JP2009214316A - インクパック - Google Patents

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まどか 恵星
Satoshi Takezawa
敏 竹澤
Masakatsu Okawa
将勝 大川
Tomotaka Furuhata
朝隆 古旗
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Abstract

【課題】インク中の揮発性物質が金属層と内面層の界面にたまることを防止し、ひいてはそれに起因する反応を防止してインクの保管性を向上させたインクパックを提供すること。
【解決手段】本発明のインクパックは、インクを貯留するインク容器を備えた、インクジェットプリンタ用インクパックであって、前記インク容器は、少なくとも内面層と、該内面層の外側に配された金属製遮光層と、を備えてなり、前記内面層は、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクを貯留するインク容器を備えた、インクジェットプリンタ用インクパックに関する。
従来、記録ヘッドからインクをターゲットに対して噴射する液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」と言う)が知られている(例えば、特許文献1)。こうしたプリンタでは、通常、プリンタの所定箇所にインクカートリッジを着脱可能に装着し、そのインクカートリッジ内に収容された可撓性を有するインクパックを加圧ポンプにより加圧することで、インクパック内に充填されたインクを記録ヘッドへ圧送するようにしている。
または、ヘッド側からチューブポンプなどで吸引することにより、インクパック内に充填されたインクを記録ヘッドに供給するようにしている。
ところで、インクジェット記録方式には、水性インク、油性インク、溶剤インク、紫外線硬化型インク(「UV硬化型インク」、「UVインク」ともいう。)など、様々なインクを用いる方法がある。
紫外線線硬化型インクジェット記録方式は、インク吸収性の乏しい基材に対しても画像形成する方法として、近年注目を集めている。これらには、水、水性溶剤、各種有機溶剤にて反応性のモノマーを希釈した溶剤タイプと、硬化後溶剤が残らない無溶剤タイプとがあり、近年は、無溶剤型のインクが注目されている。
紫外線硬化型のインクとしては、アクリレートモノマーを主体としたラジカル重合性のインクと、エポキシモノマーやオキセタンモノマーを主体としたカチオン重合性のインクが知られている。
しかしながら、紫外線硬化型のインクに用いるアクリレートモノマー、エポキシモノマー、オキセタンモノマーなどは、従来の水性インク、油性インク、溶剤インクに用いられてきた希釈溶剤とは大きく異なる性質を示し、インクジェットヘッドのクリーニング、送液、インク貯蔵などに関して、特に長期の耐久性には多くの問題を抱えていた。モノマーは多くのプラスチックと相溶しやすい。その為、これらのインクと接触する部材として、従来から用いられているような部材を用いると、紫外線硬化型インクがプラスチック部材に浸透することによって変質し、その機能を発揮できない。
このようなインクジェットプリンタ用インクパックに用いられるフィルムは、内部に収納したインクの成分が外部へ蒸発したり、逆に外気の水分、酸素などがインク内に侵入しないよう、さらに紫外線硬化型インクの場合には、外部からの光を遮断するために、金属層を有する多層のフィルム構造となっている。
図5は、従来のインクジェットプリンタ用インクパックに用いられるフィルム構成の一例を示す断面図である(例えば、特許文献2参照)。このフィルム211は、通常、内面層212に、溶着性を考慮して、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が使用されている。この内面層212と、ガスバリア性及び遮光性を有するアルミなどからなる金属層213と、ナイロン等からなる外層216とを、接着剤層214を介して接着させている。また、外層216の内側には、接着剤層214になじみやすくするためにシリカ蒸着層215が設けられていている。
しかしながら、前述した従来のフィルム構造では、内面層を構成するポリエチレン(PE)にガスバリア性がない(すなわち、ガス透過性が高い)ため、インク中の成分が内面層を通過して、ガスバリア性の高い(すなわち、ガス透過性が低い)金属層と内面層との界面にたまり、反応が開始され界面で固形物が形成されてしまう。また、界面にたまったインクのうち、内面層の性能を低下させる成分が、内面層を損傷してしまう。そして、内部に収納された紫外線硬化型インクの保管性を低下させてしまうという問題があった。
加えて、水性インク、油性インク、溶剤インクなどにおいても、内面層のピンホールを通してインクが滲み出すことで、インクパックの表面にインクしみが形成されて、外観を損ねたり、著しい場合には、ピンホール周辺で顔料などの凝集を生じ、インクの保管性を低下させてしまう問題があった。
特開2004−291246号公報 特開2007−196425号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、インク中の揮発性物質が金属層と内面層の界面にたまることを防止し、ひいてはそれに起因する反応を防止してインクの保管性を向上させたインクパックを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のインクパックは、インクを貯留するインク容器を備えた、インクジェットプリンタ用インクパックであって、前記インク容器は、少なくとも内面層と、該内面層の外側に配された金属製遮光層と、を備えてなり、前記内面層は、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のインクパックは、請求項1において、前記内面層は、それぞれ酸素透過率の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のインクパックは、請求項2において、前記内面層は、少なくともその一部が、内側から酸素透過率の高い順に前記複数の樹脂層が積層されてなることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のインクパックは、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記内面層は、内側から順に、酸素透過率が8000〜2000ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂からなる第一樹脂層と、酸素透過率が100〜10ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂からなる第二樹脂層と、が少なくとも積層されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のインクパックは、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記内面層を構成する熱可塑性樹脂の少なくとも一部が、ガラス転移点Tgが60℃以上の樹脂であることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載のインクパックは、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記内面層が、内側から順に、ポリエチレン及び/又はポリプロプレンからなる第一樹脂層と、ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンからなる第二樹脂層と、が積層されてなることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載のインクパックは、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記内面層の少なくとも一部が、内側からポリエチレン/ナイロンの順に積層されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載のインクパックは、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記内面層の少なくとも一部が、内側からポリエチレン/ナイロン/エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂の順に積層されていることを特徴とする。
本発明では、インク容器を構成する内面層を、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が複数積層されてなる多層構造とすることで、紫外線硬化型インク中の揮発性物質が各樹脂層の界面に分散される。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層と内面層の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応を防止することができる。その結果、本発明では、インクの保管性を向上させたインクパックを提供することができる。
さらに、水性インク、油性インク、溶剤インクなどにおいても、内面層のピンホールを通してインクが滲み出すことで、インクパックの表面にインクしみが形成されて、外観を損ねたり、著しい場合には、ピンホール周辺で顔料などの凝集を生じ、インクの保管性を低下させてしまう問題を防止することができ、保管性と耐久性に優れたインクパックを提供することができる。
以下、本発明に係るインクパックの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のインクパックの一構成例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)はA−A線における縦断面図である。また、図2は、本発明の要部であるインクパック1のインク容器2を構成する積層フィルム10を拡大して示す断面図である。
本発明のインクパックは、紫外線硬化型インク等のインクを貯留するインクジェットプリンタ用インクパックであって、図1に示すように、インクパック1は、内部にインクが貯留されるインク容器2と、インク容器2に設けられたインク供給孔部5と、から構成される。
前記インク容器2は、可撓性を有する袋状であり、それの内周面に筒状部材3が、高い接着力でもって結合されている。
特に、図2に示すように、本発明のインクパック1では、前記インク容器2は、少なくとも内面層11と、該内面層11の外側に配された金属製遮光層12と、を備えてなり、前記内面層11は、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有することを特徴とする。
本発明では、インク容器2を構成する内面層11を、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が複数積層されてなる多層構造とすることで、紫外線硬化型インク中の揮発性物質が、その揮発性・樹脂透過性の違いに基づき、各樹脂層の界面に分散される。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層12と内面層11の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応を防止することができる。その結果、本発明のインクパック1は、インクの保管性が向上したものとなる。
さらに、本発明のインクパック1は、内面層11が多層構造であるため、内面層11を貫通するようなピンホールが生じにくいと考えられ、内面層11のピンホールを通してインクが滲み出すことで、インクパックの表面にインクしみが形成されて、外観を損ねるような不具合も生じにくい。
インク容器2の具体的な構成については後述する。
インク供給孔部5は、後述するようにカートリッジケースに取付固定されインク供給孔3aを中心に有する筒状部材3(スパウトと称する。インクパック1の栓に相当する。)と、該筒状部材3のインク供給孔3a内に嵌挿されインク容器2の外部と内部との連通を遮断するシール部材4とにより構成される。
筒状部材3は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱接着性樹脂の成形物からなり、図2に示すように、インク容器2の上端縁に挟み込まれた状態でヒートシールされ、中央部に貫通孔(インク供給孔3a)が形成された装着部3bと、この装着部3bに連設され、インク容器2の外側に突出する、先端に注出口を有する円筒状の口部3cと、を備えており、相互に連通した状態となっている。
前記シール部材4は、インク供給孔3aの内周面の内径よりも大きい外径を有し、弾性に抗してシール部材4をインク供給孔3aに圧入することにより、シール部材4の外周面とインク供給孔3aの内周面とが弾性的接触してシール性(密封性)が確保され、インク容器2の外部と内部との連通を確実に遮断するようになっている。
前記シール部材4は、インク不透過性かつ気体不透過性の弾性材料から形成される。これによりシール性が確保され、インク漏れを防止するとともに、インク中に気泡を発生させるのが抑えられる。このような弾性材料としては、ゴム材料が用いられる。これにより上記効果をより確実なものとすることができる。
そして本発明のインクパック1において、前記インク容器2は、少なくとも内面層11と、該内面層11の外側に配された金属製遮光層12と、を備えてなり、前記内面層11は、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有する。
図2は、インク容器2を構成する積層フィルム10の一例を示す断面図である。この積層フィルム10Aは、熱可塑性樹脂からなる内面層11と、この内面層11の外側にアルミニウム等の金属が蒸着形成された金属製遮光層12とを備える。さらに金属製遮光層12の外側には、接着剤層13を介してナイロン等からなる外面層14が接着されている。外面層14の内側には接着剤層13になじみやすくするためにシリカ蒸着層(図示せず)が設けられていてもよい。
そして、前記内面層11は、それぞれ酸素透過率の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有する。内面層11を、それぞれ酸素透過率の異なる樹脂層が複数積層されてなる多層構造とすることで、インク中の揮発性物質を各樹脂層の界面に分散することができる。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層12と内面層11の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応を防止することができる。
特に、前記内面層11は、少なくともその一部が、内側(インクに接する側)から酸素透過率の高い順に前記複数の樹脂層が積層されてなることが好ましい。複数の樹脂層を内側から酸素透過率の高い順に配することで、インク中の揮発性物質を各樹脂層の界面に効率よく分散することができる。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層12と内面層11の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応を確実に防止することができる。その結果、本発明のインクパック1は、インクの保管性が向上したものとなる。
前記内面層11は、酸素透過率が2000〜8000ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂(第一熱可塑性樹脂)からなる第一樹脂層11aと、酸素透過率が10〜100ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂(第二熱可塑性樹脂)からなる第二樹脂層11bと、が少なくとも積層されていることが好ましい。上記のような酸素透過率を有する、酸素透過率の大きい第一樹脂層11aと、酸素透過率の小さい第二樹脂層11bとを組み合わせることで、インク中の揮発性物質を各樹脂層の界面に効率よく分散することができる。
このような酸素透過率が2000〜8000ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂(第一熱可塑性樹脂)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン(PE、LDPE、LLDPE)、ポリプロプレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ポリスチレン、テフロン(登録商標)等が挙げられる。前述の材料の中から、パックのシール性や耐インク性等を考慮して適宜選択される。
また、酸素透過率が10〜100ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂(第二熱可塑性樹脂)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
また、前記内面層11を構成する熱可塑性樹脂の少なくとも一部が、インクによってはガラス転移点Tgが60℃以上の樹脂であることが好ましい。ガラス転移点Tgが60℃以上の樹脂を用いることで、特に高温環境下にインクパック1が保管された場合、ガラス転移点Tgが60℃未満の樹脂を用いるよりもインクの透過性が低くなるので、保管がしやすくなる。
このようなガラス転移点Tgが60℃以上の樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等が挙げられる。
特に、内面層11は、上述したような樹脂材料として、ポリエチレン及び/又はポリプロプレンからなる第一樹脂層11aと、ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンからなる第二樹脂層11bと、が内側から順に積層されてなることが好ましい。
また、内面層11は、その少なくとも一部が、内側からポリエチレン(第一樹脂層11a)/ナイロン(第二樹脂層11b)と、が順に積層されていることがより好ましい。
内面層11を上記のような樹脂材料を用いた積層構造とすることで、インク中の揮発性物質を各樹脂層の界面により効率よく分散することができる。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層12と内面層11の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応をより確実に防止することができる。その結果、本発明のインクパック1は、インクの保管性がより向上したものとなる。
本発明のインクパック1において、内面層11は、2層構造に限定されず3層構造を有していてもよい。
例えば、図3は、インク容器2を構成する積層フィルム10の他の例を示す断面図である。図3に示す積層フィルム10Bのように、内面層11は、その少なくとも一部が、内側からポリエチレン(第一樹脂層11a)/ナイロン(第二樹脂層11b)/エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(第三樹脂層11c)の順に積層されていることがさらに好ましい。内面層11の積層数を多くすることで、インク中の揮発性物質を各樹脂層の界面にさらに効率よく分散することができる。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層12と内面層11の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応をさらに確実に防止することができる。その結果、本発明のインクパック1は、インクの保管性がさらに向上したものとなる。
このような内面層11を構成する各樹脂層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、10〜150μmとすることが好ましい。特に60〜100μmとすることが好ましい。
また、上述したような複数の樹脂層が積層されてなる内面層11は、その全体の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、20〜180μmとすることが好ましい。特に、80〜120μmとすることが好ましい。内面層11の厚みが薄すぎると、パックの強度が低下したり、インクが透過しやすくなる等の不具合を生じる。一方、内面層の厚みが厚すぎると、パックの柔軟性が失われ、取り扱いが不便になったり、収納できるインク量が少なくなったりするなどの不具合がある。
以上のように構成された積層フィルム10からなるインク容器2は、袋状に形成されていて、内部にインクが収納される。収納されたインク中の揮発性物質は、ガス透過性を有する内面層11を通過するが、内面層11を多層構造とすることで、揮発性物質が各樹脂層の界面に分散される。これにより前記揮発性物質が金属製遮光層12と内面層11の界面にたまることを、ひいてはそれに起因する反応を防止することができる。
また、前記金属製遮光層12は、アルミ等の金属蒸着膜であるので、内面層11を通過したインク中の揮発性物質が金属製遮光層12で遮断され接着剤層13をアタックすることがなく、金属製遮光層12と外面層14との接着状態を長期にわたって維持できる。また金属製遮光層12は、外部からの光を遮断するので、インク成分の劣化を阻止することができる。
このような本発明のインクパック1では、60℃・24時間の保管条件下において、前記内面層11を透過する紫外線硬化型インク量が、0.1g/m以上、1g/m以下の範囲であることが好ましい。前記内面層11を透過するインク量を前記範囲とすることで、本発明のインクパック1はインク保管性に優れたものとなる。
なお、上述した実施形態では、内面層11が2層または3層の積層構造を有する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、4層以上の積層構造を有する場合についても適用可能である。
上述したような本発明のインクパック1は、通常、図4に示すように、蓋材21を備えた箱形状のカートリッジケース22内に収納、取付固定されインクカートリッジ20として用いられる。
上記インクカートリッジ20を用いて印刷する場合には、インク供給針(図示せず)を、シール部材4を突き破って筒状部材3のインク供給孔3aに挿通させることで、中空状のインク供給針を通じて、インク容器2の内部のインクが外部に導き出し可能な状態とされる。なお、前記インク供給針は、インク供給管(図示せず)を通じて、プリンタの印字ヘッド(図示せず)に接続されている。
以上、本発明のインクパックについて説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
また、上述した実施形態では、インクカートリッジの内部に装着されて用いられるインクパックを例に挙げて説明したが、本発明のインクパックはこれに限定されず、インクカートリッジに装着されずに用いられるインクパックや、あるいはその他の形態で用いられるインクパックについても適用可能である。
以下に示すような構成の積層フィルムを用いてインクパックを作製し、その内部にパッキングされたインクの保存性を評価した。
(実施例1)
以下に示す構成で内面層、金属製遮光層及び外面層を内側から順に積層してフィルムを作製した。
<積層フィルム構成>
内面層:(内側)ポリエチレン(85μm)/ナイロン(15μm)(外側)
金属製遮光層:アルミニウム(9μm)
外面層:ナイロン(15μm)
前記積層フィルムを用いてインク容器を作製し、図1に示すようなインクパックを作製した。
<紫外線硬化型インク組成>
・ヘキサンジオールジアクリレート 20重量部
・SOLSPERSE32000(ゼネカ製) 0.5重量部
・カーボンブラック(MA230、三菱化学製) 2.5重量部
をステンレス製密閉容器に入れ、ジルコニアビーズと共に8時間ボールミルを行い、顔料分散液を調製した。
この顔料分散液を23重量部に。
・テトラヒドロフルフリルアクリレート 30重量部
・イソオクチルアクリレート 30重量部
・ウレタンアクリレート(UA-4400、新中村化学製) 10重量部
を加えて良く攪拌し、さらに
・IRGRCURE 819(チバスペシャリティケミカルズ製) 5重量部
・ベンゾフェノン 2重量部
を加えて良く攪拌した後、目開き2μmのステンレスメッシュでろ過することで、紫外線硬化型インク組成物を得た。
そして、上記のインクパックに紫外線硬化型インクを入れてパッキングした。
(実施例2)
内面層の厚みを変えた。すなわち、内面層の構成を、内側から順にポリエチレン(105μm)/ナイロン(15μm)としたこと以外は、実施例1と同様にインクパックを作製し、上記紫外線硬化型インクを入れてパッキングした。
(実施例3)
内面層を3層構成とした。すなわち、内面層の構成を、内側から順にポリエチレン(60μm)/ナイロン(15μm)/EVOH(20μm)としたこと以外は、実施例1と同様にインクパックを作製し、上記紫外線硬化型インクを入れてパッキングした。
(比較例)
内面層を、ポリエチレン(80μm)からなる単層構造としたこと以外は、実施例1と同様にインクパックを作製し、上記紫外線硬化型インクを入れてパッキングした。
以上のようにして作製された各実施例及び比較例のインクパックを60℃のオーブンに入れて保管し、15日、30日、60日経過したところで取り出した。パック内のインクが固まっていないか確認し、インクの物性(粘度、粒径)を測定した。
また、インクの状態を観察し、評価した。インクが溶液の場合には○、インクが明らかに粘度が上昇している場合には△、インクがゲル化している場合には×とした。
評価結果を表1に示す。なお、表1においては、60℃、15日保管可能を合格レベルとする。
Figure 2009214316
表1から明らかなように、内面層が単層構造である比較例のインクパックでは、日が経過するにつれてインクの粘度が高く、粒径が大きくなり、保管16日でインクが固まって(ゲル化)してしまった。
これに対し、内面層を複数層の積層構造とした実施例1〜3のインクパックでは、日が経過してもインクの粘度や粒径の変化が少なく、19〜34日もインクが保管可能であった。
以上の結果より、本発明のインクパックは、従来のインクパックに比べ、インクの保管性が向上したことが確認された。
また、ソルベントインク(溶剤インク)についても、インクの保管性について評価した。
<紫外線硬化型インク組成>
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート=4:1) 80重量部
・染料(C.I.ソルベントブラック3) 2重量部
・ロジン変性フェノール(タマノル414、荒川化学製) 18重量部
上記材料を45℃で混合溶解した後、目開き2μmのステンレスメッシュでろ過することで、ソルベントインク組成物を得た。
上記ソルベントインクを、上記実施例3で作製したインクパックと、上記比較例で作製したインクパックに入れてパッキングした。
以上のようにして作製されたインクパックを室温下、60℃の保管試験を行い、試験後のインクパックの状態を目視により観察、評価した。
その結果、実施例3のインクパックでは、外観上の異常は認められなかった。一方、比較例のインクパックでは、パック表面にまだら状のシミが確認された。比較例のインクパックでは、ソルベントインク中の染料が内面層と透過、または内面層のピンホールを通してパック表面にブリードアウトしたものと考えられる。
このように、本発明のインクパックは、ソルベントインクに対しても、従来のインクパックに比べ、インクの保管性が向上したことが確認された。
本発明は、インクジェットプリンタ等に用いられるインクパックに適用可能である。
本発明に係るインクパックの一構成例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。 図1に示すインクパックにおいて、インク容器を構成する積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 インク容器を構成する積層フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 インクパックが、カートリッジケースに収納される様子を示す斜視図である。 従来のインクパックにおいて、インク容器を構成する積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…インクパック、2…インク容器、3…筒状部材、3a…インク供給孔、4…シール部材、10A,10B…積層フィルム、11…内面層、11a…第一樹脂層、11b…第二樹脂層、11c…第三樹脂層、12…金属製遮光層、14…外面層

Claims (8)

  1. インクを貯留するインク容器を備えた、インクジェットプリンタ用インクパックであって、
    前記インク容器は、少なくとも内面層と、該内面層の外側に配された金属製遮光層と、を備えてなり、
    前記内面層は、それぞれ組成の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有することを特徴とするインクパック。
  2. 前記内面層は、それぞれ酸素透過率の異なる熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、複数積層されてなる多層構造を有することを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  3. 前記内面層は、少なくともその一部が、内側から酸素透過率の高い順に前記複数の樹脂層が積層されてなることを特徴とする請求項2に記載のインクパック。
  4. 前記内面層は、内側から順に、
    酸素透過率が8000〜2000ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂からなる第一樹脂層と、
    酸素透過率が100〜10ml・25.4μm/m・24hr・atmの熱可塑性樹脂からなる第二樹脂層と、が少なくとも積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクパック。
  5. 前記内面層を構成する熱可塑性樹脂の少なくとも一部が、ガラス転移点Tgが60℃以上の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクパック。
  6. 前記内面層が、内側から順に、ポリエチレン及び/又はポリプロプレンからなる第一樹脂層と、ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンからなる第二樹脂層と、が積層されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクパック。
  7. 前記内面層の少なくとも一部が、内側からポリエチレン/ナイロンの順に積層されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクパック。
  8. 前記内面層の少なくとも一部が、内側からポリエチレン/ナイロン/エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂の順に積層されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクパック。
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