上記に示すように、これまではサーキュレータの補助を必要としていた空気調和機においても様々な改良が加えられ、従来のサーキュレータ側で想定していた部屋の温度分布とは大きく異なる温度分布となるものが主流となりつつある。しかしながら、近年、機器のさらなる省エネ化が叫ばれ、特に空気調和機においては消費電力が大きく、少しでも効率的な運転が望まれている中で、上記のような改良を加えられた機器においても、より上位の効率運転が望まれ、サーキュレータを併用する場合がある。
さらに、近年、住宅事情の変化により、居室の大型化が進んでいる。また、部屋の形状において、従来は矩形(長方形または正方形)が一般的であったのに対し、近年ではL字型や縦方向と横方向の寸法が大きく異なる、いわゆる縦長や横長の部屋、または、天井が非常に高いといった、変則的な形状の様々な部屋が出現してきている。こういった大型の部屋や変則的な形状の部屋においては、従来の空気調和機においてはもちろんのこと、上記の改良が加えられた空気調和機においてもサーキュレータの補助を必要とする。しかしこの場合、部屋が大型であったり変則的な形状であったりするため、上記の改良が加えられた空気調和機はもちろんのこと、従来の空気調和機を用いた場合においても、従来のサーキュレータ側で想定していた部屋の温度分布とは大きく異なる温度分布となる。
つまり、従来においては想定し得ない温度分布となる対象空間において、従来のような対象空間の空気の温度または天井付近および床付近の温度を検知し、それにのみ依存してサーキュレータを制御していては、効率的な運転をすることができないといった問題が新たに生じている。
上記の現状に鑑み、本発明は、従来の技術的思想とは全く異なる思想に基づきサーキュレータの制御を行うことにより、従来想定し得ないような温度分布となる空気調和機や部屋の形状にも対応し、省エネ効果を得ることが可能なサーキュレータおよびその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、雰囲気温度を強制的に変化させる熱源を備え、その運転によって対象空間の温度を調節する空気調和機の運転開始を検知して、当該対象空間の温度ムラを減少させるために作動するファンを備えたサーキュレータにおいて、前記対象空間の空気の相対湿度を検知する湿度センサーを設け、当該検知相対湿度の値によって前記ファンの作動を開始することを特徴としている。
ある程度の気密が保たれている部屋において空気調和機が運転された場合、部屋の空気の湿度は急激に変動することが知られている。例えば冷房運転が開始された場合、部屋の温度は急激に低下する。しかしながら、部屋の絶対湿度は大きく変動しない。故に、部屋の相対湿度は大きく上昇する。例えば暖房運転が開始された場合、部屋の温度は急激に上昇する。しかしながら、部屋の絶対湿度は大きく変動しない。故に、部屋の相対湿度は大きく低下する。これらは、空気調和機に上記のような温度ムラが大幅に緩和されるような改良がなされていても、また、部屋の形状が大型であったり変則的な形状であったりした場合においても、部屋の気密がある程度保たれている場合には必ず言える現象である。
本発明の構成によると、部屋において湿度のある値を検知したときに前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる湿度の変化を検知し、サーキュレータの運転が開始される。
また本発明は、前記検知相対湿度の値は、相対湿度の変化率であることを特徴としている。この構成によると、部屋においてあらかじめ設定した幅の湿度の変化が生じた場合に前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる湿度の大きな変化を検知し、サーキュレータの運転が開始される。
また本発明は、前記検知相対湿度の値は、地域、時間、気候の少なくとも1つを変数として設定された値であることを特徴としている。この構成によると、地域、時間、機構などの条件による検知相対湿度の設定値のバラツキをキャンセルできる。
また本発明は、前記対象空間の空気の絶対湿度を検知する絶対湿度センサーを更に設け、検知された絶対湿度と前記検知相対湿度との相関関係によって前記ファンの作動を開始することを特徴としている。この構成によると、検知された絶対湿度と検知相対湿度との相関を見てある関係になった場合に、サーキュレータの運転が開始される。
また本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の湿度を検知する湿度センサーを備え、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の変化が生じた場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。
ある程度の気密が保たれている部屋において空気調和機が運転された場合、部屋の空気の湿度は急激に変動することが知られている。例えば冷房運転が開始された場合、部屋の温度は急激に低下する。しかしながら、部屋の絶対湿度は大きく変動しない。故に、部屋の相対湿度は大きく上昇する。例えば暖房運転が開始された場合、部屋の温度は急激に上昇する。しかしながら、部屋の絶対湿度は大きく変動しない。故に、部屋の相対湿度は大きく低下する。これらは、空気調和機に上記のような温度ムラが大幅に緩和されるような改良がなされていても、また、部屋の形状が大型であったり変則的な形状であったりした場合においても、部屋の気密がある程度保たれている場合には必ず言える現象である。
本発明の構成によると、部屋においてあらかじめ設定した幅の湿度の変化が生じた場合に前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる湿度の大きな変化を検知し、サーキュレータの運転が開始される。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の低下が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の暖房運転が開始された場合、湿度の大幅な低下を検知し、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われる。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の上昇が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の冷房運転が開始された場合、湿度の大幅な上昇を検知し、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われる。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、対象空間の空気の温度を検知する温度センサーをさらに備え、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の変化とあらかじめ設定した幅の湿度の変化との両方が生じた場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。
部屋の湿度変化は空気調和機の運転開始以外の際にも想定される。例えば気象が急激に変化した場合などが挙げられる。この構成によると、湿度と温度の両方の情報を得てサーキュレータの運転が開始されるため、例えば温暖前線の接近により急激に環境の湿度が上昇した場合のような場合と、空気調和機の運転が開始された場合が、区別される。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の上昇とあらかじめ設定した幅の湿度の低下との両方が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の暖房運転が開始された場合、温度の大幅な上昇と湿度の大幅な低下を検知し、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われる。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の低下とあらかじめ設定した幅の湿度の上昇との両方が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の冷房運転が開始された場合、温度の大幅な低下と湿度の大幅な上昇を検知し、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われる。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、室内の天井もしくは天井近傍を含む点と、室内の床もしくは床面近傍を含む点の2点の温度および/または温度差を検知する温度センサーをさらに備えたことを特徴としている。この構成によると、前記2点の温度および/または温度差は、サーキュレータの制御に補助的に活用される。
また本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の湿度を検知する湿度センサーと、室内の天井もしくは天井近傍を含む点と、室内の床もしくは床面近傍を含む点の2点の温度および/または温度差を検知する温度センサーと、を備え、前記2点の温度差が、あらかじめ設定した温度差以上になるとともに、部屋の湿度とあらかじめ設定した湿度との大小比較により、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。
この構成によると、部屋の天井もしくは天井近傍温度と床もしくは床面近傍の温度との間に大きな差が生じたことを感知するとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも低下していることを感知した場合、または、部屋の天井と床面の温度に大きな差が生じたことを感知するとともに、部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも上昇していることを感知した場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる部屋の天井もしくは天井近傍温度と床もしくは床面近傍温度の温度差と、そのときの部屋の相対湿度を検知し、サーキュレータの運転が開始される。
また本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の湿度を検知する湿度センサーと、現在の時期を判断する手段と、をさらに備え、あらかじめ設定した時期にあらかじめ設定した湿度になった場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。この構成によると、時期を判断する手段によりその時期が夏季か冬季かが判断され、部屋の相対湿度が、その季節に応じてあらかじめ設定された相対湿度に到達すると、サーキュレータの運転が行われる。例えば夏季の場合にはあらかじめ設定した相対湿度(例えば90%)以上に部屋の相対湿度が上昇すればサーキュレータの運転が行われ、例えば冬季の場合にはあらかじめ設定した相対湿度(例えば15%)以下に部屋の相対湿度が低下すればサーキュレータの運転が行われる。上記あらかじめ設置した相対湿度は、このサーキュレータが用いられる地域別の過去の気象データから判断され、適宜好適な値が採用される。
また本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の絶対湿度と相対湿度の両方を検知する湿度センサーと、現在の時期を判断する手段と、をさらに備え、絶対湿度と相対湿度と現在の時期から判断して、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。この構成によると、時期を判断する手段によりその時期が夏季か冬季かが判断され、部屋の絶対湿度と相対湿度から、気温が算出され、季節、時間帯、算出した気温から、サーキュレータの運転の必要性が判断され、必要な場合にはサーキュレータの運転が行われる。例えば夏季の日中において、絶対湿度が12g/kg、相対湿度が40%の場合、室温は32.2℃と算出され、その結果、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータの運転は行われない。例えば夏季の日中において、絶対湿度が12g/kg、相対湿度が90%の場合、室温は18.5℃と算出され、その結果、空気調和機が動作していると判断され、サーキュレータの運転が行われる。例えば冬季の日中において、絶対湿度が5g/kg、相対湿度が60%の場合、室温は11.4℃と算出され、その結果、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータの運転は行われない。例えば冬季の日中において、絶対湿度が5g/kg、相対湿度が15%の場合、室温は34.2℃と算出され、その結果、空気調和機が動作していると判断され、サーキュレータの運転が行われる。
本発明によると、部屋においてあらかじめ設定した幅の湿度の変化が生じた場合に前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる湿度の大きな変化を検知し、サーキュレータの運転が開始される。これにより、従来想定し得ないような温度分布を生ずるような場合、例えば、空気調和機に上記のような温度ムラが大幅に緩和されるような改良がなされている場合、または、部屋の形状が大型であったり変則的な形状であったりした場合においても、確実に空気調和機の運転を検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
なお、温度の拡散に対し、湿度の拡散は非常に早く、故に、部屋に大きな温度ムラが形成されていても、湿度はそれを乗り越えて拡散するため、湿度によりサーキュレータの運転開始を判断することにより、温度のみにてサーキュレータの運転開始を判断する場合に比べ、より迅速、適切にサーキュレータの運転を開始することができ、サーキュレータの運転が不必要にもかかわらず無駄に運転したり、また逆に、サーキュレータの運転が必要にも拘らずなかなか運転が開始されなかったりといった不具合の発生を抑制することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の低下が生じた場合、つまり、空気調和機の暖房運転が開始された場合の湿度の大幅な低下を検知し、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動するので、空気調和機の暖房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の上昇が生じた場合、つまり、空気調和機の冷房運転が開始された場合の湿度の大幅な上昇を検知し、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動するので、空気調和機の冷房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の変化とあらかじめ設定した幅の湿度の変化との両方が生じた場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、例えば気象が急激に変化した場合といった、空気調和機の運転開始以外の場合に生ずる部屋の湿度の変化と、空気調和機の運転に伴う部屋の湿度の変化とを区別することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができる。
また本発明によると、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の上昇とあらかじめ設定した幅の湿度の低下との両方が生じた場合、つまり、空気調和機の暖房運転が開始された場合の温度の大幅な上昇と湿度の大幅な低下の両方を検知し、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動するので、空気調和機の暖房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の低下とあらかじめ設定した幅の湿度の上昇との両方が生じた場合、つまり、空気調和機の冷房運転が開始された場合の温度の大幅な低下と湿度の大幅な上昇の両方を検知し、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動するので、空気調和機の冷房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、室内の天井もしくは天井近傍を含む点と、室内の床もしくは床面近傍を含む点の2点の温度および/または温度差を、サーキュレータの制御に補助的に活用するので、さらに精度よくサーキュレータの運転を制御することができ、ますます省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、冷房運転または暖房運転が開始された場合に生ずる部屋の天井もしくは天井近傍と床もしくは床面近傍の温度差と、そのときの部屋の相対湿度を検知し、サーキュレータの運転が開始されるので、部屋の天井もしくは天井近傍と床もしくは床面近傍の温度差のみに頼ったサーキュレータの起動の場合に比べ、より確実に空気調和機の運転を検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、その時期、季節に応じてあらかじめ設定された相対湿度に、部屋の相対湿度が到達したことを検知すると、サーキュレータの運転が開始される。あらかじめ設定される相対湿度の好適な設定値として好適な方法としては、このサーキュレータが用いられる地域別の過去の気象データから、その時期において、空気調和機を駆動しない場合には到達しないが空気調和機を駆動すると到達する相対湿度を採用するとよい。このようにすると、時期や季節に応じて空気調和機の運転を推測検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明によると、その時期、季節、時間帯と、部屋の絶対湿度、相対湿度から、サーキュレータの運転の必要性が判断され、必要な場合にはサーキュレータの運転が行われる。これにより、時期、季節、時間帯に応じて空気調和機の運転を推測検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
<第1の実施形態>
以下に本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態のサーキュレータを示す側面断面図である。サーキュレータ1は、筐体2により本体部が保持されており、筐体2には湿度センサー3が設けられている。湿度センサー3は、サーキュレータ1の筐体2の外部の空気と触れるように設置されており、サーキュレータ1の近傍の空気の湿度を検知することができる。筐体2の内部には、吸込口4から吹出口5に連通する送風経路6が形成されている。送風経路6内には空気を送出する送風機7が配されている。送風機7に用いられるファンは、シロッコファン7bが用いられる。また、送風機7の起動、停止、風量調節といった動作制御は、湿度センサー3の検知情報をもとに、制御部8にて行われている。なお、サーキュレータ1の吸込口4にフィルタ(不図示)を備えることもでき、この場合には、サーキュレータ1は空気清浄機として機能することになる。
制御部8からの命令により送風機7が起動してサーキュレータ1が駆動を開始すると、サーキュレータ1前方の空気は吸込口4から吸い込まれ、送風経路6を流通して吹出口5から、サーキュレータ1の上方へ勢いよく送出される。これにより、部屋の空気を循環し、部屋の温度ムラを抑制するといった構成となっている。
また、サーキュレータ1が設置されている部屋は、図2に示すように、天井面S、床面F、側壁W1、W2、W3、W4にて成る矩形の部屋Rであり、一般的な気密が確保されている。また、部屋Rをその中央鉛直面で2つに切った断面を断面Dとする。部屋Rの大きさは6畳(高さ2400mm、横3600mm、奥行き2700mm)である。また、後に断面Dの温度分布を示すが、その温度計測ポイントは、図3に示すように、断面Dにおいて、600mm間隔で高さ方向に5点、横方向に7点の、合計35点を計測した。
部屋Rの1つの側壁W1には、断面Dで左右に2分割されるように空気調和機9が設けられている。なお、一般的に、サーキュレータ1は、空気調和機9の設置される側壁W1と対向する側壁W2に設置されると効果的である旨が報告されており、本実施形態においては側壁W2と床Fにて囲まれたコーナー部に断面Dで左右に2分割されるようにサーキュレータ1を設置する。その時、前記湿度センサー3が配置される位置をポイントKとする。
上記の部屋Rにおいて、冬季、気温5℃、相対湿度40%の状態から、サーキュレータ1が停止の状態で、従来の空気調和機9Aの暖房運転(設定温度26℃、暖房自動運転)を行った場合の部屋RのポイントKにおける気温と湿度の時間推移を計測した結果を図4、図5に示す。図4は、部屋RのポイントKにおける気温の時間推移を示し、横軸は経過時間、縦軸は気温を示している。また、図5は、部屋RのポイントKにおける気温の時間推移を示し、横軸は経過時間、縦軸は相対湿度を示している。また、図6は、空気調和機9Aの暖房運転開始から30分経過後の部屋Rの断面Dの温度分布を示しており、図7は、そのときの空気調和機9Aの暖房運転の気流の挙動の概略を示している。
また、上記の部屋Rにおいて、冬季、気温5℃、相対湿度40%の状態から、サーキュレータ1が停止の状態で、特許文献5に記載の改良がなされた空気調和機9Bの暖房運転(設定温度26℃、暖房自動運転)を行った場合の部屋RのポイントKにおける気温と湿度の時間推移を計測した結果を図9、図10に示す。図9、図10における計測位置、横軸および縦軸は、図4、図5とそれぞれ同様である。また、図11は、空気調和機9Bの暖房運転開始から30分経過後の部屋Rの断面Dの温度分布を示しており、図12は、そのときの空気調和機9Bの暖房運転の気流の挙動の概略を示している。
上記より、空気調和機9Aおよび空気調和機9Bにおいて部屋Rを暖房運転した場合における、ポイントKの気温の推移(図4、図9)および湿度(図5、図10)はほぼ同一であるのに対し、暖房運転開始から30分経過後の部屋Rの断面Dの温度分布(図6、図11)は大きく異なっており、特に、天井面Sと床面Fの温度については、傾向が異なる。従来の空気調和機9Aの場合、天井面S近傍の温度>床面F近傍の温度となり、特許文献5に記載の、改良がなされた空気調和機9Bの場合、天井面S近傍の温度<床面F近傍の温度となっている。つまり、天井面Sと床面Fの温度や温度差においては、近年の空気調和機に関する研究開発の結果、従来の空気調和機の運転の場合と明らかに異なる傾向となる。
次に、上記の部屋Rにおいて、夏季、気温35℃、相対湿度60%の状態から、サーキュレータ1が停止の状態で、従来の空気調和機9Cの冷房運転(設定温度26℃、冷房自動運転)を行った場合の部屋RのポイントKにおける気温と湿度の時間推移を計測した結果を図14、図15に示す。図14、図15における計測位置、横軸および縦軸は、図4、図5とそれぞれ同様である。また、図16は、空気調和機9Cの冷房運転開始から30分経過後の部屋Rの断面Dの温度分布を示しており、図17は、そのときの空気調和機9Cの冷房運転の気流の挙動の概略を示している。
また、上記の部屋Rにおいて、夏季、気温35℃、相対湿度60%の状態から、サーキュレータ1が停止の状態で、特許文献4に記載の改良がなされた空気調和機9Dの冷房運転(設定温度26℃、冷房自動運転)を行った場合の部屋RのポイントKにおける気温と湿度の時間推移を計測した結果を図19、図20に示す。図19、図20における計測位置、横軸および縦軸は、図4、図5とそれぞれ同様である。また、図21は、空気調和機9Dの冷房運転開始から30分経過後の部屋Rの断面Dの温度分布を示しており、図22は、そのときの空気調和機9Dの冷房運転の気流の挙動の概略を示している。
上記より、空気調和機9Cおよび空気調和機9Dにおいて部屋Rを冷房運転した場合における、ポイントKの気温の推移(図14、図19)および湿度(図15、図20)はほぼ同一であるのに対し、冷房運転開始から30分経過後の部屋Rの断面Dの温度分布(図16、図21)は大きく異なっており、特に、天井面Sと床面Fの温度については、傾向が異なる。従来の空気調和機9Cの場合、天井面S近傍の温度>床面F近傍の温度となり、特許文献4に記載の改良がなされた空気調和機9Dの場合、天井面S近傍の温度<床面F近傍の温度となっている。つまり、天井面Sと床面Fの温度や温度差においては、近年の空気調和機に関する研究開発の結果、従来の空気調和機の運転の場合と明らかに異なる傾向となる。
上記、従来の空気調和機9Aおよび特許文献5に記載の改良がなされた空気調和機9Bによって部屋Rを暖房運転した場合の天井面Sと床面Fの温度や温度差の傾向の大きな違い、および、従来の空気調和機9Cおよび特許文献4に記載の改良がなされた空気調和機9Dによって部屋Rを冷房運転した場合の天井面Sと床面Fの温度や温度差の傾向の大きな違いから、天井面Sと床面Fの温度や温度差のみにてサーキュレータ1の起動のタイミングを判断するのは困難であることがわかる。
それに対し、特に部屋Rの湿度の状況については、従来の空気調和機9Aおよび特許文献5に記載の改良がなされた空気調和機9Bによって部屋Rを暖房運転した場合においても、空気調和機9の設定温度が同じ場合、図5および図10のように、傾向が略同一となる。また、従来の空気調和機9Cおよび特許文献4に記載の改良がなされた空気調和機9Dによって部屋Rを冷房運転した場合においても、空気調和機9の設定温度が同じ場合、図15および図20のように、傾向が略同一となる。故に、湿度にてサーキュレータ1の起動のタイミングを判断すれば、上記のような空気調和機の違いによる差はなくなるか、または比較的小さくなるため、適切な起動が可能となる。
本発明のサーキュレータ1は、この現象を利用し、サーキュレータ1の起動のタイミングを判断する。以下に、湿度にてサーキュレータ1の起動のタイミングを判断する方法について述べる。
先ず、暖房時において、図4、図5、および、図9、図10から、空気調和機9の運転開始とともに、部屋Rの室温(ポイントKの温度)は急激に上昇するとともに、それに伴い、部屋Rの相対湿度(ポイントKの相対湿度)は急激に低下する。本発明のサーキュレータ1においては、例えば、湿度センサー3にて1分で1%以上の相対湿度の低下を感知すると、制御部8が送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
次に、冷房時において、図14、図15、および、図19、図20から、空気調和機9の運転開始とともに、部屋Rの室温(ポイントKの温度)は急激に低下するとともに、それに伴い、部屋Rの相対湿度(ポイントKの相対湿度)は急激に上昇する。本発明のサーキュレータ1においては、例えば、湿度センサー3にて1分で1%以上の相対湿度の上昇を感知すると、制御部8が送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
このようにすることにより、空気調和機の違いによる天井面や床面の温度や温度差に依存することなく、適切な起動が可能となり、サーキュレータ1の効果を常に十分に得ることができ、より確実に省エネ効果を得ることができる。
具体的には、従来の空気調和機9Aによって部屋Rを暖房運転した場合は、第1の実施形態によるサーキュレータ1の駆動制御を行った状態では、図6に示すように、30分経過後の部屋Rの断面Dの床面近傍と天井面近傍の温度差が6〜7℃であったのが、第1の実施形態によるサーキュレータ1の駆動制御を行った状態では、図8に示すように、3〜4℃にまで緩和される。また、特許文献5に記載の改良がなされた空気調和機9Bによって部屋Rを暖房運転した場合は、サーキュレータ1の停止状態では、図11に示すように、30分経過後の部屋Rの断面Dの床面近傍と天井面近傍の温度差が5〜6℃であったのが、第1の実施形態によるサーキュレータ1の駆動制御を行った状態では、図13に示すように、3〜4℃にまで緩和される。また、従来の空気調和機9Cによって部屋Rを冷房運転した場合は、サーキュレータ1の停止状態では、図16に示すように、30分経過後の部屋Rの断面Dの床面近傍と天井面近傍の温度差が6〜7℃であったのが、サーキュレータ1の駆動状態では、図18に示すように、3〜4℃にまで緩和される。なお、特許文献5に記載の改良がなされた空気調和機9Dによって部屋Rを暖房運転した場合は、サーキュレータ1の停止状態(図11)でも第1の実施形態によるサーキュレータ1の駆動制御を行った状態(図23)でも、さほど効果を得ることはできない。
また、例えば、部屋が大型であったり、形状が矩形ではなくてL字型や縦方向と横方向の寸法が大きく異なる、いわゆる縦長や横長の部屋、または、天井が非常に高いといった、変則的な形状である場合においては、部屋Rの天井面や床面の温度は場所によるバラツキが顕著になるが、部屋Rの相対湿度の場所によるバラツキは比較的小さくなるため、従来の天井面や床面の温度や温度差に依存する制御に比べ、相対湿度による制御の方が、より適切な起動が可能となり、サーキュレータ1の効果を常に十分に得ることができ、より確実に省エネ効果を得ることができる。
具体的には、図24のようなL字型の部屋R'において、突き出した波線の領域の奥壁面に対向する広い壁面の、前記奥壁面を斜めに見る方の端部に、従来の空気調和機9Aを設けて、空気調和機9Aによって暖房運転する場合を考える。この場合、破線の領域の空気調和か極めて困難である。よって、図24のように前記奥壁面の空気調和機9Aから遠い方の端部に、サーキュレータ1を設置して破線の領域にまで空気調和が可能にしたい。しかし、空気調和機9Aを駆動しても、破線の領域は天井と床面に温度差が生じにくいため、従来の方法ではサーキュレータ1の駆動が開始されない。しかし、第1の実施形態の場合、サーキュレータ1の位置における湿度は変化するため、適切にサーキュレータ1を駆動できる。サーキュレータが駆動できない場合、図25(b)のように、L字型の部屋R'において、暖房時の床上600mm水平面における温度分布は、部屋R'の中央部と突き出した波線の領域との温度差が6〜7℃であったのが、サーキュレータ1が駆動できない場合、同図(a)のように、3〜4℃にまで緩和される。
なお、温度の拡散に対し、湿度の拡散は非常に早く、故に、部屋に大きな温度ムラが形成されていても、湿度はそれを乗り越えて拡散するため、湿度によりサーキュレータの運転開始を判断することにより、温度のみにてサーキュレータの運転開始を判断する場合に比べ、より迅速、適切にサーキュレータの運転を開始することができ、サーキュレータの運転が不必要にもかかわらず無駄に運転したり、また逆に、サーキュレータの運転が必要にも拘らずなかなか運転が開始されなかったりといった不具合の発生を抑制することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
第1の実施形態の方式と従来(床面温度と天井面温度の差にて駆動を開始する)の方式の違いによる、サーキュレータの適切な動作開始の度合は表1のようになる。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の湿度を検知する湿度センサーを備え、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の変化が生じた場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。
ある程度の気密が保たれている部屋において空気調和機が運転された場合、部屋の空気の湿度は急激に変動することが知られている。例えば冷房運転が開始された場合、部屋の温度は急激に低下する。しかしながら、部屋の絶対湿度は大きく変動しない。故に、部屋の相対湿度は大きく上昇する。例えば暖房運転が開始された場合、部屋の温度は急激に上昇する。しかしながら、部屋の絶対湿度は大きく変動しない。故に、部屋の相対湿度は大きく低下する。これらは、空気調和機に上記のような温度ムラが大幅に緩和されるような機能的、構造的な改良がなされていても、また、部屋の形状が大型であったり変則的な形状であったりした場合においても、部屋の気密がある程度保たれている場合には必ず言える現象である。
本発明によると、部屋においてあらかじめ設定した幅の湿度の変化が生じた場合に前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる湿度の大きな変化を検知し、サーキュレータの運転が開始される。これにより、従来想定し得ないような温度分布を生ずるような場合、例えば、空気調和機に上記のような温度ムラが大幅に緩和されるような機能的、構造的な改良がなされている場合、または、部屋の形状が大型であったり変則的な形状であったりした場合においても、確実に空気調和機の運転を検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
上記実施形態においては、相対湿度の変化率によって、サーキュレータの運転開始を制御している。しかしながら、図5、図10、図15、図20から明らかなように、暖房運転時の相対湿度は、運転開始直後に15%を切り、冷房運転時の相対湿度は運転開始直後にほぼ100%になる。従って、気候、時間などによる変化はあるものの、基本的に、暖房時で相対湿度15%、冷房時で相対湿度95%を設定しておけば、空気調和機の運転をほぼ確実に検知することが可能である。従って、相対湿度の所定の値を検知することによっても、サーキュレータの運転開始を制御することが出来る。この場合において、より精度を高めるために、地域、気候、時間など、サーキュレータの設置場所に応じて運転開始時の相対湿度の値を決めればよい。
<第1の実施形態に係る他の実施形態>
次に、前記第1の実施形態に係る他の実施形態について説明する。本実施形態のサーキュレータ1は、第1の実施形態のサーキュレータ1に対し、湿度センサー3に替わり、相対湿度とともに気温も検知する温湿度センサー3b(不図示)にて成る構成となっている。その他の部分は第1の実施形態と同様である。
本発明のサーキュレータ1においては、例えば、温湿度センサー3bにて1分で1℃以上の温度の上昇を感知するとともに、1分で1%以上の相対湿度の低下を感知するか、または、1分で1℃以上の温度の低下を感知するとともに、1分で1%以上の相対湿度の上昇を感知するか、のどちらかを感知した場合に、制御部8が送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、第1の実施形態のサーキュレータ1に対し、対象空間の空気の温度を検知する温度センサーをさらに備え、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の変化とあらかじめ設定した幅の湿度の変化との両方が生じた場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。
部屋の湿度は空気調和機の運転開始以外の際にも想定される。例えば気象が急激に変化した場合などが挙げられる。この構成によると、湿度と温度の両方の情報を得てサーキュレータの運転が開始されるため、例えば温暖前線の接近により急激に環境の湿度が上昇した場合のような場合と、空気調和機の運転が開始された場合が、区別される。
これにより、例えば気象が急激に変化した場合といった、空気調和機の運転開始以外の場合に生ずる部屋の湿度の変化と、空気調和機の運転に伴う部屋の湿度の変化とを区別することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができる。
<第2の実施形態>
次に、図26および図27は第2の実施形態のサーキュレータを示す側面断面図である。前述の図1および図2に示す第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態のサーキュレータ1bは、第1の実施形態のサーキュレータ1に対し、以下の点で異なっている。先ず、送風機7の下流側において送風経路6が2分岐し、一方の送風経路6Aは上方へ延びて筐体2の天面に設けられた吹出口5Aに連通し、他方の送風経路6Bは下方へ延びて筐体2の前面下方に設けられた吹出口5Bに連通する。また、送風経路6Aおよび送風経路6Bには、ダンパー10A、10Bがそれぞれ設けられている。そして、図26に示すように、ダンパー10Aによって送風経路6Aが開放され、ダンパー10Bによって送風経路6Bが閉塞された場合には、吸込口4から吸込まれた空気は、吹出口5Aから部屋Rの上方(天井面S)(図26の矢印Aの方向)に向けて勢いよく送出される。また、図27に示すように、ダンパー10Aによって送風経路6Aが閉塞され、ダンパー10Bによって送風経路6Bが開放された場合には、吸込口4から吸込まれた空気は、吹出口5Bから部屋Rの下方(床面F)(図27の矢印Bの方向)に向けて勢いよく送出される。その他の部分は第1の実施形態と同様である。
本実施形態のサーキュレータ1bにおいて、湿度センサー3にて1分で1%以上の相対湿度の低下を感知すると、制御部8は、ダンパー10Aを開放、ダンパー10Bを閉塞して送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
また、湿度センサー3にて1分で1%以上の相対湿度の上昇を感知すると、制御部8は、ダンパー10Aを閉塞、ダンパー10Bを開放して送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
このようにすることにより、湿度の急激な低下を感知した場合、吹出口5Aから部屋Rの上方(天井面S)に向けて勢いよく送出される。上述の通り、湿度の急激な低下を感知した場合、部屋Rは空気調和機9により暖房運転が開始されているので、部屋Rの床面F近傍の空気を天井面S近傍へと送り込んでやることにより、部屋Rの温度ムラを軽減することができる。また、湿度の急激な上昇を感知した場合、吹出口5Bから部屋Rの下方(床面F)に向けて勢いよく送出される。上述の通り、湿度の急激な上昇を感知した場合、部屋Rは空気調和機9により冷房運転が開始されているので、部屋Rの天井面S近傍の空気を床面F近傍へと送り込んでやることにより、部屋Rの温度ムラを軽減することができる。即ち、湿度の急激な低下または湿度の急激な上昇によって現在部屋Rが暖房されているのか冷房されているのかを判断し、それに対応して適切な風向の流れを部屋Rに作ることができるため、よりサーキュレータの温度ムラの軽減効果を得ることができる。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の低下が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の暖房運転が開始された場合、湿度の大幅な低下を検知し、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われるので、空気調和機の暖房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の湿度の上昇が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の冷房運転が開始された場合、湿度の大幅な上昇を検知し、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われるので、空気調和機の冷房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
<第2の実施形態に係る他の実施形態>
次に、前記第2の実施形態に係る他の実施形態について説明する。本実施形態のサーキュレータ1bは、第2の実施形態のサーキュレータ1bに対し、湿度センサー3に替わり、相対湿度とともに気温も検知する温湿度センサー3b(不図示)にて成る構成となっている。その他の部分は第2の実施形態と同様である。
本発明のサーキュレータ1bにおいて、温湿度センサー3bにて1分で1℃以上の温度の上昇を感知するとともに、1分で1%以上の相対湿度の低下を感知すると、制御部8は、ダンパー10Aを開放、ダンパー10Bを閉塞して送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
また、温湿度センサー3bにて1分で1℃以上の温度の低下を感知するとともに、1分で1%以上の相対湿度の上昇を感知すると、制御部8は、ダンパー10Aを閉塞、ダンパー10Bを開放して送風機7を起動させ、サーキュレータ1の駆動が開始されるように制御動作を行う。
このようにすることにより、温度の急激な上昇と湿度の急激な低下を同時に感知した場合、吹出口5Aから部屋Rの上方(天井面S)に向けて勢いよく送出される。上述の通り、温度の急激な上昇と湿度の急激な低下を同時に感知した場合、部屋Rは空気調和機9により暖房運転が開始されているので、部屋Rの床面F近傍の空気を天井面S近傍へと送り込んでやることにより、部屋Rの温度ムラを軽減することができる。また、温度の急激な低下と湿度の急激な上昇を同時に感知した場合、吹出口5Bから部屋Rの下方(床面F)に向けて勢いよく送出される。上述の通り、温度の急激な低下と湿度の急激な上昇を同時に感知した場合、部屋Rは空気調和機9により冷房運転が開始されているので、部屋Rの天井面S近傍の空気を床面F近傍へと送り込んでやることにより、部屋Rの温度ムラを軽減することができる。即ち、温度の急激な上昇と湿度の急激な低下、または、温度の急激な低下と湿度の急激な上昇、のどちらかによって現在部屋Rが暖房されているのか冷房されているのかを判断し、それに対応して適切な風向の流れを部屋Rに作ることができるため、サーキュレータの温度ムラの軽減効果をより適切に得ることができる。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、第2の実施形態のサーキュレータ1bに対し、対象空間の空気の温度を検知する温度センサーをさらに備え、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の上昇とあらかじめ設定した幅の湿度の低下との両方が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の暖房運転が開始された場合、温度の大幅な上昇と湿度の大幅な低下を検知し、対象空間の上方から下方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われるので、空気調和機の暖房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
また本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、あらかじめ設定した時間の間にあらかじめ設定した幅の温度の低下とあらかじめ設定した幅の湿度の上昇との両方が生じた場合に、サーキュレータが設置されている位置を基準として、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすように前記ファンを駆動することを特徴としている。この構成によると、空気調和機の冷房運転が開始された場合、温度の大幅な低下と湿度の大幅な上昇を検知し、対象空間の下方から上方に空気流れを起こすようにサーキュレータの運転が行われるので、空気調和機の冷房運転に適切なサーキュレータの運転を行うことができ、確実に省エネ効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
次に、図28は第3の実施形態のサーキュレータを示す側面断面図である。前述の図1および図2に示す第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態のサーキュレータ1cは、第1の実施形態のサーキュレータ1に対し、以下の点で異なっている。先ず、送風機7は、正方向と逆方向とどちらにも回転可能な可逆ファン7cを備えている。可逆ファン7cが正方向に回転する場合には、図中の矢印Aの方向、即ち、室内の空気は吸込口4から吸込まれ、吹出口5から部屋Rの上方(天井面S)に向けて勢いよく送出される。また、可逆ファン7cが逆方向に回転する場合には、図中の矢印Bの方向、即ち、室内の空気は、逆に、吹出口5から吸込まれ、吸込口4から部屋Rの下方(床面F)に向けて勢いよく送出される。また、湿度センサー3に替わり、相対湿度とともに気温も検知する温湿度センサー3bを備えるとともに、さらに、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度を検知することができる温度センサー11を備えている。温度センサー11については、赤外線センサー、画像認識による温度センサー等、適宜用いることができ、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度を検知してもよく、天井面S近傍の空気温度と床面F近傍の空気温度と、を検知するものでもよく、また、天井面Sと床面Fの温度差を検知するものでもよく、また、天井面S近傍の空気温度と床面F近傍の空気温度との温度差を検知するものでもよい。その他の部分は第1の実施形態と同様である。
本発明のサーキュレータ1cにおいて、温湿度センサー3bにて1分で1℃以上の温度の上昇を感知するとともに、1分で1%以上の相対湿度の低下を感知するか、または、温度センサー11にて、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度差が10℃以上になっていることを感知するとともに、湿度が30%以下になっていることを温湿度センサー3bにて感知した場合に、制御部8は、可逆ファン7cが正方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。
また、温湿度センサー3bにて1分で1℃以上の温度の低下を感知するとともに、1分で1%以上の相対湿度の上昇を感知するか、または、温度センサー11にて、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度差が10℃以上になっていることを感知するとともに、湿度が60%以上になっていることを温湿度センサー3bにて感知した場合に、制御部8は、可逆ファン7cが逆方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。
このようにすることにより、温度の急激な上昇と湿度の急激な低下を同時に感知した場合、または、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度に大きな差が生じたことを感知するとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも低下していることを感知した場合、吸込口4から吸込んだ空気を吹出口5から部屋Rの上方(天井面S)に向けて図28の矢印Aの方向に勢いよく送出される。上述の通り、温度の急激な上昇と湿度の急激な低下を同時に感知した場合、または、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度に大きな差が生ずるとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも低下している場合、部屋Rは空気調和機9により暖房運転が開始されているので、部屋Rの床面F近傍の空気を天井面S近傍へと送り込んでやることにより、部屋Rの温度ムラを軽減することができる。
また、温度の急激な低下と湿度の急激な上昇を同時に感知した場合、または、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度に大きな差が生じたことを感知するとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも上昇していることを感知した場合、吹出口5から吸込んだ空気を吸込口4から部屋Rの下方(床面F)に向けて図28の矢印Bの方向に勢いよく送出される。上述の通り、温度の急激な低下と湿度の急激な上昇を同時に感知した場合、または、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度に大きな差が生ずるとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも上昇している場合、部屋Rは空気調和機9により冷房運転が開始されているので、部屋Rの天井面S近傍の空気を床面F近傍へと送り込んでやることにより、部屋Rの温度ムラを軽減することができる。
即ち、温度の急激な上昇と湿度の急激な低下、または、温度の急激な低下と湿度の急激な上昇、または、部屋Rの天井面Sと床面Fの温度に大きな差が生じた場合の部屋の相対湿度、のいずれかによって現在部屋Rが暖房されているのか冷房されているのかを判断し、それに対応して適切な風向の流れを部屋Rに作ることができるため、よりサーキュレータの温度ムラの軽減効果を得ることができる。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、上記構成のサーキュレータにおいて、室内の天井もしくは天井近傍を含む点と、室内の床もしくは床面近傍を含む点の2点の温度差が、あらかじめ設定した温度差以上になるとともに、部屋の湿度とあらかじめ設定した湿度との大小比較により、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。この構成によると、部屋の天井もしくは天井近傍と床もしくは床面近傍の温度に大きな差が生じたことを感知するとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも低下していることを感知した場合、または、部屋の天井と床面の温度に大きな差が生じたことを感知するとともに部屋の相対湿度があらかじめ設定された相対湿度よりも上昇していることを感知した場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始するので、冷房運転が開始されるか、または、暖房運転が開始されるかした場合に生ずる部屋の天井もしくは天井近傍と床もしくは床面近傍との温度差と、そのときの部屋の相対湿度の両方を検知し、サーキュレータの運転が開始されるので、部屋の天井もしくは天井近傍と床もしくは床面近傍の温度差のみに頼ったサーキュレータの起動の場合に比べ、より確実に空気調和機の運転を検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
<第3の実施形態に係る他の実施形態>
次に、前記第3の実施形態に係る他の実施形態について説明する。本実施形態のサーキュレータ1cは、第3の実施形態のサーキュレータ1cに対し、温湿度センサー3bおよび温度センサー11が廃止され、それに変わり第1の実施形態と同様の湿度センサー3が設けられる。また、制御部8は、現在の時期を判断する手段としてカレンダー機能を備えており、現時点の日付や時刻や季節が把握できるとともに、当該地域の気候による平均的な湿度を判断するデータベースとして、例えば国内の各地域の月・時間別の過去の気象データ(温度・湿度)を備えている。その他の部分は第3の実施形態と同様である。
本発明のサーキュレータ1cにおいては、使用の前に先ずサーキュレータ1cを設置する地域と現在の日時を設定することが望ましい。これは、使用する地域を想定して工場出荷時にあらかじめ設定しておいても良いし、また、使用者により設定できるようにしても良い。
本実施形態において、例えば使用地を「本州太平洋側地域」と設定した場合には、7月、8月、9月に、湿度センサー3にて相対湿度が90%以上になったことを感知すると、制御部8は、可逆ファン7cが正方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。また、12月、1月、2月に、湿度センサー3にて相対湿度が15%以下になったことを感知すると、制御部8は、可逆ファン7cが逆方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。
本実施形態において、例えば使用地を「本州日本海側地域」と設定した場合には、7月、8月、9月に、湿度センサー3にて相対湿度が80%以上になったことを感知すると、制御部8は、可逆ファン7cが正方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。また、12月、1月、2月に、湿度センサー3にて相対湿度が40%以下になったことを感知すると、制御部8は、可逆ファン7cが逆方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。
上記の地域とあらかじめ設定される湿度の関係は、地域別の過去の気象データから、
夏季においては、例えば、{過去の平均湿度+(過去の最高湿度−過去の平均湿度)/2}の値を、冬季においては、例えば、{過去の平均湿度−(過去の平均湿度−過去の最低湿度)/2}の値を、それぞれ設定する方法が簡便である。より望ましくは、空気調和機を駆動しない場合には到達しないが空気調和機を駆動すると到達する相対湿度の値を採用すればより確実である。
このようにすることにより、より簡単な構成で上記第3の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の湿度を検知する湿度センサーと、現在の時期を判断する手段と、をさらに備え、あらかじめ設定した時期にあらかじめ設定した湿度になった場合に、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。この構成によると、時期を判断する手段によりその時期が夏季か冬季かが判断され、部屋の相対湿度が、その季節に応じてあらかじめ設定された相対湿度に到達すると、サーキュレータの運転が行われるので、時期や季節に応じて空気調和機の運転を推測検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。例えば夏季の場合にはあらかじめ設定した相対湿度(例えば90%)以上に部屋の相対湿度が上昇すればサーキュレータの運転が行われ、例えば冬季の場合にはあらかじめ設定した相対湿度(例えば15%)以下に部屋の相対湿度が低下すればサーキュレータの運転が行われる。あらかじめ設定される相対湿度の好適な設定値として好適な方法としては、このサーキュレータが用いられる地域別の過去の気象データから判断され、適宜好適な値が採用される。望ましくは、その時期において、空気調和機を駆動しない場合には到達しないが空気調和機を駆動すると到達する相対湿度を採用するとよい。
<第3の実施形態に係るさらに他の実施形態>
次に、前記第3の実施形態に係るさらに他の実施形態について説明する。本実施形態のサーキュレータ1cは、第3の実施形態に係る他のサーキュレータ1cに対し、湿度センサー3が廃止され、それに変わり部屋の絶対湿度と相対湿度を同時に検知できる湿度センサー3cが設けられる。その他の部分は第3の実施形態と同様である。
本実施形態において、例えば使用地を「日本」と設定した場合には、部屋の空気の絶対湿度と相対湿度が検知され、それらの値から気温が算出される。例えば7月、8月、9月の日中に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が30度程度の場合には、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータ1cの駆動は開始されない。例えば7月、8月、9月の日中に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が20度程度の場合には、空気調和機は動作していると判断され、制御部8は、可逆ファン7cが正方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。例えば、12月、1月、2月に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が10度程度の場合には、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータ1cの駆動は開始されない。例えば、12月、1月、2月に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が25度程度の場合には、空気調和機は動作していると判断され、制御部8は、可逆ファン7cが逆方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。
具体的には、例えば7月、8月、9月の日中において、絶対湿度が12g/kg、相対湿度が40%の場合、室温は32.2℃と算出され、その結果、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータの運転は行われない。例えば7月、8月、9月の日中において、絶対湿度が12g/kg、相対湿度が90%の場合、室温は18.5℃と算出され、その結果、空気調和機が動作していると判断され、サーキュレータの運転が行われる。例えば12月、1月、2月の日中において、絶対湿度が5g/kg、相対湿度が60%の場合、室温は11.4℃と算出され、その結果、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータの運転は行われない。例えば12月、1月、2月の日中において、絶対湿度が5g/kg、相対湿度が15%の場合、室温は34.2℃と算出され、その結果、空気調和機が動作していると判断され、サーキュレータの運転が行われる。
例えば使用地を「オーストラリア」と設定した場合には、部屋の空気の絶対湿度と相対湿度が検知され、それらの値から気温が算出される。例えば12月、1月、2月の日中に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が30度程度の場合には、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータ1cの駆動は開始されない。例えば12月、1月、2月の日中に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が20度程度の場合には、空気調和機は動作していると判断され、制御部8は、可逆ファン7cが正方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。例えば、6月、7月、8月に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が10度程度の場合には、空気調和機は動作していないと判断され、サーキュレータ1cの駆動は開始されない。例えば、6月、7月、8月に、絶対湿度と相対湿度から算出した気温が25度程度の場合には、空気調和機は動作していると判断され、制御部8は、可逆ファン7cが逆方向に回転するように送風機7を起動させ、サーキュレータ1cの駆動が開始されるように制御動作を行う。
このようにすることにより、より簡単な構成で上記第3の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
本発明の効果をまとめると、以下のようになる。即ち本発明は、また本発明は、対象空間の空気流れを起こすファンと、前記ファンの作動を制御する制御部と、を備え、対象空間の温度ムラを減少させるためのサーキュレータにおいて、対象空間の空気の絶対湿度と相対湿度の両方を検知する湿度センサーと、現在の時期を判断する手段と、をさらに備え、絶対湿度と相対湿度と現在の時期から判断して、前記制御部は前記ファンの運転を開始することを特徴としている。この構成によると、時期を判断する手段によりその時期が夏季か冬季かが判断され、部屋の絶対湿度と相対湿度から、気温が算出され、季節、時間帯、算出した気温から、サーキュレータの運転の必要性が判断され、必要な場合にはサーキュレータの運転が行われる。これにより、時期、季節、時間帯に応じて空気調和機の運転を推測検知することができ、適切にサーキュレータの運転を開始することができるため、確実に省エネ効果を得ることができる。
以上により、本発明に係るサーキュレータを第1〜第3実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定される訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を加えて実施することができる。例えば、上記の実施形態においてサーキュレータの制御のために用いた相対湿度の変化率の感知に要する時間やパーセンテージ、及び温湿度の値は一例であり、状況に応じて適宜適当な値を選択することができることは言うまでもない。また、上記の実施形態で説明に用いたサーキュレータも一例であって、少なくともファンとファンの作動を制御する制御部とを備えた装置であれば、換気扇、扇風機、天井扇、空気清浄機、加湿器、除湿機、ファンヒータなど、空気調和機以外の室内空気を攪拌する機能を発揮しうるあらゆる装置に対して本発明の適用が可能である。