JP2009212472A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】III族窒化物半導体からなるn型の半導体層へ、p型不純物が拡散することを抑制することができる構造の窒化物半導体素子を提供すること。
【解決手段】この窒化物半導体素子は、基板1と、基板1の一方側に形成された窒化物半導体積層構造部2とを備えている。窒化物半導体積層構造部2は、n型層3と、n型層3上に積層形成されたp型GaN層4と、p型GaN層4上に積層形成されたn型GaN層5とを備えている。n型層3は、n型GaN層6と、n型GaN層7と、n型AlGaN層8とを備えており、n型層3において、p型GaN層4に接する部分にn型AlGaN層8が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体を用いた窒化物半導体素子に関する。
従来、パワーアンプ回路、電源回路、モータ駆動回路などには、シリコン半導体を用いたパワーデバイスが用いられている。
しかし、シリコン半導体の理論限界から、シリコンデバイスの高耐圧化、低抵抗化および高速化は限界に達しつつあり、市場の要求に応えることが困難になりつつある。
そこで、高耐圧、高温動作、大電流密度、高速スイッチングおよび低オン抵抗といった特徴を有する、窒化物半導体素子の開発が検討されている。
図8は、従来の窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。
この窒化物半導体素子は、サファイア基板81と、サファイア基板81上に順に積層された、アンドープGaN層82、n型GaN層83、p型GaN層84およびn型GaN層85からなるnpn構造の積層構造部93とを備えている。積層構造部93には、n型GaN層85の表面からn型GaN層83の途中までエッチングされることにより、メサ形状のメサ積層部92が形成されている。このメサ積層部92の両側面は、積層構造部93の積層界面に対して傾斜した傾斜面91である。積層構造部93の表面(傾斜面91を含む)には、SiO(酸化シリコン)からなるゲート絶縁膜86が形成されている。ゲート絶縁膜86には、n型GaN層85およびn型GaN層83をそれぞれ部分的に露出させるコンタクト開口が形成されている。このコンタクト開口から露出したn型GaN層85には、n型GaN層85にオーミック接触するようにソース電極88が形成されている。一方、コンタクト開口から露出したn型GaN層83には、n型GaN層83にオーミック接触するようにドレイン電極89が形成されている。また、ゲート絶縁膜86上における傾斜面91との対向部分には、ゲート電極87が形成されている。そして、ソース電極88、ドレイン電極89およびゲート電極87は、隣接する各電極との間にポリイミドからなる層間絶縁膜90が介在されることにより、互いに絶縁されている。
図8に示すような、縦型のnpn構造を構成するn型GaN層83、p型GaN層84およびn型GaN層85は、たとえば、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)を用いて、GaNを成長させることより形成される。
各GaN層83〜85の形成に際して、成長させられるGaNは、各導電型に対応する不純物(たとえば、n型不純物:Si(シリコン)、p型不純物:Mg(マグネシウム))がドーピングされることにより、各GaN層83〜85に対応する導電型となる。
特開2003−163354号公報
ところで、成長させられるGaNをp型にするには、高い不純物濃度でMgをGaNにドーピングする必要がある。たとえば、4×1019cm−3以上の不純物濃度でドーピングする必要がある。
しかしながら、p型GaN層84を構成するGaNの成長中に、上記不純物濃度でMgがドーピングされると、Mgがn型GaN層83に拡散するおそれがある。その結果、n型GaN層83とp型GaN層84との間に良好なpn接合が形成されず、素子の動作時に、リーク電流が発生するという不具合がある。また、p型GaN層84の形成後、n型GaN層85を構成するGaNの成長中には、p型GaN層84にドーピングされたMgが当該GaNに拡散し、n型GaN層85が高抵抗になるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、III族窒化物半導体からなるn型の半導体層へ、p型不純物が拡散することを抑制することができる構造の窒化物半導体素子を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、III族窒化物半導体からなるn型の層と、このn型の層に接して積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる層とを含み、前記n型の層における前記p型不純物を含む層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子である。
Alを含むIII族窒化物半導体に対するp型不純物の拡散速度は、Alを含まないIII族窒化物半導体に対する拡散速度に比べて遅い。そこで、n型の層におけるp型不純物を含む層と接する部分にAlが含まれている構造とすることにより、p型不純物を含む層にp型不純物が高い不純物濃度でドーピングされていても、p型不純物がn型の層へ拡散することを抑制することができる。
なお、前記n型の層は、たとえば、前記p型不純物を含む層に接して形成され、Alを含むAl含有層と、前記Al含有層に積層形成され、Alを含まないAl非含有層とが積層されてなる層であってもよい。
また、請求項2記載の発明は、n型のIII族窒化物半導体からなる第1層と、この第1層に接して積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる第2層と、この第2層に積層形成され、n型のIII族窒化物半導体からなる第3層とを備え、前記第1層における前記第2層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子である。
この構成によれば、第1層における第2層と接する部分にAlが含まれているので、第2層にp型不純物が高い不純物濃度でドーピングされていても、p型不純物が第1層へ拡散することを抑制することができる。その結果、第1層と第2層との間に良好なpn接合を形成することができ、素子動作時におけるリーク電流の発生を抑制することができる。
この窒化物半導体素子は、たとえば、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)、ガスソースMBE法(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長法)などのエピタキシャル成長法を用いて、Alを含むIII族窒化物半導体を成長させて第1層を形成する工程と、前記第1層上に、III族窒化物半導体を成長させて第2層を形成する工程と、前記第2層上に、III族窒化物半導体を成長させて第3層を形成する工程とを含む製造方法により製造できる。この場合に、第1層における第2層と接する部分にAlが含まれるので、第2層を構成するIII族窒化物半導体の成長中に、p型不純物が第1層に拡散することを抑制することができる。
なお、前記第1層は、たとえば、前記第2層に接して形成され、Alを含むAl含有層と、前記Al含有層に積層形成され、Alを含まないAl非含有層とが積層してなる層であってもよい。
また、請求項3記載の発明は、n型のIII族窒化物半導体からなる第1層と、この第1層に積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる第2層と、この第2層に接して積層形成され、n型のIII族窒化物半導体からなる第3層とを備え、前記第3層における前記第2層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子である。
この構成によれば、第3層における第2層と接する部分にAlが含まれているので、第2層にp型不純物が高い不純物濃度でドーピングされていても、p型不純物が第3層へ拡散することを抑制することができる。その結果、第3層が高抵抗になることを抑制することができる。
この窒化物半導体素子は、たとえば、上記したエピタキシャル成長法を用いて、III族窒化物半導体を成長させて第1層を形成する工程と、前記第1層上に、III族窒化物半導体を成長させて第2層を形成する工程と、前記第2層上に、Alを含むIII族窒化物半導体を成長させて第3層を形成する工程とを含む製造方法により製造できる。この場合に、Alを含むIII族窒化物半導体を成長させて第3層を形成するので、III族窒化物半導体の成長中に、第2層に含まれるp型不純物が当該半導体に拡散することを抑制することができる。
なお、前記第3層は、たとえば、前記第2層に接して形成され、Alを含むAl含有層と、前記Al含有層に積層形成され、Alを含まないAl非含有層とが積層してなる層であってもよい。
また、請求項4記載の発明は、n型のIII族窒化物半導体からなる第1層と、この第1層に接して積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる第2層と、この第2層に接して積層形成され、n型のIII族窒化物半導体からなる第3層とを備え、前記第1層および前記第3層における、前記第2層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子である。
この構成によれば、第1層および第3層における、第2層と接する部分にそれぞれAlが含まれているので、第2層にp型不純物が高い不純物濃度でドーピングされていても、p型不純物が第1層および第3層へ拡散することを抑制することができる。その結果、第1層と第2層との間に急峻なpn接合を形成してリーク電流の発生を抑制することができるとともに、第3層が高抵抗になることを抑制することができる。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。
この窒化物半導体素子は、基板1と、基板1の一方側に形成された窒化物半導体積層構造部2とを備えている。
基板1としては、たとえば、AlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表わされる窒化物半導体基板(たとえば、GaN基板、AlN基板など)、SiC基板、およびSi基板などの導電性基板を適用することが好ましい。
窒化物半導体積層構造部2は、n型層3(第1層)と、n型層3上に積層形成されたp型GaN層4(第2層)と、p型GaN層4上に積層形成されたn型GaN層5(第3層)とを備えている。
n型層3は、基板1の一方表面(上面)に形成されたn型GaN層6と、n型GaN層6上に積層形成されたn型GaN層7と、n型GaN層7上に積層形成されたn型AlGaN層8とを備えている。
型GaN層6は、n型GaN層7およびn型AlGaN層8よりもn型不純物濃度が高く、その濃度は、たとえば、1×1018cm−3〜1×1020cm−3である。一方、n型GaN層7およびn型AlGaN層8のn型不純物濃度は、たとえば、1×1016cm−3〜1×1017cm−3である。
型AlGaN層8は、n型層3の最上層を成しており、n型AlGaN層8の上面には、p型GaN層4がn型AlGaN層8に接して形成されている。また、この実施形態では、たとえば、n型層3の全体の厚さが1μm〜5μmであり、n型AlGaN層8の厚さは、10nm〜50nmである。また、n型AlGaN層8は、組成式AlGa1−zN(0≦z≦1)で表わされ、n型AlGaN層8に含まれるAlの量を示す値zが、0.1〜0.3であることが好ましい。
p型GaN層4は、そのp型不純物濃度が、たとえば、1×1018cm−3〜5×1019cm−3である。また、n型GaN層5は、そのn型不純物濃度が、たとえば、1×1018cm−3〜1×1020cm−3である。
窒化物半導体積層構造部2は、断面が略台形となるようにn型GaN層5からn型GaN層6が露出する深さまで、その積層界面を横切る方向にエッチングされている。そして、n型GaN層6は、窒化物半導体積層構造部2の両側から、基板1の上面に沿う横方向(以下、この方向を「幅方向」とする。)に引き出された引き出し部9を有している。すなわち、引き出し部9は、この実施形態では、n型GaN層6の延長部で構成されている。
一方、窒化物半導体積層構造部2の幅方向中間付近には、n型GaN層5からp型GaN層4およびn型AlGaN層8を貫通してn型GaN層7の途中部に至る深さのトレンチ10が形成されている。この実施形態では、トレンチ10は、断面略V字形に形成されており、その傾斜した側面は、n型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5に跨がる壁面11を形成している。この壁面11の全域を覆い、さらに、n型GaN層6、n型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5の表面には、ゲート絶縁膜12が形成されている。
型GaN層6、n型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5は、基板1の上に、たとえば、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)によってエピタキシャル成長されている。
たとえば、主面がc面(0001)の基板1を用いると、この基板1の上にエピタキシャル成長によって成長させられるn型GaN層6、n型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5は、やはりc面(0001)を主面として積層されることになる。また、窒化物半導体積層構造部2の壁面11の面方位は、たとえば、c面(0001)に対して15°〜90°の範囲で傾斜した面(c面以外の面)である。より具体的には、たとえば、m面(10-10)またはa面(11-20)などの非極性面や、(10-13)、(10-11)、(11-22)などのセミポーラ面となる。
ゲート絶縁膜12は、たとえば、窒化物または酸化物で構成することができる。より具体的には、ゲート絶縁膜12は、SiN(窒化シリコン)、SiO(酸化シリコン)またはこれらの組み合わせで構成することができる。ゲート絶縁膜12上には、ゲート電極13が形成されている。
ゲート電極13は、ゲート絶縁膜12を介して壁面11、すなわちn型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5に対向しており、さらに、n型GaN層5の上面においてトレンチ10の縁部付近にまで延びて形成されている。また、ゲート電極13は、たとえば、Niと、このNi上に積層されたAuとからなるNi/Au合金、Pd/Au合金、Pd/Ti/Au合金およびPd/Pt/Au合金、Pt、Al、ポリシリコンなどの導電性材料で構成することができる。
p型GaN層4において壁面11付近の領域は、ゲート電極13に対向したチャネル領域14である。このチャネル領域14には、ゲート電極13に適切なバイアスが与えられることにより、n型層3とn型GaN層5との間を電気的に導通させる反転チャネルが形成される。
ゲート絶縁膜12には、n型GaN層5の上面を露出させる開口15が形成されている。開口15から露出するn型GaN層5上には、ソース電極16が形成されている。
ソース電極16は、n型GaN層5に対してオーミック接触しており、たとえば、Tiと、このTi上に積層されたAlからなるTi/Al合金などの金属を用いて構成することができる。ソース電極16を、Alを含む金属で構成しておくことにより、ソース電極16をn型GaN層5に対して良好にオーミック接触させることができる。ソース電極16は、その他、MoもしくはMo化合物(たとえば、モリブデンシリサイド)、TiもしくはTi化合物(たとえば、チタンシリサイド)、またはWもしくはW化合物(たとえば、タングステンシリサイド)で構成してもよい。
基板1の他方表面(下面)には、ドレイン電極17が接触形成されている。ドレイン電極17は、基板1に対してオーミック接触しており、たとえば、ソース電極16と同種の金属、すなわち、Ti/Al合金などの金属を用いて構成することができる。ドレイン電極17は、その他、MoもしくはMo化合物(たとえば、モリブデンシリサイド)、TiもしくはTi化合物(たとえば、チタンシリサイド)、またはWもしくはW化合物(たとえば、タングステンシリサイド)で構成してもよい。
次に、上記の窒化物半導体素子の動作について説明する。
ソース電極16とドレイン電極17との間には、ドレイン電極17側が正となるバイアスが与えられる。これにより、n型AlGaN層8とp型GaN層4との界面のpn接合には逆方向電圧が与えられ、その結果、n型GaN層5とn型層3との間、すなわち、ソース電極16とドレイン電極17との間(ソース−ドレイン間)は、遮断状態(逆バイアス状態)となる。この状態から、ゲート電極13に対して、ソース電極16を基準電位として正となるゲート閾値電圧以上のバイアスを印加すると、チャネル領域14におけるゲート絶縁膜12との界面近傍には、電子が誘起されて、反転層(チャネル)が形成される。そして、この反転層を介して、n型層3とn型GaN層5との間が導通する。こうして、ソース−ドレイン間が導通することになる。すなわち、ゲート電極13に所定のバイアスを与えたときにソース−ドレイン間が導通し、ゲート電極13にバイアスを与えないときにはソース−ドレイン間が遮断状態となる。このようにして、ノーマリオフ動作が実現される。
図2A〜図2Hは、図1の窒化物半導体素子の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
この窒化物半導体素子の製造に際しては、まず、基板1が用意され、この基板1の上に、たとえば、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)を用いて、成長温度:1000℃〜1100℃、成長時間:20分間〜30分間の成長条件でGaNを成長させることにより、図2Aに示すように、n型GaN層6およびn型GaN層7が形成される。なお、成長するGaNにドーピングするn型不純物としては、たとえば、Siを用いることができる。
そして、n型GaN層6およびn型GaN層7の形成後、n型GaN層7上に、たとえば、成長温度:1000℃〜1100℃、成長時間:2分間〜20分間の成長条件でAlGaNを成長させることにより、図2Bに示すように、n型AlGaN層8が形成される。こうして、n型GaN層6、n型GaN層7およびn型AlGaN層8からなるn型層3が形成される。なお、成長するAlGaNにドーピングするn型不純物としては、たとえば、Siを用いることができる。
型AlGaN層8の形成に続いて、n型AlGaN層8の上に、たとえば、成長温度:950℃〜1050℃、成長時間:30分間〜50分間の成長条件でGaNを成長させることにより、図2Cに示すように、p型GaN層4が形成される。なお、成長するGaNにドーピングするp型不純物としては、たとえば、MgやZnを用いることができ、この実施形態では、Mgが用いられている。そして、p型GaN層4の形成後は、たとえば、成長温度:1000℃〜1100℃、成長時間:5分間〜15分間の成長条件でGaNを成長させることにより、図2Cに示すように、n型GaN層5が形成される。なお、成長するGaNにドーピングするn型不純物としては、たとえば、Siを用いることができる。こうして、基板1の一方側に、n型GaN層6、n型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5からなる窒化物半導体積層構造部2が形成される。
窒化物半導体積層構造部2が形成された後には、窒化物半導体積層構造部2がストライプ状にエッチングされる。すなわち、n型GaN層5からn型GaN層6の層厚中間部に至る断面略逆台形のトレンチ18がエッチングによって形成される。これにより、図2Dに示すように、複数本(この実施形態では3本)の窒化物半導体積層構造部2がストライプ状に整形されるとともに、n型GaN層6の延長部からなる引き出し部9が同時に形成される。トレンチ18の形成は、たとえば、塩素系ガスを用いたドライエッチング(異方性エッチング)によって行なうことができる。
そして、各窒化物半導体積層構造部2の幅方向中間部付近に、断面略V字形のトレンチ10が、窒化物半導体積層構造部2の長手方向に沿って形成される。トレンチ10の形成は、トレンチ18と同様に、塩素系ガスを用いたドライエッチング(異方性エッチング)によって行なうことができる。なお、ドライエッチングの後、必要に応じて、ドライエッチングによってダメージを受けたトレンチ10の壁面11を改善するためのウェットエッチング処理を行なってもよい。
ウェットエッチングには、KOH(水酸化カリウム)やNaOH(水酸化ナトリウム)などを用いることが好ましい。これにより、ダメージを受けた壁面11を改善することができ、ダメージの少ない壁面11を得ることができる。また、HF(フッ酸)やHCl(塩酸)などによるウェットエッチングによっても、Si系の酸化物やGaの酸化物などを除去することができるので、壁面11を均すことができ、ダメージの少ない壁面11を得ることができる。壁面11のダメージを低減しておくことにより、チャネル領域14(図1参照)の結晶状態を良好に保つことができ、また、壁面11とゲート絶縁膜12との界面を良好な界面とすることができるので、界面準位を低減することができる。これにより、チャネル抵抗を低減することができるとともに、リーク電流を抑制することができる。なお、ウェットエッチング処理に代えて、低ダメージのドライエッチング処理を適用することもできる。
次に、図2Eに示すように、略V字形のトレンチ10の壁面11を覆うとともに、n型GaN層6、n型GaN層7、n型AlGaN層8、p型GaN層4およびn型GaN層5の表面を覆うゲート絶縁膜12が形成される。ゲート絶縁膜12の形成には、ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)スパッタ法を適用することが好ましい。
その後、公知のフォトリソグラフィ技術により、開口15を形成すべき領域に開口部を有するフォトレジスト(図示せず)を介して、ゲート絶縁膜12がストライプ状にドライエッチングされる。これにより、図2Fに示すように、開口15が形成されて、n型GaN層5が部分的に露出する。
次いで、公知のフォトリソグラフィ技術により、ソース電極16を形成すべき領域に開口部を有するフォトレジスト(図示せず)を介して、ソース電極16の材料として用いられるメタル(たとえば、TiおよびAl)が、スパッタ法により、Ti/Alの順にスパッタされる。その後は、フォトレジストが除去されることにより、メタルの不要部分(ソース電極16以外の部分)がフォトレジストとともにリフトオフされる。これらの工程により、図2Gに示すように、ソース電極16が形成される。ソース電極16が形成された後には、熱アロイ(アニール処理)が行なわれることにより、ソース電極16とn型GaN層5との接触がオーミック接触となる。
その後は、ソース電極16の場合と同様の方法により、図2Gに示すように、ゲート絶縁膜12を挟んで壁面11およびn型GaN層5の上面においてトレンチ10の縁部に対向する、ゲート電極13が形成される。
そして、ソース電極16の場合と同様の方法により、図2Hに示すように、基板1の他方表面(下面)に、ドレイン電極17が形成される。こうして、図1に示す窒化物半導体素子を得ることができる。
複数の窒化物半導体積層構造部2は、それぞれ単位セルを形成している。窒化物半導体積層構造部2のゲート電極13およびソース電極16は、それぞれ、図示しない位置で共通接続されている。ドレイン電極17は、基板1に接触して形成されており、すべてのセルに対して共通の電極となっている。
図3Aは、図1のn型GaN層7、n型AlGaN層8およびp型GaN層4に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。また、図3Bは、図8のn型GaN層83およびp型GaN層84に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。なお、図3Aおよび図3Bにおける横軸は、素子の厚さ方向位置を表わしている。
図1および図3Aを参照して、図1に示す窒化物半導体素子では、n型層3におけるp型GaN層4と接する部分には、n型AlGaN層8が形成されている。AlGaNに対するMgの拡散速度が、GaNに対する拡散速度に比べて遅いため、p型GaN層4を構成するGaNの成長中に、Mgが当該GaNに高い不純物濃度(たとえば、1×1018cm−3〜5×1020cm−3)でドーピングされても、そのMgは、n型AlGaN層8にわずかに拡散するものの、n型GaN層7にまで拡散することがない。したがって、図3Aに示されているように、n型層3とp型GaN層4との界面付近におけるMg濃度プロファイルを急峻にすることができる。
一方、図8および図3Bを参照して、従来のように、n型GaN層83に接するようにGaNを成長させて、p型GaN層84を形成する構成では、p型GaN層84を構成するGaNの成長中に、当該GaNにドーピングされるMgが、n型GaN層83に拡散してしまう。そのため、図3Bに示すように、n型GaN層83とp型GaN層84との界面付近におけるMg濃度プロファイルが鈍っている。
このように、この実施形態の窒化物半導体素子では、n型層3におけるp型GaN層4と接する部分にn型AlGaN層8が形成されていることにより、Mgがn型層3全体に拡散することを抑制することができる。その結果、n型層3とp型GaN層4との間に良好なpn接合を形成することができ、素子動作時におけるリーク電流の発生を抑制することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。図4において、図1に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。また、以下では、同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明を省略する。
この実施形態では、窒化物半導体積層構造部2は、n型層20(第1層)と、n型層20上に積層形成されたp型GaN層21(第2層)と、p型GaN層21上に積層形成されたn型層22(第3層)とを備えている。
n型層20は、基板1の一方表面(上面)に形成されたn型GaN層23と、n型GaN層23上に積層形成されたn型GaN層24とを備えている。
型GaN層23は、n型GaN層24よりもn型不純物濃度が高く、その濃度は、たとえば、1×1018cm−3〜1×1020cm−3である。一方、n型GaN層24のn型不純物濃度は、たとえば、1×1016cm−3〜1×1017cm−3である。
p型GaN層21は、そのp型不純物濃度が、たとえば、1×1018cm−3〜5×1019cm−3cm−3である。
n型層22は、p型GaN層21の上面に接して形成されたn型AlGaN層25と、n型AlGaN層25上に積層形成されたn型GaN層26とを備えている。
型GaN層26は、そのn型不純物濃度が、たとえば、1×1018cm−3〜1×1020cm−3である。一方、n型AlGaN層25のn型不純物濃度は、たとえば、1×1018cm−3〜1×1020cm−3である。
また、この実施形態では、たとえば、n型層22の全体の厚さが1μm〜5μmであり、n型AlGaN層25の厚さは、10nm〜50nmである。また、n型AlGaN層25は、組成式AlGa1−zN(0≦z≦1)で表わされ、n型AlGaN層25に含まれるAlの量を示す値zが、0.1〜0.3であることが好ましい。
窒化物半導体積層構造部2は、断面が略台形となるようにn型GaN層26からn型GaN層23が露出する深さまで、その積層界面を横切る方向にエッチングされている。そして、n型GaN層23は、窒化物半導体積層構造部2の両側から、幅方向に引き出された引き出し部9を有している。すなわち、引き出し部9は、この実施形態では、n型GaN層23の延長部で構成されている。
トレンチ10は、n型GaN層26からn型AlGaN層25およびp型GaN層21を貫通してn型GaN層24の途中部に至る深さで形成されている。
壁面11は、n型GaN層24、p型GaN層21、n型AlGaN層25およびn型GaN層26に跨がるように形成されている。
ゲート電極13は、ゲート絶縁膜12を介して壁面11、すなわちn型GaN層24、p型GaN層21、n型AlGaN層25およびn型GaN層26に対向しており、さらに、n型GaN層26の上面においてトレンチ10の縁部付近にまで延びて形成されている。
ソース電極16は、n型GaN層26に対してオーミック接触している。その他の構成は、前述の第1の実施形態の場合と同様であり、動作もまた、同様である。
図5A〜図5Hは、図4の窒化物半導体素子の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
この窒化物半導体素子の製造に際しては、まず基板1が用意され、この基板1の上に、たとえば、MOCVD法を用いて、成長温度:1000℃〜1100℃、成長時間:20分間〜30分間の成長条件でGaNを成長させることにより、図5Aに示すように、n型GaN層23およびn型GaN層24が形成される。なお、成長するGaNにドーピングするn型不純物としては、たとえば、Siを用いることができる。こうして、基板1の一方表面(上面)に、n型層20が形成される。続いて、n型GaN層24上に、成長温度:950℃〜1050℃、成長時間:30分間〜50分間の成長条件でGaNを成長させることにより、図5Aに示すように、p型GaN層21が形成される。なお、成長するGaNにドーピングするp型不純物としては、たとえば、MgやZnを用いることができ、この実施形態では、Mgが用いられている。
次いで、p型GaN層21上に、たとえば、成長温度:1000℃〜1100℃、成長時間:2分間〜20分間の成長条件でAlGaNを成長させることにより、図5Bに示すように、n型AlGaN層25が形成される。なお、成長するAlGaNにドーピングするn型不純物としては、たとえば、Siを用いることができる。
そして、n型AlGaN層25の形成後、n型AlGaN層25の上に、たとえば、成長温度:1000℃〜1100℃、成長時間:5分間〜15分間の成長条件でGaNを成長させることにより、図5Cに示すように、n型GaN層26が形成される。なお、成長するGaNにドーピングするn型不純物としては、たとえば、Siを用いることができる。こうして、n型AlGaN層25とn型GaN層26とからなるn型層22が形成され、基板1の一方側には、n型層20、p型GaN層21およびn型層22からなる窒化物半導体積層構造部2が形成される。
窒化物半導体積層構造部2が形成された後には、窒化物半導体積層構造部2がストライプ状にエッチングされる。すなわち、n型GaN層26からn型GaN層23の層厚中間部に至る断面略逆台形のトレンチ27がエッチングによって形成される。これにより、図5Dに示すように、複数本(この実施形態では3本)の窒化物半導体積層構造部2がストライプ状に整形されるとともに、n型GaN層23の延長部からなる引き出し部9が同時に形成される。トレンチ27の形成は、たとえば、塩素系ガスを用いたドライエッチング(異方性エッチング)によって行なうことができる。
そして、各窒化物半導体積層構造部2の幅方向中間部付近に、断面略V字形のトレンチ10が、窒化物半導体積層構造部2の長手方向に沿って形成される。トレンチ10の形成は、トレンチ27と同様に、塩素系ガスを用いたドライエッチング(異方性エッチング)によって行なうことができる。なお、ドライエッチングの後、必要に応じて、ドライエッチングによってダメージを受けたトレンチ10の壁面11を改善するためのウェットエッチング処理を行なってもよい。
ウェットエッチングには、KOH(水酸化カリウム)やNaOH(水酸化ナトリウム)などを用いることが好ましい。これにより、ダメージを受けた壁面11を改善することができ、ダメージの少ない壁面11を得ることができる。また、HF(フッ酸)やHCl(塩酸)などによるウェットエッチングによっても、Si系の酸化物やGaの酸化物などを除去することができるので、壁面11を均すことができ、ダメージの少ない壁面11を得ることができる。壁面11のダメージを低減しておくことにより、チャネル領域14(図4参照)の結晶状態を良好に保つことができ、また、壁面11とゲート絶縁膜12との界面を良好な界面とすることができるので、界面準位を低減することができる。これにより、チャネル抵抗を低減することができるとともに、リーク電流を抑制することができる。なお、ウェットエッチング処理に代えて、低ダメージのドライエッチング処理を適用することもできる。
次に、図5Eに示すように、略V字形のトレンチ10の壁面11を覆うとともに、n型GaN層23、n型GaN層24、p型GaN層21、n型AlGaN層25およびn型GaN層26の表面を覆うゲート絶縁膜12が形成される。ゲート絶縁膜12の形成には、ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)スパッタ法を適用することが好ましい。
その後、公知のフォトリソグラフィ技術により、開口15を形成すべき領域に開口部を有するフォトレジスト(図示せず)を介して、ゲート絶縁膜12がストライプ状にドライエッチングされる。これにより、図5Fに示すように、開口15が形成されて、n型GaN層26が部分的に露出する。
次いで、公知のフォトリソグラフィ技術により、ソース電極16を形成すべき領域に開口部を有するフォトレジスト(図示せず)を介して、ソース電極16の材料として用いられるメタル(たとえば、TiおよびAl)が、スパッタ法により、Ti/Alの順にスパッタされる。その後は、フォトレジストが除去されることにより、メタルの不要部分(ソース電極16以外の部分)がフォトレジストとともにリフトオフされる。これらの工程により、図5Gに示すように、ソース電極16が形成される。ソース電極16が形成された後には、熱アロイ(アニール処理)が行なわれることにより、ソース電極16とn型GaN層26との接触がオーミック接触となる。
その後は、ソース電極16の場合と同様の方法により、図5Gに示すように、ゲート絶縁膜12を挟んで壁面11およびn型GaN層26の上面においてトレンチ10の縁部に対向する、ゲート電極13が形成される。
そして、ソース電極16の場合と同様の方法により、図5Hに示すように、基板1の他方表面(下面)に、ドレイン電極17が形成される。こうして、図4に示す窒化物半導体素子を得ることができる。
複数の窒化物半導体積層構造部2は、それぞれ単位セルを形成している。窒化物半導体積層構造部2のゲート電極13およびソース電極16は、それぞれ、図示しない位置で共通接続されている。ドレイン電極17は、基板1に接触して形成されており、すべてのセルに対して共通の電極となっている。
図6Aは、図4のp型GaN層21、n型AlGaN層25およびn型GaN層26に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。また、図6Bは、図8のp型GaN層84およびn型GaN層85に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。なお、図6Aおよび図6Bにおける横軸は、素子の厚さ方向位置を表わしている。
図4および図6Aを参照して、図4に示す窒化物半導体素子では、n型層22におけるp型GaN層21と接する部分には、n型AlGaN層25が形成されている。前述したように、AlGaNに対するMgの拡散速度が、GaNに対する拡散速度に比べて遅いため、p型GaN層21に、Mgが高い不純物濃度(たとえば、1×1018cm−3〜5×1019cm−3)でドーピングされていても、n型GaN層26を構成するGaNの成長中に、Mgがn型GaN層26にまで拡散することがない。したがって、図6Aに示されているように、n型層22とp型GaN層21との界面付近におけるMg濃度プロファイルを急峻にすることができる。
一方、図8および図6Bを参照して、従来のように、p型GaN層84に接するようにGaNを成長させて、n型GaN層85を形成する構成では、n型GaN層85を構成するGaNの成長中に、p型GaN層84に含まれるMgが、n型GaN層85に拡散してしまう。そのため、図6Bに示すように、n型GaN層85とp型GaN層84との界面付近におけるMg濃度プロファイルが鈍っている。
このように、この実施形態の窒化物半導体素子では、n型層22におけるp型GaN層21と接する部分にn型AlGaN層25が形成されていることにより、Mgがn型層22全体(より具体的には、n型GaN層26)に拡散することを抑制することができる。その結果、n型層22が全体として高抵抗になることを抑制することができる。
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、本発明の実施形態としてnpn縦型構造を有する2つの窒化物半導体素子を例示して説明したが、本発明は、npn縦型構造を有する窒化物半導体素子だけでなく、pn接合を有する窒化物半導体素子であれば適用することができる。
たとえば、前述の第1の実施形態と第2の実施形態とを組合せた実施形態で実施することもできる。すなわち、図1の窒化物半導体素子において、n型GaN層5に代えて、p型GaN層4に接して形成されたn型AlGaN層29と、このn型AlGaN層29上に形成されたn型GaN層30とからなるn型層28を形成してもよい(図7参照)。このような構成では、p型GaN層4とn型層3,28との各界面付近におけるMg濃度プロファイルを急峻にすることができる。そのため、n型層3とp型GaN層4との間に良好なpn接合を形成して素子動作時におけるリーク電流の発生を抑制することができるとともに、n型層28が全体として高抵抗になることを抑制することもできる。
また、前述の第1の実施形態では、n型層3において、p型GaN層4に接する部分にのみ、Alを含むn型AlGaN層8を形成したが、たとえば、n型層3全体をAlGaNからなる層としてもよい。また、前述の第2の実施形態についても、たとえば、n型層22全体をAlGaNからなる層としてもよい。同様に、図7に示す第3の実施形態についても、n型層3,28全体をAlGaNからなる層としてもよい。
また、前述の実施形態では、GaNやAlGaNを成長させる方法として、MOCVD法が適用されたが、たとえば、LPE法(Liquid Phase Epitaxy:液相エピタキシャル成長法)、VPE法(Vapor Phase Epitaxy:気相エピタキシャル成長法)、MBE法(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長法)などの成長方法が適用されてもよい。
また、前述の実施形態では、窒化物半導体積層構造部2に断面略V字形のトレンチ10が形成される例について説明したが、トレンチ10の形状は、逆台形、U形、矩形、台形等の他の形状であってもよい。
また、たとえば、ゲート絶縁膜12の形成時において、p型GaN層4,21の側面付近の領域を、Arプラズマを照射することにより変質させて、p型GaN層4,21の半導体表面部を、p型GaN層4,21とは異なる導電特性を有する改質層としてもよい。この場合、ゲート絶縁膜12を、当該改質層に接して形成することができる。これによって、ゲート閾値電圧を低減するとともに、電子移動度を向上させることができる。その結果、オン抵抗を低減することができ、良好なパワーデバイスを実現することができる。
また、前述の実施形態では、壁面11は、基板1に対して傾斜した平面であるとしたが、傾斜している必要はなく、また、平面である必要もない。すなわち、壁面11は、基板1に垂直な平面であってもよいし、湾曲面であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。 図1の窒化物半導体素子の製造方法を説明するための模式的な断面図である。 図2Aの次の工程を示す模式的な断面図である。 図2Bの次の工程を示す模式的な断面図である。 図2Cの次の工程を示す模式的な断面図である。 図2Dの次の工程を示す模式的な断面図である。 図2Eの次の工程を示す模式的な断面図である。 図2Fの次の工程を示す模式的な断面図である。 図2Gの次の工程を示す模式的な断面図である。 図1のn型GaN層、n型AlGaN層およびp型GaN層に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。 図8のサファイア基板側のn型GaN層およびp型GaN層に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。 本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。 図4の窒化物半導体素子の製造方法を説明するための模式的な断面図である。 図5Aの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5Bの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5Cの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5Dの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5Eの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5Fの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5Gの次の工程を示す模式的な断面図である。 図4のp型GaN層、n型AlGaN層およびn型GaN層に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。 図8のp型GaN層およびソース電極側のn型GaN層に含まれるMgの濃度分布を示すためのプロファイルである。 本発明の第3の実施形態に係る窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。 従来の窒化物半導体素子の構造を説明するための模式的な断面図である。
符号の説明
2 窒化物半導体積層構造部
3 n型層
4 p型GaN層
5 n型GaN層
6 n型GaN層
7 n型GaN層
8 n型AlGaN層
20 n型層
21 p型GaN層
22 n型層
23 n型GaN層
24 n型GaN層
25 n型AlGaN層
26 n型GaN層
28 n型層
29 n型AlGaN層
30 n型GaN層

Claims (4)

  1. III族窒化物半導体からなるn型の層と、
    このn型の層に接して積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる層とを含み、
    前記n型の層における前記p型不純物を含む層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子。
  2. n型のIII族窒化物半導体からなる第1層と、
    この第1層に接して積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる第2層と、
    この第2層に積層形成され、n型のIII族窒化物半導体からなる第3層とを備え、
    前記第1層における前記第2層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子。
  3. n型のIII族窒化物半導体からなる第1層と、
    この第1層に積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる第2層と、
    この第2層に接して積層形成され、n型のIII族窒化物半導体からなる第3層とを備え、
    前記第3層における前記第2層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子。
  4. n型のIII族窒化物半導体からなる第1層と、
    この第1層に接して積層形成され、p型不純物を含むIII族窒化物半導体からなる第2層と、
    この第2層に接して積層形成され、n型のIII族窒化物半導体からなる第3層とを備え、
    前記第1層および前記第3層における、前記第2層と接する部分には、Alが含まれている、窒化物半導体素子。
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