JP2009208250A - サーマルヘッドの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿の種類や画素パターンに係わらず、罫線切れや不発などの画像不良の発生を低減することができるサーマルヘッドの制御装置を提供する。
【解決手段】本発明に係わるサーマルヘッドの制御装置は、原稿モードの選択を受け付ける文字モードキー71及び写真モードキー72と、写真モードキー72が選択された場合は、写真モードの孤立部と細線における黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時のベタ部における黒画素の穿孔面積よりも大きくなるように発熱体に供給する印加エネルギーを設定し、また文字モードキー71が選択された場合は、文字モードの孤立部における黒画素の穿孔面積が、通常のベタ部における黒画素の穿孔面積よりも小さくなるように発熱体21aに供給する印加エネルギーを設定する制御部81とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーマルヘッドの制御装置に関し、詳しくは孔版印刷機の製版処理において、孔版原紙に白黒データを印字するサーマルヘッドの制御装置に関する。
孔版印刷機における製版処理は、原稿から読み取った画像を白黒の画像情報(以下、白黒データ)に変換し、この白黒データに基づいて孔版原紙を発熱体により選択的に加熱穿孔することにより、原稿の画像を孔版原紙に穿孔パターンとして書き込むものである。この穿孔パターンの書き込みにおいて、白黒データに含まれる白黒画素のうち、白画素は加熱穿孔されないが、黒画素は加熱穿孔されて孔版原紙にインキの通過する孔が形成される(なお、白画素の中には穿孔されない程度に加熱されているものが含まれる場合もある)。
また製版処理に際しては、原稿の種類に応じてユーザにより原稿モード(写真モード、文字モードなど)の選択がなされる。そして原稿モードが選択されると、それぞれのモードに応じて白黒データに所定の画像処理が施されることになる。
ところで、写真原稿ではハイライト部の階調に孤立部が多く存在するために発熱体での蓄熱が小さく、加熱穿孔時に発熱体からの熱が伝わりにくくなるため、写真モードを選択して製版しても穿孔されない(以下、不発という)ことがしばしば見受けられる。このような不発が発生すると、その部分の画素はボソツキ(白抜け)などの画像不良となる。また、穿孔されたとしても穿孔面積が計算上より小さくなることもあり、穿孔面積にバラツキ(穿孔バラツキ)を生じることになる。これらの不具合を防止するために黒画素の穿孔面積を大きくすると写真モードの孤立部に対しては有効となるが、この設定をそのまま文字モードに適用して文字原稿を製版した場合には、黒画素の穿孔面積が通常よりも大きくなるために細線に罫線切れなどが発生しやすくなってしまう。罫線切れとは、孔版原紙において隣接する穿孔間が切れて孔同士がつながってしまう状態であり、画像不良の原因となる。
これに対して、黒画素が主走査方向及び副走査方向に隣り合わない散在黒画素パターン(孤立部)の場合に、1画素当たりの穿孔面積が連続黒画素パターン(細線)のときよりも大きくなるように発熱体での加熱を制御するようにした製版装置が提案されている(特許文献1参照)。なお、以下の説明においては、ベタ部、細線、孤立部などを総称して画素パターンという。
特開2006−341556号公報
一般に写真原稿は文字原稿と比較して印字率が低いため、各発熱体について見てみると、自身が発熱したときの蓄熱や、周りの画素からの発熱の影響(伝熱)が少ない傾向にある。これに対して上記公報に提案された製版装置では写真原稿の孤立部については穿孔面積を大きくしているものの、同じ写真原稿の細線については通常と同じ穿孔面積のままであるため、不発や穿孔バラツキが発生する可能性が高くなる。
また、一般に文字原稿では画素パターンとして孤立部が含まれる可能性は少なく、逆に孤立部が存在した場合には突発的にゴミなどが混入した可能性が高いと考えられる。したがって、文字原稿における孤立部を画素とみなして穿孔してしまうと、画像不良(黒線や点)となる可能性が高くなる。これに対して上記公報に提案された製版装置では、文字モードではどの画素パターンについても通常と同じ穿孔面積のままであるため、文字原稿の孤立部については、上記のような突発的にゴミなどの混入による画素不良の発生を低減することが難しいものとなっていた。
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、原稿の種類や画素パターンに係わらず、罫線切れや不発などの画像不良の発生を低減することができるサーマルヘッドの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係わる発明は、原稿画像に対応する白黒データを含む画像データに基づいて、主走査方向に複数個の発熱体が列設されたサーマルヘッドの各発熱体を選択的に加熱して、前記白黒データに対応する画像を穿孔パターンとして孔版原紙に印字するサーマルヘッドの制御装置であって、原稿モードとして写真モード又は文字モードのいずれかの選択を受け付けるモード受付手段と、前記モード受付手段で写真モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターンに含まれる黒画素、及び主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積よりも大きくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加し、また前記モード受付手段で文字モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積よりも小さくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加する制御手段とを備えることを要旨とする。
請求項2に係わる発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記モード受付手段で写真モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積、及び主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積と同じとなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加することを要旨とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記制御手段は、前記モード受付手段で写真モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向又は副走査方向に黒画素が散在している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の黒画素が主走査方向及び副走査方向に少なくとも3つ以上連続している画素パターンの穿孔面積よりも小さくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加することを要旨とする。
請求項1に係わる発明では、写真モードにおいて、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターン(孤立部)に含まれる黒画素、及び主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン(細線)に含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の黒画素が主走査方向及び副走査方向に少なくとも3つ以上連続している画素パターン(ベタ部)に含まれる黒画素の穿孔面積よりも大きくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給される印加エネルギーが設定されるため、孤立部及び細線では十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、孤立部ではボソツキが発生することがなく、また細線では線幅が細くなることがないので、より高品質な印刷画像を得ることができる。
また、請求項1に係わる発明では、文字モードにおいて、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターン(孤立部)に含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン(ベタ部)に含まれる黒画素の穿孔面積よりも小さくなるように、該当黒画素を印字する発熱体へ供給される印加エネルギーが設定されるため、文字原稿の孤立部が実質的に穿孔される可能性が小さくなり、突発的に混入したゴミなどによる画素不良の発生を低減することができる。
また、請求項2に係わる発明では、写真モードにおいて、主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン(ベタ部)に含まれる黒画素の穿孔面積が、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターン(孤立部)に含まれる黒画素、又は主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン(細線)に含まれる黒画素の穿孔面積と同じとなるように、該当黒画素を印字する発熱体へ供給される印加エネルギーが制御されるため、ベタ部において十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、ベタ部全体として見たときに、黒色の密度が高くなり、より高品質な印刷画像を得ることができる。
更に、請求項3に係わる発明によれば、写真モードにおいて、主走査方向又は副走査方向に黒画素が散在している画素パターン(中間調部)に含まれる黒画素の穿孔面積が、主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン(ベタ部)に含まれる黒画素の穿孔面積よりも小さくなるように、該当黒画素を印字する発熱体へ供給される印加エネルギーが制御されるため、中間調部における黒画印刷画像の粒状感が抑制され、階調を滑らかなにすることができる。この結果、グラデーション部分の変化が滑らかに見えるようになり、より高品質な印刷画像を得ることができる。
以下、実施形態として、本発明に係わるサーマルヘッドの制御装置を備えた孔版印刷機について説明する。
図1は、本実施形態に係わる孔版印刷機の機能的な構成を示すブロック図、図2は、本実施形態に係わる孔版印刷機の全体的な構成図である。
最初に、図2を参照しながら孔版印刷機の全体的な構成について説明する。図2に示す孔版印刷機1は、大別すると、原稿読取部10、製版書込部20、カッター部30、及び印刷部40から構成されている。
原稿読取部10は、原稿の読み取り処理を行うための機構であり、被複写物である原稿7をセットする原稿セット台12と、原稿セット台12上にセットされた原稿7を検知する原稿センサ17と、原稿センサ17の検知信号により回転駆動される原稿搬送ローラ対14と、搬送されてきた原稿7の画像を光学的に読み取りアナログの電気信号に変換する密着型のイメージセンサ11と、イメージセンサ11で読み取られた原稿7を原稿排出トレー19に排出するための原稿排出ローラ対15とから構成されている。
なお、原稿INセンサ16は、搬送されてきた原稿7を検知する手段であり、後述する製版書込部20のスタートを決定するものである。
また、原稿搬送ローラ対14ならびに原稿排出ローラ対15は、図中点線で示したようにステッピングモータ18により回転駆動される。
製版書込部20は、主走査方向に複数の発熱体21aを有するサーマルヘッド21と、孔版原紙ロール22から送り出される孔版原紙23をサーマルヘッド21に押し当てながら搬送するプラテンローラ24と、サーマルヘッド21にて製版された孔版原紙23を後述するドラム33のクランプ部32に向けて搬送する原紙搬送ローラ対26とから構成されている。
なお、図中点線で示した書込みモータ25はステッピングモータであり、プラテンローラ24および原紙搬送ローラ対26を回転駆動する。
カッター部30は、孔版原紙23を切断するための機構であり、サーマルヘッド21によって製版された孔版原紙23がドラム33に巻き付けられて所定量の長さになったときに、孔版原紙23を所定位置で切断するカッター31を備えている。
印刷部40は、ドクタローラ56とスクージローラ57間に形成されたインキ溜り58より一定量のインキをその内面に供給するインキ供給部を内蔵するドラム33と、給紙台44上に積載され複写物となる印刷用紙から一枚ずつ印刷用紙43をピックアップして搬送するピックアップローラ46と、ピックアップローラ46から搬送されてきた印刷用紙43を所定のタイミングで送り出すタイミングローラ42と、タイミングローラ42より送り出されてきた印刷用紙43をドラム33の外周面に押し付けるプレスローラ35と、印刷された印刷用紙43をドラム33より剥ぎ取るための分離爪55と、ドラム33より剥ぎ取り排紙された印刷用紙43を排紙積載する排紙台49とから構成されている。
ドラム33の外周面には、サーマルヘッド21にて製版され搬送されてきた孔版原紙23の先端部をクランプするクランプ部32が設けられている。このクランプ部32にクランプされた製版済みの孔版原紙23は、ドラム33を回転させることによりその外周面に巻き付けられる。
なお、図中点線で示したメインモータ34はDCモータであり、ドラム33を回転駆動する。また、符号41は搬送路である。
この孔版印刷機1には、図3に示すような操作パネル60が設けられている。この操作パネル60には、製版または印刷をスタートさせる製版/印刷スタートキー62、動作中の製版または印刷処理を停止させるストップキー63、操作パネル60から設定した項目をリセットするためのリセットキー64、印刷枚数等を入力するためのテンキー65、製版または印刷を切り替えるための製版/印刷切替キー66、操作パネル60から設定した項目を表示させるための設定確認キー67、製版処理時に試し刷り印刷を行うための試し刷りキー68、印刷位置のセンタリングを行うセンターキー69、文字モードを選択するための文字モードキー71、写真モードを選択するための写真モードキー72などが配置されている。このうち、文字モードキー71、写真モードキー72は、原稿モードとしてユーザから写真モード又は文字モードのいずれかの選択を受け付けるモード受付手段として機能する。
また、操作パネル60には、感圧式、ないしは静電式のタッチパネル70が配置されている。このタッチパネル70の裏面には図示しない表示画面が配置されており、ユーザーはタッチパネル70を介して表示画面を見ながら指などで直接触れることで各種パラメータの入力などを行うことができる。例えば、製版や印刷を行う際には、タッチパネル70上に表示される図示しない設定入力画面を通じてソーター機能の設定、連写/連続印刷機能の設定などを行うことができる。また、タッチパネル70には、製版終了や印刷開始などのメッセージなども表示される。なお、各種データ、設定などの入力手段は本実施形態の例に限らず、同等に機能するものであれば、他の形式、形態であってもよい。
次に、本実施形態に係わる孔版印刷機1の制御系に係わる構成を図1を参照しながら説明する。
図1において、制御部81は、孔版印刷機1全体の動作を制御する部分であり、各種の演算処理やデータの入出力等の処理を実行する中央演算ユニット(CPU)により構成されている。この制御部81には、操作パネル60から入力された各種のコマンドや画像情報などを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)82、制御プログラムなどを記憶するROM(リードオンリーメモリ)83のほか、原稿読取部10を駆動する原稿読取部駆動回路85、製版書込部20の駆動を制御する製版書込部駆動回路86、印刷部40の駆動を制御する印刷部駆動回路87、画像処理部88のほか、図3の操作パネル60に配置された製版/印刷スタートキー62、製版/印刷切替キー66、文字モードキー71、写真モードキー72などが接続されている(このほかの接続機器については説明を省略する)。
上述した制御部81、RAM82、ROM83、及び図示しない入出力インターフェース(I/Oインターフェース)は、マイクロコンピュータにより構成されている。ただし、これら各部を複数のマイクロコンピュータにより構成することも可能であり、原稿読取り、製版、印刷などの制御の他にも複数の制御を実行する装置として構成してもよい。
次に、図1に示すイメージセンサ11、A/D変換部89、画像処理部88、及び制御部81の処理について説明する。
イメージセンサ11は、原稿に照射した光の反射光を読み取り、原稿に形成された画像の濃淡をCCDによりアナログの電気信号に変換(光電変換)してA/D変換部89に出力する。
A/D変換部89は、イメージセンサ11で読み取られたアナログの電気信号を8ビット(0〜255階調)のデジタルデータに変換して画像処理部88に出力する。また、このときシェーディング補正などの処理を実施する。
画像処理部88は、A/D変換部89で変換されたデジタルデータに対して、原稿モードに応じた孔版用の画像処理を施し、ニ値化された白黒データとして制御部81に出力する。例えば、文字モードが選択されたときには、デジタルデータを単純二値化(閾値を基準にして白黒を決定)して1ビットの白黒データとする。また、写真モードが選択されたときには、デジタルデータを濃度変換した後、中間調処理(網点・誤差拡散)実施して、周辺画素の疎密等で濃度が表現されるように1ビットの白黒データとする。この白黒データにより全体として写真原稿の濃度(階調)が表現されることになる。
なお、1ビットの白黒データとは、白画素が「0」、黒画素が「1」、又は白画素が「1」、黒画素が「0」というような「0」又は「1」で表現されるデジタルの電気信号である。
また、画像処理部88では、上記の白黒データに含まれる黒画素について、主走査方向及び副走査方向における周囲の黒画素の配置から、その黒画素がどの画素パターンに含まれる黒画素かを判別する処理を実施する。本実施形態において、画素パターンは以下の4種類に区分されている。
(1)ベタ部
主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン。
(2)細線
主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターン。
(3)孤立部
主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターン。
(4)中間調部
主走査方向又は副走査方向に黒画素が散在している画素パターン。
画像処理部88では、対象となる黒画素(注目画素)がどの画素パターンに含まれるかに応じて、その黒画素の画素パターンを判別する。このような判別処理を白黒データに含まれるすべての黒画素について実施して、白黒データと各黒画素の画素パターンに関する情報とを制御部81に出力する。
制御部81では、画像処理部88から送られてきた白黒データと各黒画素の画素パターンに関する情報とに基づいて、各黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定する処理を実行する。そして、白黒データと、各黒画素の印加エネルギーに関する情報とを対応付けて画像データとしてRAM82に記憶する。なお、制御部81は、選択された原稿モードに応じて、白黒データに含まれる各黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定する制御手段として機能する。
次に、制御部81において各黒画素の印加エネルギーを設定する処理について説明する。
まず制御部81は、画像処理部88から送られてきた白黒データに含まれる各黒画素について、操作パネル60を通じてユーザにより選択された原稿モード(写真モード、文字モード)と、判別された画素パターンとに従って穿孔面積を設定する処理を実行する。
図4は、選択された原稿モードと、原稿の画素パターンに応じた黒画素の穿孔面積の大きさとの対応関係を示す説明図(対応表)である。図4において、DS、DM、DLはサーマルヘッド21の発熱体21aにより加熱穿孔(印字)される黒画素の穿孔面積の大きさを相対的に表したもので、DS<DM<DLの関係を有する。製版書込部20による製版処理では、画素が白画素であれば加熱穿孔されないが、黒画素であれば加熱穿孔により孔版原紙にインキの通過する孔が形成される。上記DS、DM、DLのうち、DMは通常の製版処理において形成される標準的な穿孔面積を示している。すなわち、従来装置の写真モード、文字モードにおいて加熱穿孔により形成される1画素あたりの穿孔面積に相当する。なお図4の対応表に関するデータはROM83に参照データとして記憶されている。
次に、制御部81は、各黒画素の穿孔面積に応じた印加エネルギーを設定する処理を実行する。すなわち、写真モードのベタ部、細線、孤立部の画素パターンに含まれる黒画素については穿孔面積がDLとなるように印加エネルギーを設定し、同じく写真モードの中間調部の画素パターンに含まれる黒画素ついては穿孔面積がDSとなるように印加エネルギーを設定する。また、文字モードのベタ部、細線の画素パターンに含まれる黒画素ついては穿孔面積がDMとなるように印加エネルギーを設定し、同じく写真モードの孤立部の画素パターンに含まれる黒画素については穿孔面積がDSとなるように印加エネルギーを設定する。
ここで、サーマルヘッド21の発熱体21aに供給される印加エネルギーについて説明する。製版書込部20のサーマルヘッド21において、発熱体21aに供給される印加エネルギーは、印加パワー(電流×電圧)×発熱時間(発熱体への通電時間)となる。本実施形態では、原稿モードに係わらず印加パワーを一定とし、発熱時間の長さを変えることで印加エネルギーの大きさを制御している。詳しくは、発熱体21aの発熱時間は、サーマルヘッド21に与えるストローブ信号のパルス長(通電時間)により調整することができる。例えば、穿孔面積がDLの場合は長パルスのストローブ信号を供給して発熱時間を長くすることにより穿孔面積を大きくすることができ、穿孔面積がDSの場合は短パルスのストローブ信号を供給して発熱時間を短くすることにより穿孔面積を小さくすることができる。また、穿孔面積がDMの場合は長パルスと短パルスの中間の長さとなる中パルスのストローブ信号を供給することにより穿孔面積をDLとDSの中間の大きさとすることができる。
なお、このような印加エネルギーの制御は熱履歴制御として実行される。一般に発熱体は、自身が発熱したときの蓄熱や周囲の発熱体で発生した熱(伝熱)の影響を受けるため、各発熱体に同じ印加エネルギーを与えても、必ずしも同じ穿孔面積にはならない。このため、ある発熱体の1〜2ライン前の熱履歴と隣接する他の発熱体の熱履歴とを考慮して印加エネルギーを決定することにより、各発熱体における印加エネルギーを最適化することできる。
一般に画像データには、白黒データのほかに、このような熱履歴に関する情報が熱履歴データとして含まれるが、本実施形態における画像データには、白黒データと、各黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーに関する情報とが含まれる。ただし、上記設定された印加エネルギーに関する情報について、更に熱履歴による補正を行い、これを熱履歴データとして画像データに含めるようにしてもよい。
制御部81では、白黒データと、各黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーに関する情報とを画像データとしてRAM82の所定領域に記憶する。そして、製版処理のスタートが指示されると、制御部81はRAM82に記憶している画像データを製版書込部駆動回路86に出力する。製版書込部駆動回路86では、制御部81から送られてきた画像データに基づいて、サーマルヘッド21に設けられた図示しないシフトレジスタにデータを転送するタイミングを指示するクロック信号、サーマルヘッド21の各発熱体21aを選択的に駆動するための白黒データ、前記シフトレジスタに白黒データをセットするためのラッチ信号、ラッチされた白黒データを発熱体21aへ出力するタイミングを指示するストローブ信号を生成して、サーマルヘッド21に出力する。
なお、図1及び図2において、モード受付手段となる文字モードキー71、写真モードキー72、制御部81は、本実施形態におけるサーマルヘッドの制御装置を構成するものである。
次に、本実施形態の孔版印刷機1における製版/印刷の処理手順を図5のフローチャートにより説明する。なお、ここでは、製版/印刷における主要な処理についてのみ説明する。
まず、製版/印刷を実行するに際して、ユーザは原稿の種類に応じて原稿モードの選択を行う。具体的には、電源投入後に、ユーザは操作パネル60(図3)の製版/印刷切替キー66を押下して製版モードに切り替え、続いて原稿の種類に応じて文字モードキー71又は写真モードキー72のいずれかを選択して押下する。そして、原稿セット台12に原稿7をセットして、製版/印刷スタートキー62を押下する。
制御部81では、操作パネル60の文字モードキー71又は写真モードキー72が押下されたかどうかを判定する(ステップS101)。ここでは、ユーザにより、いずれかのモードが選択されるまで待機し(ステップS101でNO)、モードが選択されると(ステップS101でYES)、続いて、製版モードで製版/印刷スタートキー62が押下されたかどうかを判定する(ステップS102)。そして、ユーザにより製版モードに切り替えられ、且つ製版/印刷スタートキー62が押下されるまで待機し(ステップS102でNO)、製版モードで製版/印刷スタートキー62が押下されたときは(ステップS102でYES)、製版処理のプロセスに移行する。
まず、制御部81は、排版処理を実行する(ステップS103)。この排版処理は、図2において、分離爪55の先端をドラム33の外周に接触させた状態でドラム33を回転させることにより、ドラム33の外周に巻き付けられている使用済みの孔版原紙23を剥ぎ取るものである。
次に、制御部81は、原稿読取部駆動回路85を介して原稿読取部10を駆動し、原稿の読取り処理を実行する(ステップS104)。ここで制御部81は、原稿センサ17からの検知信号を受信すると、原稿読取部10(図2)において、原稿搬送ローラ対14を回転駆動して原稿7を所定方向に向けて搬送させ、イメージセンサ11により原稿7の画像を光学的に読取る。画像を読取った原稿7は原稿排出ローラ対15により原稿排出トレー19に排出される。また、イメージセンサ11で読取られた1版分のアナログの電気信号はA/D変換部89で8ビットのデジタルデータに変換され、画像処理部88に送られる。
次に、画像処理部88では、A/D変換部89から送られてきたデジタルデータに対して、原稿モードに応じた孔版用の画像処理を施し、ニ値化された白黒データに変換する。更に、この白黒データに含まれる黒画素について、主走査方向及び副走査方向における周囲の黒画素の配置から、その黒画素がどの画素パターンに含まれる黒画素かを判別して、白黒データと各黒画素の画素パターンに関する情報とを制御部81に出力する(ステップS105)。
次に、制御部81では、画像処理部88から送られてきた白黒データと各黒画素の画素パターンに関する情報とに基づいて、各黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定する処理を実行する(ステップS106)。ここで、制御部81により実行される印加エネルギー設定の処理手順を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
制御部81は、ユーザにより選択された原稿モードが写真モードか文字モードかを判定する(ステップS201)。ここで写真モードであれば、対象となる黒画素がベタ部、細線、又は孤立部の画素パターンに含まれる画素であるかを判定する(ステップS202)。このステップS202でYESであれば、対象となる黒画素について、穿孔面積DLに対応する印加エネルギーを設定する(ステップS203)。また、ステップS202でNOであれば、対象となる黒画素が中間調部の画素パターンに含まれる画素であるかを判定する(ステップS204)。このステップS204がYESであれば、対象となる黒画素について、穿孔面積DSに対応する印加エネルギーを設定する(ステップS205)。また、ステップS204でNOであれば、対象となる黒画素について、穿孔面積DLに対応する印加エネルギーを設定する(ステップS206)。このように、写真原稿において対象となる黒画素がベタ部、細線、孤立部、中間調部のいずれの画素パターンの条件にも当てはまらないケースは、制御系のトラブル(ソフトウェアのバグ等)により生じることを想定したものである。この場合は、写真原稿の中で最も多いと想定できる黒画素のパターン(ベタ部、細線、孤立部)の穿孔面積DLに合わせることで画像に影響を与える可能性が低くなるようにしている。
一方、ステップS201で文字モードであれば、対象となる黒画素がベタ部、又は細線の画素パターンに含まれる画素であるかを判定する(ステップS207)。このステップS207でYESであれば、対象となる黒画素について、穿孔面積DMに対応する印加エネルギーを設定する(ステップS208)。また、ステップS207でNOであれば、対象となる黒画素が孤立部の画素パターンに含まれる画素であるかを判定する(ステップS209)。このステップS209がYESであれば、対象となる黒画素について、穿孔面積DSに対応する印加エネルギーを設定する(ステップS210)。また、ステップS209でNOであれば、対象となる黒画素について、穿孔面積DMに対応する印加エネルギーを設定する(ステップS211)。このように、文字原稿において対象となる黒画素がベタ部、細線、孤立部のいずれの画素パターンの条件にも当てはまらないケースは、制御系のトラブル(ソフトウェアのバグ等)により生じることを想定したものである。この場合は、文字原稿の中で最も多いと想定できる黒画素のパターン(ベタ部、細線)の穿孔面積DMに合わせることで画像に影響を与える可能性が低くなるようにしている。
上記ステップS203、ステップS205、ステップS208、ステップS210に続いて、制御部81は1版分のすべての黒画素について処理を終了したかどうかを判定する(ステップS212)。そして、このステップS212でNOであればステップS201(又は原稿モードに応じてステップS202、ステップS207)へリターンし、YESであればこのサブルーチンを終了して図5のメインルーチンに戻る。制御部81は、図6に示す印加エネルギー設定の処理を実行した後、白黒データと、各黒画素の印加エネルギーに関する情報とを対応付けて画像データとしてRAM82の所定領域に記憶する。
制御部81は、図5のステップS106までのステップが終了すると、続いて製版書込部駆動回路86を介して製版書込部20を駆動し、孔版原紙23への製版処理を実行する(ステップS107)。ここで制御部81は、製版書込部20(図2)において、プラテンローラ24を回転駆動して、孔版原紙ロール22から送り出された孔版原紙23をサーマルヘッド21に押し当てながら搬送させる。これと同期して、制御部81はRAM82から白黒データと、各黒画素の印加エネルギーに関する情報とを取り出し、製版書込部駆動回路86に出力する。製版書込部駆動回路86では、制御部81から送られてきた画像データに基づいて、クロック信号、白黒データ、ラッチ信号、ストローブ信号を生成してサーマルヘッド21に出力する。これにより、サーマルヘッド21に押し当てられた孔版原紙23が選択的に加熱穿孔され、原稿の画像が孔版原紙23に穿孔パターンとして書き込まれる。
更に、白黒の画像が書き込まれた孔版原紙23の先端がドラム33の外周に設けられたクランプ部32にクランプされ、所定方向にドラム33が回転すると、孔版原紙23はドラム33の外周面に巻き付けられる。その後、孔版原紙23の後端部が所定位置でカッター31で切断され、1版分の孔版原紙23がドラム33の外周面に完全に巻き付けられることで製版処理が終了する。製版処理が終了すると、操作パネル60のタッチパネル70に例えば「印刷できます」などのメッセージが表示される。
この後、ユーザは操作パネル60(図3)の製版/印刷切替キー66を押下して印刷モードに切り替え、印刷枚数などの所定の設定情報をテンキー65やタッチパネル70から入力した後、製版/印刷スタートキー62を押下する。制御部81では、印刷モードで製版/印刷スタートキー62が押下されたかどうかを判定する(ステップS108)。ここでは、ユーザにより印刷モードに切り替えられ、且つ製版/印刷スタートキー62が押下されるまで待機し(ステップS108でNO)、印刷モードで製版/印刷スタートキー62が押下されたときは(ステップS108でYES)、印刷処理を開始する。
印刷モードで製版/印刷スタートキー62が押下されると、制御部81は印刷部駆動回路87を介して印刷部40を駆動し、印刷用紙43への印刷処理を実行する(ステップS109)。ここで制御部81は、印刷部40(図2)において、ピックアップローラ46、タイミングローラ42を回転駆動して印刷用紙43をドラム33に向けて搬送させ、更にプレスローラ35により印刷用紙43をドラム33の外周面に押し付ける。これと同時に、ドラム33の内部に配置された図示しないインキ供給部からインキを供給することにより、孔版原紙23に形成された穿孔パターンからインキが滲み出し、印刷用紙43の表面に原稿の画像情報が転写(印刷)される。そして、印刷された印刷用紙43を分離爪55によりドラム33の外周面から剥ぎ取り、排紙台49に排紙する。この一連の動作を入力された枚数分繰り返すことにより印刷処理が終了する。
次に、本実施形態の印加エネルギー制御により製版した場合の穿孔状態と、従来技術により製版した場合の穿孔状態との相違を図7〜図11により説明する。ここでは、本実施形態に特徴的な印加エネルギー制御の例について説明するものとし、従来技術と同じ印加エネルギー制御により製版した場合(文字モードのベタ部、細線など)については説明を省略する。
図7は、写真モードにおいてベタ部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図であり、(a)は従来技術による穿孔状態、(b)は本実施形態による穿孔状態をそれぞれ示している。
写真モードのベタ部について、従来技術では黒画素の穿孔面積がDMとなるように印加エネルギーを設定している。一般に、写真原稿は文字原稿と比較して印字率が低いため、文字原稿と比較して周りの画素からの発熱の影響が少なく、各発熱体の蓄熱が小さいと考えられる。このため、ベタ部において通常の穿孔面積がDMとなるように印加エネルギーを設定しても、実際の穿孔面積は計算上よりわずかに小さくなり、図7(a)に示すようにベタ部全体として見ると、黒色の密度が低くなってしまう。これに対して図7(b)に示す本実施形態では、写真モードのベタ部において、黒画素の穿孔面積がDLとなるように発熱体へ供給する印加エネルギーを設定しているため、各発熱体の蓄熱が小さくても、ベタ部において十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、ベタ部全体として見たときに、黒色の密度が高くなり、より高品質な印刷画像を得ることができる。
図8は、写真モードにおいて細線を製版した場合の穿孔状態を示す模式図であり、(a)は従来技術による穿孔状態、(b)は本実施形態による穿孔状態をそれぞれ示している。
写真モードのベタ部について、従来技術では黒画素の穿孔面積がDMとなるように印加エネルギーを設定している。この細線についても、写真モードではベタ部の場合と同様の理由から、実際の穿孔面積は計算上よりわずかに小さくなり、図8(a)に示すように、細線の線幅が細くなってしまう。これに対して図8(b)に示す本実施形態では、写真モードの細線において、黒画素の穿孔面積がDLとなるように発熱体へ供給する印加エネルギーを設定しているため、各発熱体の蓄熱が小さくても、孤立部において十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、細線の線幅が細くなることがなく、より高品質な印刷画像を得ることができる。
図9は、写真モードにおいて孤立部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図であり、(a)は従来技術による穿孔状態、(b)は本実施形態による穿孔状態をそれぞれ示している。
写真モードの孤立部については、図9(a)に示すように、黒画素が主及び副走査方向にも隣接していないために発熱体の蓄熱が小さく、黒画素の穿孔面積をDMとした場合にはボソツキが発生することがある。これに対して図9(b)に示す本実施形態では、写真モードの孤立部において、黒画素の穿孔面積がDLとなるように発熱体へ供給する印加エネルギーを設定しているため、各発熱体の蓄熱が小さくても、孤立部において十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、孤立部にボソツキが発生することがなく、より高品質な印刷画像を得ることができる。
図10は、写真モードにおいて中間調部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図であり、(a)は従来技術による穿孔状態、(b)は本実施形態による穿孔状態をそれぞれ示している。
写真モードの中間調部について、従来技術では黒画素の穿孔面積がDMとなるように印加エネルギーを設定している。この中間調部では、図10(a)に示すように、黒画素が主走査方向又は副走査方向に散在しているため、黒画素の穿孔面積が大きいと、印刷画像に粒状感(ザラザラ感)が生じてしまい、階調が滑らかにならなくなってしまう。この結果、グラデーション部分の変化が滑らか見えなくなるという不具合を生じることになる。これに対して図10(b)に示す本実施形態では、写真モードの中間調部において、黒画素の穿孔面積がDSとなるように発熱体へ供給する印加エネルギーを設定しているため、印刷画像の粒状感が抑制され、階調を滑らかなにすることができる。この結果、グラデーション部分の変化が滑らかに見えるようになり、より高品質な印刷画像を得ることができる。
次に、文字モードにおいて孤立部を製版した場合について説明する。図11は、文字モードにおいて孤立部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図であり、(a)は従来技術による穿孔状態、(b)は本実施形態による穿孔状態をそれぞれ示している。
文字モードの孤立部について、従来技術では、図11(a)に示すように、黒画素の穿孔面積が通常のDMとなるように印加エネルギーを設定している。しかしながら、文字原稿では孤立部を印字することは極まれであり、突発的に混入したゴミなどが孤立部と判断される可能性が高いと考えられる。したがって、文字原稿における孤立部を画素とみなして穿孔してしまうと、画像不良(黒線や点)となる可能性が高くなってしまう。これに対して本実施形態では、図11(b)に示すように、文字モードの孤立部において、黒画素の穿孔面積がDSとなるように印加エネルギーを設定しているため、文字原稿の孤立部が実質的に穿孔される可能性が小さくなり、突発的に混入したゴミなどによる画素不良の発生を低減することができる。
以上のように、本実施形態に係わる孔版印刷機1では、写真モードの孤立部と細線では黒画素の穿孔面積がDLとなるように、すなわち通常のベタ部における黒画素の穿孔面積DMよりも大きくなるように発熱体に供給する印加エネルギーが設定されるため、孤立部及び細線では十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、孤立部にボソツキが発生することがなく、また細線では線幅が細くなることがないので、より高品質な印刷画像を得ることができる。
また、文字モードの孤立部では黒画素の穿孔面積がDSとなるように、すなわち通常のベタ部における穿孔面積DMよりも小さくなるように発熱体へ供給する印加エネルギーが設定されるため、文字原稿の孤立部が実質的に穿孔される可能性が小さくなり、画素不良の発生を低減することができる。
また、本実施形態に係わる孔版印刷機1では、写真モードのベタ部では黒画素の穿孔面積がDLとなるように、すなわち本実施形態の写真モードの細線又は孤立部における黒画素の穿孔面積DLと同じとなるように発熱体に供給する印加エネルギーが設定されるため、ベタ部において十分な穿孔面積を得ることができる。したがって、ベタ部全体として見たときに、黒色の密度が高くなり、より高品質な印刷画像を得ることができる。
更に、本実施形態に係わる孔版印刷機1では、写真モードの中間調部では黒画素の穿孔面積がDSとなるように、すなわち通常のベタ部における穿孔面積DMよりも小さくなるように発熱体に供給する印加エネルギーが設定されるため、印刷画像の粒状感が抑制され、階調を滑らかなにすることができる。この結果、グラデーション部分の変化が滑らかに見えるようになり、より高品質な印刷画像を得ることができる。
このように、本実施形態に係わる孔版印刷機では、原稿の種類や画素パターンに応じて黒画素の穿孔面積が最適となるように印加エネルギーを設定しているため、原稿の種類や画素パターンに係わらず罫線切れや不発などの画像不良の発生を低減することができる。したがって、原稿の種類などに左右されることなく、常に高品質な印刷画像を得ることが可能となる。
実施形態に係わる孔版印刷機の機能的な構成を示すブロック図。 実施形態に係わる孔版印刷機の全体的な構成図。 操作パネルの配置を示す説明図。 原稿モードと原稿の画素パターンに応じた黒画素の穿孔面積の大きさとの対応関係を示す説明図。 実施形態の孔版印刷機における製版/印刷の処理手順を示すフローチャート。 実施形態の制御部による印加エネルギー設定処理の処理手順を示すフローチャート。 は写真モードにおいてベタ部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図。(a)は従来技術による穿孔状態を示す模式図。(b)は実施形態による穿孔状態を示す模式図。 写真モードにおいて細線を製版した場合の穿孔状態を示す模式図。(a)は従来技術による穿孔状態を示す模式図。(b)は実施形態による穿孔状態を示す模式図。 写真モードにおいて孤立部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図。(a)は従来技術による穿孔状態を示す模式図。(b)は実施形態による穿孔状態を示す模式図。 写真モードにおいて中間調部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図。(a)は従来技術による穿孔状態を示す模式図。(b)は実施形態による穿孔状態を示す模式図。 文字モードにおいて孤立部を製版した場合の穿孔状態を示す模式図。(a)は従来技術による穿孔状態を示す模式図。(b)は実施形態による穿孔状態を示す模式図。
符号の説明
1…孔版印刷機
7…原稿
10…原稿読取部
11…イメージセンサ
20…製版書込部
21…サーマルヘッド
21a…発熱体
23…孔版原紙
33…ドラム
40…印刷部
43…印刷用紙
60…操作パネル
62…製版/印刷スタートキー
66…製版/印刷切替キー
70…タッチパネル
71…文字モードキー
72…写真モードキー
81…制御部
82…RAM
83…ROM
85…原稿読取部駆動回路
86…製版書込部駆動回路
87…印刷部駆動回路
88…画像処理部
89…A/D変換部

Claims (3)

  1. 原稿画像に対応する白黒データを含む画像データに基づいて、主走査方向に複数個の発熱体が列設されたサーマルヘッドの各発熱体を選択的に加熱して、前記白黒データに対応する画像を穿孔パターンとして孔版原紙に印字するサーマルヘッドの制御装置であって、
    原稿モードとして写真モード又は文字モードのいずれかの選択を受け付けるモード受付手段と、
    前記モード受付手段で写真モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターンに含まれる黒画素、及び主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積よりも大きくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加し、また前記モード受付手段で文字モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積よりも小さくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加する制御手段と、
    を備えることを特徴とするサーマルヘッドの制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記モード受付手段で写真モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向及び副走査方向に黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、主走査方向及び副走査方向に黒画素が隣接していない画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積、及び主走査方向又は副走査方向のどちらかに黒画素が少なくとも3つ以上連続している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積と同じとなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加することを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッドの制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記モード受付手段で写真モードが選択された場合は、前記画像データの白黒データに含まれる各黒画素のうち、主走査方向又は副走査方向に黒画素が散在している画素パターンに含まれる黒画素の穿孔面積が、文字モード選択時の主走査方向及び副走査方向に少なくとも3つ以上連続している画素パターンの穿孔面積よりも小さくなるように、該当黒画素を印字する発熱体に供給する印加エネルギーを設定して前記画像データに付加することを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルヘッドの制御装置。
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