の爪部を前記係合溝に係合させることにより、前記転がり軸受の位置決めを行うことを特徴とするエンジン始動用トルク伝達装置の組み立て方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008070682A JP2009222041A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | エンジン始動用トルク伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008070682A JP2009222041A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | エンジン始動用トルク伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009222041A true JP2009222041A (ja) | 2009-10-01 |
Family
ID=41239059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008070682A Pending JP2009222041A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | エンジン始動用トルク伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009222041A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012087638A (ja) * | 2010-10-16 | 2012-05-10 | Ozak Seiko Co Ltd | エンジン始動回転力伝達機構 |
-
2008
- 2008-03-19 JP JP2008070682A patent/JP2009222041A/ja active Pending
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JP2012087638A (ja) * | 2010-10-16 | 2012-05-10 | Ozak Seiko Co Ltd | エンジン始動回転力伝達機構 |
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