JP2009215972A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成にてシリンダヘッドの排気ポートから低温の排気ガスを有効に取り出して吸気に還流する。
【解決手段】排気通路4の排気ガス5の一部を取り出し、EGR配管6を介してエンジン1の吸気70に戻すようにしている内燃機関の排気還流装置であって、水冷ジャケット8を備えたシリンダヘッド2に設けられる排気ポート3の出口部30に、排気ポート3内に仕切板11を挿入して排気ポート3の内壁3aに沿って環状空間12を区画する仕切部材13を設け、排気ポート3の内壁3aに沿って流動する排気ガス50aを前記環状空間12から取出口16により取り出してEGR配管6に導くようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼル機関等に適用され、エンジン(内燃機関)の排気通路から排気ガスの一部を抽出して給気通路に還流するEGR装置(排気ガス再循環装置)を備えた内燃機関の排気還流装置に関する。
ディーゼル機関において、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を低減する有効な手段として、EGR装置(排気ガス再循環装置)がある。このEGR装置は、その一例を図3に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2に形成される排気ポート3から排気通路4に排出される排気ガス5の一部をEGRガス50として抽出し、EGR配管6を通して給気通路7の吸気70に還流する構成となっている。図3中、8はシリンダヘッド2に形成される水冷ジャケット、9はEGR配管6に備えたEGR弁、10は排気通路4の下流側に備えて排気ガス5中の粒子状物質を酸化除去するためのパティキュレートフィルタである。
かかるディーゼル機関において、図3のようにEGRガス50を円滑に再循環させてEGR装置の機能を発揮させるためには、EGR配管6の圧力損失を増加させることなくより多くのEGRガス50を吸気70に還流させる必要があるが、このためにはEGRガス50の温度を低くすることが好ましい。又、EGRガス50の温度を低く抑えると、EGR装置作動時における吸気70の温度を低く保持することができるため、窒素酸化物の排出量抑制効果を高めることができる。
EGRガスの温度を低下させる手段としては、たとえば特許文献1に示すものがある。特許文献1では、シリンダヘッド内に、排気ガスの一部をEGRガス専用として導く長い長さのEGRガス通路を形成し、これによってEGRガス通路を流動するEGRガスがシリンダヘッドと熱交換されて冷却されるようになっている。
特開2002−285915号公報
しかし、特許文献1に示される方式では、EGRガスを通すEGRガス通路をシリンダヘッド内に長い長さで形成するようにしているため、シリンダヘッドを全く新しい構造のものに変更する必要があり、更に、長い長さのEGRガス通路を設けるためにシリンダヘッドの構造が複雑且つ大型になるという問題がある。
また、シリンダヘッド内に形成したEGRガス通路内を流動するEGRガスは、EGRガス通路の内壁に沿って流れる膜状のガス部分は壁面からの冷却を受けて温度が低下されるが、EGRガス通路の中心を流動するガス部分は壁面からの冷却を受け難くしかもEGRガス通路の中心を流れるガス部分は流速が大きいため、結果として吸気に還流されるEGRガス全体の温度は余り低くならないという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、簡単な構成にてシリンダヘッドの排気ポートから低温の排気ガスを有効に取り出して吸気に還流できるようにした内燃機関の排気還流装置を提供しようとするものである。
本発明は、排気通路の排気ガスの一部を取り出し、EGR配管を介してエンジンの吸気に戻すようにしている内燃機関の排気還流装置であって、水冷ジャケットを備えたシリンダヘッドに設けられる排気ポートの出口部に、排気ポート内に仕切板を挿入して排気ポートの内壁に沿って環状空間を区画する仕切部材を設け、排気ポートの内壁に沿って流動する排気ガスを前記環状空間から取出口により取り出してEGR配管に導くようにしたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置、に係るものである。
上記内燃機関の排気還流装置において、前記取出口は仕切部材に備えられていてもよい。
又、上記内燃機関の排気還流装置において、前記取出口はシリンダヘッドに備えられていてもよい。
本発明の内燃機関の排気還流装置によれば、シリンダヘッドの排気ポートの出口部に仕切板を挿入して排気ポートの内壁に沿って流動する低温の排気ガスを環状空間に集め、取出口により取り出してEGR配管に導くようにしたので、簡単な構成にて排気ポートから低温の排気ガスを有効に取り出すことができ、よってより多くの排気ガスを吸気に還流することができると共に、吸気の温度が低く抑えられることにより内燃機関のNOx低減効果を高められるという優れた効果を奏し得る。
又、排気ポートの内壁に沿って流動する低温の排気ガスが仕切板により環状通路に分離されるので、排気ポートの中心を流動する高温の排気ガスは下流のパティキュレートフィルタに導かれて粒子状物質の除去が行われるが、パティキュレートフィルタは作動温度が高いため、前記したように高温の排気ガスがパティキュレートフィルタに導かれることによって粒子状物質の除去効果が高められる効果がある。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図3と同一の構成を有するエンジン1において、水冷ジャケット8で冷却されるシリンダヘッド2に備えられる排気ポート3の出口部30に、排気ポート3内に向けて仕切板11を挿入して排気ポート3の内壁に沿う環状空間12を区画するようにした仕切部材13を嵌合部14を介して配置し、仕切部材13のフランジ15により前記シリンダヘッド2の排気ポート3の出口部30の外側に対してボルト等により固定している。この仕切部材13は、図1に示すように排気通路4と一体に形成されていてもよく、或いは排気通路4と別体に形成されて排気通路4に接続されるようになっていてもよい。
前記仕切部材13には、前記環状空間12から延長された所要深さの延長空間12'が形成してあり、更に、該延長空間12'の下流側(図1の右側の最深部)にはEGR配管6に接続される取出口16を設けている。従って、前記排気ポート3の内壁3aに沿い流動して冷却された低温の排気ガス50aは仕切板11により分離されて前記環状空間12に集められた後、延長空間12'の取出口16から取り出されてEGR配管6に導かれて吸気70(図3)に還流されるようになっている。
又、排気ポート3の内壁3aに沿って流動する低温の排気ガス50aが仕切板11により環状空間12に集められて取り出されることにより、排気ポート3の中心を流動する高温の排気ガス50bのみが下流のパティキュレートフィルタ10(図3)に導かれるようになっている。
次に、上記図1の形態の作動を説明する。
シリンダヘッド2に形成される排気ポート3の出口部30に、排気ポート3内に仕切板11を挿入して排気ポート3の内壁3aに沿う環状空間12を形成する仕切部材13を備え、排気ポート3内を流動する排気ガス5のうち、排気ポート3の内壁3aに沿って流動する低温の排気ガス50aを仕切板11により環状空間12に集め、集めた低温の排気ガス50aを取出口16からEGR配管6に導くようにしたので、シリンダヘッド2の構造には何らの変更も加えることなしに、排気ポート3の内壁3aに沿って流動する冷却された低温の排気ガス50aを有効に取り出して、EGR配管6により吸気70に還流することができる。
このように、シリンダヘッド2の水冷ジャケット8により冷却された排気ポート3の内壁3aに沿って流動する温度が低い排気ガス50aをEGRガス50として効果的に取り出すことができ、よって、より多くの排気ガス50aを吸気70に還流することができると共に、吸気70の温度を低く抑えることができるため、内燃機関のNOx低減効果を高めることができる。
又、排気ポート3の内壁3aに沿って流動する低温の排気ガス50aが仕切板11により仕切られて取り出されるため、残りの排気ポート3の中心を流動する高温の排気ガス50bのみが下流のパティキュレートフィルタ10に導かれて粒子状物質の除去が行われるが、この時、パティキュレートフィルタ10は作動温度が高いため、前記したように排気ポート3の中心を流動する高温の排気ガス50bがパティキュレートフィルタ10に導かれることにより粒子状物質の除去効果が向上されるようになる。
図2は本発明を実施する形態の他の例を示すもので、図2では排気ポート3の出口部30に、排気ポート3内に向けて仕切板11を挿入して排気ポート3の内壁3aに沿って環状空間12を区画するようにした仕切部材17を、図1の仕切部材13と同様に嵌合部14を介して配置している。ここで、仕切部材17は、図1のような延長空間12'は備えていない。そして、前記環状空間12の下流側位置(図2の右側の最深部)に対応するシリンダヘッド2の位置には、EGR配管6に接続するようにした取出口18を設けており、前記排気ポート3の内壁3aに沿って流動する低温の排気ガス50aを前記環状空間12から取出口18により取り出して前記EGR配管6へ導くようにしている。
上記図2の形態においては、シリンダヘッド2に取出口18を形成するため、シリンダヘッド2に対する僅かな加工が必要となるが、図1の形態と同様に、排気ポート3の内壁3aに沿う冷却された低温の排気ガス50aをEGRガス50として吸気70に還流することができると共に、下流のパティキュレートフィルタ10に高温の排気ガス50bを供給することができる。
なお、本発明の内燃機関の排気還流装置は、上記形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例としての内燃機関の排気還流装置の部分断面図である。 本発明を実施する形態の他の例としての内燃機関の排気還流装置の部分断面図である。 従来の内燃機関の排気還流装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 エンジン
2 シリンダヘッド
3 排気ポート
3a 内壁
4 排気通路
5 排気ガス
6 EGR配管
8 水冷ジャケット
11 仕切板
12 環状空間
13 仕切部材
16 取出口
17 仕切部材
18 取出口
30 出口部
50 EGRガス
50a 低温の排気ガス
70 吸気

Claims (3)

  1. 排気通路の排気ガスの一部を取り出し、EGR配管を介してエンジンの吸気に戻すようにしている内燃機関の排気還流装置であって、水冷ジャケットを備えたシリンダヘッドに設けられる排気ポートの出口部に、排気ポート内に仕切板を挿入して排気ポートの内壁に沿って環状空間を区画する仕切部材を設け、排気ポートの内壁に沿って流動する排気ガスを前記環状空間から取出口により取り出してEGR配管に導くようにしたことを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  2. 前記取出口が仕切部材に備えられている請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
  3. 前記取出口がシリンダヘッドに備えられている請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
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