JP2009220456A - 画像記録装置 - Google Patents

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Juichi Furukawa
壽一 古川
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Abstract

【課題】 インク噴射ヘッドのインク噴射面に付着した固形物の清掃を確実に行いつつ、ブレードとインク噴射ヘッドの寿命を延ばした画像記録装置の提供。
【解決手段】 インク噴射ヘッド3からインクを噴射して記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、インク噴射ヘッド3のインク噴射面3aと摺動してインク噴射面を清掃するブレード1を備え、インク噴射面3aに対しブレード1の刃先は、1ブレードのインク噴射面に対する相対的な摺動方向に対し鋭角に配置されたインク噴射面の清掃と、鈍角に配置されたインク噴射面の清掃とが可能なことを特徴とする画像記録装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インクジェット方式の画像記録装置に関する。
コンピューターやワークステーションから画像を出力する装置としてインクを記録媒体に吐出して印刷を行うインクジェット方式の画像記録装置が知られている。この画像記録装置はインクを吐出するノズル孔を備えたインク噴射ヘッドを備えている。インク噴射ヘッドは画像を記録する際は、ノズル孔から記録媒体めがけてインクを吐出して画像を記録する機能を備えている。
しかしながら、このインク噴射ヘッドは、ノズル孔に繋がる液室中に気泡が生じたり、ノズル孔内のインクや、空吐出したときに付着したインクミストが乾燥して、ノズル孔が目詰まりしたり、吐出したインクが曲がって定められた場所へインクを吐出できなくなることが有る。さらに、このインクに紙粉などのゴミが付着して、より堅固な付着物となることもある。このような事態を避けるために、通常は印刷中や印刷動作終了後に、ノズル孔から強制的にインクを排出して気泡やノズル孔周りの増粘インクを取り除く回復動作が行われている。また、回復動作においては、インク強制排出動作と前後して、インク噴射ヘッドのノズル孔が配置されているインク噴射面を清掃するワイピング動作も行われる。通常、ゴム製のブレードの刃先をインク噴射面に押し当てて摺動させて、インクや紙粉などを払拭する動作である。
ところで、インク噴射面に付着しているインクや紙紛は、印刷中などのようにインク噴射ヘッドにインク噴射面をカバーするキャップがされていないデキャップ時間、インク噴射ヘッドから吐出するインクの色材の種類、装置内の温度湿度、直前に行っていた印刷の枚数や印刷していた記録媒体の種類、印刷中の空吐出の回数等々によって、異なる状態になっている場合が多い。デキャップ時間が長ければそれだけインク噴射面に付着したインクは乾燥し、装置内の温度が高く、湿度が低ければ、付着したインクの乾燥がより進むのは自明である。このような乾燥したインクも、インクに混じった紙紛も取り除き難い。ワイピング動作の前に印刷枚数が多く、紙紛の立ちやすい普通紙に印刷していた場合ではより大量の紙紛が付着していることも自明である。
従来は、上述のようにインク噴射面にインクや紙紛が堅固に付着した付着状態を基準にして一定の圧力でブレードをインク噴射面に押し当てて、ブレードがインク噴射面と鋭角をなす方向(ブレードとインク噴射面とが摺動方向に対して鋭角となる方向)に拭きとってインク噴射面のインクや紙紛を拭き取っていた。ワイピング動作は、常に同じ方法で行われており、回復動作直後にインク噴射面に付着したインクのように、粘度上昇や固化があまり見られない状態においては、インク噴射面への押し当て圧は過度な応力となっていた。ブレードやインク噴射面の撥水剤はワイピング動作を繰り返すことで、磨耗により徐々に劣化するため、押し当て圧が強ければ劣化が早くなるという問題があった。
そくで、例えば、特許文献1には、ワイピングしてノズル孔が吐出不良から回復する成功率で判断して、ワイピング回数、ブレードの押し当て量(押し当て圧に相当)、ワイピング速度を選択する手段をもつ画像記録装置が提案されている。また、特許文献2には、ワイパーに突き当てを設け、突き当てにワイパーをあてて当接圧を高めたブレードで拭き取りを行う第1の清掃方法と、第1の清掃方法とは逆方向にインク噴射ヘッドとブレードを相対移動させ、突き当ての抵抗を受けず、第1の清掃方法よりも弱い当接圧で拭き取りを行う第2の清掃方法を有し、印刷中に付着したインクを拭き取る回復動作か、回復動作直後のワイピング動作かの判断に基づき、第1と第2の清掃方法を切り替える画像記録装置を提案されている。また、ブレードを斜めに設置することで、第1と第2の清掃方法における当接圧を異ならせる案も提案している。
特開2006−095815号公報 特開平11−286116号公報
特許文献1に提案されているように、ブレードの押し当て量やワイピング速度(ブレードとインク噴射面との摺動速度)を異ならせるには大掛かりな制御機構を必要としてしまう。また、ワイピング回数を増やすと回復動作に時間がかかるという問題があった。
特許文献2に提案されている画像記録装置においては、第1の清掃方法でも、第2の清掃方法でも、共にブレードがインク噴射面に鋭角になる方向に摺動させて、インク噴射面のインクや紙紛を拭き取っている。このため、乾燥したインクやこびりついた紙紛といった堅固に付着した付着物を除去する離型を行おうとした場合、ブレードが汚れに乗り上げてしまい上手く取り除くことができないという問題があった。また、ブレードの押し当て量(押し当て圧力)を大きくして、堅固に付着した付着物を除去しようとすると、インク噴射面やブレードの磨耗を助長して、インク噴射ヘッドやブレードの寿命を縮めるという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、インク噴射ヘッドのインク噴射面に付着した固形物の清掃を確実に行いつつ、ブレードとインク噴射ヘッドの寿命を延ばした画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、インク噴射ヘッドからインクを噴射して記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、前記インク噴射ヘッドのインク噴射面と刃先を摺動させてインク噴射面を清掃するブレードを備え、前記インク噴射面に対し前記ブレードの刃先は、前記ブレードのインク噴射面に対する相対的な摺動方向に向かって鋭角に配置されたインク噴射面の清掃と、鈍角に配置されたインク噴射面の清掃とが可能なことを特徴とする画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃におけるブレードと、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃におけるブレードが同じであることを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃と、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃における刃先が同じであることを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃と、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃における、ブレードのインク噴射面への圧接強さが同じであることを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記ブレードとインク噴射面との摺動速度は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃と、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃とで異なることを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記ブレードがインク噴射面に接触してから、前記インク噴射面に対し前記刃先を、前記ブレードのインク噴射面に対する相対的な摺動方向に向かって鋭角にしてインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記インク噴射面の清掃において、インク噴射面を露出している時間が所定値を超えた場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記インク噴射面の清掃において、前記インクが顔料の場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行い、前記インクが染料の場合は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記インク噴射面の清掃において、前記インク噴射ヘッド周辺の温度が第1の所定値以上となった場合は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行い、前記インク噴射ヘッド周辺の温度が第1の所定値より高温の第2の所定値以上となった場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記インク噴射面の清掃において、前記インク噴射ヘッド周辺の湿度が第1の所定値以下となった場合は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行い、前記インク噴射ヘッド周辺の湿度が第1の所定値より低い第2の所定値以下となった場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、稼働開始からの記録媒体への記録枚数に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、稼働開始からの稼働時間に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、稼働開始からのJobの回数に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、記録した記録媒体の種類に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、前記インク噴射ヘッドのインク空吐出の回数が所定値を超えた場合、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
好ましい本発明は、稼働開始からのインク噴射面の清掃の回数に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする前記画像記録装置である。
本発明によれば、インク噴射ヘッドのインク噴射面に付着した固形物の清掃を確実に行いつつ、ブレードとインク噴射ヘッドの寿命を延ばした画像記録装置を提供することができる。
本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の画像記録装置は、インク噴射ヘッドからインクを噴射して記録媒体に画像を記録するインクジェット方式と呼ばれる画像記録装置である。そして、この画像記録装置は、インク噴射ヘッドのインク噴射面と刃先が摺動してインク噴射面を清掃するブレードを備え、インク噴射面に対しブレードの刃先は、ブレードの刃先のインク噴射面に対する相対的な摺動方向に対し鋭角に配置されたインク噴射面の清掃と、鈍角に配置されたインク噴射面の清掃が可能となっている。
(第1の実施形態)
本発明の画像記録装置の第1の実施形態として、図1に示すブレードによるインク噴射面の清掃工程の説明図を参照して説明する。図1a)〜図1n)は、それぞれキャリッジ上のインク噴射ヘッドとブレードの相対的な動きを表している。これらの図において、符号1,2はブレード、符号3はキャリッジ4に搭載されたインク噴射ヘッド、符号3aはインク噴射ヘッド3のノズルが配置されているインク噴射面、符号6はインク噴射面3aをカバーするキャップ、符号7はキャリッジ4のガイド軸である。
ブレード1は、インク噴射面3aに対し直角ではなく斜めに配置されている。そして、ブレード1の刃先である先端部は、インク噴射面3aとの摺動方向に対し直角にはなっていない。図1の例で説明すれば、図1b)〜図1g)の動きのように、インク噴射ヘッド3が左から右へと移動しているときは、ブレード1は、インク噴射面3aとの相対関係では図の右から左に動いている(摺動している)ことになる。そして、ブレード1の刃先とインク噴射面3aは摺動方向に対し、ブレード1の刃先とインク噴射面3aは鋭角に配置されていることになる。逆に、図1h)〜図1m)の動きのように、インク噴射ヘッド3が右から左へと移動しているときは、ブレード1は、インク噴射面3aとの相対関係では図の左から右に動いている(摺動している)ことになる。そして、ブレード1の刃先とインク噴射面3aは摺動方向に対し、ブレード1の刃先とインク噴射面3aは鈍角に配置されていることになる。
図1に従って、ブレード1,2によるインク噴射面3aの清掃工程を順次説明する。まず、第1の清掃方法として、ブレード1の刃先とインク噴射面3aが、刃先の相対的な摺動方向に対し鋭角に配置された状態の刃先によるインク噴射面3aの清掃について説明する。図1a)のように、インク噴射面は、キャップ6による吸引回復を行った直後はインク噴射面3aがインク4で汚れている。インク噴射面3aにインク4の付着したインク噴射ヘッド3がキャップ6から離れた状態にある。そして、図1b)に示すように、インク噴射ヘッド3は、キャリッジガイド軸7に沿って、右端に移動した。この動作のときは、インク噴射面3aとブレード1,2とは接触していない。次に、ブレード1が、図1c)に示すように、その先端の刃先がインク噴射面3aより少し高い位置になるように上昇する。この状態で、インク噴射ヘッド3が右方向へ移動してくる。そうすると、図1d)に示すように、ブレード1が湾曲しながら、その刃先がインク噴射面3aをこするように摺動する。刃先は、インク噴射面3aに対し相対的に左に摺動している。このとき、インク噴射面3aとブレード1の刃先とは、刃先の相対的な摺動方向に対し鋭角になっている。言い換えれば、インク噴射面3aとブレード1の刃先が、インク噴射面3aに付着して清掃されようとしているインクを挟む角度が鋭角になっている。
そして、図1e)に示すように、インク噴射ヘッド3が右端まで移動し、インク噴射面3aに付着していたインクが、ブレード1により払拭され、インク噴射面3aの清掃が終了する。その後、ブレード1が最初の位置まで下降し(図1f))、インク噴射ヘッド3はキャップ6でカバーされる(図1g))。
次に、第2の清掃方法として、ブレード1の刃先とインク噴射面3aが、刃先の相対的な摺動方向に対し鈍角に配置された状態の刃先によるインク噴射面3aの清掃について説明する。図1h)のように、インク噴射面3aにインクの付着したインク噴射ヘッド3がキャップ6から離れた状態にある。この場合、比較的固くインク4がインク噴射面3aに付着していることを想定している。ブレード2が、図1i)に示すように、その先端の刃先がインク噴射面3aより少し高い位置になるように上昇する。この状態で、ブレード2が湾曲しながら、インク噴射面3aに当接する。そして、インク噴射ヘッド3が左方向へ移動する。そうすると、図1k)に示すように、ブレード2が湾曲しながら、その刃先がインク噴射面3aをこするように摺動する。刃先は、インク噴射面3aに対し相対的に右に摺動している。このとき、インク噴射面3aとブレード2の刃先とは、刃先の相対的な摺動方向に対し鈍角になっている。言い換えれば、インク噴射面3aとブレード2の刃先が、インク噴射面3aに付着して清掃されようとしているインクを挟む角度が鈍角になっている。
そして、図1j)に示すように、インク噴射ヘッド3が左端まで移動し、インク噴射面3aに付着していたインクが、ブレード2により払拭され、インク噴射面3aの清掃が終了する。その後、ブレード2が最初の位置まで下降し(図1m))、インク噴射ヘッド3は元の右端に戻って、キャップ6でカバーされる(図1n))。
以下、インク噴射面3aとブレード2の刃先の角度に関し、「鋭角」、「鈍角」というときは、上述の角度をいう。
本発明の画像記録装置による第1の清掃方法は、従来のワイピングと呼ばれる清掃方法と同じであり、鋭角となる側に鋭角を維持して、ブレード1(ブレード2でも同じである。以下、同じ。)の刃先をインク噴射ヘッド3aに対し相対的に摺動させるインク噴射面3aとのブレード1の刃先間を狭くして払拭するため、表面張力も手伝い、液体の状態のインクを払拭するのに適している。
一方、インク噴射面3aに付着したインク3は蒸発してゲル化、さらに固体化する。この減少は避けようがない。このような固形物に対しては、ブレード1とインク噴射面3aの成す角度を鋭角にしていた場合、弾性体からなるブレード1は、さらに湾曲して、固形物の汚れの上に乗り上げ易いため、無理やりにでもとるためには特許文献2記載されているように、ブレード1の当接圧を大きくする必要がある。このようにすれば、すでに述べたように、インク噴射面3aやブレード1の寿命を縮めることになる。
そこで、ブレード1の刃先を鈍角にしてインク噴射面3aに当接し固形物の汚れを清掃すれば、当接圧は小さくてもブレードの刃先が、固形物の汚れの上に乗り上げずに、これを削り取ってインク噴射面3aを清掃することができる。一般的にスクレイピングと呼ばれる清掃方法である。当接圧はインク噴射面3aとブレード1を鋭角にして固形物を払拭する場合よりも小さな当接圧で払拭が可能であり、インク噴射面やブレードの刃先の磨耗が少なくて済む。
本発明の画像記録装置においては、インク噴射面3aに付着したインク3の状態にあわせて清掃方法を使い分けることができるように2種類の清掃をすることができる仕組みを備えている。従来のブレード1をインク噴射面3aに鋭角にあてて払拭する方法のみを持つ画像記録装置と比べて、インク噴射ヘッド3のインク噴射面3aとブレード1の磨耗耐久性に優れた画像記録装置である。
本発明の画像記録装置では第1の清掃方法と第2の清掃方法でブレード1とブレード2とのインク噴射ヘッド3への押圧力(干渉量ともいう。)は同一であっても良い。これにより、ブレード1,2のインク噴射ヘッド3への押圧力を異ならせてインク噴射ヘッドへの干渉量を変える複雑な構造を必要としない。
本発明の第1の清掃方法と第2の清掃方法とでは、ブレード1とブレード2とのインク噴射ヘッド3に対する相対移動速度が同じでも、異なっていても良い。第1の清掃方法では鋭角となる側に鋭角を維持してブレード1とインク噴射ヘッド3を相対的に移動させて払拭するが、鈍角となる側に鈍角を維持してブレードとインク噴射ヘッドを相対的に移動させる第2の清掃方法とは、互いに汚れを払拭するのに最適な相対移動の速度がそれぞれ異なるため、それぞれに最適な相対移動速度で清掃を行うことができる。
本発明の画像記録装置では第1の清掃方法と第2の清掃方法のどちらで清掃を行うかは画像記録装置の使用状況、使用環境、ブレードの磨耗の程度等のデータを収集し、これらデータを所定の制御値を設定したテーブルと照らし合わせて判定を行い、二つの清掃方法のいずれかを使い分けたり、両方行ったり、あるいは複数回行っても良い。
本発明の画像記録装置では、インク噴射面3aが露出している時間であるデキャップ時間が一定時間を超えるか否かで第1の清掃方法と第2の清掃方法のどちらで清掃を行うかを決定しても良い。インク噴射ヘッド3がキャップ6から離れて印刷を行っている時間が長いほどインク噴射面3aに付着したインク4は乾燥し、付着する紙紛も増えるため、一定水準を越えたデキャップ時間となった場合は、より固形物の拭き取りに適した第2の清掃方法を選択することが望ましい。
本発明の画像記録装置では、インク噴射ヘッド3から吐出するインクが顔料か染料かで第1の清掃方法と第2の清掃方法のどちらで清掃を行うかを決定してもよい。乾燥したとき顔料インクは固形物が残り、染料インクと比較して洗い流すことが難しい。したがって顔料インクを吐出するインク噴射ヘッド3に対して、より固形物の拭き取りに適した第2の清掃方法を選択することが望ましい。また、染料インクを吐出するインク噴射ヘッドに対しては、インク噴射面の磨耗が穏やかな第1の清掃方法を選択することが望ましい。
本発明の画像記録装置は、温度センサー,あるいは湿度センサーを備えていて、画像記録装置内の温度や湿度により第1の清掃方法と第2の清掃方法のどちらで清掃を行うかを決定してもよい。画像記録装置内が高温になるほど、低湿度になるほどインクは乾燥しやすく、一定水準を越えて画像記録装置内が高温と成った場合、又は低湿度と成った場合は、特に、高温、低湿度と成った場合は、より固形物の拭き取りに適した第2の清掃方法を選択することが望ましい。
本発明の画像記録装置は、記録(印刷ともいう。)を行った記録媒体の枚数によって第1と第2の清掃方法のどちらで清掃を行うかを決定しても良い。印刷を行った記録材料の枚数が多いほど紙紛やインクミストが付着する機会が増え、一定枚数以上の画像形成したあとの回復動作では、より固形物の拭き取りに適した第2の清掃方法を選択することが望ましい。
本発明の画像記録装置は、記録を行った記録媒体の種類によって第1と第2の清掃方法のどちらで払拭を行うかを決定しても良い。普通紙に印刷した場合は光沢紙に印刷した場合と異なり、多くの紙紛がインク噴射面に付着しやすい。したがって、紙紛の出易い記録媒体の印刷を行ったあとの回復動作ではより固形物の拭き取りに適した第2の清掃方法を選択することが望ましい。
本発明の画像記録装置は、印刷中の空吐出の回数によって第1と第2の清掃方法のどちらで払拭を行うかを決定しても良い。印刷を行う画像によって空吐出の頻度は変化する。空吐出を多く行った場合はインク噴射面に付着したインクミストが多くなる。一定回数以上の空吐出を行った場合はより固形物の拭き取りに適した第2の清掃方法を選択することが望ましい。
本発明の画像記録装置は、画像記録装置稼働の初回からの累積印刷枚数、累積稼働時間によって、あるいはJobの回数(ひとつの指令で画像記録をした作業の回数であり、画像記録した枚数は複数でもよい。)間によって第1と第2の清掃方法のどちらで払拭を行うかを決定しても良い。多くの累積印刷枚数を重ねた画像記録装置では、初期と比較してブレードが磨耗して、清掃の能力が低下している。したがって確実に清掃を行うために、一定水準の累積枚数を重ねた画像記録装置では、より清掃能力の高い清掃方法を選択して行うことが望ましい。通常は、第2の清掃方法を選択することが好ましい。ブレード1とブレード2の刃先の状況によっては、第1の清掃方法と第2の清掃方法で、どちらが高い清掃能力となるかが決まる。第2の清掃方法の選択の頻度が高いと、ブレード2の刃先が摩耗したりして、清掃能力が低下することがある。その場合は、それまでの第1の清掃方法と第2の清掃方法の選択順位を変えても良い。すなわち、稼働開始からの清掃回数に応じて、第1の清掃方法と第2の清掃方法を選択してもよい。
(第2の実施形態)
本発明の画像記録装置では、上述の第1実施形態で説明した2種類の清掃方法で用いるブレードを同一のものであっても良い。清掃を行うブレードを減らすことで、製造コストを抑え、画像記録装置の小型化に寄与することができる。本発明の第2の実施形態における画像記録装置を、図2を参照にしながら説明する。第2の実施形態の画像記録装置は、第1の清掃方法と第2の清掃方法とで共通したブレードを用いる以外は第1の実施形態と同様の画像記録装置である。
第1の清掃方法を図2(a)〜2(g)に示した。第1の清掃方法では吸引回復を行ったインク噴射ヘッドの位置図2(a)から清掃開始位置までインク噴射ヘッド3を移動後(図2(b)参照)、定められたインク噴射ヘッド干渉量となる位置までブレード1をインク噴射ヘッド3側に押し上げて(図2(c)参照)、インク噴射ヘッド3とブレード1が成す角度が鋭角と成る方向に、鋭角を維持してインク噴射ヘッド3の移動を続け清掃を行う(図2(d)、2(e)参照)。次にブレード1を下げ(図2(f)参照)インク噴射面をキャップで覆って清掃を完了する(図2(g)参照)
第2の清掃方法を図2(h)〜2(n)を用いて説明する。第2の清掃方法では、吸引回復を行ったインク噴射ヘッドの位置図2(h)からブレ−ド1の上方の清掃開始位置までインク噴射ヘッドを移動後(図2(i)参照)、定められたインク噴射ヘッド干渉量となる位置までブレード1を押し上げてインク噴射ヘッド3にブレ−ド1を当接させる(図2(j)参照)。インク噴射ヘッド3とブレード1が成す角度が鈍角と成る側にして、鈍角を維持したままインク噴射ヘッド3を移動して清掃を行う(図2 (k)参照)。次にブレード1を下げ(図2(m)参照)、インク噴射面をキャップで覆って払拭を完了する(図2(n)参照)。
本発明の第2の清掃方法では、ブレード1の刃先をインク噴射面3aと同一の高さにして、インク噴射面3aと当接させてから鈍角となるように維持してブレード1とインク噴射ヘッド3を相対的に移動させても良い。逆にブレード1とインク噴射ヘッド3を相対的に移動させてからインク噴射ヘッド3にブレード1を当接させるようとすると、ブレード1の先端付近がインク噴射ヘッド3の側面に当接し、インク噴射ヘッド3の移動に伴ってブレード1が屈曲してしまって、インク噴射面3aとブレード1の刃先部分が鈍角にならなくなってしまう。すなわち、ブレード1とインク噴射面3aとを鈍角にして移動させることができない。このようにして、ブレード1をインク噴射面3aとを鈍角を保ったまま同一の高さにして当接させてから、鈍角を維持してブレード1とインク噴射面3aを相対的に移動させることができる。
(第3の実施形態)
本発明の画像記録装置では、第1の清掃方法と第2の清掃方法において当接するブレードの刃先(エッジともいう。)を同一とした。ブレードの刃先を同一とすることで、ブレードの製作精度に必要なコストを削減することができる。本発明の第3の実施形態の画像記録装置を図3を参照にしながら説明する。第3の実施形態の画像記録装置においては、ブレード形状を図3(h)に示すように、ブレード8の刃先8aを一つにして、鋭角に尖らせた。第1実施形態、第2実施形態で説明したブレードは、図3(a)に示すように、ブレード1は刃先(エッジ)1a、1bの2つを備えており、第1の清掃方法と第2の清掃方法において当接するブレードの刃先が異なっている。これに対し、第3の実施形態においては、刃先が一つなので、第1の清掃方法と第2の清掃方法において当接するブレードの刃先は同じものになる。この点が、第3の実施形態の第2実施形態との違いである。
第2の実施形態で用いたブレード1による清掃(図3(a)〜図3(e)参照)と、第3の実施形態で用いるブレード8による清掃(図3(i)〜図3(l)参照)について、比較しながら説明する。第2の実施形態においては、第1の清掃方法では刃先(エッジ)1aでインク噴射面3aを清掃する(図3(b)参照)。また、第2の清掃方法では、刃先(エッジ)1bでインク噴射面3aを清掃する(図3(c)参照)。このような形状のブレード1を用いた場合、インク噴射ヘッド3へのブレード1の干渉量が定められた範囲でないと完全に清掃ができない。干渉量が少なすぎると、十分な清掃ができない場合がある。一方、干渉量が大きすぎると、インク噴射面3aやブレード1の摩耗が早くなる。
さらに、インク噴射ヘッド3へのブレード1の干渉量が大きすぎた場合を図3(d),3(e)に示す。図3(d)に示す鋭角側での清掃のような場合には、ブレード1の干渉量プが大きすぎるため、ブレード1の刃先(エッジ)1bがインク噴射面3aに当接しても、インク噴射面3aとブレード1とのなす角(鋭角)が小さくなりすぎ、ブレード1の当接応力が十分大きくできず、堅固に付着したインク4が十分払拭されないままインク噴射ヘッド3が移動してしまうことがある。図3(e)に示す鈍角側での清掃のような場合には、ブレード1の干渉量が大きすぎるため、ブレード1の刃先(エッジ)1aがインク噴射面3aに当接すべきところを、刃先(エッジ)1bがインク噴射面3aに当接してしまい、やはり、堅固に付着したインク4が十分払拭されないままインク噴射ヘッド3が移動してしまうことがある。
したがって、定められたインク噴射ヘッド3とブレード1との間の干渉量(ギャップ)でしか清掃を行うことができなく、当接応力の調整範囲が限られることになる。
これに対し、本発明の第3の実施形態におけるブレード8による清掃では、図3(i)〜図3(l)に示すように、第1の清掃方法でも第2の清掃方法でも刃先(エッジ)8aがインク噴射面3aに当接する。そして、刃先(エッジ)8aは鋭く尖っているので、ブレード8の干渉量が大きくなるに従って、インク噴射面3aとの当接応力が大きくなっていく。この為、図3(d),3(e)に対応する図3(k),3(l)に示すように、ブレード8の干渉量が大きくなった場合も、インク噴射面3aに堅固に付着したインク4がブレード8により十分払拭される。なお、図3(b),3(c)に対応する図3(i),3(j)に示すインク噴射面3aの清掃については、図3(b),3(c)と全く同じである。
このように、ブレードの形状を図3(a)に示すように、刃先8aを一つにして鋭角に尖らせることにより、ブレード8の干渉量の調整幅を拡げ、ブレード8のインク噴射面3aへの当接応力の調整幅を拡げることができる。そうすれば、インク噴射面3aに堅固に付着したインク4をブレードにより清掃できる範囲がさらに広がる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の画像記録装置では、インク噴射ヘッドとブレードの相対移動が、第2の実施形態においてはインク噴射ヘッドがブレードに対して移動していたのに対し、ブレードがインク噴射ヘッドに対して移動している。
第1の清掃方法を図4(a)〜図4(g)を用いて説明する。第1の清掃方法では、インク噴射ヘッド3を、吸引回復を行った位置(図4(a)参照)から清掃開始位置(図4(b)参照)まで移動し、ブレードガイド軸9に沿ってブレード1を、インク噴射ヘッド3の清掃開始位置まで移動する(図4(b)参照)。そして、定められたインク噴射ヘッド干渉量となる位置までインク噴射ヘッド3を押し下げて(図4(c)参照)、インク噴射面3aとブレード1が成す角度が鋭角と成るように維持して、ブレード1を移動して払拭を行う(図4(d)、図4(e)参照)。次にインク噴射ヘッド3を上げ(図4(f)参照)、インク噴射ヘッド3をキャップ位置に移動し、インク噴射面3aをキャップ6で覆って清掃を完了する(図4(g)参照)。
第2の清掃方法を、図4(h)〜図4(n)を用いて説明する。第2の清掃方法では、インク噴射ヘッド3を吸引回復を行った位置(図4(h)参照)から清掃開始位置まで移動し、ブレード1もブレードガイド軸9に沿ってブレード1を、インク噴射ヘッド3の清掃開始位置まで移動する(図4(i)参照)。そして、定められたインク噴射ヘッド干渉量となる位置までインク噴射ヘッド3を押し上げて、インク噴射面3aにブレ−ド1を当接させる(図4(j)参照)。インク噴射ヘッド3とブレード1の刃先が成す角度が鈍角と成るように維持して、ブレ−ド1を移動してインク噴射面3aを清掃する。(図4(k)、図4(l)参照)。最後に、インク噴射ヘッド3を押し上げた(図4(m)参照)後、インク噴射ヘッド3をキャップ位置に移動し、インク噴射面3aをキャップ6で覆って清掃を完了する(図4(n)参照)。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態の画像記録装置は、第2の実施形態の画像記録装置に類似している。第2の実施形態との違いは、本発明の第5の実施形態の画像記録装置においては、インク噴射ヘッド3とブレード1の相対移動方向が、第1の清掃方法と第2の清掃方法とで同一方向であって、第1の清掃方法と第2の清掃方法でインク噴射面3aに当接するブレード1の刃先(エッジ)が共通している。
第1の清掃方法を図5(a)〜図5(g)を用いて説明する。第1の清掃方法では、図5(a)に示すように、インク噴射面3aに鋭角に配置されていたブレード1を、インク噴射面3aに対して鉛直もしくは鋭角になるように回転させる(図5(b)参照)。そして、定められたインク噴射ヘッド干渉量となる位置までブレード1を押し上げて(図5(c)参照)、インク噴射面3aとブレード1の刃先が成す角度が鋭角と成るように維持してインク噴射ヘッド3を移動して清掃を行う(図5(d)、図5(e)参照)。その後、ブレード1を下げ(図5(f)参照)、インク噴射面3aをキャップ6で覆って清掃を完了する(図5(g)参照)。
第2の清掃方法を図5(h)〜図5(n)を用いて説明する。第2の清掃方法では、吸引回復を行ったインク噴射ヘッドの位置(図5(h)参照)から清掃開始位置までインク噴射ヘッドを移動する(図5(i)参照)。定められたインク噴射ヘッド干渉量となる位置までブレード1を押し上げてインク噴射面3aにブレ−ド1の刃先を鈍角のまま当接させる(図5(j)参照)。インク噴射ヘッドとブレードが成す角度が鈍角となるように維持してインク噴射ヘッド3を移動して清掃を行う(図5(k)、図5(l)参照)。最後に、ブレード1を下げ(図5(m)参照)、インク噴射面3aをキャップ6で覆って清掃を完了する(図5(n)参照)。
本発明の第5の実施形態における画像記録装置は、インク噴射面3aに当接するブレード1の刃先(エッジ)を、第1の清掃方法と第2の清掃方法とで同じ側のものとした。共通したブレードの刃先(エッジ)を用いることで、ブレード1の刃先(エッジ)の製造精度に余裕を持たせることができる。
なお、本発明の画像記録装置においては、第1の清掃方法と第2の清掃方法におけるインク噴射ヘッドとブレードの相対速度は、異なっていても同じであってもよい。それぞれ、インク噴射面に付着したインクの清掃に最適な相対速度を選べばよい。
(第6の実施形態)
本発明の画像記録装置を用いて、以下の判定に基づいて第1の清掃方法及び第2の清掃方法の選択判断について第6の実施形態として説明する。この実施形態の画像記録装置は、使用しているインクの種類、インク噴射ヘッドのデキャップ時間、インク空吐出量、印刷のJob枚数と記録媒体の種類、及び累積印刷枚数と累積稼働時間に付いての判定基準を記憶しており、これらのパラメータを印刷中に測定又は算出できる判断装置を備えている。
本発明の画像記録装置における第1の清掃方法及び第2の清掃方法の選択判断の例を図6のフローチャートに従って示した。本発明の画像記録装置においては、印刷開始時には、清掃方法の判定を行う。その選択判定の方法の例を図6に従って説明する。まず、印刷開始前に、清掃方法の判定を行う。清掃方法の判定においては、吐出インク種が顔料インクであるか否かの判定を行う(S1)。吐出インク種が顔料インクデあれば、インク噴射面に付着するインクは、強固に付着しているものと考え、第2の清掃方法で清掃することを選択する。吐出インク種が染料系インクなどの顔料インクデ以外あれば、選択判定の次のステップ(S2)へ進む。ステップ(S2)では、インク噴射ヘッドのデキャップ時間とインクの飽和蒸気圧のテーブルに従い、インク噴射面に付着するインクの粘度上昇が所定値を以上と判断したら、第2の清掃方法で清掃することを選択する。インク噴射面に付着するインクの粘度上昇が所定値未満と判断したら、選択判定の次のステップ(S3)へ進む。ステップ(S3)では、印刷中のインク空吐出量が所定値以上と判断したら、第2の清掃方法で清掃することを選択する。印刷中のインク空吐出量が所定値未満と判断したら、選択判定の次のステップ(S4)へ進む。ステップ(S4)では、Job枚数と記録媒体の種類の関係から、付着した紙粉の量が所定値以上と判断したら、第2の清掃方法で清掃することを選択する。付着した紙粉の量が所定値未満と判断したら、選択判定の次のステップ(S5)へ進む。ステップ(S5)では、累積印刷枚数と累積稼働時間のテーブルから、インク噴射面に付着したインク量が所定値以上と判断したら、第2の清掃方法で清掃することを選択する。付着したインク量が所定値未満と判断したら、第1の清掃方法で清掃することを選択する。このようにして、第1の清掃方法と第2の清掃方法を選択しながらインク噴射面の清掃を行う。
(第7の実施形態)
本発明の実施形態1〜5において、清掃を行う対象のインク噴射ヘッドが顔料インクを吐出するインク噴射ヘッドであった場合、第2の清掃方法を採用する選択を行う画像記録装置とした。顔料インクは乾燥すると固形物を残し、また染料インクと比較して増粘しやすい。固形物や増粘インクは、キャップによる吸引による回復動作でインク噴射面が濡れても、洗い流され難く再分散もしにくいことから、固形物をインク噴射面から削り落とすことに適したブレードとインク噴射面の成す角度を鈍角となるように維持してブレードとインク噴射ヘッドを相対的に移動させる第2の清掃方法が好適である。
(第8の実施形態)
本発明の実施形態1〜5の画像記録装置において、デキャップ時間(インク噴射面がキャップから離れている時間)をカウントするタイマーを備えているものとした。また、画像記録装置内の温度を測定する温度センサーと、湿度を計測する湿度センサーを備えている画像記録装置とした。装置内の温湿度から機内の飽和蒸気圧を算出し、デキャップ時間−飽和蒸気圧テーブルを備えて、これに基づいてインク噴射面に付着したインクの増粘が一定水準を越えてしまうような状況であるか否かを判断して清掃方法の判断を行っている。したがって、一定以上の水準を越えるインクの増粘が懸念されるデキャップ時間、温度、湿度においては、固形物をインク噴射面から削り落とすことに適したブレードの刃先とインク噴射面の成す角度を鈍角としてブレードとインク噴射ヘッドを相対的に移動させる第2の清掃方法を選択させた。
(第9の実施形態)
本発明の実施形態1〜5の画像記録装置において、空吐出量を計測するカウンターを備えている画像記録装置とした。一定量以上の空吐出が印刷中に行われたとき、空吐出量に対応したインクミストのインク噴射面への付着が起こることから、空吐出量が一定量以上となったとき固形物をインク噴射面から削り落とすことに適した清掃である第2の清掃方法を選択させた。
(第10の実施形態)
本発明の実施形態1〜5の画像記録装置において、Job枚数をカウントするカウンターと、印刷する紙種情報を採取する手段を有している画像記録装置とした。印刷枚数のカウント数と紙種情報からインク噴射面に付着している紙紛量を算出し、一定量以上の紙紛付着が疑われると判断した際には、固形物をインク噴射面から削り落とすことに適した第2の清掃方法を選択させた。
(第11の実施形態)
本発明の実施形態1〜5の画像記録装置において、累積印刷枚数をカウントするカウンターと、累積払拭回数をカウントするカウンターと、累積稼働時間を採取するタイマーを有している画像記録装置とした。累積払拭回数は第1の清掃方法と第2の清掃方法のそれぞれをカウントしている。累積印刷枚数とインク噴射面の払拭の累積回数のカウント数と累積稼働時間からインク噴射面の撥水の劣化具合を算出し、一定以上のインク吸着やインク噴射面の撥インク性の低下が懸念された場合、固形物をインク噴射面から削り落とすことに適した第2の清掃方法を選択させた。
(第12の実施形態)
本発明の画像記録装置においては、上述のインク噴射面の清掃機構を除いた部分は、インクジェット方式のどのような画像形成装置でもよく、様々の従来のインクジェット方式の画像記録装置の構成を応用できる。例えば、本発明の画像記録装置として、シリアルスキャン方式の画像記録装置の概略図を図7に示す。その他にも、本発明の実施形態の画像記録装置はラインインク噴射ヘッド方式などであっても良い。
第1の実施形態のインク噴射面の清掃方法の説明図 第2の実施形態のインク噴射面の清掃方法の説明図 第3の実施形態のインク噴射面の清掃方法の説明図 第4の実施形態のインク噴射面の清掃方法の説明図 第5の実施形態のインク噴射面の清掃方法の説明図 本発明の画像記録装置けるインク噴射面の清掃工程の選択判断のフローチャート 画像記録装置の概略説明図
符号の説明
1 ブレード
1a 刃先
1b 刃先
2 ブレード
3 インク噴射ヘッド
3a インク噴射面
4 インク
5 キャリッジ
6 キャップ
7 キャリッジガイド軸
8 ブレード
8a 刃先
9 ブレードガイド軸
10 キャリッジ駆動装置
11 画像形成装置

Claims (16)

  1. インク噴射ヘッドからインクを噴射して記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、
    前記インク噴射ヘッドのインク噴射面と刃先を摺動させてインク噴射面を清掃するブレードを備え、
    前記インク噴射面に対し前記刃先は、前記ブレードのインク噴射面に対する相対的な摺動方向に向かって鋭角に配置されたインク噴射面の清掃と、鈍角に配置されたインク噴射面の清掃とが可能なことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃におけるブレードと、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃におけるブレードが同じであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃と、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃における刃先が同じであることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃と、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃における、ブレードのインク噴射面への圧接強さが同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  5. 前記刃先とインク噴射面との摺動速度は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃と、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃とで異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  6. 前記ブレードがインク噴射面に接触してから、前記インク噴射面に対し前記刃先を、前記ブレードのインク噴射面に対する相対的な摺動方向に向かって鋭角に配置して、インク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  7. 前記インク噴射面の清掃において、インク噴射面を露出している時間が所定値を超えた場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  8. 前記インク噴射面の清掃において、前記インクが顔料の場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行い、前記インクが染料の場合は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  9. 前記インク噴射面の清掃において、前記インク噴射ヘッド周辺の温度が第1の所定値以上となった場合は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行い、前記インク噴射ヘッド周辺の温度が第1の所定値より高温の第2の所定値以上となった場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  10. 前記インク噴射面の清掃において、前記インク噴射ヘッド周辺の湿度が第1の所定値以下となった場合は、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行い、前記インク噴射ヘッド周辺の湿度が第1の所定値より低い第2の所定値以下となった場合は、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  11. 稼働開始からの記録媒体への記録枚数に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  12. 稼働開始からの稼働時間に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  13. 稼働開始からのJobの回数に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  14. 記録した記録媒体の種類に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  15. 前記インク噴射ヘッドのインク空吐出の回数が所定値を超えた場合、前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  16. 稼働開始からのインク噴射面の清掃の回数に応じて、前記鋭角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃、又は前記鈍角に配置された刃先によるインク噴射面の清掃を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
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