JP2006258058A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金を用いたNOx吸蔵還元触媒を使用せずに、貴金属を用いていないNOx吸収材又は少量の白金等の貴金属を用いたNOx吸収材により、比較的低い温度領域から高いNOx低減率を得られるようにした排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気管4の途中に装備された酸化触媒5と、該酸化触媒5より下流側における排気管4の途中に並列に装備された一対のNOx吸収材6と、該各NOx吸収材6の何れか一方に排気ガス3を振り分ける排気開閉バルブ7と、該排気開閉バルブ7によって排気ガス3が堰き止められた側のNOx吸収材6を加熱する加熱手段19と、該加熱手段19によって加熱した側のNOx吸収材6から脱離するNOxを吸気管20へ導くNOx回収管21とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気浄化装置に関するものである。
従来より、排気管の途中に装備した排気浄化用触媒により排気浄化を図ることが行われており、この種の排気浄化用触媒としては、排気空燃比がリーンの時に排気ガス中のNOxを酸化して硝酸塩の状態で一時的に吸蔵し、排気ガス中のO2濃度が低下した時に未燃HCやCO等の介在によりNOxを分解放出して還元浄化する性質を備えたNOx吸蔵還元触媒が知られている。
この種のNOx吸蔵還元触媒としては、白金・バリウム・アルミナ触媒や、白金・カリウム・アルミナ触媒等が前述した如き性質を有するものとして既に知られている。
そして、NOx吸蔵還元触媒においては、NOxの吸蔵量が増大して飽和量に達してしまうと、それ以上のNOxを吸蔵できなくなるため、定期的にNOx吸蔵還元触媒に流入する排気ガスのO2濃度を低下させてNOxを分解放出させる必要がある。
例えば、ガソリン機関に使用した場合であれば、機関の運転空燃比を低下させる(機関をリッチ空燃比で運転する)ことにより、排気ガス中のO2濃度を低下させ且つ排気ガス中の未燃HCやCO等の還元成分を増加させてNOxの分解放出を促すことができるが、NOx吸蔵還元触媒をディーゼル機関の排気浄化装置として使用した場合には機関をリッチ空燃比で運転することが困難である。
このため、NOx吸蔵還元触媒の上流側で排気ガス中に燃料(HC)を添加することにより、この添加燃料を還元剤としてNOx吸蔵還元触媒上でO2と反応させ排気ガス中のO2濃度を低下させる必要がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−356127号公報
しかしながら、前述の如くNOx吸蔵還元触媒の上流側で燃料添加を行う方式では、その添加燃料が蒸発して生じたHCの一部がNOx吸蔵還元触媒の表面上で排気ガス中のO2と反応(燃焼)し、NOx吸蔵還元触媒の周囲の雰囲気中におけるO2濃度がほぼ零となってからNOxの分解放出が開始されることになるため、NOx吸蔵還元触媒の表面上でHCがO2と反応(燃焼)するのに必要な燃焼温度(約220〜250[℃])が得られない運転条件下(例えば渋滞の多い都市内での徐行運転等)では、NOx吸蔵還元触媒からNOxを効率良く分解放出させることができず、NOx吸蔵還元触媒の再生が効率良く進まないことで触媒の容積中に占めるNOx吸蔵サイトの回復割合が小さくなって吸蔵能力が落ちるという問題があった。
又、NOx吸蔵還元触媒として用いられる白金は、非常に稀少価値の高い物質であって、コストアップが避けられず、しかも、今後入手することが困難となる可能性が全くないとも言えず、白金を使用せずに排気浄化を図ることが望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、白金を用いたNOx吸蔵還元触媒を使用せずに、貴金属を用いていないNOx吸収材又は少量の白金等の貴金属を用いたNOx吸収材により、比較的低い温度領域から高いNOx低減率を得られるようにした排気浄化装置を提供しようとするものである。
本発明は、内燃機関の排気管の途中に並列に装備された一対のNOx吸収材と、
該各NOx吸収材の何れか一方に排気ガスを振り分ける排気切替手段と、
該排気切替手段によって排気ガスが堰き止められた側のNOx吸収材を加熱する加熱手段と、
該加熱手段によって加熱した側のNOx吸収材から脱離するNOxを吸気管へ導くNOx回収処理手段と
を備えたことを特徴とする排気浄化装置にかかるものである。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
排気ガス中に含まれるNOxは、NOx吸収材に吸収されるが、その後、排気切替手段により各NOx吸収材の何れか一方に排気ガスが振り分けられ、該排気ガスが堰き止められた側のNOx吸収材が加熱手段によって加熱され、該NOx吸収材に吸収されていたNOxが脱離し、NOx回収処理手段を経て吸気管へ導かれ、エンジン筒内で酸素源として処理される。
そして、このように一方のNOx吸収材でNOxの吸収を行わせている間に他方のNOx吸収材を再生するようにすれば、常にNOx吸収材の一方を使用可能な状態として連続的にNOxの低減化を図りながら一対のNOx吸収材を片方ずつ交互に再生することが可能となる。
前記排気浄化装置においては、NOx吸収材の上流側における排気管の途中に酸化触媒が設置されるようにすることができる。
又、前記排気浄化装置においては、加熱手段を、
燃料を燃焼させた高温ガスを各NOx吸収材の入側に導く高温ガス供給管と、
該高温ガス供給管を流れる高温ガスを前記各NOx吸収材の何れか一方に振り分ける高温ガス切替手段と
から構成することができる。
本発明の排気浄化装置によれば、白金を用いたNOx吸蔵還元触媒の代わりにNOx吸収材を使用して排気ガス中に含まれるNOxを吸収でき、且つ比較的低い温度領域から効率良くNOx吸収材の再生を図ることができ、しかも、NOx吸収材から脱離させたNOxをエンジン筒内で酸素源として処理できるので、例えば渋滞の多い都市内での徐行運転等のように低負荷で排気温度が低い運転状態が継続され易い運転条件下であっても、車外に排出される排気ガス中に含まれるNOxを従来より効果的に低減させることができ、NOx吸収材を用いた排気浄化装置の実用性を大幅に向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、ディーゼルエンジン1から排気マニホールド2を介して排出される排気ガス3が流通する排気管4の途中に、酸化触媒5を装備し、該酸化触媒5より下流側における排気管4を途中で二股に分岐させてから再度合流せしめ、該二股に分岐させた各排気管4の途中に、一対のNOx吸収材6を並列に装備すると共に、該各NOx吸収材6の何れか一方に排気ガス3を振り分ける排気切替手段としての排気開閉バルブ7を各NOx吸収材6の入側に設けるようにしてある。
前記NOx吸収材6としては、例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、或いはバリウム、カルシウム等のアルカリ土類金属と、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライトのうちの一種又は複数担体との混合物を、ハニカム状に形成したセラミックスや金属等にコーティングしたものや、前記混合物をペレットにしたものを使用することができる。又、これらの成分の他に少量の白金等の貴金属を加えたものも使用できる。
前記各排気開閉バルブ7と各NOx吸収材6との間における排気管4の途中には夫々、高温ガス供給管8を接続し、該各高温ガス供給管8の途中には夫々、高温ガス切替手段としての高温ガス開閉バルブ9を設け、該高温ガス開閉バルブ9より上流側の各高温ガス供給管8を合流せしめてその途中にバーナ10を設けると共に、その端部にエアクリーナ11を設けるようにしてある。前記バーナ10は、バッテリ12からイグニッションコイル13を介して通電が行われ火花を発するスパークプラグ14を備え、該スパークプラグ14近傍に、前記エアクリーナ11を経て高温ガス供給管8へ吸い込まれる空気をバーナ10に導くと共に、軽油タンク15に貯留された軽油16を軽油供給管17途中に設けられた供給ポンプ18の駆動により供給して燃焼させるようにし、これにより、排気切替手段としての一方の排気開閉バルブ7を閉じることで排気ガス3が堰き止められた側のNOx吸収材6に対し、一方の高温ガス開閉バルブ9を開くことで高温ガスを導入し得る加熱手段19を構成してある。
前記各排気開閉バルブ7の出側における排気管4の途中には夫々、前記加熱手段19によって加熱した側のNOx吸収材6から脱離するNOxを吸気管20へ導くNOx回収処理手段としてのNOx回収管21を分岐接続し、該各NOx回収管21の途中には夫々、NOx回収開閉バルブ22を設け、該NOx回収開閉バルブ22より下流側におけるNOx回収管21を合流せしめてその端部を吸気管20の途中に接続し、NOx回収管21の接続部より上流側における吸気管20途中には吸気絞り弁23を設けてある。
尚、前記吸気管20の上流端にはエアクリーナ24が設けられ、それより下流側の吸気管20途中には、排気マニホールド2の出側における排気管4途中に設けられたタービン25によって駆動されるコンプレッサ26が設けられ、該タービン25とコンプレッサ26とからターボチャージャ27が構成されると共に、前記コンプレッサ26より下流側における吸気管20途中には、インタクーラ28が設けられている。
又、前記各NOx回収管21の分岐接続点より下流側における排気管4途中には夫々、前記各排気開閉バルブ7と連動して開閉される排気開閉バルブ7´を設けてある。
そして、エンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)をなす制御装置29において、ディーゼルエンジン1の機関回転数を検出する回転センサ30からの回転数信号30aと、アクセルセンサ31(アクセルペダルの踏み込み角度を検出するセンサ)からの負荷信号31aと、各NOx吸収材6の入側の温度を検出する温度センサ32からの温度信号32aとから判断される現在の運転状態に基づき、各NOx吸収材6の何れか一方に排気ガス3を振り分けて該排気ガス3が堰き止められた側のNOx吸収材6の再生を行う適切なタイミングが決定され、この適切なタイミングで各流路(二股に分岐された各排気管4、各高温ガス供給管8、各NOx回収管21)の切り換えを行いつつ、排気ガス3が堰き止められた側のNOx吸収材6への高温ガスの導入と、NOx吸収材6から脱離するNOxの吸気管20への導入とが実行されるように、前記制御装置29から、排気開閉バルブ7、排気開閉バルブ7´、高温ガス開閉バルブ9、NOx回収開閉バルブ22への開閉指令信号7a,7a´,9a,22aが出力されると共に、供給ポンプ18への駆動指令信号18aとイグニッションコイル13への電流調節信号13aと吸気絞り弁23への開度調節信号23aとが出力されるようになっている。
次に、上記図示例の作用を説明する。
ディーゼルエンジン1から排出される排気ガス3中に含まれるNOxは、酸化触媒5によって酸化され、NO2となってNOx吸収材6に吸収される。
その後、制御装置29において、回転センサ30からの回転数信号30aと、アクセルセンサ31からの負荷信号31aと、温度センサ32からの温度信号32aとから現在の運転状態が判断され、これに基づき、各NOx吸収材6の何れか一方に排気ガス3を振り分けて該排気ガス3が堰き止められた側のNOx吸収材6の再生を行う適切なタイミングが決定され、前記制御装置29から、排気開閉バルブ7、排気開閉バルブ7´、高温ガス開閉バルブ9、NOx回収開閉バルブ22への開閉指令信号7a,7a´,9a,22aが出力されると共に、供給ポンプ18への駆動指令信号18aとイグニッションコイル13への電流調節信号13aと吸気絞り弁23への開度調節信号23aとが出力される。
これにより、排気開閉バルブ7の何れか一方とそれに対応する側の排気開閉バルブ7´とが開放された状態で、他方の排気開閉バルブ7とそれに対応する側の排気開閉バルブ7´とが閉鎖され、該閉鎖された他方の排気開閉バルブ7,7´間に位置するNOx吸収材6への排気ガス3の流通が堰き止められると共に、前記閉鎖された他方の排気開閉バルブ7,7´に対応する側の高温ガス開閉バルブ9とNOx回収開閉バルブ22とが開放され、前記開放された一方の排気開閉バルブ7,7´に対応する側の高温ガス開閉バルブ9とNOx回収開閉バルブ22とが閉鎖された状態に保持され、吸気絞り弁23の開度が絞り込まれる。
同時に、加熱手段19を構成する供給ポンプ18の駆動により軽油タンク15から所要量の軽油16が軽油供給管17を経てバーナ10へ供給され、バッテリ12からイグニッションコイル13を介して通電が行われ火花を発するスパークプラグ14により、前記バーナ10へ供給された軽油16が、エアクリーナ11を経て高温ガス供給管8へ吸い込まれる空気と反応して着火燃焼し、これによって生じる高温ガスが、前記排気ガス3が堰き止められた側のNOx吸収材6に対して導入され、該NOx吸収材6が加熱されてそれに吸収されていたNOxが脱離し、NOx回収処理手段としてのNOx回収管21を経て吸気管20へ導かれ、エンジン筒内で酸素源として処理される。
そして、このように一方のNOx吸収材6でNOxの吸収を行わせている間に他方のNOx吸収材6を再生するようにすれば、常にNOx吸収材6の一方を使用可能な状態として連続的にNOxの低減化を図りながら一対のNOx吸収材6を片方ずつ交互に再生することが可能となる。
こうして、白金を用いたNOx吸蔵還元触媒の代わりにNOx吸収材6(少量の白金等の貴金属を用いたものを含む)を使用して排気ガス3中に含まれるNOxを吸収でき、且つ比較的低い温度領域から効率良くNOx吸収材6の再生を図ることができ、しかも、NOx吸収材6から脱離させたNOxをエンジン筒内で酸素源として処理できるので、例えば渋滞の多い都市内での徐行運転等のように低負荷で排気温度が低い運転状態が継続され易い運転条件下であっても、車外に排出される排気ガス3中に含まれるNOxを従来より効果的に低減させることができ、NOx吸収材6を用いた排気浄化装置の実用性を大幅に向上させることができる。
事実、本発明者が行った実験結果によれば、図2のグラフに示す如く、従来例のように軽油から生成されたHCをそのままNOx吸蔵還元触媒上で反応させたケースA(破線で図示)と、本図示例のように軽油16をバーナ10で燃焼させ発生した高温ガスをNOx吸収材6へ導いてその再生を行うようにしたケースB(実線で図示)とを比較したところ、ケースAよりもケースBの方が低い温度領域から高いNOx低減率を得られることが確認された。尚、図2のグラフにおける縦軸はNOx低減率を、横軸は排気温度を夫々示している。
尚、本発明の排気浄化装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、加熱用として供給される燃料には、一般的なディーゼルエンジン用燃料である軽油を用いる以外に、灯油等の異種燃料を用いても良いこと、又、加熱手段として、燃料を燃焼させた高温ガスを各NOx吸収材の入側に導く代わりに、各NOx吸収材を夫々交互に直接ヒータ等で加熱するようにしても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を示す概略図である。 NOx低減率と排気温度との関係を比較例と共に示すグラフである。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン(エンジン)
3 排気ガス
4 排気管
5 酸化触媒
6 NOx吸収材
7 排気開閉バルブ(排気切替手段)
8 高温ガス供給管
9 高温ガス開閉バルブ(高温ガス切替手段)
10 バーナ
15 軽油タンク
16 軽油
17 軽油供給管
18 供給ポンプ
19 加熱手段
20 吸気管
21 NOx回収管(NOx回収処理手段)
22 NOx回収開閉バルブ
23 吸気絞り弁
29 制御装置

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気管の途中に並列に装備された一対のNOx吸収材と、
    該各NOx吸収材の何れか一方に排気ガスを振り分ける排気切替手段と、
    該排気切替手段によって排気ガスが堰き止められた側のNOx吸収材を加熱する加熱手段と、
    該加熱手段によって加熱した側のNOx吸収材から脱離するNOxを吸気管へ導くNOx回収処理手段と
    を備えたことを特徴とする排気浄化装置。
  2. NOx吸収材の上流側における排気管の途中に酸化触媒が設置される請求項1記載の排気浄化装置。
  3. 加熱手段を、
    燃料を燃焼させた高温ガスを各NOx吸収材の入側に導く高温ガス供給管と、
    該高温ガス供給管を流れる高温ガスを前記各NOx吸収材の何れか一方に振り分ける高温ガス切替手段と
    から構成した請求項1又は2記載の排気浄化装置。
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