JP2009544561A - 減少した応力光学係数を有するガラス - Google Patents

減少した応力光学係数を有するガラス Download PDF

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Abstract

本発明は、新規なガラス、異方性応力下において可視波長でより低い応力光学係数を有するガラスの配合方法、および、そのようなガラスを備える新規な光学システムを提供する。本発明は、少なくとも1種類のガラス成形剤と、SnO、Sb、As、およびHgOから選択される少なくとも1種類のガラス改質剤と、を含む無鉛ガラスであって、ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む、無鉛ガラスを提供する。

Description

本願は、2006年7月26日に出願された米国仮特許出願第60/833,365号、2006年11月28日に出願された米国仮特許出願第60/861,315号、および2007年4月3日に出願された米国仮特許出願第60/921,670号の利益をこれにより主張する。米国仮特許出願第60/833,365号、同第60/861,315号、および同第60/921,670号のそれぞれは、これにより参考として援用される。
本発明は、光学システムにおいて有用なガラスに関する。本発明はまた、光学システムおよび前記システムにおいて有用なガラスの調製方法も提供する。
ガラスは、均一な非晶質固体材料であり、通常、粘性溶融材料がそのガラス転移温度を下回る温度まで、規則的な結晶格子が形成するために十分な時間をかけずに冷却されると生成する。ガラスを適切にアニールすると、光学的に等方性となる。
しかし、多くの光学的に等方性のガラスは、異方性応力を付加すると光学的異方性を示す。材料を通過する光線が2つの異なる屈折率を経験し、それにより常光線(異方性の方向に対し垂直な偏光)および異常光線(異方性の方向に対し平行な偏光)に分解するときに生じる光学的異方性は、複屈折と称される。その他の場合は光学的に等方性の材料に対する、異方性応力を使用したこの複屈折の誘引は、光弾性と呼ばれる。
複屈折、または二重屈折の特性は、多くの光学結晶が示すものである。しかし、光弾性材料は、異方性応力を付加すると追加的な複屈折を示す。したがって、光学的に等方性の材料において、光弾性は、複屈折が異方性応力の付加により誘引される場合に観察される光学特性である。光弾性材料において、材料中の各点での屈折率の大きさは、その点での応力の状態に直接関連する。
技術者や設計者は、材料中の応力分布を決定するための実験的方法として、光弾性を使用する。応力決定の分析的方法とは異なり、光弾性は、材料中の突発的な不連続点付近においても、応力分布の極めて正確な像を与える。この方法は、材料中の臨界応力点を決定するための重要な手法であり、不規則構造における応力集中因子を決定するために使用されることが多い。技術者や設計者は、ポリカーボネート等の光学的に等方性の材料からモデルを構築する。モデル上で応力を評価するために、異方性応力を付加し、構造中の応力点で複屈折を観察する。
応力下の材料中の複屈折、ひいては光弾性効果の程度は、付加される応力負荷に依存する。したがって、この応力と光路差の関係に従い、試料中の高応力部分は、高い複屈折度を観察することにより特定することができる。
しかし、光学的な透明度を必要とするシステム(レンズシステム、視覚的表示、映写機、または光ファイバ等)においては、光弾性は望ましくない特性である。均一な光学特性、すなわち光学的等方性を達成するために、複屈折は避けられなければならない。
典型的には、そのようなガラスへの異方性応力の付加は、光学的な対称性を乱す。異方性応力に曝されたときに複屈折が無視できる程度であるか、または複屈折を示さないガラスは、ガラスが異方性応力因子(機械的応力、熱応力、またはそれらの組合せ等)に曝される光学システムにおいて有用である。これらの光学ガラスは、異方性応力に曝されたときに光弾性がより低いかまたはゼロであるガラスを提供するために十分な濃度で、酸化鉛(II)等のガラス添加物を組み込むことができる。
ケイ酸鉛ガラスは、高い輝度因子、広い動作範囲、および高い電気抵抗等の特性を利用した光学的および電気的な用途があるために、特に工業的に重要である。しかし、鉛の含有はまた、化学的耐久性を失わせる結果となる。その結果、これらのガラスは、湿気等の環境因子により容易に着色し劣化する。さらに、これらの従来のケイ酸鉛ガラスは非常に高価である。
また、酸化鉛(II)ガラス添加物は有毒であることも認められている。鉛自体は環境中で崩壊しない。日光、降雨、および鉱物等の環境効果への曝露は鉛化合物を変化させる可能性があるが、鉛自体は、生物学的に無害な化合物へ分解または反応しない。鉛が空気中に放出されると、地面に沈積するまでに長い距離を移動し得る。鉛が土壌に落ちると、通常、土壌粒子に付着する。このように、鉛汚染空気または粉塵の吸入、汚染食品の摂食、または汚染水の飲水から、人間の鉛に対する曝露が生じ得る。
本発明は、少なくとも1種類のガラス成形剤と、SnO、Sb、As、およびHgOから選択される少なくとも1種類のガラス改質剤と、を含む無鉛ガラスであって、ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む、無鉛ガラスを提供する。
本発明の他の態様は、ガラス成形剤を提供するステップと、SnO、Sb、As、HgO、およびそれらの任意の組合せから選択されるガラス改質剤を提供するステップと、を含むガラスの生成方法であって、前記ガラスは、ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む、ガラスの生成方法を提供する。
本発明の他の態様は、SiO、P、B、P、およびそれらの任意の組合せから選択されるガラス成形剤と、SnO、Sb、As、およびそれらの任意の組合せから選択されるガラス改質剤と、から本質的に構成される無鉛ガラスであって、前記ガラス改質剤は、約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースターの応力光学係数をガラスにもたらすために十分な濃度で存在する、無鉛ガラスを提供する。
上記方法において、ガラス改質剤およびガラス成形剤は、方程式:
Σ([xfn×(dfn/NCfn)]+[xmn×(dmn/NCmn)])=0.5、または、ガラス構成物質の1種類または複数種類が動的な配位数を有する場合は、方程式:
Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(xn2×(dn2/NCn2]=0.5
(式中、Xfn、dfn、NCfn、xmn、dmn、NCmn、xn1、dn1、NCn1、xn2、dn2、およびNCn2は以下に定義される)に従って提供され得る。
上記のガラスまたは方法において、ガラス成形剤は、SiO、P、B、TeO、およびGeOから選択される少なくとも1種類を含むことができる。さらに、ガラスは、約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースターの応力光学係数、約ゼロの応力光学係数をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を有することができる。上記のガラスおよび方法は、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、約60モルパーセントから約70モルパーセント、または約64モルパーセントの濃度を有するSnOを含むガラス改質剤を含むことができる。上記のガラスまたは方法のいずれかのガラス成形剤は、SiO、P、B、TeO、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。あるいは、ガラス改質剤は、少なくとも約10モルパーセント、少なくとも約30モルパーセント、約30モルパーセントから約40モルパーセント、または約36モルパーセントの濃度を有するSbを含むことができる。あるいは、ガラス改質剤は、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約30モルパーセント、約50モルパーセントから約60モルパーセント、または約54モルパーセントの濃度を有するAsを含むことができる。あるいは、ガラス改質剤は、少なくとも約5モルパーセント、約10モルパーセントから約20モルパーセント、または約15モルパーセントのHgO濃度を有するHgOを含むことができる。
本発明の他の態様は、ガラスを備える光学素子を備える光学システムであって、前記ガラスは、TeOおよびBaOを含み、BaOの濃度は、異方性応力に曝された場合の、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらすために十分である、光学システムを提供する。
これらの光学システムにおいて、光学素子は、TeOと、異方性応力に曝された場合の、可視波長において約+0.55ブリュースターから−0.35ブリュースターの光学的応力光学係数を素子中に生成するために十分な濃度のBaOとを含むことができる。または、光学素子は、TeOと、約ゼロの光学的応力光学係数をガラス中に生成するために十分なモルパーセントのBaOとを含むことができる。あるいは、光学素子は、約10モルパーセントを超え約20モルパーセント未満のBaO、または約5モルパーセントから約25モルパーセントのBaOをさらに含む。これらの光学システムのいずれも、SnO、Sb、As、Bi、HgO、Al、またはそれらの混合物から選択されるガラス改質剤をさらに含むことができる。例えば、光学素子は、SiO、P、またはそれらの組合せを含むガラス成形剤をさらに含む。光学素子は、光ファイバ、レンズ、鏡、窓および/もしくはシールド、光フィルタ、または表示画面、ならびにそれらの組合せから選択される少なくとも1つをさらに含むことができ、あるいは、光学システムは、可視波長の光を放出することができる光源を備えることができる。あるいは、光学システムは、テレビ、コンピュータモニタ、デジタルプロジェクタ、フロントガラス、顕微鏡、検出器、もしくはそれらの組合せを備えることができ、または、光学システムは、テレビ、ビデオモニタ、デジタルプロジェクタ、窓、もしくは光学ガラスであってもよい。
本発明の他の態様は、僅かに正、ゼロ、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスの配合方法であって、ガラス成形剤およびガラス改質剤を提供するステップを含み、前記ガラス成形剤または前記ガラス改質剤は動的な配位数を有し、前記改質剤は、ガラスが異方性応力に曝された場合の、可視波長においてより低い応力光学係数をガラスに提供する濃度で存在する、配合方法を提供する。
これらの方法において、ガラス成形剤は、動的な配位数を有することができ、十分な濃度のガラス改質剤と組み合わされた場合、配位数は低下する。例えば、ガラス成形剤はTeOであってもよい。さらに、ガラス改質剤はBaOを含むことができる。ガラス改質剤は、ガラスが異方性応力に曝された場合の、可視波長において約+0.55ブリュースターから約−0.35ブリュースターの応力光学係数をガラスに提供する濃度を有することができる。例えば、ガラス改質剤は、約0ブリュースターの応力光学係数をガラスに提供する濃度で存在する。ガラス改質剤は、約10モルパーセントから約20モルパーセント未満、または、約5モルパーセントから約25モルパーセントの濃度で存在する。
本発明の他の態様は、異方性応力に曝された場合に、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を示すガラスの調製方法であって、約15モルパーセントを超え約20モルパーセント未満のBaOを提供するステップと、約80モルパーセント以上約85モルパーセント以下のTeOを提供するステップと、を含む調製方法を提供する。
本発明の他の態様は、SnO、Sb、As、Bi、HgO、またはそれらの混合物から選択されるガラス改質剤を提供するステップと、SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの組合せのガラス基材を生成するために選択されるガラス成形剤を提供するステップと、を含む、ガラスの生成方法であって、前記ガラス改質剤および前記ガラス成形剤は、方程式:
Σ([xfn×(dfn/NCfn)]+[xmn×(dmn/NCmn)])=0.5、または、ガラス構成物質の1種類もしくは複数種類が動的な配位数を有する場合は、方程式:
Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(xn2×(dn2/NCn2]=0.5
(式中、Xfn、dfn、NCfn、xmn、dmn、NCmn、xn1、dn1、NCn1、xn2、dn2、およびNCn2は以下に定義される)に従う濃度で提供される、生成方法を提供する。
本発明の他の態様は、SnO、Sb、As、Bi、HgO、またはそれらの混合物から選択されるガラス改質剤を提供するステップであって、提供される前記ガラス改質剤のモルパーセントは、可視波長において約+0.5ブリュースターから約−1.5ブリュースターのガラスの光学的応力光学係数を生成するために十分である、ステップと、SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの組合せのガラス基材を生成するために選択されるガラス成形剤を提供するステップと、を含む、ガラスの調製方法を提供する。
4種類の例示的なガラス試料に対して、メガパスカル単位の圧縮応力P/MPaの関数として百万分の1の単位の複屈折率δ/10−6を示したグラフであり、これらの関数の傾きは、4種類のガラスのそれぞれの応力光学係数を表し、各例示的ガラスは、SnOガラス改質剤およびPガラス成形剤を使用して配合された。 2種類の例示的なガラス試料に対して、圧縮応力P/MPaの関数として百万分の1の単位の複屈折率δ/10−6を示したグラフであり、これらの関数の傾きは、2種類のガラスのそれぞれの応力光学係数を表し、各例示的ガラスは、Sbガラス改質剤およびBガラス成形剤を使用して配合された。 4種類の例示的なガラス試料に対して、圧縮応力P/MPaの関数として百万分の1の単位の複屈折率δ/10−6を示したグラフであり、これらの関数の傾きは、4種類のガラスのそれぞれの応力光学係数を表し、各例示的ガラスは、SnOガラス改質剤およびSiOガラス成形剤を使用して配合された。 いくつかの例示的なガラス添加物に対する、配位数に対する結合長の商d/N、および各商と関連した応力光学係数の極性を示したグラフである。 4種類の例示的なガラス試料に対して、圧縮応力P/MPaの関数として百万分の1の単位の複屈折率δ/10−6を示したグラフであり、これらの関数の傾きは、4種類のガラスのそれぞれの応力光学係数を表し、各例示的ガラスは、BaOガラス改質剤およびTeOガラス成形剤を使用して配合された。 3種類の例示的なガラス試料のラマンスペクトルグラフであり、275cm−1および735cm−1のバンドは、BaO濃度が増加するにつれて3および3+1配位Teの量が増加することを示している。
上述の図に記載された実施例は、本発明の範囲を限定することを意図しない。
前述したように、ガラスは均一な非晶質固体材料である。非晶質であることから、ガラスは、化学的に類似した結晶格子に見られるものと類似して、変形した、不規則に相互接続した構造的配置として現れる短距離秩序を有する。この結果、より長い長さスケールにおいて、ガラスは等方性の固体、特に光学的に等方性の固体である。
等方性固体において、誘電テンソルの3つの主値はすべて等しい。しかし、ガラスおよびプラスチック等の多くの光学的に等方性の固体が異方性応力に曝された場合、誘電性の主値の等価性が失われ得るため、材料の誘電性および屈折率が方向的に変化する。誘電テンソル効果が、ガラスまたは水晶等の材料中の平面方向で異なる場合は、その平面方向における屈折率iに従い、光が材料中を通過するときに、その配向の一部が異なる偏光性を有するようになるように観察される。この効果は、二重屈折または複屈折と称される。したがって、複屈折は、複屈折材料を通過する光線が2つの屈折率を経験し、それにより常光線(異方性の方向に対し垂直な偏光)および異常光線(異方性の方向に対し平行な偏光)に分解するような特性である。
光弾性材料は、異方性応力の付加に対し追加的な複屈折を示す。したがって、光学的に等方性の材料において、光弾性は、異方性応力が付加されると複屈折が誘引される場合に観察される光学特性である。光弾性材料において、材料中の各点での屈折率の大きさは、その点での応力の状態に直接関連する。
複屈折は、異なる偏光に対し、2つの異なる屈折率を材料に割り当てることにより形式化することができる。したがって、屈折の大きさΔnは、
Δn=n−n (1)
で定義され、式中、nおよびnは、それぞれ、異方性応力が付加される軸に垂直および平行な偏光に対する屈折率である。複屈折はまた、誘電材料ではなく磁性材料においても生じ得るが、光周波数では、材料の透磁率の大幅な変動は稀である。
さらに、応力下の材料中の複屈折、ひいては光弾性効果の程度は、付加される応力負荷に依存する。この依存性は、応力光学係数Cにより定義され、
δ=Clσ (2)
式中、δは、応力方向に沿った光偏光の光路長差であり、lは試料の厚さであり、σは付加される一軸応力である。標準的ガラスに対する典型的なCの値は、1〜10ブリュースター(10−12Pa−1)程度であるが、これはガラス中の添加物(ガラス改質剤等)の存在により変動し得る。応力光学係数Cは、屈折率の変化が応力方向において最大であり直交方向において小さい場合に正となる。変化が直交方向において最大であり応力方向において小さい場合には、応力光学係数は負となり、屈折率の変化が応力方向と直交方向とで等しい場合、Cはゼロとなる。
したがって、上記方程式(2)で説明される応力と光路差の関係により、試料中の高応力部分は、高い複屈折度、または比較的大きなCの大きさが観察されることにより特定することができる。
理論に束縛されることを望まないが、光弾性現象は、応力下での電子密度分布および光の電場に対する電子の応答における異方性によりもたらされると理論付けられている。この光弾性は、ガラスを透過した光に対して、常光線および異常光線による光路差が認められる場合に観察され得る。
前述したように、多くのガラスに対する異方性応力の付加は、光学的な対称性を乱す。光学ガラスは、より低いかまたはゼロに近い光弾性応答(C≒0)を有するガラスを提供するために十分な濃度で、酸化鉛(II)または近い関係にある他のpブロック金属酸化物等のガラス添加物を組み込むことができる。例えば、ガラス中の酸化鉛(II)含有量を50モルパーセントより高く増加させると、応力に対し負の光応答がもたらされ、これは、付加される応力の実際の方向におけるものよりも、付加される応力に対し垂直な方向における材料の光応答に、より大きな変化があったことを示唆している。ガラス中の鉛の量が50モルパーセントの指標まで増加するにつれ、鉛は、6〜8から3〜4の配位に変化し、これはPbOの化学配位が応力応答に対する効果を有することを示している。これらの鉛ガラスは望ましい光学品質を有し、異方性応力に曝されても実質的に光学的等方性を維持するため、光学システムにおいて有用である。
I.定義
本明細書で使用される場合、「ガラス成形剤」または「成形剤」は、ガラス中の成分として有用な酸化物化合物を指す。本発明のガラス成形剤は、0.5以上、0.5、または0.5未満の商d/NCfを有する。例示的なガラス成形剤には、SiO、P、B、TeO、およびGeOが含まれる。
本明細書で使用される場合、「ガラス改質剤」または「改質剤」は、ガラスシステムにおける成分として有用な酸化物化合物であり、十分な濃度でガラス成形剤と組み合わされると、僅かに正の応力光学係数、ゼロの応力光学係数、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスを形成する。ある場合には、ガラス成形剤は、応力方向に沿った光偏光の光路長差を減少させる。ガラス成形剤へのガラス改質剤の添加は、生成されたガラスにおける応力光学係数を減少させ、ガラス中に存在するガラス改質剤の濃度およびガラス成形剤の濃度に依存して、僅かに正の応力光学係数、約ゼロの応力光学係数、または僅かに負の応力光学係数を与えることができる。本発明のガラス改質剤は、0.5以上、0.5、または0.5未満の商d/NCmを有する。例示的なガラス改質剤には、SnO、Sb、As、Bi、TlO、HgO、BaO、Al、SrO、およびLaが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「無鉛」は、ガラス製品、配合、またはシステム中に鉛が存在しないことを指す。無鉛であるガラスは微量の鉛または鉛化合物(例えば、約0.5wt%未満、約0.1wt%未満、または約0.01wt%未満の鉛または鉛化合物)しか含まない。
本明細書で使用される場合、「ガラス構成物質」は、上述のガラス改質剤またはガラス成形剤を指す。
本明細書で使用される場合、「光弾性」は、異方性応力が付加されると等方性物質が複屈折性となる場合に観察される光学特性である。
本明細書で使用される場合、「複屈折」、または「二重屈折」、または「二重屈折性」は、方解石結晶等の材料中を光線が透過するときに、光の偏光性に依存して2種類の光線(常光線および異常光線)に分解することを指す。
本明細書で使用される場合、「応力光学係数」は、応力下の材料中の光学弾性効果の、付加される応力負荷に対する依存性の定量化である。この依存性は、応力光学係数Cにより定義され、
C=δ/lσ (3)
式中、δは、応力方向に垂直な光偏光と比較した、応力方向に沿った光偏光の光路長差であり、lは試料の厚さであり、σは付加される一軸応力である。
本明細書において使用される場合、「常光線」は、異方性の方向に垂直な方向に偏光した光線である。
本明細書において使用される場合、「異常光線」は、異方性の方向に平行な方向に偏光した光線である。
本明細書で使用される場合、「等方性」または「等方性の」は、方向に依存しないという性質である。
本明細書で使用される場合、「光学的等方性」または「光学的に等方性の」は、あらゆる方向において同じ光学特性を有するという性質である。したがって、光学的に等方性の材料において、誘電テンソルの3つの主値はすべて等しい。
本明細書で使用される場合、「異方性」または「異方性の」は、方向依存性であるという性質である。
本明細書で使用される場合、「光学的異方性」または「光学的に異方性の」は、方向依存性の光学特性の性質である。したがって、光学的に異方性の材料においては、誘電性の主値の等価性が失われ、したがって材料の誘電性および屈折率が方向的に変化する。
本明細書で使用される場合、「応力」は、付加される負荷と釣り合い反応する物体内での、単位面積あたりの力の内部分布の尺度である。応力はテンソル量である。応力は、単一方向の負荷によりもたらされ、負荷を断面積で割ったものであり、
σ=F/A (4)
式中、σは応力(単位:Pa)であり、Fは1次元物体に付加される負荷(力、単位:ニュートン)であり、Aは、物体の断面積(単位:平方メートル)である。この表現は、材料の変形および破壊に影響する基本特性が、応力、つまり、付加される面積で割った力であることを示唆している。この応力の定義、σ=F/Aは、工学応力と称される場合があり、一次元的に負荷を受ける材料の強度の評価に使用される。しかし、ポアソン比は、付加されたいかなる歪みでも面積Aの変化を生じさせることを明示している。工学応力は、この面積の変化を無視している。
本明細書で使用される場合、「歪み」は、物体に対する応力の作用によりもたらされる変形の幾何学的表現である。歪みにより物体が変形した場合、線の長さの変化を計算することにより、または2本の線が成す角度の変化により(これらの線が変形した物体内の理論的構成物である場合)、その変形を測定することができる。線の長さの変化は、伸縮、絶対歪み、または伸長と呼ばれ、δΘと表記することができる。すると(相対)歪みεは、
ε=δΘ/Θ (5)
により与えられ、式中、Θは、材料の元の長さである。伸長(δΘ)は、(引張時に)材料の長さが増えた場合は正、(圧縮時に)長さが短くなった場合は負となる。Θは常に正であるため、歪みの符号は常に伸長の符号と同じである。式中、長さの単位が打ち消されるため、歪みは測定単位を有さない。メートル(複数を含む)またはインチ(複数を含む)の次元が便宜上使用される場合があるが、一般に単位は切り捨てられ、歪みは時にパーセントで示される。
本明細書で使用される場合、「可視波長」は、人間の目に見える電磁スペクトル部分の範囲に含まれる電磁放射線の波長である。可視波長を説明する数値的に厳密な量的境界はないが、典型的な人間の目は400nmから700nmの波長に応答し、中には380nmから780nmの波長を感じることができる者もいる。
本明細書で使用される場合、「配位数」または「N」は、特定の原子の周りの最も近い隣接原子の数である。
本明細書で使用される場合、「結合距離」または「d」は、分子または結晶中の2原子からの距離である。
本明細書で使用される場合、「酸化物型ガラス」は、酸化物化合物(例えば、SnO、HgO等の一酸化物、SiO、TeO等の二酸化物、Sb、B等の三酸化物化合物、およびP等の他の酸化物)から選択される成分を含むガラスを指す。
本明細書で使用される場合、「ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスに」という語句は、ガラスが可視光を伝導しているときに、異方性応力下の前記ガラスにより生成される複屈折が実質的にないことにより特徴付けられる光応答を指す。異方性応力下のガラスにおけるこの光応答は、応力下のガラスに存在する僅かに正、ゼロ、または僅かに負の応力光学係数によりさらに特徴付けることができる。例えば、応力下のガラスにおける光学的に等方性の応答は、約+1.0ブリュースターから約−1.5ブリュースター(例えば、約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースター)の応力光学係数を有するガラスにより特徴付けられる。
II.方法および前記方法から生成されるガラス
A.方法
本発明は、ガラス成形剤およびガラス改質剤を提供するステップを含む、異方性応力に曝された場合により低い応力光学係数を有するガラスの配合方法を提供し、前記ガラス改質剤の濃度は、異方性応力がガラスに付加された場合の、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらす、すなわち、ガラスが僅かに正、ゼロ、または僅かに負の応力光学係数を有するために十分である。
ゼロまたはゼロに近い応力光学係数を有する酸化物型ガラスの配合は、新規なモデルを使用して近似することができる。ガラス構成物質の非酸素原子のそれぞれが静的な配位数を有する、構成物質を有するガラスにおいては、非酸素原子の配位数で割った結合距離の加重平均の合計は、各ガラス構成物質について0.5に等しい。この関係は、数学的には、
Σ[x×(d/NCn)]=0.5 (6)
として説明され、式中、xは、個々のガラス構成物質(ガラス成形剤またはガラス改質剤等)のモルパーセントの濃度であり、dは、個々のガラス構成物質の非酸素原子および酸素原子からの、オングストロームで測定される結合距離であり、NCnは、個々のガラス構成物質中の非酸素原子の配位数である。各ガラス構成物質に対する濃度xと商(d/NCn)の積を合計し、ガラスが異方性応力に曝された場合でも、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を有するガラスとなるガラス配合を生成するためには、合計が0.5に等しくなければならない。
例えば、2構成物質または多構成物質ガラス配合では、方程式(6)の表現は、
Σ([xfn×(dfn/NCfn)]+[xmn×(dmn/NCmn)])=0.5 (7)
となり、式中、([xfn×(dfn/NCfn]の項は、各ガラス成形剤の濃度xfn(モルパーセント単位)とそれぞれの商(dfn/NCfn)の積であり、dfnはそれぞれのガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、[xmn×(dmn/NCmn)])の項は、各ガラス改質剤の濃度xmn(モルパーセント単位)とそれぞれの商(dmn/NCmn)の積であり、dfnは、それぞれのガラス改質剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス改質剤中の非酸素原子の配位数である。
2構成物質ガラス配合では、方程式(6)の表現は、
[x×(d/NCf)]+[x×(d/NCm)]=0.5 (8)
となり、式中、xは、ガラス成形剤の濃度(モルパーセント単位)であり、dは、ガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfは、ガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xは、ガラス改質剤の濃度(モルパーセント単位)であってx=(1−x)であり、dは、改質剤を構成する酸化物化合物中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCmは、改質剤中の非酸素原子の配位数である。
しかし、ガラス構成物質の配位数が他のガラス構成物質の組成に依存する場合、つまり「動的な配位数」と称される条件では、方程式(7)および(8)の表現はそれに応じて修正される。
1種類または複数種類のガラス成形剤が動的な配位数を有する、すなわちガラス成形剤の配位数が減少または増加するガラスにおいては、そのガラス成形剤に対する方程式(6)における商d/NCnは、
(d/NCf=[d/(NCf°+β)] (9)
であり、式中、βは、ガラス改質剤の添加による配位数の変化率であり、(d/NCf°)は、純粋なガラス成形剤における値である。例えば、β項は、ボレートおよびゲルマネートの場合は正、テルライトの場合は負であり、これは、ボレートおよびゲルマネートの配位数は、ガラス改質剤の濃度が増加するにつれて増加し、テルライトの配位数は、ガラス改質剤の濃度が増加するにつれて減少することを意味する。
1種類または複数種類のガラス改質剤が動的な配位数を有する、すなわちガラス改質剤の配位数が減少または増加するガラスにおいては、そのガラス成形剤に対する方程式(6)における商d/NCnは、
(d/NCm=[d/(NCm°+β)] (10)
であり、式中、βは、ガラス成形剤の添加による配位数の変化率であり、(d/NCm°)は、純粋なガラス改質剤における値である。
したがって、1種類または複数種類のガラス構成物質が動的な配位数を有し、1種類または複数種類の構成物質が静的配位数を有する多構成物質ガラスにおいては、方程式(6)における表現は、
Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(xn2×(dn2/NCn2]=0.5 (11)
となり、式中、xn1は、静的な配位数を有する単一ガラス構成物質のモルパーセント単位の濃度であり、dn1は、ガラス構成物質中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCn1は、ガラス構成物質の配位数であり、xn2は、動的な配位数を有する単一ガラス構成物質のモルパーセント単位の濃度であり、(dn2/NCn2は[d/(NCc°+β)]であり、βは、他のガラス構成物質の添加による配位数の変化率であり、(d/NCc°)は、純粋なガラス構成物質の、結合距離dおよび配位数NCc°の商である。例えば、β項は、ボレートおよびゲルマネートの場合は正、テルライトの場合は負であり、これは、ボレートおよびゲルマネートの配位数は、ガラス改質剤の濃度が増加するにつれて増加し、テルライトの配位数は、ガラス改質剤の濃度が増加するにつれて減少することを意味する。
上記方程式(6)〜(11)で表現される関係は、僅かに正の応力光学係数、約ゼロの応力光学係数、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスの非実験的な(ab initio)ガラス配合を生成するために使用することができる。したがって、ガラスの光弾性を低減する、排除する、またはその他の様式で修正することができるいくつかのガラス改質剤は、0.50以上の商d/NCmを有し、他の改質剤は、0.5未満、すなわち0.5より僅かに小さい商d/NCm(例えば、約0.49から約0.40、約0.48から約0.42、または約0.48から約0.44)を有する。0.5未満の商d/NCmを有しているにもかかわらず、いくつかのガラス改質剤は、十分な濃度で存在する場合、ガラス成形剤の非酸素原子の配位数を減少させるよう作用し、異方性応力の存在下で僅かに正、ゼロ、または負の応力光学係数をガラスにもたらす。
上記の表現を使用して、本発明のガラスは、ガラス成形剤およびガラス改質剤と配合され、僅かに正の応力光学係数、約ゼロの応力光学係数、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスを生成することができる。
非実験的な(ab initio)ガラス配合を生成するために有用な結合距離および配位数を、方程式(6)〜(11)を使用して、以下の表1に示す。
上記方程式6および7で表現される関係は、僅かに正、約ゼロ、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスのための非実験的な(ab initio)ガラス配合を生成するために使用されたが、ガラス構成物質、すなわちガラス成形剤およびガラス改質剤は、静的、すなわち一定の配位数を有する。これらの計算に使用された結合距離および配位数を、以下の表1に記載する。図4に比較棒グラフを示す。表1に記載される結合距離および配位数は、結晶学的データを使用して経験的に決定されたものであることに留意されたい。
Figure 2009544561
多くの実施例において、本発明に有用なガラス改質剤は、少なくとも0.50の商d/NCm(図4ではd/Nと表現される)を有する。他の実施例において、ガラス改質剤は、0.50より大きい商d/NCm(例えば、約0.51より大きい、または約0.51から約0.57等)を有する。さらに他の実施例において、ガラス改質剤は、0.50未満の商d/NCm(例えば、約0.49から約0.40、約0.48から約0.42、または約0.48から約0.44等)を有するが、十分な量のある特定のガラス成形剤またはある特定の濃度の第2のガラス改質剤と組み合わされると、元のガラス改質剤の非酸素原子の配位数は減少し、約0.5または0.5より大きい商d/NCmを提供する。
例えば、ガラス構成物質のうちの1つの配位数が減少する2構成物質ガラスには、BaO−TeOガラスが含まれる。純粋なTeOガラスにおいて、Te原子は配位数4を有する。しかし、図6を参照すると、ガラス中のBaO濃度が増加するとTeの配位数は減少する。この配位数の減少は、ラマンスペクトルを用いて観察された。図6は、いくつかの例示的なガラス試料のラマンスペクトルを示し、275cm−1および735cm−1のバンドは、BaO濃度が増加するにつれて3および3+1配位Teの量が増加することを示している。
図1〜3および5を参照すると、0.50を超える静的または動的な商d/NCmを有するガラス改質剤は、僅かに正の応力光学係数、ゼロの応力光学係数、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスを配合するために、ある特定の濃度で、またある特定のガラス成形剤とともに使用することができる。ガラスの調製において1種類を超えるガラス改質剤または1種類を超えるガラス成形剤が使用される場合、必要とされるガラス改質剤のおおよその濃度は、加えられたガラス成形剤またはガラス改質剤の特性(例えば、配位数、結合長、またはその両方)、およびこれらの特性が方程式(6)で定義される配合にどのように影響するかに依存する。例えば、0.50未満の商d/NCnを有する追加のガラス構成物質が、約ゼロの応力光学係数を有するガラス配合に加えられる場合、調整された配合から生成されるガラスの応力光学係数をゼロに回復させるためには、より高い濃度の元のガラス改質剤が必要となる。0.50を超える商d/NCnを有する追加のガラス構成物質が、約ゼロの応力光学係数を有するガラスを生成するガラス配合に加えられる場合、調整された配合から生成されるガラスの応力光学係数をゼロに回復させるためには、より低い濃度の元のガラス改質剤が必要となる。
上記の表現を使用して、本発明のガラスは、ガラス成形剤およびガラス改質剤と配合され、僅かに正の応力光学係数、ゼロの応力光学係数、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスを生成することができる。
上記のモデルに従い、本発明の一態様は、少なくとも1種類のガラス成形剤を提供するステップと、少なくとも1種類のガラス改質剤を提供するステップと、を含む、無鉛ガラスの生成方法であって、前記ガラス改質剤および前記ガラス成形剤は、方程式:
Σ([xfn×(dfn/NCfn)]+[xmn×(dmn/NCmn)])=0.5
または、ガラス構成物質のうちの1種類または複数種類が動的な配位数を有する場合は、方程式:
Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(xn2×(dn2/NCn2)=0.5
(式中、xfn、dfn、NCfn、xfm、dfm、NCmn、xn1、dn1、NCn1、xn2、および(dn2/NCn2は上に定義される)に従って提供される、生成方法を提供する。一実施例において、ガラス改質剤は、SnO、Sb、As、HgO、Bi、TlO、Al、BaO、SrO、およびLaから選択される少なくとも1種類である。例えば、ガラス改質剤は、SnO、Sb、As、HgO、およびBaOから選択される少なくとも1種類である。他の例では、ガラス改質剤は、SnO、Sb、As、HgOから選択される少なくとも1種類である。いくつかの実施例において、ガラス成形剤は、SiO、P、B、TeO、およびGeOから選択される少なくとも1種類である。一実施例において、ガラス改質剤はSnOを含む。例えば、ガラスは、少なくとも約10モルパーセント(例えば、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、少なくとも約50モルパーセント、または少なくとも約60モルパーセント等)のSnOを含む。他の実施例において、ガラスは、約40モルパーセントから約50モルパーセント(例えば、約42モルパーセントから約46モルパーセント等)、または、約60モルパーセントから約70モルパーセント(例えば、約62モルパーセントから約68モルパーセント等)のSnOを含む。他の実施例において、ガラスは、約44モルパーセントのSnO、または約64モルパーセントのSnOを含む。
本発明の他の態様は、少なくとも1種類のガラス成形剤を提供するステップと、SnO、Sb、As、HgO、Bi、TlO、Al、BaO、SrO、およびLaから選択される少なくとも1種類のガラス改質剤(例えば、SnO、Sb、As、およびHgO等)を提供するステップと、を含む、無鉛ガラスの生成方法であって、前記ガラスは、ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む、すなわち、前記ガラスは、僅かに正、ゼロ、または僅かに負の応力光学係数をガラスに提供するために十分な濃度のガラス改質剤を含む、生成方法を提供する。いくつかの実施例において、ガラス成形剤は、SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの任意の組合せである。他の実施例において、ガラスは、約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースター(例えば、約+0.95ブリュースターから約−1.45ブリュースター、約+0.75ブリュースターから約−1.25ブリュースター、約+0.1ブリュースターから約−0.1ブリュースター、約+0.09ブリュースターから約−0.09ブリュースター、約+0.08ブリュースターから−0.08ブリュースター、約+0.07ブリュースターから−0.07ブリュースター、約+0.06ブリュースターから−0.06ブリュースター、または約+0.02ブリュースターから−0.02ブリュースター等)の応力光学係数をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤をさらに含む。例えば、ガラスは、約ゼロの応力光学係数をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む。一実施例において、ガラス改質剤はSnOを含む。例えば、ガラスは、少なくとも約10モルパーセント(例えば、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、少なくとも約50モルパーセント、または少なくとも約60モルパーセント等)のSnOを含む。他の実施例において、ガラスは、約40モルパーセントから約50モルパーセント(例えば、約42モルパーセントから約46モルパーセント等)、または、約60モルパーセントから約70モルパーセント(例えば、約62モルパーセントから約68モルパーセント等)のSnOを含む。他の実施例において、ガラスは、約44モルパーセントのSnO、または約64モルパーセントのSnOを含む。他の実施例において、ガラス成形剤は、SiO、P、B、TeO、またはそれらの任意の組合せを含む。
他の方法において、ガラス改質剤はSbを含む。例えば、ガラス改質剤はSbを含み、得られるガラスは、少なくとも約10モルパーセントのSb(例えば、少なくとも約20モルパーセントのSb、または少なくとも約30モルパーセントのSb等)をさらに含む。一実施例において、ガラス改質剤はSbを含み、ガラスは、約30モルパーセントから約40モルパーセントのSbをさらに含む。例えば、ガラス改質剤はSbを含み、得られるガラスは、約36モルパーセントのSbをさらに含む。
他の方法において、ガラス改質剤はAsを含む。例えば、ガラス改質剤はAsを含み、得られるガラスは、少なくとも約20モルパーセントのAsをさらに含む。ある場合には、ガラス改質剤はAsを含み、得られるガラスは、少なくとも約30モルパーセントのAsをさらに含む。他の場合において、ガラス改質剤はAsを含み、得られるガラスは、約50モルパーセントから約60モルパーセントのAsをさらに含む。ある実施例では、ガラス改質剤はAsを含み、得られるガラスは、約54モルパーセントのAsをさらに含む。
他の方法において、ガラス改質剤はHgOを含む。ある実施例において、ガラス改質剤はHgOを含み、得られるガラスは、少なくとも約5モルパーセントのHgOをさらに含む。例えば、ガラス改質剤はHgOを含み、得られるガラスは、約10モルパーセントから約20モルパーセントのHgOをさらに含む。他の場合において、ガラス改質剤はHgOを含み、得られるガラスは、約15モルパーセントのHgOを含む。
上記の方法は、本発明の新規なガラスを配合し生成するために使用することができる。これらのガラスのいくつかを以下で説明する。
B.ガラス
本発明の他の態様は、SnO、Sb、As、HgO、Bi、TlO、Al、BaO、SrO、およびLaから選択されるガラス改質剤(例えば、SnO、Sb、As、HgO、およびBaO、または、SnO、Sb、As、およびHgO等)と、ガラス成形剤と、を含むガラスであって、ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含むガラス、すなわち、僅かに正、ゼロ、または僅かに負の応力光学係数をガラスに提供するために十分な濃度のガラス改質剤を含むガラスを提供する。いくつかの実施例において、ガラス成形剤は、SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの任意の組合せである。他の実施例において、ガラスは、約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースター(例えば、約+0.95ブリュースターから約−1.45ブリュースター、約+0.75ブリュースターから約−1.25ブリュースター、約+0.1ブリュースターから約−0.1ブリュースター、約+0.09ブリュースターから約−0.09ブリュースター、約+0.08ブリュースターから−0.08ブリュースター、約+0.07ブリュースターから−0.07ブリュースター、約+0.06ブリュースターから−0.06ブリュースター、または約+0.02ブリュースターから−0.02ブリュースター等)の応力光学係数をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤をさらに含む。例えば、ガラスは、約ゼロの応力光学係数をガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む。
一実施形態において、ガラスは、SnO、Sb、As、Bi、TlO、およびHgOから選択される少なくとも1種類のガラス改質剤を含む。他の実施形態において、光学ガラスは、SnO、Sb、As、Bi、TlO、またはHgOの混合物であるガラス改質剤を含み、各構成物質のモルパーセントは、Bi:SnO:As:Sb:TlO:HgOの比である1:1:0.8:0.6:0.3:0.2の比にほぼ従う。
一実施例において、ガラス改質剤はSnOを含む。例えば、ガラスは、少なくとも約10モルパーセント(例えば、少なくとも約20モルパーセント、少なくとも約25モルパーセント、少なくとも約30モルパーセント、少なくとも約35モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、少なくとも約50モルパーセント、または少なくとも約60モルパーセント等)のSnOを含む。他の実施例において、ガラスは、約40モルパーセントから約50モルパーセント(例えば、約42モルパーセントから約46モルパーセント等)、または、約60モルパーセントから約70モルパーセント(例えば、約62モルパーセントから約68モルパーセント等)のSnOを含む。他の実施例において、ガラスは、約44モルパーセントのSnO、または約64モルパーセントのSnOを含む。他の実施例において、ガラス成形剤は、SiO、P、B、およびTeOから選択される少なくとも1種類を含む。
いくつかの実施形態において、ガラスは、Sbから選択されるガラス改質剤を含む。他の実施形態において、ガラスは、少なくとも約10モルパーセント(例えば、少なくとも約15モルパーセント、少なくとも約20モルパーセント、または少なくとも約25モルパーセント等)のSbを有する。他の例示的なガラスは、少なくとも約30モルパーセント(例えば、少なくとも約32モルパーセント、または少なくとも約34モルパーセント等)のSbを有する。
いくつかの実施形態において、ガラスは、Asから選択されるガラス改質剤を含む。他の実施形態において、ガラスは、少なくとも約20モルパーセント(例えば、少なくとも約22モルパーセント、少なくとも約25モルパーセント、または少なくとも約27モルパーセント等)のAsを有する。他の例示的なガラスは、少なくとも約30モルパーセント(例えば、少なくとも約35モルパーセント、少なくとも約40モルパーセント、または少なくとも約45モルパーセント等)のAsを有する。
いくつかの実施形態において、ガラスは、HgOから選択されるガラス改質剤を含む。他の実施形態において、ガラスは、少なくとも約5モルパーセント(例えば、少なくとも約6モルパーセント、少なくとも約7モルパーセント、または少なくとも約8モルパーセント等)のHgOを有する。
いくつかの実施形態において、ガラスは、Biから選択されるガラス改質剤を含む。他の実施形態において、ガラスは、少なくとも約35モルパーセント(例えば、少なくとも約40モルパーセント、少なくとも約42モルパーセント、または少なくとも約45モルパーセント等)のBiを有する。
いくつかの実施形態において、ガラスは、TlOから選択されるガラス改質剤を含む。他の実施形態において、ガラスは、少なくとも約10モルパーセント(例えば、少なくとも約15モルパーセント、少なくとも約20モルパーセント、または少なくとも約25モルパーセント等)のTlOを有する。
一実施例は、SnOから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約60モルパーセントから約70モルパーセント(例えば、約61モルパーセントから約69モルパーセント、約62モルパーセントから約68モルパーセント、または約63モルパーセントから約67モルパーセント等)のSnOを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、SnOから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約64モルパーセント(例えば、約63モルパーセント、または約65モルパーセント等)のSnOを含む。
他の実施例は、Sbから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約30モルパーセントから約40モルパーセント(例えば、約31モルパーセントから約39モルパーセント、約32モルパーセントから約38モルパーセント、または約33モルパーセントから約37モルパーセント等)のSbを含むガラスを提供する。さらなる実施例において、ガラスは、Sbから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約36モルパーセント(例えば、約34モルパーセント、または約37モルパーセント等)のSbを含む。
他の実施例は、Asから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約50モルパーセントから約60モルパーセント(例えば、約51モルパーセントから約59モルパーセント、約52モルパーセントから約58モルパーセント、または約53モルパーセントから約57モルパーセント等)のAsを含むガラスを提供する。さらなる実施例において、ガラスは、Asから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約54モルパーセント(例えば、約53モルパーセント、または約55モルパーセント等)のAsを含む。
他の実施例は、HgOから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約10モルパーセントから約20モルパーセント(例えば、約11モルパーセントから約19モルパーセント、約12モルパーセントから約18モルパーセント、または約13モルパーセントから約17モルパーセント等)のHgOを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、HgOから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約15モルパーセント(例えば、約14モルパーセント、または約16モルパーセント等)のHgOを含む。
他の実施例は、Biから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約60モルパーセントから約70モルパーセント(例えば、約61モルパーセントから約69モルパーセント、約62モルパーセントから約68モルパーセント、または約63モルパーセントから約67モルパーセント等)のBiを含むガラスを提供する。例えば、ガラスは、Biから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約66モルパーセント(例えば、約65モルパーセント、または約67モルパーセント等)のBiを含む。
他の実施例は、TlOから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約15モルパーセントから約30モルパーセント(例えば、約17モルパーセントから約28モルパーセント、約19モルパーセントから約26モルパーセント、または約20モルパーセントから約24モルパーセント等)のTlOを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、TlOから選択されるガラス改質剤と、SiO、P、またはそれらの組合せから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約22モルパーセント(例えば、約21モルパーセント、または約23モルパーセント等)のTlOを含む。
一実施例は、SnOから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約40モルパーセントから約50モルパーセント(例えば、約41モルパーセントから約49モルパーセント、約42モルパーセントから約48モルパーセント、または約43モルパーセントから約47モルパーセント等)のSnOを含むガラスを提供する。例えば、ガラスは、SnOから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約44モルパーセント(例えば、約43モルパーセント、または約45モルパーセント等)のSnOを含む。
他の実施例は、Sbから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約15モルパーセントから約25モルパーセント(例えば、約16モルパーセントから約24モルパーセント、約17モルパーセントから約23モルパーセント、または約18モルパーセントから約22モルパーセント等)のSbを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、Sbから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約36モルパーセント(例えば、約34モルパーセント、または約37モルパーセント等)のSbを含む。
他の実施例は、Asから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約30モルパーセントから約40モルパーセント(例えば、約31モルパーセントから約39モルパーセント、約32モルパーセントから約38モルパーセント、または約33モルパーセントから約37モルパーセント等)のAsを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、Asから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約34モルパーセント(例えば、約33モルパーセント、または約35モルパーセント等)のAsを含む。
他の実施例は、HgOから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約5モルパーセントから約10モルパーセント(例えば、約6モルパーセントから約9モルパーセント等)のHgOを含むガラスを提供する。さらなる実施例において、ガラスは、HgOから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約8モルパーセント(例えば、約14モルパーセント、または約16モルパーセント等)のHgOを含む。
他の実施例は、Biから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約40モルパーセントから約50モルパーセント(例えば、約41モルパーセントから約49モルパーセント、または約42モルパーセントから約48モルパーセント等)のBiを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、Biから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約47モルパーセント(例えば、約46モルパーセント、または約48モルパーセント等)のBiを含む。
他の実施例は、TlOから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含むガラスであって、約5モルパーセントから約20モルパーセント(例えば、約6モルパーセントから約19モルパーセント、約7モルパーセントから約18モルパーセント、または約8モルパーセントから約17モルパーセント等)のTlOを含むガラスを提供する。他の実施例において、ガラスは、TlOから選択されるガラス改質剤と、Bから選択されるガラス成形剤とを含み、前記ガラスは、約12モルパーセント(例えば、約11モルパーセント、または約13モルパーセント等)のTlOを含む。
本発明の他の態様は、より低い応力光学係数を有する多成分ガラスシステムを提供する。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラス成形剤およびガラス改質剤を含み、前記ガラス改質剤は、より低い応力光学係数をガラスに提供するために十分な濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ガラス成形剤はTeOである。他の実施形態において、ガラス改質剤は、BaO、Al、SrO、およびLaから選択される少なくとも1種類である。
一実施形態において、ガラスは、TeO、BaO、およびAlを含み、BaOおよびAlは、より低い応力光学係数をガラスシステムに提供するために十分な濃度で存在する。例えば、ガラスは、TeO、BaO、およびAlを含み、BaOおよびAlは、約+0.55ブリュースターから−0.3ブリュースターの応力光学係数をガラスシステムに提供するために十分な濃度で存在する。他の実施形態において、ガラスは、約10モルパーセントから約19モルパーセントのBaO、例えば、約12モルパーセントから約18モルパーセント、または約15モルパーセントのBaOと、約1モルパーセントから約10モルパーセント、例えば、約3モルパーセントから約8モルパーセント、約4モルパーセントから約6モルパーセント、または約5モルパーセントのAlとを含む。
一実施形態において、ガラスは、80モルパーセントのTeOと、15モルパーセントのBaOと、5モルパーセントのAlとを含み、前記ガラスは、約−0.18ブリュースターの応力光学係数を有する。
III.実施例
下記表2〜5に記載される実施例は、ガラス構成物質が静的な配位数を有する例示的なガラスを説明している。
Figure 2009544561
Figure 2009544561
Figure 2009544561
実験誤差は±10%である。
他の実施例は、表3に示される組成を有するガラスを含む。
Figure 2009544561
上記表3に記載のガラスは、二酸化ケイ素(SiO)および酸化スズ(SnO)から合成した。被覆アルミナるつぼ内の試薬を、誘導炉内で、約1500℃で30分間、約0.5バールのアルゴン圧下で溶融した。次いで、炉を停止することにより液体をるつぼ内で室温まで冷却した。最後にるつぼを破壊して帯黄色のガラスを取り出した。冷却が緩やかであったため、偏光計によりガラス中に機械的残留応力は観察されなかった。したがって、試料を合成の最後にアニールする必要はなかった。光弾性係数の測定を行うために、ガラスを切断して約10×5×5mmの試料を得、2つの平行な側面を研磨した。光弾性係数は、偏光計(PS-100 Strainoptic)を使用したセナルモン法または1/4波長板補償法(例えば、H.G. Jerrard、「Opticalcompensators for measurement of elliptical polarization」、Journal of the OpticalSociety of America、1948年、38(1)、35〜59頁を参照)に従い測定した。使用した光源は、2つの8Wタングステンハロゲン球であった。応力軸が偏光子の軸に対し45°であるように試料を歪めた。PS−100偏光計において、板の進相軸が偏光子の軸と並ぶように、1/4波長板を試料および分析計から固定した。これらの条件下で、分析計をθ/2の角度だけ回転させることにより消光が得られたが、ここでθは、異常光線および常光線による位相差である。次いで、方程式δ=θλにより、組成に依存して0Paから約6×10〜13×10Paまでの範囲の付加応力に対し、波長λを565nmとして光路長差δを決定した。セナルモンまたは1/4波長板補償を使用して、応力光学係数を測定した。
他の実施例は、表4に示される組成を有するガラスを含む。
Figure 2009544561
上記表4に記載のガラスは、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)および酸化スズ(SnO)から合成した。アルミナるつぼ内の試薬を、マッフル炉内で、約1050℃で30分間、アルゴン下で溶融した。次いで、液体を室温で真鍮板に注ぐことによりガラスを得た。次いでそれらをマッフル炉内で約250℃で2時間アニールし、急冷中にもたらされる機械的残留応力を低減するために、室温まで徐々に冷却した(1℃/分)。光弾性係数の測定を行うために、ガラスを切断して約10×10×5mmの試料を得、2つの平行な側面を研磨した。セナルモンまたは1/4波長板補償を使用して、応力光学係数を測定した。
他の実施例は、表5に示される組成を有するガラスを含む。
Figure 2009544561
上記表5に記載のガラスは、無水酸化ホウ酸(B)および酸化アンチモン(Sb)から合成した。アルミナるつぼ内の試薬を、マッフル炉内で、約1100℃で15分間、空気中で溶融した。次いで、液体を室温で真鍮板に注ぐことによりガラスを得た。次いでそれらをマッフル炉内で約300℃で2時間アニールし、急冷中に誘引される機械的残留応力を低減するために、室温まで徐々に冷却した(1℃/分)。光弾性係数の測定を行うために、ガラスを切断して約10×10×5mmの試料を得、2つの平行な側面を研磨した。上述のように、セナルモンまたは1/4波長板補償を使用して、応力光学係数を測定した。
表3、4、および5に記載のガラスのそれぞれは、それらのガラス転移温度に近い温度で2時間アニールしてから、徐々に室温まで冷却した(1℃/分)。各試料を切断および研磨して約10×10×5mmの長方形を形成した。アルミニウム製の装置を使用して、各ガラスに対し一軸圧縮応力下で応力光学係数を測定した。上述のように応力光学係数を決定した。ロードセル(3190-101、Lebow)を使用して付加応力を制御し、誘引された複屈折を、偏光計(PS-100 Strainoptic)を使用して測定した。
表6に記載の実施例は、ガラス構成物質の少なくとも1つが動的な配位数を有する例示的なガラスである。
Figure 2009544561
上記表6に記載のガラスは、試薬用BaCOおよびTeOから合成した。白金るつぼ内でTeOを800℃で15分間溶融し、真鍮板から急冷することにより、ガラス状TeOを調製した。試薬用BaCOおよびTeOから、亜テルル酸バリウムガラスを合成した。試薬を800℃で30分間溶融し、次いで200℃に加熱された真鍮型内で急冷した。ガラスを速やかに290℃で4時間アニールした。光弾性係数の測定を行うために、ガラスを切断して約10×5×5mmの試料を得、2つの平行な側面を研磨した。
光弾性係数は、偏光計(PS-100 Strainoptic)を使用してセナルモン法または1/4波長板補償法(H.G.Jerrard、「Optical compensators for measurement of elliptical polarization」、Journalof the Optical Society of America、1948年、38(1)、35〜59頁)に従い測定した。使用した光源は、2つの8Wタングステンハロゲン球であった。応力軸が偏光子の軸に対し45°であるように試料を歪めた。PS-100偏光計において、板の進相軸が偏光子の軸と並ぶように、1/4波長板を試料および分析計から固定した。これらの条件下で、分析計をθ/2の角度だけ回転させることにより消光が得られたが、ここでθは、異常光線および常光線による位相差である。次いで、方程式δ=θλにより、組成に依存して0Paから約6×10〜13×10Paまでの範囲の付加応力に対し、波長λを565nmとして光路長差δを決定した。セナルモンまたは1/4波長板補償を使用して、応力光学係数を測定した。
Bruker RFS100 FT-Raman機器で、Nd:YAGレーザを使用し235mWおよび波長1064nmでラマンスペクトルを収集した。信号平均化のために、典型的に500スキャンを収集した。そのようなスペクトルの1つを図6に示す。
また、本発明のガラスは、ガラスの透明度、耐久性、引っかき抵抗性、または耐薬品性の改善に役立つことができる追加の添加剤を含むことができる。一実施例において、本発明のガラスは、フッ化物をさらに含む。
また、本発明のガラスは、ガラスの表面上に少なくとも1つのフィルムまたは化学コーティングをさらに含むように、さらに処理され得る。
IV. 光学システム
本発明の他の態様は、ガラス素子を備える光学システムであって、前記ガラス素子は、ガラスが異方性応力に曝された場合に、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を有する、光学システムを提供する。本発明の光学システムに有用なそのようなガラス、および前記ガラスの作製方法は上述されている。
本発明の他の態様は、ガラス素子を備える光学システムであって、前記ガラス素子は、TeOと、異方性応力に曝された場合のより低い応力光学定数をガラスに提供するために十分な濃度のBaOとを含む、光学システムを提供する。
いくつかの実施例において、ガラス素子は、約+0.55ブリュースターから約−0.35ブリュースターの応力光学係数をガラスに提供するために十分な濃度のBaOを含む。他の実施形態において、ガラス素子は、約5モルパーセントから約25モルパーセント(例えば、約8モルパーセントから約22モルパーセント、または約10モルパーセントから約20モルパーセント等)のBaOを含む。代替の実施形態において、ガラス素子は、約95モルパーセントから約75モルパーセント(例えば、約78モルパーセントから約92モルパーセント、または約80モルパーセントから約90モルパーセント等)のTeOを含む。他の実施形態において、ガラス素子は、TeOおよびBaOを含み、BaOの濃度は、約15モルパーセントを超え約20モルパーセント未満である。さらに他の実施形態において、ガラス素子は、下記の表8の配合のうちの1つに従い配合される。
Figure 2009544561
一実施形態において、ガラス素子は、TeOおよびBaOを含み、BaOは、ガラスが異方性応力に曝された場合の、可視波長においてより低い応力光学係数、例えば、約+0.65ブリュースターから−0.35ブリュースター(例えば、約+0.50ブリュースターから−0.50ブリュースター、または約+0.3ブリュースターから−0.3ブリュースター等)の応力光学係数をガラス素子に提供するために十分な濃度で存在する。
本発明の光学システムは、ガラスが異方性応力に曝された場合に、可視波長において光弾性および/もしくは複屈折を有さない(すなわちゼロの応力光学係数を有する)、または実質的に有さない光学素子を備えるため、有用である。
さらに、本発明の光学システムは、複数のガラス成形剤および/または複数のガラス改質剤を含むことができる光学素子を備える。例えば、光学素子は、ガラス成形剤としてTeOを、ガラス改質剤としてBaOを含み、またSnO、Sb、As、Bi、HgO、Al、またはそれらの混合物から選択される第2のガラス改質剤を含む。他の実施例において、光学素子は、ガラス成形剤としてTeOを、ガラス改質剤としてBaOを含み、またSiO、P、B、TeO、およびGeOから選択される第2のガラス成形剤を含む。
本発明の光学システムは、制限されることなく、ビデオモニタ(例えば、テレビ(背面投射型テレビ等)、デジタルプロジェクタ(反射型液晶、すなわちLCOS等)、コンピュータモニタ)、光源(例えば電球)、光学レンズ、窓、またはそれらの組合せを含む。
ある実施形態において、光学素子は、光ファイバ、ガラスレンズ、鏡、窓等の光学的シールド、光フィルタ、または表示画面を含む。
V.他の実施形態
本発明の特徴を、例示した実施形態のうちの1つに関してのみ説明したかもしれないが、そのような特徴は、所与の配合、方法、または装置について、他の実施形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わせることができる。上記から、本明細書に記載の独特なガラスの配合およびその操作はまた、本発明に従う方法を構成することも理解される。

Claims (72)

  1. 少なくとも1種類のガラス成形剤と、
    SnO、Sb、As、およびHgOから選択される少なくとも1種類のガラス改質剤と
    を含む無鉛ガラスであって、前記ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を前記ガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む、無鉛ガラス。
  2. 前記ガラス成形剤が、SiO、P、B、TeO、およびGeOから選択される少なくとも1種類である、請求項1に記載のガラス。
  3. 約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースターの応力光学係数を前記ガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤をさらに含む、請求項1または2に記載のガラス。
  4. 約ゼロの応力光学係数を前記ガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載のガラス。
  5. 前記ガラス改質剤がSnOを含む、請求項1から4のいずれかに記載のガラス。
  6. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが少なくとも約20モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載のガラス。
  7. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが少なくとも約40モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載のガラス。
  8. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが約60モルパーセントから約70モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載のガラス。
  9. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが約64モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載のガラス。
  10. 前記ガラス成形剤が、SiO、P、B、TeO、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1から9のいずれかに記載のガラス。
  11. 前記ガラス改質剤がSbを含む、請求項1から10のいずれかに記載のガラス。
  12. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが少なくとも約10モルパーセントのSbをさらに含む、請求項1から11のいずれかに記載のガラス。
  13. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが少なくとも約30モルパーセントのSbをさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載のガラス。
  14. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが約30モルパーセントから約40モルパーセントのSbをさらに含む、請求項1から13のいずれかに記載のガラス。
  15. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが約36モルパーセントのSbをさらに含む、請求項1から14のいずれかに記載のガラス。
  16. 前記ガラス改質剤がAsを含む、請求項1から15のいずれかに記載のガラス。
  17. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが少なくとも約20モルパーセントのAsをさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載のガラス。
  18. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが少なくとも約30モルパーセントのAsをさらに含む、請求項1から17のいずれかに記載のガラス。
  19. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが約50モルパーセントから約60モルパーセントのAsをさらに含む、請求項1から18のいずれかに記載のガラス。
  20. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが約54モルパーセントのAsをさらに含む、請求項1から19のいずれかに記載のガラス。
  21. 前記ガラス改質剤がHgOを含む、請求項1から20のいずれかに記載のガラス。
  22. 前記ガラス改質剤がHgOを含み、前記ガラスが少なくとも約5モルパーセントのHgOをさらに含む、請求項1から21のいずれかに記載のガラス。
  23. 前記ガラス改質剤がHgOを含み、前記ガラスが約10モルパーセントから約20モルパーセントのHgOをさらに含む、請求項1から22のいずれかに記載のガラス。
  24. 前記ガラス改質剤がHgOを含み、前記ガラスが約15モルパーセントのHgOを含む、請求項1から23のいずれかに記載のガラス。
  25. SiO、P、B、P、およびそれらの任意の組合せから選択されるガラス成形剤と、
    SnO、Sb、As、およびそれらの任意の組合せから選択されるガラス改質剤と
    から本質的に構成される無鉛ガラスであって、前記ガラス改質剤は、約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースターの応力光学係数を前記ガラスにもたらすために十分な濃度で存在する、無鉛ガラス。
  26. ガラス成形剤を提供するステップと
    SnO、Sb、As、HgO、およびそれらの任意の組合せから選択されるガラス改質剤を提供するステップと
    を含む、ガラスの生成方法であって、前記ガラスは、前記ガラスに付加される異方性応力の存在下での、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を前記ガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤を含む、ガラスの生成方法。
  27. 前記ガラス成形剤が、SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの任意の組合せである、請求項26に記載の方法。
  28. 約+1.0ブリュースター未満から約−1.5ブリュースターの応力光学係数を前記ガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤をさらに含む、請求項26または27に記載の方法。
  29. 約ゼロの応力光学係数を前記ガラスにもたらすために十分な濃度のガラス改質剤をさらに含む、請求項26から28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記ガラス改質剤および前記ガラス成形剤が、方程式:
    Σ([xfn×(dfn/NCfn)]+[xmn×(dmn/NCmn)])=0.5
    (式中、xfnは、単一ガラス成形剤の濃度であり、dfnは、それぞれのガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xmnは、単一ガラス改質剤の濃度であり、dmnは、それぞれのガラス改質剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCmnは、それぞれのガラス改質剤中の非酸素原子の配位数である)に従って提供され;または、
    ガラス成形剤が動的な配位数を有する場合は、方程式:
    Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(x×(d/NCf]=0.5
    (式中、xn1は、静的な配位数を有する単一ガラス構成物質の濃度であり、dn1は、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子の配位数であり、xは、動的な配位数を有する単一ガラス成形剤の濃度であり、(d/NCfは[d/(NCf°+β)](式中、βは、ガラス構成物質の添加による配位数の変化率であり、dは、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCf°は、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xは、ガラス構成物質の濃度である)である)に従って提供され;または、
    ガラス改質剤が動的な配位数を有する場合は、方程式:
    Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(x×(d/NCm]=0.5
    (式中、xn1は、静的な配位数を有する単一ガラス構成物質の濃度であり、dn1は、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子の配位数であり、xは、動的な配位数を有する単一ガラス改質剤の濃度であり、(d/NCmは[d/(NCf°+β)](式中、βは、ガラス構成物質の添加による配位数の変化率であり、dは、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCf°は、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xは、ガラス構成物質の濃度である)である)に従って提供される、請求項26から29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記ガラス改質剤がSnOを含む、請求項26から30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが少なくとも約20モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項26から31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが少なくとも約40モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項26から32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが約60モルパーセントから約70モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項26から33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記ガラス改質剤がSnOを含み、前記ガラスが約64モルパーセントのSnOをさらに含む、請求項26から34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記ガラス成形剤が、SiO、P、B、TeO、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項26から35のいずれかに記載の方法。
  37. 前記ガラス改質剤がSbを含む、請求項26から36のいずれかに記載の方法。
  38. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが少なくとも約10モルパーセントのSbをさらに含む、請求項26から37のいずれかに記載の方法。
  39. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが少なくとも約30モルパーセントのSbをさらに含む、請求項26から38のいずれかに記載の方法。
  40. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが約30モルパーセントから約40モルパーセントのSbをさらに含む、請求項26から39のいずれかに記載の方法。
  41. 前記ガラス改質剤がSbを含み、前記ガラスが約36モルパーセントのSbをさらに含む、請求項26から40のいずれかに記載の方法。
  42. 前記ガラス改質剤がAsを含む、請求項26から41のいずれかに記載の方法。
  43. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが少なくとも約20モルパーセントのAsをさらに含む、請求項26から42のいずれかに記載の方法。
  44. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが少なくとも約30モルパーセントのAsをさらに含む、請求項26から43のいずれかに記載の方法。
  45. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが約50モルパーセントから約60モルパーセントのAsをさらに含む、請求項26から44のいずれかに記載の方法。
  46. 前記ガラス改質剤がAsを含み、前記ガラスが約54モルパーセントのAsをさらに含む、請求項26から45のいずれかに記載の方法。
  47. 前記ガラス改質剤がHgOを含む、請求項26から46のいずれかに記載の方法。
  48. 前記ガラス改質剤がHgOを含み、前記ガラスが少なくとも約5モルパーセントのHgOをさらに含む、請求項26から47のいずれかに記載の方法。
  49. 前記ガラス改質剤がHgOを含み、前記ガラスが約10モルパーセントから約20モルパーセントのHgOをさらに含む、請求項26から48のいずれかに記載の方法。
  50. 前記ガラス改質剤がHgOを含み、前記ガラスが約15モルパーセントのHgOを含む、請求項26から49のいずれかに記載の方法。
  51. ガラスを備える光学素子を備える光学システムであって、前記ガラスは、TeOおよびBaOを含み、BaOの濃度は、異方性応力に曝された場合の、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を前記ガラスにもたらすために十分である、光学システム。
  52. 前記光学素子がガラスをさらに備え、前記ガラスが、TeOと、異方性応力に曝された場合の、可視波長において約+0.55ブリュースターから−0.35ブリュースターの光学的応力光学係数を素子中に生成するために十分な濃度のBaOとを含む、請求項51に記載の光学システム。
  53. 前記光学素子がガラスを備え、前記ガラスが、TeOと、約ゼロの光学的応力光学係数をガラス中に生成するために十分なモルパーセントのBaOとを含む、請求項51または52に記載の光学システム。
  54. 前記光学素子がガラスを備え、前記ガラスが、約10モルパーセントを超え約20モル%未満のBaOを含む、請求項51から53のいずれかに記載の光学システム。
  55. 前記光学素子がガラスを備え、前記ガラスが、約5モルパーセントから約25モルパーセントのBaOを含む、請求項51から54のいずれかに記載の光学システム。
  56. 前記光学素子がガラスを備え、前記ガラスが、SnO、Sb、As、Bi、HgO、Al、またはそれらの混合物から選択されるガラス改質剤を含む、請求項51から55のいずれかに記載の光学システム。
  57. 前記光学素子がガラスを備え、前記ガラスが、SiO、P、またはそれらの組合せを含むガラス成形剤を含む、請求項51から56のいずれかに記載の光学システム。
  58. 前記光学素子が、光ファイバ、レンズ、鏡、窓および/もしくはシールド、光フィルタ、または表示画面、ならびにそれらの組合せから選択される少なくとも1つである、請求項51から57のいずれかに記載の光学システム。
  59. 可視波長の光を放出することができる光源をさらに備える、請求項51から58のいずれかに記載の光学システム。
  60. テレビ、コンピュータモニタ、デジタルプロジェクタ、フロントガラス、顕微鏡、検出器、またはそれらの組合せをさらに備える、請求項51から59のいずれかに記載の光学システム。
  61. テレビ、ビデオモニタ、デジタルプロジェクタ、窓、または光学ガラスである、請求項51から60に記載の光学システム。
  62. 僅かに正、ゼロ、または僅かに負の応力光学係数を有するガラスの配合方法であって、
    ガラス成形剤およびガラス改質剤を提供するステップを含み、前記ガラス成形剤または前記ガラス改質剤は動的な配位数を有し、前記改質剤は、前記ガラスが異方性応力に曝された場合の、可視波長においてより低い応力光学係数を前記ガラスに提供する濃度で存在する、配合方法。
  63. 前記ガラス成形剤が動的な配位数を有し、十分な濃度のガラス改質剤と組み合わされた場合、前記配位数が低下する、請求項62に記載の方法。
  64. 前記ガラス成形剤がTeOである、請求項62または63に記載の方法。
  65. 前記ガラス改質剤がBaOである、請求項62から64のいずれかに記載の方法。
  66. 前記ガラス改質剤が、前記ガラスが異方性応力に曝された場合の、可視波長において約+0.55ブリュースターから約−0.35ブリュースターの応力光学係数を前記ガラスに提供する濃度で存在する、請求項62から65のいずれかに記載の方法。
  67. 前記ガラス改質剤が、約0ブリュースターの応力光学係数を前記ガラスに提供する濃度で存在する、請求項62から66のいずれかに記載の方法。
  68. 前記ガラス改質剤が、約10モルパーセントから約20モルパーセント未満の濃度で存在する、請求項62から67のいずれかに記載の方法。
  69. 前記ガラス改質剤が、約5モルパーセントから約25モルパーセントの濃度で存在する、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
  70. 異方性応力に曝された場合に、可視波長において実質的に光学的に等方性の応答を示すガラスの調製方法であって、
    15モル%を超え20モル%未満のBaOを提供するステップと、
    80モル%以上85モル%以下のTeOを提供するステップと
    を含む、調製方法。
  71. SnO、Sb、As、Bi、HgO、またはそれらの混合物から選択されるガラス改質剤を提供するステップと、
    SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの組合せのガラス基材を生成するために選択されるガラス成形剤を提供するステップと
    を含む、ガラスの生成方法であって、前記ガラス改質剤および前記ガラス成形剤は、方程式:
    Σ([xfn×(dfn/NCfn)]+[xmn×(dmn/NCmn)])=0.5
    (式中、xfnは、単一ガラス成形剤の濃度であり、dfnは、それぞれのガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xmnは、単一ガラス改質剤の濃度であり、dmnは、それぞれのガラス改質剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCmnは、それぞれのガラス改質剤中の非酸素原子の配位数である)に従って提供される濃度で提供され;または、
    ガラス成形剤が動的な配位数を有する場合は、方程式:
    Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(x×(d/NCf]=0.5
    (式中、xn1は、静的な配位数を有する単一ガラス構成物質の濃度であり、dn1は、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子の配位数であり、xは、動的な配位数を有する単一ガラス成形剤の濃度であり、(d/NCfは[d/(NCf°+β)](式中、βは、ガラス構成物質の添加による配位数の変化率であり、dは、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCf°は、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xは、ガラス構成物質の濃度である)である)に従って提供される濃度で提供され;または、
    ガラス改質剤が動的な配位数を有する場合は、方程式:
    Σ[(xn1×(dn1/NCn1))+(x×(d/NCm]=0.5
    (式中、xn1は、静的な配位数を有する単一ガラス構成物質の濃度であり、dn1は、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCfnは、それぞれのガラス構成物質中の非酸素原子の配位数であり、xは、動的な配位数を有する単一ガラス改質剤の濃度であり、(d/NCmは[d/(NCf°+β)](式中、βは、ガラス構成物質の添加による配位数の変化率であり、dは、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子および酸素原子からの結合距離であり、NCf°は、純粋なガラス成形剤中の非酸素原子の配位数であり、xは、ガラス構成物質の濃度である)である)に従って提供される濃度で提供される、生成方法。
  72. SnO、Sb、As、Bi、HgO、またはそれらの混合物から選択されるガラス改質剤を提供するステップであって、提供される前記ガラス改質剤のモルパーセントは、可視波長において約+0.5ブリュースターから−1.5ブリュースターの光学的応力光学係数を生成するために十分であるステップと、
    SiO、P、B、TeO、GeO、またはそれらの組合せのガラス基材を生成するために選択されるガラス成形剤を提供するステップと
    を含む、ガラスの調製方法。
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