JP2009206317A - 研磨用組成物、及び化学的機械的研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被研磨体(ウェハ)を研磨する際に、高研磨速度とディッシングの低減とを両立することが可能な研磨用組成物、及び該組成物を用いた化学的機械的研磨方法を提供する。
【解決手段】(a)下記一般式(I)で表される化合物と、(b)ペルオキソ二硫酸塩と、(c)アニオン性界面活性剤とを含有することを特徴とする研磨用組成物。
Figure 2009206317

【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において、化学的機械的な平坦化を行う際に用いられる研磨用組成物、及びこれを用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、半導体デバイスを小型化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。
このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下、CMPと記すことがある)等の種々の技術が用いられてきている。
このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、この技術を用いて、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨常盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨常盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる研磨用組成物は、一般には、砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素、過硫酸)とが含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられており、その方法も記載されている(例えば、非特許文献1参照)。
配線用の金属としては、従来からタングステン及びアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかしながら更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。この銅を配線する方法としては、ダマシン法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、コンタクトホールと配線用溝とを同時に層間絶縁膜に形成し、両者に金属を埋め込むデュアルダマシン法が広く用いられるようになってきた。銅金属の研磨においては、特に軟質の金属であるがため、益々高精度の研磨技術が要求されてきている。また、同時に、高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。
特に、昨今の半導体デバイスは、小型・高速化のため、配線の微細化と積層化による一層の高密度化・高集積化が求められており、配線部金属が過剰に研磨されて研磨金属面が皿状に窪むディッシング現象の低減への要求がますます強くなりつつある。
酸化剤の1つとしてペルオキソ二硫酸塩が挙げられ、このペルオキソ二硫酸塩を含む研磨用組成物は、一般に高い研磨速度が得られるという特徴を有する。しかし、ディッシングやエロージョンが進行しやすいという問題がある。前記ディッシングを解決するひとつの手段として、ベンゾトリアゾール類や特定の界面活性剤(ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミンやポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン)が利用されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
しかしながら、高速研磨とディッシング低減は、未だ不十分なレベルであった。
米国特許4944836号明細書 特開平2−278822号公報 特開2005−116987号公報 特開2005−129880号公報 特開2005−109256号公報 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)、1991年、第138巻、第11号、3460〜3464頁
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、被研磨体(ウェハ)を研磨する際に、高研磨速度とディッシングの低減とを両立することが可能な研磨用組成物、及び該組成物を用いた化学的機械的研磨方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記の研磨用組成物、及びそれを用いた研磨方法により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の研磨用組成物、及びそれを用いた研磨方法は、以下の通りである。
<1> 半導体デバイス製造工程において、主として銅、または銅合金による銅配線の化学的機械的研磨に用いられる研磨用組成物であって、
(a)下記一般式(I)で表される化合物と、(b)ペルオキソ二硫酸塩と、(c)アニオン性界面活性剤とを含有することを特徴とする研磨用組成物。
Figure 2009206317
式中、a、および、cはプロピレンオキサイドの平均付加mol数を表し、bはエチレンオキサイドの平均付加mol数を表し、a、b、及びcは、a+b+c=100であり、且つ、bは一般式(I)で表される化合物におけるエチレンオキシ基の含有量が20質量%〜80質量%となる値である。
<2> 一般式(I)で表される化合物のエチレンオキシ基の含有率が、30質量%〜70質量%であることを特徴とする<1>に記載の研磨用組成物。
<3> 一般式(I)で表される化合物の重量平均分子量が、2000〜5000であることを特徴とする<1>、または<2>に記載の研磨用組成物。
<4> 下記一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
Figure 2009206317
式中、Rは、水素原子、またはアルキル基を表し、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、およびアミド基を表す。
<5> さらに、キナルジン酸を含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
<6> pHが8.0〜12.0の範囲であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
<7> pHが9.0〜11.0の範囲であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
<8> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の研磨用組成物を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
本発明によれば、被研磨体(ウェハ)を研磨する際に、高い研磨速度とディッシングの低減とを両立することが可能な研磨用組成物、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
なお、本発明において研磨用組成物(以下、単に、研磨液ともいう。)とは、研磨に使用する組成(濃度)の態様のみならず、研磨用組成物の濃縮液をも包含するものとする。即ち、実際に使用される組成よりも溶媒、分散媒に対してより高濃度の成分を含み、使用時に必要により希釈して用いる研磨用組成物の濃縮液も本発明では特に断りのない限り、研磨用組成物と称する。
ここで、研磨用組成物の濃縮液とは、研磨に使用する際の研磨用組成物よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨用組成物を意味し、研磨に使用する際に、水または水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。
本明細書において、「濃縮液」とは、使用状態よりも溶媒、分散媒に対してより多くの有効成分を含む「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、「蒸発などの物理的な濃縮操作の結果得られる液」の意味とは異なる用法で用いている。
なお、研磨用組成物の濃縮液作製時に添加する成分のうち、室温での水に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、成分の温度や経時による析出抑制の観点から、室温での水に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。
<研磨用組成物>
本発明の研磨用組成物は、(a)前記一般式(I)で表される化合物と、(b)ペルオキソ二硫酸塩と、(c)アニオン性界面活性剤とを、それぞれ1種以上を必須成分として含有することを特徴としている。
さらに本発明の研磨用組成物は砥粒、有機酸などを含有することが好ましく、通常は、各成分を溶解してなる水溶液に、砥粒を分散させてなるスラリーの形態をとる。
本発明の研磨用組成物を構成する成分については、以下に詳述するが、それぞれの成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の研磨用組成物のpHは、8.0から12.0であることが好ましく、9.0から11.0であることがより好ましい。
本発明の研磨用組成物は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。
一般式(I)で表される化合物は、本発明の研磨液において、アニオン性界面活性剤と合わせてディッシングを低減する機能及び消泡剤としての機能を有する。
Figure 2009206317
式中、a、および、cはプロピレンオキサイドの平均付加mol数を表し、bはエチレンオキサイドの平均付加mol数を表し、a、b、及びcは、いずれも0ではなく、a+b+c=100であり、且つ、bは一般式(I)で表される化合物におけるエチレンオキシ基の含有量が20質量%〜80質量%となる値である。
一般式(I)で表される化合物のエチレンオキシ基の含有率は30質量%〜60質量%となる組み合わせがより好ましい。さらに好ましくは40質量%〜60質量%となる組み合わせであり、重量平均分子量が、2000〜5000の範囲にあることが好ましい。
aとcは1〜40であることが好ましく、より好ましくは10〜30である。bは1〜100であることが好ましく、より好ましくは10〜30である。
上記一般式(I)で表される化合物は、エチレンオキサイドの付加重合物にプロピレンオキサイドを所定量付加することにより合成することができ、市販品を好ましく用いることができる。
市販品としては、BASF社製プルロニックシリーズが好適に使用できる。
前記一般式(I)で表される化合物は、使用する際の研磨液中、0.0001質量%〜0.1質量%含まれることが好ましく、0.0005質量%〜0.05質量%含まれることがより好ましく、0.001質量%〜0.01質量%含まれるが更に好ましい。この範囲内であると高研磨速度と低ディッシングが得られ、好ましい。
本発明の研磨用組成物は、(b)ペルオキソ二硫酸塩を含有する。ぺルオキソ二硫酸塩は、研磨の対象である金属を酸化できる化合物(酸化剤)として、機能する。
ペルオキソ二硫酸塩の中でもペルオキソ二硫酸アンモニウム、またはペルオキソ二硫酸カリウムが好ましく、ペルオキソ二硫酸アンモニウムが最も好ましい。
ペルオキソ二硫酸塩の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L当たり、0.005mol〜0.5molとすることが好ましく、0.01mol〜0.4molとすることがより好ましく、0.05mol〜0.3molとすることが更に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.005mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から0.5mol以下が好ましい。
本発明の研磨液は、(c)アニオン性界面活性剤を含有する。アニオン性界面活性剤は
(a)一般式(I)で表される化合物と併用することによってディッシングを低減する機能を有する。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。具体的には、好ましくは炭素数が、6〜50のアルキルスルホン酸塩、炭素数が、10〜50のアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられ、炭素数が、18〜40のアルキルベンゼンスルホン酸塩がより好ましい。
これらのアルキル基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基が好ましく、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基がより好ましい。
アルキル基は更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)であり、また、炭素数1〜20の範囲にある以下の基であってもよい。これらの置換基の中で、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えば、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンがより好ましい。
アニオン性界面活性剤は、使用する際の研磨液中、0.0001質量%〜0.1質量%含まれることが好ましく、0.0005質量%〜0.05質量%含まれることがより好ましく、0.001質量%〜0.05質量%含まれるが更に好ましい。使用量がこの範囲内であると、高研磨速度と低ディッシングが得られ、好ましい。
本発明に係る研磨液は、更に有機酸を少なくとも1種含有することが好ましい。ここでいう有機酸は、金属の酸化剤ではなく、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。
有機酸としては、水溶性のものが好ましく、以下の化合物から選ばれたものが、より適している。
即ち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、アセドアミドイミノ二酢酸、ニトリロ三プロパン酸、ニトリロ三メチルホスホン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、トリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。
前記有機酸のひとつとして、アミノ酸も好ましいものである。アミノ酸としては、水溶性のものが好ましく、以下の化合物から選ばれたものがより適している。
即ち、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等が挙げられる。
有機酸の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.005〜0.5molとすることが好ましく、0.01〜0.3molとすることがより好ましく、0.05〜0.3molとすることが更に好ましい。
これらの有機酸は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明の研磨液は、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物として、少なくとも1種の複素芳香環化合物を含有することが好ましい。
ここで、「複素芳香環化合物」とは、ヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、及び水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。
ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、更に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、最も好ましくは窒素原子、及び硫黄原子である。
まず、母核となる複素芳香環について述べる。
本発明で用いうる複素芳香環化合物の複素環の環員数は特に限定されず、単環化合物あっても縮合環を有する多環化合物であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは3〜8であり、更に好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5及び6である。また、縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2〜4であり、更に好ましくは2又は3である。
これらの複素芳香環として、具体的には以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
例えば、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、更に好ましくはキノリン環、ベンゾトリアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環が挙げられ、より好ましくはキノリン環、ベンゾトリアゾール環が挙げられる。
次に、複素芳香環が有しうる置換基について述べる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよいことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
複素芳香環化合物が有しうる置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシル基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、ここで、「活性メチン基」とは、2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味する。「電子求引性基」としては、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基である。また、2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また、「塩」としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンである。
これらの中でも、複素芳香環化合物における好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、ここで活性メチン基とは、2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここでいう電子求引性基としては、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基が挙げられる。
更に好ましくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)が挙げられる。
また、上記した置換基の2つが共同して環(芳香族又は非芳香族の炭化水素環、又は複素芳香環)これらは、更に組み合わされて多環縮合環を形成することができる。その例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。
複素芳香環化合物の具体例としては、これらに限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
即ち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾール−5−コハク酸、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、4−カルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジカルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール−4−酢酸、4−カルボキシ−5−カルボキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−カルボキシ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジカルボキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−酢酸、1Hベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、キナルジン酸等である。
これらの中でもキナルジン酸、及び下記一般式(II)で表されるベンゾトリアゾール誘導体が、本発明において、より好ましく用いられる。
Figure 2009206317
式中、Rは、水素原子、またはアルキル基を表す。R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、およびアミド基を表す。
で表されるアルキル基が有してもよい置換基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルキル基、アミノ基、スルホ基、及びアルコキシ基、等を挙げることができる。好ましくは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基であり、より好ましくはアミノ基である。アミノ基は、置換または無置換のアルキル基を有していることが好ましい。このアルキル基が有してもよい置換基は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホ基、及びアルコキシ基、等を挙げることができる。好ましくは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基であり、より好ましくはヒドロキシル基である。
、R、R、およびRが有してよい置換基に制限はないが、好ましくはアルキル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、アミド基である。より好ましくはアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2009206317
本発明で用いる複素芳香環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液1L中、0.0001〜0.1molの範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜0.01molの範囲、更に好ましくは0.0005〜0.005molの範囲である。
添加量が上記の範囲内であると、高研磨速度と低ディッシングが得られ、好ましい。
本発明の研磨液は、さらに、砥粒を含有することが好ましい。好ましい砥粒としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガンなどが挙げられ、特にコロイダルシリカが好ましい。
砥粒として好ましく用いうるコロイダルシリカ粒子の作製法として、例えばSi(OC、Si(sec−OC、Si(OCH、Si(OCのようなシリコンアルコキシド化合物をゾルゲル法により加水分解する作製法が挙げられる。このようにして得られたコロイダル粒子は粒度分布が非常に急峻なものとなる。
砥粒の一次粒子径とは、砥粒の粒子径とその粒子径を持つ粒子数を積算した累積度数との関係を示す粒度累積曲線を求め、この曲線の累積度数が50%のポイントでの粒子径を意味するものである。例えば、粒度分布を求める測定装置しては、堀場製作所製LB−500等が用いられる。
砥粒の粒子が球形の場合は、そのまま測定した値を採用しうるが、不定形粒子の粒子サイズは、該粒子体積と等しくなる球の直径で表すものとする。粒子サイズは光子相関法、レーザー回折法、コールターカウンター法等の公知の様々な方法で測定することが可能であるが、本発明においては、走査型電子顕微鏡による観察、又は、透過型電子顕微鏡写真を撮影して、個々の粒子の形状とサイズを求め、算出する方法を用いる。
本発明の研磨用組成物に含有される砥粒の平均粒径(一次粒径)は、20〜150nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜50nmである。充分な研磨加工速度を達成する目的から20nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的で粒子径は50nm以下が好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、前記した無機の砥粒のみならず、有機重合体粒子を併用することも可能である。さらに、アルミン酸イオンまたはホウ酸イオンを用いて表面改質したコロイダルシリカ、表面電位を制御したコロイダルシリカなど、各種表面処理を行ったコロイダルシリカや、複数の材料からなる複合砥粒などを目的に応じて用いることも可能である。
本発明における砥粒の添加量は、目的に応じて適宜選択される。一般には、研磨液の全質量に対して0.001〜20質量%の範囲で用いることができるが、本発明においては、0.01〜10質量%であることが好ましく、さらにより好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明の研磨液は、研磨液の経時安定性を高める目的で、金属キレート剤を含有することが好ましい。
キレート剤としては、アミノカルボン酸系キレート剤及びホスホン酸系キレート剤を挙げることができる。アミノカルボン酸系キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、1,2−プロパンジアミン四酢酸(1、2―PDTA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1、3―PDTA)、1、4―ブタンジアミン四酢酸(1、4―BDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA−OH)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸(EDHPA)、SS―エチレンジアミンジコハク酸(SS−EDDS)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、β−アラニンジ酢酸(ADA)、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、L−アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸(ASDA)、L−グルタミン酸―N,N−ジ酢酸(GLDA)、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸(HBEDDA)などが挙げられる。
ホスホン酸系キレート剤としては、例えばN,N,N−トリメチレンホスホン酸(NTMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)などが挙げられる。
これらのキレート剤は、H体(遊離酸)だけでなく、アルカリ塩(例えば、アンモニウム塩、Na塩、K塩)であってもよい。好ましくは、H体またはアンモニウム体である。
これらのキレート剤は、市販のものを使用することができる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよいが、0.001g/L〜0.1g/Lになるように添加することが好ましく、より好ましくは0.005g/L〜0.1g/L、さらに好ましくは0.01g/L〜0.1g/Lである。
本発明の研磨液は、所定のpHとすべく、アルカリ剤又は緩衝剤を添加することが好ましい。
アルカリ剤(及び緩衝剤)としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩などを挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドが挙げられる。
アルカリ剤(及び緩衝剤)の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
<化学的機械的研磨方法>
本発明の化学的機械的研磨方法は、本発明の研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする。
以下、この化学的機械的研磨方法について詳細に説明する。
(研磨装置)
まず、本発明の研磨方法を実施できる装置について説明する。
本発明に適用可能な研磨装置としては、被研磨面を有する被研磨体(半導体基板等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を備える一般的な研磨装置が使用でき、例えば、F−REX300(荏原製作所製)を用いることができる。
(研磨圧力)
本発明の研磨方法では、研磨圧力、即ち、被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力が3000〜25000Paで研磨を行うことが好ましく、6500〜18000Paで研磨を行うことがより好ましい。
(研磨定盤の回転数)
本発明の研磨方法では、研磨定盤の回転数が50〜200rpmで研磨を行うことが好ましく、60〜150rpmで研磨を行うことがより好ましい。
(研磨液供給方法)
本発明では対象金属を研磨する間、研磨定盤上の研磨パッドに研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
本発明の研磨方法には、濃縮された研磨液に水又は水溶液を加え希釈して用いることもできる。希釈方法としては、例えば、濃縮された研磨液を供給する配管と、水又は水溶液を供給する配管とを、途中で合流させて混合し、希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法などを挙げることができる。その場合の混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など、通常に行われている方法を用いることができる。
また、他の希釈方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とをそれぞれ独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法する方法も本発明に用いることができる。
更に、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水又は水溶液を入れて混合し、所定の濃度に希釈した後に、その混合液を研磨パッドに供給する方法も、本発明に適用することができる。
これらの方法以外に、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨パッドに供給する方法も、本発明に用いることができる。この場合、酸化剤を含む成分と、本発明における有機酸を含有する成分とに、分割して供給することが好ましい。
具体的には、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、複素環化合物、砥粒、及び水を1つの構成成分(B)とすることが好ましく、それらを使用する際に水又は水溶液で構成成分(A)と、構成成分(B)とを希釈して使用する。この場合、構成成分(A)と、構成成分(B)と、水又は水溶液とを、それぞれ供給する3つの配管が必要であり、3つの配管を研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合してもよく、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合して混合してもよい。例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に水又は水溶液の配管を結合することで研磨液を供給することも可能である。
また、上記の3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合して供給してもよいし、1つの容器に3つの構成成分を混合した後に、その混合液を研磨パッドに供給してもよい。更に、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
(研磨液の供給量)
本発明の研磨方法において、研磨液の研磨定盤上への供給量は50〜500ml/minとすることが好ましく、100〜300ml/minであることがより好ましい。
(研磨パッド)
本発明の研磨方法において用いられる研磨パッドは、特に制限はなく、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
本発明における研磨パッドは、更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
次に、本発明の研磨方法において研磨が施される被研磨体(基板、ウエハ)について説明する。
(配線金属材料)
本発明における被研磨体は、銅又は銅合金からなる配線を持つ基板(ウエハ)であることが好ましい。配線金属材料としては、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が適している。銅合金に含有される銀含量は、10質量%以下、更には1質量%以下で優れた効果を発揮し、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明における被研磨体は、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下の配線を有することが好ましい。
一方、MPUデバイス系では、好ましくは0.12μm以下、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下の配線を有することが好ましい。
このような配線を有する被研磨体に対して、本発明に使用される研磨液は、特に優れた効果を発揮する。
(バリア金属材料)
本発明における被研磨体において、銅配線と絶縁膜(層間絶縁膜を含む)との間には、銅の拡散を防ぐためのバリア層が設けられる。このバリア層を構成するバリア金属材料としては、低抵抗のメタル材料、例えば、TiN、TiW、Ta、TaN、Nb、Co、Zr、ZrN、Ru、W、WN等が好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
(ウェハ)
本発明の研磨液でCMPを行なう対象ウェハには特に制限はなく、いずれのウェハにも適用しうるが、なかでも径が200mm以上のウェハに適用することが好ましく、特に300mm以上が好ましい。即ち、研磨面積が大きく、温度勾配が生じやすいために研磨の均一性が達成し難い300mm以上のウェハに適用される場合、本発明の効果を顕著に発揮するといえる。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
下記組成を混合し、実施例1〜14、および比較例1〜5の研磨液101〜119を調製した。
(研磨液の調製)
・砥粒:コロイダルシリカ(1次粒径24nm、会合度2) 0.6g/L
・有機酸:L−アラニン 0.08mol/L
・不動態膜形成剤:ベンゾトリアゾール 3mmol/L
・酸化剤:ペルオキソニ硫酸アンモニウム 0.05mol/L
・アニオン性界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム 0.5g/L
・式(I)で表される化合物(エチレンオキシ基含有量と重量平均分子量は表1に示す)
0.02g/L
・pH:表1に示す。
上記成分に純水を加えて全量を1000mLとし、pH調整剤としてKOHを用いた。
実施例1〜14、および比較例1〜5の研磨液を用いて、以下の研磨試験を行い、評価結果を表1にまとめた。
(研磨試験)
以下の条件で研磨を行い、研磨速度とディッシングの評価を行った。
・研磨装置:F−REX300(荏原製作所)
・被研磨体(ウエハ):シリコン基板上に厚み1.5μmのCu膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
・研磨パッド:IC1400−XY−K Groove(ロデール社製)
・研磨条件;
研磨圧力(被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力):17500Pa
研磨液供給速度:300ml/min
研磨定盤回転数:104rpm
研磨ヘッド回転数:85rpm
(評価方法)
研磨速度の算出:上記方法で、経時した研磨液と調液直後の研磨液について、それぞれCuブランケットウエハを60秒間研磨し、ウエハ面上の均等間隔の49箇所に対し、研磨前後での金属膜厚を電気抵抗値から換算して求め、研磨時間で除して求めた値の平均値を研磨速度とした。
ディッシングの評価:パターンウェハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの
時間に加え、更にその時間の30%分だけ余分に研磨を行い、ラインアンドスペース部
(ライン10μm、スペース10μm)の段差を接触式段差計Dektak V3201
(Veeco社製)で測定した。
Figure 2009206317
表1から明らかなように、本発明の研磨液を用いた化学的機械的研磨方法により、高い研磨速度と、低いディッシングとの両立が達成できた。
(実施例15〜17)
実施例1の研磨液101において、ベンゾトリアゾールを、等モルの本文記載化合物I−4、I−12、及びキナルジン酸に置き換える以外は、研磨液101の調製と同様にして、研磨液201、202、及び203を調製した。
これらの研磨液を用いて、実施例1と同様の条件で研磨試験を行い、研磨速度とディッシングの評価を実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2009206317
表2から明らかなように、不動態膜形成剤をベンゾトリアゾールから、式(II)で示される化合物、及びキナルジン酸に代えることにより、高い研磨速度に加えて、ディッシングがさらに低く、良好な研磨結果を得ることができた。

Claims (8)

  1. 半導体デバイス製造工程において、主として銅、または銅合金による銅配線の化学的機械的研磨に用いられる研磨用組成物であって、
    (a)下記一般式(I)で表される化合物と、(b)ペルオキソ二硫酸塩と、(c)アニオン性界面活性剤とを含有することを特徴とする研磨用組成物。
    Figure 2009206317

    式中、a、および、cはプロピレンオキサイドの平均付加mol数を表し、bはエチレンオキサイドの平均付加mol数を表し、a、b、及びcは、a+b+c=100であり、且つ、bは一般式(I)で表される化合物におけるエチレンオキシ基の含有量が20質量%〜80質量%となる値である。
  2. 一般式(I)で表される化合物のエチレンオキシ基の含有率が、30質量%〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 一般式(I)で表される化合物の重量平均分子量が、2000〜5000であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. 下記一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
    Figure 2009206317

    式中、Rは、水素原子、またはアルキル基を表し、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、およびアミド基を表す。
  5. さらにキナルジン酸を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. pHが8.0〜12.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. pHが9.0〜11.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の研磨用組成物を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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