JP2009220136A - 鋼帯の連続圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼帯の連続圧延における溶接部での局部的な圧延張力低下の影響を緩和し、圧延張力低下に起因する圧延トラブルを防止する。
【解決手段】 溶接部が圧延される前のタイミング(ts1〜ts2)で、溶接部前後の鋼帯の鋼種の違いおよび板厚の差に応じて予め定められる増加率(α)に従って圧延張力を(1+α)倍に増加する。溶接部が圧延された後、所定のタイミング(te1〜te2)で、圧延張力を元の値に復帰する。圧延張力は、溶接部の圧延前に予め(1+α)倍に増加されるので、溶接部圧延時にTwまで低下しても、Twが鋼帯の本体圧延時の圧延張力T1bと同程度に保たれる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の鋼帯を順次溶接で接続しながら圧延する鋼帯の連続圧延方法に関する。
鋼帯の圧延は、1鋼帯ずつ単独で行われる場合と、複数の鋼帯を順次溶接で接続しながら連続して行われる場合とがある。単独圧延は、サービステールと称されるリールへのチャッキング用の補助鋼帯を、圧延工程の前後で圧延鋼帯の両端に着脱しなければならないので、圧延効率が低くなる。サービステールを用いない場合でも、単独圧延は、1鋼帯ごとに、圧延前に鋼帯の先端を圧延機に通過させてリールにチャッキングし、圧延後に鋼帯の尾端をリールから外して圧延機に通過させて巻き取らなければならないので、圧延効率が低くなる。また、サービステールを用いない単独圧延では、鋼帯の先端および尾端を圧延することができないので、板厚公差を外れる部分が多く、歩留が低くなる。連続圧延は、鋼帯同士を連続して接続しなければならないが、1鋼帯毎にその両端にサービステールを着脱する必要がないので、単独圧延に比べて圧延効率が向上する。
近年、鋼帯の多種多様なニーズは、多品種少量生産を求める。単独圧延は、1鋼帯ずつ圧延するので、多品種少量生産に適するけれども、圧延効率が低いという問題がある。連続圧延は、圧延効率向上を目的とし、基本的に大量生産に適する圧延方法である。連続圧延で多品種少量生産を行おうとすると、同じ鋼種で板厚の異なる鋼帯を接続し、また鋼種の異なる鋼帯を接続し、圧延の途中で圧延条件の設定を変更しなければならないという問題がある。しかし、単独圧延での1鋼帯毎にサービステールを着脱することによる効率低下に比較すると、連続圧延での圧延途中の条件変更の方が生産性阻害に対する影響が小さい。そこで、圧延途中で条件変更しなければならないという問題があるけれども、鋼種や板厚が異なる鋼帯を接続して連続圧延で多品種少量生産が行われている。
連続圧延する途中で圧延条件の設定を変更する位置を設定変更点と呼ぶ。設定変更点は、極端な場合一つの鋼帯の途中に設定されることもあるが、一般的には鋼帯と鋼帯とを溶接で接続する溶接部に設定される。連続圧延では、溶接部前後の鋼帯が同じ鋼種で圧延仕上げ厚さも同じであれば、圧下率の設定を途中で変更しないので、溶接部の圧延に特に問題がない。しかし、連続圧延では、設定変更点に該当する溶接部で圧下率の設定を変更すると、圧延張力が変動するという問題がある。設定変更点に該当する溶接部は、たとえば、前鋼帯の板厚に対して後鋼帯の板厚の方が厚い場合、また、前鋼帯の鋼種が軟質であるのに対して後鋼帯の鋼種が硬質である場合などである。
図5は、前後の鋼帯の板厚が異なる溶接部を圧延する状態を示す。溶接部1よりも圧延方向前方にある前鋼帯2の板厚tfに対して、溶接部1よりも圧延方向後方にある後鋼帯3の板厚tbの方が厚い。この場合、圧延目標厚さは、通常、後鋼帯3の方が前鋼帯2より厚くなるように設定される。そこで、溶接部1が圧延ロール4に噛み込まれる前に、ロール間隙を開くように圧下条件を設定変更する。しかし、後鋼帯3を圧延して板厚を薄くするので、後鋼帯3の元厚さtb以上にロール間隙を開かない。したがって、溶接部1は、その厚さtbよりも狭いロール間隙に侵入しなければならないので、接続される後鋼帯3の先端が圧延ロール4へ噛み込む時に抵抗を受ける。溶接部1が抵抗を受けることによって、後鋼帯3は圧延ロール4の入側で圧延速度が低下する。圧延張力は、圧延ロール4入側での後鋼帯3の圧延速度低下に伴って低下する。
図6は、溶接部の圧延前後の圧延張力の推移を示す。前鋼帯2の本体を圧延中の圧延張力は、Tsに保たれる。鋼帯の本体とは、鋼帯の溶接部以外の部分をいう。前鋼帯2の本体の圧延が進み溶接部1を圧延ロール4に噛み込む時、圧延張力はTsからTdだけ減少してTpまで低下する。溶接部1が圧延された後、後鋼帯3の本体の圧延張力は、張力制御によりTsに復帰する。溶接部1を圧延する時の圧延張力が大きく低下してTpが小さな値になる場合、後鋼帯3は、圧延ロール4の手前で緩むので、圧延ロール4に巻き込まれて絞込みを発生することがある。このような現象は、前鋼帯2が軟質鋼種で後鋼帯3が硬質鋼種の場合にも発生する。圧延仕上げ厚さが同じであっても、後鋼帯3が硬質であると、軟質の前鋼帯2よりも圧下を強くしなければ同じ厚さにすることができない。したがって、溶接部1の手前でロール間隙を狭くするように圧下設定を変更するので、後鋼帯3は、圧延ロール4への噛み込み時に抵抗を受けて圧延張力の低下を生じる。溶接部1が圧延ロール4への噛み込み時の抵抗が大きくなるような設定変更点に該当すると、溶接部1の圧延時に圧延張力が低下する。
設定変更点を含む鋼帯の連続圧延における圧延張力制御に関する先行技術は、種々提案されている。その一つは、前鋼帯と後鋼帯とで板厚変更点を2ケ所、たとえば前鋼帯に第1の板厚変更点および前鋼帯と後鋼帯との接続部に第2の板厚変更点を設けることによって、板厚変更点での圧延張力の低下または過大を防止する方法である(特許文献1参照)。また他の一つは、前鋼帯の圧延張力と後鋼帯の圧延張力との比を1.5以下になるように、後鋼帯の先端から一定の長さだけ圧延スケジュールで決定される板厚よりも厚くなるように圧延する方法である(特許文献2参照)。
特開平10−192936号公報 特開平11−156415号公報
しかし、特許文献1の方法は、設定変更点を2ケ所設定するけれども、後鋼帯の板厚の方が前鋼帯の板厚より厚い場合、接続部が圧延ロールに噛み込む時に抵抗を受けることに変わりない。したがって、圧延ロールへの噛み込み時における圧延張力低下の問題は解消されない。また、特許文献2の方法は、前鋼帯の圧延張力と後鋼帯の圧延張力との比が1.5以下で1.0超えの場合、後鋼帯の圧延張力が前鋼帯の圧延張力より低くなるので、後鋼帯が緩み絞込みを発生するおそれが解消しない。
本発明の目的は、複数の鋼帯を順次溶接で接続しながら連続圧延する場合、溶接部での局部的な圧延張力低下を回避し、圧延トラブルを防止することができる鋼帯の連続圧延方法を提供することである。
本発明は、複数の鋼帯を順次溶接で接続しながら圧延する鋼帯の連続圧延方法において、
溶接部を圧延する前には、溶接部前後の鋼帯の種類の違いおよび板厚の差に応じて、予め定める増加率に従って圧延張力を増加することを特徴とする鋼帯の連続圧延方法である。
また、本発明で、複数の圧延スタンドを連続配置して設け、前記連続圧延をタンデム式に行い、
前記溶接部を圧延する前には、最前の圧延スタンド入側の圧延張力、圧延スタンド間の圧延張力および最後の圧延スタンド出側の圧延張力を、すべて同じ増加率に従って増加する。
本発明によれば、溶接部を圧延する前には、溶接部前後の鋼帯の鋼種の違いおよび板厚の差に応じて、予め定める増加率に従って圧延張力を増加する。予め圧延張力を増加することによって、溶接部が圧延ロールへ噛み込む時に抵抗を受けて圧延張力が低下する場合でも、その低下する圧延張力値を高く、たとえば鋼帯本体圧延時の張力と同程度に保つことができる。溶接部圧延時の圧延張力を鋼帯の本体圧延時と同等の高い値に保つことができるので、圧延張力低下に起因する絞込みのような圧延トラブルを防止することができる。
また、タンデム圧延で溶接部を圧延する前には、最前の圧延スタンド入側の圧延張力、最後の圧延スタンド出側の圧延張力および圧延スタンド間の圧延張力を、すべて同じ増加率に従って増加する。このように、溶接部をタンデム圧延するに際し、各所の圧延張力を同じ比率で増加するという簡便な方法で、溶接部の圧延張力の低下を防止し、圧延トラブルの発生を防止することができる。
図1は、本発明の実施の形態である鋼帯の連続圧延方法の概要を示す。複数の鋼帯を順次溶接で接続しながら圧延する連続圧延で、溶接部を圧延する前には、増加率(α)に従って圧延張力を増加するように制御する。溶接部が圧延スタンド入側の所定位置に達する時のタイミングts1になるまでは、前鋼帯を圧延張力T1bで圧延する。タイミングts1で圧延張力の増加を開始する。圧延張力の増加は、溶接部前後の鋼種の違いおよび板厚の差に応じて予め定める増加率(α)に従って行う。タイミングts1後であって溶接部を圧延するより前のタイミングts2で、圧延張力を(1+α)×T1bまで増加する。溶接部が圧延されるより前に、時間の余裕を持ってタイミングts2で圧延張力増加を完了するのは、圧延装置の作動誤差等も考慮し、溶接部が圧延される前に圧延張力を確実に増加しておくためである。
溶接部が圧延されるタイミングtwで、溶接部が噛み込みの抵抗を受けて圧延張力がTdだけ低下してTwになる。しかし、溶接部の圧延前に、圧延張力を(1+α)×T1bまで予め増加させてあるので、溶接部の圧延張力Twは、前鋼帯の本体圧延中の圧延張力T1bとほぼ同じ値に保たれる。溶接部の圧延後、溶接部が圧延スタンド出側の所定位置に達する時のタイミングte1で圧延張力の復帰を開始する。溶接部が圧延された後に、時間の余裕を持ってタイミングte1で圧延張力復帰動作を開始するのは、入側と同じく、溶接部の圧延時に確実に圧延張力を高くしておくためである。その後のタイミングte2で圧延張力をT1bに復帰を完了し、圧延張力の制御を終える。
以下、鋼帯の連続圧延方法についてさらに詳細に説明する。まず、図2は、鋼帯の連続圧延方法に好適に用いられる圧延装置10の構成を簡略化して示す。圧延装置10は、前鋼帯11aと後鋼帯11bとが接続される溶接部12を含む複数の鋼帯11を連続圧延することに用いられる。鋼帯を総称する場合には参照符11で表し、鋼帯を前後で区別する場合には前鋼帯を参照符号11a、後鋼帯を参照符号11bで表す。圧延装置10は、上および下ペイオフリール13a,13b、溶接機14、ブライドルロール15、圧延機16、溶接部検出器17、走行距離計18、3つの張力計19a,19b,19c、制御部20および上位コンピューター21を含む。以後、上位コンピューター21を上位CP21と略記する。なお、圧延装置10は、溶接機14とブライドルロール15との間に、不図示のルーパーを備える。ルーパーは、複数のロールを組み合わせて鋼帯11をある程度の長さ蓄える機構であり、鋼帯同士を溶接機14で接続する間も圧延機16に鋼帯11を供するために設けられる。
上および下ペイオフリール13a,13bは、鋼帯11のコイルを、交互に巻戻して溶接機14へ送り込む。溶接機14は、既に圧延装置10内へ送り込まれている前鋼帯11aの後端部と、たとえば上ペイオフリール13aから巻戻される後鋼帯11bの先端部とを溶接して接続する。溶接機14は、特に限定されるものではないが、たとえばフラッシュバット溶接機などが用いられる。ブライドルロール15は、4つのロールを組み合わせて構成され、圧延機16との間で鋼帯11の圧延張力を調整する。なお、ブライドルロールは、圧延機16の出側にも設けられるが、入側のブライドルロール15と構成を同じくするので図示を省く。
圧延機16は、2つの圧延スタンド22,23が連続的に配置されるタンデム式の圧延機である。便宜上圧延方向上流側の圧延スタンド22を第1圧延スタンド22と呼び、圧延方向下流側の圧延スタンド23を第2圧延スタンド23と呼ぶ。第1圧延スタンド22と第2圧延スタンド23とは、同一に構成されるので、第1圧延スタンド22で代表して説明する。第1圧延スタンド22は、1対のワークロール24a,24b、1対の中間ロール25a,25b、1対のバックアップロール26a,26bおよびロールを回転駆動するモーター27を含む。第1圧延スタンド22には圧下機構も含まれるが、圧下機構の図示を省く。第1および第2圧延スタンド22,23にそれぞれ設けられるモーターを第1モーター27および第2モーター28と呼ぶ。圧延機16は、第1および第2圧延スタンド22,23で、鋼帯11を圧延して所望の厚さに仕上げる。圧延装置10は、圧延機16の第1および第2モーター27,28の回転速度を変化させてワークロール24a,24bの周速度を変化させ、ロール周速度の調整によって、圧延スタンド間および圧延スタンドとブライドルロールとの間で圧延張力を制御する。
溶接部検出器17は、溶接部12を検出するセンサーであり、たとえば光センサーなどで実現できる。溶接部12の溶接線上のいずれかの部分に貫通孔を形成し、貫通孔の走行ルート上に光センサーを設ける。溶接部12の貫通孔が光センサーの位置に達するとき、光センサーから出射される光は貫通孔を通過する。光センサーは、貫通孔によって反射光を検知できなくなるので、溶接部12を検出することができる。溶接部検出器17による溶接部12の検出結果は、制御部20に対して出力される。
走行距離計18は、鋼帯11の走行距離を計測する。計測結果は、制御部20に対して出力される。制御部20は、溶接部検出器17が溶接部12を検出するたびに走行距離をリセットする。したがって、溶接部検出器17で溶接部12を検出するごとに、予め定める位置を基準にして溶接部12の走行距離を得ることができる。すなわち、圧延装置10内における溶接部12の走行位置をトラッキングすることができる。
3つの張力計を、それぞれ第1張力計19a、第2張力計19b、第3張力計19cと呼ぶ。第1張力計19aは、第1圧延スタンド22の入側に設けられる。第2張力計19bは、第1圧延スタンド22と第2圧延スタンド23との間に設けられる。第3張力計19cは、第2圧延スタンド23の出側に設けられる。各張力計19a〜19cは、圧延中の鋼帯11の圧延張力を測定し、測定結果を制御部20に対して出力する。
制御部20は、第1および第2モーター27,28に電力供給する電源であり、かつ、溶接部前後の鋼種の違いおよび板厚の差に応じて予め定められる増加率(α)に従って第1および第2モーター27,28の動作を制御する制御回路である。上位CP21は、たとえばプロセスコンピュータである。上位CP21は記憶部を備える。上位CP21の記憶部は、前鋼帯11aおよび後鋼帯11bの鋼種の違いと板厚の差に対応して予め定められる増加率(α)を、表1に例示するようなテーブルデータとして格納する。増加率(α)は、溶接部前後の鋼帯11a,11bが、同一鋼種で板厚差がある場合、異鋼種で板厚差はないが硬度差がある場合、異鋼種で板厚差および硬度差がある場合などについて、溶接部12の圧延張力低下のデータを集積した経験則に基づいて定められる。
Figure 2009220136
連続圧延される鋼帯11の鋼種および板厚の情報は、圧延操業情報として圧延順位に従って上位CP21に予め入力される。制御部20は、圧延中の前鋼帯11aと、前鋼帯11aに接続される後鋼帯11bとの情報を上位CP21に送る。上位CP21は、テーブルデータから圧延順位に基づく前後鋼帯11a,11bの鋼種の違いおよび板厚の差に対応する増加率(α)を選定し、制御部20に出力する。
図3は、圧延装置10による鋼帯の連続圧延方法を説明する。以下、圧延装置10の第1圧延スタンド22で溶接部12を圧延する場合について説明する。前鋼帯11aと後鋼帯11bとが溶接機14で接続され、後鋼帯11bが前鋼帯11aに導かれて圧延装置10へ装入される状態で、鋼帯の連続圧延方法が開始する。
ステップa1では、上位CP21から増加率(α)を取得する。増加率(α)の取得は次のように行われる。オペレーターは、前鋼帯11aに後鋼帯11bを接続する時点で、後鋼帯11bの情報を圧延実績として制御部20へ入力する。なお、圧延中の前鋼帯11aについての情報は、前鋼帯11aが先に後鋼帯として接続されるときに入力されている。制御部20は、圧延中の前鋼帯11aおよび接続される後鋼帯11bの情報を上位CP21に送る。該情報を受ける上位CP21は、前後鋼帯11a,11bの情報から圧延順位を照合し、当該圧延順位の組み合わせにおける前後鋼帯11a,11bの鋼種の違いおよび板厚の差に対応する増加率(α)を、テーブルデータから選定して制御部20に出力する。テーブルデータから選定される増加率(α)について1例を示すと、次のようである。前鋼帯11aおよび後鋼帯11bの鋼種がともに日本工業規格(JIS)G3302に規定されるSGCCであり、前鋼帯の板厚が0.8mm、後鋼帯の板厚が1.4mmであるとき、増加率(α)が20%である。
ステップa2では、溶接部12が溶接部検出器17の設けられる位置に達して検出される。検出結果は制御部20へ出力される。ステップa3では、溶接部検出信号を受けて鋼帯11の積算走行距離がリセットされ、走行距離計18による溶接部12の新たな走行距離の計数が開始される。すなわち、溶接部12の走行位置のトラッキングが開始される。トラッキングの基準位置は、たとえば溶接部検出器17の設置位置が定められる。
ステップa4では、溶接部12が第1圧延スタンド22の入側の所定位置に達したか否かが判定される。第1圧延スタンド22の入側の所定位置とは、溶接部12の手前で圧延張力の増加動作を開始する位置である。溶接部12が当該所定位置に達する時は、前述の図1のタイミングts1に該当する。溶接部12の直近で急激に圧延張力を増加すると衝撃的な力を加えることになり好ましくないので、ある程度手前の位置から圧延張力の増加動作を開始する。所定位置は、固定されるものでなく、制御部20からの制御信号に対する第1モーター27の応答速度や作動誤差等を考慮し、前述の図1の圧延前のタイミングts2までに圧延張力の増加を完了できるように適宜定められる。溶接部12が所定位置に達するまでステップa4を繰り返し、所定位置に達するとステップa5に進む。
ステップa5では、先に取得した増加率(α)に従い、圧延張力を(1+α)倍に増加する。この圧延張力の増加は、制御部20が第1モーター27に供給する電流を制御してワークロール24a,24bの周速度を速くすることによって行われる。制御部20は、第1張力計19aで測定される第1圧延スタンド22入側の圧延張力が(1+α)倍になるように、第1モーター27の電流を制御する。
ステップa6では、溶接部12が第1圧延スタンド22の出側の所定位置に達したか否かが判定される。第1圧延スタンド22の出側の所定位置とは、溶接部12の後方で圧延張力の復帰を開始する位置である。溶接部12が当該所定位置に達する時が、前述の図1のタイミングte1にあたる。出側の所定位置も、入側と同様に固定されるものでなく適宜設定される。ステップa4およびa6における第1圧延スタンド22の入側および出側の所定位置は、たとえばキーボードで制御部20に予め入力して設定することができる。溶接部12が所定位置に達するまでステップa6を繰り返し、所定位置に達するとステップa7に進む。ステップa7では、圧延張力を調整前の値に復帰させる。この圧延張力の復帰は、制御部20が第1モーター27に供給する電流を制御して圧延ロール24a,24bの周速度を遅くすることによって行われる。
制御部20は、第1張力計19aで測定される第1圧延スタンド22の入側の圧延張力がT1bになるように、第1モーター27の電流を制御する。圧延張力値が調整前の値に復帰すると一連の動作が終了する。さらに後の鋼帯11が溶接で接続される場合、該後鋼帯11の接続とともにステップa1からの動作が繰り返される。
第2圧延スタンド23で溶接部12を圧延する場合も、第1圧延スタンド22の場合と同様にして圧延張力制御が行われる。第1圧延スタンド22と第2圧延スタンド23との距離が短い場合、第1圧延スタンド22で溶接部12を圧延し、その直後に第2圧延スタンド23で続けて圧延する。この場合、圧延張力を元に復帰する動作開始点である所定位置を第2圧延スタンド23の出側に設定し、第1および第2圧延スタンド22,23を溶接部12が続けて通過するまで、圧延張力を増加したままになるように制御する。
以下、第1圧延スタンド22と第2圧延スタンド23とで続けて圧延張力を増加する制御について説明する。図4は、圧延装置10の圧延機16における連続圧延の状態を示す。第1および第2圧延スタンド22,23ともに前鋼帯11aの本体を圧延しているとき、第1圧延スタンド22入側の圧延張力はT1b、第1圧延スタンド22と第2圧延スタンド23との間の圧延張力はT12、第2圧延スタンド23出側の圧延張力はT2fである。溶接部12が第1圧延スタンド22入側の所定位置に達すると、第1圧延スタンド22入側の圧延張力T1bを(1+α)倍に増加する。このとき、スタンド間張力T12および第2圧延スタンド23出側の圧延張力T2fも同じ増加率(α)で一律に(1+α)倍に増加する。
圧延張力を増加する制御をロール周速度の増加によって行うので、圧延張力T1bを増加するべく第1圧延スタンド22のロール周速度を増すと、第1圧延スタンド22と第2圧延スタンド23との間に送り込まれる鋼帯11が増加する。スタンド間の圧延張力を無調整のまま放置すると、スタンド間で鋼帯11が余る状態になり緩むので圧延張力が低下する。第2圧延スタンド23入側の圧延張力を(1+α)倍に増加するように制御する場合、第2圧延スタンド23出側で鋼帯11が余る状態になり緩んで圧延張力が低下する関係についても同じである。したがって、第1圧延スタンド22入側、スタンド間および第2圧延スタンド23出側の圧延張力を、第1圧延スタンド22で溶接部12を圧延する前から第2圧延スタンド23で溶接部12を圧延する後まで、すべて同じ増加率(α)に従って(1+α)倍に増加する。複雑な制御を行う必要はなく、第1および第2モーター27,28の電流制御を通じてワークロール24a,24bの周速度を制御し、各圧延張力を一律に(1+α)倍するだけでよい。
溶接部12の圧延が終了し、溶接部12が第2圧延スタンド23出側の所定位置に達すると、後鋼帯11b本体の圧延になるので、各圧延張力を溶接部12が圧延される前と同じ、T1b、T12およびT2fにそれぞれ復帰させる。
次に、鋼帯の連続圧延方法を溶接部の圧延に適用し、圧延張力の制御を行った実施例について説明する。鋼帯の種類がJIS−G3302に規定されるSGCCであり、溶接部の前後で板厚が異なる場合について、鋼帯の連続圧延方法を適用して溶接部の圧延張力を制御し、1ケ月間約4000コイルの圧延を行った。その結果、絞込みの発生を皆無にすることができた。なお、鋼帯の連続圧延方法を適用する前の実績は、絞込みの発生回数が約2回/月であった。
以上で説明しているように、本実施の形態では、溶接部を圧延する前に圧延張力を増加する鋼帯の連続圧延方法を、2基の圧延スタンド22,23を備えるタンデム式圧延機16について適用している。しかしながら、これに限定されることなく、圧延スタンドを3基以上備えるタンデム式圧延機に対しても、また、圧延スタンドが1基のみの圧延機に対しても有効に適用することができる。
本発明の実施の形態である鋼帯の連続圧延方法の概要を示す図である。 鋼帯の連続圧延方法に好適に用いられる圧延装置10の構成を簡略化して示す図である。 圧延装置10における鋼帯の連続圧延方法を説明するフローチャートである。 圧延装置10の圧延機16における連続圧延の状態を示す側面図である。 前後の鋼帯の板厚が異なる溶接部を圧延する状態を示す側面図である。 溶接部の圧延前後の圧延張力の推移を示す図である。
符号の説明
10 圧延装置
11 鋼帯
12 溶接部
16 圧延機
17 溶接部検出器
18 走行距離計
19 張力計
20 制御部
21 上位CP

Claims (2)

  1. 複数の鋼帯を順次溶接で接続しながら圧延する鋼帯の連続圧延方法において、
    溶接部を圧延する前には、溶接部前後の鋼帯の種類の違いおよび板厚の差に応じて、予め定める増加率に従って圧延張力を増加することを特徴とする鋼帯の連続圧延方法。
  2. 複数の圧延スタンドを連続配置して設け、前記連続圧延をタンデム式に行い、
    前記溶接部を圧延する前には、最前の圧延スタンド入側の圧延張力、圧延スタンド間の圧延張力および最後の圧延スタンド出側の圧延張力を、すべて同じ増加率に従って増加することを特徴とする請求項1記載の鋼帯の連続圧延方法。
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