JP2009221695A - 制振間柱及びその施工方法 - Google Patents

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誠 萱嶋
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Abstract

【課題】組み立てが容易な制振間柱及びその施工方法を提供する。
【解決手段】第1床構造体Y1とその上方に位置する第2床構造体Y2とを互いに連結して床振動を低減する制振間柱1であって、第2床構造体Y2に固定された第1支持部材10と、第1支持部材10に固定され、上下にスライド可能なカバー部材20と、第1床構造体Y1に固定され、カバー部材20に挿入された第2支持部材30と、カバー部材20の第2支持部材30側の内部に固定された板状部材40と、板状部材40の鉛直面41に一面51側が固定され、第2支持部材30の鉛直面32aに他面52側が固定された粘弾性体50と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、建物の上下階の床構造体を互いに連結して床振動を低減する制振間柱及びその施工方法に関する。
近年、将来のレイアウト変更の自由度を増すために、柱を少なくして床や梁をロングスパン化することが多く行われている。一方、床や梁をロングスパン化した場合、機械振動や歩行振動によって床や梁が振動し易くなる。この振動を抑制・減衰するために、建物の上下に隣り合う階の床スラブを制振間柱で互いに連結して床振動を低減することが行われている。
例えば特許文献1には、上階の床スラブから鋼管を垂設するとともに、下階の床スラブにも鋼管を立設し、一方の鋼管を他方の鋼管の内側に挿入し、この挿入部において両鋼管の間に粘弾性体を介設したものが開示されている。
特許第3899959号公報(請求項3、図1)
しかしながら、特許文献1では、二重になった鋼管の間に粘弾性体を介設する構造となっているが、かかる構造では、粘弾性体と鋼管とを接着することが非常に困難であった。また、固体状の粘弾性体を接着するのに替えて、流体状の粘弾性体を二重になった鋼管の間に流し込む方法を用いれば、粘弾性体で鋼管同士を連結することができるが、固体状の粘弾性体に比べて流体状の粘弾性体は制振性能が低いため、大きな制振効果を得ることができないという問題があった。
また、特許文献1では、鋼管同士の接続部分を隠すために、鋼管が間仕切壁の中に配置されているが、制振装置のメンテナンスの際に、間仕切壁を取り外さなければならず、制振装置のメンテナンスが煩雑になり、簡単に粘弾性部分の交換ができないという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決するために創案されたものであり、組み立てと粘弾性部分の交換が容易な制振間柱及びその施工方法を提供することを課題とする。
本発明に係る制振間柱は、上下階の床構造体を互いに連結して床振動を低減する制振間柱であって、一方の前記床構造体に固定されたカバー部材と、他方の前記床構造体に固定され、前記カバー部材に挿入された支持部材と、前記カバー部材の前記支持部材側の内部に前記カバー部材の外側から固定された板状部材と、前記板状部材の鉛直面に一面側が固定され、前記支持部材の鉛直面に他面側が固定された粘弾性体と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、カバー部材の内部に板状部材を外側から固定する構造になっているので、板状部材と支持部材の間に粘弾性体を固定してから、カバー部材の内部に板状部材を挿入し、板状部材をカバー部材に外側から固定することができる。
なお、前記カバー部材は、支持部材及び板状部材に対してスライド可能であるため、当該カバー部材をスライド可能に支持する他の支持部材を介して、一方の前記床構造体に固定することで、現地でのカバー部材のスライドが可能となる。
このようにすれば、板状部材と支持部材の間にある粘弾性体を、他の支持部材に対してカバー部材をスライドさせることにより露出させ、点検することが可能となる。
また、本発明に係る制振間柱の施工方法は、前記構成を有する制振間柱の施工方法であって、前記他の支持部材に対して前記カバー部材を前記支持部材から離間する方向にスライドさせた状態で仮固定する工程と、前記支持部材に前記粘弾性体を介して前記板状部材を設置する工程と、前記カバー部材を前記支持部材に近接する方向にスライドさせて前記板状部材及び前記支持部材を前記カバー部材に挿入する工程と、前記カバー部材に前記板状部材を外側から固定する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、支持部材に粘弾性体を介して板状部材を設置した後に、他の支持部材に対してカバー部材をスライドさせてカバー部材の内部に板状部材を配置し、カバー部材と板状部材を外側から固定するので、制振間柱を容易に組み立てることができる。
本発明によれば、板状部材と支持部材の間に粘弾性体を固定してから、カバー部材の内部に板状部材を挿入し、板状部材をカバー部材に外側から固定することができるので、組み立てが容易な制振間柱及びその施工方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る制振間柱を備えた建物の断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る制振間柱1は、建物Tにおいて制振間柱1を設置する階(以下、「制振間柱設置階」という場合がある。)の床を構成する第1床構造体Y1と、この制振間柱設置階よりも1つ上階の床を構成する第2床構造体Y2と、を互いに連結して床振動を抑制する装置である。
ここで、第1床構造体Y1は、制振間柱設置階の床面を構成するRC造の床スラブY1aと、この床スラブY1aを下方から支持する鉄骨梁Y1bとから構成されている。鉄骨梁Y1bの両端は、建物Tの柱Hに固定されている。第2床構造体Y2も、同様に、床スラブY2aと鉄骨梁Y2bとから構成されている。なお、鉄骨梁Y1b,Y2bは、図示しない他の梁−梁間に固定されていてもよい。
第2床構造体Y2の下方には、制振間柱設置階の天井面を構成する天井パネルPが設けられている。天井パネルPは、鉄骨梁Y2bから吊設された図示しない天井下地材に固定されている。
図2(a)は、本実施形態に係る制振間柱を一部切り欠いて示した正面図であり、(b)は、(a)を90度横からみた側面図である。なお、図2(a)、(b)においては、後記するカバー部材を切り欠いて示している。
図2に示すように、制振間柱1は、第1支持部材10と、カバー部材20と、第2支持部材30と、板状部材40と、粘弾性体50と、を主に備えている。
なお、「第2支持部材20」が特許請求の範囲にいう「支持部材」に相当し、「第1支持部材10」が特許請求の範囲にいう「他の支持部材」に相当する。
第1支持部材10は、カバー部材20をスライド可能に支持する鋼製の部材であり、第2床構造体Y2の鉄骨梁Y2bに固定されている。
第1支持部材10は、鉄骨梁Y2bの下フランジY2cの下面に当接する平板状の取付部11と、この取付部11の下面11aから垂設された断面視略十字形状の支持部12と、を備えている。
取付部11の両端部は、クランプCなどの固着具によって、鉄骨梁Y2bの下フランジY2cに着脱可能に固定されている(図2(b)参照)。
支持部12は、互いに直交する4つの壁部12aを有している。それぞれの壁部12aの側端面には、雌ネジ部12bが上下に離間して2箇所に設けられている。支持部12の幅寸法は、カバー部材20の内径と略同一もしくは若干小さく形成されている。
カバー部材20は、例えば、断面円形状の鋼管で構成された部材であり、第1支持部材10にスライド可能に固定されている。具体的には、カバー部材20の上端側は、第1支持部材10の支持部12に外嵌されている。また、カバー部材20の上端側には、支持部12の雌ネジ部12bに対応する位置に、ボルト穴21が貫通形成されている。カバー部材20は、このボルト穴21にボルトBを挿通して雌ネジ部12bに螺合することにより、第1支持部材10に固定(あるいは仮固定)され、ボルトBを取り外すことにより、第1支持部材10に対してスライド可能になっている。
カバー部材20の下端側には、後記する第2支持部材30、板状部材40及び粘弾性体50が内装されている。また、カバー部材20の下端側には、板状部材40に対応する位置に、ボルト穴22が貫通形成されている。
なお、天井パネルPは、カバー部材20の上端部よりも下方に配置されており、第1支持部材10とカバー部材20との連結部が制振間柱設置階から見えないようになっている。天井パネルPは、カバー部材20を挿通するための貫通孔を有している。
図3は、第2支持部材の各構成を示す図面であり、(a)は基部の側面図、(b)は(a)のI−I線断面図、(c)は支持板の側面図、(d)は(c)のII−II線断面図である。
図2及び図3(a)乃至(d)に示すように、第2支持部材30は、粘弾性体50を支持する鋼製の部材であり、第1床構造体Y1の床スラブY1aに固定された基部31と、この基部31に固定された支持板32とを備えている。
図3(a)、(b)に示すように、基部31は、床スラブY1aに固定される固定部33と、この固定部33の上面から立ち上がる立壁部34と、を備えている。
固定部33は、平面視で円盤状の鋼製部材であり、4つのアンカー穴33aが貫通形成されている。固定部33は、床スラブY1aに植設されたアンカーAをこのアンカー穴33aに挿通してナットNで締結することにより、床スラブY1aに固定されている。なお、固定部33は、円盤状に限定されるものではなく、角板状であってもよい。
立壁部34は、側面視で四角形状を呈する板状の鋼製部材であり、固定部33の上面に例えば溶接固定されている。立壁部34には、4つのボルト穴34aが貫通形成されている。
図3(c)、(d)に示すように、支持板32は、粘弾性体50を(ひいては板状部材40を)支持する鋼製部材であり、立壁部34の両側にそれぞれ一枚ずつ取り付けられている。各支持板32の立壁部34側の側面32aは、鉛直面に形成されている。各支持板32の立壁部34と反対側の側面には、支持板32の面外方向の剛性を高めるための補強板32bが溶接固定されている。また、各支持板32の下端側には、立壁部34のボルト穴34aに対応する位置に、同じく4つのボルト穴32cが貫通形成されている。
図2(b)に示すように、2つの支持板32は、立壁部34の両側に支持板32を配置した状態で、ボルト穴32c,34aにボルトBを挿通してナットNを締結することにより、基部31に固定されている。
図4は、板状部材及び粘弾性体を示す図面であり、(a)は正面図、(b)は(a)のIII−III断面図である。図5は、図2(a)のIV−IV線断面図である。
図4(a),(b)に示すように、板状部材40は、正面視四角形状を呈する平板状の鋼製部材である。板状部材40は、その両側面41,41が鉛直面となるように設置されている。板状部材40の幅寸法は、カバー部材20の内径と略同一あるいは若干小さく形成されている。板状部材40の水平方向の両端部42,42には、雌ネジ部42aが上下に離間して2箇所に設けられている。
図2及び図5に示すように、板状部材40は、カバー部材20の下端側の内部に配置されている。板状部材40は、カバー部材20のボルト穴22に外側から挿入したボルトBを雌ネジ部42aに締結することにより、カバー部材20に固定されている。
すなわち、カバー部材20の内面に、板状部材40の両端部42,42が接合されている。例えば、カバー部材20のボルト穴22を貫通したボルトBが、板状部材40の両端部42,42に設けられた雌ネジ部42aに締結されている。
図4及び図5に示すように、粘弾性体50は、薄板状の部材であり、板状部材40よりも一回り小さく形成されている。粘弾性体50は、所望の減衰性能を満たす公知の材料の中から適宜選択することができる。粘弾性体50は、板状部材40の両側に一つずつ配置されている。そして、粘弾性体50の一方の面51は、板状部材40の側面41に接着剤で固定されている。また、粘弾性体50の他方の面52は、支持板32の板状部材40側の側面32aに接着剤で固定されている。
つづいて、制振間柱1の施工方法について主に図6を参照して説明する。
図6は、制振間柱の施工方法を説明するための図面であり、(a)はカバー部材を上方にスライドした状態、(b)はカバー部材を下方にスライドした状態をそれぞれ示している。
(カバー部材仮固定工程)
図6(a)に示すように、まず、第1支持部材10に対してカバー部材20を上方にスライドさせ、カバー部材20のボルト穴21に外側から挿入したボルトBを、第1支持部材10の上側の雌ネジ部12bに締結して、カバー部材20を仮固定する。このとき、カバー部材20の下端部は、第2支持部材30の上端部よりも上方に配置されている。
(第2支持部材設置工程)
次に、図3及び図6(a)に示すように、第2支持部材30を床スラブY1aに固定する。具体的には、固定部33のアンカー穴33aにアンカーAを挿通してナットNで締結することにより、基部31を床スラブY1aに固定する。そして、立壁部34の両側に支持板32を配置して、ボルト穴32c,34aにボルトBを挿通し、ナットNを締結することにより、基部31に支持板32を固定する。
(粘弾性体固定工程)
次に、図4、図5に示すように、板状部材40の両側面41,41に、粘弾性体50の一方の面51をそれぞれ接着剤で固定する。そして、支持板32の側面32aに、粘弾性体50の他方の面52を接着剤でそれぞれ固定する。これにより、図6(a)に示すように、板状部材40が、粘弾性体50を介して、第2支持部材30に支持された状態になる。
なお、粘弾性体50を支持板32に接着してから、支持板32を立壁部34に固定してもよい。
(カバー部材スライド工程)
次に、図6(b)に示すように、カバー部材20を仮固定していたボルトBを取り外して、カバー部材20を下方にスライドさせることにより、カバー部材20の下端側に、第2支持部材30、板状部材40及び粘弾性体50を挿入する。
(板状部材固定工程)
次に、カバー部材20の上端側のボルト穴21に外側から挿入したボルトBを第1支持部材10の下側の雌ネジ部12bに締結することにより、カバー部材20を第1支持部材10に固定するとともに、カバー部材20の下端側のボルト穴22に外側から挿入したボルトBを、板状部材40の雌ネジ部42aに締結することにより、カバー部材20の下端側の内部に板状部材40を固定する。これにより、制振間柱1が完成する。
つづいて、本実施形態に係る制振間柱1及びその施工方法の作用効果について説明する。
本実施形態に係る制振間柱1によれば、第1床構造体Y1に上下方向の振動が生じると、第1床構造体Y1に固定された第2支持部材30が、第1支持部材10及びカバー部材20を介して第2床構造体Y2に固定された板状部材40に対して、上下に相対変位する。このとき、第2支持部材30の鉛直面と板状部材40の鉛直面に跨って固定された粘弾性体50にせん断変形が生じ、かかる変形に振動エネルギーが消費されることにより、第1床構造体Y1の振動が減衰することとなる。
そして、本実施形態に係る制振間柱1及びその施工方法によれば、第1支持部材10に対してカバー部材20がスライド可能に構成されているとともに、カバー部材20の内部に板状部材40を介して粘弾性体50が外側から固定される構造となっているので、従来のように鋼管を二重に設置した後にその間に粘弾性体50を接着する場合に比べて、制振間柱1の組み立てを容易にすることができる。
また、本実施形態に係る制振間柱1は、第2支持部材30、板状部材40及び粘弾性体50で構成される制振部分が、カバー部材20の内部に配置されているとともに、カバー部材20の上端部が第2床構造体Y2と天井パネルPの間に形成された天井裏空間に配置されているので、間仕切壁などを設けて制振部分やカバー部材20の上端部を隠す必要がない。そのため、制振間柱1の設置箇所が制限されることがなく、制振間柱1を自由に配置することができる。また、制振間柱1の(ひいては制振間柱設置階の)デザインの自由度及びデザイン性が向上する。
また、本実施形態に係る制振間柱1は、カバー部材20と板状部材40とを固定するボルトBと、カバー部材20と第1支持部材10とを固定するボルトBとを、カバー部材20の外側から取り外し、カバー部材20を上方にスライドさせることで、第2支持部材30、板状部材40及び粘弾性体50で構成される制振部分を容易に露出させることができる。そのため、従来のように間仕切壁を破壊する必要がなく、制振部分のメンテナンスが容易となる。
また、本実施形態に係る制振間柱1は、第1支持部材10が鉄骨梁Y2bの下フランジY2cにクランプCを用いて着脱自在に取り付けられているので、取付位置の変更が容易である。そのため、建物Tの平面計画の変更に合わせて制振間柱1の位置変更が可能となる。
つづいて、本実施形態に係る制振間柱1の変形例について説明する。
図7は、変形例に係る制振間柱の下端部を拡大して示した一部切り欠き側面図である。
変形例に係る制振間柱1は、支持板32、板状部材40及び粘弾性体50の枚数が増加している点が、前記した実施形態と異なっている。
図7に示すように、変形例では、第2支持部材30の立壁部34に、4枚の支持板32が互いに所定の間隔を空けて設置されている。外側の支持板32と内側の支持板32の間にはスペーサ35がそれぞれ介設されている。4枚の支持板32及び2つのスペーサ35は、立壁部34に、ボルトBとナットNによって締結固定されている。
隣り合う支持板32の間に形成された3つの隙間には、3枚の板状部材40がそれぞれ配置されている。そして、隣り合う板状部材40と支持板32との間に形成された6つの隙間には、6枚の粘弾性体50がそれぞれ配置されている。そして、各粘弾性体50の一面側は支持板32に接着固定され、他面側は板状部材40に接着固定されている。
各板状部材40は、側端部に設けられた雌ネジ部42aに、カバー部材20の外側からボルト(図示せず)を締結することにより、カバー部材20に固定されている。
このように、本実施形態に係る制振間柱1は、第2支持部材に設置する支持板32、板状部材40及び粘弾性体50の枚数を変更することにより、所望の減衰性能に調整することができる。そのため、制振間柱設置階の用途変更に伴って、第1床構造体Y1の振動性能が変化した場合でも、所望の減衰性能に容易に調整することができる。
なお、粘弾性体50の面積・厚みを変化させて減衰性能を調整することも可能である。
以上、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、カバー部材20をスライド可能に支持する第1支持部材10を上階側に設置し、粘弾性体50を支持する第2支持部材30を下階側に設置したが、上下逆にしてもよい。特に、第1床構造体Y1が二重床構造である場合には、カバー部材20の下端部を床下空間に配置することができるので、デザイン性及びデザインの自由度が向上する。
また、本実施形態では、カバー部材20をスライド可能に構成したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、カバー部材20を縦に2分割(半割り)して、第2支持部材30に粘弾性体50を介して板状部材40を取り付けた後に、半割りしたカバー部材20の間に板状部材40を配置してカバー部材20を組み立て、組み立てたカバー部材20の上端を第2床構造体Y2に取り付け、さらにカバー部材20に板状部材40を外側から取り付けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、カバー部材20を断面円形状の鋼管で構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば断面四角形状の鋼管などを用いてもよい。また、本実施形態では、カバー部材20として中空の鋼管を用いたが、第1支持部材10に対してスライド可能であり、また、板状部材40を内装可能であれば、その間の部分が中実であってもよい。
また、カバー部材20は、鋼管に限られるものではなく、粘弾性体50よりも剛性があり制振効果が得られれば、アルミニウム、ガラス、アクリル等どのようなものであってもよい。また、カバー部材20の内部をどのように用いてもよく、例えばカバー部材20をガラス、アクリル等の透明材料で構成し、内部に照明装置を設置してもよい。
また、本実施形態の雌ネジ部12bは、ボルトBを締結できればどのような構造でもよく、例えば、壁部12aの側端面にネジ穴を穿設してもよいし、壁部12aにナットを溶接固定することによって形成してもよい。雌ネジ部42aも同様である。
また、本実施形態に係る制振間柱1の設置本数には特に制限はなく、制振間柱設置階のレイアウトや、振動原となる機械装置の配置などに合わせて、適切な本数を適宜配置すればよい。
また、本実施形態では、鉄骨梁Y2bの下フランジY2cにクランプCを用いて第1支持部材10を着脱自在に取り付けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、制振間柱1の設置位置を変更する必要がない場合は、例えばボルト溶接などによって、鉄骨梁Y2bの下フランジY2cに第1支持部材10を固定してもよい。
また、本実施形態に係る制振間柱1は、デザイン性に優れるため、間仕切壁を設置する必要はないが、間仕切壁の内部に設置してもかまわないことはいうまでもない。
本実施形態に係る制振間柱を備えた建物の断面図である。 (a)は、本実施形態に係る制振間柱を一部切り欠いて示した正面図であり、(b)は、(a)を90度横からみた側面図である。 第2支持部材の各構成を示す図面であり、(a)は基部の側面図、(b)は(a)のI−I線断面図、(c)は支持板の側面図、(d)は(c)のII−II線断面図である。 板状部材及び粘弾性体を示す図面であり、(a)は正面図、(b)は(a)のIII−III断面図である。 図2(a)のIV−IV線断面図である。 制振間柱の施工方法を説明するための図面であり、(a)はカバー部材を上方にスライドした状態、(b)はカバー部材を下方にスライドした状態をそれぞれ示している。 変形例に係る制振間柱の下端部を拡大して示した一部切り欠き側面図である。
符号の説明
1 制振間柱
10 第1支持部材(他の支持部材)
20 カバー部材
30 第2支持部材(支持部材)
40 板状部材
50 粘弾性体
T 建物
Y1 第1床構造体
Y2 第2床構造体

Claims (3)

  1. 上下階の床構造体を互いに連結して床振動を低減する制振間柱であって、
    一方の前記床構造体に固定されたカバー部材と、
    他方の前記床構造体に固定され、前記カバー部材に挿入された支持部材と、
    前記カバー部材の前記支持部材側の内部に、前記カバー部材の外側から固定された板状部材と、
    前記板状部材の鉛直面に一面側が固定され、前記支持部材の鉛直面に他面側が固定された粘弾性体と、を有することを特徴とする制振間柱。
  2. 前記カバー部材は、当該カバー部材をスライド可能に支持する他の支持部材を介して、一方の前記床構造体に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の制振間柱。
  3. 請求項2に記載の制振間柱の施工方法であって、
    前記他の支持部材に対して前記カバー部材を前記支持部材から離間する方向にスライドさせた状態で仮固定する工程と、
    前記支持部材に前記粘弾性体を介して前記板状部材を設置する工程と、
    前記カバー部材を前記支持部材に近接する方向にスライドさせて前記板状部材及び前記支持部材を前記カバー部材に挿入する工程と、
    前記カバー部材に前記板状部材を外側から固定する工程と、を含むことを特徴とする制振間柱の施工方法。
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