JP2009217176A - 偏光素子の還元条件選択方法、偏光素子の製造方法、この方法で製造された偏光素子、及びそれを用いた光アイソレータ - Google Patents

偏光素子の還元条件選択方法、偏光素子の製造方法、この方法で製造された偏光素子、及びそれを用いた光アイソレータ Download PDF

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Abstract

【課題】ピッグテール型光アイソレータにおいても、30dB以上のアイソレーションが達成される金属微粒子分散型偏光ガラスからなる偏光素子を提供する手段の提供。
【解決手段】ハロゲン化銀または第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元性雰囲気で還元して、針状金属銀または銅を含む還元層を形成することで製造される偏光素子が、上記光アイソレータで用いるに適した消光比を示す、上記還元の条件を求める方法。ガラス基体の試験用サンプルを少なくとも2つの還元条件で還元して得られた偏光素子の各サンプルについて光受光器との間隔を100mm以内として波長1.3〜1.6μmの光で消光比を測定し、消光比が極大または最大である偏光素子サンプルを選択し、選択された偏光素子サンプルを調製した還元条件を上記適した消光比を示す還元条件とする。この方法で求めた還元条件で偏光素子を製造する方法。偏光素子および上記光アイソレータ。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光素子の還元条件決定方法、偏光素子の製造方法、この方法で製造された偏光素子、及びそれを用いた光アイソレータに関する。特に、本発明は、半導体レーザと光ファイバを用いた光通信において用いられる、ピッグテール型光アイソレータを構成するに適した偏光素子の製造条件である還元条件の決定方法、この決定方法で選択された還元条件を用いた偏光素子の製造方法、この製造方法で製造された偏光素子、及びこの偏光素子を用いた光アイソレータに関する。
波長が1.31μm、あるいは1.55μmの半導体レーザを光源とし、石英系ファイバを伝送路とする光通信において、反射による光源への帰還光を遮断し、低エラーレートを達成するために光アイソレータが用いられている。光アイソレータは、ファラデー回転子と二個の偏光素子、及び永久磁石から構成される。
光アイソレータ用の偏光素子としては、一般的に、銀あるいは銅からなる針状金属微粒子が、ガラス基体中にその長手方向が特定の方向に配向するように分散された偏光ガラスが用いられている。(以下、本明細書において、当該偏光素子を「金属微粒子分散型偏光ガラス」と記す。) 金属微粒子分散型偏光ガラスにおける偏光効果は、針状金属微粒子のプラズモン共鳴波長の異方性に起因するものであり、その偏光特性は、主に針状金属微粒子のアスペクト比(針状粒子の長手方向の長さを短手方向の長さで除した値)によって決定される。
金属微粒子分散型偏光ガラスの製造方法は、例えば特開平5−208844号公報(特許文献1)に詳細に記載されており、その製造工程は以下に示すようなものである。
(1)塩化第1銅を含むガラス材料を所望の組成になるように調合し、それ等を約1450℃で溶融した後室温まで除冷する。(2)その後、熱処理を施すことにより、塩化第一銅の微粒子をガラス中に析出させる。(3)塩化第一銅の微粒子を析出させた後、機械加工により適当な形状を有するプリフォームを作成する。(4)プリフォームを所定の条件で延伸し、塩化第一銅の針状粒子を得る。(5)延伸されたガラスを水素雰囲気中で還元することにより、針状の金属銅微粒子を形成する。
斯かる製造プロセスによって製造される金属分散型偏光ガラスにおいては、針状金属微粒子は、基本的にガラスの表面層近傍にのみ存在することになり、その存在領域のガラス表面からの範囲(以下、表面からの厚さを「還元層厚」と記す。)は、雰囲気温度等の還元条件に依存することになる。
特開平5−208844号公報 特開2003−98349号公報
従来、光通信用の光アイソレータとしては、所謂フリースペース型の光アイソレータが一般的であった。図8は、フリースペース型の光アイソレータの光学系を模式的に示した概略即断面図である。図中、81、82は偏光素子、83はファラデー回転子、84は偏光素子81、82及びファラデー回転子83から構成される光アイソレータ、85、85’はレンズ、86は光ファイバ、87は半導体レーザ等の光源、88、88’は光源87に戻る帰還光の光束を模式的に示す線群であり、特に88’は偏光素子82を透過した後の光束である。
図8に示した光アイソレータ84においては、偏光素子81と82の偏光透過軸は互いに45度の角度を成すように配置され、かつファラデー回転子83における偏光面回転角は、45度となるようにその光路長が設定されている。斯かる構成において、光源87から出射された光束(図示せず)は、レンズ85’によって平行光束に変換され、偏光素子82の偏光透過軸と平行方向の偏光を有する光のみが、ファラデー回転子83に入射する。ファラデー回転子83に入射した光の偏光方向は、ファラデー効果により45度回転する。前述したように、偏光素子81と82の偏光透過軸は互いに45度の角度を成しているため、ファラデー回転子83を透過した光の偏光方向は、偏光素子81の偏光透過軸と一致する。従って、ファラデー回転子83を透過した光は、偏光素子81をほぼ無損失で透過し、レンズ85で収束され、光ファイバ86に入射される。
一方、光ファイバ86、あるいはその後段に配設される光学素子等(図示せず)により反射され、光源に戻る帰還光束88は、前述した光源87から出射された光束と逆の光路を経て光源87に帰還することになるが、この場合、ファラデー回転子83の非相反性により、ファラデー回転子83を透過した後の帰還光束88の偏光方向は、偏光ガラス82の偏光透過軸と90度(以下、当該方向の軸を「偏光消光軸」と記す。)の角度を成すため、偏光素子82を透過する際、その光エネルギーは大きく損なわれことになる。
一般的に、光アイソレータの性能は、光源から出射した光に係る透過損失と、帰還光88を遮断する能力であるアイソレーションによって評価される。特に、アイソレーションは以下の数式(1)で与えられ、その量は、通常、デシベルで表現される。
同式において、ISOはアイソレーション、P88'は帰還光束88’のパワー、P88は帰還光束88のパワーである。
アイソレーションは、偏光素子81、82の特性、及びファラデー回転子83における偏光方向の回転角のバラツキ等に依存するが、偏光素子81、82として、前述した従来の銀あるいは銅の針状微粒子が配向分散された金属微粒子分散型偏光ガラスを用いた場合、その値は30dB以上であり、実用上、ほぼ問題の無いレベルが得られていた。
ところで、近年、光学部品の小型化等の要請により、所謂、ピッグテール型光アイソレータが主流になりつつある。図9は、ピッグテール型光アイソレータの光学系を模式的に示した概略側断面図である。ピッグテール型光アイソレータの光学系は、図8に示したフリースペース型光アイソレータの光学系と、(1)光ファイバ86が偏光素子81に直接結合されている点、及び(2)レンズが1枚のみである点、において相違する。その結果、帰還光束88、88’の光路は、両者において異なるが、光アイソレータ84の構成は、ほぼ同一である。
しかし、従来の銀あるいは銅の針状微粒子が配向分散された金属微粒子分散型偏光ガラス、換言すると、フリースペース型光アイソレータに適用した場合、アイソレーションの値として30dB以上が得られる偏光ガラスをピッグテール型光アイソレータに適用した場合、その値は23〜27dBに低下し、要求仕様値である30dB以上を達成することができない、と云う問題点があった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、ピッグテール型光アイソレータにおいても、30dB以上のアイソレーションが達成される金属微粒子分散型偏光ガラスからなる偏光素子を提供することである。より具体的には、上記のような偏光素子を提供するに適した偏光素子の製造方法、およびこの製造方法で得られる偏光素子並びにこの偏光素子を用いたピッグテール型光アイソレータを提供することが、本発明が解決すべき課題である。
上記課題を解決するための本発明は、以下の通りである。
[1] 母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元性雰囲気で還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成することを含む方法によって製造される偏光素子が、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す、上記還元の条件を求める方法であって、
上記ガラス基体の試験用サンプルを少なくとも2つの還元条件で上記還元を行って得られた偏光素子の各サンプルについて消光比を測定すること、
前記消光比の測定は、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として行われ、
測定された偏光素子サンプルの中で、消光比が極大または最大である偏光素子サンプルを選択し、選択された偏光素子サンプルを調製した還元条件、または該還元条件に近似する還元条件を、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す還元条件とする、
前記方法。
[2] 前記還元の条件は、少なくとも還元温度、還元時間、還元雰囲気、ガラス母材に含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の量および粒子径、ガラス母材の種類を含む、[1]に記載の方法。
[3] 前記消光比の測定は、偏光素子サンプルと光受光器との間隔が30mmで行われる、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記還元の条件は、前記偏光素子サンプルの還元層厚が10〜40μmの範囲となるように設定する、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記還元は、試験用サンプルをガラス母材のガラス転移点(Tg)に対して、(Tg−40℃)から(Tg−100℃)の範囲内の温度で熱処理することで行う、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記試験用サンプルに含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子は、含有量が0.15〜2.5wt%の範囲であり、粒子径が10〜300nmの範囲である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7] ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比とは、40dB以上の範囲である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の方法で求めた還元条件で、
母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成することを含む、偏光素子の製造方法。
[9] 前記偏光素子は、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す、但し、前記消光比の測定は、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として行われる、[8]に記載の製造方法。
[10] ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比とは、40dB以上の範囲である、[9]に記載の方法。
[11] [8]〜[10]のいずれかに記載の方法で製造された偏光素子。
[12] [11]に記載の偏光素子を搭載したピッグテール型光アイソレータ。
本発明により、ピッグテール型光アイソレータに適用しても、フリースペース型光アイソレータに適用した場合と同様、30dB以上のアイソレーションが達成される偏光ガラスを提供することが可能となると共に、当該偏光ガラスを適用することにより、アイソレーションが30dB以上のピッグテール型光アイソレータの提供が可能となる。
[還元条件決定方法]
本発明の第1の態様は、偏光素子の製造方法で採用される還元工程における、還元の条件を、製造される偏光素子がピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示すものとして、決定する方法である。具体的には、母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元性雰囲気で還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成することを含む方法によって製造される偏光素子が、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す、上記還元の条件を決定する方法である。本方法は、
(1)上記ガラス基体の試験用サンプルを少なくとも2つの還元条件で上記還元を行って得られた偏光素子の各サンプルについて消光比を測定すること、
(2)前記消光比の測定は、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として行われること、
(3)測定された偏光素子サンプルの中で、消光比が極大または最大である偏光素子サンプルを選択し、選択された偏光素子サンプルを調製した還元条件、または該還元条件に近似する還元条件を、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す還元条件とすること、
を特徴とする。
以下に、まず、前記本発明の課題を解決する手段として、偏光素子の製造方法で採用される還元工程における還元の条件を、製造される偏光素子がピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示すものとして、決定する方法に到達した理由を以下に説明する。
初めに、金属微粒子分散型偏光ガラスの消光特性、並びに当該消光特性が前述したピッグテール型光アイソレータとフリースペース型光アイソレータのアイソレーションに及ぼす影響の観点から詳細に説明する。
一般的に偏光素子とは、特定の方向に電界振動面を有する直線偏光波を透過せしめ(本明細書において、当該特定の方向を「偏光透過軸」と記している。)、電界振動面が、当該偏光透過軸と直交する方向にある直線偏光波の透過を阻止せしめる機能を有する素子を云う。(本明細書において、偏光透過軸と直交する方向を「偏光消光軸」と記している。)
透過損失とは、偏光素子の偏光透過軸に平行な方向に電界振動面を有する直線偏光波が、偏光素子を透過する際に受ける損失を云う。また、消光比とは、偏光消光軸に平行な方向に電界振動面を有する直線偏光波を入射した場合の透過光のパワーを偏光透過軸に平行な方向な方向に電界振動面を有する直線偏光波を入射した場合の透過光のパワーで除した値を云う。
従来、金属微粒子分散型偏光ガラスに直線偏光波を照射した場合の光学特性は、以下の(2)式によって与えられることが知られている。
式(2)において、Cabsは光の吸収断面積、Vは針状金属微粒子の体積、n0はガラス母材の屈折率、λは照射光の真空波長、ε’は針状微粒子を構成する金属の誘電率の実部、ε”は同虚部、Lは針状金属微粒子の形状によって決定される形状因子である。
針状金属微粒子の場合、形状因子Lは、その方向によって異なる値をとり、例えば、その形状が回転楕円体、あるいは円柱形状で近似される場合には、その長手方向のLは短手方向のLに比べて小さくなる。その結果、Cabsが極大となる複素誘電率の値が方向によって異なり、かつ複素誘電率は光の波長によって異なることから、Cabsが極大をとる光の波長が方向によって異なることになる。(本明細書では、式(2)においてCabsが極大となる光の波長を「プラズモン共鳴波長」と記している。)
すなわち、金属微粒子分散型偏光ガラスにおいては、一般的に、所望の光波長において針状金属微粒子の長手方向の吸収断面積Cabsが最大となるように、形状因子Lが決定され、その形状因子Lが得られるように針状粒子のアスペクト比が制御される。例えば、光の波長:1.55μm、ガラス母材の屈折率:1.5の場合、金属微粒子として銀を用いた場合、Lの値は、〜0.018,またアスペクト比は〜11となる。
斯かる構成において、所望の波長を有する直線偏光波を、その偏光面が針状金属微粒子の長手方向と平行になるように当該偏光ガラスに照射した場合、金属微粒子の共鳴吸収、所謂プラズモン共鳴吸収が発生し、その光の透過は阻止される。つまり、偏光消光軸は、針状金属微粒子の長手方向と一致する。
一方、針状金属微粒子の長手方向と直交する方向に偏波された直線偏光波が照射された場合には、共鳴吸収は発生せず、ほぼ無損失で照射光は当該偏光ガラスを透過することになる。つまり、針状金属微粒子の長手方向と直交する方向が、偏光透過軸と一致する。
このように、針状金属微粒子の長手方向が特定の方向を向くように配向分散された金属微粒子分散型偏光ガラスにおける偏光効果には、金属微粒子のプラズモン共鳴吸収が深く関与しており、当該偏光ガラスが“吸収型の偏光素子”と称される所以である。
金属分散型偏光ガラスに限らず偏光素子の光学特性は、その透過損失と消光比によって評価される。すなわち、良好な偏光素子とは、消光比が高く、かつ透過損失の小さい偏光素子を云い、金属微粒子分散型偏光ガラスの場合、両者は、共に金属針状微粒子のアスペクト比とその総個数に依存することになる。換言すると、予めガラス母在中に、針状のハロゲン化銀、あるいはハロゲン化第一銅が、一様かつその長手方向が特定の方向を向くように分散され、還元性雰囲気で還元することにより、針状の金属銀、あるいは金属銅を得ると云う方法で製造される金属微粒子分散型偏光ガラスの場合には、針状金属微粒子のアスペクト比、及びその還元層厚によって透過損失、及び消光比が決定されることになる。
以下、金属微粒子分散型偏光ガラスの透過損失、及び消光比の一例について説明する。
図2は、金属微粒子分散型偏光ガラスの透過損失、及び消光比の測定系を示す概略図である。図中、21はレーザ光源、22はグラントムソンプロズム、23は金属微粒子分散型偏光ガラス、24はパワーメータ、25は光源から出射された光線、Lは偏光ガラスとパワーメータのセンサーまでの距離である。グラントムソンプリズム22は、特定方向の直線偏光波を得るために挿入されている。
図3に、図2に示した測定系で測定された金属微粒子分散型偏光ガラスの透過損失と消光比の還元層厚依存性を示す。この場合、金属微粒子分散型偏光ガラスに含まれる針状金属微粒子は銅であり、金属微粒子分散型偏光ガラス23とパワーメータ24との間隔Lは300mmである。またレーザ光の波長は1.55μmである。
一般的に、金属微粒子分散型偏光ガラスの場合、その製造方法に起因して、還元層は当該偏光ガラスの両側面に、ほぼ同一の膜厚で形成される。このことを考慮し、以下、本明細書における「還元層厚」とは、片側に形成された還元層の厚さを云うものとする。
図3に示したように、消光比は還元層厚の増加と共に増大し、その値は、還元層厚が30μm近傍で飽和する。一方、透過損失は、同:〜36μm近傍から徐々に増大する。斯かる透過損失と消光比の還元層厚依存性と前述した偏光ガラスに求められる光学特性、すなわち高消光比と低透過損失と云う観点から、図3に示したような場合には、還元層厚として30μm近傍が採用されていた。
事実として、このような考え方の下で、決定された還元層厚を有する偏光ガラスを、フリースペース型光アイソレータに適用した場合、そのアイソレーションとして30dB以上が得られている。
発明者等は、ほぼ同様の光学特性を有する金属微粒子分散型偏光ガラスを用いているにも拘わらず、フリースペース型光アイソレータにおいては、高いアイソレーションが得られるが、ピッグテール型光アイソレータにおいては、アイソレーションが低くなる原因及びその解決手段を明らかにすべく、金属微粒子分散型偏光ガラスの消光特性に係る基礎的かつ系統的な検討を行うと共に、両アイソレータにおける光学系の相違点と偏光ガラスの消光特性との関係について検討を行った。その結果、ピッグテール型光アイソレータにおけるアイソレーションの低下原因、及びその解決手段を明らかにして、本発明を完成するに至った。
以下、発明者等の系統的な検討により明らかになった金属微粒子分散型偏光ガラスの光学特性、特に消光特性について詳細に説明する。
図4に、金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比の距離L依存性の一例を示す。(Lについては、図2参照) この場合、金属微粒子分散型偏光ガラスに含まれる針状金属微粒子は銅であり、還元層厚は〜30μmである。図中●印が測定された消光比で●印間の曲線は、各測定点を結んだものである。本測定に用いたレーザ光の波長は1.55μmで、そのビーム径は約1mmであり、図に示した測定距離Lの範囲内では、図2に示した光源21から出射されたレーザ光自体のビーム径は一定であった。 なお、距離Lが300mmのときの消光比が、図3に示した値と異なる原因は、個体が異なることによる。
図4に示したように、距離Lが200mm以上と比較的長い領域(以下「遠距離領域」と記す)においては、距離Lに依らず、金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比は〜−55dBと一定の値をとるが、距離Lが100mm以下の比較的短い領域(以下、「近距離領域」と記す)では、その値は距離Lの自乗に逆比例して低下する。斯かる消光比の距離依存性は、従来からよく知られ、かつ金属微粒子分散型偏光ガラスの設計指針として用いられている(2)式を用いて説明することができない現象である。
斯かる消光比の距離依存性は、定性的に以下のように解釈される。
図5に、金属微粒子分散型偏光ガラス中に配向分散された針状金属微粒子と光との相互作用を模式的に示す。図中、51、52は金属微粒子分散型偏光ガラス中に配向分散された針状金属微粒子、53は入射光、54は透過光成分、55は散乱光成分、56はパワーメータのセンサー部、Dは針状金属微粒子52とセンサー部56との距離である。
同図において、入射光53は直線偏光波で、その偏波面は針状金属微粒子51、52の長手方向と平行で、かつ針状金属微粒子52のプラズモン共鳴波長が、入射光53の波長と略一致するように、そのアスペクト比が設定されているものとする。斯かる構成において、針状金属微粒子52に入射する光は、当該金属微粒子による共鳴吸収のため、その透過光54のパワーは、針状金属微粒子52に入射する光のパワーに比べて激減する。(針状金属微粒子52に入射する光は、入射光53の一部)一方、針状金属微粒子52に共鳴吸収された光の一部は熱エネルギーに変換されるが、その残余は、針状金属微粒子52内の自由電子の電子分極を誘起するために費やされる。当該電子分極は、入射光53の周波数と同一の周波数で振動する分極で、結果として、入射光53と同一波長の光を放射することになる。当該放射光が散乱光55の起源である。散乱光55の伝播方向は、必ずしも入射光53の伝播方向とは平行ではなく、例えば、散乱光55の強度は針状金属微粒子52の長手軸を対称軸とする円筒対称性を有する。
すなわち、パワーメータのセンサー部56から観た場合、散乱光55の強度分布はほぼ空間等方的となるため、センサー部56によって検出される散乱光のパワーは、間隔Dの自乗に逆比例して減少することになる。これに対して、透過光成分54は入射光53と同様の伝播方向を維持するため、結果として、距離Dに依存せず一定のパワーを保持することになる。
以上の結果から、近距離領域で測定された消光比の決定要因は散乱光55のパワーであり、遠距離領域で測定された消光比の決定要因は、入射光53と同一の方向に伝播する透過光成分54、及び針状金属微粒子51、52間の隙間を透過し、何ら金属微粒子分散型偏光ガラス中の針状金属微粒子と相互作用をしない、金属微粒子分散型偏光ガラスの透過光成分のパワーであると結論づけることができる。すなわち、遠距離領域で測定された消光比は、針状金属微粒子の吸収特性を反映したものであり、近距離領域で測定された消光比は、針状金属微粒子の散乱特性を反映したものと云うことができる。
以下、散乱光が光アイソレータのアイソレーションに与える影響について、フリースペース型光アイソレータとピッグテール型光アイソレータに分けて説明する。
図6は、金属微粒子分散型偏光ガラスの散乱光が、フリースペース型光アイソレータのアイソレーションに与える影響を模式的に説明するための概略図である。図中、61、62は金属微粒子分散型偏光ガラス、63はファラデー回転子、64は金属微粒子分散型偏光ガラス61、62及びファラデー回転子63から構成される光アイソレータ、65、65’はレンズ、66は光ファイバ、67は半導体レーザ等の光源、68は光源67に戻る帰還光、69は偏光ガラスを構成する針状金属微粒子、611は針状金属微粒子による散乱光を示した矢印群である。なお、図において、針状金属微粒子69の大きさは、説明のため誇張して拡大表示されている。
前述したように、帰還光68の偏光成分の内、金属微粒子分散型偏光ガラス61の偏光消光軸と平行、換言すると、金属微粒子分散型偏光ガラス61内に存する針状金属微粒子69の長手方向と平行な偏光成分は、針状金属微粒子69におけるプラズモン共鳴により吸収・減衰されるが、それと同時に散乱光611を発生させる。しかし、散乱光611の大部分の光跡が、帰還光68の光跡と平行ではないため、レンズ65’によって光源67に光学的に結合する散乱光611の成分は極めて小さい。
従って、フリースペース型光アイソレータにおけるアイソレーションには、金属微粒子分散型偏光ガラスの散乱光は殆ど影響を与えず、結果として、遠距離領域で測定された金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比が、そのアイソレーションを決定することになる。
次にピッグテール型光アイソレータの場合について説明する。
図7は、金属微粒子分散型偏光ガラスの散乱光が、ピッグテール型光アイソレータのアイソレーションに与える影響を模式的に説明するための概略図である。図中、71は散乱光611の内、レンズ65’によって、光源67に結合する成分の光跡を示す矢印である。
ピッグテール型光アイソレータの場合も、基本的には同一であるが、以下の点において異なる。すなわち、同型の光アイソレータにおいては、フリースペース型光アイソレータと光学系が異なるため、散乱光611の成分の内、その光跡が帰還光の光跡と平行になる成分が多い。(図9参照)従って、散乱光611の成分の内、レンズ65’によって光源67と結合する散乱光611の成分も多くなる。つまり、ピッグテール型光アイソレータにおいては、フリースペース型アイソレータに比して、金属微粒子分散型偏光ガラス内の針状金属微粒子の散乱の影響を受け易く、結果として同型アイソレータのアイソレーションには、金属微粒子分散型偏光ガラスの近距離領域で測定された消光比が反映されることになる。
以上、説明したように、金属微粒子分散型偏光ガラスをピッグテール型光アイソレータに適用するためには、所望の消光比を得つつ、散乱光強度を減少させる必要がある。しかし、所望の消光比を得るためには、所望の波長でプラズモン共鳴が生じる針状金属微粒子の個数、あるいは比率を増加させることが必要であるが、このことは散乱光強度を増加せしめることに他ならない。すなわち、高い消光比と低い散乱光強度を実現することは、一見、アンティテーゼの関係にある。
そこで、発明者等は、針状金属微粒子の濃度の異なる各種偏光ガラスについて、その還元層厚と散乱光強度、及び吸収特性との関係について系統的に検討した結果、両者の還元層厚依存性が異なるために、特に近距離領域で測定された消光比については、最適な還元層厚が存在することを見出し、そのような還元層厚を得るための還元条件の決定をすることが必要であること、そして、還元条件の決定のための方法を見出して、還元条件決定方法(本発明の第1の態様)に至った。
本発明の第1の態様で還元に付される母材ガラス基体、およびその中に分散されるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子については、例えば、針状金属銅を還元層に含む偏光素子の場合については、特許文献1に記載のものを、基本的には、そのまま利用できる。また、針状金属銀を還元層に含む偏光素子の場合については、特許文献2に記載のものを、基本的には、そのまま利用できる。
本発明の第1の態様においては、母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元性雰囲気で還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成する。ここにおける、前記還元の条件は、少なくとも還元温度、還元時間、還元雰囲気、ガラス母材に含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の量および粒子径、ガラス母材の種類を含む。これらの還元の条件は、以下の方法で決定されるが、各条件は概ね以下の範囲はすることが適当である。
(1)還元温度
還元温度は、ガラス母材のガラス転移点(Tg)に対して、(Tg−40℃)から(Tg−100℃)の範囲内の温度とすることが好ましい。還元温度を母材ガラスのガラス転移点に比べ、より低く設定することにより、近距離領域で測定される消光比が向上する傾向がある。(Tg−40℃)よりも高い還元温度では、近距離領域における消光比が劣化し、また(Tg−100℃)よりも低い還元温度では、所望の還元層厚を得るために、あまりにも長時間を要する傾向がある。
(2)還元時間
ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の再球状化をあらかじめ予想して、再球状化が起きない温度、時間で還元することが適当である。良好な偏光特性を与えるためには、上記(1)還元温度範囲の温度で30分〜10時間還元することが好ましい。
(3)還元雰囲気
還元用ガスとしては水素ガスおよび水素ガス以外の還元性のガスを用いることもでき、例えば CO-CO2 ガス等を挙げることができる。
(4)ガラス母材に含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の含有量および粒子径
前記試験用サンプルに含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子は、含有量が0.15〜2.5wt%の範囲であり、粒子径が10〜300nmの範囲であることが好ましい。
ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の含有量および粒子径は、偏光ガラスの偏光特性と粒子による光の散乱による偏光ガラスの挿入損失特性に影響する。そこで、針状粒子の体積比は、透過型電子顕微鏡にて観測される1個の針状粒子の体積と粒子密度(単位体積当たりの数)の積から求められる。針状粒子の体積比は、吸収係数の大きさを左右する因子であり、1×10-4以下では小さすぎて十分な偏光特性を得るためには還元層を厚くする必要があり、還元に長時間を要する。逆に、針状粒子の体積比が1×10-2より大きい場合は、還元層は薄くてもよいが未還元層中のハロゲン化粒子による散乱も増加するため、挿入損失が大きくなり好ましくない。ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の含有量は、熱処理条件とも関連するが、針状粒子の体積比を左右するので、0.15〜2.5wt%が最適である。針状粒子の粒子径は、その長手方向は偏光消光軸であり短手方向は偏光透過軸であり、それぞれの方向での消光特性、透過特性が偏光特性を決定する。したがって偏光特性を得たい光の波長での吸収断面積Cabsが最大となるよう長手方向を決め、短手方向は、透過特性が阻害されない程度の大きさが求められる。そこで、針粒子の粒径は10〜300nmの範囲とすることが好ましい。
(5)ガラス母材の種類
ガラスとしては、例えばガラスの軟化温度がハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の融点より高い、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等を挙げることができる。
(1)試験用サンプル作製
還元条件決定方法においては、上記ガラス基体の試験用サンプルを少なくとも2つの還元条件で上記還元を行って得られた偏光素子の各サンプルについて消光比を測定する。試験用サンプルの数は、変化させる還元条件の種類に応じて適宜決定でき、特に制限はないが、例えば、2〜100個の範囲とすることができる。変化させる還元条件が1種類の場合には、最低3個、好ましくは4〜10個の範囲とすることができる。変化させる還元条件が2種類以上の場合には、試験用サンプルの数を、適宜増加させることが手きる。試験用サンプルの製造自体は、上記特許文献1(針状金属銅の場合)や特許文献2(針状金属銀の場合)を参照できる。
(2)消光比測定
次いで、上記試験用サンプルのそれぞれについて、消光比の測定を行う。消光比の測定は、例えば、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として行う。消光比測定用の光は、上記範囲から、ピッグテール型光アイソレータで用いる光の波長を考慮して適宜決定できる。前述のように、比較的近距離領域で測定された消光比については、最適な還元層厚が存在する。そのため、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として消光比測定を行う。消光比測定は、偏光素子サンプルと光受光器との間隔が30mmで行われることが、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を検出するという観点から好ましい。
(3)還元条件決定
測定された偏光素子サンプルの中で、消光比が極大または最大である偏光素子サンプルを選択し、選択された偏光素子サンプルを調製した還元条件、または該還元条件に近似する還元条件を、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す還元条件(最適還元条件)とする。図1に示すように、近距離領域で測定された消光比(図1では30mm)で測定される消光比は、ある還元層厚において極大を示す。但し、サンプル数や条件の設定の仕方に、極大ではなく最大値を示す場合もあり得る。また、消光比の測定ポイントが最適還元条件でないと考えられる場合(サンプル数が少ない場合や最大値を示す場合)もあり、その場合には、上記で得られた消光比のデータから、消光比が極大または最大を示す還元条件の前後の条件を、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す還元条件(最適還元条件)と決定することもできる。尚、その場合には、消光比が極大または最大を示す還元条件の前後の条件において、再度、偏光素子サンプルを還元処理し、最適還元条件であることを確認することもできる。尚、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比とは、一般には40dB以上の範囲である。
前記還元条件は、偏光素子サンプルの還元層厚が10〜40μmの範囲となるように設定することが、これまでの経験から、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す還元条件(最適還元条件)が得られるであろうことが強く推認されるため好ましい。但し、還元条件の設定の仕方によっては、例えば、試験用サンプルに含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の量少ない場合や粒子径が小さい場合など、より厚い還元層が、所望の消光比を得るために必要となる場合もあり得る。
[偏光素子の製造方法]
本発明の第2の態様は、上記第1の態様(還元条件決定方法)で決定された還元条件によって、偏光素子を製造する方法である。
偏光素子を製造する方法自体は、母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成することを含むものであり、基本的には、前述の特許文献1や特許文献2に記載の方法で実施できる。但し、還元条件として、上記第1の態様(還元条件決定方法)で決定された還元条件を用いる。
本発明の製造方法によって製造された偏光素子は、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示すものである。ここで、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比とは、第1の態様で記載したように、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として測定された消光比であり、
一般には、40dB以上の範囲である。
本発明は、上記本発明方法(第2の態様)で製造された偏光素子を包含する。この本発明の偏光素子は、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示すものであり、従来の偏光素子とは異なるものである。
さらに本発明は、上記本発明の偏光素子を搭載したピッグテール型光アイソレータを包含する。ピッグテール型光アイソレータを含む光学系の構成は、図9に記載のとおりである。ピッグテール型光アイソレータの光学系は、前述のように、図8に示したフリースペース型光アイソレータの光学系と、(1)光ファイバ86が偏光素子81に直接結合されている点、及び(2)レンズが1枚のみである点、において相違する。本発明のピッグテール型光アイソレータは、偏光素子81および82の少なくとも一方または両方ともに、上記本発明の偏光素子を用いるものである。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
SiO2:59.87wt%、B2O3:20.5wt%、Al2O3:6.82wt%、AlF3:2.04wt%、Na2O:9.76wt%、NaCl:0.97wt%のガラス母材にCuCl:0.052wt%、SnO:0.09128wt%を添加したガラスを、原料として SiO2、H3BO3、Al(OH)3、Na2CO3、NaCl、AlF3、CuCl、SnOを用いて、3リットルの白金ルツボに入れ約1450℃で溶解した後、グラファイトの型に流し込んで成形し室温まで除冷することにより製造した。
このガラスを700℃で6時間熱処理し、直径が約100nmのCuCl粒子を析出させた。このガラスを5×50×100mmのサイズに切り出しプリフォームを形成した。当該プリフォームを約600℃で延伸することにより、厚さが約0.7mmのガラスフィルムを得た。当該ガラスフィルムを水素雰囲気中、440℃で熱処理を施すことにより針状に延伸されたCuCl微粒子を金属銅に還元し、金属微粒子分散型偏光ガラスを製造した。なお、前述したガラス母材のガラス転移点(Tg)は約480℃であった。
前述した方法で作成した金属微粒子分散型偏光ガラスの消光特性を図2に示した測定系を用いて測定した。なお、光源21として、波長:1.55μmの半導体レーザを用いた。図1に、製造した金属微粒子分散型偏光ガラスの還元層厚と、遠距離、及び近距離領域で測定された消光比との関係を示す。なお、還元層厚は、還元時の還元温度を一定とした場合、還元時間に比例することから、還元時間を調節することにより変化させた。例えば、30μm厚の還元層厚は、還元時間を約7時間とすることにより得られた。また、遠距離領域での消光比とは、測定距離Lが300mmで測定された消光比であり、同近距離領域とは、測定距離Lが30mmで測定された消光比である。同図に示したように、還元層厚が約35μm以下の範囲内では、遠距離領域で測定された消光比は還元層厚の増加と共に増加し、約−61dBで飽和するのに対して、近距離領域で測定された消光比は、還元層厚が22μm近傍で約−47dBと極大値をとる。
また、本実施例における金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比を、測定距離:10mm〜110mmの範囲内で測定した結果、消光比の極大値は異なるものの、前述した測定距離L:30mmで測定された消光比と同様、還元層厚が約22μm近傍で極大となることが確認された。
還元層厚が22μmの金属微粒子分散型偏光ガラスと、比較例として従来のフリースペース型光アイソレータに用いられている還元層厚が約30μmの金属微粒子分散型偏光ガラスの両者を用いて、図9に示したものと同型のピッグテール型光アイソレータを作成し、波長:1.55μmのレーザ光を用いて、それ等のアイソレーションを測定した。その結果、本発明により成る還元層厚が22μmの金属微粒子分散型偏光ガラスを用いたピッグテール型光アイソレータのアイソレーションは約31dBであったのに対し、比較例の場合は約27dBであった。
[実施例2]
本実施例におけるガラス組成等の金属微粒子分散型偏光ガラスの製造方法は、CuClの還元条件を除いて、前述した実施例1の条件と同様である。本実施例においては、還元温度を400℃とした。当該還元温度は、母剤ガラスのガラス転移点(Tg)に比べて約80℃、低い温度に相当する。斯かる還元温度で還元した場合について、実施例1と同様の条件で、還元層厚と金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比との関係を評価した。その結果、実施例1と同様、近距離領域の消光比は、還元層厚が約22μm近傍で極大となり、その値は約−48dBと、実施例1の場合と比較して増大した。一方、遠距離領域での消光比の還元層厚性は、実施例1と同様であり、かつ消光比の値も、実施例1とほぼ同様であった。
また、測定距離:10mm〜110mmの範囲内で測定した結果、実施例1と同様、消光比の極大値は異なるものの、前述した測定距離L:30mmで測定された消光比と同様、還元層厚が約22μm近傍で極大となることが確認された。
本実施例により成る還元層厚が22μmの金属微粒子分散型偏光ガラスを用いて、実施例1と同様、ピッグテール型光アイソレータを作成し、そのアイソレーションを測定した結果、その値は約32dBであった。
[実施例3]
本実施例においては、実施例2とほぼ同様の条件で、還元温度のみ380℃として金属微粒子分散型偏光ガラスを測定した。当該還元温度は、母剤ガラスのガラス転移点(Tg)に比べて約100℃、低い温度に相当する。本実施例で作成した微粒子分散型ガラスの消光比の還元層厚依存性、及び測定距離は、実施例1及び2とほぼ同様であった。ただし、近距離領域で還元層厚:約22μm近傍で認められる消光比の極大値は、−48.5dBと実施例2の場合に比べて増大することが確認された。
更に、本実施例により成る還元層厚が22μmの金属微粒子分散型偏光ガラスを用いて、実施例1と同様、ピッグテール型光アイソレータを作成し、そのアイソレーションを測定した結果、その値は約32.5dBであった。
[実施例4]
本実施例においては、SiO2:59.87wt%、B2O3:20.5wt%、Al2O3:6.82wt%、AlF3:2.04wt%、Na2O:9.76wt%、NaCl:0.97wt%のガラス母材にCuCl:0.0624wt%、SnO:0.10954wt%を添加したガラスを、原料として SiO2、H3BO3、Al(OH)3、Na2CO3、NaCl、AlF3、CuCl、SnOを用いて、3リットルの白金ルツボに入れ約1450℃で溶解した後、グラファイトの型に流し込んで成形し室温まで除冷することにより製造した。本実施例におけガラス母剤の組成は実施例1と同様であるが、添加されたCuCl及びSnOの量は、実施例1の約1.2倍となっている。
当該ガラスを用いて、実施例1と同様の条件で、金属微粒子分散型偏光ガラスを製造し、還元層厚と消光比との関係を測定した。その結果、図1に示した実施例1の場合と同様の結果が得られたが、以下に示す点で相違していた。すなわち、近距離領域における消光比の極大値自体は、約−47dBとほぼ同様であるが、その極大を与える膜厚が約22μmから約19μmに変化している点、及び遠距離領域の消光比が、約−61dBから−62.5dBと向上している点である。
本実施例により成る還元層厚が約19μmの金属微粒子分散型偏光ガラスを用いて、実施例1と同様、ピッグテール型光アイソレータを作成し、そのアイソレーションを測定した結果、その値は約31dBであった。
[実施例5]
本実施例においては、SiO2:59.87wt%、B2O3:20.5wt%、Al2O3:6.82wt%、AlF3:2.04wt%、Na2O:9.76wt%、NaCl:0.97wt%のガラス母材にCuCl:0.078wt%、SnO:0.13692wt%を添加したガラスを、原料として SiO2、H3BO3、Al(OH)3、Na2CO3、NaCl、AlF3、CuCl、SnOを用いて、3リットルの白金ルツボに入れ約1450℃で溶解した後、グラファイトの型に流し込んで成形し室温まで除冷することにより製造した。本実施例におけガラス母剤の組成は実施例1と同様であるが、添加されたCuCl及びSnOの量は、実施例1の約1.5倍となっている。
当該ガラスを用いて、実施例1と同様の条件で、金属微粒子分散型偏光ガラスを製造し、還元層厚と消光比との関係を測定した。その結果、図1に示した実施例1の場合と同様の結果が得られたが、以下に示す点で相違していた。すなわち、近距離領域における消光比の極大値自体は、約−47dBとほぼ同様であるが、その極大を与える膜厚が約22μmから約17μmに変化している点、及び遠距離領域の消光比が、約−61dBから−63.5dBと向上している点である。
本実施例により成る還元層厚が約17μmの金属微粒子分散型偏光ガラスを用いて、実施例1と同様、ピッグテール型光アイソレータを作成し、そのアイソレーションを測定した結果、その値は約31dBであった。
以上、実施例を用いて、本発明を詳細に説明した。前述したように、本発明は、所謂“吸収型”と称されている金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比は、単にガラス母材に分散された針状金属微粒子の吸収効率によってのみ定まるものではなく、その再放射、所謂“散乱”が、消光比を決定する上での重要な因子であり、特に近距離領域での消光比は、“散乱”によって決定されることを見出すと共に、ピッグテール型光アイソレータのアイソレーションは、近距離領域の消光比、換言すると、用いられる金属微粒子分散型偏光ガラスの吸収効率ではなく、むしろ散乱効率の大小に依存することを見出し、かつ吸収効率と散乱効率のバランス点を決定する具体的な方法を着想したことによって完成されたものである。
すなわち、金属微粒子分散型偏光ガラスの吸収効率と散乱効率は、単に還元層厚のみならず、ガラス母材中に存在するCuClの濃度、粒径、あるいはアスペクト比に大きく依存し、例えば同一の還元層厚でも、還元層内に存在する金属微粒子の個数が異なれば、全体としての吸収効率、あるいは散乱効率は大きく異なることになる。
本発明に成る金属微粒子分散型偏光ガラスは、斯かる不確定要素を全て吸収し、特にピッグテール型光アイソレータに好適な偏光ガラスを提供するものである。
本発明により成る偏光ガラスとその製造方法は、光通信を始めとする光技術応用分野に用いられる偏光ガラス適用することが可能である。
本発明により成る金属微粒子分散型偏光ガラスの還元層厚と、遠距離、及び近距離領域で測定された消光比との関係。 金属微粒子分散型偏光ガラスの透過損失、及び消光比の測定系を示す概略図。 金属微粒子分散型偏光ガラスの透過損失と消光比の還元層厚依存性の一例 金属微粒子分散型偏光ガラスの消光比の測定距離依存性の一例。 金属微粒子分散型偏光ガラス中に配向分散された針状金属微粒子と光との相互作用を模式的に示す概略図。 金属微粒子分散型偏光ガラスの散乱光が、フリースペース型光アイソレータのアイソレーションに与える影響を模式的に説明するための概略図。 金属微粒子分散型偏光ガラスの散乱光が、ピッグテール型光アイソレータのアイソレーションに与える影響を模式的に説明するための概略図。 フリースペース型の光アイソレータの光学系を模式的に示した概略即断面図。 ピッグテール型光アイソレータの光学系を模式的に示した概略側断面図
符号の説明
21 レーザ光源
22 グラントムソンプロズム
23 金属微粒子分散型偏光ガラス
24 パワーメータ
25 光源から出射された光線
L 偏光ガラスとパワーメータのセンサーまでの距離
51、52 金属微粒子分散型偏光ガラス中に配向分散された針状金属微粒子
53 入射光
54 透過光成分
55 散乱光成分
56 パワーメータのセンサー部
D 針状金属微粒子52とセンサー部56との距離
61、62 金属微粒子分散型偏光ガラス
63 ファラデー回転子
64 光アイソレータ
65、65’ レンズ
66 光ファイバ
67 半導体レーザ等の光源
68 光源67に戻る帰還光
69 偏光ガラスを構成する針状金属微粒子
611 針状金属微粒子による散乱光を示した矢印群である。
71 散乱光611の内、レンズ65’によって、光源67に結合する成分の光跡を示す矢印
81、82 偏光素子
83 ファラデー回転子
84 アイソレータ
85、85’ レンズ
86 光ファイバ
87 半導体レーザ等の光源
88、88’ 光源87に戻る帰還光の光束を模式的に示す線群

Claims (12)

  1. 母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元性雰囲気で還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成することを含む方法によって製造される偏光素子が、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す、上記還元の条件を求める方法であって、
    上記ガラス基体の試験用サンプルを少なくとも2つの還元条件で上記還元を行って得られた偏光素子の各サンプルについて消光比を測定すること、
    前記消光比の測定は、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として行われ、
    測定された偏光素子サンプルの中で、消光比が極大または最大である偏光素子サンプルを選択し、選択された偏光素子サンプルを調製した還元条件、または該還元条件に近似する還元条件を、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す還元条件とする、
    前記方法。
  2. 前記還元の条件は、少なくとも還元温度、還元時間、還元雰囲気、ガラス母材に含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の量および粒子径、ガラス母材の種類を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記消光比の測定は、偏光素子サンプルと光受光器との間隔が30mmで行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記還元の条件は、前記偏光素子サンプルの還元層厚が10〜40μmの範囲となるように設定する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記還元は、試験用サンプルをガラス母材のガラス転移点(Tg)に対して、(Tg−40℃)から(Tg−100℃)の範囲内の温度で熱処理することで行う、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記試験用サンプルに含まれるハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子は、含有量が0.15〜2.5wt%の範囲であり、粒子径が10〜300nmの範囲である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比とは、40dB以上の範囲である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で求めた還元条件で、
    母材ガラス基体中に、ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子が、一方向に向くように分散されたガラス基体を還元して、前記ハロゲン化銀またはハロゲン化第1銅の針状粒子の少なくとも一部を針状金属銀または針状金属銅に変化させて、針状金属銀または針状金属銅を含む還元層を形成することを含む、偏光素子の製造方法。
  9. 前記偏光素子は、ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比を示す、但し、前記消光比の測定は、波長1.3〜1.6μmの光を用い、偏光素子サンプルと光受光器との間隔を100mm以内として行われる、請求項8に記載の製造方法。
  10. ピッグテール型光アイソレータで用いるに適した消光比とは、40dB以上の範囲である、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の方法で製造された偏光素子。
  12. 請求項11に記載の偏光素子を搭載したピッグテール型光アイソレータ。
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US9581742B2 (en) 2012-11-20 2017-02-28 Corning Incorporated Monolithic, linear glass polarizer and attenuator

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