JP2009221129A - アシルチオ尿素化合物の製造方法及びn,n−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法 - Google Patents

アシルチオ尿素化合物の製造方法及びn,n−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】N,N−ジアルキルチオ尿素化合物を工業的に安価でかつ容易に製造する方法の提供。
【解決手段】一般式(1)のチオシアナート化合物と、一般式(3)のハロゲン化蟻酸エステル化合物とを溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上の有機溶媒中で複素芳香族化合物の存在下で反応させた後、一般式(4)の2級アミノ化合物を反応させで、一般式(5)のアシルチオ尿素化合物を製造する。また更に、該アシルチオ尿素化合物を、塩基性条件下において加水分解して一般式(6)のN,N−ジアルキルチオ尿素化合物を製造する。一般式(1):MSCN;一般式(3):ROCOX;一般式(4):HNR;一般式(5):ROCONHC(S)NR;一般式(6):HNC(S)NR(RはC1〜6のアルキル基等、R及びRはC1〜6のアルキル基等、Xはハロゲン原子を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アシルチオ尿素化合物の製造方法及びN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法に関する。更に詳しくは、医農薬中間体、写真薬中間体、画像記録材料中間体および電子材料中間体等として有用な化合物であるアシルチオ尿素化合物の製造方法及びN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法に関する。
N,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法に関して、無置換チオ尿素と第2級アミン化合物の反応により製造する方法や、2置換シアンアミドと硫化水素の反応により製造する方法が種々知られている。例えば、(1)チオ尿素と長鎖1級アミンを170℃〜180℃で加熱をして反応させる方法(例えば、非特許文献1参照)、(2)塩基を混在させたシアンアミドのエタノール溶液中へ、硫化水素ガスを吹き込みながら反応させる方法(例えば、非特許文献2参照)等が挙げられる。
しかしながらこれらの方法では、例えば、(1)の手段では、高温を要し容易には製造できない(高温を要するのは(1)の手段だけです)、低沸点アミンを用いた合成が困難であるといった問題があった。また、(2)の手段では、目的のシアンアミド合成に用いる原料である臭化シアンの毒性が高く、取り扱いが困難である問題があった。
また、アセトン溶媒を用いて、チオシアナート化合物とハロゲン化ギ酸エステル化合物、2級アミン化合物を反応させた後、生成したアシルチオ尿素化合物を酸性条件で加水分解する事によりN,N−ジアルキルチオ尿素化合物を製造する方法も種々知られている。例えば、アセトン溶媒中でチオシアン酸カリウムとクロロギ酸エチルを還流下反応後、ジエチルアミンを添加して冷却下反応させ、塩酸酸性条件下で加水分解反応を行う事により得る方法が開示されている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、アセトンは溶媒パラメーター(AN+DN)が29.5で極性が低いため、極性のより高い反応原料の場合、反応性が低下し、十分な収率が得られない問題があった。また、酸条件で加水分解を行う際に、工程中でシアン化水素等の有毒なガスが発生するため、製造安全性上望ましくない。
また、チオシアナート化合物、ハロゲン化ギ酸エステル化合物、及び第2級アミン化合物を含窒素複素芳香環の共存下で反応させることによりアシルチオ尿素誘導体を製造する方法も知られている。例えば、水溶媒中でピリジンの存在下、チオシアン酸ナトリウムとクロロギ酸エチルを反応させた後、トルエン溶媒中第1級アミンを反応させる方法が知られている(例えば、非特許文献4参照)。
しかしながら、これらの方法で2級アミンを反応させたところ、収率が不十分であり、さらに、水溶媒中では加水分解を防ぐ為に低温で反応を行うため反応に長時間を要するといった生産性上の問題があった。
J.Org.Chem.,21,483(1956) J.Chem.Soc.Perkin Trans I,2,147(1984) J.Chem.Soc.Perkin Trans I,12,3243(1990) J.Org.Chem.,55,5230(1990)
本発明は、医農薬中間体、写真薬中間体、画像記録材料中間体および電子材料中間体等として有用なアシルチオ尿素化合物の製造方法及びN,N−ジアルキルチオ尿素化合物を、工業的に安価でかつ容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、下記の手段によって解決された。
<1> 下記一般式(1)で表されるチオシアナート化合物と、下記一般式(3)で表されるハロゲン化蟻酸エステル化合物とを溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上である有機溶媒中で複素芳香族化合物の存在下で反応させた後、下記一般式(4)で表される第2級アミノ化合物を反応させることを特徴とする下記一般式(5)で表されるアシルチオ尿素化合物の製造方法である。
一般式(1):MSCN
一般式(1)中、Mは金属イオンまたは、下記一般式(2)で表されるアンモニウムイオンを表す。
一般式(2):NR
一般式(2)中、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、R、R、R、及びRのいずれか複数が互いに結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
一般式(3):ROCOX
一般式(3)中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表す。
一般式(4):HNR
一般式(4)中、R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
一般式(5):ROCONHC(S)NR
一般式(5)中、Rは前記一般式(3)におけるRと同義であり、R、Rは前記一般式(4)におけるR、Rと同義である。
<2> 前記複素芳香族化合物が含窒素複素芳香族化合物である<1>に記載のアシルチオ尿素化合物の製造方法である。
<3> 下記一般式(5)で表されるアシルチオ尿素化合物を、塩基性条件下において加水分解する事を特徴とする下記一般式(6)で表されるN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法である。
一般式(5):ROCONHC(S)NR
一般式(6):HNC(S)NR
式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表す。R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
<4> 前記複素芳香族化合物が含窒素複素芳香族化合物である<3>に記載のN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法である。
<5> 下記一般式(1)で表されるチオシアナート化合物と、下記一般式(3)で表されるハロゲン化蟻酸エステル化合物とを溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上である有機溶媒中で複素芳香族化合物の存在下で反応させた後、下記一般式(4)で表される第2級アミノ化合物を反応させて、下記一般式(5)で表されるアシルチオ尿素化合物を生成後、該アシルチオ尿素化合物を単離取り出す事なく、続いて、塩基性条件下において加水分解する事を特徴とする下記一般式(6)で表されるN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法である。
一般式(1):MSCN
一般式(1)中、Mは金属イオンまたは、下記一般式(2)で表されるアンモニウムイオンを表す。
一般式(2):NR
一般式(2)中、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、R、R、R、及びRのいずれか複数が互いに結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
一般式(3):ROCOX
一般式(3)中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表す。
一般式(4):HNR
一般式(4)中、R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
一般式(5):ROCONHC(S)NR
一般式(5)中、Rは前記一般式(3)におけるRと同義であり、R、Rは前記一般式(4)におけるR、Rと同義である。
一般式(6):HNC(S)NR
式中、R、Rは前記一般式(4)におけるR、Rと同義である。
<6> 前記複素芳香族化合物が含窒素複素芳香族化合物である<5>に記載のN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法。
本発明によれば、医農薬中間体、写真薬中間体、画像記録材料中間体および電子材料中間体等として有用なアシルチオ尿素化合物の製造方法及びN,N−ジアルキルチオ尿素化合物を、工業的に安価でかつ容易に製造することができる。
本発明に用いられるチオシアナート化合物は、前記一般式(1)で表される化合物である。式中、Mは金属イオンまたは一般式(2)で表されるアンモニウムイオンを表す。
前記Mにおける金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、及びカリウムイオン等が挙げられる。
また、前記Mにおけるアンモニウムイオンは一般式(2)で表され、式中のR、R、及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
前記一般式(3)で表されるハロゲン化ギ酸エステル化合物の具体例としては、例えば、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸ペンチル、クロロギ酸ヘキシル、クロロギ酸t−ブチル基、クロロギ酸シクロヘキシル、クロロギ酸フェニル、ブロモギ酸メチル、ブロモギ酸エチル、ブロモギ酸プロピル、ブロモギ酸ブチル、ブロモギ酸ペンチル、ブロモギ酸ヘキシル、ブロモギ酸t−ブチル、ブロモギ酸シクロヘキシル、及びブロモギ酸フェニル等が挙げられる。
これらの中でも、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、又はクロロギ酸フェニルが好ましく用いられる。
本発明に用いられる第2級アミノ化合物は、前記一般式(3)で表される化合物である。
前記一般式(3)中、R及びRは、互いに独立に炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
互いに結合して環を形成しない場合のR及びRの例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、及びヒドロキシエチル基等が挙げられる。
とRが互いに結合して窒素原子を含む環を形成した第2級アミノ化合物としては、例えば、ピロリジン、イソインドリン、N−メチルイミダゾリジン、ピペリジン、4−メチルピペリジン、4−ベンジルピペリジン、テトラヒドロイソキノリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−ベンジルピペラジン、及びモルホリン等が挙げられる。
本発明で一般式(5)で表される化合物を製造する際に用いる溶媒としては、溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上の群より選ばれる有機溶媒である。
本発明においては、好ましくは、溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上72以下であり、より好ましくは、溶媒中における中間体の安定性のため、さらにANが45以下かつDNが40未満である。
溶媒パラメーターANおよびDNは、経験的な溶媒パラメーターとしてGutmannによって提案された定数であり、基準プロセスの確かさと多数の溶媒について決められているため、代表的な塩基性溶媒および電子受容性溶媒のパラメーターとして広く用いられている。DNは1,2−ジクロロエタン中におけるSbClと溶媒分子の1:1錯体生成平衡の−△H値としてkcalmol−1単位で定義され、ANは溶媒との相互作用によるトリエチルホスフィンオキシドの31PNMR化学シフトから求められる。
これらの値は多くの一般的な成書に記載があるが、例えば、「化学便覧 基礎編」第3版、I−561頁〜567頁(丸善)、「大学院講義 有機化学I」、184頁(東京化学同人)、「有機化学反応と溶媒」、125頁〜127頁(丸善)に詳しい。
このANとDNの1:1比率の和が正確な溶媒極性基準となる事がNakaieらによって提案されており、溶媒極性のパラメーターとして利用されている(Tetrahedron,58,4383(2002)参照)。
溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上72以下の有機溶媒としては、例えば、メタノール(AN+DN:71.3)、エタノール(AN+DN:69.1)、イソプロピルアルコール(AN+DN:69.5)、ブタノール(AN+DN:65.8)、アセトニトリル(AN+DN:33.0)、ジメチルホルムアミド(DMF)(AN+DN:42.6)、ジメチルアセトアミド(DMAc)(AN+DN:41.4)、N−メチルピロリドン(NMP)(AN+DN:40.6)、ジメチルスルホキシド(DMSO)(AN+DN:49.1)、スルホラン(AN+DN:34.0)、及びピリジン(AN+DN:47.3)等が挙げられる。
これらの中でも、イソプロピルアルコール、DMF、DMAc、NMP、アセトニトリル、又はDMSOが好ましく用いられる。
有機溶媒の使用量は、チオシアナート化合物類100質量部に対して、通常10質量部〜1000質量部が好ましい。
本発明で一般式(5)で表される化合物を製造する際に用いる複素芳香族化合物としては、好ましくは、含窒素複素芳香族化合物であり、例えば、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、及びベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらのうち、さらに置換基を有することが可能な基は、置換基をさらに有してもよい。
これらの中でも、イミダゾール、ピリジン、キノリン、又はベンゾトリアゾールが好ましく用いられる。
前記複素芳香族化合物の使用量は、チオシアナート化合物類に対して0.01モル%以上100モル%以下、好ましくは0.1モル%以上50モル%以下が望ましい。
本発明で一般式(6)で表される化合物を製造する際に用いる塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウム等が挙げられる。
一般式(6)で表される化合物を製造する際に用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、DMF、DMAc、及びNMP等を挙げる事が出来る。メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、DMF、DMAc、又はNMP等の有機溶媒を溶媒として用いる場合には、共溶媒として水を有機溶媒100質量部に対して、通常1質量部〜100質量部使用するのが好ましい。
反応温度は、一般式(5)、一般式(6)いずれを製造する場合でも、通常−10℃〜200℃、好ましくは、0℃〜100℃である。また、反応時間は反応温度により異なるが、通常0.1時間〜15時間である。
反応液から目的とするN,N−ジアルキルチオ尿素化合物を単離する方法としては、特に限定されず、例えば、蒸留する方法や溶媒を留去した後にカラムクロマトグラフィーやアルコールによる再結晶により精製する方法等を挙げる事ができる。
次に本発明の一般式(5)および(6)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
一般式(5)で表される化合物の具体例を以下に示す。
なお、下記構造において、RとRは入れ替わった化合物も含むものとする。
式中、Phはフェニル基を表し、Bnはベンジル基を表す。
次に、一般式(6)で表される化合物具体例を以下に示す。
なお、下記構造において、RとRは入れ替わった化合物も含むものとする。
(本発明の用途)
本発明のアシルチオ尿素化合物の製造方法及びN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法は、医農薬中間体、写真薬中間体、画像記録材料中間体および電子材料中間体等として有用な化合物であるN,N−ジアルキルチオ尿素化合物を工業的に安価でかつ容易に製造するのに応用することができる。
以下に実施例を挙げ本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
下記式に基づき、本発明の例示化合物(69)を合成した。
3ツ口フラスコにアセトニトリル315mL、ピリジン0.75mL、チオシアン酸カリウム36.27gを入れ、室温下攪拌した。そこへクロロギ酸エチル45.0gを15分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した。その後、5℃まで冷却してジエチルアミン33.26gを20分かけて滴下により加えた。この反応液からアセトニトリルを減圧により溜去し、水180mL、酢酸エチル225.0mLを添加して攪拌し、水層を除去した。減圧により酢酸エチルを溜去し、水130.0mL、50質量%水酸化カリウム水溶液47.0gを加え、内温85℃以上で2時間反応を行った。(反応終了時、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して87.8モル%であった。)。
その後、反応液中へ酢酸エチル200.0mLを加えて攪拌し、水層を除去した。減圧により酢酸エチルを溜去し、イソプロピルアルコール30mL/水20mLの混合液を添加して、内温60℃まで加熱し、溶解した。その後、氷冷まで序冷してチオ尿素を結晶として得た。ろ過、乾燥後、重量により得率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して64.8%であった。加水分解反応の時に発生したガスをアルカリ水溶液に捕集し、ピリジン−ピラゾロン法により青酸化合物濃度を測定したところ、0.1ppm未満であった。
実施例2
下記式に基づき、本発明の例示化合物(79)を合成した。
3ツ口フラスコにアセトニトリル315mL、ピリジン0.75mL、チオシアン酸カリウム36.27gを入れ、室温下攪拌した。そこへクロロギ酸エチル45.0gを15分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した。その後、5℃まで冷却して4−メチルピペリジン45.1gを25分かけて滴下により加えた。この反応液からアセトニトリルを減圧により溜去し、水180mL、酢酸エチル225.0mLを添加して攪拌し、水層を除去した。酢酸エチルを減圧により溜去し、水130.0mL、50質量%水酸化カリウム水溶液47.0gを加え、内温85℃以上で2時間反応を行った。反応終了時、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して88.5モル%であった。
その後、反応液中へ酢酸エチル200.0mLを加えて攪拌し、水層を除去した。酢酸エチルを減圧により溜去し、イソプロピルアルコール30mL/水20mLの混合液を添加して、内温60℃まで加熱し、溶解した。その後、氷冷まで序冷してチオ尿素を結晶として得た。ろ過、乾燥後、重量により得率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して65.2%であった。
実施例3
下記式に基づき、本発明の例示化合物(69)を合成した。
3ツ口フラスコにアセトニトリル105mL、キノリン0.37mL、チオシアン酸カリウム12.09gを入れ、室温下攪拌した。そこへクロロギ酸エチル15.0gを15分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した。その後、5℃まで冷却してジエチルアミン11.09gを20分かけて滴下により加えた。この反応液からアセトニトリルを減圧により溜去し、水60mL、酢酸エチル75.0mLを添加して攪拌し、水層を除去した。酢酸エチルを減圧により溜去し、水44.0mL、50質量%水酸化カリウム水溶液16.0gを加え、内温85℃以上で2時間反応を行った。反応終了時、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して80.1モル%であった。
実施例4
下記式に基づき、本発明の例示化合物(69)を合成した。
3ツ口フラスコにNMP150mL、ピリジン0.75mL、チオシアン酸カリウム36.27gを入れ、室温下攪拌した。そこへクロロギ酸エチル45.0gを25分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した。その後、5℃まで冷却してジエチルアミン33.26gを30分かけて滴下により加えた。この反応液へ水600mL、塩酸5mL、酢酸エチル225.0mLを添加して攪拌し、水層を除去した。その後炭酸水素ナトリウム10g、水300mLを添加して攪拌し、水層を除去した。酢酸エチルを減圧により溜去し、水130.0mL、50質量%水酸化カリウム水溶液50.0gを加え、内温85℃以上で2時間反応を行った。反応終了時、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して80.3モル%であった。
実施例5〜8、比較例1,2
実施例4において、反応溶媒としてNMPの替わりに、表1に示す他の溶媒を用いて、その他は実施例4と同様に行った。得られた結果を表1に示した。
実施例5〜8はいずれも50%以上の高いチオ尿素生成の収率を示した。しかしながら、溶媒パラメータが30未満の反応溶媒を用いた比較例1,2は50%未満の低い収率であった。
比較例3
3ツ口フラスコに水8.06mL、ピリジン0.40mL、チオシアン酸カリウム8.06gを入れ、7℃で攪拌した。そこへクロロギ酸エチル10.96gを40分かけて滴下し、10℃以下を保ったまま8時間攪拌した。その後、水を14.93mL追添して内温5℃以下まで冷却した後、ジエチルアミン7.28gを20分かけて滴下により加えた。
その後そのまま10時間反応を行った。この反応液へメタンスルホン酸3.28g添加し、内温80℃まで昇温した。内温85℃以上で2時間反応を行い反応終了を確認した後、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して31.1モル%であった。
比較例4
3ツ口フラスコにアセトン(AN+DN:29.5)120mL、チオシアン酸カリウム29.2gを入れ、室温下攪拌した。そこへクロロギ酸エチル32.6gを15分かけて滴下し、そのまま2時間攪拌した。その後、0℃まで冷却してジエチルアミン24.1gを10分かけて滴下により加えた。室温まで昇温後1時間反応させ、この反応液からアセトンを減圧により溜去した。水180mL、酢酸エチル225.0mLを添加して攪拌し、水層を除去した。酢酸エチルを減圧により溜去し、濃塩酸75.0mLを加えて、内温85℃以上で2時間反応を行った。反応終了時、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して37.4モル%であった。
比較例5
3ツ口フラスコにアセトニトリル630mL、ピリジン1.46mL、チオシアン酸カリウム72.54gを入れ、室温下攪拌した。そこへクロロギ酸エチル90.0gを10分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した。その後、5℃まで冷却してジエチルアミン66.51gを20分かけて滴下により加えた。この反応液からアセトニトリルを減圧により溜去し、水360mL、酢酸エチル450.0mLを添加して攪拌し、水層を除去した。
酢酸エチルを減圧により溜去し、水360.0mL、メタンスルホン酸63.0gを加え、内温℃以上で2時間反応を行った。(反応終了時、HPLCによる絶対検量線法によりチオ尿素の生成率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して74.4モル%であった。)。
室温まで冷却後種結晶0.7gを添加しチオ尿素を析出させ、1時間攪拌した。その後5℃まで冷却し1時間攪拌した。ろ過、乾燥後、重量により得率を確認したところ、チオシアン酸カリウムに対して52.1%であった。加水分解反応の時発生したガスをアルカリ水溶液に捕集し、ピリジン−ピラゾロン法により青酸化合物濃度を測定したところ、293ppmであった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるチオシアナート化合物と、下記一般式(3)で表されるハロゲン化蟻酸エステル化合物とを溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上である有機溶媒中で複素芳香族化合物の存在下で反応させた後、下記一般式(4)で表される第2級アミノ化合物を反応させることを特徴とする下記一般式(5)で表されるアシルチオ尿素化合物の製造方法:
    一般式(1):MSCN
    (一般式(1)中、Mは金属イオンまたは、下記一般式(2)で表されるアンモニウムイオンを表す。);
    一般式(2):NR
    (一般式(2)中、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、R、R、R、及びRのいずれか複数が互いに結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。);
    一般式(3):ROCOX
    (一般式(3)中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表す。);
    一般式(4):HNR
    (一般式(4)中、R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。);
    一般式(5):ROCONHC(S)NR
    (一般式(5)中、Rは前記一般式(3)におけるRと同義であり、R、Rは前記一般式(4)におけるR、Rと同義である。)。
  2. 前記複素芳香族化合物が含窒素複素芳香族化合物である請求項1に記載のアシルチオ尿素化合物の製造方法。
  3. 下記一般式(5)で表されるアシルチオ尿素化合物を、塩基性条件下において加水分解する事を特徴とする下記一般式(6)で表されるN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法:
    一般式(5):ROCONHC(S)NR
    一般式(6):HNC(S)NR
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表す。R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。)。
  4. 前記複素芳香族化合物が含窒素複素芳香族化合物である請求項3に記載のN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法。
  5. 下記一般式(1)で表されるチオシアナート化合物と、下記一般式(3)で表されるハロゲン化蟻酸エステル化合物とを溶媒パラメーター(AN+DN)が30以上である有機溶媒中で複素芳香族化合物の存在下で反応させた後、下記一般式(4)で表される第2級アミノ化合物を反応させて、下記一般式(5)で表されるアシルチオ尿素化合物を生成後、該アシルチオ尿素化合物を単離取り出す事なく、続いて、塩基性条件下において加水分解する事を特徴とする下記一般式(6)で表されるN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法:
    一般式(1):MSCN
    (一般式(1)中、Mは金属イオンまたは、下記一般式(2)で表されるアンモニウムイオンを表す。);
    一般式(2):NR
    (一般式(2)中、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、R、R、R、及びRのいずれか複数が互いに結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。);
    一般式(3):ROCOX
    (一般式(3)中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を表す。);
    一般式(4):HNR
    (一般式(4)中、R、Rは、互いに独立に炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表す。または、RとRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。);
    一般式(5):ROCONHC(S)NR
    (一般式(5)中、Rは前記一般式(3)におけるRと同義であり、R、Rは前記一般式(4)におけるR、Rと同義である。);
    一般式(6):HNC(S)NR
    (式中、R、Rは前記一般式(4)におけるR、Rと同義である。)。
  6. 前記複素芳香族化合物が含窒素複素芳香族化合物である請求項5に記載のN,N−ジアルキルチオ尿素化合物の製造方法。
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