JP2021006502A - 化学強化ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラスが割れたときにも細かく飛散せず、かつ従来より強度を高めることができる強化ガラスの提供。【解決手段】下式で求められるCT1とCT5が、CT5/CT1≦0.85を満たし、CT5が、CT5>−38.7×ln(t/1000)+48.2〔MPa〕を満たし、内部エネルギー密度rEが、rE≦23.3×t/1000+15〔kJ/m2〕を満たすことを特徴とする化学強化ガラス。CS:表面圧縮応力値〔MPa〕σ(x):深さ方向の位置xにおける圧縮応力値〔MPa〕DOL:圧縮応力深さ〔μm〕t:板厚〔μm〕【選択図】図12

Description

本発明は、化学強化ガラスに関する。
携帯電話やスマートフォン等の電子機器において、表示部や、筐体本体にガラスが用いられることが多く、そのガラスは強度を上げるために、ガラス表面にイオン交換による表面層を形成することにより強度を上げた、所謂化学強化ガラスが使用されている。表面層は、ガラス表面側に存在しイオン交換による屈折率分布が発生している層であり、少なくとも圧縮応力が発生している圧縮応力層を含み、ガラス内部側に該圧縮応力層に隣接して存在し引張応力が発生している引張応力層を含んでもよい。この化学強化ガラスの強度は、形成された表面層の応力値や表面圧縮応力層の深さなどにより決まっている。
ところで、化学強化ガラスは、近年、軽量化のためにガラスの厚みが薄くなっている。薄板化に伴いガラスの曲げ強度は低下するため、曲げ強度を上げるために表面応力値(CS値)をより高くする必要がある。しかしながら、薄板化と高CS化が進むとガラス内部の引張応力値(CT値)が大きくなり、十分な貫通力で衝突されたときに細かく飛散したり、CT値が更に大きくなるとガラス内部より破砕が起きたりするおそれがある。その破砕の危険を避けるために、通常CT値は、ガラスが割れたときに細かく飛散し始めるCT値以下に抑えられている。
特許文献1では、ガラス内部の引張応力CTを定義し、CT値をある数値範囲とすることで強化ガラスの強度を管理する方法が提案されている。この方法では、引張応力CT(単位:MPa)を下記の式(1)で計算している。ここで、CSは表面応力値(MPa)、DOLは圧縮応力層の深さ(単位:μm)、tは板厚(単位:μm)である。この式(1)は、ガラス内部の圧縮応力プロファイルの1次関数への近似(以下、三角形近似ともいう)が比較的許容できるような、所謂相補誤差関数プロファイルを有する化学強化ガラスにおいて検討された限界値である。
Figure 2021006502
特許文献1では式(1)によりCT値を求めた上で、非直線的限界中央張力CTlimitと呼ばれる厚さの関数を、『CTlimit=−38.7×ln(t/1000)+48.2』(式(2))と定義し、式(1)で定義されるCT値の上限として提案しており、許容できない脆弱性の始まりの臨界値としている。
また、特許文献2では、非誤差関数圧縮応力プロファイルによるイオン交換ガラスについて、ガラス内部の引張応力CTを式(1)とは異なる方法により定義し、CT値をある数値範囲とすることで強化ガラスの強度を管理する方法が提案されている。この方法では、総引張応力CT(単位:MPa)を『CT=(CS×DOL)/(t−2×DOL)+(CS×DOL)/(t−2×DOL)』(式(3))で計算している。ここで、CSはガラスの表面の下に位置された圧縮応力の極大である表面応力値(MPa)、CSは表面応力値(MPa)、DOLは圧縮応力層の深さ(単位:μm)、DOLはCSに対応する深さ(単位:μm)、tは板厚(単位:μm)である。その上で、脆性限界CTlimitと呼ばれる厚さの関数を、特許文献1におけるCTlimitと同様に『CTlimit=−36.7×ln(t/1000)+48.7』(式(4))と定義し、式(2)で計算されるCT値の上限として提案している。
日本国特表2011−530470号公報 国際公開第2013/130653号公報
しかしながら、従来のCT値の上限(例えば、特許文献1のCT値、または特許文献2のCTlimit値)は、三角形近似が比較的許容できる所謂相補誤差関数プロファイルを有する化学強化ガラスにおいて検討された限界値である。従来、CT値の上限が厚さt以外に依存するかどうかは十分な検討がなされていなかった。
本願の発明者らは、三角形近似が許容できないような応力プロファイルを有する種々の厚さtの化学強化ガラスについて、ガラスが割れたときに細かく飛散し始めるCT値(上限)を調べたところ、実際の上限は、従来上限と思われていた値とは大きく異なることを見出した。
さらに、本願の発明者らは鋭意検討の結果、CT値には板厚tに依存するような明確な上限がなく、新たに定義される内部エネルギー密度rE値にこそ、板厚tに依存する上限値が存在することを見出した。そして、どのような応力プロファイルを有する化学強化ガラスであっても、内部エネルギー密度rE値を板厚tで決まる数値範囲内に制御することで、化学強化ガラスの強度を管理できることを見出した。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、内部エネルギー密度rE値を制御することで、ガラスが割れたときにも細かく飛散せず、かつ従来より強度を高めることができる化学強化ガラスを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、化学強化ガラスであって、式(1)により求められるCTと式(5)により求められる内部引張応力CTが、CT/CT≦0.85を満たし、化学強化ガラスの板厚をt(μm)としたとき、前記内部引張応力CTが、CT>−38.7×ln(t/1000)+48.2〔MPa〕を満たし、式(6)により求められる内部エネルギー密度rEが、rE≦23.3×t/1000+15〔kJ/m〕を満たすことを特徴とする化学強化ガラスを提供する。
CS:化学強化ガラスの表面圧縮応力値〔MPa〕
σ(x):化学強化ガラスの深さ方向の位置xにおける圧縮応力値〔MPa〕
DOL:化学強化ガラスの圧縮応力深さ〔μm〕
t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
Figure 2021006502
Figure 2021006502
Figure 2021006502
開示の技術によれば、ガラスが割れたときにも細かく飛散せず、かつ従来より強度を高めることができる化学強化ガラスを提供できる。
図1は本実施の形態に係る化学強化ガラスの表面層の応力分布を例示する図である。 図2は本実施の形態に係る化学強化ガラスの表面応力測定装置を例示する図である。 図3はモードについて説明する図である。 図4は化学強化ガラスの表面層の屈折率分布を例示する図である。 図5は複数のモードが存在する場合の各モードの光線軌跡を説明した図である。 図6は複数のモードに対応する輝線列を例示する図である。 図7はガラス内部の光線軌跡を現した図である。 図8は本実施の形態に係る化学強化ガラスの応力測定方法を例示するフローチャートである。 図9は本実施の形態に係る化学強化ガラスの破砕数の観測方法を説明する図である。 図10は例1〜15の化学強化ガラスの板厚とCT値、CTlimit値の関係を説明する図である。 図11は例16〜24の化学強化ガラスの板厚とCT値、CTlimit値の関係を説明する図である。 図12は例1〜15の化学強化ガラスとrElimit値の関係を説明する図である。 図13は例16〜24の化学強化ガラスとrElimit値の関係を説明する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈化学強化ガラス〉
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、通常、板形状をしているが、平板でも曲げ加工を施したガラス板でもよい。本実施の形態に係る化学強化ガラスは、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法等、既知のガラス成形方法によって平板形状に成形されたガラス板であり、130dPa・s以上の液相粘度を有することが好ましい。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、タブレットPC、ノートPC、スマートフォン及び電子書籍リーダー等の情報機器に備えられたタッチパネルディスプレイのカバーガラス及びタッチセンサーガラス、液晶テレビ及びPCモニタ等のカバーガラス、自動車インパネ等のカバーガラス、太陽電池用カバーガラス、建材の内装材、並びにビルや住宅の窓に用いられる複層ガラス等に用いることができる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、既存の成形法で成形可能な寸法を有する。すなわち、フロート法で成形すれば、フロート成形幅の連続したリボン状のガラスが得られる。又、本実施の形態に係る化学強化ガラスは、最終的には使用目的に適した大きさに切断される。
すなわち、タブレットPC又はスマートフォン等のディスプレイの大きさであったり、太陽電池用カバーガラスであったり、それぞれの用途に応じた大きさとなる。本実施の形態に係る化学強化ガラスは、一般的には矩形に切断されているが、円形又は多角形等の他の形状でも問題なく、穴あけ加工を施したガラスも含まれる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスの板厚tは、軽量化に寄与するため1500μm以下であることが好ましい。板厚tは1000μm以下、700μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下であることがより好ましい。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、イオン交換処理によって表面に圧縮応力層を備える。化学強化ガラスの表面圧縮応力(CS)は600MPa以上であることが好ましく、700MPa以上、800MPa以上、850MPa以上、900MPa以上、950MPa以上、1000MPa以上、1050MPa以上、1100MPa以上、1150MPa以上、1200MPa以上、1300MPa以上、1400MPa以上、1500MPa以上であることがより好ましい。
又、化学強化ガラスの使用時に圧縮応力層の深さDOLの値を超える深さの傷がつくと化学強化ガラスの破壊につながるため、化学強化ガラスのDOLは深い方が好ましく、30μm以上であることが好ましく、40μm以上、50μm以上、55μm以上、60μm以上、65μm以上、70μm以上、75μm以上、80μm以上、85μm以上、90μm以上、95μm以上、100μm以上、110μm以上、120μm以上、130μm以上、140μm以上、150μm以上であることがより好ましい。
化学強化ガラスの内部引張応力CTの値を大きくすると、CSを大きく、DOLを深くできるため好ましい。換言すれば、CSまたはDOLを大きくしようとすると、必然的にCTも大きくなる。例えば、同様の応力プロファイルを有するガラスであれば、CSまたはDOLの値を10%大きくする(値を1.1倍にする)と、一般的にCTの値も約10%上がる。したがって、CTの値を大きくすることで、CSやDOLをより好ましい値に近付けることができる。
ここで、本実施の形態の化学強化ガラスの内部引張応力CTは、下記の式(5)により算出できる。ここで、tはガラスの板厚(μm)、DOLは圧縮応力層の深さ(μm)、σ(x)とは、図1に示した化学強化ガラスの深さ方向の位置xにおける圧縮応力値(MPa)、すなわち応力プロファイルである。以下、式(1)に基づいて算出したCT値と式(5)に基づいて算出したCT値を分けて説明する場合、それぞれCT値、CT値と呼ぶこととする。なお、化学強化ガラスの応力プロファイルの測定方法については後述する。
Figure 2021006502
この式(5)により求められるCT(CT値)は、例えば式(1)により求められるような従来のCTの近似値(CT値)とは大きく異なることがあり、特に三角形近似が許容できないような相補誤差関数プロファイルを有さない化学強化ガラスの場合、この差異は特に大きくなる。式(5)によれば、実際のCT値により近い値を求めることができる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスのCT値は、CSやDOLをより好ましい値に近付けるためにも、30MPa以上であることが好ましく、35MPa以上、40MPa以上、45MPa以上、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上であることがより好ましい。
また、従来の化学強化ガラス以上に好適にCSやDOLを高めるためにも、本実施の形態に係る化学強化ガラスのCT値は、式(2)により求められるCTlimit値より大きいこと。CTlimit値は、特許文献1に記載の通り、経験的に−38.7×ln(t/1000)+48.2[MPa]として定められる、従来の化学強化ガラスのCTの上限と考えられていた値である。ここで、tはガラスの板厚を表し、単位はμmである。この値は、三角形近似が比較的許容できる所謂相補誤差関数プロファイルを有する化学強化ガラスについて経験的に求められたものであり、本実施の形態の化学強化ガラスはこの上限を超えるCTを有する。CT値は、式(2)により求められるCTlimit値の1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.5倍以上、1.7倍以上、2.0倍以上、3.0倍以上であることがより好ましい。これにより、好適にCSやDOLを高めるために従来とは異なる材料設計が可能となる。
CTlimit値は、特許文献2に記載の式(4)により求めてもよい。式(4)によるCTlimit値は、経験的に−36.7×ln(t/1000)+48.7[MPa]として定められる。ここで、tはガラスの板厚を表し、単位はμmである。一般的な板厚tに対しては、式(2)と式(4)はほぼ同じ数値を出力する。
従来の化学強化ガラス以上に好適にCSやDOLを高めるためにも、本実施の形態に係る化学強化ガラスのCT値は、式(4)により求められるCTlimit値より大きいことが好ましい。CT値は、式(4)により求められるCTlimit値の1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.5倍以上、1.7倍以上、2.0倍以上、3.0倍以上であることがより好ましい。これにより、好適にCSやDOLを高めるために従来とは異なる材料設計が可能となる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、大きいCS値と深いDOL値を達成するために、応力プロファイルは図1のように大きく屈曲している。屈曲した応力プロファイルを有する化学強化ガラスの場合、一般的に、式(5)に基づくCT値は式(1)に基づくCT値より小さくなる。本実施の形態の化学強化ガラスのCT値とCT値の比CT/CTが小さいほど、CS値やDOL値をより好ましい値に近付けるのに有効であり、CT/CTを85%以下にすることが好ましく、より好ましくは70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下である。CT/CT値を上記範囲とすることで、CS値やDOL値をより好ましい値に近付けることができ、より好ましい化学強化ガラスを提供することができる。
又、本実施の形態に係る化学強化ガラスは、爆発的に粉々に割れるのを防ぐため、DOL値の半値の深さにおける圧縮応力値が、好ましくは表面応力値(CS値)の40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。
又、本実施の形態に係る化学強化ガラスは、表面応力値(CS値)の半値(HW)となる位置は8μm未満であることが好ましい。より好ましくは7μm以下、更に好ましくは6μm以下、最も好ましくは5μm以下である。表面応力値(CS値)の半値(HW)となる位置が8μm未満であることで、大きいCS値と深いDOL値を達成することができ、化学強化ガラスが破壊した時に、爆発的に粉々に割れるのを防ぐことができる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスの内部エネルギー密度rEは、式(6)により定義される。ここで、CTは式(5)により求められた内部引張応力(MPa)、DOLは圧縮応力層の深さ(μm)、tは板厚(μm)である。
Figure 2021006502
一般的に、ひずみによる内部エネルギーEは、(応力)×(ひずみ)/2×(荷重面積S)で求められるので、強化ガラスに展開すると、E=CT×(ひずみ)/2×(引張応力層厚み)で表わされる。ここで、ひずみは、板厚に反比例して引張応力層に比例するため、E∝CT×(引張応力層厚み)×(引張応力層厚み)/(板厚)と表現できる。ここで、次元を考慮しrE〔kJ/m〕=CT〔MPa〕×(引張応力層厚み)〔μm〕×(引張応力層厚み)〔μm〕/{(板厚)〔μm〕×1000}と定義すると、内部エネルギーと同様に取り扱うことができる。そこで、本明細書では、このrEを以後内部エネルギー密度と表現することとする。この内部エネルギー密度rEが高いと、クラック近傍で次々と新しいクラックを発生し、ガラスが粉々に破砕してしまう。
式(6)により求められる内部エネルギー密度rEは、rE≦23.3×t/1000+15〔kJ/m〕(式(7))を満たすことにより、ガラスが割れたときに細かく飛散しにくくなっている。ここで、式(7)の右辺は、本願の発明者らが鋭意検討の結果見出した、化学強化ガラスの内部エネルギー密度rE値の上限値である。どのような応力プロファイルを有する化学強化ガラスであっても、式(7)を満たす数値範囲内に内部エネルギー密度rEを制御することで、化学強化ガラスの強度を管理できる。式(7)の右辺の根拠については後述する。
(化学強化処理)
化学強化処理により、大きなイオン半径のアルカリ金属イオン(典型的には、Kイオン)を含むアルカリ金属塩(例えば、硝酸カリウム塩)の融液に浸漬等によって、ガラス基板を接触させることにより、ガラス基板中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、Naイオン)が大きなイオン半径の金属イオンと置換される。
化学強化処理は、例えば、350〜500℃の硝酸カリウム溶融塩中にガラス板を5分〜60時間浸漬することによって行うことができる。
イオン交換処理を行うための溶融塩としては、例えば、硝酸カリウム塩、硫酸カリウム塩、炭酸カリウム塩及び塩化カリウム塩等のアルカリ硝酸塩、アルカリ硫酸塩及びアルカリ塩化物塩等が挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。又、化学強化特性を調整するために、ナトリウム(Naイオン)やリチウム(Liイオン)を含む塩を混ぜてもよい。
本実施の形態に係る化学強化ガラスにおいて、化学強化処理の処理条件は、特に限定されず、ガラスの特性及び溶融塩等を考慮して最適な条件を選択できる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、例えば、以下の工程(1)〜(3)により製造される。以下、各工程について説明する。
(1)ガラスをイオン交換処理することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成する第1の化学強化工程
工程(1)は、化学強化処理に供するガラスをそのガラス中に含まれるアルカリ金属イオン(例えば、Naイオン)よりイオン半径の大きなアルカリ金属イオンを含む溶融塩(例えば、カリウム塩)とガラスの転移温度を超えない温度域で接触させて、ガラス中のアルカリ金属イオンとアルカリ金属塩のイオン半径の大きなアルカリ金属イオンとをイオン交換させ、アルカリ金属イオンの占有面積の差によりガラス表面に圧縮応力を発生させ圧縮応力層を形成する工程である。
工程(1)においてガラスとアルカリ金属イオンを含む溶融塩とを接触させる処理温度及び処理時間は、ガラス及び溶融塩の組成に応じて適宜調整する。溶融塩の加熱温度は、通常350℃以上が好ましく、370℃以上がより好ましい。又、通常500℃以下が好ましく、450℃以下がより好ましい。溶融塩の加熱温度を350℃以上とすることにより、イオン交換速度の低下により化学強化が入りにくくなるのを防ぐ。又、500℃以下とすることにより溶融塩の分解・劣化を抑制することができる。
工程(1)においてガラスを溶融塩に接触させる時間は、十分な圧縮応力を付与するためには、通常1時間以上が好ましく、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上がより好ましい。又、長時間のイオン交換では、生産性が落ちるとともに、緩和により圧縮応力値が低下するため、200時間以下が好ましく、150時間以下、100時間以下、90時間以下、80時間以下がより好ましい。
(2)ガラスを加熱処理する加熱工程
工程(2)は、工程(1)で得られたガラス表面に圧縮応力層を形成したガラスを加熱処理することにより、圧縮応力層に存在するより大きなアルカリ金属イオン、例えば、カリウムイオンをガラスの表面からガラス内部の方向に移動させることにより、圧縮応力層の最深部をガラス表面からガラス内部の方向に移動させる工程である。この工程は省略することもできる。
圧縮応力層の最深部がガラス表面からガラス内部の方向に移動することにより、ガラス表面の圧縮応力が低下するが、ガラス表面から好ましくは30μm以上の圧縮応力層が形成される。
ガラスを加熱処理する温度はガラス転移点より50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上低い温度とする。ガラス転移点より50℃以上低い温度でガラスを加熱処理することにより、ガラスの応力緩和を防ぐことができる。
ガラスを加熱処理する時間は、加熱処理温度により適宜調整することが好ましく、通常30分〜2000分であることが好ましく、30〜300分であることがより好ましい。
(3)ガラスをイオン交換処理することにより、ガラス表面の圧縮応力層を変化させる第2の化学強化工程
工程(3)は工程(2)で得られたガラスをイオン交換することにより、ガラス表面の圧縮応力層を変化させる工程である。工程(3)において再度イオン交換することにより、ガラス表面及びその内部の圧縮応力層を変化させることができる。工程(3)のイオン交換処理は工程(1)において上述したイオン交換処理と同様の方法により行ってもよいし、別の方法であってもよい。又、別の溶融塩を用いてもよい。
工程(3)においてガラスとアルカリ金属イオンを含む溶融塩とを接触させる処理温度及び処理時間は、ガラス及び溶融塩の組成に応じて適宜調整する。溶融塩の加熱温度は、通常350℃以上が好ましく、370℃以上がより好ましい。又、通常500℃以下が好ましく、450℃以下がより好ましい。溶融塩の加熱温度を350℃以上とすることにより、イオン交換速度の低下により化学強化が入りにくくなるのを防ぐ。又、500℃以下とすることにより溶融塩の分解・劣化を抑制することができる。
工程(3)においてガラスを溶融塩に接触させる時間は、十分な圧縮応力を付与するためには、通常5分以上が好ましく、6分以上、7分以上、8分以上、9分以上、10分以上がより好ましい。又、長時間のイオン交換では、生産性が落ちるとともに、緩和により圧縮応力値が低下するため、5時間以下が好ましく、3時間以下、2時間以下、1時間以下がより好ましい。
工程(1)〜(3)は、連続的な工程、例えばガラス板製造工程において連続的に移動するガラスリボンに対してオンラインで順次行ってもよいし、又は非連続的にオンラインで行ってもよい。又、作業効率の点からは工程(2)を省いた方が好ましい。
イオン交換処理を行うための溶融塩は、少なくともカリウムイオン含む処理塩を用いることが好ましい。このような処理塩としては、例えば、硝酸カリウムを50質量%以上含有する塩が好適に挙げられる。又、混合溶融塩には、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウム等のアルカリ硫酸塩、並びに塩化ナトリウム及び塩化カリウム等のアルカリ塩化塩等が挙げられる。
〈応力プロファイルの測定方法〉
上記の実施の形態に係る化学強化ガラスの応力プロファイルを測定するための装置および方法について詳説する。
図2は、応力プロファイルの測定装置を例示する図である。図2に示すように、表面応力測定装置1は、光源10と、光供給部材20と、光取出し部材30と、光変換部材40と、偏光部材50と、撮像素子60と、演算部70とを有する。
200は、被測定体となる化学強化ガラスである。化学強化ガラス200は、表面210側にイオン交換による屈折率分布を有する表面層を備えている。
光源10は、光供給部材20から化学強化ガラス200の表面層に光線Lを入射するように配置されている。光源10としては、Naランプを用い、波長は589.3nm(単波長)である。光源は、ガラスの種類や必要に応じて、水銀I線(波長365nm)やLEDとバンドパスフィルタとの組合せ光源を用いてもよい。
光供給部材20及び光取出し部材30は、被測定体である化学強化ガラス200の表面210に光学的に接触した状態で載置されている。光供給部材20は、光源10からの光を化学強化ガラス200に入射させる機能を備えている。光取出し部材30は、化学強化ガラス200の表面層を伝播した光を化学強化ガラス200の外に出射させる機能を備えている。
光供給部材20及び光取出し部材30には、光学ガラス製のプリズムを用いる。プリズムの傾斜角は60°で、プリズムの屈折率は1.72である。又、光供給部材20及び光取出し部材30を一体構造を用いる。又、安定に光学的な接触をさせるために、光供給部材20及び光取出し部材30と化学強化ガラス200の間に、屈折率1.64のマッチング液を充填する。なお、化学強化ガラス200の屈折率が1.64を超える場合、光供給部材20及び光取出し部材30の屈折率と化学強化ガラス200の屈折率の間の値となる屈折率の液体を用いる。その場合でも得られる応力分布の値に違いはない。
光取出し部材30から出射された光の方向には撮像素子60が配置されており、光取出し部材30と撮像素子60との間に、光変換部材40と偏光部材50が挿入されている。
光変換部材40は、光取出し部材30から出射された光線を輝線列に変換して撮像素子60上に集光する機能を備えている。光変換部材40としては、凸レンズを用いる。
偏光部材50は、化学強化ガラス200と光取出し部材30との境界面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分のうち一方を選択的に透過する機能を備えている光分離手段である。偏光部材50としては、P偏光とS偏光をそれぞれ撮像可能な二種類の偏光機能を有する偏光板を用いる。ここで、化学強化ガラス200と光取出し部材30との境界面に対して平行に振動する光成分はS偏光であり、垂直に振動する光成分はP偏光である。
なお、化学強化ガラス200と光取出し部材30との境界面は、光取出し部材30を介して化学強化ガラス200の外に出射した光の出射面と垂直である。そこで、光取出し部材30を介して化学強化ガラス200の外に出射した光の出射面に対して垂直に振動する光成分はS偏光であり、平行に振動する光成分はP偏光であると言い換えてもよい。
撮像素子60は、光取出し部材30から出射され、光変換部材40及び偏光部材50を経由して受光した光を電気信号に変換する機能を備えている。より詳しくは、撮像素子60は、受光した光を電気信号に変換し、画像を構成する複数の画素毎の輝度値を画像データとして、演算部70に出力する。撮像素子60は、CCD(Charge Coupled Device)素子を用いている。
演算部70は、撮像素子60から画像データを取り込み、画像処理や数値計算をする機能を備えている。演算部70は、CPU(Central Processing Unit)を含むように構成されるパーソナルコンピュータを用いている。
表面応力測定装置1では、光源10から光供給部材20を通して化学強化ガラス200の表面層に入射した光線Lは表面層内を伝播する。そして、光線Lが表面層内を伝播すると、光導波効果によりモードが発生し、幾つかの決まった経路を進んで光取出し部材30により、化学強化ガラス200の外へ取出される。
そして、光変換部材40及び偏光部材50により、撮像素子60上に、モード毎にP偏光及びS偏光の輝線となって結像される。撮像素子60上に発生したモードの数のP偏光及びS偏光の輝線の画像データは、演算部70へと送られる。演算部70では、撮像素子60から送られた画像データから、撮像素子60上のP偏光及びS偏光の輝線の位置を算出する。
このような構成により、表面応力測定装置1では、P偏光及びS偏光の輝線の位置に基づいて、化学強化ガラス200の表面層における表面から深さ方向の、P偏光及びS偏光の夫々の屈折率分布を算出する。算出したP偏光及びS偏光の夫々の屈折率分布の差と、化学強化ガラス200の光弾性定数とに基づいて、化学強化ガラス200の表面層における表面から深さ方向の応力分布を算出する。
以下、表面応力測定装置1における屈折率分布の測定及び応力分布の測定に関し、より詳しく説明する。
(モードと輝線)
図3及び図4等を参照し、化学強化ガラス200の表面層に光線を入射したときの、光線の軌跡とモードについて説明する。
図3において、化学強化ガラス200は、表面210から深さ方向に屈折率分布を有している。図3において表面210からの深さをxとし、深さ方向の屈折率分布をn(x)とすると、深さ方向の屈折率分布n(x)は、例えば、図4に示す曲線のようになる。つまり、化学強化ガラス200では、化学強化等により表面210の屈折率は高く、深くなるにつれ低くなり、表面層が終了する深さ(イオン交換による屈折率変化がなくなる深さ)で元のガラスの屈折率と同じになり、それより深い部分では一定(元のガラスの屈折率)となる。
このように、化学強化ガラス200の表面層では、内部方向に進むにつれ屈折率が低くなる。そのため、図3において、表面210に対して浅い角度で入射した光線Lは(図3の例では、化学強化ガラス200より大きな屈折率を持つ光供給部材20を介して入射している)、光線軌跡が徐々に表面210と平行に近づき、最深点xtで深さ方向から表面210の方向に反転する。そして光線軌跡が反転した光線は、入射した点から反転する点までの光線軌跡の形状と相似な形状で表面210へと向かい、表面210で少なくとも一部は反射し、再び化学強化ガラス200の内部へ進む。
再び化学強化ガラス200の内部に進んだ光線は、それまでの光線軌跡と同じ形状の軌跡を通り深さxtで反転して表面210に戻り、これを繰り返し、光線は表面210と最深点xtとの間を往復しつつ進んでいく。そして、表面210から幅xtである限定された空間を光が進行していくため、光は有限値の離散的なモードとしてだけ伝播し得る。
すなわち、複数のある決まった経路の光線だけが、化学強化ガラス200の表面層を伝わることができる。この現象は光導波効果と呼ばれており、光ファイバー内に光線が進む原理でもある。表面210を光導波効果により伝わる光のモード、及びそのモードの光線軌跡は、表面210から深さ方向の屈折率分布で決まる。
図5は、複数のモードが存在する場合の各モードの光線軌跡を説明した図である。図5の例では、モード1、モード2、及びモード3の3つのモードを示しているが、これは説明を簡素化するためであり、化学強化ガラスによっては更に高次のモードを有すことがある。次数の一番低いモード1は、光線軌跡が表面210で反射するときの表面210との角度が一番浅い(出射余角が一番小さい)。又、モード毎に光線軌跡の最深点が異なり、モード1の最深点xt1は一番浅い。モードの次数が大きくなるにつれ、表面210での反射するときの表面210となす角度は大きくなる(出射余角が大きくなる)。又、モード2の最深点xt2はモード1の最深点xt1よりも深く、モード3の最深点xt3はモード2の最深点xt2よりも更に深くなる。
ここで、光線の所定面に対する入射角は、入射する光線と所定面の法線とのなす角である。これに対し、光線の所定面に対する入射余角は、入射する光線と所定面とのなす角である。すなわち、光線の所定面に対する入射角がθであれば、光線の所定面に対する入射余角はπ/2−θである。又、光線の所定面に対する出射角と出射余角との関係についても同様である。
なお、図5では入射光を1本の光線で表しているが、入射光はある広がりを持っている。その広がりを持った光も、夫々同じモードでは表面210から出射する光の余角は同じである。そして、生じたモード以外の光は打ち消し合うため、表面210からは各モードに対応した光以外は出射しない。
又、図2において、光供給部材20、光取出し部材30、及び化学強化ガラス200は奥行き方向には同じ形状である。そのため、光変換部材40で集光された光は、光変換部材40の焦点面である撮像素子60に、そのモードに対応した光が奥行き方向に輝線となって結像される。
そして、モード毎に出射余角が異なるため、図6に示すように、輝線がモード毎に順に並び、輝線列となる。なお、輝線列は通常は明線の列となるが、図2における光供給部材20と光取出し部材30が接し一体になっている場合、出射光に対して光源からの直接光が参照光として作用し、暗線の列となる場合もある。しかし、明線の列となる場合も暗線の列となる場合も、各線の位置は全く同じである。
このように、輝線は、モードが成り立つときに明線又は暗線で発現する。参照光の明暗により輝線の干渉色が変わる場合があっても、本実施の形態に係る屈折率分布や応力分布の計算には全く影響がない。そこで、本願では、明線であっても暗線であっても便宜上輝線と表現する。
ところで、表面層内を伝わった光線が屈折して化学強化ガラス200の外に出射される際の出射余角は、その光線の表面層内での光線軌跡の最深点での化学強化ガラス200の屈折率、すなわち実効屈折率nnに等しい屈折率を持つ媒質が光取出し部材30に接していたときの臨界屈折光のそれに等しい。各モードでの最深点は、そのモードでの光線が全反射する点とも解釈できる。
ここで、あるモード間の実効屈折率nnの差Δnと輝線間の距離ΔSとの関係は、光変換部材40の焦点距離f、光取出し部材30の屈折率n、化学強化ガラス200の屈折率nとすると、下記の式(8)及び式(9)の関係がある。
Figure 2021006502
Figure 2021006502
従って、撮像素子60上である一点の実効屈折率の位置が分かれば、観測される輝線の位置から、その輝線に対応する各モードの実効屈折率、すなわち、化学強化ガラス200の表面層内での光線軌跡の最深点での屈折率を求めることができる。
(屈折率分布の算出)
下記の式(10)を用いて屈折率分布を算出する。ここでは、任意の屈折率分布でのモードの成り立つ条件を得るために、屈折率分布を任意の分布n(x)としている。
式(10)において、θは微小な距離drを直線で進む光線の出射余角、nは化学強化ガラス表面の屈折率、Θは化学強化ガラスに入射した光線の出射余角、λは化学強化ガラスに入射する光線の波長、Nはモードの次数(例えば、モード1ならN=1)である。又、G1は光線が化学強化ガラスに入射する点、F2は光線が反転する最深点(xt)、G2はF2で反転した光線が再び化学強化ガラスに到達する点であり、モード毎に異なる。なお、左辺の第1項は表面層内を伝播する光に関する項、左辺の第2項は表面210を伝播する光に関する項である。
Figure 2021006502
式(10)を用いて、次数が隣接するモードの最深点の間では、化学強化ガラス200の屈折率変化率が一定であると仮定し、次数の最も低いモードから順に、夫々のモードの最深点の深さを計算し、全体の屈折率分布を求める。
例えば、図5において、各モードの最深部xt1、xt2、xt3・・・の深さでの表面層の屈折率すなわち実効屈折率をn、n、n・・・とする。又、表面210−xt1の間、xt1−xt2の間、xt2−xt3の間、・・・の屈折率変化率は直線であるとし、その屈折率変化率をα1、α2、α3・・・とする。
まず、表面210に一番近い部分を通るモード1、2を使い、α1、α2、及びxt1、xt2を求める。モード3では、xt1、xt2が既知で、不明なパラメータはxt3だけとなるため、これらを基にxt3を求める。同様に、モード4、5・・・と順にxt4、xt5・・・を求め、全てのモードに対応した最深点のxtnを求める。そして、表面210から深さ方向の屈折率分布を求める。
図7は、ガラス内部の光線軌跡を現した図である。図7を参照して、屈折率分布を計算する具体的な方法について説明する。まず、光線追跡法を使い、式(10)の左辺を求める。図7において、x方向(縦方向)は化学強化ガラス200の深さ方向、y方向(横方向)は化学強化ガラス200の表面210に水平な方向である。又、深さxでの屈折率はn(x)である。なお、Hは表面210の法線である。
ここで、光供給部材20の屈折率を1.72とし、光供給部材20から入射余角Ψで表面210に入射する光線Lを考える。又、入射点の座標を(x0、y0)とする。なお、x0=0である。このとき、化学強化ガラス200の内部に入射した光線Lは、出射余角θ1で屈折し進む。このとき、Ψとθ1にはスネルの式が成り立つ。
次に、化学強化ガラス200の内部では光線Lの軌跡は曲線であるが、ある微小な距離drは直線で進むと仮定する(距離drは波長の1/10から1/100程度が望ましい)。つまり、光線は出射余角θ1の方向にdrだけ直線で進むとする。このとき、x方向の移動量dx1=dr・sinθ1、y方向の移動量dy1=dr・cosθ1となる。又、移動した点の座標(x1、y1)=(dr・sinθ1、y0+dr・cosθ1)となる。
この部分的な光線軌跡の始点の座標(x0=0、y0)での屈折率はn(0)、終点の座標(x1、y1)での屈折率はn(x1)であるが、この光線軌跡内では始点の屈折率で一定とし、終点で屈折率がn(x1)に変わるとする。そうすると、次の光線軌跡はスネルの法則にしたがい、出射余角θ2へ角度を変え進む。出射余角θ2で進む光はdrだけ直線で進み、更に出射余角θ3(図示せず)に方向を変えて進んでいく。これを、繰り返し光線軌跡を追って全体の光線軌跡を求める。
このとき、dr進む毎に、式(10)の左辺の第1項を計算する。例えば、座標(x0=0、y0)〜座標(x1、y1)の部分では、第1項はdr・cosθ1・n(0)と計算する。他のdrについても同様にして計算する。そして、dr毎に求めた第1項を光線軌跡が表面210に戻るまで加算していくと、式(10)の左辺第1項が全て求まる。又、このとき、この光線軌跡のy方向に進む距離Σdyが分かる。式(10)においてdG1G2=Σdy、Θ=θ1であるから式(8)の左辺第2項が求まり、式(10)の左辺が全て求まる。
次に、屈折率分布を計算する方法を説明する。まず、Yogyo−Kyokai−Shi(窯業協会誌)87{3}1979にも示されているように、モード1とモード2の輝線の位置から、表面210の屈折率とモード2の最深点を求める。これにより、3つの点、表面210(x=0)、モード1の最深点(xt1)、モード2の最深点(xt2)の値と、その点の屈折率n、n、nが分かる。但し、表面がモード1とモード2の外挿なので、この3点は直線である。
次に、モード3での最深点xt3を適当な値に仮定し、xt3までの屈折率分布を定義する。その後、上記計算方法にて、この分布での式(10)の左辺を計算する。右辺はモードの次数で決まり、モード3では2.75λとなる。
その後、xt3をパラメータとし二分法やニュートン法等の非線形方程式の計算手法を用いることで、xt3を求める。そして、xt3まで求めたら、次のモード4の輝線位置から、xt4が求まり、全ての輝線について同様の計算を繰り返すことで、全体の屈折率分布を算出する。
(応力分布の算出)
P偏光とS偏光の屈折率分布の差と化学強化ガラス200の光弾性定数とに基づいて、化学強化ガラス200の表面210から深さ方向の応力分布σ(x)を算出する。具体的には、下記の式(11)(数6)を用いて、応力分布を算出する。式(11)で、kcは光弾性定数であり、ΔnPS(x)はP偏光とS偏光の屈折率分布の差である。P偏光の屈折率分布n(x)とS偏光の屈折率分布n(x)は夫々離散的に得られるので、夫々の点を使って応力分布σ(x)を算出する。
Figure 2021006502
P偏光の屈折率分布n(x)とS偏光の屈折率分布n(x)は、具体的にはそれぞれn(x)、n(x)として得られる。これは上記より得られた各々の屈折率分布が離散的であることを意味し、iとkはそれぞれ整数である。P偏光とS偏光では輝線の位置が異なるため、i=k=1であっても必ずしもx=xとはならない。そのため、xにおける屈折率は、xから最も近い2点x、xi+1について、屈折率n(x)とn(xi+1)およびn(x)とn(xk+1)を直線補間して得る。これにより、任意のxについてP偏光の屈折率分布n(x)とS偏光の屈折率分布n(x)を得ることができる。
xを1μm刻みで計算して得られたn(x)、n(x)の差から、ΔnPS(x)を導出する。また、ΔnPS(x)を式(11)に適用することでσ(x)を得る。ここで、mは整数である。xが1μm刻みで得られた応力分布σ(x)を、二つの誤差関数を用いて最小二乗法により近似することで、連続的な応力分布関数であるσ(x)が得られる。なお、近似して得られた応力分布σ(x)において、応力0となる点がDOL値である。
しかし、CT値については、P偏光とS偏光の微小な屈折率差から求めるため、特に屈折率の変化が小さい部分(屈折率分布の傾斜が緩やかになるゼロクロス付近)では、P偏光とS偏光の屈折率差が小さくなり測定誤差が大きくなる。そこで、算出された圧縮応力層の応力分布を化学強化ガラス200の深さ方向に積分した値が、化学強化ガラス200の内部の引張応力と釣り合うよう式(5)を用いてCT値(CT値)を算出する。ここで、σ(x)は、式(11)で求めた応力分布関数であり、図7に示した化学強化ガラス200の深さ方向の位置xにおける圧縮応力値に相当する。積分範囲を化学強化ガラス200の表面210から中央までとし、積分結果がゼロとなるようにCT値を決定する。
(測定のフロー)
図8は、本実施の形態に係る測定方法を例示するフローチャートである。まず、ステップS501では、化学強化ガラス200の表面層内に光源10からの光を入射させる(光供給工程)。次に、ステップS502では、化学強化ガラス200の表面層内を伝播した光を化学強化ガラス200の外へ出射させる(光取出工程)。
次に、ステップS503では、光変換部材40及び偏光部材50は、出射された光の、出射面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分(P偏光とS偏光)について、夫々少なくとも3本以上の輝線を有する二種の輝線列として変換する(光変換工程)。
次に、ステップS504では、撮像素子60は、光変換工程により変換された二種の輝線列を撮像する(撮像工程)。次に、ステップS505では、演算部70の位置測定手段71は、撮像工程で得られた画像から二種の輝線列の各輝線の位置を測定する(位置測定工程)。
次に、ステップS506では、演算部70の屈折率分布算出手段72は、二種の輝線列の夫々少なくとも3本以上の輝線の位置から、二種の光成分に対応した化学強化ガラス200の表面210から深さ方向の屈折率分布を算出する(屈折率分布算出工程)。
次に、ステップS507では、演算部70の応力分布算出手段73は、二種の光成分の屈折率分布の差とガラスの光弾性定数とに基づいて、化学強化ガラス200の表面210から深さ方向の応力分布を算出する(応力分布算出工程)。
以上の測定装置及び測定方法により、二種の輝線列の夫々少なくとも3本以上の輝線の位置から、二種の光成分に対応した化学強化ガラスの表面から深さ方向の屈折率分布を算出する。そして、二種の光成分の屈折率分布の差とガラスの光弾性定数とに基づいて、化学強化ガラスの表面から深さ方向の応力分布を算出する。
本実施の形態に係る化学強化ガラスの用途は、特段限定されない。高い機械的強度を有することから、落下による衝撃や、他の物質との接触が予想される箇所への使用に好適である。
本実施の形態に係る化学強化ガラスに対応する実施例を示す。
<評価方法>
本実施例における各種評価は以下に示す分析方法により行った。
(ガラスの評価:表面応力)
本実施例の化学強化ガラスの応力分布は、前述の実施の形態に記載の方法により算出した。具体的には、P偏光とS偏光の夫々について算出した全体の屈折率分布に基づいて、前述の(応力分布の算出)の項で説明した計算方法により、応力分布を算出した。
ここで、該応力分布において、最表面からのガラス深さが0μmにおける応力値(単位はMPa)を、本実施例の化学強化ガラスの圧縮応力層の表面圧縮応力値(CS)とした。また、ガラス内部において応力値が0MPaとなるガラス深さの最小値(単位はμm)を、圧縮応力層の深さ(DOL)とした。さらに、該応力分布から応力値がCS値の半値となる位置(HW、単位はμm)を求めた。
(化学強化ガラスの評価:割れ挙動)
化学強化ガラスの割れ挙動は次のように評価した。図9に評価方法を概略図により示す。まず、圧子110を、その先端部111が化学強化ガラス200の表面210に対して垂直となるように静的荷重条件下で押し込んだ。圧子110が取り付けられるビッカース硬さ試験機100は、フューチュアテック社製FLS−ARS9000を用いた。圧子110は、先端部111の対面角度が60°のものを用い、化学強化ガラス200の表面210に60μm/秒の速度で圧子110に4kgf(≒39.2N)の荷重がかかるよう押し込み、当該荷重に達した状態で15秒間保持し、その後圧子を除荷し60秒後の化学強化ガラス200を観察した。これにより割れた化学強化ガラス200の破片の数(破砕数)を計量し、化学強化ガラス200の割れ挙動を評価した。
<例1〜4>
(第1の化学強化工程)
SUS製のカップに硝酸カリウム(KNO)と硝酸ナトリウム(NaNO)を、その合計量が4000gとなり、かつKNOの濃度(質量%)がそれぞれ表1の第1の化学強化工程の項に示す通りとなるよう加え、マントルヒーターで所定の温度まで加熱して、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合溶融塩を調製した。ここに、50mm×50mm×400μmのアルミノシリケートガラスを350℃まで予熱した後、溶融塩に所定の時間浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却することにより第1の化学強化処理を行った。第1の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。得られた化学強化ガラスは水洗いし、次の工程に供した。
アルミノシリケートガラス(比重:2.41)組成(モル%表示):SiO 68%、Al 10%、NaO 14%、MgO 8%
(第2の化学強化工程)
SUS製のカップに硝酸カリウム(KNO)と硝酸ナトリウム(NaNO)を、その合計量が4000gとなり、かつKNOの濃度(質量%)がそれぞれ表1の第2の化学強化工程の項に示す通りとなるよう加え、マントルヒーターで所定の温度まで加熱して、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合溶融塩、もしくは100%質量%の硝酸カリウム溶融塩を調製した。ここに、第1の化学強化工程に供されたガラスを350℃まで予熱した後、溶融塩に所定の時間浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却することにより第2の化学強化処理を行った。第2の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。得られた化学強化ガラスを純水で数回洗浄した後、エアブローにより乾燥した。以上より、例1〜4の化学強化ガラスを得た。
<例5〜8>
50mm×50mm×550μmのアルミノシリケートガラスを用いた以外は例1と同様に、例5〜8の化学強化ガラスを得た。第1、第2の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。
<例9〜10>
50mm×50mm×800μmのアルミノシリケートガラスを用いた以外は例1と同様に、例9、10の化学強化ガラを得た。第1、第2の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。
<例11〜15>
50mm×50mm×1000μmのアルミノシリケートガラスを用いた以外は例1と同様に、例11〜15の化学強化ガラスを得た。第1、第2の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。
<例16〜18>
(第1の化学強化工程)
SUS製のカップに硝酸カリウム(KNO)と、硝酸ナトリウム(NaNO)を、その合計量が4000gとなり、かつKNOの濃度(質量%)がそれぞれ表1の第1の化学強化工程の項に示す通りとなるよう加え、マントルヒーターで所定の温度まで加熱して、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合溶融塩、もしくは100%質量%の硝酸カリウム溶融塩を調製した。ここに、50mm×50mm×500μmのアルミノシリケートガラスを350℃まで予熱した後、溶融塩に所定の時間浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却することにより第1の化学強化処理を行った。第1の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。得られた化学強化ガラスを純水で数回洗浄した後、エアブローにより乾燥し、第2の化学強化工程には供さずに、例16〜18の化学強化ガラスを得た。
アルミノシリケートガラス(比重:2.41)組成(モル%表示):SiO 68%、Al 10%、NaO 14%、MgO 8%
<例19〜21>
50mm×50mm×800μmのアルミノシリケートガラスを用いた以外は例16と同様に、例19〜21の化学強化ガラスを得た。第1の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。
<例22〜24>
50mm×50mm×1000μmのアルミノシリケートガラスを用いた以外は例16と同様に、例22〜24の化学強化ガラスを得た。第1の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。
<例25>
50mm×50mm×800μmのアルミノシリケートガラスを用いた以外は例1と同様に、例25の化学強化ガラスを得た。第1、第2の化学強化処理の条件は、表1に記載の通りである。
Figure 2021006502
こうして得られた化学強化ガラスについて各種評価を行なった。また、これらにより求めたCS値、DOL値、および板厚t(単位:μm)から、式(1)に基づくCT値(CT値)を求めた。また、該応力分布と式(5)から、式(5)に基づくCT値(CT値)を求めた。CTlimit値は、板厚t(単位:μm)から、CTlimit=−38.7×ln(t/1000)+48.2[MPa]として求めた。結果を表2に示す。
Figure 2021006502
また、表2の各試料について、板厚とCT値の関係をプロットした。また、CTlimit値に相当する曲線も示した。例1〜15、および、例25の試料のプロットについては図10に、例16〜24の試料のプロットについては図11に示す。なお、図10、11において、破壊した際に破砕数が15個未満であった試料を○でプロットし、15個以上であった試料を×でプロットした。
図11の結果から、例16〜24のように化学強化工程を一度だけ行ったような、三角形近似が許容できる応力プロファイルを有する化学強化ガラスについては、CT値がCTlimit値を超えたガラスは、破壊した際に破砕数が多くなっている。したがって、三角形近似が許容できる応力プロファイルを有する化学強化ガラスについては、ガラスが割れたときに細かく飛散し始めるCT値(上限)は、CTlimit値で近似できていると言える。
図10の結果から、CT値がCTlimit値を超えたガラスでも、破壊した際に破砕数の少ないものがあることが分かった。したがって、三角形近似が許容できないような応力プロファイルを有する化学強化ガラスについて、ガラスが割れたときに細かく飛散し始めるCT値(上限)は、従来上限と思われていたCTlimit値とは大きく異なる。これは、従来のような三角形近似が比較的許容できる所謂相補誤差関数プロファイルを有する化学強化ガラスでは見られなかった現象である。
又、表面応力値(CS値)の半値(HW)となる位置が8μm未満(例25)であることで、大きいCS値と深いDOL値を達成でき、かつ、ガラスが割れたときに細かく飛散しにくいことが分かった。
三角形近似が許容できないような応力プロファイルを有する化学強化ガラスについても化学強化ガラスの割れ挙動を管理できるよう、例1〜24の化学強化ガラスについて内部rE値を調べた。ここで、化学強化ガラスの内部エネルギー密度rEは、前述の式(6)により定義される。結果を表3に示す。
Figure 2021006502
また、表3の各試料について、図12、13にそれぞれ例1〜25の化学強化ガラスについて、内部エネルギー密度rEの値をプロットした。例1〜15、および、例25の試料のプロットについては図12に、例16〜24の試料のプロットについては図13に示す。なお、図12、13においても、図10、11と同様に、破壊した際に破砕数が15個未満であった試料を○でプロットし、15個以上であった試料を×でプロットした。
図12、13の結果から、化学強化ガラスの内部エネルギー密度rEがある臨界値を超えると、破壊した際に破砕数が多くなることが分かった。この臨界値にあたる数値は直線で結ぶことができ、図12、13で示すように、いずれも板厚の関数で23.3×t/1000+15〔kJ/m〕を超える内部エネルギー密度を有する化学強化ガラスでは、破砕数が多くなっている。そこで、本明細書では内部エネルギー密度rEの上限値をrElimit=23.3×t/1000+15〔kJ/m〕と定義した。内部エネルギー密度rEは、前述の式(7)を満たすことが、ガラスが割れたときに細かく飛散しにくいため好ましい。この条件は、本願の発明者らが鋭意検討の結果見出した、化学強化ガラスの内部エネルギー密度rE値の上限値である。この上限値は、図12からも分かる通り、所謂相補誤差関数プロファイルを有さない化学強化ガラスであっても適用可能である。
この結果より、どのような応力プロファイルを有する化学強化ガラスであっても、式(7)を満たす数値範囲内に内部エネルギー密度rEを制御することで、化学強化ガラスの割れ挙動を管理できる。
以上、好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。又、上記の各実施の形態は、適宜組み合わせることができる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお、本出願は、2015年5月15日付けで出願された日本特許出願(特願2015−099687)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
1 表面応力測定装置
10 光源
20 光供給部材
30 光取出し部材
40 光変換部材
50 偏光部材
60 撮像素子
70 演算部
100 ビッカース硬さ試験機
110 圧子
111 先端部
200 化学強化ガラス
210 化学強化ガラスの表面

Claims (13)

  1. 化学強化ガラスであって、
    式(1)により求められるCTと式(5)により求められる内部引張応力CTが、CT/CT≦0.85を満たし、
    化学強化ガラスの板厚をt(μm)としたとき、
    前記CTが、CT>−38.7×ln(t/1000)+48.2〔MPa〕を満たし、
    式(6)により求められる内部エネルギー密度rEが、rE≦23.3×t/1000+15〔kJ/m〕を満たし、
    板厚t(μm)が500以上1000以下であり、
    DOLの半値の深さにおける圧縮応力値が、表面応力値の20%以下であることを特徴とする化学強化ガラス。
    Figure 2021006502
    Figure 2021006502
    Figure 2021006502
    CS:化学強化ガラスの表面圧縮応力値〔MPa〕
    σ(x):化学強化ガラスの深さ方向の位置xにおける圧縮応力値〔MPa〕
    DOL:化学強化ガラスの圧縮応力深さ〔μm〕
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  2. 化学強化ガラスであって、
    式(1)により求められるCTと式(5)により求められる内部引張応力CTが、CT/CT≦0.85を満たし、
    化学強化ガラスの板厚をt(μm)としたとき、
    前記CTが、CT>−38.7×ln(t/1000)+48.2〔MPa〕を満たし、
    50mm×50mmの寸法で、ビッカース硬さ試験機による破壊試験を行ったときの破砕数が15個未満であり、
    板厚t(μm)が500以上1000以下であり、
    DOLの半値の深さにおける圧縮応力値が、表面応力値の20%以下であることを特徴とする化学強化ガラス。
    Figure 2021006502
    Figure 2021006502
    CS:化学強化ガラスの表面圧縮応力値〔MPa〕
    σ(x):化学強化ガラスの深さ方向の位置xにおける圧縮応力値〔MPa〕
    DOL:化学強化ガラスの圧縮応力深さ〔μm〕
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  3. DOLの半値の深さにおける圧縮応力値が、表面応力値の10%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
  4. 前記内部引張応力CTが30MPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  5. 圧縮応力深さDOLが110μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  6. 表面圧縮応力CSが600MPa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  7. 圧縮応力が前記表面圧縮応力CSの半値である位置HWが、ガラス表面から8μm未満の位置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  8. 前記内部引張応力CTが、CT>−38.7×ln(t/1000)+48.2〔MPa〕を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  9. 前記内部引張応力CTが、式(2)により求められるCTlimit値の1.1倍以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    CTlimit=−38.7×ln(t/1000)+48.2 (2)
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  10. 前記内部引張応力CTが、CT>−36.7×ln(t/1000)+48.7であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  11. 前記内部引張応力CTが、式(4)により求められるCTlimit値の1.1倍以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    CTlimit=−36.7×ln(t/1000)+48.7 (4)
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  12. 前記CTが、式(2)により求められるCTlimit値の1.2倍以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    CTlimit=−38.7×ln(t/1000)+48.2 (2)
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
  13. 前記CTが、式(4)により求められるCTlimit値の1.2倍以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    CTlimit=−36.7×ln(t/1000)+48.7 (4)
    t:化学強化ガラスの板厚〔μm〕
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