JP2009216178A - 被覆管保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体管への温熱水の通流により被覆管が収縮し、管継手との接続部において流体管が露出するのを防止し、また、管継手において漏水が発生したときに、漏水が流体管と被覆管との隙間内に流れ込むのを防止する。
【解決手段】半割の筒状体に形成し、一端側に鞘管55の端部が連結される鞘管連結部3を設け、他端側に被覆流体管51が貫通して外部に引き出される引出部5を設け、引出部5は、筒状体の内部において被覆管53の外周全体を挟んで保持する保持部8と、保持部8の保持に伴って被覆管53の外面に発生した皺を覆い隠す覆い部6とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、戸建て、集合住宅等において給水管、給湯管等の流体管に温熱水を通流させたりしたときに該流体管の外面に被覆された被覆管が収縮して管軸方向に移動するのを防止する被覆管保持具に関するものである。
戸建て、集合住宅等においては、台所、風呂、洗面化粧台等に給水、給湯を行なうためにまた温水床暖房などのために、給水管、給湯管等の流体管が配管されている。これらの流体管は一般に可撓性を有する硬質樹脂管が使用されているとともに、外部からの傷付き防止などのために、配管経路全域に至って鞘管内に挿通されて保護されている。この鞘管は1本の流体管を収容するものの他、ペア管として2本の流体管を収容するものがあり、また、硬質樹脂からなる鞘管の他、流体管の断熱効果を高めるべく断熱発泡管が使用されることも多い。一方、近年は、給水管、給湯管等の流体管の保温効果、断熱効果を更に高めるべく、各流体管を更に樹脂発泡層を有する被覆管で被覆されることも多くなってきており、予め給水管、給湯管等の流体管の外面に前記被覆管が被覆された被覆流体管が普及してきている。
この種の流体管の外面に前記被覆管が被覆された被覆流体管は、例えば、図11(a)に示すように、鞘管55内に挿通された後、端部がこの鞘管55の端部から引き出されて給湯器57の管継手61に接続される。ここで、図11(a)に示す被覆流体管51は、主に製造工程から生ずるのであるが、通常、流体管52と被覆管53との間に隙間を有しており、被覆管53は流体管52に対して管軸方向に移動可能となっている。なお、流体管52は、例えば、管継手61の略円筒状の継手本体の外面に流体管61を圧入した後、その外側に円筒状の締付リング67を嵌め込んで締付け、継手本体と締付リング67とで流体管52の端部を強固に挟み込んで圧縮固定し、管継手61に接続することができる。ここで、被覆管53の端部は管継手61の下端部に当接し、流体管52を全長に至って被覆し、保護している。
この種の被覆流体管に関して、例えば、特開2007−32660公報に、長手方向に分割断裂加工を行なった筒状断熱発泡カバー本体内に、それぞれ断熱発泡部材で被覆した2本のチューブを並列挿入して成る、熱源機と放熱管とを中継する温水暖房用ペアチューブが記載されている。
特開2007−32660公報
しかし、図11(a)に示す被覆流体管51において、樹脂発泡層からなる被覆管53は、製造時には軸方向に一定のテンションで引張られた状態で成形されるため、流体管52に温熱水が通流されると、その熱によって原形状に復帰して管軸方向に収縮する。その温熱水は流体管52内を配管経路全体に至って通流するため、被覆管53の収縮量は全体として相当大きなものとなる。一方、被覆流体管51内の流体管52は、通常、被覆管53との間に隙間を生じていて被覆管53と密着状態にあるのではなく、また、外面が平滑で滑性を有する硬質樹脂管で形成されていることから、被覆管53は流体管52に対してその外側を管軸方向に容易に移動できる状態で被覆されている。このため、流体管52は管継手61に接続固定されているのであるが、管継手61の下端部に当接している被覆管53は、流体管52内に温熱水が通流されて管軸方向に収縮すると、図11(b)に示すように、端部が管継手61の下端部から大きく離間し、管軸方向に距離Lだけ移動してしまう。その結果、管継手61に接続固定されている流体管52は、管継手61から距離Lの長さが露出してしまい、この間における被覆管53による保温効果、断熱効果が失われてしまうこととなっていた。
また、流体管は締付リングや袋ナット等を介して管継手の継手本体に強固に固定されてはいるものの、流体管の圧入部分等に僅かな緩みがあったりすると、内部の冷却水、温水等が漏れ出て管継手から流体管の外面を伝ってこの流体管と被覆管との隙間内に流れ込むことがあった。その場合、管継手で発生した漏水は少量ではあっても継続的な洩れにより不具合を生じていた。
そこで、本発明は、被覆流体管内の流体管に温熱水が通流されたときなどにおいてその熱により流体管に被覆された被覆管が収縮し、管継手との接続部において流体管が露出するのを防止し、もって、被覆管による断熱効果、保温効果が低下するのを防止し、また、管継手において漏水が発生したときに、漏水が流体管と被覆管との隙間内に流れ込むのを防止することができる被覆管保持具の提供を課題とするものである。
請求項1の被覆管保持具は、鞘管と、前記鞘管の端部から引き出された、流体管の外面が樹脂発泡層を有する被覆管によって被覆されてなる被覆流体管との間に跨って取付けられ、前記被覆管を保持するものであって、半割の筒状体に形成されている。そして、一端側に設けられて前記鞘管の端部が連結される鞘管連結部と、他端側に設けられて前記被覆流体管が貫通して外部に引き出される引出部とを備えている。更に、前記引出部は、前記筒状体の内部において前記被覆管の外周全体を挟んで保持する保持部と、前記保持部の保持に伴って前記被覆管の外面に発生した皺を覆い隠す覆い部とを備えている。
前記被覆流体管は、主に製造工程から生ずるのであるが、通常、内側の流体管と外側の被覆管との間に僅かな隙間が存在しており、被覆管は流体管に密着した状態で被覆されているわけではない。また、流体管は、通常、外面が平滑で滑性を有する硬質樹脂管で形成されている。このため、被覆管は流体管に対してその外側を管軸方向に容易に移動できる状態で被覆されている。また、被覆管はその外側の鞘管に対しても管軸方向に相対的に移動可能となっている。
ここで、前記被覆管は、製造時には軸方向に一定のテンションで引張られた状態で成形されるため、流体管に温熱水が通流すると、その熱によって原形状に復帰して管軸方向に収縮する。このため、流体管は管継手に接続固定されているのであるが、管継手の下端部に当接している被覆管は、管継手等の一定箇所に保持されていない場合には、被覆管が全長に至って収縮することにより、端部が管継手から離間し、管軸方向に相当長さ移動することとなる。その結果、内部の流体管は管継手との接続部周辺が相当長さに渡って露出することとなり、これらの部分において被覆管による断熱効果は失われてしまう。
ところが、本発明の被覆管保持具は、筒状体の内部において鞘管連結部と引出部との間に、被覆管の外周全体を外側から挟んで保持する保持部が設けられているから、被覆管は保持具の保持部と流体管の外面とによって外周全体を均等に挟持され、管継手に接続されている流体管の一定位置に保持される。したがって、被覆管は鞘管の端部において流体管に相対移動不能に保持される。これにより、被覆管は、流体管に温熱水が通流され、その熱によって収縮し管軸方向に移動しようとしても、被覆管保持具の保持部により管継手近辺の一定位置で流体管に保持、拘束されているので、端部が管継手から離間し管軸方向に移動して流体管に対して相対移動するのが阻止される。したがって、流体管が管継手の周辺部分で相当長さ露出してしまうのが防止される。なお、被覆管は管継手と鞘管端部との間では被覆管保持具の保持部によって保持、拘束されていないので、自由に収縮することになるが、管継手と鞘管端部との間隔は小さいので、その間の被覆管の収縮量も僅かであり、実質的にその間において流体管に露出部分は生じない。
また、前記保持部が設けられているので、管継手における流体管の圧入部分等に漏水が発生し、被覆流体管の流体管と被覆管との間に水が漏れ出て、水滴となって流体管の外面を伝って被覆管内を流れたとき、管継手の周辺位置で保持部が被覆流体管の外面を挟持するため、この部分で流体管と被覆管との隙間が閉塞され、それ以上水滴が下流側に流れるのが防止される。
一方、上記のように、被覆管保持具の保持部によって被覆管が熱収縮により管継手から管軸方向に移動してしまうのを防止することができるが、この保持部は被覆流体管の外周全体を挟んで保持し、かつ、被覆管は圧縮可能な樹脂発泡層で形成されている。したがって、被覆管は保持部の挟持に伴って圧縮され、外面に皺が発生してしまう。この被覆管の外面に発生した皺は被覆管の管軸方向の所定長さに至って生ずるので、保持部が被覆管保持具の内部に設けられていても、前記皺が被覆流体管の引出部から外部に臨んで外部から見えることがある。その場合、被覆管保持具の引出部の外観は損なわれてしまう。そこで、請求項1の被覆管保持具では、更に、引出部に、被覆管の外面の皺を覆い隠す覆い部を設けているのである。
被覆流体管は鞘管に1本のみが挿通され、或いはペア管として2本並行して挿通される。また、3本以上の被覆流体管が挿通されることも可能である。
鞘管は、樹脂発泡層を有する肉厚の断熱発泡管や硬質樹脂製の外面波付きの鞘管などが用いられる。
請求項2の被覆管保持具は、保持部が、被覆流体管が貫通する内部側開孔を備え、その内径が、周縁によって被覆管の外周全体を挟んで保持すべく被覆流体管の外径より小さい大きさに形成されている。また、覆い部は、被覆流体管が貫通する外部側開孔を備え、その内径は、前記被覆管の外面に発生した皺が前記外部側開孔を通して外部から視認されるのを防止する大きさであって、周縁によって前記被覆管の外面に皺を発生させない大きさに形成されている。
ここで、前記外部側開孔の内径は、被覆管の皺が外部側開孔を通して外部から視認されるのを防止できればよく、被覆流体管の外径と同一またはそれより僅かに大きくてもよい。外部側開孔は、その周縁によって被覆管の外面に皺を発生させなければ、被覆流体管の外径より僅かに小さくてもよい。
請求項3の被覆管保持具は、覆い部の外部側開孔の中心軸が、保持部の内部側開孔の中心軸に対して、前記引出部から引き出された前記被覆流体管の曲がり方向寄りに配設されている。
請求項3の被覆流体管は、ペア管などとして鞘管内に挿通され、保持具から引き出された後、2方向に拡開、分岐して、給湯器などの熱源機や温水床暖房装置等に設けられた管継手に接続されるものがあり、また、1本の被覆流体管のみが鞘管に挿通されたものにおいても、保持具から引き出された後、管継手まで曲がって配管され接続されるものがあり、請求項3の被覆管保持具はこれらの被覆流体管に適用される。
例えば、ペア管等の被覆流体管は、引出部の外部側開孔から互いに反対側に向けて2方向に分岐されるが、被覆流体管内の流体管は通常硬質合成樹脂で形成され、可撓性を有しており、引出部からは円弧状に曲げられて引き出される。このため、仮に、外部側開孔が設けられていないとすると、被覆流体管は保持部の内部側開孔から直接引き出されることになるが、このとき、被覆流体管が急激に曲げられて引き出されると、内部の流体管は内部側開孔の一側に片寄り、被覆流体管の樹脂発泡層からなる被覆管は、湾曲の内側部分においては流体管の外壁によって内部側開孔の周縁の一側に押し付けられて圧縮され、反対の湾曲の外側部分においては流体管の外面との間に大きな隙間を生ずることとなる。即ち、被覆管は、内部側開孔の周縁の一側で局部的に挟持されるにすぎず、内部側開孔の周縁全体で均等に挟持されるわけではないため、保持部による保持が不十分となり、温熱水の通流に伴う収縮により管軸方向に移動してしまったり、管継手からの漏水に対する止水が不十分となる。
ところが、本発明の被覆管保持具は、保持部の内部側開孔の外側に覆い部の外部側開孔が設けられているため、この外部側開孔の周縁との当接により引出部における被覆流体管の曲げが規制され、急激な曲げが回避されて緩やかな湾曲となる。即ち、引出部から被覆流体管が急激に曲げられて引き出され、分岐したとしても、流体管の曲げによる押圧の負荷は主に外部側開孔において負担するから、内部側開孔においては流体管は直線に近い極く緩やかな湾曲状態で挿通する。その結果、内部側開孔において被覆流体管は一側の周縁に片寄って押圧されることはなく、周縁の全周に至ってほぼ均等に押圧、挟持されることとなる。これにより、被覆管は保持部において確実に挟持され、流体管の一定位置に確実に保持される。
また、外部側開孔の中心軸は、前記内部側開孔の中心軸に対して曲がり方向寄りに配置されており、内部側開孔及び外部側開孔は被覆流体管の曲がりに対応し、緩やかな湾曲形状の軌跡にほぼ沿った箇所に配置されている。このため、内部側開孔における流体管の片寄りを防止する効果が増し、被覆管はより確実に保持部によって保持される。
請求項1の発明は、被覆管保持具の鞘管連結部が、サドル等の固定具を介して床面や壁面等の一定位置に保持されている鞘管の端部に接続されているとともに、被覆管を外側から挟んで保持する保持部が設けられているから、流体管に温熱水が通流され、その熱によって収縮しようとしても、被覆管は端部が管継手から離間し管軸方向に移動するのが阻止され、これにより、内部の流体管が管継手の周辺部分で露出するのを防止することができる。その結果、流体管に対する被覆管の断熱効果、保温効果が低下するのを防止することができる。
また、管継手における流体管の圧入部分等に漏水が発生し、被覆流体管の流体管と被覆管との間に冷却水や温水等の流体が漏れ出し、水滴となって流体管の外面を伝って被覆管内に流入したとしても、管継手の周辺位置で保持部が被覆流体管の外面を挟持するため、この部分で流体管と被覆管との隙間が閉塞され、それ以上に水滴が鞘管内に流れ込むのを防止することができる。即ち、被覆管保持具の保持部は被覆管の収縮を防止して流体管が露出するのを防止することに加え、管継手等で漏水が生じたときの止水部としても機能する。
更に、保持部の挟持によって被覆管の外面に発生した皺は、覆い部によって覆うことができるので、前記皺が外部から視認されて引出部の見栄えが低下するのを防止することができる。
請求項2の発明は、保持部の内部側開孔が、周縁によって被覆管の外周全体を挟んで保持する大きさに形成され、覆い部の外部側開孔は、被覆管の外面に発生した皺が外部から視認されるのを防止する大きさであって、周縁によって被覆管の外面に皺を発生させない大きさに形成されているから、特に、外部側開孔と内部側開孔とによる簡易な構成で被覆流体管を保持し、被覆管の外面の皺を覆い隠すことができる。
請求項3の発明は、外部側開孔の中心軸が、内部側開孔の中心軸に対して曲がり方向寄りに配置されているから、引出部から引き出される箇所における被覆流体管の曲がりは内部側開孔と外部側開孔とによって規制され、被覆流体管は緩やかに湾曲して引出部から引き出される。その結果、被覆流体管は内部側開孔の周縁全体によって挟持されるため、保持部によって確実に被覆管を保持することができる。これにより、被覆管が収縮によって管軸方向に移動して流体管が管継手周辺で露出し、この部分の断熱効果、保温効果が低下するのを確実に防止できるとともに、管継手からの漏水に対して保持部において確実に止水できる。
以下、本発明の実施形態の被覆管保持具を図1乃至図10に基づいて説明する。ここで、図1は本発明の実施形態の被覆管保持具を示す斜視図であり、図2乃至図4は半割構造の被覆管保持具を展開した状態を示す。この実施形態においては、熱源機である給湯器に管継手を介して接続された行き管及び戻り管となる流体管の接続端部の周辺に取付けられる被覆管保持具を例示する。
図1及び図5において、住宅の追い炊き機能付きの給湯器57の底面には行きと戻りの通水のための2個の管継手61が設けられている。これらの管継手61にはそれぞれ給湯器57からの温水を図示しない台所、浴室、トイレ、洗面等の給水栓に送るための流体管52と、浴室や床暖房等から追い炊きするために戻る流体管52とが接続されている。2本の流体管52は全長に至ってそれぞれ外面に被覆管53が被覆されており、流体管52に被覆管53が被覆されて被覆流体管51となっている。これら両被覆流体管51はこれを保護するための鞘管55内に挿通されており、ペア管として2本を並列した状態で1本の鞘管55内に収められている。2本の被覆流体管51は鞘管55の端部から引き出された後2方向に分岐し、給水器2の管継手61にそれぞれ接続されている。鞘管55から2本の被覆流体管51が分岐する部分には本発明の保持具1が取付けられている。以下、各構成部材について具体的に説明する。
まず、前記流体管52は、可撓性を有する架橋ポリエチレン管、ポリブテン管等の硬質樹脂管からなり、内部を水道水、温熱水等の流体が流れる。
前記被覆管53は、流体管52を断熱効果により保温すべく所定厚さの樹脂発泡層からなり、外面には薄い樹脂フィルムが一体に接合、積層されている。
前記被覆流体管51は、内側の流体管52と外側の被覆管53との間には通常僅かな隙間が生じており、被覆管53は流体管52に密着した状態で被覆されているわけではない。したがって、被覆管53は流体管52に対して管軸方向に相対的に移動可能となっている。なお、被覆流体管51は後述する管継手61の締付リング63と略同一の外径に形成されており、被覆流体管51と締付リング63とは端部相互が当接するものとなっている。
次に、2本の被覆流体管51をペア管として並列した状態で内部に一体に収容する鞘管55は、管継手61との接続端部周辺を除いて流体管52の配管経路全体に至ってその外側に外挿され、被覆管53と同じく流体管52を断熱効果によって保温すべく樹脂発泡層で形成されている。この鞘管55は、また、流体管52の外側を覆って外部物体による傷付きや損傷を防止し、更には、紫外線による劣化を防いでいる。鞘管55は、被覆流体管51の場合と同様に、被覆流体管51との間に通常僅かな隙間が生じており、被覆流体管51は鞘管55に密着した状態で被覆されているわけではない。したがって、被覆流体管51は鞘管55に対して管軸方向に相対的に移動可能となっている。
これらのことから、被覆管53は内側の流体管52と外側の鞘管55との間において相対的に自由に管軸方向に移動可能となっている。したがって、内側の流体管52の端部が管継手61に接続固定され、外側の鞘管55がサドル等の固定具により床面や壁面の一定位置に固定されていても、それらの間に介在する被覆管53はこれのみが管軸方向に移動可能な状態となっている。
なお、被覆流体管51の流体管52と被覆管53との間の僅かな隙間は、製造上生ずる。即ち、一般に、被覆管53は樹脂発泡層からなる所定厚さのシート材を流体管52の外周面に巻装した後、シート材の両端部相互を長手方向に沿って融着することにより形成され、これにより被覆流体管51が製造されるが、流体管52と被覆管53との隙間は、主にその製造工程において生ずる。鞘管55と被覆流体管51との間に生ずる僅かな隙間についても同様である。
ここで、前記被覆管53は、製造時には軸方向に一定のテンションで引張られた状態で成形されるため、流体管52に温熱水が通流すると、その熱は流体管52を通して被覆管53に伝わり、被覆管53はその熱によって原形状に復帰して管軸方向に収縮しようとする性状を有している。なお、本願発明は、被覆管53のこの収縮に起因して流体管52が管継手61の接続端部周辺において露出し、この部分において被覆管53による断熱効果が喪失する不具合を解消するものである。
次に、前記保持具1は、図1乃至図4に示すように、半割の筒状体で形成され、外壁2の管軸と直交する横断面の形状は略小判形状をなしている。保持具1の管軸方向の一端部には、鞘管55の端部が連結される鞘管連結部3が設けられ、その内部には鞘管55の端部が挿通される略小判形状の鞘管挿通孔4が1個設けられている。この鞘管挿通孔4は鞘管55の断面形状に合致させて略小判形状に形成するとともに、鞘管55の外形寸法より僅かに小さく形成して周縁4aが樹脂発泡層からなる鞘管55の外面に係止してこの鞘管55を抜け止め状態に連結するようになっている。
一方、保持具1の管軸方向の他端部には、鞘管55内及び保持具1内を挿通する被覆流体管51が引き出される引出部5が設けられ、その引出部5は、保持部8と、この保持部8の挟持により保持具1内に発生した被覆管53の外面の皺54全体を覆い隠す覆い部6とを備えている。保持部8は、図3(b)に示すように、保持具1の内部であって保持具1の他端側に設けられた壁面6aから間隔Sだけ離間した位置に設けられている。保持部8は、管軸と直交して設けられた保持壁9に、被覆流体管51が貫通する円形状の内部側開孔10が2個独立して形成されている。前記覆い部6には、被覆流体管51の端部が貫通する円形状の外部側開孔7が2個独立して並設されている。ここで、前記覆い部6は、被覆管53の外面の皺54を覆い隠す部分全体を意味する。これらの覆い部6の外部側開孔7及び保持部8の内部側開孔10は、保持具1を構成する後述の第1半割体21と第2半割体31とを閉じることによって円形状の孔に形成される。
前記保持部8の内部側開孔10は、内径が、周縁10aによって被覆流体管51の外周全体を挟んで保持する大きさ、つまりは、その保持により被覆管53の外面を外側から挟圧して被覆管53が管軸方向に移動するのを阻止し得る大きさに形成されている。
他方、前記覆い部6の外部側開孔7は、その内径が、保持部8の内部側開孔10の挟持に伴って被覆管53の外面に発生した皺54が外部側開孔7を通して外部から視認されるのを防止し得る大きさであり、かつ周縁7aによって被覆管53の外面に皺54を発生させない大きさに形成されている。具体的には、外部側開孔7の内径は、被覆管53の皺54が外部側開孔7を通して外部から視認されるのを防止するものであるから、被覆流体管51の外径とほぼ同一に形成されている。その一方で、外部側開孔7は、外側から直接目視される部分にあるため、周縁7aによって被覆管53の外面に皺54を発生させない大きさに形成されることが必要であり、その点からすれば、被覆流体管51の外径より大きいのが望ましい。但し、外部側開孔7が大き過ぎると、被覆流体管51の外面との隙間から流出入する外気量が大きくなるため、注意を要する。したがって、外部側開孔7はこれらの点を考慮して被覆流体管51の外径と同一または僅かに大きい内径に設定される。但し、外部側開孔7の内径は、被覆管53の外面が外観を低下させない程度に僅かに凹むだけで皺54を発生させなければ、被覆流体管51の外径より小さくてもよい。なお、以上のことから当然ではあるが、外部側開孔7と内部側開孔10とを比較すれば、外部側開孔7の方が大きいものとなっている。
更に、図3(b)に示すように、内部側開孔10と外部側開孔7とは同一の被覆流体管51が貫通するようになっているとともに、覆い部6の各外部側開孔7の中心軸7bは、保持部8の各内部側開孔10の中心軸10bに対してそれぞれ直交方向の外側寄りにずらした位置に配設されている。
本実施形態における保持具1は、割面11において分割された2つの半割体で構成され、左右略対象の第1半割体21と第2半割体31との間に管軸方向に薄肉形成してなる第1ヒンジ12が設けられ、この第1ヒンジ12を軸に第1半割体21と第2半割体31とを相対的に回動して閉じることにより、筒状体に形成されるものとなっている。この保持具1は合成樹脂で形成され、第1半割体21及び第2半割体31が展開された形態で樹脂の一体成形により形成することができる。したがって、安価に製造することができる。
前記保持具1の第1半割体21は、第1ヒンジ12を軸に閉じて筒状体を形成すべく、一側の側壁部22における管軸方向の両側に、左右一対の被係止突起24,24が一体に設けられている。この被係止突起24はL字板状に形成され、屈曲先端部は後述する第2半割体31の係止孔36と係止するようになっている。被係止突起24の管軸方向の中央寄り2箇所には、コ字状に切欠され、1辺側が割面11である側端面23に開口する第1切欠孔25が形成されており、更にこの第1切欠孔25の周縁2辺には外壁2の表面から僅かに突出する窓枠26が一体に形成されている。
一方、前記保持具1の第2半割体31は、一側の側壁部32の管軸方向の両側において、第1半割体21の被係止突起24に対応する位置に、矩形板状の左右一対の係止片34,34が外壁2との接合部を基端として水平方向に一体に突設されている。この係止片34はその基端に薄肉形成により設けられた第2ヒンジ35を軸に回動できるようになっている。各係止片34には角孔からなる係止孔36が設けられ、更に、この係止孔36より先端側は傾斜面となっていて、この傾斜面は指で摘んで係止片34を回動操作するための摘み部37を形成している。また、各係止片34の側部には矩形板材からなり、後述する信号線引出孔13を閉塞する閉塞蓋38が管軸方向の中央側に向けて一体に延設されている。したがって、第2ヒンジ35を軸に係止片34を回動して係止孔36を第1半割体21の被係止突起24に係止すれば、その回動に連動して閉塞蓋38は信号線引出孔13を個別に閉塞するようになっている。更に、閉塞蓋38は、係止片34との間に薄肉形成により設けられた折取溝39に沿って折り取ることが可能となっており、閉塞蓋38を折り取ることによって信号線引出孔13を開口させることができるようになっている。
また、第2半割体31の割面11周辺の側壁部32には、第1半割体21の2個の第1切欠孔25と対向する位置にそれぞれ、コ字状に切欠され、1辺側が割面11である側端面33に開口する第2切欠孔40が形成されており、更にこの第2切欠孔40の周縁2辺には第2半割体31の外壁2の表面から僅かに突出する窓枠41が周縁に沿って一体に形成されている。第2半割体31の2個の第2切欠孔40は、第1半割体21と第2半割体31とを相対的に回動して閉じることによって筒状体に形成したときに、対向する第1半割体21の2個の第1切欠孔25と連通し、この第1切欠孔25と一体となって、保持具1の割面11に、2個の矩形状の信号線引出孔13を形成する。この信号線引出孔13は、信号線56を外部に引き出すための孔であり、この信号線56は、流体管52と並行して鞘管55内に挿通されて給湯器57等に接続され、この給湯器57等に電気信号を送るものである。更に、側端面33の管軸方向の中央部には、図3(a)の垂直下方に向けて突出する板状の嵌合突起42が突設されており、この嵌合突起42は、第1半割体21と第2半割体31とを相対的に回動して閉じる際に、第1半割体21の左右一対の窓枠26間の空間である被嵌合部27に嵌入し、第1半割体21の側端面23と第2半割体31の側端面33とが合致して当接するよう位置決めする。
前記信号線引出孔13は、信号線56を引き出さないときは、常時、閉塞蓋38によって閉塞されるから、保持具1の内部に異物が混入するのが防止される。信号線引出孔13は、係止片34に一体に閉塞蓋38が設けられているから、別途に閉塞蓋を設けることなく、簡易な構成で安価に閉塞される。この信号線引出孔13が設けられていることにより、穿孔具等を使用して鞘管55に新たに孔を設けることなく、また、穿孔具等の使用によって流体管52及び信号線56に傷を付けることなく、信号線56を配管途中から引き出すことができる。信号線引出孔13は管軸方向に2個設けられているから、いずれかを任意に選択して信号線56を引き出すことができる。なお、信号線引出孔13は保持具1に1個のみ形成してもよく、或いは必要でなければ設けなくてもよい。
前記信号線56は、鞘管55内を挿通した後、保持具1の信号線引出孔13から外部に引き出され、先端部が給湯器57等に接続される。ここで、保持具1より下流側即ち管継手61から遠ざかる側の配管部分における被覆管53が、流体管52に温熱水が通流されることによりその熱によって管軸方向に収縮し、移動することがあると、被覆管53の外面に接触している信号線56はその接触圧により被覆管53の移動方向に強く引張られることがある。信号線56は、その一端部が給湯器57等に接続固定されているので、被覆管53の収縮によって引張られると、経路中の角部等に擦られたりして損傷し断線する虞がある。このため、信号線56は、図10に示すように、保持具1内で2本の流体管52の外面に巻いて絡ませたりしてこの部分に故意に余分な長さである余長部を設け、長さにゆとりを付与するようにし、被覆管53の引張りによる長さの変化を吸収できるようにしておくのが望ましい。
次に、給湯器57の管継手は、各種の接続構造により流体管52の端部を接続することができ、本実施形態では、図6に示すように、管継手61は、鍔部62の一側の第1円筒部63の雄ねじ部を螺着することにより給湯器57に接続されるようになっている。鍔部62の他側即ち流体管52の接続側には第2円筒部64が設けられており、この第2円筒部64には、外方に突出する断面略L字状の環状段部65が一体に設けられ、この環状段部65の内部側に流体管52の先端が嵌入、当接するようになっている。第2円筒部64の接続筒部66の外面には流体管52が圧入され、接続されるようになっている。そして、接続筒部66に流体管52が圧入された後に別体である締付リング67を流体管52の外側から強制的に圧入し、これにより流体管52を管継手61に強固に接続固定できるようになっている。
次に、給湯器57の管継手61に被覆流体管51を接続し、上記のように構成された保持具1を管継手61の周辺まで配管されている鞘管55の端部とそこから引き出された被覆流体管51とに跨って取付ける方法を説明する。
まず、被覆流体管51の端部を管継手61に接続するには、予め管継手61の締付リング67を流体管52の端部に外挿しておき、鞘管55内に並列に挿通されている行きと戻りの2本の流体管52を該鞘管55の端部から所定長引き出す。次いで、引き出された被覆流体管51の端部において被覆管53を下方に押し縮めることにより流体管52を被覆管53の端部から所定長引き出し、工具を使用して管継手61の接続筒部66に外嵌し圧入する。次に、図示しないが、スライダ等の挟み工具を使用して、先端のクランプで環状段部65と締付リング67とを挟み、締付リング67を環状段部65に当接するまで圧入し流体管52の端部を接続筒部66とで強く挟み込む。その後、被覆管53の端部を管継手61側に押し戻してその端部を管継手61の締付リング67の下面に当接させる。
このようにして、管継手61に被覆流体管51の端部を接続したら、保持具1を鞘管55の端部と被覆流体管51とに跨って取付ける。それには、保持具1を図2、図3等に示す展開状態とし、最初に、図3(b)の二点鎖線で示すように、鞘管55の端部を第2半割体31の鞘管挿通孔4の周縁4a上に載置するとともに、鞘管55の端部から引き出されている2本の被覆流体管51を別個に第2半割体31の保持部8の内部側開孔10の周縁10a上及び覆い部6の外部側開孔7の周縁7a上に載置する。次いで、第1ヒンジ12を軸に第1半割体21を回動して、中央部の被嵌合部27に第2半割体31の中央部の嵌合突起42を嵌合させて位置決めしつつ、図7(a)及び図8に示すように、割面11である第1半割体21の側端面23と第2半割体31の側端面33とを相互に当接させて閉じる。このとき、保持部8の内部側開孔10の内径は被覆流体管51の外径より小さいので、被覆管53の弾発力を受けるが、その力に抗して両半割体を閉じる。両半割体を閉じたら、図7(b)に示すように、第2半割体31の左右一対の係止片34,34をそれぞれ第2ヒンジ35を軸に回動し、一対の係止孔36,36をそれぞれ第1半割体21の一対の被係止突起24,24に係止させる。
これにより、保持具1の鞘管挿通孔4の周縁4aが鞘管55の外面を押圧しこれに係止するので、鞘管55は鞘管連結部3に抜け止め状態に連結される。また、保持具1の保持部8の内部側開孔10が被覆流体管51の被覆管53の外面を全周に至って強く挟持し、周縁10aが被覆管53の外面を押圧し或いは外面に食い込んで係止するので、被覆管53は保持部8に強固に保持される。このとき、被覆管53は、保持部分周辺の外面に図9に示すような皺54が発生する。即ち、被覆管53は、内部の流体管52との間に隙間を生じており、周長は流体管52の外面の周長より長くなっていて余長部を有し若干だぶついた状態にあること、及び所定厚さの樹脂発泡層で形成され、弾撥性、圧縮性を有することから、保持部8の挟持により凹み、圧縮されて外面に皺54を生ずる。但し、この皺54の発生による見栄えの低下については、後述するように、覆い部6の壁面6a及び外部側開孔7によって対処し防止することができる。なお、保持具1の覆い部6の外部側開孔7は、内径が周縁によって被覆管53の外面に皺54を発生させない大きさに形成されており、被覆管53の保持機能はほとんど有しない。
次に、保持具1の作用を説明する。
前述のように、流体管52に温熱水が通流すると、その熱によって被覆管53は原形状に復帰しようとして管軸方向に収縮する。このため、被覆管53が全長に至って収縮すると、被覆管53は何らこれを拘束するものがなければ、管軸方向に相当長さ移動し、その端部は、管継手61から相当距離離間してしまう。その結果、端部が管継手61に接続固定されている内部の流体管52は管継手61との接続部周辺において相当長さに渡って露出することとなり、これらの部分においては流体管52に対する被覆管53の断熱効果、保温効果は失われてしまう。
これに対して、本発明の保持具1は、管軸方向の一端側に、鞘管55の端部が連結される鞘管連結部3が設けられているとともに、引出部5に、被覆流体管51の外周全体を外側から挟んで保持する保持部8が設けられている。このため、被覆管53は、保持部8の内部側開孔10の周縁10aと管継手61に接続されている流体管52の外面とによって外周全体が均等に挟持され、管継手61周辺の一定位置で流体管52に保持される。つまり、被覆管53は鞘管55の端部において、管継手61に接続されている流体管52に相対移動不能に保持される。その結果、被覆管53は、流体管52に温熱水が通流され、その熱によって収縮し管軸方向に移動しようとしても、保持部8により管継手61周辺の一定位置で流体管52に保持、拘束されているので、端部が管継手61から離間し管軸方向に移動して流体管52に対して相対移動するのが阻止される。したがって、流体管52が管継手61の周辺部分で相当長さ露出してしまうのが防止される。これにより、これらの部分において被覆管53による断熱効果、保温効果が喪失するのを防止することができる。なお、被覆管53は保持具1より先の管継手61側の部分においては被覆管53を拘束して収縮による移動を阻止する部材が存在しないので、自由に収縮することになるが、保持具1は鞘管55の端部に取付けられていて、管継手61と保持具1との間隔は僅かであるので、その間の被覆管53の収縮量は極く小さく、実質的に流体管52に露出部分が発生することはない。したがって、実質的に、保持具1と管継手61との間での被覆管53の収縮が流体管52に対する断熱効果、保温効果に影響することはない。
また、管継手61における流体管52の圧入部分等に漏水が発生し、被覆流体管51の流体管52と被覆管53との間に水が漏れ出て、水滴となって流体管52の外面を伝って被覆管53内を流れたときに、管継手61の周辺位置で保持具1の保持部8が被覆流体管51の外面を挟持するため、この部分で流体管52と被覆管53との隙間が閉塞され、それ以上水滴が下流側に流れるのが防止される。したがって、保持具1の保持部8は被覆管53の収縮を防止して流体管52が露出するのを防止することに加え、管継手61で漏水が生じたときの止水部としても機能する。
一方、上記のように、本発明の保持具1の保持部8によって被覆管53が熱収縮により管継手61から管軸方向に移動し、流体管52が露出してしまうのを防止できるが、前述のように、被覆管53の外面には保持部8の挟持に伴って皺54が発生してしまう。この被覆管53の皺54は管軸方向に所定の長さに至って生ずるので、保持部8が保持具1の内部に設けられていても、前記皺54が保持具1の引出部5から外部に臨んで、外側から見えてしまうことがある。その場合には、保持具1の引出部5における見栄えが低下し、外観が損なわれてしまうことになる。そこで、保持具1では、更に、覆い部6で覆うとともに、その壁面6aに被覆流体管51を引き出すために形成された外部側開孔7の内径を、外部側開孔7を通して被覆管53の皺54が外部から視認されるのを防止する大きさに形成している。このため、被覆管53の皺54が保持具1の外側から視認されて引出部5における見栄えが低下するのが防止される。
更に、覆い部6の外部側開孔7は次のようにも機能する。即ち、引出部5から引き出された一対の被覆流体管51は、外向き2方向に円弧状に湾曲しつつ分岐するので、引出部5において湾曲の内側部分は外部側開孔7の周縁7aの一側に当接する。ここで、仮に、外部側開孔7がないとすると、保持具1から引き出される被覆流体管51は内部側開孔10から直接外部に引き出され、湾曲しつつ外向き2方向に分岐することになり、被覆流体管51の湾曲の内側部分においては流体管52の外壁によって内部側開孔10の周縁10aの一側に押し付けられて圧縮され、反対側の湾曲外面側においては流体管52の外面との間に大きな隙間を生ずることとなる。即ち、被覆管52は、内部側開孔10の周縁10aの一側で局部的に挟持されるにすぎず、内部側開孔10の周縁10a全体で均等に挟持されるのではないため、保持部8による保持が不十分となり、温熱水の通流に伴う収縮により管軸方向に移動してしまったり、管継手からの漏水に対する止水が不十分となる。
ところが、本発明の保持具1には、内部側開孔10の外側に外部側開孔7が設けられているため、この外部側開孔7の周縁7aとの当接により引出部5における被覆流体管51の曲げが規制され、急激な曲げが回避されて緩やかな湾曲となる。即ち、引出部5から被覆流体管51が急激に曲げられて引き出され、分岐したとしても、流体管52の曲げによる押圧の負荷は主に外部側開孔7において負担するから、内部側開孔10においては流体管52は直線に近い極く緩やかな湾曲状態で挿通する。その結果、内部側開孔10において被覆流体管52は一側の周縁10aに片寄って押圧されることはなく、周縁10aの全周に至ってほぼ均等に押圧、挟持されることとなる。これにより、被覆管52は保持部8において確実に挟持され、流体管52の一定位置に確実に保持される。
このように、外部側開孔7は、覆い部6の壁面6aと相俟って内部側開孔10の保持による被覆管53の皺54を覆うとともに、内部側開孔10と相俟って間隔Sだけ離間した2段の開孔により、分岐して引き出される被覆流体管51の曲がりを規制し、内部側開孔10内の流体管52の片寄りを防止して周縁10a全体による被覆管53の挟持を確保できるよう機能する。
また、保持具1は、保持部8の内部側開孔10及び覆い部6の外部側開孔7が、被覆流体管51毎に独立して設けられていて、各外部側開孔7の中心軸7bは、図3(b)に示すように、各内部側開孔10の中心軸10bに対して直交方向の外側寄りに配置されており、内部側開孔10及び外部側開孔7は被覆流体管51の曲がりに対応し、緩やかな湾曲形状の軌跡にほぼ沿った箇所に配置されている。このため、内部側開孔10における流体管52の片寄りを防止する効果が増し、被覆管53はより確実に保持部8によって保持される。なお、上記では、引出部5から2方向に分岐して引き出されるペア管についての外部側開孔7の作用を述べているが、外部側開孔7は、鞘管55に1本の被覆流体管51のみが挿通されたものにおいて、保持具1から引き出された後、管継手61まで曲がって配管され接続されるものについても同様に作用する。
加えて、覆い部6は引出開口を閉塞するので、引出部5から保持具1内更には鞘管55内に外気や塵挨等が流出入するのが防止される。
そして、保持具1は、第1半割体21と第2半割体31とを閉じるだけの簡易な操作で簡単に鞘管55の端部の被覆流体管51に取付けることができるとともに、簡易な構成であり、一体成形により安価に製造できる。
ところで、上記実施形態の保持具1の内部側開孔10は、壁面6aから間隔Sだけ離間した位置に設けられている。ここで、この間隔Sは、内部の保持部8の保持によって生じた被覆管53の皺54が外部から視認されないよう管軸方向に延びた皺54の長さより大きい寸法であることが必要である。一方、間隔Sは大き過ぎると、外部側開孔7と相俟った2段の開孔による片寄り防止効果、即ち内部側開孔10の周縁10a全周に渡る均等な被覆流体管51の挟持による被覆管53の確実な保持が得られなくなることもある。したがって、引出部5の間隔Sは被覆管53の皺54の長さ、性状を含め、これらの点を考慮して設定すべきである。
なお、間隔Sの部分は、空間が形成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、その空間に樹脂材が一体に埋め込まれ、この樹脂材で埋め込まれた部分に被覆流体管51の貫通孔が形成されていてもよい。但し、空間が形成されていると、被覆管53の皺54の外方への膨出部分がその空間に収容できるため、また、材料コスト面から、両開孔間は通常、空間に形成される。なお、このような間隔Sの部分も覆い部6に含まれる。
また、上記実施形態の覆い部6の壁面6a及び外部側開孔7は、保持具1の端部に設けられているが、必ずしもこれに限られるものではなく、端部から僅かに内方に離間した位置に設けてもよい。
更に、外部側開孔7の中心軸7bは、内部側開孔10の中心軸10bに対して直交方向の外側寄りにずらした位置に配設されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、内部側開孔10の中心軸10bと同軸に配設されていてもよい。
そして、内部側開孔10は、被覆管53の挟持力を増大させるため、全周に至って周縁10aの端面に、被覆管53の外面に食い込む鋸歯状の小突起を設けてもよい。
加えて、上記実施形態の鞘管55は、樹脂発泡層を有する管が使用されているが、外面波付の鞘管であってもよい。外面波付の鞘管は架橋ポリエチレン管等の合成樹脂管からなり、その波付きの谷部に保持具1の鞘管挿通孔4の周縁4aを嵌入させ係止させて鞘管連結部3に連結することができる。
そして、上記実施形態の保持具1は、第1半割体21と第2半割体31とを第1ヒンジ12を軸に回動し、第2半割体31の係止部38を第1半割体21の被係止部35に係止させて筒状体に形成しているが、この係止手段に限られるものではない。また、前記係止手段は、側端部の両端2箇所に設けているが、各半割体の側端部の中間の1箇所に設けてもよい。更に、保持具1は、例えば、2個の半割体が互いに分離したものであって、各半割体のそれぞれの両側端部に係止手段を設け、両側端部において係止させて筒状体に形成するものとしてもよい。そして、保持具1は断面が略小判形状の筒状体に形成しているが、これに限られず、四角筒状体などに形成してもよい。
加えて、上記実施形態では、鞘管55内にペア管として2本の流体管52が並列して挿通されたものを例示したが、本発明は、これに限られるものではなく、鞘管55内に1本の流体管のみが挿通されたもの、或いは3本以上の流体管が挿通されたものにも同様に適用し得る。例えば、流体管が1本であるときは、当然であるが、保持具1の保持部8には1個の円形状の内部側開孔10が設けられ、覆い部6には1個の円形状の外部側開孔7が設けられる。
本発明の保持具1は、鞘管55内の被覆流体管51が給湯器57の管継手61に接続されたものを例示しているが、他に、例えば、床暖房などにおいて被覆流体管51が鞘管55内に挿通され、この鞘管55の端部から引き出されて床暖房用床板に設けられた管継手61に接続されるものや、給水器、給湯器57等から端末の各給水栓等に至る間に設けられた分水用のヘッダーの管継手61に流体管を接続するものにも同様に適用される。
本発明の実施形態の被覆管保持具を示す斜視図である。 図1の展開状態の保持具を示す斜視図である。 図2の保持具を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。 (a)は図3(b)のA−A切断線による断面図、(b)は同図のB−B切断線による断面図、(c)は同図のC−C切断線による断面図である。 図1の保持具の接続箇所を示す正面図である。 図5の管継手への接続状態を示す正面図である。 (a)は図1の保持具の組付け直前の断面図、(b)は組付け後の断面図である。 図1の保持具の右側面図である。 図1の保持具で被覆流体管を保持した状態を示す側面図である。 図1の保持具から信号線を引き出した状態を示す断面図である。 従来の、管継手に接続された被覆流体管の端部を示す正面図であり、(a)は流体管に温熱水を通流前の状態、(b)は通流後の状態を示す。
符号の説明
1 保持具
3 鞘管連結部
5 引出部
6 覆い部
7 外部側開孔
7a、10a 周縁
7b、10b 中心軸
8 保持部
10 内部側開孔
21 第1半割体
31 第2半割体
51 被覆流体管
52 流体管
53 被覆管
54 皺
55 鞘管

Claims (3)

  1. 鞘管と、前記鞘管の端部から引き出された、流体管の外面が樹脂発泡層を有する被覆管によって被覆されてなる被覆流体管との間に跨って取付けられ、前記被覆管を保持する被覆管保持具であって、
    半割の筒状体に形成され、
    一端側に設けられて前記鞘管の端部が連結される鞘管連結部と、他端側に設けられて前記被覆流体管が貫通して外部に引き出される引出部とを備え、
    前記引出部は、前記筒状体の内部において前記被覆管の外周全体を挟んで保持する保持部と、前記保持部の保持に伴って前記被覆管の外面に発生した皺を覆い隠す覆い部とを備えたことを特徴とする被覆管保持具。
  2. 前記保持部は、前記被覆流体管が貫通する内部側開孔を備え、その内径は、周縁によって前記被覆管の外周全体を挟んで保持すべく前記被覆流体管の外径より小さい大きさに形成され、
    前記覆い部は、前記被覆流体管が貫通する外部側開孔を備え、その内径は、前記被覆管の外面に発生した皺が前記外部側開孔を通して外部から視認されるのを防止する大きさであって、周縁によって前記被覆管の外面に皺を発生させない大きさに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の被覆管保持具。
  3. 前記覆い部の外部側開孔の中心軸は、前記保持部の内部側開孔の中心軸に対して、前記引出部から引き出された前記被覆流体管の曲がり方向寄りに配設されたことを特徴とする請求項2に記載の被覆管保持具。
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