JP2009221922A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガスの流路上に窒素酸化物吸着材及びフィルター部材を備える構成の排気ガス浄化装置において、排気ガスの浄化処理の効率低下を招くことなく、効率よく、窒素酸化物吸着材の吸着能力の再生と、フィルター部材の捕獲能力の再生とを、可能にする。
【解決手段】通常運転の行われている分岐排気通路2内で窒素酸化物吸着材5への吸着量を窒素酸化物濃度センサ15により検知し、該吸着量が所定量に達すると、当該分岐排気通路2で行われる運転を通常運転から再生運転に変更し、通常運転の行われている分岐排気通路2内でフィルター部材8への粒子状物質の捕獲量を圧力センサ18a、18bにより検知し、該捕獲量が所定量に達すると、当該分岐排気通路2でフィルター再生運転を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼル機関、ガス機関、ガソリン機関あるいはガスタービン機関等の内燃機関、又は、焼却炉やボイラ等の燃焼機器、の排気ガスを浄化する装置に関し、特に空気過剰状態で通常運転を行う内燃機関等の排気通路に接続されて窒素酸化物を除去する排気ガス浄化装置に関する。
内燃機関等から排出される排気ガスには、有害成分として、窒素酸化物、一酸化炭素及び炭化水素など、が含まれている。これらの物質を排気ガスより除去して、排気ガスを浄化する装置は、従来各種開発されている。
本件出願人は、排気ガス浄化装置を開発し、既に出願している(特許文献1)。図5には、特許文献1の図1に記載の排気ガス浄化装置が示されている。図5に示されるように、本件出願人による従前の排気ガス浄化装置には、内燃機関等に接続される複数の分岐排気通路202、203と、排気ガスの流路の遮断弁204と、が備えられている。加えて、各分岐排気通路202、203内には、第1燃焼装置(吸着物質脱離手段)206と、フィルター部材208と、硫黄酸化物吸着材209と、窒素酸化物吸着材205と、第2燃焼装置207と、が設けられている。
各分岐排気通路202、203では、通常運転又は再生運転が行われる。通常運転は、遮断弁204の切替により、分岐排気通路202(又は203)に排気ガスを流入させる運転である。このとき、窒素酸化物吸着材205に窒素酸化物が吸着する。また、このとき、窒素酸化物吸着材205の排気上流側で、すすなどの粒子状物質がフィルター部材208に捕獲され、硫黄酸化物が硫黄酸化物吸着材209に吸着する。このため、粒子状物質が大気中に放出される不具合や、窒素酸化物吸着材205に硫黄酸化物が吸着される不具合(硫黄被毒)が発生しない。
一方、再生運転は、遮断弁204の切替により、分岐排気通路202(又は203)への排気ガスの流入を遮断した状態で、第1燃焼装置206と第2燃焼装置207とを作動させる運転である。第1燃焼装置206の作動により、窒素酸化物吸着材205から窒素酸化物が脱離して、窒素酸化物吸着材5の吸着能力が再生される。加えて、硫黄酸化物吸着材209から硫黄酸化物が脱離される。また、第2燃焼装置207の作動により、脱離した窒素酸化物が還元されて除去される。つまり、再生運転において、窒素酸化物吸着材205の吸着能力の再生と、硫黄酸化物吸着材209の吸着能力の再生と、が行われる。
図5に示される排気ガス浄化装置は、三元触媒や、アンモニアや尿素などを用いることのない浄化装置である。三元触媒は、窒素酸化物、一酸化炭素及び炭化水素を同時に分解できる触媒であるが、空気過剰環境下では有効に作用しない。アンモニア等を用いた浄化装置は、装置自体が非常に複雑で高価であり、還元剤としてのアンモニア等の維持費やアンモニア等の供給体制の整備も必要で、問題点が多い。図5に示される排気ガス浄化装置は、上記問題点を解決している。図5に示される排気ガス浄化装置は、空気過剰条件下で運転される内燃機関等から排出される排気ガスより、有害成分(窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素)を除去して浄化し、しかも、その浄化能力を低下させることなく維持できる。
特開2006−272115号公報
図5に示される排気ガス浄化装置では、分岐排気通路202、203内で、第1燃焼装置206の排気下流側に、フィルター部材208、硫黄酸化物吸着材209及び窒素酸化物吸着材205が順に、直列に配置されている。このため、再生運転において、第1燃焼装置206を燃料過剰条件で作動させることで、窒素酸化物吸着材205の吸着能力の再生と、硫黄酸化物吸着材209の吸着能力の再生とが、可能である。ところが、フィルター部材208に捕獲された粒子状物質を除去するには、第1燃焼装置206を空気過剰条件で作動させる必要がある。このため、再生運転において、窒素酸化物吸着材205や硫黄酸化物吸着材209の吸着能力の再生と、フィルター部材208の捕獲能力の再生とを、同時に実現することができない。また、通常運転中に第1燃焼装置206を空気過剰条件で作動させて、フィルター部材208の捕獲能力の再生を図ろうとすると、窒素酸化物吸着材205が昇温雰囲気に置かれることになり、窒素酸化物吸着材205に窒素酸化物を吸着させることができなくなる。また、通常運転や、窒素酸化物吸着材205に係る再生運転の他に、フィルター部材208のための再生運転の時間を設けた場合は、通常運転の運転時間が相対的に削られることになる。そうすると、排気ガス浄化処理の効率低下を招くことになる。
本発明は、排気ガスの流路上に窒素酸化物吸着材及びフィルター部材を備える構成の排気ガス浄化装置において、排気ガスの浄化処理の効率低下を招くことなく、効率よく、窒素酸化物吸着材の吸着能力の再生と、フィルター部材の捕獲能力の再生とを、可能にすることを目的とする。
本願の第1発明は、内燃機関又は燃焼機器の機関側排気通路に接続される複数の分岐排気通路と、前記各分岐排気通路の排気入口を開放又は閉鎖して、前記機関側排気通路から前記各分岐排気通路への排気ガスの流入及び遮断を切替える排気ガス遮断手段と、前記各分岐排気通路内に設けられ、空気過剰雰囲気で窒素酸化物を一時的に吸着し、該吸着した窒素酸化物を昇温又は還元雰囲気で脱離する窒素酸化物吸着材と、前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材より排気上流側に配置され、空気供給手段を有すると共に、該空気供給手段から供給される空気を昇温又は還元雰囲気にする吸着物質脱離手段と、前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材より排気下流側に配置され、空気供給手段、燃料供給手段及び着火手段から構成される燃焼装置と、前記各分岐排気通路内で前記燃焼装置より排気下流側に配置され、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕獲可能なフィルター部材と、前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材の排気下流側に配置され、該窒素酸化物吸着材による吸着量を検出する吸着量検知手段と、前記各分岐排気通路内で前記フィルター部材の排気上流側及び排気下流側に配置される粒子状物質捕獲量検知手段と、を備えている排気ガス浄化装置の制御方法において、前記各分岐排気通路で行われる運転に、通常運転と、再生運転と、フィルター再生運転と、があり、前記通常運転は、前記排気ガス遮断手段の切替えにより、該通常運転の実行される前記分岐排気通路に排気ガスを流入させて、前記窒素酸化物吸着材に窒素酸化物を吸着させる運転であり、前記再生運転は、前記排気ガス遮断手段の切替えにより、該再生運転の実行される前記分岐排気通路への排気ガスの流入を防止した状態で、前記吸着物質脱離手段及び前記燃焼装置を作動させて、前記窒素酸化物吸着材から窒素酸化物を脱離させて該窒素酸化物吸着材の吸着能力を再生すると共に、脱離した窒素酸化物を還元して除去する運転であり、前記フィルター再生運転は、前記再生運転とは独立して行われる運転であって、前記窒素酸化物吸着材を通過した排気ガスが空気過剰条件で燃焼されるように前記燃焼装置を作動させて、前記フィルター部材の捕獲能力を再生する運転であり、排気ガスの排出が中断されないように、常時、いずれか1つの分岐排気通路内では、通常運転が実行されるものであり、前記通常運転の行われている前記分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材への吸着量を前記吸着量検知手段により検知し、該吸着量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で行われる運転を前記通常運転から前記再生運転に変更し、前記通常運転の行われている前記分岐排気通路内で前記フィルター部材への粒子状物質の捕獲量を前記粒子状物質捕獲量検知手段により検知し、該捕獲量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で前記フィルター再生運転を実行し、前記再生運転及び前記フィルター再生運転の実行後は、前記通常運転が実行される、ことを特徴とする。
前記第1発明は、次の構成(a)を採用することが好ましい。
(a)前記排気ガス浄化装置が、更に、前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材の排気上流側かつ前記吸着物質脱離手段の排気下流側に配置され、空気過剰雰囲気で硫黄酸化物を一時的に吸着し、該吸着した硫黄酸化物を昇温又は還元雰囲気で脱離する硫黄酸化物吸着材と、前記各分岐排気通路内で前記硫黄酸化物吸着材の排気下流側かつ前記窒素酸化物吸着材の排気上流側に配置され、該硫黄酸化物吸着材による吸着量を検出する硫黄酸化物吸着量検知手段と、を備えており、前記各分岐排気通路で行われる運転に、更に、硫黄酸化物吸着材再生運転があり、前記硫黄酸化物吸着材再生運転は、前記排気ガス遮断手段の切替えにより、該硫黄酸化物吸着材再生運転の実行される前記分岐排気通路への排気ガスの流入を防止した状態で、前記再生運転及び前記フィルター再生運転とは独立して、行われる運転であって、前記吸着物質脱離手段及び前記燃焼装置を作動させて、前記硫黄酸化物吸着材の吸着能力を再生する運転であり、前記通常運転の行われている前記分岐排気通路内で前記硫黄酸化物吸着材への硫黄酸化物の吸着量を前記硫黄酸化物吸着量検知手段により検知し、前記硫黄酸化物の吸着量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で前記硫黄酸化物吸着材再生運転を実行し、前記硫黄酸化物吸着材再生運転の実行後は、前記通常運転が実行される。
本願の第1発明によれば、
再生運転が吸着量の大きさに応じて行われ、フィルター再生運転が捕獲量の大きさに応じて行われるので、窒素酸化物吸着材の吸着能力及びフィルター部材の捕獲能力の再生が必要なときに、再生運転やフィルター再生運転を実行できる。このため、再生に要する消費エネルギーを最小化できる。
また、窒素酸化物吸着材の排気下流側にフィルター部材が配置された構成で、フィルター再生運転を再生運転とは独立して行うので、フィルター再生運転を通常運転と同時に行うことができる。このため、フィルター再生運転のために通常運転の実行時間を相対的に減らす必要がなく、総運転時間における通常運転の比率を高く維持できる。つまり、排気ガスの浄化処理の効率低下を招くことなく、効率よく、窒素酸化物吸着材の吸着能力の再生と、フィルター部材の捕獲能力の再生とを、実行できる。
更に、構成(a)によれば、
硫黄酸化物吸着材再生運転が硫黄酸化物の吸着量の大きさに応じて行われるので、硫黄酸化物吸着材の吸着能力の再生が必要なときに、硫黄酸化物吸着材再生運転を実行できる。また、硫黄酸化物吸着材再生運転を再生運転とは独立して行うので、窒素酸化吸着材及び硫黄酸化物吸着材のそれぞれの飽和吸着量に応じて再生に係る運転を実行できる。これらの結果、窒素酸化吸着材及び硫黄酸化物吸着材の再生に要する消費エネルギーを最小化できる。
[第1実施形態に係る排気ガス浄化装置]
図1を用いて、第1実施形態に係る排気ガス浄化装置1を説明する。排気ガス浄化装置1は、内燃機関又は燃焼機器の機関側排気通路100に接続される装置である。
内燃機関又は燃焼機器は、空気及び燃料の混合ガスを燃焼させて、排気ガスを生成する。排気ガスには、窒素酸化物(N0x)や、未燃物としての一酸化炭素(C0)や炭化水素(HC)、などが含まれている。機関側排気通路100は、内燃機関又は燃焼機器が備える排気通路である。内燃機関又は燃焼機器で生成された排気ガスは、機関側排気通路100より排出される。
図1には、排気ガスの通路として、機関側排気通路100と、複数(本実施形態では2つ)の分岐排気通路2、3と、合流排気通路110と、が示されている。分岐排気通路2、3は、排気ガス浄化装置1が備える排気通路である。機関側排気通路100の排気出口100bは、分岐排気通路2、3の排気入口2a、3aに接続されている。分岐排気通路2、3の排気出口2b、3bは、合流排気通路110aに接続されている。これらの排気通路100、2、3及び110は、外気から遮断された通路であり、例えば、パイプで構成される。なお、合流排気通路110は、排気ガス浄化装置1が備える排気通路であっても、内燃機関又は燃焼機器の排気通路であってもよい。
Fは、分岐排気通路2、3内を流れるガス(排気ガス)の流れる方向を示している。方向Fの矢印が示す側が排気下流側であり、方向Fの矢印が示す反対側が排気上流側である。
機関側排気通路100からの排気ガスは、分岐排気通路2内では、排気入口2aから排気出口2bへと流れ、分岐排気通路3内では、排気入口3aから排気出口3bへと流れる。
排気ガス浄化装置1は、制御装置(電子コントロールユニット)10を備えている。制御装置10は、排気ガス浄化装置1に備える各装置(後述)を制御する。
排気ガス浄化装置1は、分岐排気通路2、3の排気入口2a、3aを閉鎖して、機関側排気通路100から各分岐排気通路2、3への排気ガスの流入を遮断可能とする排気ガス遮断手段を備えている。
排気ガス遮断手段として、具体的には、機関側排気通路100と分岐排気通路2、3との合流部に、ガスの遮断弁4が設けられている。遮断弁4は、機関側排気通路100の排気出口100bから分岐排気通路2、3の排気入口2a、3aへの排気ガスの流入を、遮断又は許容する。遮断弁4による遮断及び許容の切替えは、制御装置10の制御により行われる。なお、排気ガス遮断手段は、各分岐排気通路2、3毎に設けられる遮断弁の群であってもよい。この場合、各遮断弁が、分岐排気通路2の排気入口2a及び分岐排気通路3の排気入口3aにそれぞれ設けられる。
排気ガス浄化装置1は、分岐排気通路2、3内にそれぞれ、窒素酸化物吸着材5と、吸着物質脱離手段(第1燃焼装置6)と、燃焼装置(第2燃焼装置7)と、補助空気供給手段17と、フィルター部材8と、を備えている。各分岐排気通路2、3内で、排気下流側に向けて、第1燃焼装置6、窒素酸化物吸着材5、第2燃焼装置7、補助空気供給手段17及びフィルター部材8が、順に配置されている。
窒素酸化物吸着材5は、空気過剰雰囲気で窒素酸化物を一時的に吸着し、該吸着した窒素酸化物を昇温又は還元雰囲気で脱離する材料である。
ここで、空気過剰とは、空気(酸素)及び燃料の混合ガスにおいて、空気過剰率(供給された混合ガスの空燃比を理想空燃比で割った値)が、1より大きい状態を指す。また、空気過剰率が1より小さい状態は、燃料過剰の状態である。還元雰囲気とは、燃焼(酸化及び還元反応)が発生した際に、還元剤が過剰で酸素が不足する状態にあるガスを指す。
窒素酸化物吸着材5は、酸化作用を有する触媒成分も有している。
吸着物質脱離手段は、空気供給手段を有すると共に、該空気供給手段から供給される空気を昇温又は還元雰囲気にする手段である。
吸着物質脱離手段は、本実施形態では、燃焼装置(第1燃焼装置6)である。第1燃焼装置6は、空気供給手段と、燃料供給手段と、着火手段と、で構成される。そして、第1燃焼装置6は、燃料過剰条件下で燃焼反応を発生させることで、還元剤としての未燃物(一酸化炭素及び炭化水素)を発生させると共に、燃焼反応の熱により昇温を実現する。
第1燃焼装置6の空気供給手段は、空気供給装置11と、空気調量装置12と、空気ノズル61と、を備えている。空気供給装置11は、外気を取り込んで、空気調量装置12に供給する。空気調量装置12は、供給された空気(外気)を、空気量を調整した後、空気ノズル61に供給する。空気ノズル61は、分岐排気通路2、3内の第1燃焼領域A1に開口したノズルである。空気ノズル61に供給された空気は、分岐排気通路2、3内に噴射される。ここで、制御装置10が、空気調量装置12を制御して、空気ノズル61に供給される空気量を調整する。
第1燃焼装置6の燃料供給手段は、制御装置10と、燃料タンク13と、燃料調量装置14と、燃料ノズル62と、を備えている。燃料タンク13には、燃料が蓄えられている。燃料調量装置14は、燃料タンク13から供給される燃料を、燃料の量を調整した後、燃料ノズル62に供給する。燃料ノズル62は、分岐排気通路2、3内の第1燃焼領域A1に開口したノズルである。第1燃焼領域A1は、窒素酸化物吸着材5の排気上流側に位置している。燃料ノズル62に供給された燃料は、分岐排気通路2、3内に噴射される。また、制御装置10は、燃料調量装置14を制御して、燃料ノズル62に供給される燃料の量を調整する。
第1燃焼装置6の着火手段は、点火プラグ63である。点火プラグ63は、分岐排気通路2、3内で、着火を行う装置である。ここで、空気ノズル61から噴射された空気と、燃料ノズル62から噴射された燃料とにより、分岐排気通路2、3内の第1燃焼領域A1に、第1混合ガスが生成されている。点火プラグ63は、第1混合ガスを着火して、燃焼させる。
第1燃焼装置6は、第1燃焼装置6の排気下流側に、昇温及び還元雰囲気を発生させる。昇温雰囲気は、第1混合ガスの燃焼の熱により発生する。還元雰囲気は、第1混合ガスの燃焼により未燃物(一酸化炭素、炭化水素)が生成されることにより、発生する。したがって、第1燃焼装置6は、空気供給手段を有すると共に、該空気供給手段から供給される空気を昇温及び還元雰囲気にする手段である。
第1燃焼装置6の位置は、空気ノズル61、燃焼ノズル62及び点火プラグ63の位置を指している。第1燃焼装置6は、各分岐排気通路2、3内で窒素酸化物吸着材5より排気上流側に配置されている。
なお、吸着物質脱離手段は、上述したような燃焼装置(第1燃焼装置6)に限定されない。ここで、吸着物質脱離手段が供給する第1混合ガスは、還元剤を含んだ酸素が不足する状態にあるガスであれば良い。
燃焼装置(第2燃焼装置7)は、空気供給手段と、燃料供給手段と、着火手段と、で構成される。第2燃焼装置7は、燃料過剰条件下で燃焼反応を発生させることで、窒素酸化物を還元して、窒素に変化させる。
第2燃焼装置7の空気供給手段も、第1燃焼装置6の空気供給手段と同様である。第2燃焼装置7の空気供給手段は、空気供給装置11と、空気調量装置12と、空気ノズル71と、を備えている。つまり、第1燃焼装置6の空気供給手段の空気ノズル61が、第2燃焼装置7の空気供給手段では、空気ノズル71に置換されている。なお、空気ノズル71は、分岐排気通路2、3内の第2燃焼領域A2に開口している。
第2燃焼装置7の燃料供給手段も、第1燃焼装置6の燃料供給手段と同様である。第2燃焼装置7の燃料供給手段は、燃料タンク13と、燃料調量装置14と、燃料ノズル72と、を備えている。つまり、第1燃焼装置6の空気供給手段の燃料ノズル62が、第2燃焼装置7の燃料供給手段では、燃料ノズル72に置換されている。なお、燃料ノズル62は、分岐排気通路2、3内の第2燃焼領域A2に開口している。
第2燃焼装置7の着火手段も、第1燃焼装置6の着火手段と同様である。第2燃焼装置7の着火手段は、点火プラグ73であり、分岐排気通路2、3内の第2燃焼領域A2で着火を行う装置である。
第2燃焼装置7の位置は、空気ノズル71、燃料ノズル72及び点火プラグ73の位置を指している。第2燃焼装置7は、各分岐排気通路2、3内で窒素酸化物吸着材5より排気下流側に配置されている。
補助空気供給手段17は、第1燃焼装置6や第2燃焼装置7の空気供給手段と同様である。補助空気供給手段17は、空気供給装置11と、空気調量装置12と、空気ノズル171と、を備えている。空気ノズル171は、第1燃焼装置6の空気ノズル61や、第2燃焼装置7の空気ノズル71に、相当する。なお、空気ノズル171は、分岐排気通路2、3内の第3燃焼領域A3に開口している。
補助空気供給手段17の位置は、空気ノズル171の位置を指している。補助空気供給手段17は、各分岐排気通路2、3内で、第2燃焼装置7の空気供給手段の排気下流側に配置される。
フィルター部材8は、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕獲可能な部材である。粒子状物質は、燃料の不完全燃焼によって発生する、炭素、炭化水素、硫酸塩類の微粒子などである。
フィルター部材8は、各分岐排気通路2、3内で、燃焼装置7及び補助空気供給手段17の排気下流側に配置されている。
また、排気ガス浄化装置1は、各種のセンサとして、吸着量検知手段(窒素酸化物濃度センサ15)と、温度検出手段(温度センサ16)と、粒子状物質捕獲量検知手段(圧力センサ18a、18b)と、を備えている。
吸着量検知手段(窒素酸化物濃度センサ15)は、窒素酸化物吸着材5における窒素酸化物の吸着量を検出する手段である。
吸着量検知手段は、本実施形態では、窒素酸化物濃度センサ15と、吸着量算出部(図示せず)と、で構成される。
窒素酸化物濃度センサ15は、ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するセンサである。窒素酸化物濃度センサ15は、各分岐排気通路2、3内で窒素酸化物吸着材5の排気下流側かつ第2燃焼装置7の排気上流側に配置されている。そして、窒素酸化物濃度センサ15は、窒素酸化物吸着材5を通過した排気ガス中の窒素酸化物の濃度を検出する。なお、窒素酸化物濃度センサ15の位置は、窒素酸化物吸着材5の排気下流側であればよい。
吸着量算出部は、窒素酸化物濃度センサ15の検出した濃度の大きさに基づいて、窒素酸化物吸着材5への窒素酸化物の吸着量を算出する。ここで、吸着量が小さく、窒素酸化物吸着材5の吸着性能が高い状態では、窒素酸化物は窒素酸化物吸着材5に吸着されて排気ガス中に残留しない。したがって、窒素酸化物濃度センサ15の検出する濃度は小さい値となる。吸着量算出部には、窒素酸化物吸着材5の排気下流側の窒素酸化物の濃度と、吸着量と、の対応関係が記憶されている。一般に、吸着量が多くなると、吸着漏れが多く発生し、濃度が高くなる。吸着量算出部は、この対応関係に基づいて、吸着量の大きさを算出する。この吸着量算出部は、専用の判定回路又は、制御装置10を利用する算出プログラムで構成される。
温度検出手段は、窒素酸化物吸着材5を通過するガスの温度を検出する手段である。
温度検出手段は、本実施形態では、第1燃焼領域A1(第1燃焼装置6の排気下流側かつ窒素酸化物吸着材5の排気上流側の領域)にあるガスの温度を検出する温度センサ16である。
粒子状物質捕獲量検知手段(圧力センサ18a、18b)は、フィルター部材8における粒子状物質の捕獲量を検出する手段である。
粒子状物質捕獲量検知手段は、本実施形態では、フィルター部材8を挟んで配置される一対の圧力センサ18a、18bと、捕獲量算出部(図示せず)と、で構成される。
圧力センサ18a、18bは、共に、ガスの圧力を検出するセンサである。圧力センサ18aはフィルター部材8の排気上流側に配置され、圧力センサ18bはフィルター部材8の排気下流側に配置される。このため、圧力センサ18a、18bが検出した一対の圧力により、フィルター部材8の通過前後におけるガスの圧力差が算出される。
捕獲量算出部は、圧力センサ18a、18bの検出した圧力差の大きさに基づいて、フィルター部材8への粒子状物質の捕獲量を算出する。ここで、捕獲量が小さく、窒素フィルター部材8の捕獲性能が高い状態(目詰まりしていない状態)では、粒子状物質はフィルター部材8に捕獲されて排気ガス中に残留しない。したがって、圧力センサ18a、18bの検出する圧力差は小さい値となる。また、捕獲量算出部には、フィルター部材8の通過前後の圧力差と、捕獲量と、の対応関係が記憶されている。一般に、捕獲量が多くなると、目詰まりが多くなり、圧力差が大きくなる。捕獲量も大きくなる。捕獲量算出部は、この対応関係に基づいて、捕獲量の大きさを算出する。捕獲量算出部は、専用の判定回路、又は、制御装置10を利用する算出プログラムで構成される。
[第1実施形態の制御方法]
次に、第1実施形態の排気ガス浄化装置1の制御方法を説明する。第1実施形態の制御方法は、前述した排気ガス浄化装置1において、以下で説明する制御を行う方法である。
各分岐排気通路2、3で行われる運転には、通常運転と、再生運転と、フィルター再生運転と、がある。運転を制御するのは、制御装置10である。
通常運転は、遮断弁4の切替えにより、通常運転の実行される分岐排気通路2、3に排気ガスを流入させて、窒素酸化物吸着材5に窒素酸化物を吸着させる運転である。
再生運転は、遮断弁4の切替えにより、再生運転の実行される分岐排気通路2、3への排気ガスの流入を防止した状態で、第1燃焼装置6及び第2燃焼装置7を作動させて、窒素酸化物吸着材5から窒素酸化物を脱離させて窒素酸化物吸着材5の吸着能力を再生すると共に、脱離した窒素酸化物を還元して除去する運転である。
フィルター再生運転は、再生運転とは独立して行われる運転であって、窒素酸化物吸着材5を通過した排気ガスが空気過剰条件で燃焼されるように第2燃焼装置7を作動させて、フィルター部材8の捕獲能力を再生する運転である。
フィルター再生運転の実行は、分岐排気通路2、3に排気ガスが流入する状態(通常運転と同じ状態)であっても、分岐排気通路2、3に排気ガスが流入しない状態(再生運転と同じ状態)であっても、可能である。したがって、フィルター再生運転の実行時期の一部又は全部が、通常運転の実行時期に含まれてもよい。また、フィルター再生運転が通常運転と独立して実行されても良い。
また、排気ガスが空気過剰条件で燃焼されるように第2燃焼装置7を作動させるとは、次のことを意味する。第2燃焼装置7は、分岐排気通路2、3内に、空気及び燃料を供給して燃焼させるが、遮断弁4が開放されている状態では、窒素酸化物吸着材5を通過した排気ガスも一緒に燃焼される。つまり、排気ガスを空気過剰条件で燃焼させるとは、排気ガスと、第2燃焼装置7が供給する空気及び燃料と、を合わせたガスの空気過剰率が、1を越えた状態で燃焼を発生させることを、意味する。ここで、排気ガス中の未燃物の量は、内燃機関(排気ガスの発生源)の作動状態により変化する。そのため、排気ガス中の未燃物の量が最大のときに合わせて、第2燃焼装置7が供給する空気及び燃料の量を設定しておけば、排気ガスを常に空気過剰条件で燃焼させることが可能である。
加えて、排気ガスの排出が中断されないように、常時、いずれか1つの分岐排気通路2、3内では、通常運転が実行される。このことは、次のことを意味する。各分岐排気通路2、3は、通常運転及び再生運転を繰り返すが、全ての分岐排気通路2、3で同時に再生運転が実行されることはない。一方、全ての分岐排気通路2、3で同時に通常運転が実行されることはあってもよい。
通常運転から、再生運転やフィルター再生運転への切替えは、次のようにして行われる。
制御装置10は、通常運転の行われている分岐排気通路2、3内で窒素酸化物吸着材5への吸着量を吸着量検知手段(濃度センサ15)により検知し、該吸着量が所定量(上限値)に達すると、当該分岐排気通路2、3で行われる運転を通常運転から再生運転に変更する。
制御装置10は、通常運転の行われている前記分岐排気通路内で、前記フィルター部材への粒子状物質の捕獲量(上限値)を前記粒子状物質捕獲量検知手段(圧力センサ18a、18b)により検知し、該捕獲量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で前記フィルター再生運転を実行する。
再生運転やフィルター再生運転から、通常運転への切替えは、次のようにして行われる。
制御装置10は、再生運転の実行時間が所定時間を経過すると、再生運転を終了させて、通常運転に切替える。あるいは、制御装置10は、吸着量検知手段(濃度センサ15)が検知する吸着量が所定量(下限値)を下回ると、当該分岐排気通路2、3で行われる運転を再生運転から通常運転に変更する。なお、吸着量の所定値について、通常運転から再生運転への切替えに用いる所定量(上限値)と、再生運転から通常運転への切替えに用いる所定量(下限値)とは、値の大きさが異なる。
制御装置10は、フィルター再生運転の実行時間が所定時間を経過すると、フィルター再生運転を終了させて、通常運転に切替える。あるいは、制御装置10は、フィルター部材8が検知する捕獲量が所定量(下限値)に達すると、当該分岐排気通路2、3で行われる運転を、通常運転に切替える。ここで、フィルター再生運転が、通常運転中に(すなわち通常運転と並行して)行われている場合は、制御装置10は、フィルター再生運転のみを終了させて、通常運転を継続して実行させる(通常運転のみを実行する)。なお、捕獲量の所定値について、フィルター再生運転の実行開始に用いる所定量(上限値)と、フィルター再生運転の実行終了に用いる所定量(下限値)とは、値の大きさが異なる。
[第1実施形態の作動]
次に、第1実施形態の制御方法による排気ガス浄化装置1の作動を説明する。
排気ガス浄化装置1に接続される内燃機関等の作動が開始されると、それに応じて、制御装置10は、排気ガス浄化装置1の作動を開始させる。制御装置10は、排気ガス浄化装置1の作動に伴って、各分岐排気通路2、3において、通常運転又は再生運転の実行を開始する。
図2には、各分岐排気通路2、3で実行された各種運転(通常運転、再生運転及びフィルター再生運転)の時間表の一例が示されている。各分岐排気通路2、3において、通常運転、再生運転及びフィルター再生運転が、概ね周期的に繰り返し実行される。ただし、吸着量の変化に応じて、通常運転が終了される(再生運転が開始される)ため、通常運転の実行時間は必ずしも一定ではない。また、再生運転及びフィルター再生運転の実行時間が、再生処理による吸着量や捕獲量の低減量に基づいて決定される場合は、再生運転及びフィルター再生運転の実行時間も一定ではない。なお、再生運転及びフィルター再生運転の実行時間は、所定の一定時間とすることもできる。
図2において、WNは、通常運転の実行時間(連続して実行される時間)を指す。WRは、再生運転の実行時間(連続して実行される時間)を指す。WFRは、フィルター再生運転の実行時間(連続して実行される時間)を指す。
制御装置10は、作動開始時刻T0(排気ガス浄化装置1の作動が開始された時点)に、分岐排気通路2で再生運転を開始し、分岐排気通路3で通常運転を開始する。つまり、制御装置10は、遮断弁4を制御して、機関側排気通路100と分岐排気通路2とを遮断し、かつ、機関側排気通路100と分岐排気通路3とを連通させる。このため、排気ガスは、分岐排気通路3に流入する。加えて、制御装置10は、再生運転の対象の分岐排気通路2内で、第1燃焼装置6、第2燃焼装置7及び補助空気供給手段17を、作動させる。
分岐排気通路2では、作動開始時刻T0から時刻T1まで再生運転が実行され、時刻T1から時刻T5まで通常運転が実行され、時刻T4から時刻T6までフィルター再生運転が実行され、時刻T6から時刻T7まで再生運転が実行され、時刻T7から図示せぬ時刻まで通常運転が実行されている。時刻T4から時刻T5までの間は、通常運転の実行と、フィルター再生運転の実行とが、並行している。そして、フィルター再生運転の実行時間WFRの一部が、通常運転の実行時間WNに含まれている。
分岐排気通路2において、時刻T5から時刻T6までの間は、フィルター再生運転のみが実行されている。このとき、分岐排気通路2に排気ガスが進入する状態、分岐排気通路2への排気ガスの進入が遮断された状態、のいずれの状態であっても良い。ただし、時刻T5から時刻T6までの間に、分岐排気通路3で再生運転が実行されている場合は、分岐排気通路2に排気ガスが進入する状態にする必要がある。つまり、時刻T5から時刻T6までの間も、通常運転を行う必要がある。これは、排気ガスを大気中に放出するために、いずれか1つの分岐排気通路2、3では通常運転を実行する必要があることによる。
分岐排気通路3では、作動開始時刻T0から時刻T2まで通常運転が実行され、時刻T2から時刻T3まで再生運転が実行され、時刻T3から時刻T10まで通常運転が実行され、時刻T8から時刻T9まではフィルター再生運転が実行されている。ここで、時刻T8から時刻T9までの間は、通常運転の実行と、フィルター再生運転の実行とが、並行している。そして、フィルター再生運転の実行時間WFRの全部が、通常運転の実行時間WNに含まれている。
運転の切替えは、前述したように、検出手段の検出結果に基づいて行われる。このため、分岐排気通路2、3の双方で、運転の切替えタイミングが接近することがある。この結果、一方の分岐排気通路2、3で再生運転が終了しないうちに、他方の一方の分岐排気通路2、3で窒素酸化物の吸着量が所定値を越えて、再生運転を実行すべき状態となることがある。一方、排気ガスを大気中に放出するためには、いずれか1つの分岐排気通路2、3では通常運転を実行する必要がある。このため、このような場合は、先に再生運転を実行している一方の分岐排気通路2、3で、再生運転を中途で終了させて通常運転に移行させることで、他方の分岐排気通路2、3で、再生運転を開始させる。あるいは、他方の分岐排気通路2、3における再生運転の実行開始を、一方の分岐排気通路2、3における再運転が適切に終了するまで、待機させる。
通常運転の実行状況を説明する。通常運転の対象の分岐排気通路2(又は3)には、排気ガスが進入する。排気ガスが窒素酸化物吸着材5を通過する際に、排気ガスに含まれる窒素酸化物が、窒素酸化物吸着材5に吸着される。そして、排気ガスより窒素酸化物が除去される。また、窒素酸化物吸着材5が酸化触媒成分を有していることにより、排気ガスに含まれる未燃物(一酸化炭素及び炭化水素)が酸化される。一酸化炭素及び炭化水素は、二酸化炭素及び水に酸化されて、無害化される。そして、排気ガスより、一酸化炭素及び炭化水素が除去される。
窒素酸化物吸着材5を通過した排気ガスは、更に、フィルター部材8を通過する。排気ガスがフィルター部材8を通過する際に、排気ガスに含まれる粒子状物質が、フィルター部材8に捕獲される。そして、排気ガスより粒子状物質が除去される。
フィルター部材8を通過した排気ガスは、合流排気通路110を経由して、大気中へと放出される。
通常運転の実行が継続すると、窒素酸化物吸着材5に吸着される窒素酸化物の量が増大し、窒素酸化物吸着材5の吸着能力が低下する。窒素酸化物吸着材5の吸着能力を再生するには、窒素酸化物吸着材5より窒素酸化物を脱離させる必要がある。窒素酸化物吸着材5の吸着能力は、再生運転で再生される。
通常運転は、通常運転の対象の分岐排気通路2(又は3)で、吸着量が所定値(上限値)を越えたことを吸着量検出手段(窒素酸化物濃度センサ15)が検出すると、終了する。そして、通常運転の対象とされていた分岐排気通路2(又は3)で、再生運転が開始される。
再生運転の実行状況を説明する。再生運転の対象の分岐排気通路2(又は3)には、排気ガスの進入が遮断される。再生運転では、制御装置10は、第1燃焼装置6を燃料過剰条件で作動させる。第1燃焼装置6の作動により、第1燃焼領域A1で、燃料及び空気の混合された第1混合ガスが生成された後、この第1混合ガスが燃焼される。第1混合ガスの燃焼により、未燃物を多く含んだ第1燃焼後ガスが生成される。つまり、第1燃焼後ガスは還元雰囲気であり、昇温雰囲気でもある。排気上流側は遮断弁4により閉鎖されているので、第1燃焼後ガスは、排気下流側(窒素酸化物吸着材5側)へと送られる。
前記温度センサ16により、第1燃焼領域A1内のガスの温度が、所定温度を越えている場合、第1燃焼装置6による点火処理を省略してもよい。当該所定温度は、窒素酸化物吸着材5で、第1混合ガスが点火しない状態でも、燃料が酸素と反応する温度を意味する。このようにして、点火プラグ63の使用頻度を低減できる。
還元雰囲気である第1燃焼後ガスが窒素酸化物吸着材5を通過すると、窒素酸化物吸着材5から窒素酸化物が脱離する。脱離した窒素酸化物は、第1燃焼後ガスに含まれて、更に排気下流側(第2燃焼領域A2側)へと送られる。
制御装置10は、再生運転における第1燃焼装置6の作動と同時もしくは作動後に、第2燃焼装置7及び補助空気供給手段17を作動させる。第2燃焼装置7の作動により、第2燃焼領域A2及びA3に、燃料及び空気の混合ガスが生成される。また、第3燃焼領域A3には、補助空気供給手段17により更に空気が供給される。
ここで、第2燃焼領域A2に生成される混合ガスを第2混合ガスとし、第3燃焼領域A3に形成される混合ガスを第3混合ガスとする。第3混合ガスには、第2混合ガスよりも多くの空気が供給されるため、第3混合ガスの空気過剰率は、第2混合ガスの空気過剰率よりも高くなる。このため、第2燃焼装置7の供給する燃料及び空気の量と、補助空気供給手段17の供給する空気の量と、を適宜設定することにより、第2燃焼領域A2では燃料過剰条件下で燃焼反応を発生させ、第3燃焼領域A3では空気過剰条件下で燃焼反応を発生させることが、可能である。
第2燃焼領域A2には、第1燃焼領域A1からの第1燃焼後ガスが到達する。したがって、第2燃焼領域A2では、第2混合ガス及び第1燃焼後ガスが燃焼されて、第2燃焼後ガスが生成される。ここで、第2混合ガス及び第1燃焼後ガスを合わせたガスが、燃料過剰となるように、第2燃焼装置7の作動(燃料及び空気の供給量)が制御されている。
燃料過剰条件で発生した第2燃焼後ガスには、多くの未燃物が含まれている。このため、第2燃焼後ガスに含まれる窒素酸化物(窒素酸化物吸着材5から脱離した窒素酸化物)が、同じく第2燃焼後ガスに含まれる未燃物により還元されて、窒素になる。このようにして、内燃機関からの排気ガスに含まれていた窒素酸化物が、無害化される。
第3燃焼領域A3では、第3混合ガス及び第2燃焼後ガスが燃焼されて、第3燃焼後ガスが生成される。ここで、第3混合ガス及び第2燃焼後ガスを合わせたガスが、空気過剰となるように、第2燃焼装置7の作動(燃料及び空気の供給量)及び補助空気供給手段17の作動(空気の供給量)が制御されている。
空気過剰条件で、第3混合ガス及び第2燃焼後ガスが燃焼されることにより、第2燃焼後ガスに含まれる未燃物(一酸化炭素及び炭化水素)が酸化される。そして、窒素酸化物の還元のために第1燃焼装置6が発生させた未燃物が除去される。また、粒子状物質も酸化されて除去される。
第3燃焼後ガスは、更に、フィルター部材8を通過する。空気過剰の第3燃焼後ガスがフィルター部材8を通過する際に、フィルター部材8に捕獲されている粒子状物質が酸化されて、除去される。ただし、再生運転における第2燃焼装置7及び補助空気供給手段17の作動は、フィルター部材8の捕獲能力の再生を目的としているわけではない。このため、フィルター部材8の捕獲能力を適切に再生するために、フィルター再生運転が別に設けられている。
フィルター部材8を通過した第3燃焼後ガスは、合流排気通路110を経由して、大気中へと放出される。
本実施形態では、第2燃焼装置7及び補助空気供給手段17を用いることで、第2燃焼領域A2に燃料過剰の燃焼を発生させ、第3燃焼領域A3に空気過剰の燃焼を発生させている。燃料過剰の燃焼と、空気過剰の燃焼とを、同時に発生させる構成は、この形態に限定されない。例えば、第2燃焼装置7のみの構成であっても、燃料過剰の燃焼と、空気過剰の燃焼とを、同時に発生させることが可能である。この場合、燃料噴射位置に近い部位は燃料過剰となり、燃料噴射位置から遠い部位が空気過剰となることを利用して、第2燃焼領域A2に燃料過剰の燃焼を発生させ、第3燃焼領域A3に空気過剰の燃焼を発生させる。
再生運転は、再生運転の対象の分岐排気通路2(又は3)で、吸着量が所定値(下限値)を下回ったことを吸着量検出手段(窒素酸化物濃度センサ15)が検出すると(あるいは所定時間が経過すると)、終了する。そして、再生運転の対象とされていた分岐排気通路2(又は3)で、通常運転が開始される。
フィルター再生運転は、通常運転の対象の分岐排気通路2(又は3)で、捕獲量が所定値(上限値)を越えたことを粒子状物質捕獲量検出手段(センサ18a、18b)が検出すると(あるいは所定時間が経過すると)、開始される。また、フィルター再生運転は、フィルター再生運転の対象の分岐排気通路2(又は3)で、捕獲量が所定値(下限値)を下回ったことを粒子状物質捕獲量検出手段(センサ18a、18b)が検出すると(あるいは所定時間が経過すると)、終了する。
フィルター再生運転の実行状況を説明する。フィルター再生運転が通常運転と同時に実行されている場合、フィルター再生運転の対象の分岐排気通路2(又は3)には、排気ガスが進入する。また、フィルター再生運転が通常運転とは別に実行されている場合、フィルター再生運転の対象の分岐排気通路2(又は3)への排気ガスの進入は遮断されている。
フィルター再生運転では、制御装置10は、第2燃焼装置7を空気過剰条件で作動させる。第2燃焼装置7の作動により、第2燃焼領域A2に空気過剰の燃焼後ガスが発生する。この燃焼後ガスが、フィルター部材8を通過する際に、フィルター部材8に捕獲されている粒子状物質が酸化されて、除去される。
フィルター部材8を通過した燃焼後ガスは、合流排気通路110を経由して、大気中へと放出される。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態の制御方法は、次のような効果を発揮する。
再生運転が吸着量の大きさに応じて行われ、フィルター再生運転が捕獲量の大きさに応じて行われるので、窒素酸化物吸着材5の吸着能力及びフィルター部材8の捕獲能力の再生が必要なときに、再生運転やフィルター再生運転を実行できる。このため、再生に要する消費エネルギーを最小化できる。
また、窒素酸化物吸着材5の排気下流側にフィルター部材8が配置された構成で、フィルター再生運転を再生運転とは独立して行うので、フィルター再生運転を通常運転と同時に行うことができる。このため、フィルター再生運転のために通常運転の実行時間を相対的に減らす必要がなく、総運転時間における通常運転の比率を高く維持できる。つまり、排気ガスの浄化処理の効率低下を招くことなく、効率よく、窒素酸化物吸着材5の吸着能力の再生と、フィルター部材8の捕獲能力の再生とを、実行できる。
[第2実施形態に係る排気ガス浄化装置]
次に、図3を用いて、第2実施形態に係る排気ガス浄化装置1を説明する。第2実施形態に係る排気ガス浄化装置1は、第1実施形態に係る排気ガス浄化装置1の構成に加えて、更に、硫黄酸化物吸着材9と、硫黄酸化物吸着量検知手段(硫黄酸化物濃度センサ19)と、を備えている。
図3に示されるように、各分岐排気通路2、3内で、排気下流側に向けて、第1燃焼装置6、硫黄酸化物吸着材9、窒素酸化物吸着材5、第2燃焼装置7、補助空気供給手段17及びフィルター部材8が、順に配置されている。
硫黄酸化物吸着材9は、空気過剰雰囲気で硫黄酸化物を一時的に吸着し、該吸着した硫黄酸化物を昇温又は還元雰囲気で脱離する材料である。硫黄酸化物吸着材9における硫黄酸化物の吸着及び脱離の作用は、窒素酸化物吸着材5における窒素酸化物の吸着及び脱離の作用と、同様である。
硫黄酸化物吸着材9は、各分岐排気通路2、3内で、第1燃焼装置6の排気下流側かつ窒素酸化物吸着材5の排気上流側に配置されている。
燃料に硫黄が含まれている場合、排気ガスに硫黄酸化物が含まれる。硫黄酸化物吸着材9は、排気ガスに硫黄酸化物が含まれる場合に、硫黄酸化物が窒素酸化物吸着材5で吸着されるのを防止する。
硫黄酸化物吸着量検知手段(硫黄酸化物濃度センサ19)は、硫黄酸化物吸着材9による硫黄酸化物の吸着量を検出する手段である。
硫黄酸化物吸着量検知手段は、本実施形態では、硫黄酸化物濃度センサ19と、硫黄吸着量算出部(図示せず)と、で構成される。
硫黄酸化物濃度センサ19は、ガス中の硫黄酸化物の濃度を検出するセンサである。硫黄酸化物濃度センサ19は、各分岐排気通路2、3内で硫黄酸化物吸着材9の排気下流側かつ窒素酸化物吸着材5の排気上流側に配置されている。そして、硫黄酸化物濃度センサ19は、硫黄酸化物吸着材9を通過した排気ガス中の硫黄酸化物の濃度を検出する。なお、硫黄酸化物濃度センサ19の位置は、硫黄酸化物吸着材9の排気下流側であればよい。
硫黄吸着量算出部は、硫黄酸化物濃度センサ19の検出した濃度の大きさに基づいて、硫黄酸化物吸着材9への硫黄酸化物の吸着量を算出する。ここで、吸着量が小さく、硫黄酸化物吸着材9の吸着性能が高い状態では、硫黄酸化物は硫黄酸化物吸着材9に吸着されて排気ガス中に残留しない。したがって、硫黄酸化物濃度センサ19の検出する濃度は小さい値となる。硫黄吸着量算出部には、硫黄酸化物吸着材9の排気下流側の硫黄酸化物の濃度と、吸着量と、の対応関係が記憶されている。硫黄吸着量算出部は、この対応関係に基づいて、吸着量の大きさを算出する。この硫黄吸着量算出部は、専用の判定回路、又は、制御装置10を利用する算出プログラムで構成される。
[第1実施形態の制御方法]
次に、第2実施形態の排気ガス浄化装置1の制御方法を説明する。第1実施形態の制御方法は、硫黄酸化物吸着材9の追加された排気ガス浄化装置1において、以下で説明する制御を行う方法である。第2実施形態の制御方法には、第1実施形態の制御方法に、更に、硫黄酸化物吸着材再生運転が追加されている。以下、第2実施形態の制御方法について、硫黄酸化物吸着材再生運転及び、硫黄酸化物吸着材再生運転の追加によって変更される点を説明する。
各分岐排気通路2、3で行われる運転には、通常運転と、再生運転と、フィルター再生運転と、硫黄酸化物吸着材再生運転と、がある。運転を制御するのは、制御装置10である。
硫黄酸化物吸着材再生運転は、遮断弁4の切替えにより、硫黄酸化物吸着材再生運転の実行される分岐排気通路2、3への排気ガスの流入を防止した状態で、再生運転及びフィルター再生運転とは独立して、行われる運転である。この硫黄酸化物吸着材再生運転は、第1燃焼装置6及び第2燃焼装置7を作動させて、硫黄酸化物吸着材9の吸着能力を再生する運転である。
硫黄酸化物吸着材再生運転は、制御装置10による制御内容の点で、概ね、再生運転と同様の運転である。したがって、再生運転の実行により、硫黄酸化物吸着材9の吸着能力が再生される。ただし、再生運転は、硫黄酸化物吸着材9の吸着能力の再生を目的としているわけではない。このため、硫黄酸化物吸着材9の吸着能力を適切に再生するために、硫黄酸化物吸着材再生運転が、再生運転とは別に、設けられている。
通常運転から、硫黄酸化物吸着材再生運転への切替えは、次のようにして行われる。制御装置10は、通常運転の行われている分岐排気通路2、3内で、硫黄酸化物吸着材9への硫黄酸化物の吸着量を硫黄酸化物吸着量検知手段(濃度センサ19)により検知し、該吸着量が所定量(上限値)に達すると、当該分岐排気通路2、3で行われる運転を通常運転から硫黄酸化物吸着材再生運転に変更する。
硫黄酸化物吸着材再生運転から、通常運転への切替えは、次のようにして行われる。制御装置10は、硫黄酸化物吸着材再生運転の実行時間が所定時間を経過すると、硫黄酸化物吸着材再生運転を終了させて、通常運転に切替える。あるいは、制御装置10は、硫黄酸化物吸着量検知手段(濃度センサ19)が検知する吸着量が所定量(下限値)を下回ると、当該分岐排気通路2、3で行われる運転を硫黄酸化物吸着材再生運転から通常運転に変更する。なお、吸着量の所定値について、通常運転から再生運転への切替えに用いる所定量(上限値)と、再生運転から通常運転への切替えに用いる所定量(下限値)とは、値の大きさが異なる。
[第2実施形態の作動]
次に、第2実施形態の制御方法による排気ガス浄化装置1の作動を説明する。以下では、特に、硫黄酸化物吸着材9に係る点を中心に説明する。
図4には、各分岐排気通路2、3で実行された各種運転(通常運転、再生運転、フィルター再生運転及び硫黄酸化物吸着材再生運転)の時間表の一例が示されている。各分岐排気通路2、3において、硫黄酸化物吸着材再生運転も、概ね周期的に繰り返し実行される。硫黄酸化物吸着材再生運転の実行時間が、再生処理による硫黄酸化物の吸着量の低減量に基づいて決定される場合は、硫黄酸化物吸着材再生運転の実行時間も一定ではない。なお、硫黄酸化物吸着材再生運転の実行時間は、所定の一定時間とすることもできる。
図4において、WSRは、硫黄酸化物吸着材再生運転の実行時間(連続して実行される時間)を指す。WN、WR、WFRは、図2に示す場合と同様である。
図4において、図2と相違する点を説明する。分岐排気通路3において、時刻T3から時刻T21まで通常運転が実行され、時刻T21から時刻T22まで硫黄酸化物吸着材再生運転が実行され、時刻T22から図示せぬ時刻まで通常運転が実行されている。
硫黄酸化物吸着材再生運転の実行状況を説明する。硫黄酸化物吸着材再生運転の対象の分岐排気通路2(又は3)には、排気ガスの進入が遮断される。硫黄酸化物吸着材再生運転では、制御装置10は、第1燃焼装置6を燃料過剰条件で作動させる。
第1燃焼装置6の作動により、還元雰囲気かつ昇温雰囲気である第1燃焼後ガスが第1燃焼領域A1で生成され、硫黄酸化物吸着材9側へ送られる。第1燃焼後ガスが硫黄酸化物吸着材9を通過すると、硫黄酸化物吸着材9から硫黄酸化物が脱離する。脱離した硫黄酸化物は、第1燃焼後ガスに含まれて、更に排気下流側(第2燃焼領域A2側)へと送られる。なお、第1燃焼後ガスは還元雰囲気(かつ昇温雰囲気)であるので、第1燃焼後ガスに含まれる硫黄酸化物は、窒素酸化物吸着材5に付着することはない。
制御装置10は、硫黄酸化物吸着材再生運転における第1燃焼装置6の作動と同時もしくは作動後に、第2燃焼装置7を空気過剰条件で作動させる。このため、第2燃焼領域A2を通過する第1燃焼後ガスが空気過剰条件で燃焼されて、第1燃焼後ガスに含まれる未燃物(第1燃焼装置6が発生させた未燃物)が、酸化されて除去される。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態の制御方法は、第1実施形態の制御方法の効果に加えて、次のような効果を発揮する。
硫黄酸化物吸着材再生運転が硫黄酸化物の吸着量の大きさに応じて行われるので、硫黄酸化物吸着材9の吸着能力の再生が必要なときに、硫黄酸化物吸着材再生運転を実行できる。また、硫黄酸化物吸着材再生運転を再生運転とは独立して行うので、窒素酸化吸着材5及び硫黄酸化物吸着材9のそれぞれの飽和吸着量に応じて再生に係る運転を実行できる。これらの結果、窒素酸化吸着材5及び硫黄酸化物吸着材9の再生に要する消費エネルギーを最小化できる。
本発明は、ディーゼル機関、ガス機関、ガソリン機関あるいはガスタービン機関等の内燃機関、又は、焼却炉やボイラ等の燃焼機器、の排気ガスを浄化する装置に、適用できる。
排気ガス浄化装置の概略図である(第1実施形態)。 各分岐排気通路で実行された通常運転、再生運転及びフィルター再生運転の時間表の一例を示す図である(第1実施形態)。 排気ガス浄化装置の概略図である(第2実施形態)。 各分岐排気通路で実行された通常運転、再生運転、フィルター再生運転及び硫黄酸化物吸着材再生運転の時間表の一例を示す図である(第2実施形態)。 従来の排気ガス浄化装置の概略図である。
符号の説明
1 排気ガス浄化装置
2、3 分岐排気通路
2a、3a 排気入口
2b、3b 排気出口
4 遮断弁
5 窒素酸化物吸着材
6 第1燃焼装置(吸着物質脱離手段)
7 第2燃焼装置(燃焼装置)
8 フィルター部材
9 硫黄酸化物吸着材
10 制御装置
61、71 空気ノズル(空気供給手段の一部)
62、72 燃料ノズル(燃料供給手段の一部)
63、73 点火プラグ(着火装置)
100 機関側排気通路
100b 排気出口

Claims (2)

  1. 内燃機関又は燃焼機器の機関側排気通路に接続される複数の分岐排気通路と、
    前記各分岐排気通路の排気入口を開放又は閉鎖して、前記機関側排気通路から前記各分岐排気通路への排気ガスの流入及び遮断を切替える排気ガス遮断手段と、
    前記各分岐排気通路内に設けられ、空気過剰雰囲気で窒素酸化物を一時的に吸着し、該吸着した窒素酸化物を昇温又は還元雰囲気で脱離する窒素酸化物吸着材と、
    前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材より排気上流側に配置され、空気供給手段を有すると共に、該空気供給手段から供給される空気を昇温又は還元雰囲気にする吸着物質脱離手段と、
    前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材より排気下流側に配置され、空気供給手段、燃料供給手段及び着火手段から構成される燃焼装置と、
    前記各分岐排気通路内で前記燃焼装置より排気下流側に配置され、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕獲可能なフィルター部材と、
    前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材の排気下流側に配置され、該窒素酸化物吸着材による吸着量を検出する吸着量検知手段と、
    前記各分岐排気通路内で前記フィルター部材の排気上流側及び排気下流側に配置される粒子状物質捕獲量検知手段と、
    を備えている排気ガス浄化装置の制御方法において、
    前記各分岐排気通路で行われる運転に、通常運転と、再生運転と、フィルター再生運転と、があり、
    前記通常運転は、前記排気ガス遮断手段の切替えにより、該通常運転の実行される前記分岐排気通路に排気ガスを流入させて、前記窒素酸化物吸着材に窒素酸化物を吸着させる運転であり、
    前記再生運転は、前記排気ガス遮断手段の切替えにより、該再生運転の実行される前記分岐排気通路への排気ガスの流入を防止した状態で、前記吸着物質脱離手段及び前記燃焼装置を作動させて、前記窒素酸化物吸着材から窒素酸化物を脱離させて該窒素酸化物吸着材の吸着能力を再生すると共に、脱離した窒素酸化物を還元して除去する運転であり、
    前記フィルター再生運転は、前記再生運転とは独立して行われる運転であって、前記窒素酸化物吸着材を通過した排気ガスが空気過剰条件で燃焼されるように前記燃焼装置を作動させて、前記フィルター部材の捕獲能力を再生する運転であり、
    排気ガスの排出が中断されないように、常時、いずれか1つの分岐排気通路内では、通常運転が実行されるものであり、
    前記通常運転の行われている前記分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材への吸着量を前記吸着量検知手段により検知し、該吸着量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で行われる運転を前記通常運転から前記再生運転に変更し、
    前記通常運転の行われている前記分岐排気通路内で前記フィルター部材への粒子状物質の捕獲量を前記粒子状物質捕獲量検知手段により検知し、該捕獲量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で前記フィルター再生運転を実行し、
    前記再生運転及び前記フィルター再生運転の実行後は、前記通常運転が実行される、
    ことを特徴とする排気ガス浄化装置の制御方法。
  2. 請求項1に記載の排気ガス浄化装置の制御方法において、
    前記排気ガス浄化装置が、更に、
    前記各分岐排気通路内で前記窒素酸化物吸着材の排気上流側かつ前記吸着物質脱離手段の排気下流側に配置され、空気過剰雰囲気で硫黄酸化物を一時的に吸着し、該吸着した硫黄酸化物を昇温又は還元雰囲気で脱離する硫黄酸化物吸着材と、
    前記各分岐排気通路内で前記硫黄酸化物吸着材の排気下流側かつ前記窒素酸化物吸着材の排気上流側に配置され、該硫黄酸化物吸着材による吸着量を検出する硫黄酸化物吸着量検知手段と、
    を備えており、
    前記各分岐排気通路で行われる運転に、更に、硫黄酸化物吸着材再生運転があり、
    前記硫黄酸化物吸着材再生運転は、前記排気ガス遮断手段の切替えにより、該硫黄酸化物吸着材再生運転の実行される前記分岐排気通路への排気ガスの流入を防止した状態で、前記再生運転及び前記フィルター再生運転とは独立して、行われる運転であって、前記吸着物質脱離手段及び前記燃焼装置を作動させて、前記硫黄酸化物吸着材の吸着能力を再生する運転であり、
    前記通常運転の行われている前記分岐排気通路内で前記硫黄酸化物吸着材への硫黄酸化物の吸着量を前記硫黄酸化物吸着量検知手段により検知し、前記硫黄酸化物の吸着量が所定量に達すると、当該分岐排気通路で前記硫黄酸化物吸着材再生運転を実行し、
    前記硫黄酸化物吸着材再生運転の実行後は、前記通常運転が実行される、
    排気ガス浄化装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016502019A (ja) * 2012-11-30 2016-01-21 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッドTenneco Automotive Operating Company Inc. 還元剤注入制御システム
JP2021074657A (ja) * 2019-11-06 2021-05-20 株式会社豊田中央研究所 二酸化炭素回収装置、炭化水素生成装置、炭素循環システム、および、二酸化炭素回収方法

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