JP2009209992A - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】動力伝達チェーンにおいて、伝動効率の更なる向上、実用上の耐久性の更なる向上および騒音の低減を達成すること。
【解決手段】チェーンの第1のピン3の端面17には、プーリに接触する縦長の楕円状の接触領域20が形成されている。チェーン進行方向Xとは直交する平面Dに対して30°以下の迎え角Eをなして接触領域20の長手方向Kに延び且つ接触中心点22を含む基準平面P1上に、基準軸線Mが設定される。基準軸線Mを含む任意の平面Pと接触領域20との交差により所定の交線31が形成される。この所定の交線31は、接続部28を介して互いに連続する第1および第2の曲線部29,30を含む。第1および第2の曲線部29,30の曲率半径RL,RUは互いに異なる。接続部28において、第1および第2の曲線部29,30が接線βを共有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置に関する。
例えば、自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンは、複数のリンクプレートをピンで連結して形成されており、一対のプーリに巻き掛けられた状態で使用される。
ピンの一対の端面がプーリ表面に係合することにより、動力伝達チェーンとプーリとの間で動力が伝達される。
国際公開 WO2006/43605 A1号パンフレット(図10)
このような動力伝達チェーンにおいて、伝動効率の更なる向上、実用上の耐久性の更なる向上および騒音の低減が要請されている。本発明は、これらの課題を解決することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、チェーン進行方向(X)に並ぶ複数のリンク(2)と、チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向(W)に延び、複数のリンクを互いに連結する複数の連結部材(50)とを備え、上記連結部材は、プーリ(60,70)のシーブ面(62a,63a,72a,73a)に動力伝達可能に接触する縦長の楕円状の接触領域(20;20D;20E)が形成される端面(17)を有する動力伝達部材(3)を含み、チェーン進行方向とは直交する平面(D)に対して30°以下の角度(E)(ゼロを含む)をなして上記接触領域の長手方向(K)に延び且つ上記接触領域の中心(22)を含む基準平面(P1;P1C)上に、基準軸線(M)が設定され、この基準軸線は、動力伝達部材の外側に配置されてチェーン幅方向に延び、基準軸線を含む任意の平面(P)と接触領域との交差により所定の交線(31;31C)が形成され、この所定の交線は、接続部(28;28C)を介して互いに連続する第1および第2の曲線部(29,30;29C,30C)を含み、これら第1および第2の曲線部の曲率半径(RL,RU)は互いに異なり、上記接続部において、第1および第2の曲線部が接線(β;βC)を共有していることを特徴とする動力伝達チェーン(1)を提供するものである(請求項1)。
本発明によれば、複数の曲率半径を有する交線が形成されるようにした結果、接触領域に、湾曲の度合いの小さい部分と湾曲の度合いの大きい部分とを設けることができる。これにより、湾曲の度合いの大きい部分では、プーリとの接触面積を小さくできることから、プーリと相対摺動する面積を少なくでき、スリップロスの低減を通じて伝動効率を高くできる。また、湾曲の度合いの小さい部分では、プーリと十分な接触面積で接触でき、プーリとの面圧を低くできる。その結果、端面の外周縁部(エッジ)にまでプーリが接触するエッジ当たりを防止できる。エッジ当たりを防止できることにより、動力伝達部材の端面の外周縁部の摩耗を抑制でき、実用上の耐久性をより向上できる。また、エッジ当たりに起因する騒音を抑制でき、騒音を低減できる。
また、本発明において、動力伝達チェーンが屈曲したときに、上記基準軸線は、動力伝達部材に対して屈曲の外側に配置されている場合がある(請求項2)。この場合、端面の接触領域の形成を容易に行うことが可能である。具体的には、例えば、接触領域を研削等により形成する際に、基準軸線と一致する中心軸線を有するホルダに動力伝達部材の製造用中間体を保持させ、この中心軸線回りにホルダを回転した状態で、全体として断面ハの字状をなす一対の砥面間にこの製造用中間体を通過させることにより、製造用中間体の一対の端面を砥面で研削し、接触領域を形成することができる。
また、本発明において、上記接続部は、上記基準軸線を中心とする円筒面(Q)上に配置されている場合がある(請求項3)。この場合、接続部が円筒面上に連続して滑らかに延びている結果、接触領域がプーリのシーブ面に係合するときの係合をより滑らかにできる。
また、本発明において、上記接続部は、接触領域の中心を含む場合がある(請求項4)。この場合、接触領域の中心を挟んで第1および第2の曲線部を配置でき、接触領域のうち第1の曲線部を構成している部分と、接触領域のうち第2の曲線部を構成している部分とを、バランスよくプーリのシーブ面に係合することができる。また、動力伝達部材がプーリと係合するときや、プーリとの係合を解除される際に、動力伝達部材がチェーン幅方向に延びる軸線回りに自転するチルト運動が生じることがあるが、本発明によれば、接触領域の中心において、第1および第2の曲線部が接線を共有している結果、動力伝達部材にこのチルト運動が生じても、プーリの径方向に関する接触領域の中心とプーリの回転中心との間の距離が変化しないようにできる。これにより、動力伝達部材にチルト運動が生じても、接触領域がプーリのシーブ面に対して滑り(こじり)を起こすことを抑制でき、更なる伝動効率の向上、および騒音の低減を達成できる。
また、本発明において、動力伝達チェーンが屈曲したときに、第1の曲線部が第2の曲線部に対して屈曲の内側に配置され、第1の曲線部の曲率半径が第2の曲線部の曲率半径よりも大きくされている場合がある(請求項5)。通常、プーリのシーブ面は円錐形形状をなしている。このため、動力伝達部材がプーリに噛み込まれたとき、接触領域のうち動力伝達チェーンの屈曲の内側に位置している部分が、屈曲の外側に位置している部分と比べて強く押圧され、大きな押圧力が作用する。本発明によれば、接触領域のうちの屈曲の内側に配置される部分の面積、すなわちプーリのシーブ面からの押圧力の強い部分の面積を大きくできることから、接触領域に作用する面圧をより平準化でき、接触領域の負荷の偏りを抑制できる。
また、本発明において、上記接続部は直線部(87)を含む場合がある(請求項6)。この場合、接続部周辺の面積をより大きくでき、接触領域に作用するプーリからの押圧力をより広範囲に分散できる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーンとを備える場合がある(請求項7)。この場合、伝動効率、実用上の耐久性、および静粛性に優れた動力伝達装置を実現できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に同行回転可能に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。各シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含んでいる。
各シーブ面62a,63aは、ドライブプーリ60の中心軸線A1に直交する平面B1に対して傾斜しており、各シーブ面62a,63aの母線と上記平面B1とのなす角度としてのプーリ半角Cは、例えば、11°に設定されている。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより、溝幅を変化させるようになっている。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下方向)にチェーン1を移動させて、プーリ60のチェーン1に関する有効半径を変更できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に同行回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有する固定シーブ73および可動シーブ72を備えている。
各シーブ面73a,72aは、ドリブンプーリ70の中心軸線A2に直交する平面B2に対して傾斜しており、各シーブ面73a,72aの母線と上記平面B2とのなす角度としてのプーリ半角Cは、例えば、11°に設定されている。ドライブプーリ60のプーリ半角Cとドリブンプーリ70のプーリ半角Cとは等しい。
ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ72を移動させることにより溝幅を変化させるようになっている。それにより、チェーン1を移動させて、プーリ70のチェーン1に関する有効半径を変更できるようになっている。
図3は、チェーン1の要部の横断面図である。図4は、チェーン1の直線領域の要部の縦断面図である。図5は、チェーン1の屈曲領域の要部の側面図である。
なお、以下では、図4を参照して説明するときは、チェーン1の直線領域をチェーン幅方向Wから見た状態を基準として説明する。また、図5を参照して説明するときは、チェーン1の屈曲領域をチェーン幅方向Wから見た状態を基準として説明する。
図3および図4を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材50とを備えている。
以下では、チェーン1の進行方向に平行な方向をチェーン進行方向Xといい、チェーン進行方向Xに直交する方向のうち連結部材50の長手方向に平行な方向をチェーン幅方向Wといい、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向を直交方向Vという。
また、直交方向Vの一方V1は、チェーン1が屈曲しているときにおけるチェーン径方向の外側を向く方向であり、直交方向Vの他方V2は、チェーン1が屈曲しているときにおけるチェーン径方向の内側を向く方向である。
各リンク2は板状に形成された鋼板製の部材であり、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部5および後端部6を含んでいる。前端部5および後端部6には、第1の貫通孔としての前貫通孔9と、第2の貫通孔としての後貫通孔10とがそれぞれ形成されている。リンク2は、チェーン進行方向Xに並んでいるとともにチェーン幅方向Wに並んでいる。
チェーン進行方向Xに隣接するリンク2同士は、相対的にチェーン進行方向Xの後方側にあるリンク2の前貫通孔9と、相対的にチェーン進行方向Xの前方側にあるリンク2の後貫通孔10とが、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応している。これら対応する貫通孔9,10を挿通する連結部材50によって、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2同士が屈曲可能に連結されており、全体として無端状をなすチェーン1が形成されている。
各連結部材50は、動力伝達部材としての第1のピン3と、第2のピン4とを含んでおり、これら第1および第2のピン3,4は対をなしている。
上記対をなす第1および第2のピン3,4は、対応するリンク2間の屈曲に伴い、互いに転がり摺動接触するようになっている。転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触をいう。
第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長尺の部材であり、チェーン進行方向Xに関する長さが例えば2.5mm〜4.0mm程度、直交方向Vに関する長さが例えば5.5mm〜8.0mm程度とされている。
第1のピン3の周面11は、チェーン幅方向Wと平行に延びる滑らかな面に形成されており、チェーン進行方向Xの前方を向く対向部としての前部12と、チェーン進行方向Xの後方を向く後部13と、直交方向Vに相対向する一対の端部としての一端部14および他端部15とを有している。
前部12は、対をなす第2のピン4と対向しており、第2のピン4の後述する後部19と接触部T(チェーン幅方向Wからみて、接触点)で転がり摺動接触している。後部13は、平坦面とされている。この平坦面は、チェーン進行方向Xと直交する平面Dに対して、所定の迎え角Eを有している。迎え角Eは、例えば5°〜12°程度の小さい値にされている。この後部13は、チェーン直線領域をチェーン幅方向Wから見たときに、チェーン進行方向Xに対して傾斜する傾斜方向Fに沿って傾斜しており、直交方向Vの他方V2側を向いている。傾斜方向Fと直交方向Vとのなす角度は、上記迎え角Eである。
図2および図4を参照して、一端部14は、周面11のうち、プーリ60,70の径方向の外方に相当する直交方向Vの一方V1側の端部を構成している。他端部15は、周面11のうち、プーリ60,70の径方向の内方に相当する直交方向Vの他方V2側の端部を構成している。
第1のピン3の長手方向の一対の端部16は、各リンク2のうちチェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2に対して、チェーン幅方向Wの外側にそれぞれ突出している。これら一対の端部16に、端面17がそれぞれ設けられている。各端面17は、チェーン幅方向Wの外側に向けて凸湾曲している。
第1のピン3の周面11の一端部14は、他端部15よりもチェーン幅方向Wに幅広に形成されている。一対の端面17に形成された接触領域20が、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに薄膜状の潤滑油膜を介して摩擦接触(係合)するようになっている。
第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a,72a,73a間に挟持され、これにより、第1のピン3と各プーリ60,70との間で動力が伝達される。第1のピン3は、その端面17が直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の、高強度且つ耐摩耗性に優れた材料で形成されている。
図3および図4を参照して、第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる長尺の部材である。
第2のピン4は、その一対の端部が上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第1のピン3よりも短く形成されており、対をなす第1のピン3に対して、チェーン進行方向Xの前方に配置されている。
第2のピン4の周面18は、チェーン幅方向Wと平行に延びる滑らかな面とされており、チェーン進行方向Xの後方を向く対向部としての後部19を有している。後部19は、直交方向Vに関する中間部が、チェーン進行方向Xと直交する平坦面に形成されており、対をなす第1のピン3の前部12と対向している。
チェーン1は、いわゆる圧入タイプのチェーンとされている。具体的には、各リンク2の前貫通孔9には、対応する第1のピン3が遊嵌されているとともに、対応する第2のピン4が圧入固定され、各リンク2の後貫通孔10には、対応する第1のピン3が圧入固定されているとともに、対応する第2のピン4が遊嵌されている。
上記の構成により、第1のピン3の前部12と対をなす第2のピン4の後部19とは、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2間の屈曲に伴って移動する接触部T上で、互いに転がり摺動接触する。なお、各第1および第2のピン3,4は、対応する前貫通孔9および後貫通孔10に遊嵌されていてもよい。
前部12は、チェーン進行方向Xの前方に突出する湾曲状をなしている。具体的には、前部12のうち、チェーン1の直線領域における接触部T1に対して直交方向Vの一方V1側にある部分の断面形状は、インボリュート曲線を含んでいる。また、前部12のうち、チェーン1の直線領域における接触部T1に対して直交方向Vの他方V2側にある部分の断面形状は、滑らかな湾曲線とされている。
図5を参照して、チェーン幅方向Wから見て、対応するリンク2間の屈曲に伴う接触部Tの移動軌跡は、第1のピン3を基準としてインボリュート曲線となる。
これにより、隣接するリンク2同士が屈曲する際に、対応する第1および第2のピン3,4が滑らかに転がり接触でき、リンク2同士の滑らかな屈曲を達成できる。その結果、チェーン1の弦振動的な運動を抑制できる。
傾斜方向Fの一方F1は、チェーン1の屈曲領域における屈曲の外側を向く方向であり、傾斜方向Fの他方F2は、チェーン1の屈曲領域における屈曲の内側を向く方向である。
図6(A)は、チェーン幅方向Wとは直交する平面に対してプーリ半角だけ傾いた傾斜平面に直交する、斜め方向から見た第1のピン3の側面図であり、図6(B)は、図6(A)のVIB−VIB線に沿う断面図であり、図6(C)は、図6(A)のVIC−VIC線に沿う断面図である。
図6(B)において、上記の、チェーン幅方向Wとは直交する平面Gに対してプーリ半角Cだけ傾いた傾斜平面Hに直交する斜め方向Jを図示している。図6(A)を参照して説明するときは、第1のピン3を斜め方向Jから見た状態を基準として説明する。
図6(A)を参照して、第1のピン3の接触領域20は、第1のピン3の端面17の外周縁部21を避けて配置されている。接触領域20は、当該接触領域20を斜め方向Jに沿って見たときに、傾斜方向Fに縦長の楕円状としての卵形状をなしている。この接触領域20の長手方向Kは、傾斜方向Fに沿っており、短手方向Lは、傾斜方向Fとは直交している。
接触領域20は、当該接触領域20を斜め方向Jに沿って見たときの図心としての接触中心点22を有している。接触領域20は、接触中心点22を中心としてプーリのシーブ面に接触する。接触領域20は、接触中心点22を基準にして、傾斜方向Fの一方F1に相対的に短く形成され、傾斜方向Fの他方F2に相対的に長く形成されている。
接触中心点22は、第1のピン3の端面17の頂点と一致している。なお、接触中心点22は、第1のピン3の端面17の頂点と一致してなくてもよい。例えば、第1のピン3の端面17の頂点に、後述する第1の曲線部29が配置されていてもよい。
この接触領域20は、チェーン進行方向Xとは直交する平面Dに対して、30°以下の角度(ゼロを含む)としての迎え角Eをなして接触中心点22を含む基準平面P1を中心とする対称形状をなしている。なお、迎え角Eを30°より大きくすることは、第1のピン3のレイアウト上、現実的ではない。好ましくは、迎え角Eは、20°以下に設定される。
基準平面P1は、接触領域20の長手方向Kに延びている。基準平面P1上において、接触領域20の長軸23が延びている。接触領域20の短軸24は、長軸23と接触中心点22で交差し且つ長軸23とは直交している。
接触領域20は、長手方向Kに関する第1および第2の端部25,26と、短手方向Lに関して最も幅広い最大幅部27とを含んでいる。
第1の端部25は、接触領域20のうち長手方向Kの一方側の端部であり、第1のピン3の周面11の一端部14に近接している。第2の端部26は、接触領域20のうち長手方向Kの他方側の端部であり、周面11の他端部15に近接している。
第1および第2の端部25,26は、それぞれ、基準平面P1上に配置されている。最大幅部27の中心は、接触中心点22である。第1の端部25、最大幅部27および第2の端部26が、長軸23上に一直線に並んでいる。
斜め方向Jに沿って見たとき、傾斜方向Fに関して、接触中心点22と第1の端部25とは、相対的に近い距離N2を隔てており、接触中心点22と第2の端部26とは、相対的に遠い距離N3を隔てている。
なお、上記距離L2が相対的に遠い距離となるようにするとともに、上記距離L3が相対的に近い距離となるようにしてもよい。
基準平面P1は、チェーン幅方向Wに延びる基準軸線Mを含んでいる。この基準軸線Mは、第1のピン3に対して、チェーン1の屈曲領域における屈曲の外側、すなわち、傾斜方向Fの一方F1側に配置されている。傾斜方向Fに関する、接触中心点22と基準軸線Mとの間の距離N1は、例えば、6mm程度とされている。
図6(A)および図6(B)を参照して、基準軸線Mを含む任意の平面Pと、接触領域20との交差により、所定の交線31が形成されている。なお、図6(B)では、一例として、基準軸線Mを含み且つ接触中心点22を通る平面Pとしての基準平面P1と、接触領域20との交差による所定の交線31を図示している。
この所定の交線31は、接続部28と、接続部28を介して互いに連続する第1および第2の曲線部29,30とを含んでいる。
接続部28は、第1および第2の曲線部29,30の境界部であり、基準軸線Mを中心とする円筒面Q上に配置されている。換言すれば、図6(A)および図6(C)に示すように、接続部28は、上記円筒面Qと接触領域20との交差により形成される交線である。本実施の形態において、接続部28は、接触中心点22を含む円筒面Q1と接触領域20との交差により形成されている。円筒面Q1上において、接続部28は、所定の曲率半径Rを有する円弧状をなしており、接触中心点22を含んでいる。
図6(A)および図6(B)を参照して、所定の交線31上において、第1の曲線部29は、接続部28に対して直交方向Vの他方V2側に配置されており、第2の曲線部30は、接続部28に対して直交方向Vの一方V1側に配置されている。
換言すれば、チェーン1の屈曲領域において、第1の曲線部29は、相対的に屈曲の内側に配置され、第2の曲線部30は、相対的に屈曲の外側に配置される。
第2の曲線部30のうち直交方向Vの一方V1側の端部30aは、第1の交線31の直交方向Vの一方V1の端部であり、接触領域20の外周縁部32に接続されている。第2の曲線部30のうち直交方向Vの他方V2側の端部30bは、接続部28に接続されている。第1の曲線部29のうち直交方向Vの一方V1側の端部29aは、接続部28に接続されている。第1の曲線部29のうち直交方向Vの他方V2側の端部29bは、接触領域20の外周縁部32に接続されている。
このように、第1の曲線部29および第2の曲線部30の対応する端部29a,30bが、接続部28を介して連続的且つ滑らかに接続されている。
第1の曲線部29は、単一の曲率半径RLを有する円弧状をなしている。第2の曲線部30は、単一の曲率半径RUを有する円弧状をなしている。これらの曲率半径RL,RUは、互いに異なる値に設定されている。具体的には、曲率半径RLは、相対的に大きい値とされており、曲率半径RUは、相対的に小さい値とされている。たとえば、本実施の形態において、曲率半径RLは、概ね180mmに設定され、曲率半径RUは、概ね60mmに設定されている。
任意の平面P上において、第1の曲線部29の曲率中心点U1と、第2の曲線部30の曲率中心点U2とは、共通の法線α上に配置されている。この法線αは、任意の平面P上において、接続部28における接触領域20の接線βに対する法線である。上記任意の平面P上において、この法線αは、チェーン幅方向Wに沿って延び接続部28と交差する直線γに対して、プーリ半角Cに等しい角度C’をなして交差している。
第1の曲線部29の端部29a(接続部28)における当該第1の曲線部29の接線と、第2の曲線部30の端部30b(接続部28)における当該第2の曲線部30の接線とは、共に接線βで一致している。換言すれば、接続部28において、第1および第2の曲線部29,30が接線βを共有している。
任意の傾斜平面Hと、端面17との交線δは、接触領域20の外周縁部32または外周縁部32に相似な形状と一致する。図6(A)においては、外周縁部32と一致する交線δを例示している。前述したように、プーリ半角Cに等しい角度C’は、11°程度の小さい値であることから、チェーン幅方向Wに沿って見たときの交線δと、斜め方向Jに沿って見たときの交線δとは、概ね同じ形状をなす。
以上が無段変速機の概略構成である。次に、チェーン1の第1のピン3の端面17を形成する方法について説明する。
図7(A)は、第1のピン3の製造用中間体33の一対の端面34,34のそれぞれを研削するための研削装置35の概略構成を示す断面図である。図7(B)は、図7(A)のVIIB−VIIB線に沿う断面図である。
図7(A)および図7(B)を参照して、研削装置35は、チェーン1の第1のピン3の製造装置として用いられるものであり、製造用中間体33の一対の端面34,34のそれぞれに研削加工を施すことにより、第1のピン3を形成するものである。
製造用中間体33は、例えば、第1のピン3と概ね等しい外形形状に形成された長尺の部材であり、一対の端面34,34は、仕上げの研削加工が施される前の状態となっている。この製造用中間体33は、焼入れ・焼き戻し等の熱処理が施された材料を用いたものであってもよいし、熱処理が施される前の材料を用いたものであってもよい。
研削装置35は、製造用中間体33の一対の端面34,34のそれぞれを研削するための研削部材36と、研削部材36を保持するツールホルダ37と、複数の製造用中間体33を保持するワークホルダ38とを備えている。
ワークホルダ38は、製造中間体33の長手方向をツールホルダ37の中心軸線εtに沿わせた状態でこの製造中間体33を保持する。ワークホルダ38は、当該ワークホルダ38の中心軸線εwを中心軸線とする主体部39を含んでいる。主体部39には、ツールホルダ37の後述する軸部48が挿通(嵌合)される軸部挿通孔40、および軸部挿通孔40(ツールホルダ37の中心軸線εt)の回りに放射状に複数配置されて複数の製造用中間体33を保持する中間体保持孔41が形成されている。ワークホルダ38の中心軸線εwから中間体保持孔41の中心軸線εiまでの距離は、所定の値N1とされている。すなわち、傾斜方向Fに関する基準軸線Mと接触中心点22との距離N1と等しい。
軸部挿通孔40は、ワークホルダ38の中心軸線εwを中心に形成されており、ワークホルダ38の主体部39を貫通している。
各中間体保持孔41の中心軸線εiは、ワークホルダ38の中心軸線εwと平行である。各中間体保持孔41は、ワークホルダ38の主体部39を貫通している。
これらの中間体保持孔41は、主体部39の周方向に等間隔に配置されている。各中間体保持孔41の内周面は、製造用中間体33の外周面の形状に概ね合致する形状に形成されている。
各中間体保持孔41に製造用中間体33が挿通されており、製造用中間体33の長手方向の中間部79が、対応する中間体保持孔41に対して動かないように保持されている。これにより、複数の製造用中間体33は、その長手方向をツールホルダ37の中心軸線εtに沿わせた状態で、ツールホルダ37の中心軸線εtの回りに放射状に配列して保持されている。
製造用中間体33の一対の端部は、それぞれ、ワークホルダ38の主体部39から突出している。中間体保持孔41に保持された製造用中間体33は、第1のピン3の一端部14に相当する一端部42がワークホルダ38の中心軸線εwを向いており、第1のピン3の他端部15に相当する他端部43が、上記一端部42を挟んでワークホルダ38の中心軸線εwに対向している。
ワークホルダ38の主体部39は、固定部材44およびキー69を用いてワークホルダ38の中心軸線εw回りの回転が規制されている。具体的には、固定部材44の外表面に形成された凹部と、ワークホルダ38の主体部39の外周面に形成された凹部との間にキー69が嵌め込まれている。
ツールホルダ37は、その中心軸線εtの回りに回転可能とされているものであり、ワークホルダ38の主体部39を挟んで配置される第1および第2の側部45,46を含んでいる。第1および第2の側部45,46は、それぞれ、ツールホルダ37の中心軸線εtを中心軸線としている。ツールホルダ37の中心軸線εtは、ワークホルダ38の中心軸線εwと一致している。
これら第1および第2の側部45,46は、電動モータ等の動力源(図示せず)に動力伝達可能に連結されており、ツールホルダ37の中心軸線εtの回りを同行回転するようになっている。
第1および第2の側部45,46には、それぞれ、研削部材36を保持するための環状の保持溝47が形成されている。これらの保持溝47は、ツールホルダ37の中心軸線εtを中心として形成されている。
第1の側部45には、ツールホルダ37の中心軸線εtを中心とする軸部48が延設されている。この軸部48は、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46を互いに芯合わせするとともに、ツールホルダ37とワークホルダ38の主体部39とを互いに芯合わせするためのものである。この軸部48は、ワークホルダ38の主体部39の軸部挿通孔40を挿通しており、この主体部39とは相対回転可能且つツールホルダ37の軸線方向に相対移動可能とされている。また、この軸部48は、ツールホルダ37の第2の側部46に、ツールホルダ37の中心軸線εtを中心として形成された軸部挿通孔40を挿通しており、第2の側部46と同行回転可能且つツールホルダ37の軸線方向に相対移動可能に連結されている。
研削部材36は、製造用中間体33の一方の端面34を研削するための第1の砥石58と、製造用中間体33の他方の端面34を研削するための第2の砥石59とを含んでいる。
第1および第2の砥石58,59は、それぞれ、環状に形成されている。これら第1および第2の砥石58,59は、ツールホルダ37の対応する保持溝47のそれぞれに嵌め込まれて固定されている。
第1および第2の砥石58,59は、それぞれ、砥面54,55を含んでいる。これらの砥面54,55は、ツールホルダ37の軸線方向に対称な形状をなしている。第1の砥石58の砥面54は、製造用中間体33の一方の端面34に対向配置され、第2の砥石59の砥面55は、製造用中間体33の他方の端面34に対向配置されている。各砥面54,55は、ツールホルダ37の中心軸線εtを中心とする環状をなしている。
ツールホルダ37の回転方向は、例えば、ツールホルダ37が回転しているときに、第1のピン3の後部13に相当する製造用中間体33の後部56を、ワークホルダ38の中間体保持孔41の内周面に押圧するような力が作用するように、設定される。例えば、本実施の形態では、図7(B)において、矢印ζで示される方向である。
図8は、図7(A)の要部の拡大図である。なお、前述したように、第1の砥石58の砥面54と第2の砥石59の砥面55とは、ツールホルダ37の軸線方向に対して対称な形状をなしていることから、以下では、主に第1の砥石58の砥面54について説明する。
図6(B)および図8を参照して、第1の砥石58の砥面54が、ツールホルダ37の中心軸線εtを含む任意の平面S(例えば、図8の紙面に平行な平面)と交差することにより、砥面54に交線57が形成される。この交線57は、第1のピン3の接触領域20と基準平面P1とが交差することにより形成される所定の交線31と概ね合致する形状を含んでいる。
この交線57は、第1のピン3の接触領域20の接続部28を形成するための接続部形成部64と、接触領域20の第1の曲線部29を形成するための第1の曲線部形成部65と、接触領域20の第2の曲線部30を形成するための第2の曲線部形成部66とを含んでいる。
接続部形成部64は、砥面54の径方向ηに関して、ツールホルダ37の中心軸線εtからの距離が、距離N1に等しい距離とされており、数mm程度の小さい値とされている。第1の曲線部形成部65は、接続部形成部64に対して径方向ηの外側に配置されており、第1の曲線部29の曲率半径RLと同じ曲率半径RL’を有している。第2の曲線部形成部66は、接続部形成部64に対して径方向ηの内側に配置されており、第2の曲線部30の曲率半径RUと同じ曲率半径RU’を有している。
第2の曲線部形成部66の一端部66aは、接続部形成部64に対して径方向ηの内側に配置されており、他端部66bは、接続部形成部64に接続されている。第1の曲線部形成部65の一端部65aは、接続部形成部64に接続されており、他端部65bは、接続部形成部64に対して径方向ηの外側に配置されている。
ツールホルダ37の中心軸線εtを含む任意の平面Sにおいて、第1の曲線部形成部65の曲率中心点U1’と、第2の曲線部形成部66の曲率中心点U2’とは、共通の法線α’上に配置されている。この法線α’は、平面Sにおいて、接続部形成部64における交線57の接線β’に対する法線である。交線57において、この法線α’は、チェーン幅方向Wに沿って延び接続部形成部64と交差する直線γ’に対して、プーリ半角Cに等しい角度C’をなして交差している。
平面Sにおいて、第2の曲線部形成部66の他端部66b(接続部28)における当該第2の曲線部形成部66の接線と、第1の曲線部形成部65の一端部65a(接続部28)における当該第1の曲線部形成部65の接線とは、共に接線β’で一致している。換言すれば、接続部28において、第1および第2の曲線部形成部65,66が接線を共有している。
図7(A)および図7(B)を参照して、上記の構成を有する研削装置35において、ツールホルダ37がその中心軸線εtの回りを回転することにより、ツールホルダ37およびワークホルダ38が、ツールホルダ37の中心軸線εtの回りを相対回転する。これにより、各砥面54,55は、製造用中間体33の一対の端面34,34に当接した状態で、これらの端面34,34に対してツールホルダ37の中心軸線εtの回りを回転し、これらの端面34,34が研削される。
次に、研削装置35を用いた製造用中間体33の一対の端面34,34の研削の工程について説明する。
まず図9(A)に示すように、固定部材44およびキー69によって中心軸線εwの回りの回転が規制されたワークホルダ38と、複数の製造用中間体33を用意する。このワークホルダ38の各中間体保持孔41に製造用中間体33を挿通する。これにより、各製造用中間体33の長手方向をワークホルダ38の中心軸線εw(ツールホルダ37の中心軸線εt)に沿わせた状態で、これらの製造用中間体33をワークホルダ38の中心軸線εwの回りに放射状に配列する。
次に、図9(B)に示すように、ワークホルダ38の主体部39の軸部挿通孔40に、ツールホルダ37の第1の側部45の軸部48を挿通し、さらに、図9(C)に示すように、この軸部48の先端側の一部をツールホルダ37の第2の側部46の軸部挿通孔40に挿通する。
これにより、図9(D)に示すように、ツールホルダ37に保持された第1および第2の砥石58,59の砥面54,55が、各製造用中間体33の対応する端面34,34に当接する。
この状態で、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46を、動力源によって中心軸線εtの回りに同行回転させる。これにより、ツールホルダ37に保持された第1および第2の砥石58,59と、ワークホルダ38に保持された各製造用中間体33とがツールホルダ37の中心軸線εtの回りを相対回転する。これにより、各砥面54,55は、製造用中間体33の対応する端面34,34を研削する。この研削加工が施された製造用中間体33が、第1のピン3となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1のピン3に関して、複数の曲率半径RL,RUを有する所定の交線31が形成されるようにした結果、接触領域20に、湾曲の度合いの小さい部分(接続部28に対して直交方向Vの一方V1側に位置している部分)と、湾曲の度合いの大きい部分(接続部28に対して直交方向Vの他方V2側に位置している部分)とを設けることができる。
これにより、湾曲の度合いの大きい部分では、各プーリ60,70との接触面積を小さくできることから、各プーリ60,70と相対摺動する面積を少なくでき、スリップロスの低減を通じて伝動効率を高くできる。また、湾曲の度合いの小さい部分では、各プーリ60,70と十分な接触面積で接触でき、これらのプーリ60,70との面圧を低くできる。その結果、第1のピン3の端面17の外周縁部(エッジ)にまで各プーリ60,70が接触するエッジ当たりを防止できる。
エッジ当たりを防止できることにより、第1のピン3の端面17の外周縁部の摩耗を抑制でき、実用上の耐久性をより向上できる。また、エッジ当たりに起因する騒音を抑制でき、騒音を低減できる。
また、チェーン1の屈曲領域において、基準軸線Mが、第1のピン3に対して屈曲の外側に配置されている。これにより、第1のピン3の端面17の接触領域20の形成を容易に行うことが可能である。
具体的には、接触領域20を研削装置35によって形成する際に、基準軸線Mと一致する中心軸線εwを有するワークホルダ38に製造用中間体33を保持させ、この中心軸線εwの回りにワークホルダ38を回転した状態で、全体として断面ハの字状をなす一対の砥面54,55間にこの製造用中間体33を通過させることにより、製造用中間体33の一対の端面34,34を対応する砥面54,55でそれぞれ研削し、接触領域20を形成することができる。
また、第1のピン3に関して、接続部28を、基準軸線Mを中心とする円筒面Q上に配置している。このように、接続部28が円筒面Q上に連続して滑らかに延びている結果、接触領域20が各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aに係合するときの係合をより滑らかにできる。
さらに、第1のピン3に関して、接続部28に接触領域20の接触中心点22が設けられている。これにより、接触中心点22を挟んで第1および第2の曲線部29,30を配置でき、接触領域20のうち第1の曲線部29を構成している部分と、接触領域20のうち第2の曲線部30を構成している部分とを、バランスよく各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに係合することができる。
また、第1のピン3が対応するプーリ60,70と係合するときや、対応するプーリ60,70との係合を解除される際に、第1のピン3がチェーン幅方向Wに延びる軸線回りに自転するチルト運動が生じることがあるが、本実施の形態によれば、接触中心点22において、第1および第2の曲線部29,30が接線βを共有している結果、第1のピン3にこのチルト運動が生じても、各プーリ60,70の径方向に関する接触中心点22と対応するプーリ60,70の中心軸線A1,A2との間の距離が変化しないようにできる。これにより、第1のピン3にチルト運動が生じても、接触領域20が各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aに対して滑り(こじり)を起こすことを抑制でき、更なる伝動効率の向上、および騒音の低減を達成できる。
また、第1のピン3が、各プーリ60,70との係合に関連して上記のチルト運動を生じても、接触領域20の長軸23を対応するプーリ60,70の中心軸線A1,A2に交差するようにできる。その結果、スリップロスをさらに低減でき、伝動効率をより向上できる。
また、チェーン1の屈曲領域において、第1の曲線部29が第2の曲線部30に対して屈曲の内側に配置され、第1の曲線部29の曲率半径RLが第2の曲線部30の曲率半径RUよりも大きく(RL>RU)されている。
各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aは円錐形形状をなしている。このため、第1のピン3が各プーリ60,70に噛み込まれたとき、接触領域20のうち、チェーン1の屈曲の内側に位置している部分が、屈曲の外側に位置している部分と比べて強く押圧され、大きな押圧力が作用する。
本実施の形態によれば、接触領域20のうちの上記屈曲の内側に配置される部分の面積、すなわち各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aからの押圧力の強い部分の面積を大きくできることから、接触領域20に作用する面圧をより平準化でき、接触領域20の偏りを抑制できる。
また、接触領域20のうち接続部28に対して屈曲の外側に進むに従うことに伴う面圧の減少と、接続部28に対して屈曲の内側に進むに従うことに伴う面圧の減少とを概ね同じにできる。その結果、各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aとのスリップロスをより少なくでき、伝動効率の悪化を防止できる。
以上より、伝動効率、実用上の耐久性、および静粛性に優れた無段変速機100を実現できる。
また、研削装置35において、ワークホルダ38に対するツールホルダ37の相対回転の中心と、ツールホルダ37に対するワークホルダ38の相対回転の中心とを、中心軸線εtで一致させている。その結果、これらの相対回転の中心に製造中間体33を近接配置できる。
例えば、斜め方向Jから見たときにおいて、傾斜方向Fに関する接触中心点22と基準軸線Mとの距離N1を、傾斜方向Fに関する第1のピン3の全長の50%程度にまで短くすることができる。
これにより、ワークホルダ38における製造用中間体33の配置の自由度を高くでき、その結果、研削部材36によって研削された製造用中間体33の端面34の形状、すなわち、第1のピン3の端面17の形状の自由度を高くできる。
さらに、ワークホルダ38によって、複数の製造用中間体33をツールホルダ37の中心軸線εtの回りに放射状に配列して保持することにより、複数の製造用中間体33を、研削部材36によって一括して研削できる。
また、ツールホルダ37の軸部48をワークホルダ38の軸部挿通孔40に嵌合させる簡易な作業で、ツールホルダ37とワークホルダ38との間の位置決めを正確に行うことができる。
さらに、ワークホルダ38を回転駆動する構成を採用する必要がなく、ワークホルダ38のレイアウト上の自由度を高くできる。これにより、ワークホルダ38を堅固に形成でき、ワークホルダ38による製造用中間体33の支持の剛性を十分に確保できる。
なお、本実施の形態において、所定の交線31上において、接続部28を挟んだ両側に、スプライン関数を用いて設定される曲線部や、傾斜方向Fに概ね対称なインボリュート曲線を設けてもよい。また、所定の交線31上において、第1および第2の曲線部29,30以外の別の曲線部を設けてもよい。さらに、第1のピン3の端面17の全面を接触領域としてもよい。
また、研削部材36に代えて、エンドミル等の他の一般的な研削用の工具を用いてもよい。さらに、軸部48および軸部挿通孔40を廃止してもよい。ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46の互いの連結を行わない場合には、第1および第2の砥石58,59の砥面54,55のそれぞれを、例えば太鼓状に形成してもよい。また、第1および第2の砥石58,59は、環状に形成されていなくてもよい。
さらに、ワークホルダ38の主体部39の中間体保持孔41の内周面の向きを、当該中間体保持孔41の中心軸線εiの回りに回転させて変更することにより、第1のピン3の迎え角Eを変更することができる。また、ワークホルダ38に関して、その中心軸線εwから中間体保持孔41の中心軸線εiまでの距離を中間体保持孔41間で異なるようにしたり、これらの中心軸線εw,εiの方向を互いに異なるようにすることで、第1のピン3の端面17における接触領域20の位置を、チェーン進行方向Xおよび直交方向Vの少なくとも一方に関して変更することができる。
このようにして、端面17における接触領域20の位置の異なる複数種類の第1のピン3を形成し、これら第1のピン3をチェーン進行方向Xにランダムに配列することができる。この場合、第1のピン3が各プーリ60,70に順次係合するときの係合の周期をランダムにしたり、第1のピン3がその中心軸線回りに自転するチルト運動の量を第1のピン3間でランダムに異なるようにしたりできる。その結果、チェーン1の駆動音の周波数を広範囲に分散してピーク値を低くでき、この駆動音を小さくできる。
さらに、ツールホルダ37が当該ツールホルダ37の中心軸線εtの回りに回転することを規制した状態で、ワークホルダ38をツールホルダ37の中心軸線εtの回りに回転させることにより、製造用中間体33の一対の端面34,34を研削してもよい。また、ツールホルダ37およびワークホルダ38の双方を、ツールホルダ37の中心軸線εtの回りに回転させることにより、製造用中間体33の一対の端面34,34を研削してもよい。
図10は、本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。なお、以下では、図1〜図9に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図10を参照して、本実施の形態では、研削装置35Aのツールホルダ37の第1および第2の側部45,46のそれぞれに、軸部48A,48Aが設けられている。これらの軸部48A,48Aは、それぞれ、ツールホルダ37の中心軸線εtを中心としており、ワークホルダ38側に向けて突出している。各軸部48Aがワークホルダ38の軸部挿通孔40に、相対回転可能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合する。
図11は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。図11を参照して、本実施の形態では、複数のワークホルダ38が、ワークホルダ保持部材67によって保持されている。ワークホルダ保持部材67は、ツールホルダ37の中心軸線εt、およびワークホルダ38の中心軸線εwの双方に離隔して配置され、これらの中心軸線εt,εwとは平行に延びる中心軸線εhの回りを回転移動可能とされている。ワークホルダ保持部材67は、例えば、電動モータ(図示せず)等の動力源の出力によって、上記中心軸線εhの回りを回転する。
ワークホルダ保持部材67の外周面68に、複数のワークホルダ38が固定されている。本実施の形態において、ワークホルダ保持部材67と各ワークホルダ38とは、単一の部材を用いて一体に形成されている。なお、ワークホルダ保持部材67と各ワークホルダ38とを別体に形成して互いに固定するようにしてもよい。
各ワークホルダ38は、ワークホルダ保持部材67の周方向に等間隔に配置されている。ワークホルダ保持部材67が中心軸線εhの回りを回転することにより、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46に挟まれるワークホルダ38が順次入れ替わるようになっている(図11において、第2の側部46のみを図示)。
本実施の形態によれば、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46に挟まれるワークホルダ38を、ワークホルダ保持部材67を回転させる簡易な動作で、順次入れ替えることができる。これにより、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46に挟まれるワークホルダ38を、迅速に入れ替えることができる。
図12(A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。図12(B)は、図12(A)のXIIB−XIIB線に沿う要部の断面図である。
図12(A)および図12(B)を参照して、研削装置35Bは、研削部材36と、ツールホルダ37と、ワークホルダ38Bとを含んでいる。
ワークホルダ38Bの中心軸線εwは、ツールホルダ37の中心軸線εtに対してオフセットして配置されており、各中心軸線εw,εtが、互いに平行に離隔している。ワークホルダ38Bは、主体部39Bと、主体部39Bを支持する支軸75とを含んでいる。
支軸75は、ワークホルダ38Bの中心軸線εwを中心として延びており、電動モータ等の動力源(図示せず)に動力伝達可能に連結されている。動力源の駆動により、支軸75がワークホルダ38Bの中心軸線εwの回りを回転する。
支軸75と主体部39Bとは、キー76を介してワークホルダ38の中心軸線εwの回りに同行回転可能に連結されている。具体的には、支軸75の外周面と、主体部39Bに形成され支軸75が挿通される支軸挿通孔77の内周面のそれぞれに、凹部が形成されており、これらの凹部にキー76が跨って配置されている。
ワークホルダ38Bの主体部39Bは、例えば、ワークホルダ38Bの中心軸線εwを中心とする円板状に形成されている。この主体部39Bの外周面78には、製造用中間体33の長手方向の中間部79を収容するための収容溝80が、ワークホルダ38の中心軸線εwを中心として放射状に複数形成されている。これらの収容溝80は、主体部39Bの周方向の全周に亘って等間隔に配置されている。
各収容溝80は、主体部39Bの外周面78の一部を窪ませてなるものであり、主体部39Bの径方向の外方に開放されている。
各収容溝80に対応して、押圧部材81が設けられている。押圧部材81は、収容溝80に収容された製造用中間体33の中間部79を、収容溝80の内面82に押圧することにより、製造用中間体33が収容溝80から抜け落ちることを防止するためのものである。各押圧部材81は、例えば、弾性部材としての板ばねを用いて形成されており、対応する収容溝80に近接して配置されている。各押圧部材81の基端部は、固定部材としてのねじ83を用いて主体部39Bに固定されている。各押圧部材81の中間部は、例えばU字状に屈曲されており、可撓性が付与されている。
各押圧部材81の先端部は、対応する収容溝80内に配置されており、この収容溝80内に収容された製造用中間体33の中間部79を弾性的に押圧している。押圧部材81の先端部は、製造用中間体33のうち、第1のピン3の前部12に相当する前部84に当接している。また、収容溝80の内面82は、製造用中間体33のうち、第1のピン3の後部13に相当する後部56に面接触する受け部85を含んでいる。受け部85は、概ね主体部39Bの径方向に沿って延びており、受け部85が主体部39Bの周方向の一方(図12(B)における反時計回り方向)に移動することを規制している。
押圧部材81の先端部と受け部85とによって、製造用中間体33の中間部79が挟持されている。収容溝80の底部86は、製造用中間体33のうちの第1のピン3の一端部14に相当する他端部42を受けている。
主体部39Bには、ツールホルダ37の軸部48A,48Aが挿通される軸部挿通孔40Bが形成されている。軸部挿通孔40Bは、各収容溝80に対応して設けられており、主体部39Bの周方向に等間隔に複数形成されている。軸部挿通孔40Bにツールホルダ37の軸部48Aが挿通されているとき、この軸部挿通孔40Bの中心軸線εiは、ツールホルダ37の中心軸線εtと一致する。
各軸部挿通孔40Bの中心軸線εiは、ワークホルダ38Bの中心軸線εwを中心とする仮想の円筒面κ上に配置されている。これにより、軸部挿通孔40Bに挿通されたときの軸部48Aの中心軸線、すなわちツールホルダ37の中心軸線εtは、この円筒面κ上に配置される。
次に、この研削装置35Bを用いた製造用中間体33の一対の端面34,34の研削の工程について説明する。まず、図13(A)に示すように、ワークホルダ38Bの各収容溝80に、製造用中間体33の中間部79を嵌め込む。各収容溝80の内面82と押圧部材81の先端部とによって、製造用中間体33の中間部79を挟持させる。
図13(B)に示すように、各収容溝80に製造用中間体33が保持された状態で、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46の軸部48A,48Aのそれぞれを、ワークホルダ38Bの対応する軸部挿通孔40Bに挿通して嵌合させる。これにより、図13(C)に示すように、第1および第2の砥石58,59の砥面54,55が、対応する製造用中間体33の対応する端面34にそれぞれ当接する。
この状態で、ツールホルダ37を、ツールホルダ37の中心軸線εtの回りに回転させる。これにより、第1および第2の砥石58,59を、この中心軸線εtの回りに回転させる。このときの回転方向は、製造用中間体33の後部56が収容溝80の受け部85に押圧されるような方向であり、例えば、図13(C)における回転方向σである。このとき、ワークホルダ38Bは回転しない。これにより、各砥面54,55が、製造用中間体33の対応する端面34,34を研削し、第1のピン3が形成される。
製造用中間体33の研削が完了した後は、図13(D)に示すように、ツールホルダ37の第1および第2の側部45,46の軸部48A,48Aを、軸部挿通孔40Bから抜き取り、ツールホルダ37とワークホルダ38Bとの係合を解除する。
この状態で、図13(E)に示すように、例えば、ワークホルダ38Bを当該ワークホルダ38Bの中心軸線εw回りに、所定量回転させることにより、ツールホルダ37の中心軸線εtを、ワークホルダ38Bに対して仮想の円筒面κ上で移動する。これにより、ツールホルダ37の軸部48Aは、別の軸部挿通孔40Bに対向する。
この状態で、図13(F)に示すように、再びツールホルダ37の一対の側部45,46の軸部48A,48Aを軸部挿通孔40Bに挿通して嵌合し、図13(C)で説明したのと同様に、ツールホルダ37に保持された第1および第2の砥石58,59で、製造用中間体33の一対の端面34,34を研削する。
図13(C)〜図13(F)を用いて説明した工程を繰り返すことにより、ワークホルダ38Bに保持された複数の製造用中間体33の一対の端面34,34が順次研削される。
以上の次第で、本実施の形態によれば、円筒面κの周方向に沿ってツールホルダ37を相対移動させることにより、複数の製造用中間体33に、順次、研削部材36の第1および第2の砥石58,59を対向することができる。これにより、複数の製造用中間体33を、順次、研削部材36で研削できる。
また、製造用中間体33をワークホルダ38Bの径方向外方から収容溝80に嵌め込むという簡易な作業で、製造用中間体33をワークホルダ38Bに装着できる。
なお、本実施の形態において、図14に示すように、ツールホルダ37の第1の側部45に軸部48を設け、この軸部48が、ワークホルダ38Bの軸部挿通孔40B、および第2の側部46に形成された軸部挿通孔40の双方を挿通するようにしてもよい。
図15は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。図15を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、第1のピン3の所定の交線31Cにおいて、接続部28Cが、直線部87を含んでいる点にある。直線部87は、例えば、傾斜平面Hと平行に形成されている。
接触中心点22を含む交線31Cにおいて、直線部87の中央に接触中心点22が配置されている。基準平面P1C(図15において、紙面に沿う平面)において、この接触中心点22を含み直線部87に直交する垂線λは、この接触中心点22を含みチェーン幅方向Wに沿って延びる直線γに対して、プーリ半角Cに等しい角度C’だけ傾斜して交差している。
第2の曲線部30Cの他端部30bCは、直線部87の一端部87aに連続的且つ滑らかに接続されている。基準平面P1Cにおいて、第2の曲線部30Cの他端部30bC(一端部87a)における接線βCは、直線部87と重なり合う。
第1の曲線部29Cの一端部29aCは、直線部87の他端部87bに連続的且つ滑らかに接続されている。基準平面P1Cにおいて、第1の曲線部29Cの一端部29aC(他端部87b)における接線βCは、直線部87と重なり合う。
この交線31Cを有する第1のピン3の端面17は、この端面17と基準平面P1Cとが交差してなる交線に等しい断面形状を含む砥面を用いて形成される。
本実施の形態によれば、接続部28Cの周辺の面積をより大きくでき、接触領域20に作用する各プーリ60,70からの押圧力をより広範囲に分散できる。
本発明は、各上記実施の形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、図16に示すように、斜め方向Jに沿ってみた接触領域20Dの形状は、傾斜方向Fに関して、接触中心点22から接触領域20Dの第1の端部25Dまでの距離N2Dと、接触中心点22から接触領域20Dの第2の端部26Dまでの距離N3Dとが概ね同じとなるようにしてもよい。この距離N3Dは、上記距離N2Dよりもわずかに長い。この場合、所定の交線上における第1の曲線部の曲率半は、例えば180mmに設定され、所定の交線上における第2の曲線部の曲率半径は、例えば120mmに設定される。
また、図17に示すように、斜め方向Jに沿ってみた接触領域20Eの形状は、傾斜方向Fに関して、接触中心点22から接触領域20Eの第1の端部25Eまでの距離N2Eが相対的に短く、接触中心点22から接触領域20Eの第2の端部26Eまでの距離N3Eが相対的に長くなるようにしてもよい。この場合、所定の交線上における第1の曲線部の曲率半径は、例えば180mmに設定され、所定の交線上における第2の曲線部の曲率半径は、例えば60mmに設定される。
また、図18に示すように、ツールホルダ37Fの第1および第2の側部45F,46Fに軸部挿通孔40Fを設けるとともに、ワークホルダ38Fに、軸部挿通孔40Fに嵌合する軸部48Fを設けてもよい。
また、図19(A)および図19(B)に示す第1のピン3Gを適用してもよい。第1のピン3Gの基準軸線MGを含む任意の平面PGと、接触領域20Gとの交差により、所定の交線31Gが形成されている。図19(B)は、基準軸線MGおよび接触中心点22Gを通る基準平面P1Gで切断した第1のピン3Gの断面図である。
第1のピン3Gの所定の交線31Gの第1の曲線部29Gは、単一の曲率半径RLGを有している。また、所定の交線31Gの第2の曲線部30Gは、単一の曲率半径RUGを有している。これらの曲率半径RLG,RUGは、互いに等しい値(例えば、180mm)に設定されている(RLG=RUG)。
第1のピン3Gの端面17Gは、例えば、図8の研削装置35のRL’をRLGとし、RU’をRUG(RL’=RLG=RU’=RUG)とした状態で、この研削装置35を用いて形成される。
さらに、第1のピンの一対の端部のそれぞれの近傍に、当該第1のピンの端面と同様の動力伝達部を有する部材が配置された、いわゆるブロックタイプの動力伝達チェーンに本発明を適用してもよい。
また、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。さらに、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図である。 チェーンの要部の横断面図である。 チェーンの直線領域の要部の一部縦断面図である。 チェーンの屈曲領域の要部の側面図である。 (A)は、チェーン幅方向とは直交する平面に対してプーリ半角だけ傾いた傾斜平面に直交する、斜め方向から見た第1のピンの側面図であり、(B)は、図6(A)のVIB−VIB線に沿う断面図であり、(C)は、図6(A)のVIC−VIC線に沿う断面図である。 (A)は、第1のピンの製造用中間体の一対の端面のそれぞれを研削するための研削装置の概略構成を示す断面図であり、(B)は、図7(A)のVIIB−VIIB線に沿う断面図である。 図7(A)の要部の拡大図である。 (A)〜(D)は、製造用中間体の一対の端面の研削工程について説明するための要部の断面図である。 本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。 (A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図であり、(B)は、図12(A)のXIIB−XIIB線に沿う要部の断面図である。 (A)〜(F)は、製造用中間体の一対の端面の研削工程について説明するための要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。 (A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図であり、(B)は、基準軸線および接触中心点を通る基準平面で切断した第1のピンの断面図である。
符号の説明
1…チェーン、2…リンク、3…第1のピン(動力伝達部材)、17…(動力伝達部材の)端面、20,20D,20E…接触領域、22…接触中心点(接触領域の中心)、28,28C…接続部、29,29C…第1の曲線部、30,30C…第2の曲線部、31,31C…所定の交線、50…連結部材、60…ドライブプーリ(第1のプーリ)、62a,63a…シーブ面、70…ドリブンプーリ(第2のプーリ)、72a,73a…シーブ面、87…直線部、100…無段変速機(動力伝達装置)、D…チェーン進行方向とは直交する平面、E…迎え角(角度)、K…長手方向、M…基準軸線、P…基準軸線を含む任意の平面、P1,P1C…基準平面、Q…円筒面、RL…第1の曲線部の曲率半径、RU…第2の曲線部の曲率半径、W…チェーン幅方向、X…チェーン進行方向、β,βC…接線。

Claims (7)

  1. チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、
    チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向に延び、複数のリンクを互いに連結する複数の連結部材とを備え、
    上記連結部材は、プーリのシーブ面に動力伝達可能に接触する縦長の楕円状の接触領域が形成される端面を有する動力伝達部材を含み、
    チェーン進行方向とは直交する平面に対して30°以下の角度(ゼロを含む)をなして上記接触領域の長手方向に延び且つ上記接触領域の中心を含む基準平面上に、基準軸線が設定され、
    この基準軸線は、動力伝達部材の外側に配置されてチェーン幅方向に延び、
    基準軸線を含む任意の平面と接触領域との交差により所定の交線が形成され、
    この所定の交線は、接続部を介して互いに連続する第1および第2の曲線部を含み、
    これら第1および第2の曲線部の曲率半径は互いに異なり、
    上記接続部において、第1および第2の曲線部が接線を共有していることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 請求項1において、動力伝達チェーンが屈曲したときに、上記基準軸線は、動力伝達部材に対して屈曲の外側に配置されている動力伝達チェーン。
  3. 請求項1または2において、上記接続部は、上記基準軸線を中心とする円筒面上に配置されている動力伝達チェーン。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、上記接続部は、接触領域の中心を含む動力伝達チェーン。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、動力伝達チェーンが屈曲したときに、第1の曲線部が第2の曲線部に対して屈曲の内側に配置され、
    第1の曲線部の曲率半径が第2の曲線部の曲率半径よりも大きくされている動力伝達チェーン。
  6. 請求項1〜5の何れか1項において、上記接続部は直線部を含む動力伝達チェーン。
  7. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1〜6の何れか1項に記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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