以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。また、前面枠13の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されている。さらに、前面枠13の上部における左右の角にはスピーカ48,48がそれぞれ設けられている。また、パチンコ機1の前面には、演出用の電飾ランプが多数設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDにより構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8と、遊技球を用いた演出を行う役物装置30とが配設されている。そして、図柄表示装置8の下方には第一始動口15が、表示画面28の上方には第一大入賞口18が設けられており、第一大入賞口18への遊技球の入賞を起因として大当たり遊技が実行される場合には、この第一大入賞口18が動作する。
また、表示画面28の直下には第二始動口16が設けられている。ここで、この第二始動口16への遊技球の入賞頻度は、第一始動口15への入賞頻度に比べて大幅に少なくなるように構成されている。また、第一始動口15の下方には開閉部材を備えた第二始動電動役物17が設けられており、第一始動口15の右方には普通図柄始動ゲート12が、さらにその右側上方には第二大入賞口19が設けられている。そして、第二始動口16及び第二始動電動役物17のいずれかに遊技球が入賞して大当たり遊技が実行される場合には、第二大入賞口19が動作する。
尚、第二始動電動役物17、第一大入賞口18、及び第二大入賞口19には開閉部材が設けられており、開閉部材が開放された場合(第二始動電動役物17、第一大入賞口18、及び第二大入賞口19が開放された場合)のみ遊技球が入賞可能となっている。一方で、開閉部材の閉鎖時(第二始動電動役物17、第一大入賞口18、及び第二大入賞口19の閉鎖時)には遊技球は入賞できない。そして、各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。
また、第一始動口15の左方には、普通図柄表示部24、普通図柄記憶数表示LED59、第一特別図柄表示部25、及び第二特別図柄表示部26が設けられている。普通図柄表示部24は1つのLEDからなり、点灯状態が普通当たりの当選、消灯状態が落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59は2つのLEDからなり、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数を表示する。そして、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26は共に7セグメントから構成されており、アルファベットや数字、又は記号からなる特別図柄が、第一大当たり判定又は第二大当たり判定の結果に応じて表示される。
また、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を表示するために、表示画面28にはデモ図柄を表示するための3つのデモ図柄表示部が設けられている。そして、これらのデモ図柄表示部は、遊技者の目を惹くように特別図柄表示部25,26よりも広い領域を占めている。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1における遊技及び演出について説明する。パチンコ機1では、第一始動口15へ遊技球が入賞すると、「大当たり」及び「はずれ」のいずれであるかを判定する第一大当たり判定が行われる。この第一大当たり判定により「大当たり」と判定されると、第一大入賞口18が動作する第一大当たり遊技が実行される。
また、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われ、「普通当たり」と判定されると、第二始動電動役物17が所定時間開放される普通当たり遊技が実行される。さらに、第二始動口16又は開放された第二始動電動役物17へ遊技球が入賞すると、「大当たり」及び「はずれ」のいずれであるかを判定する第二大当たり判定が行われる。この第二大当たり判定により「大当たり」と判定されると、第二大入賞口19が動作する第二大当たり遊技が実行される。
そして、パチンコ機1では時短状態を生起させることができる。この時短状態中には、通常(非時短状態中)に比べて普通図柄表示部24の変動時間が短縮され、「普通当たり」と判定される確率が高くなり、さらに第二始動電動役物17の開放時間が長くなる。よって、第二始動電動役物17へ遊技球が入賞する割合が、非時短状態中よりも大幅に高くなる。また、第一大当たり判定及び第二大当たり判定によって「大当たり」と判定される確率が通常(非確率変動状態中)よりも高くなる確率変動状態を生起させることもできる。従って、パチンコ機1ではこれらの組み合わせにより「確率変動時短状態」、「非確率変動非時短状態(通常状態)」、「確率変動非時短状態」、「非確率変動時短状態」の4つの遊技状態を生起させることができる。
このような構成のもと、パチンコ機1では、通常状態中に稀に実行される第二大当たり判定により「大当たり」と判定されると、第二大当たり遊技の終了後には必ず時短状態(「確率変動時短状態」又は「非確率変動時短状態」)が生起される。これにより、第一大当たり判定のみが通常状態中に行われる遊技機に比べて、通常状態中の遊技者の期待感を高めることができる。そして、時短状態中は非時短状態中に比べて遊技球が減少する割合が小さいため、時短状態を介して大当たり遊技が連続すると、遊技者は大当たり遊技の合間に遊技球を大幅に減少させることなく、多数の遊技球を獲得することができる。さらに、時短状態中に大当たりと判定されると、第一大当たり判定による大当たりも含めて、大当たり遊技終了後には必ず時短状態が生起される。
そして、パチンコ機1で生起される時短状態には、「確率変動時短状態」及び「非確率変動時短状態」が設けられている。「確率変動時短状態」では、時短状態が生起されることに加えて大当たりと判定される確率が通常よりも高くなり、さらに、次に大当たりと判定されるか、大当たり判定が10000回行われるかのいずれかの条件が成立するまで継続する。一方で、「非確率変動時短状態」では、時短状態は生起されるものの、大当たりと判定される確率は通常と同じであり、大当たりと判定される前に大当たり判定が50回行われると終了する。従って、遊技者に最も有利な遊技状態は「確率変動時短状態」となる。
しかし、本実施の形態では、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の変動演出や、変動演出において確定表示されるデモ図柄、及び大当たり遊技中の演出は、2つの時短状態で共通となっている。すなわち、遊技者は、大当たりと判定されてから大当たり遊技が終了するまで、遊技状態が「確率変動時短状態」であるか、「非確率変動時短状態」であるかを判別することはできない。これにより、「確率変動時短状態」が生起されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。さらに、「確率変動時短状態」及び「非確率変動時短状態」のいずれが生起されるかに応じて、時短状態中の音声態様の決定割合を変化させることができる。これにより、遊技状態が「確率変動時短状態」であることの期待度を遊技者に報知することができ、この点に本発明の特徴を有する。この詳細は後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、第一始動口15に入賞した遊技球を検出する第一始動口スイッチ65と、第二始動口16に入賞した遊技球を検出する第二始動口スイッチ66と、第二始動電動役物17に入賞した遊技球を検出する第二始動電動役物スイッチ67とが接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、第二始動電動役物17の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド69、第一大入賞口18の開閉部材を開放・閉鎖する第一大入賞口開放ソレノイド70、第二大入賞口19の開閉部材を開放・閉鎖する第二大入賞口開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、第一大入賞口18に入賞した遊技球を検出する第一大入賞口スイッチ75、第二大入賞口19に入賞した遊技球を検出する第二大入賞口スイッチ76が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。尚、第一始動口15、第二始動口16、第二始動電動役物17、及び2つの大入賞口18,19に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58にはCPU581、RAM582、ROM583、及び音声LSI584等が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、役物装置30、及びスピーカ48に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。特に、音声LSI584は種々の音声データを記憶しており、サブ統合基板58のCPU581によって決定された音声態様に従って音声データの再生を制御し、音声信号を出力する。そして、出力された音声信号は、増幅回路(図示外)によって増幅され、スピーカ48は増幅された信号に基づいて音声を発生させる。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、電飾基板46はCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵している。そして、普通図柄表示部24、第一特別図柄表示部25、第二特別図柄表示部26、照明装置35、及び普通図柄記憶数表示LED59の制御を行っている。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて、図4を参照して説明する。図4は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図4に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、普通図柄始動ゲート12や第一始動口15等の各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した際に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、第一始動口15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する第一大当たり関係情報記憶エリア5205、第一特別図柄作動保留球数を記憶する第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、第二始動口16及び第二始動電動役物17への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する第二大当たり関係情報記憶エリア5207、第二特別図柄作動保留球数を記憶する第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5209、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5210が設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。RAM52に記憶されるカウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ、大当たり遊技が終了してから実行された第一大当たり判定及び第二大当たり判定の回数の和を計数する大当たり判定回数計数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、第一大当たり判定カウンタ、第一特別図柄作成カウンタ、第一変動パターン決定カウンタ、第二大当たり判定カウンタ、第二特別図柄作成カウンタ、第二変動パターン決定カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図3参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図8参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。そして、各乱数取得カウンタには、パチンコ機1の起動時に初期値として「0」が記憶されており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値は、CPU51がメイン処理(図8参照)を行わない間(メイン処理が終了し、割込信号により新たなメイン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている、図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(S16、図8参照)及び特別図柄処理(図9乃至図13参照)において使用され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図5参照)等のRAM52の記憶エリアに格納される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図8参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中であると判断され、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。また、タイマカウンタの値は、「0」となった後は更新されないようにプログラムされている。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、第一大入賞口18及び第二大入賞口19が1回の開閉動作を行う間に、この大入賞口18,19へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、大入賞口18,19が閉鎖すると初期化される。
次いで、大当たり判定回数計数カウンタについて説明する。パチンコ機1における非確率変動時短状態は、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定回数の和が50回に達すると終了し、遊技状態は通常状態へ移行する。また、確率変動時短状態では、大当たり判定回数の和が10000回に達すると、遊技状態は通常状態へ移行する。そこで、本実施の形態では、大当たり遊技終了後に実行された第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定回数を大当たり判定回数計数カウンタによって計数し、計数された値に応じて遊技状態を制御している。この詳細は、図13を参照して後述する。尚、判定回数が規定回数に到達する前に大当たりと判定された場合には、時短状態及び確率変動状態はその時点で終了し、大当たり遊技が実行される。そして、大当たり遊技終了後に再び新たな遊技状態が生起される。
次に、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリア5205について、図5を参照して説明する。図5は、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。この第一大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図9乃至図13参照)において使用される。図5に示すように、第一大当たり関係情報記憶エリア5205には判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、第一〜第四記憶エリアには、第一始動口15に入賞し、まだ第一大当たり判定の結果が報知されていない遊技球(第一特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている第一大当たり判定の結果報知や、第一大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄と、第一特別図柄作成カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄と、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄とが設けられている。そして、第一始動口15への遊技球の入賞が確認されると、RAM52の第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(第一特別図柄作動保留球数)に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて第一大当たり判定、第一大当たりと判定された場合の第一特別図柄の決定、及び第一変動パターンの決定が行われる。尚、RAM52の第二大当たり関係情報記憶エリア5207においても、第一大当たり関係情報記憶エリア5205と同様の記憶エリアが設けられている。そして、遊技球が第二始動口16又は第二始動電動役物17へ入賞した際に取得される乱数が記憶される。また、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203においても5つの記憶エリアが設けられており、普通当たり乱数を保留できるようになっている。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて、図6を参照して説明する。図6は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301と、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302と、主基板41からサブ統合基板58等に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303と、2つの特別図柄表示部25,26に表示する特別図柄のパターンを記憶する特別図柄パターン記憶エリア5304と、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果を報知する際の図柄の変動パターンに関するテーブル等の情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5305と、普通当たり判定、第一大当たり判定、第二大当たり判定、特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア5306とが設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、ROM53の判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている大当たり判定テーブルについて説明する。判定テーブル記憶エリア5306には、第一大当たり判定を行う際に参照される第一大当たり判定テーブル、及び第二大当たり判定を行う際に参照される第二大当たり判定テーブル(図示外)が記憶されている。これらの大当たり判定テーブルには、確率変動状態中に参照される高確率判定テーブル、及び非確率変動中に参照される低確率判定テーブルがそれぞれ設けられている。そして、「大当たり」「はずれ」のいずれかの判定結果が、大当たり乱数の各値に対応付けされており、第一・第二大当たり乱数の値を遊技状態に応じた判定テーブルに当てはめることで、大当たり判定が行われる。尚、大当たりと判定される確率は確率変動状態中に60/990、非確率変動状態中に10/990となっており、この確率は第一大当たり判定及び第二大当たり判定で共通の値となっている。
次に、ROM53の判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている特別図柄決定テーブルについて、図7を参照して説明する。図7は、判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。図7に示すように、特別図柄決定テーブルによって決定される特別図柄は、大当たり種別によって、第一大当たり判定では5種類、第二大当たり判定では3種類に分類される。そして、各特別図柄と特別図柄決定乱数の値とが対応付けされている。従って、特別図柄決定乱数の値に応じて特別図柄が決定され、決定された特別図柄に応じてさらに大当たり種別が決定されることとなる。
ここで、本実施の形態における大当たり種別について説明する。本実施の形態では、ラウンド数と、確率変動状態の当否と、時短回数とに応じて大当たりの種別が分類される。ラウンド数とは、1回の大当たり遊技中に大入賞口18,19のいずれかが連続して作動する回数の合計であり、4ラウンド(4R)及び16ラウンド(16R)のいずれかが選択される。そして、一旦開放された大入賞口18,19は、30秒の最大開放時間の経過、及び9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。
また、決定された大当たり種別及び大当たり判定時の遊技状態に応じて、大当たり遊技終了後の時短回数が決定される。時短回数とは、時短状態が終了する条件となる大当たり判定の回数(第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和)である。具体的には、第一大当たり判定の場合、大当たり種別が「4R非確変」となった際に時短中であれば時短回数は50回、非時短中であれば0回(時短状態が生起されない)となる。また、「4R確変A」となった際に時短中であれば時短回数は10000回、非時短中であれば0回となる。また、「4R確変B」となった際に非確率変動非時短状態(通常状態)であれば時短回数は0回、その他の遊技状態であれば10000回となり、「4R確変C」及び「16R確変」となった場合には、大当たり判定時の遊技状態に関わらず、時短回数は10000回となる。そして、第二大当たり判定の場合には、大当たり判定時の遊技状態に関わらず、大当たり種別が「4R非確変」であれば時短回数は50回、「4R確変」及び「16R確変」となった場合には時短回数は10000回となる。尚、確率変動状態が終了する条件となる大当たり判定の回数、すなわち確率変動回数は、非確変の大当たり種別となった場合には0回(確率変動状態が生起されない)、確変の大当たり種別となった場合には10000回となる。この遊技状態の制御の詳細は、図12を参照して後述する。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図8乃至図13を参照して説明する。図8は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図9乃至図11は、メイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。また、図12は、図11に示す特別図柄処理の中で行われる大当たり種別判定処理のサブルーチンのフローチャートであり、図13は、図10に示す特別図柄処理の中で行われる遊技状態移行処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図8を参照して説明する。図8に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、大入賞口18,19の開閉タイミングを指示する大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、決定された特別図柄を示す特別図柄指定コマンド、決定された変動パターンを指示すると共に特別図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンド、変動している特別図柄の停止を指示する特別図柄停止コマンド、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態をサブ統合基板58に通知する移行遊技状態通知コマンド、時短状態中に大当たり判定が50回行われた音声変更のタイミングであることをサブ統合基板58へ通知する音声変更契機到来通知コマンド、大当たり遊技が終了したことを通知する大当たり遊技終了コマンド等、多数のコマンドがある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド関係記憶エリア5209に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、第一始動口15、第二始動口16、第二始動電動役物17、及び2つの大入賞口18,19への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)により遊技球が検出されたか否かが判断される。そして、遊技球が検出された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。尚、スイッチ読込処理の開始時には、RAM52における入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口18,19の開閉動作を指示するための大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド等の制御コマンドをサブ統合基板58へ送信するための処理が行われる。先述したように、一旦開放された大入賞口18,19は、1回の開放動作における最大開放時間である30秒が経過するか、又は9個の遊技球の入賞が検出されると閉鎖する。
また、特別電動役物処理では、大当たり遊技の終了後に、その後の遊技状態を制御する処理が行われる。後述する特別図柄処理において、時短回数が50回の時短状態に当選したことを示す「1」が時短A当選フラグに記憶されて「ON」となっている場合には、特別電動役物処理では、時短回数が50回の時短状態中であるか否かを示す時短Aフラグが大当たり遊技終了時に「ON」とされる。同様に、時短回数10000回の時短状態に当選して時短B当選フラグが「ON」とされていれば、特別電動役物処理では、大当たり遊技終了後に時短Bフラグが「ON」とされる。そして、確率変動状態に当選したことを示す「1」が確率変動当選フラグに記憶されて「ON」となっていれば、大当たり遊技終了後には、確率変動フラグが確率変動状態中であることを示す「ON」とされる。そして、大当たり遊技が終了すると、後述する第一大当たり遊技状態フラグ、及び第二大当たり遊技状態フラグのうち「ON」とされているフラグが「OFF」に変更される。さらに、大当たり遊技が終了したことを示す大当たり遊技終了コマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、大当たり判定、表示画面28に表示される図柄の変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。さらに、大当たり種別と遊技状態とから大当たり遊技終了後の遊技状態を決定する処理、及び遊技状態を移行させる処理が行われる。この特別図柄処理については、図9乃至図13に示すフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、第二始動電動役物17に設けられた一対の開閉部材(所謂チューリップ)の開閉(普通当たり遊技中の動作)の制御が行われる。開閉部材が開放されることにより、第二始動電動役物17への遊技球の入賞が可能となる。尚、時短遊技状態が生起されている場合には、生起されていない場合よりも第二始動電動役物17が長い時間開放される。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。この普通図柄処理では、普通当たり乱数の取得、普通当たり判定等が行われる。まず、スイッチ読込処理(S11)にて普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が検出された場合には、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。取得された乱数は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203の第一〜第四記憶エリアのうち、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204に記憶されている値に対応する番号の記憶エリアに、普通当たり乱数として記憶される。そして、番号の若い記憶エリアの乱数から順次普通当たり判定が行われ、普通図柄表示部24を変動及び停止させることで判定結果が報知される。ここで、時短状態が生起されている場合には、生起されていない場合に比べて普通図柄表示部24の変動時間が短縮されると共に、より高い確率で普通当たりと判定される。よって、時短状態中は第二始動電動役物17が開放される割合が大幅に高くなる。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ48,48にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポートを介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図9乃至図13に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、第一大当たり判定、第二大当たり判定、表示画面28に表示される図柄や変動パターン、及び演出の決定、大当たり種別判定処理、遊技状態移行処理等が行われる。
はじめに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリア5210には、表示状態フラグ、第一大当たり遊技状態フラグ、第二大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ、確率変動当選フラグ、時短A・Bフラグ、時短A・B当選フラグ等が記憶されている。
表示状態フラグは第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の状態を示すフラグであり、2つの特別図柄表示部25,26のいずれか一方が変動している場合(変動中)には「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合には「0」が記憶されている。また、第一大当たり遊技状態フラグは、第一大入賞口18が開放される第一大当たり遊技中に、第二大当たり遊技状態フラグは、第二大入賞口19が開放される第二大当たり遊技中にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」となり、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動フラグは確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となっており、非確率変動状態中には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動当選フラグは、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する場合に「ON」、そうでない場合に「OFF」となっている。
また、時短Aフラグは時短回数が50回の時短状態中に、時短Bフラグは時短回数10000回の時短状態中にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」とされ、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。そして、時短A当選フラグは時短回数が50回、時短B当選フラグは10000回の時短状態を大当たり遊技終了後に生起する場合にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」とされ、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」とされる。
図9に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、第一始動口15へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口15に設けられた第一始動口スイッチ65が遊技球の入賞を検出した場合には、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、入賞球フラグ記憶エリア5202の第一始動口スイッチ65に対応するフラグが「ON」とされている。そこで、S21では、このフラグが「ON」であるか否かの判断が行われる。「ON」でない場合には(S21:NO)、第一始動口15に遊技球は入賞していないので、そのままS25の判断へ移行する。
第一始動口スイッチ65に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、第一始動口15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる第一特別図柄作動保留球の数は4個である。そこで、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の第一〜第四記憶エリアのうち、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が記憶され、第一大当たり特別図柄決定乱数欄には第一大当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶され、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、第二始動口16及び第二始動電動役物17への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二始動口16及び第二始動電動役物17のいずれかに遊技球が入賞しているか否かが判断される(S25)。第二始動口16に設けられた第二始動口スイッチ66に対応するフラグ、及び第二始動電動役物17に設けられた第二始動電動役物スイッチ67に対応するフラグが共に「OFF」となっており、遊技球が入賞していないと判断された場合には(S25:NO)、そのままS31(図10参照)の判断へ移行する。第二始動口16及び第二始動電動役物17のいずれかに遊技球が入賞していると判断された場合には(S25:YES)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S26)。「4」である場合には(S26:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS31の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「4」でない場合には(S26:NO)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に「1」が加算される(S27)。そして、第二大当たり関係情報記憶エリア5207の記憶エリアに各種乱数が記憶されて(S28)、S31の判断へ移行する。
次いで、図10のフローチャートに示すように、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S31)。大当たり遊技状態である場合には、第一大当たり判定、第二大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、第一大当たり遊技状態フラグ、及び第二大当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S31:YES)、何もせずにメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態でないと判断された場合には(S31:NO)、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、2つの特別図柄表示部25,26のいずれかが変動中であるか否かの判断が行われる(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、特別図柄表示部25,26が共に変動中でない場合には(S32:NO)、表示状態フラグにより、いずれかが停止表示中であるか否かの判断が行われる(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、2つの特別図柄表示部25,26が共に停止表示中でない場合には(S33:NO)、第一大当たり判定又は第二大当たり判定が行われる。
そこで、図11のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる。まず、RAM52の第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値により、第二特別図柄作動保留球数数の値が「1」以上であるか否かが判断される(S41)。本実施の形態では、第一特別図柄作動保留球及び第二特別図柄作動保留球が共に「1」以上である場合には、第二大当たり判定が優先して実行される。従って、第二特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S41:YES)、S61の処理へ移行して第二大当たり判定が行われる。一方で、第二特別図柄作動保留球数が「0」である場合には(S41:NO)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値により、第一特別図柄作動保留球数の値が「1」以上であるか否かが判断される(S42)。「0」であれば(S42:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S42:YES)、第一大当たり判定を行うため、S45の処理へ移行する。
第一大当たり判定では、まず、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S45)、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアにシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S46)。
次いで、第一大当たり判定が行われる(S47〜S49)。この第一大当たり判定は、ROM53の判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一大当たり判定テーブルが参照されて、判定エリアの第一大当たり乱数欄(図5参照)に記憶されている値により行われる。確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている確率変動状態中であれば(S47:YES)、大当たりとして決められている特定の値の数が非確率変動状態中よりも多い第一高確率判定テーブルが参照されて第一大当たり判定が行われる(S48)。一方で、確率変動フラグが「OFF」となっている非確率変動状態中であれば(S47:NO)、第一低確率判定テーブルが参照されて判定が行われる(S49)。
次いで、変動パターンを決定する処理、及び第一特別図柄を決定する処理が行われる。まず、第一大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かが判断される(S50)。「大当たり」であれば(S50:YES)、当たり変動パターン決定処理(S51)において、第一大当たりを示す第一特別図柄の変動パターンが決定されると共に、決定された変動パターンをサブ統合基板58に指示する変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。ここで、変動パターンを決定する処理は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)の第一変動パターン決定乱数欄に記憶されている値により、テーブルが参照されて行われる。尚、サブ統合基板58では、変動パターン指定コマンドの受信を契機として、表示画面28内のデモ図柄及び第一特別図柄表示部25の変動が開始される。
そして、特別図柄決定処理(S52)では、大当たりを示す第一特別図柄が決定され、決定された第一特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。この特別図柄指定コマンドは、次に行われるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において、サブ統合基板58へ送信される。また、大当たり特別図柄の決定は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の第一特別図柄決定乱数欄の値によりテーブルが参照されて行われ、これにより、大当たり種別(図7参照)が決定される。一方で、第一大当たり判定の結果が「大当たり」でなければ(S50:NO)、はずれを示す変動パターンの決定、及び決定された変動パターンを指定するコマンドの記憶が行われる(S53)。そして、はずれの判定結果を示す第一特別図柄が決定され、特別図柄指定コマンドが記憶される(S54)。
また、第二大当たり判定でも、第一大当たり判定と同様の流れで各種処理が行われる。まず、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「1」減算され(S61)、第二大当たり関係情報記憶エリア5207に記憶されている値がシフトされる(S62)。次いで、確率変動フラグにより確率変動中であるか否かの判断が行われ(S63)、確率変動状態中であれば(S63:YES)、大当たりとして決められている特定の値が非確率変動状態中よりも多い第二高確率判定テーブルが参照されて第二大当たり判定が行われる(S64)。一方で、確率変動状態中でなければ(S63:NO)、第二低確率判定テーブルが参照されて判定が行われる(S65)。
次いで、変動パターンを決定する処理、及び第二特別図柄を決定する処理が行われる。まず、第二大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かが判断され(S66)、「大当たり」であれば(S66:YES)、第二大当たりを示す変動パターンの決定、及び決定された変動パターンを指定するコマンドの記憶が行われる(S67)。そして、大当たりを示す第二特別図柄が決定され、特別図柄指定コマンドが記憶される(S68)。また、第二大当たり判定の結果が「大当たり」でなければ(S66:NO)、はずれを示す変動パターンが決定され、この変動パターンを指定するコマンドが記憶される(S69)。そして、はずれを示す第二特別図柄が決定され、特別図柄指定コマンドが記憶される(S70)。次いで、大当たり種別判定処理(S75)が行われる。
次に、大当たり種別判定処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。この大当たり種別判定処理では、特別図柄に応じて決められている大当たり種別が判定され、この大当たり種別と、大当たり判定時の遊技状態とに応じて大当たり遊技終了後の遊技状態を制御するためのフラグの処理が行われる。
まず、第一大当たり判定により大当たりと判定されたか否かの判断が行われ(S81)、第一大当たり判定による大当たりでなければ(S81:NO)、そのままS93の判断へ移行する。第一大当たり判定による大当たりであれば(S81:YES)、特別図柄に応じて決められている大当たり種別(図7参照)が「4R非確変」であるか否かが判断される(S82)。「4R非確変」である場合には(S82:YES)、時短A・Bフラグのいずれかが「ON」となっているか否かにより時短中であるか否かの判断が行われ(S83)、時短中でなければ(S83:NO)、そのままS98の処理へ移行する。一方で、時短中、すなわち非確率変動時短状態及び確率変動時短状態のいずれかが生起されていれば(S83:YES)、時短回数50回の時短状態を大当たり遊技終了後に生起させることを示す「1」が時短A当選フラグに記憶されて「ON」とされ(S84)、S98の処理へ移行する。
また、第一大当たり判定により大当たりとなり(S81:YES)、大当たり種別が「4R非確変」でなければ(S82:NO)、他の大当たり種別は全て確率変動状態が生起される大当たり種別である。そこで、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起させることを示す「1」が確率変動当選フラグに記憶されて「ON」とされ(S85)、S86の判断へ移行する。
次いで、大当たり種別が「4R確変A」であるか否かが判断され(S86)、「4R確変A」であれば(S86:YES)、時短中であるか否かが判断される(S87)。時短中でなければ(S87:NO)、大当たり遊技終了後には時短状態は生起されないため、そのままS98の処理へ移行する。一方で、時短中、すなわち非確率変動時短状態及び確率変動時短状態のいずれかが生起されていれば(S87:YES)、時短回数が10000回の時短状態を大当たり遊技終了後に生起させることを示す「1」が時短B当選フラグに記憶されて「ON」とされ(S88)、S98の処理へ移行する。
また、大当たり種別が「4R確変A」でない場合には(S86:NO)、「4R確変B」であるか否かが判断され(S89)、「4R確変B」である場合には(S89:YES)、非確率変動非時短状態中であるか否かが判断される(S90)。時短A・Bフラグ及び確率変動フラグが全て「OFF」とされており、非確率変動非時短状態中であると判断された場合には(S90:YES)、時短状態は生起されないため、そのままS98の処理へ移行する。一方で、非確率変動非時短状態中でない場合には(S90:NO)、時短回数が10000回の時短状態に当選したことを示す「1」が時短B当選フラグに記憶されて「ON」とされ(S91)、S98の処理へ移行する。
また、第一大当たり判定により大当たりとなり(S81:YES)、大当たり種別が「4R非確変」、「4R確変A」、「4R確変B」のいずれでもない場合には(S82:NO、S86:NO、S89:NO)、大当たり種別は「4R確変C」及び「15R確変」のいずれかである。この場合、第一大当たり判定時の遊技状態に関わらず、時短回数が10000回の時短状態が大当たり遊技終了後に生起される(図7参照)。そこで、時短B当選フラグが「ON」とされて(S91)、S98の処理へ移行する。そして、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するフラグの処理が終了すると、決定された大当たり遊技終了後の遊技状態をサブ統合基板58へ通知するための移行遊技状態通知コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶されて(S98)、図11に示す特別図柄処理へ戻る。
また、第一大当たり判定により大当たりと判定されていなければ(S81:NO)、第二大当たり判定により大当たりと判定されたか否かが判断される(S93)。第二大当たり判定により大当たりと判定されていなければ(S93:NO)、そのまま特別図柄処理へ戻る。一方で、大当たりと判定されていれば(S93:YES)、大当たり種別が「4R非確変」であるか否かが判断される(S94)。「4R非確変」でなければ(S94:NO)、大当たり種別は「4R確変」及び「15R確変」のいずれかであり、この場合には必ず確率変動時短状態が生起される。そこで、確率変動当選フラグが「ON」とされる(S95)。そして、時短回数が10000回の時短状態に当選したことを示す「1」が時短B当選フラグに記憶されて「ON」とされる(S96)。次いで、大当たり遊技終了後に確率変動時短状態が生起されることを示す移行遊技状態通知コマンドが記憶されて(S98)、特別図柄処理へ戻る。
また、大当たり種別が「4R非確変」である場合には(S94:YES)、第二大当たり判定時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後には時短回数が50回の時短状態が生起される。そこで、時短回数が50回の時短状態を大当たり遊技終了後に生起させることを示す「1」が時短A当選フラグに記憶されて「ON」とされる(S97)。そして、大当たり遊技終了後に非確率変動時短状態が生起されることを示す移行遊技状態通知コマンドが記憶されて(S98)、特別図柄処理へ戻る。
次いで、図11のフローチャートに示すように、大当たり種別判定処理(S75)が終了すると、既に決定されている変動パターンにより決められている特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S76)。そして、2つの特別図柄表示部25,26のいずれか一方が変動していることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S77)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図10のフローチャートに示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25,26のいずれかが変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S101)。S76(図11参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S101:YES)、コマンド関係記憶エリア5209に特別図柄停止コマンドが記憶される(S102)。この特別図柄停止コマンドは、変動しているいずれかの特別図柄表示部25,26の変動停止を指示するコマンドである。そして、所定の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S103)、特別図柄表示部25,26のいずれか一方が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S104)、メイン処理へ戻る。一方、S101の判断において、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S101:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
また、S33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25,26のいずれかが停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S103でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値により、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S105)。特別図柄指定時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S105:NO)、停止表示を継続するため、そのままメイン処理へ戻る。また、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」である場合には、停止表示時間が経過したので(S105:YES)、特別図柄表示部25,26が共に変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S106)。そして、遊技状態移行処理(S107)が行われる。
次に、遊技状態移行処理について、図13を参照して説明する。遊技状態移行処理では、第一大入賞口18を開放させる第一大当たり遊技を実行させるためのフラグの制御と、第二大入賞口19を開放させる第二大当たり遊技を実行するためのフラグの制御と、時短状態及び確率変動状態を終了させる制御とが行われる。
まず、大当たり判定の結果が、第一大入賞口18を開放させる第一大当たりであるか否かが判断される(S111)。先述したように、本実施の形態では、第一大当たり判定及び第二大当たり判定のいずれで大当たりと判定されたかによって、第一大当たり遊技及び第二大当たり遊技のいずれを実行するかが決定される。そして、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S111:YES)、第一大当たり遊技中であることを示す「1」が第一大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされる(S112)。次いで、大当たり遊技終了後に実行された第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定回数を計数する大当たり判定回数計数カウンタの値が初期化される(S113)。次いで、時短A・Bフラグのいずれかが「ON」となっていれば「OFF」とされ(S114)、確率変動フラグが「ON」となっている場合に「OFF」とする処理が行われて(S115)、図10のフローチャートに示す特別図柄処理へ戻る。
また、大当たり判定の結果が第一大当たりでなければ(S111:NO)、第二大入賞口19を開放させる第二大当たりと判定されたか否かが判断される(S116)。第二大当たり判定により大当たりと判定された場合には(S116:YES)、第二大当たり遊技中であることを示す「1」が第二大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S117)、大当たり判定回数計数カウンタの値が初期化される(S113)。そして、時短A・Bフラグが「OFF」とされ(S114)、確率変動フラグが「OFF」とされて(S115)、特別図柄処理へ戻る。
また、大当たり判定の結果が第一大当たりでも第二大当たりでもなければ(S116:NO)、大当たり判定の回数を計数する大当たり判定計数カウンタの値に「1」が加算される(S121)。そして、大当たり判定回数計数カウンタの値により、判定回数が「50」であるか否かが判断される(S127)。「50」となっていれば(S127:YES)、音声変更のタイミングが到来したことをサブ統合基板58へ通知する音声変更契機到来通知コマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S128)。次いで、時短回数が50回である時短状態が生起されているか否かが時短Aフラグによって判断され(S129)、時短Aフラグが「OFF」となっていれば(S129:NO)、そのまま特別図柄処理へ戻る。時短Aフラグが「ON」となっており、時短回数50回の時短状態中であると判断された場合には(S129:YES)、時短Aフラグが「OFF」とされて(S130)、特別図柄処理へ戻る。
また、大当たり判定回数計数カウンタの値が「50」でなければ(S127:NO)、大当たり判定回数が「10000」であるか否かが判断され(S132)、「10000」でなければ(S132:NO)、そのまま特別図柄処理へ戻る。大当たり判定回数が「10000」回であれば(S132:YES)、時短Bフラグが「ON」となっている場合に「OFF」とされ(S133)、確率変動フラグが「ON」となっている場合に「OFF」とされる(S134)。そして、音声態様を非時短中音声態様に変更させるための音声変更指示コマンドが記憶されて(S135)、メイン処理へ戻る。尚、特別図柄処理(図10参照)では、遊技状態移行処理(S107)が終了すると、そのままメイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が始動口へ入賞すると(S21:YES、又はS25:YES)、各種乱数が取得され(S24、S28)、取得された乱数に基づいて第一大当たり判定及び第二大当たり判定が行われる(S48,S49,S64,S65)。この大当たり判定は、第一大当たり判定よりも第二大当たり判定を優先して行われる(S41、S42)。そして、判定の結果が大当たりであれば、大当たり種別とその時点での遊技状態とに応じて大当たり遊技終了後の遊技状態が決定される(図12参照)。そして、時短状態中に大当たりと判定された場合には、大当たり種別に関わらず、大当たり遊技終了後に必ず時短状態が生起されるため、大当たり遊技と時短状態とが交互に生起されることとなり、多数の遊技球が払い出される。しかし、非確率変動時短状態は大当たり判定が50回行われると終了するため、遊技者は、生起されている時短状態が非確率変動時短状態でなく、確率変動時短状態であることを期待しながら遊技を行うこととなる。
次に、サブ統合基板58における処理について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、サブ統合基板58におけるサブ統合基板処理のフローチャートであり、図15は、サブ統合基板処理で行われる音声態様決定処理のサブルーチンのフローチャートである。サブ統合基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28やスピーカ48、特別図柄表示部25,26等を制御する処理が行われる。すなわち、大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出を制御したり、大当たり遊技中の演出を制御したりする処理が行われる。特に、大当たり遊技終了後に確率変動時短状態及び非確率変動時短状態のいずれが生起されるかに応じて、異なる割合で音声態様を決定し、決定した音声態様に基づいてスピーカ48による音声の発生を制御する。これにより、確率変動時短状態が生起されていることの期待度を遊技者に報知することができる。
まず、サブ統合基板58のRAM582について説明する。RAM582には、主基板41により指定された変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア、主基板41から指定された特別図柄が記憶される特別図柄記憶エリア、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態が記憶される遊技状態記憶エリア、演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア、その時点で発生させている音声の音声態様が記憶される音声態様記憶エリア、時短状態(確率変動時短状態及び非確率変動時短状態)を介した大当たり遊技の連続実行回数を計数するカウンタの値が記憶される連続実行回数計数カウンタ記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。
次いで、サブ統合基板58のROM583について説明する。ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムが記憶されている。また、サブ統合基板58から演出制御基板43、電飾基板46等に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア、大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出に関する情報が記憶されている変動演出記憶エリア、スピーカ48に発生させる音声の態様を複数記憶する音声態様記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。
以下、サブ統合基板58で行われるサブ統合基板処理について、図14及び図15を参照して説明する。図14に示すように、サブ統合基板処理が開始されると、まず、移行遊技状態通知コマンドを受信したか否かが判断される(S151)。先述したように、主基板41におけるメイン処理の特別図柄処理では、大当たりと判定されると大当たり遊技が開始されると共に、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態を示す移行遊技状態通知コマンドがサブ統合基板58へ送信される(S98、図12参照)。この移行遊技状態通知コマンドを受信した場合には(S151:YES)、コマンドによって通知された大当たり遊技終了後の遊技状態が、RAM582の遊技状態記憶エリアに記憶される(S152)。
次いで、発生されている音声の態様が、大当たり連続中音声態様であるか否かがが判断される(S153)。本実施の形態では、時短状態を介した大当たり遊技の連続実行回数が10回以上となり、且つ所定の抽選に当選すると、大当たり遊技が50回又は10000回行われて時短状態が終了するまで、大当たり遊技中も含めて、大当たり連続中音声態様で音声を発生させ続ける構成となっている。よって、大当たり連続中音声態様で音声が発生されていれば(S153:YES)、大当たり連続中音声態様で音声を発生させたまま、表示画面28や照明装置35等による大当たり遊技演出を開始させる処理が行われて(S154)、S151の判断へ戻る。また、大当たり連続中音声態様でなければ(S153:NO)、通常の大当たり遊技中の音声と共に、大当たり遊技演出が開始されて(S155)、S151の判断へ戻る。尚、確率変動大当たりの場合の大当たり遊技演出の態様は、非確率変動大当たりの場合の大当たり遊技演出の態様と同じであるため、大当たり遊技終了後の遊技状態を大当たり遊技演出によって判別することはできない。
また、移行遊技状態通知コマンドを受信していない場合には(S151:NO)、大当たり遊技が終了したことを通知する大当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S158)。そして、受信した場合には(S158:YES)、大当たり遊技終了後の音声態様を決定するための音声態様決定処理が行われる(S159)。
図15に示すように、音声態様決定処理が開始されると、RAM582の遊技状態記憶エリアの記憶内容により、生起される遊技状態が時短状態(確率変動時短状態又は非確率変動時短状態)であるか否かが判断される(S201)。時短状態でない場合、すなわち、生起される遊技状態が通常状態又は確率変動非時短状態である場合には(S201:NO)、音声態様は遊技状態に応じてあらかじめ決められている。よって、遊技状態に応じた非時短中音声態様で音声を発生させる処理が行われて(S202)、サブ統合基板処理へ戻る。
生起される遊技状態が時短状態であれば(S201:YES)、時短状態を介した大当たり遊技の連続実行回数(所謂、「連荘回数」)を計数する連続実行回数計数カウンタに「1」が加算される(S203)。次いで、発生されている音声の態様が大当たり連続中音声態様であるか否かが判断され(S204)、大当たり連続中音声態様であれば(S204:YES)、時短状態終了まで同じ態様での音声の発生を継続するため、そのままサブ統合基板処理へ戻る。大当たり連続中音声態様でなければ(S204:NO)、生起される遊技状態が確率変動時短状態であるか否かが判断される(S206)。
ここで、本実施の形態では、大当たり遊技終了後の時短状態が確率変動時短状態、及び非確率変動時短状態のいずれであるかに応じて異なる割合で音声態様を決定する。詳細には、非確率変動時短状態であれば、必ず時短中通常音声態様で音声を発生させるのに対し、確率変動時短状態であれば、確率変動時短状態中にのみ発生され得る時短中特定音声態様での音声を、4分の1の割合で発生させる。また、先述したように、大当たり判定によって確率変動大当たりと判定される割合は77%となっている(図7参照)。これにより、時短中通常音声態様で音声を発生させる場合には、確率変動時短状態が生起されている割合である所謂「期待度」は約71.5%となる。また、時短中特定音声態様で音声を発生させる場合には、確率変動時短状態が生起されている期待度は100%となる。これにより、確率変動時短状態が生起されている期待度を遊技者に報知することができ、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
そこで、生起される遊技状態が確率変動時短状態でなければ(S206:NO)、時短中通常音声態様で音声を発生させる処理が行われて(S207)、サブ統合基板処理へ戻る。確率変動時短状態が生起される場合には(S206:YES)、大当たり遊技の連続実行回数である連荘回数が「10」以上であるか否かが判断される(S208)。連続実行回数計数カウンタの値が「9」以下である場合には(S208:NO)、時短中特定音声態様による音声の発生を実行するか否かが4分の1の割合で抽選される(S210)。そして、当選した場合には(S211:YES)、時短中特定音声態様で音声を発生させる処理が行われて(S212)、サブ統合基板処理へ戻る。一方で、当選しなかった場合には(S211:NO)、時短中通常音声態様で音声を発生させる処理が行われて(S207)、サブ統合基板処理へ戻る。
また、連荘回数が「10」以上である場合には(S208:YES)、大当たり連続中音声態様による音声の発生を実行するか否かが3分の1の割合で抽選され(S214)、当選しなかった場合には(S215:NO)、S210の処理へ移行する。当選した場合には(S215:YES)、大当たり連続中音声態様で音声を発生させる処理が行われて(S216)、サブ統合基板処理へ戻る。尚、サブ統合基板処理(図14参照)では、音声態様決定処理(S159)が終了すると、そのままS151の判断へ戻る。
図14の説明に戻り、大当たり遊技終了コマンドを受信していない場合には(S158:NO)、変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S161)。主基板41から変動パターン指定コマンドを受信した場合には(S161:YES)、指定されている変動パターンがRAM582の変動パターン記憶エリアに記憶される(S162)。この変動パターンにより、1回の図柄の変動演出に要する時間や演出のパターンが決定される。そして、指定された変動パターンに応じて、表示画面28及び照明装置35による変動演出の実行が制御されて(S163)、S151の判断へ戻る。ここで、本実施の形態では、確率変動時短状態中における表示画面28及び照明装置35の変動演出の態様と、非確率変動時短状態中における変動演出の態様とが同じとなっている。従って、遊技者は、生起されている遊技状態が確率変動時短状態及び非確率変動時短状態のいずれであるかを判別することはできない。
また、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S161:NO)、特別図柄指定コマンドを受信したか否かが判断される(S166)。主基板41から特別図柄指定コマンドを受信した場合には(S166:YES)、指定されている特別図柄が、特別図柄表示部25,26のいずれかに表示させる特別図柄として、RAM582の特別図柄記憶エリアに記憶される(S167)。そして、大当たり判定の結果に応じて、表示画面28に確定表示されて判定結果を示すデモ図柄が決定されて(S168)、S151の判断へ戻る。
ここで、本実施の形態では、大当たりと判定された場合、大当たり種別が確率変動であるか否かに応じて異なるデモ図柄を決定することはない。換言すると、確率変動大当たりの場合は奇数の3つ並びのデモ図柄を決定し、非確率変動大当たりの場合は偶数の3つ並びのデモ図柄を決定するというような処理は、本実施の形態では行わない。従って、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態は、確定表示されるデモ図柄によって判別することもできない。従って、表示画面28や照明装置35によっては、大当たり遊技終了後の遊技状態が確率変動時短状態であるか、非確率変動時短状態であるかを判別することは不可能となっている。
また、特別図柄指定コマンドを受信していない場合には(S166:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S170)。受信した場合には(S170:YES)、変動している各図柄(デモ図柄、及び特別図柄表示部25,26の特別図柄)を停止させるコマンドが演出制御基板43及び電飾基板46に送信されて(S171)、S151の判断へ戻る。
また、特別図柄停止コマンドを受信していない場合には(S170:NO)、音声変更契機到来通知コマンドを受信したか否かが判断される(S174)。この音声変更契機到来通知コマンドは、先述したように、音声態様を変更する契機となる50回目の大当たり判定が実行されたことを示すコマンドである。受信した場合には(S174:YES)、発生されている音声の態様が時短中特定音声態様であるか否かが判断される(S175)。時短中特定音声態様であれば(S175:YES)、生起されている遊技状態は確率変動時短状態であるため、音声態様を変更することなくそのままS151の判断へ戻る。時短中特定音声態様でなければ(S175:NO)、生起されている遊技状態が確率変動時短状態であるか否かが判断される(S176)。確率変動時短状態でなければ(S176:NO)、非確率変動時短状態は終了するため、非時短中音声態様に音声態様が変更される(S177)。そして、時短状態を介した大当たり遊技の連続が終了したため、連続実行回数計数カウンタの値が初期値である「0」に初期化されて(S178)、S151の判断へ戻る。
一方で、生起されている遊技状態が確率変動時短状態であれば(S176:YES)、発生されている音声の態様が大当たり連続中音声態様であるか否かの判断が行われ(S180)、大当たり連続中音声態様であれば(S180:YES)、そのままS151の判断へ戻る。また、大当たり連続中音声態様でなく、時短中通常音声態様であれば(S180:NO)、時短中特定音声態様に音声態様が変更されて(S181)、S151の判断へ戻る。
また、音声変更契機到来通知コマンドを受信していない場合には(S174:NO)、その他のコマンドを受信したか否かが判断され(S183)、受信していない場合には(S183:NO)、そのままS151の判断へ戻る。一方で、その他のコマンドを受信した場合には(S183:YES)、コマンドに応じた処理が行われる(S184)。例えば、大当たり判定が10000回行われた場合に送信される音声変更指示コマンドを受信した場合には、非時短中音声態様に音声態様を変更する処理が行われる。そして、S151の判断へ戻る。
次に、本実施の形態のパチンコ機1における音声態様及びその効果について、図16乃至図18を参照して説明する。図16は、時短状態を介して大当たり遊技が連続して行われる場合の音声態様の一例を示す図であり、図17は、確率変動時短状態中に音声態様が変更される場合の一例を示す図である。また、図18は、大当たり連続中音声態様によって音声が発生される場合の一例を示す図である。
まず、図16を参照して、時短状態を介して大当たり遊技が連続して行われる場合の音声態様について説明する。図16に示す例では、通常状態中に行われた大当たり判定を契機として1回目の大当たり遊技が行われる。ここで、大当たり遊技終了後に確率変動時短状態を生起させることが、大当たり判定と同時に決定されている。そして、大当たり遊技中に「通常大当たり音声態様」で音声が発生され、大当たり遊技が終了すると、確率変動時短状態が生起されるため、「時短中特定音声態様」で音声を発生させるか否かの抽選が行われる。1回目の大当たり遊技終了後にはこの抽選に落選したため、「時短中通常音声態様」で音声が発生される。
次いで、2回目の大当たり遊技が行われるが、2回目の大当たり遊技終了後の遊技状態も1回目と同様に確率変動時短状態であるため、「時短中特定音声態様」で音声を発生させるか否かの抽選が行われる。そして、この抽選に当選したため、2回目の大当たり遊技終了後の音声態様は、確率変動時短状態中にのみ発生し得る「時短中特定音声態様」となる。
次いで、3回目の大当たり遊技が行われるが、3回目の大当たり遊技終了後の遊技状態は非確率変動時短状態である。よって、「時短中特定音声態様」で音声を発生させるか否かの抽選は行われずに、「時短中通常音声態様」で音声が発生される。そして、大当たり判定が50回行われる間に大当たりと判定されなかったため、遊技状態が通常状態へ移行すると共に、音声態様も「非時短中音声態様」へ変更される。
このように、本実施の形態によると、確率変動時短状態及び非確率変動時短状態のいずれが生起されるかに応じて異なる割合で、「時短中特定音声態様」及び「時短中通常音声態様」のいずれかの態様で音声を発生させることができる。その結果、パチンコ機1では、「時短中特定音声態様」による音声発生中の確率変動時短状態の期待度が100%、「時短中通常音声態様」による音声発生中の期待度が約71.5%となる。これにより、確率変動時短状態が生起されている期待度を音声態様によって遊技者に通知することができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。また、遊技状態が非確率変動時短状態であることを遊技者に報知する場合とは異なり、確率変動時短状態が生起されていることをより長く期待させながら遊技者に遊技を楽しませることができる。さらに、確率変動時短状態中のみ発生し得る音声態様を設定することで、この音声態様で音声が発生することを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図17を参照して、確率変動時短状態中に音声態様が変更される場合について説明する。図17に示す例では、1回目の大当たり遊技終了後の遊技状態が確率変動時短状態となるが、「時短中特定音声態様」で音声を発生させるか否かの抽選に落選している。よって、1回目の大当たり遊技終了後には、確率変動時短状態が生起されていることの期待度が約71.5%である「時短中通常音声態様」で音声が発生される。その後、大当たり判定が50回行われる間に大当たりと判定されない場合でも、確率変動時短状態は継続する。よって、この時点で期待度が100%である「時短中特定音声態様」に音声態様が変更される。そして2回目の大当たり遊技が行われ、非確率変動時短状態を経て、大当たり遊技の連続が終了する。
このように、本実施の形態では、確率変動時短状態が生起されており、且つ「時短中特定音声態様」以外の態様で音声が発生していれば、非確率変動時短状態を終了させる契機となる50回の大当たり判定が行われた時点で「時短中特定音声態様」に音声態様を変更することができる。従って、大当たり遊技終了後に50回の大当たり判定が行われた際に、音声態様が「時短中特定音声態様」に変更されるか否かによって、遊技状態が確率変動時短状態であったか否かを遊技者に報知することができる。よって、50回の大当たり判定が行われる間、期待感を維持させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
次に、図18を参照して、「大当たり連続中音声態様」によって音声が発生される場合について説明する。図18に示す例では、12回目の大当たり遊技終了後の遊技状態が確率変動時短状態であるため、大当たり遊技が終了すると、「大当たり連続中音声態様」で音声を発生させるか否かの抽選が行われている。そして、この抽選に当選したため、大当たり遊技終了後の音声態様は「大当たり連続中音声態様」となる。この音声態様は、大当たり遊技中も含めて、時短状態を介した大当たり遊技の連続が終了するまで(50回又は10000回の大当たり判定が行われて時短状態が終了するまで)継続する。
このように、本実施の形態では、時短状態を介した大当たり遊技の連続実行回数が10回以上となり、且つ確率変動時短状態が生起される場合にのみ、「大当たり連続中音声態様」で音声を発生させることができる。従って、大当たり遊技の連続実行回数が10回以上となることを遊技者に強く期待させながら遊技を行わせることができる。また、「大当たり連続中音声態様」にて音声を発生させることにより、大当たり遊技が連続して実行されたことを祝福し、遊技者を喜ばせることができる。
尚、本実施の形態における第一始動口15、第二始動口16、及び第二始動電動役物17が本発明の「始動口」に相当し、第一始動口スイッチ65、第二始動口スイッチ66、及び第二始動電動役物スイッチ67が「遊技球検出手段」に相当する。また、図9に示すS24,28で乱数を取得する主基板41のCPU51が「大当たり乱数取得手段」として機能し、図11に示すS48,49,64,65で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が「大当たり判定手段」として機能する。また、図8に示すS13で確率変動状態及び時短状態についてのフラグを「ON」とする主基板41のCPU51が「遊技状態制御手段」として機能し、図12に示す大当たり種別判定処理を行う主基板41のCPU51が「遊技様態決定手段」として機能する。
また、図13に示すS113,121で大当たり判定の回数を計数する主基板41のCPU51が「判定回数計数手段」として機能し、図13に示すS127〜134でフラグを「OFF」とする主基板41のCPU51が「遊技状態移行手段」として機能する。また、スピーカ48が「音声発生手段」に相当し、サブ統合基板58のROM583及び音声LSI584が「音声態様記憶手段」に相当する。また、図14及び図15に示すサブ統合基板処理を行うサブ統合基板58のCPU581が「音声態様決定手段」として機能し、主基板41及びサブ統合基板58が「音声発生制御手段」に相当する。
また、第一特定遊技状態が「非確率変動時短状態」に相当し、第二特定遊技状態が「確率変動時短状態」に相当する。また、時短中通常音声態様が「共通音声態様」に相当し、時短中特定音声態様が「特定音声態様」に相当する。また、図14に示すS176,180,181で音声態様を時短中特定音声態様に変更するサブ統合基板58のCPU581が「音声態様変更手段」として機能し、図15に示すS203及び図14に示すS178で連続実行回数計数カウンタの値を制御するサブ統合基板58のCPU581が「連続実行回数計数手段」として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能であることは勿論である。まず、本実施の形態では、連荘回数10回未満の場合の時短遊技状態中の音声態様として「時短中通常音声態様」及び「時短中特定音声態様」の2種類が設定されているが、この種類を増やすことも可能である。図19は、本実施の形態の変形例で用いられる音声態様決定テーブルを示す概念図である。例えば、図19に示すように、遊技状態に応じて各音声態様と乱数の値とが対応付けられた音声態様決定テーブルを、ROM583に記憶する。このテーブルでは、非確率変動時短状態中には期待度が低い音声態様が選択されやすいのに対し、確率変動時短状態中には期待度が高い音声態様が選択されやすい。そして、図15に示す処理において、生起される遊技状態が確率変動時短状態でなければ(S206:NO)、非確率変動時短状態に応じたテーブルを参照し、乱数に基づいて音声態様を決定する。また、生起される遊技状態が確率変動時短状態であれば(S206:YES)、確率変動時短状態に応じたテーブルを参照して音声態様を決定する。このように、音声態様の種類を増やすことにより、確率変動時短状態が生起されていることの期待度をより細かく遊技者に報知することができ、音声による演出の内容を多様化させることができる。尚、図19に示す例において、低期待度音声態様、中期待度音声態様、及び高期待度音声態様が本発明の「共通音声態様」に相当し、確定音声態様が「特定音声態様」に相当する。
また、本実施の形態では、大当たり遊技終了後の時短状態中の音声態様を大当たり遊技終了後に決定していたが、音声態様を決定するタイミングを変更することも可能である。例えば、図14に示す音声態様決定処理(S159)をS155で行い、大当たり遊技開始時からその後の時短状態が終了するまでの音声態様を、大当たり遊技開始時に決定してもよい。すなわち、本発明は、大当たり遊技終了後の音声態様だけでなく、大当たり遊技中の音声態様にも適用することが可能である。
また、「大当たり連続中音声態様」で音声を発生させるか否かを決定する処理(S208,214,215,216)のみを、大当たり遊技開始時に行ってもよい。これにより、音声態様が決定されるタイミングが大当たり遊技の開始時と終了時の2つとなり、音声による演出の内容を多様化させることができる。すなわち、連荘回数が10回以上となると、遊技者は大当たり遊技開始時に「大当たり連続中音声態様」となるか否かに注目するだけでなく、この音声態様の実行抽選に落選した場合には大当たり遊技終了後にも「時短中特定音声態様」となるか否かに注目することとなる。よって、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
また、本実施の形態では、「大当たり連続中音声態様」が一旦終了すると、時短状態を介した大当たり遊技の連続が再び10回以上に達しなければ、「大当たり連続中音声態様」による音声が発生することはない。しかし、これも変更が可能である。例えば、時短状態が終了した時点で第二大当たり関係情報記憶エリア5206に記憶されている保留球で大当たりと判定された場合、すなわち、所謂「引き戻し」があった場合には、再び「大当たり連続中音声態様」による音声を発生させてもよい。これにより、引き戻しによって大当たり遊技の連続が継続することを音声によって祝福することができ、遊技者を喜ばせることができる。また、時短状態終了後の所定回数以内に大当たりと判定された場合に、「大当たり連続中音声態様」を再開させるように設定しても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態における「大当たり連続中音声態様」は、大当たり判定が所定回数行われて時短状態が終了するまで継続するが、これも変更が可能である。例えば、連荘回数が所定回数に達した場合のみ発生し得る大当たり遊技中の音声態様を新たに設け、この音声態様と、時短状態中の「大当たり連続中音声態様」とを交互に用いる構成としてもよい。また、大当たり遊技が行われる毎に、その都度「大当たり連続中音声態様」で音声を発生させるか否かを抽選してもよい。さらに、複数種類の「大当たり連続中音声態様」を設けることも可能である。例えば、連荘回数が10回以上となった場合に発生し得る「第一大当たり連続中音声態様」と、連荘回数が20回以上となった場合に発生し得る「第二大当たり連続中音声態様」とを設け、連荘回数に応じて音声態様を変化させ得る構成としてもよい。これにより、大当たりの連荘回数を音声によってある程度把握することも可能となり、遊技者を楽しませることができる。
また、本実施の形態では、「大当たり連続中音声態様」による音声が一旦発生すると、計数されている大当たり遊技の連続実行回数が10回以上となっていれば、大当たり判定が行われることを契機として音声態様が変更されることはない。しかし、これも変更が可能である。例えば、大当たり判定が行われて所定のリーチ演出が実行された場合のみ、音声態様を変更するか否かの抽選を行ってもよい。また、所定のリーチ演出が実行された場合には、「大当たり連続中音声態様」を他の音声態様に必ず変更するように設定してもよい。これにより、音声態様の変化を多様化させることができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
また、本実施の形態における時短状態には、非確率変動時短状態(本発明の「第一特定遊技状態」)及び確率変動時短状態(本発明の「第二特定遊技状態」)が設けられているが、遊技状態の種類は適宜変更が可能である。例えば、確率変動状態を設けずに、時短回数が異なる2種類の時短状態を生起可能な遊技機にも適用が可能であるし、終了条件が互いに異なる2種類の確率変動状態を生起可能な遊技機にも本発明を適用できる。
また、本実施の形態では、確率変動時短状態、及び非確率変動時短状態は共に所定回数の大当たり判定が行われると終了する構成となっている。しかし、次に大当たりと判定されるまで継続する遊技状態を生起することができる遊技機にも本発明が適用できる。例えば、本実施の形態における確率変動状態を、次に大当たりと判定されるまで継続する遊技状態としてもよい。この場合、図13に示すS132〜S135の処理を省略すればよい。
また、本実施の形態では、大当たりと判定されてから時短状態が終了するまでの演出は、遊技状態が確率変動時短状態であるか、非確率変動時短状態であるかに関わらず同態様であるが、この演出の態様は全く同じである必要はない。例えば、音声態様に併せて表示画面28や照明装置35の動作態様を変化させてもよい。