JP2004235317A - 金属用研磨液及び研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、特定構造の有機カルボン酸の鉄(III)錯体を酸化剤として含有することを特徴とする金属用研磨液。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの製造に関するものであり、特に半導体デバイスの配線工程における金属用研磨液およびそれを用いた研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、高集積化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術に化学的機械的研磨(以下CMPと記す)が用いられてきているが、これは絶縁性薄膜(SiO2など)や配線に用いられる金属薄膜の研磨に用いられ、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行う方法であり、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えばアルミナ)と酸化剤(例えば過酸化水素)とが含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去していると考えられており、例えば非特許文献1に記述されている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む金属用研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が皿上にたわむ現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、配線金属面が皿上にたわむ現象(エロージョン)などが発生することがある。
また、研磨後に、半導体面に残留する研磨液を除去するために通常行なわれる洗浄工程において、固体砥粒を含有する研磨液を用いることによって、その洗浄工程が複雑となり、さらにその洗浄後の液(廃液)を処理するには固体砥粒を沈降分離する必要があるなどコスト面での問題点が存在する。
【0004】
これらを解決するひとつの手段として、例えば、砥粒を含まない研磨液とドライエッチングとの組み合わせによる金属表面研磨方法が非特許文献2に開示されており、また特許文献2には、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が開示されている。これらの方法によれば、半導体基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされ、凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られる。従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、スクラッチの発生は軽減されている。
【0005】
一方、配線用の金属としては従来からタングステンおよびアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかしながら更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。この銅を配線する方法としては、例えば、特許文献3に記載されている、ダマシン法が知られている。また、コンタクトホールと配線用溝とを同時に層間絶縁膜に形成し、両者に金属を埋め込むデュアルダマシン法が広く用いられるようになってきた。この銅配線用のターゲット材には、ファイブナイン以上の高純度銅ターゲットが出荷されてきた。しかしながら、近年は更なる高密度化を目指す配線の微細化に伴って、銅配線の導電性や電子特性などの向上が必要となり、それに伴って高純度銅に第3成分を添加した銅合金を用いることも検討されはじめてきている。同時に、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。
【0006】
この出願の発明に関連する前記の先行技術には、次ぎの文献がある。
【特許文献1】
米国特許4944836号公報
【特許文献2】
特開2001−127019号公報
【特許文献3】
特開平2−278822号公報
【非特許文献1】
ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)、第138巻11号(1991年発行);3460〜3464ページ
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society);第147巻10号(2000年発行)、3907〜3913ページ
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、LSIの生産性を高めるためにより迅速なCMPを進めるにおいては、このような銅金属及び銅合金を原料とする配線の、その研磨速度を上げることが求められているという前記した背景に基づいて行なわれたものである。
したがって本発明の目的は、迅速なCMP速度を有し、かつコロージョンやスクラッチ、シニング、ディッシング、エロージョンなどの発生が少ない、LSIの作製を可能とする金属用研磨液を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の金属用研磨液に係る問題点について、本発明者は鋭意検討した結果、有機カルボン酸の鉄(III)錯体を含有する金属用研磨液を用いることによって問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りである。
【0009】
(1)半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、有機カルボン酸の鉄(III)錯体を少なくとも含有することを特徴とする金属用研磨液。
【0010】
(2)有機カルボン酸の鉄(III)錯体が下記一般式(1)〜(7)から選択される有機カルボン酸の鉄(III)錯体であることを特徴とする上記(1)に記載の金属用研磨液。
一般式(1)
【0011】
【化8】
【0012】
一般式(1)において、A1、A2、A3及びA4は各々−CH2OH、−PO3(M2)2又は−COOM1を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M1、M2は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。X1は炭素数3〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基、環を形成する飽和又は不飽和の2価の有機基、又は−(B1O)n5−B2−を表す。n5は1〜8の整数を表し、またB1及びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。n1,n2,n3及びn4は1以上,10以下の整数を表し、それぞれ同一でも異っていても良い。
一般式(2)
【0013】
【化9】
【0014】
一般式(2)において、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ水素原子、アルキル基又はアルコキシアルキル基を表す。M6、M7及びM8は、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はオニウム基を表す。
一般式(3)
【0015】
【化10】
【0016】
一般式(3)において、L0は炭素数が2〜8である2価のアルキレン基を表し、M9及びM10は、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はオニウム基を表す。
一般式(4)
【0017】
【化11】
【0018】
一般式(4)において、X2、X3及びX4は置換基を有してもよい炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、M11及びM12は、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はオニウム基を表す。
一般式(5)
【0019】
【化12】
【0020】
一般式(5)において、Zは含窒素ヘテロ環を表し、R4は、水素原子、アルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、M13は、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はオニウム基を表す。また、mは1から3の整数を表す。
一般式(6)
【0021】
【化13】
【0022】
一般式(6)において、G1 及びG2 はそれぞれ、カルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アミジノ基、グアニジノ基又はカルバモイル基を表わす。L1 、L2 及びL3 はそれぞれ二価の脂肪族基、二価の芳香族基又はそれらの組合せからなる二価の連結基を表わす。m及びnはそれぞれ0又は1を表わす。Xは水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表わす。Mは水素原子又はカチオンを表わす。
一般式(7)
【0023】
【化14】
【0024】
一般式(7)において、R21 、R22 、R23 、R24 、R25 及びR26はそれぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基又はヒドロキシ基を表す。Wは下記一般式(W)で表される連結基を表す。M11 、M12 、M13 及びM14 はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。
一般式(W)
−(W1 −Z)n −W2 −
一般式(W)において、W1 はアルキレン基又は単結合を表す。W2 はアルキレン基又は−CO−を表す。Zは単結合、−O−、−S−、−CO−又は−N(R1W )−、(ここでR1W は水素原子又は置換されてもよいアルキル基を表す。)を表す。ただし、ZとW1 が同時に単結合であることはない。nは1ないし3の整数を表す。
【0025】
(3)研磨される金属が、銅又は銅合金であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の金属用研磨液。
(4)銅合金が銅と銀の合金であることを特徴とする上記(3)に記載の金属用研磨液。
(5)有機カルボン酸の鉄(III)錯体を少なくとも含む金属用研磨液を研磨定盤上のパッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
【0026】
上記本発明の特徴は、金属用研磨液に有機カルボン酸の鉄(III)錯体を含有させたことであり、これによって化学的研磨速度の顕著な向上がもたらされ、しかも、コロージョンやスクラッチ、シニング、ディッシング、エロージョンなどの研磨の局部的な不均一に伴う欠陥の発生が低レベルに維持されることである。
金属用研磨液は、通常化酸化水素などの酸化剤を含有させて金属表面を腐食させながら研磨を行なうが、本発明においては、有機カルボン酸の鉄(III)錯体を酸化剤として用いたところ、研磨面の局部的不均一研磨が軽減されて平面性の優れた研磨面とすることが出来て、かつ研磨速度も向上させるという予想外の効果が得られる。また、従来使用されている例えば過酸化水素などの酸化剤とを適切な比率に調節して併用すると、この効果を更に高めることも出来る。
また、この有機カルボン酸の鉄(III)錯体を含有させた金属用研磨液は、研磨される半導体デバイスの構成材料が銀を微量に含有する銅合金を原料とし0.15μm以下、特には0.10μm未満の配線である場合に、特に上記の効果を顕著に発揮する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明の金属用研磨液は、本発明の研磨液の特徴である有機カルボン酸の鉄(III)錯体及び水と、好ましくは更に他の金属酸化剤、保護膜形成剤、酸化金属溶解剤、界面活性剤や水溶性ポリマーから構成されている。以下、これら構成成分について説明する。
【0028】
(有機カルボン酸の鉄(III)錯体)
本発明に用いられる有機カルボン酸の鉄(III)錯体は、研磨液に溶解可能レベルの水溶性を有し、研磨液の作用を損なわない安定性を有する有機カルボン酸の鉄(III)錯体であればいずれでもよいが、好ましい有機カルボン酸の鉄(III)錯体は下記一般式(1)〜(7)で表される特定構造のカルボン酸から選択される化合物を配位した鉄(III)錯体である。
【0029】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
まず、一般式(1)で示される化合物について説明する。
一般式(1)において、A1〜A4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、−CH2OH、−PO3(M2)2又は−COOM1を表す。M1,M2は水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム、カリウム等)、アンモニウム基又は有機アンモニウム基(例えば、メチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム等)を表す。
【0030】
X1は、炭素数3〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基、環を形成する飽和又は不飽和の有機基、又は−(B1O)n5B2−を表す。B1及びB2は同一であっても異なってもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキレン基(置換体も含む)を表す。n1〜n4は1以上,10以下の整数を表し、それぞれ同一でも異なっても良く、少くとも一つは、2以上である。X1で表されるアルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。又、B1及びB2で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。X1,B1又はB2が表すアルキレン基の置換基としては、ヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)等が挙げられる。n5は1〜8の整数を表し、好ましくは1〜4である。特に好ましくは、1〜2である。以下に前記一般式〔I〕で示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
上記化合物の(I−11),(I−12),(I−13),(I−14),(I−15)は、シス体及びトランス体の両方を含むものとする。
【0036】
前記一般式〔I〕で示される化合物は一般に知られる方法で合成することができる。また、例えば、キレート化学(5)上野景平編集 南江堂、Inorgnic Chemistry, 7, 2405(1968)、Chem. Zvesti., 20, 414(1966)、Zhurnal Obshchei Khinii, 49, 659(1978)などに記載されている方法を参考に合成することもできる。また、市販されている化合物も多い。
【0037】
具体例のなかで特に好ましい化合物は(I−3),(I−4),(I−8)、(I−11)及び(I−16)である。
【0038】
次ぎに、一般式(2)の化合物について説明する。
一般式(2)において、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ水素原子、アルキル基、カルボキシアルキル基又はアルコキシアルキル基を表す。M6、M7及びM8は、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はオニウム基を表す。
【0039】
R1がアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基又はアルコキシアルキル基を表す場合、それぞれのアルキル基の炭素数は1〜8、好ましくは1〜4であり、直鎖でも分岐していてもよい。アルコキシアルキル基のアルコキシ基の炭素数は1〜3、好ましくは1〜2である。好ましいR1は、水素原子、メチル基、エチル基、カルボキシメチル基およびカルボキシエチル基であり、中でも水素原子、カルボキシメチル基およびメチル基が好ましい。
【0040】
R2及びR3が、アルキル基、カルボキシアルキル基又はアルコキシアルキル基を表す場合、それぞれのアルキル基の炭素数は1〜8、好ましくは1〜4であり、直鎖でも分岐していてもよい。アルコキシアルキル基のアルコキシ基の炭素数は1〜3、好ましくは1〜2である。好ましいR2及びR3は、水素原子、メチル基、エチル基、カルボキシメチル基およびカルボキシエチル基であり、中でも水素原子、カルボキシメチル基およびメチル基が好ましい。
【0041】
M6、M7及びM8が、それぞれ表すアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの金属原子、アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの金属原子、オニウム基としては、アンモニウム基(例えばアンモニウム基、テトラエチルアンモニウム基)やピリジニウム基などを挙げることができる。より好ましいM6、M7及びM8は、水素原子、アンモニウム基及びアルカリ金属原子である。
本発明において、上述した一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、各一般式の例示化合物を示す場合には、化合物の酸型(つまりCOOHの形)でその化合物を代表させるが、金属塩やアンモニウム塩などの塩型を除外するものではない。
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
具体例のなかで特に好ましい化合物は、II−1, II−2, II−9, II−10及びII−11である。
一般式(2)で表される化合物は、前記一般式〔1〕で示される化合物と同様一般的に知られる方法で合成することができ、また、一般式〔1〕で示される化合物に関して挙げた文献に記載されている方法を参考に合成することもできる。また、市販されている化合物も多い。
【0045】
次ぎに、一般式(3)の化合物について説明する。一般式(3)において、L0は炭素数が2〜8である2価のアルキレン基を表し、直鎖でも分岐していてもよく、好ましい炭素数が2〜4であり、より好ましくは2又は3である。また、アルキレン基にはヒドロキシ基またはアルコキシ基が置換していてもよい。アルコキシ基が置換する場合、その炭素数は、1〜4であり、好ましくは1〜3である。
M9及びM10は、M6、M7及びM8と同義であり、好ましいM9及びM10も、好ましいM6、M7及びM8と同じである。
本発明において、上述した一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【化21】
【0047】
上記具体例のなかで特に好ましい化合物は、III−1及びIII−2である。
一般式(1)で表される化合物と同様に一般式(3)で表される化合物も、キレート化学(5)上野景平編集 南江堂、Inorgnic Chemistry,7,2405(1968)、Chm.Zvesti.,20,414(1966)、Zhurnal Obshchei Khinii,49,659(1978)などに記載されている方法を参考に合成することもできる。また、多くの化合物については市販品も得られる。
【0048】
次ぎに、一般式(4)の化合物について説明する。一般式(4)において、X2、X3及びX4は、それぞれメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基及びi−プロピレン基であって、ヒドロキシ基、メトキシ基またはエトキシ基が置換もよい。M11及びM12は、M6、M7及びM8と同義であり、好ましいM9及びM10も、好ましいM6、M7及びM8と同じである。
一般式(4)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
IV−1 エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸
IV−2 プロピレンジアミン−N,N’−ジ酢酸
IV−3 1−メチルーエチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸
IV−4 エチレンジアミン−N,N’−ジプロピオン酸
IV−5 エチレンジアミン−−N,N’−ジ酪酸
IV−6 プロピレンジアミン−N,N’−ジ酪酸
IV−7 2−ヒドロキシープロピレンジアミン−N,N’−ジ酢酸
IV−8 2−メトキシープロピレンジアミン−N,N’−ジ酢酸
中でも、IV−1及びIV−4がとくに好ましい。
一般式(4)で表される化合物は、市販品が得られる。また、前記した叢書の記載に準拠して合成できる。
【0050】
次ぎに、一般式(5)の化合物について説明する。一般式(5)において、Zは含窒素ヘテロ環基を表し、好ましくは含窒素ヘテロ5員環基及び6員環基であり、より好ましくはヘテロ環は芳香族環であり、中でもアゾール類、アジン類及びピリジン類が好ましい。
好ましいアゾール環は、ピロール環、ピロリン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、イミダゾール環、イミダゾリン環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、テトラゾ−ル環である。
好ましいアジン環としては、ピリミジン環、ピリダジン環、オキサジン環、チアジン環を挙げる事が出来る。
上記の含窒素ヘテロ環基は、炭素数1から4のアルキル基またはアルコキシ基、イドロキシ基、カルボキシメチル基、ヒオロキシ基が置換していてもよい。
R4が、アルキル基、アルコキシアルキル基またはカルボキシアルキル基を表す場合、それらの基はそれそれR1が表すアルキル基、アルコキシアルキル基またはカルボキシアルキル基と同義であり、好ましい基も同じである。
M13は、M6、M7及びM8と同義であり、好ましいM13も、好ましいM6、M7及びM8と同じである。
一般式(5)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
V−1 ピリジンー2−カルボン酢酸
V−2 ピリミジンー2−カルボン酸
V−3 ピリミジンー5−カルボン酸
V−4 4―カルボキシー2−イミダゾール
V−5 4―カルボキシー2−メチルイミダゾール
V−6 N―メチルピリジンー2−カルボン酸
V−7 ピリジンー2,4−ジカルボン酸
V−8 ピリジンー2,6−ジカルボン酸
上記化合物例の中でも、V−1, V−7及びV−8がとくに好ましい。
一般式(5)で表される化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品も得られる。
【0052】
次ぎに、一般式(6)の化合物について説明する。一般式(6)において、G1 及びG2 はそれぞれ、カルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アミジノ基、グアニジノ基又はカルバモイル基を表わす。L1 、L2 及びL3 はそれぞれ二価の脂肪族基、二価の芳香族基又はそれらの組合せからなる二価の連結基を表わす。m及びnはそれぞれ0又は1を表わす。Xは水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表わす。Mは水素原子又はカチオンを表わす。
【0053】
G1 及びG2 で表されるアリール基(芳香族炭化水素基)は単環又は二環でもよく、好ましくは炭素数5〜20であり、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。このアリール基は置換基を有していてもよく置換としては、アルキル基(例えばメチル、エチル)、アラルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケニル基(例えばアリル)、アルキニル基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、アリール基(例えばフェニル、p−メチルフェニル)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ)、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えばフェノキシカルボニルアミノ)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ)、スルファモイル基(例えばメチルスルファモイル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、カルボキシルメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル)、スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素)、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、ニトロ基、ヒドロキサム酸基などが挙げられる。
【0054】
G1 及びG2 で表される複素環基は窒素原子、酸素原子又は硫黄原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員の複素環基であり、飽和であっても不飽和であってもよく、またこれらは単環であっても、さらに他の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複素環としては、好ましくは5〜6員の不飽和ヘテロ環である。複素環としては、例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、テトラジン、チオフェン、フラン、ピラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアントレン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、インドリジン、イソインドール、インドール、トリアゾール、トリアゾリウム、テトラゾール、キノリジン、イソキノリン、キノリン、ヒタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリンジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、プテリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、クロマン、ピロリン、ピラゾリン、インドリン、イソインドリンなどが挙げられる。好ましくは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール,インドールであり、より好ましくはイミダゾール、インドールである。
【0055】
G1 及びG2 で表されるアルキルチオ基は−SR1 (R1 はアルキル基を表す。)で表される。R1 で表されるアルキル基は直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、炭素数1ないし10のものが好ましい。特に炭素数1ないし4の直鎖状が好ましい。R1 で表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としてはG1 及びG2 で表されるアリール基が有していてもよい置換基を挙げることが出来る。G1 及びG2 で表されるアルキルチオ基の具体例としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロキシエチルチオ基、カルボキシルメチルチオ基などが挙げられる。好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基である。
【0056】
G1 及びG2 で表されるカルバモイル基は置換されていてもよく、−CONR1 R2 で表すことが出来る。ここでR1 、R2 はそれぞれ水素原子、置換されてもよいアルキル基又はアリール基を表す。R1 、R2 で表されるアルキル基としては直鎖状、分岐状および環状でもよく、炭素数1ないし10のものが好ましい。R1 、R2 で表されるアリール基としては、炭素数6ないし10のものが好ましくフェニル基がより好ましい。また、R1 、R2 は連結して環を形成してもよい。R1 、R2 が連結して形成される環としては、例えばモルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環などが挙げられる。R1 、R2 として特に好ましいのは水素原子、炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいフェニル基である。
【0057】
R1 、R2 のアルキル基、アリール基の置換基としては、例えばG1 、G2 で表されるアリール基が有していてもよい置換基として挙げたものが適用できる。G1 及びG2 で表されるカルバモイル基の具体例としては、例えばカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等があげられる。
【0058】
L1 、L2 及びL3 の二価の脂肪族基としては直鎖、分岐又は環状のアルキレン基(好ましく炭素数1〜6)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜6)があげられる。またL1 、L2 及びL3 の二価の脂肪族基は置換基を有していてもよく、例えばG1 、G2 で表されるアリール基が有していてもよい置換基として挙げたものが適用できる。置換基として好ましくはカルボキシル基又はヒドロキシ基であり、より好ましくはカルボキシル基である。
【0059】
L1 、L2 及びL3 の二価の脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1−カルボキシ−メチレン基、1−カルボキシ−エチレン基、2−ヒドロキシ−エチレン基、2−ヒドロキシ−プロピレン基、1−ホスホノ−メチレン基、1−フェニル−メチレン基、1−カルボキシ−ブチレン基があげられる。
【0060】
L1 、L2 及びL3 の二価の芳香族基としては二価の芳香族炭化水素基(アリーレン基)及び二価の芳香族複素環基が挙げられる。二価の芳香族炭化水素基(アリーレン基)は、単環又は二環でもよく、好ましくは、炭素数6〜20であり、例えばフェニレン基、ナフチレン基があげられる。二価の芳香族複素環基としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員のもので、単環であっても、さらに他の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。好ましくは、ヘテロ原子が窒素原子である5〜6員の芳香族複素環基である。二価の芳香族複素環基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0061】
【化22】
【0062】
二価の芳香族基として好ましくはアリーレン基(好ましくは炭素数6〜20)であり、より好ましくはフェニレン基又はナフチレン基であり、特に好ましくはフェニレン基である。L1 、L2 及びL3 の二価の芳香族基は置換基を有していてもよく、例えばG1 、G2 で表されるアリール基が有していてもよい置換基として挙げたものが適用できる。中でもカルボキシル基、ヒドロキシ基、アリール基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。L1 、L2 及びL3 は、二価の脂肪族基と二価の芳香族基を組み合わせたものであってもよく、例えば、
【0063】
【化23】
【0064】
などがあげられる。L1 、L2 及びL3 としては、好ましくは炭素数1〜3の置換されてもよいアルキレン基又はo−フェニレン基であり、特に好ましくは置換されてもよい、メチレン基又はエチレン基である。
【0065】
m及びnは0または1である。mとして好ましくは、1である。nとして好ましくは0である。
【0066】
Xの脂肪族基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜6)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜6)が好ましくはアルキル基、アルケニル基である。例えば、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、アリル基があげられる。Xの芳香族基としては、芳香族炭化水素基(アリール基)又は芳香族複素環基があげられ、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−ピリジル基、2−ピロール基があげられ、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。Xとして好ましくは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
【0067】
Mにおけるカチオンとしては、アンモニウム(例えばアンモニウム、テトラエチルアンモニウム)やアルカリ金属(例えばリチウム、カリウム、ナトリウム)ピリジニウムなどを挙げることができる。一般式(1)で表される化合物は、アンモニウム塩(例えばアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩)、アルカリ金属塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)又は酸性塩(例えば塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩)であってもよい。
【0068】
また、化合物を単離する際、好ましくは化合物中に含まれるアンモニウム、アルカリ金属又は酸の個数は0〜6である(例えば、モノナトリウム塩、ジナトリウム塩、トリナトリウム塩)。
【0069】
一般式(6)で表される化合物のうち、好ましくは下記一般式(8)で表される化合物である。
一般式(8)
【0070】
【化24】
【0071】
一般式(8)中、L2’は一般式(1)におけるL2 と同義である。G2’は一般式(1)におけるG2 と同義である。M’及びM’’はそれぞれ一般式(1)におけるMと同義である。
【0072】
以下に一般式(6)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
上記化合物例の中でも、VI−1, VI−3, VI−4及びVI−5がとくに好ましい。
一般式(6)の化合物は、特開平6−95319号公報の明細書の記載、とくに段落[0036]〜[0042]に記載の方法に準拠して合成することができる。
【0080】
次ぎに、一般式(7)の化合物について更に詳細に述べる。R21 、R22 、R23、R24 、R25 及びR26で表される脂肪族基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり、炭素数1ないし10のものが好ましい。脂肪族基としては、より好ましくはアルキル基であり、更に炭素数1ないし4のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。R21 、R22 、R23 、R24 、R25 及びR26で表される芳香族基としては、単環または2環のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基がより好ましい。
【0081】
R21 、R22 、R23 、R24 、R25 及びR26で表される脂肪族基、芳香族基は、置換基を有していてもよく、例えばアルキル基(例えばメチル、エチル)、アラルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケニル基(例えばアリル)、アルキニル基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、アリール基(例えばフェニル、p−メチルフェニル)、アミノ基(例えばジメチルアミノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ)、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ)、スルファモイル(例えばメチルスルファモイル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル)、スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基などが挙げられ、可能な場合にはその解離体又は塩であってもよい。上記置換基で炭素原子を有する場合、好ましくは炭素数1ないし4のものである。R21 、R22 、R23 、R24 、R25 及びR26として好ましくは水素原子又はヒドロキシ基であり、水素原子がより好ましい。
【0082】
Wで表される連結基は下記一般式(W)で表される。
一般式(W)
−(W1 −Z)n −W2 −
W1 はアルキレン基又は単結合を表す。W1 で表されるアルキレン基として好ましくは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基)、炭素数5〜10のシクロアルキレン基(例えば1,2−シクロヘキシレン基)である。W2 はアルキレン基又は−CO−を表す。W2 で表されるアルキレン基はW1で表されるアルキレン基と同義である。W1 及びW2 で表されるアルキレン基は同一又は互いに異なっていてもよく、又は置換基を有していてもよい。置換基としてはR1 の置換基として挙げたものが適用できるが、好ましくはアルキル基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基である。W1 及びW2 としてより好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基であり、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。Zは単結合、−O−、−S−、−CO−、−N(RW )−を表す。RW は水素原子又は置換されてもよいアルキル基を表す。置換基としてはR1 の置換基として挙げたものが適用できるが、好ましくは、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ヒドロキシ基又はアミノ基である。Zとして好ましくは単結合である。nは好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。Wの具体例としては例えば以下のものが挙げられる。
【0083】
【化31】
【0084】
【化32】
【0085】
M1、M2、M3及びM4で表されるカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム(例えば、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを挙げることができる。
【0086】
本発明において、上述した一般式(7)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0087】
【化33】
【0088】
【化34】
【0089】
【化35】
【0090】
【化36】
【0091】
【化37】
【0092】
本発明の一般式(7)で表される化合物は、特開昭63−199295号公報、特開平3−173857号公報等の記載に準じて合成することが出来る。尚、これらの文献に記載されているように、本発明の一般式(7)で表される化合物には、光学異性体(〔R,R〕、〔S,S〕、〔S,R〕、〔R,S〕)が存在する。例えば、本発明の一般式(7)で表される化合物の例示化合物(7−1)には3つの光学異性体(〔R,R〕、〔S,S〕、〔S,R〕)が存在し、これらは個々に合成したり、混合物として合成することもできる。本発明にこれらの個々の光学異性体やこれらの混合物が含まれることは言うまでもない。本発明において、〔S,S〕体の如きL体のアミノ酸を原料として合成される化合物の方が他の光学異性体より好ましい。これらの化合物はスプリンガーおよびコペッカのChem. Zvesti.20(6):414−422(1966)記載や特開平3−173857号に記載の方法に基づいて合成することができる。
【0093】
本発明の前記一般式(7)で表される化合物は、その酸型のままのもの、アンモニウム塩又はカリウム塩の形のものが好ましく使用され、とくにアンモニウム塩型が好ましい。
一般式(7)の化合物の中、VII−1、VII−2、VII−3、VII−16及びVII−17の化合物が特に好ましい。
【0094】
本発明において一般式(1)〜(7)で表される化合物の鉄(III)錯塩は、鉄(III)イオンとの化学量論比は1:1錯体であることが好ましく、さらにアミンやチオシアン酸基、シアネート基などが配位していてもよく、また正負いずれかあまりの原子価は、水溶性カチオンあるいはアニオンによって中性とされる。
また、一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物の鉄(III)錯体の1種類を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0095】
一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物の鉄(III)錯塩は、単離した固体状態(例えば粉状、顆粒状、固形状)のものを研磨液に用いてもよく、また溶液状態(例えば水溶液)で研磨液に加えてもよい。さらには一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物と水溶性鉄(III錯塩とをそれぞれ研磨液に加えて研磨液のなかで錯形成が行なわれる形で用いてもよい。
【0096】
一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物のそれぞれの鉄(III)錯体は、アンモニウム塩やアルカリ金属塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)が好ましく、中でもアンモニウム塩が好ましい。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
【0097】
本発明にかかわる一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物の鉄(III)錯体を合成する際、鉄(III)成分の原料としてはどんな塩または単体でもよいが、無機塩としては硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝酸第二鉄塩、硫酸第二鉄アンモニウム、燐酸第二鉄塩、硫酸第一鉄塩、塩化第一鉄塩、硝酸第一鉄塩、硫酸第一鉄アンモニウム、燐酸第一鉄塩、四三酸化鉄、三二酸化鉄、水酸化鉄、有機塩としては酢酸鉄、また、単体としては鉄粉、スチールウールを用いることができる。これらの鉄(III)成分原料類は、単独で用いてもよく、二種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。鉄(III)錯体の合成に使用できる溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れの化合物を用いてもよいが、水が最も好ましい。
【0098】
本発明の金属用研磨液において、一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物の鉄(III)錯体の使用量としては、水または水溶液を加え希釈した状態で金属用研磨液を使用する際に、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水の総量1000mlに対して、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。この配合量が0.003mol未満では、金属の酸化が不十分でCMP速度が低く、8molを超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
【0099】
(その他の酸化剤)
本発明の金属用研磨液には、上記した一般式(1)〜一般式(7)で表される化合物の鉄(III)錯体が酸化剤として用いられるが、さらに上記した以外の酸化剤を併用してもよい。併用できる好ましい酸化剤としては、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩が挙げられる。
【0100】
中でも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩を特に好ましい組み合わせ用酸化剤として挙げることができる。
その中でも過酸化水素が最も好ましい。
【0101】
これら併用酸化剤の使用量としては、上記一般式(1)〜一般式(7)の化合物の鉄(III)錯体と等質量以下であり,好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。
【0102】
(硬水軟化剤)
本発明の金属用研磨液には、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤すなわち硬水軟化剤を用いることが好ましい。用いられるキレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
これらのキレート剤の量はの混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば金属用研磨液の総量1000mLに対して、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
【0103】
(溶解剤)
本発明の金属用研磨液には溶解剤を用いることが好ましい。用いられる溶解剤としては、水溶性のものが望ましい。以下の群から選ばれたものの水溶液が適している。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等、及びそれらの有機酸のアンモニウム塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸等又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中ではギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が銅、銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属層を含む積層膜に対して好適である。特に、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸については実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好ましい。
さらにチオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、又はメソイオン化合物を併用してもよい。
【0104】
これら溶解剤の添加量としては、水または水溶液を加え希釈した状態で金属用研磨液を使用する際に、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水の総量1000mlに対して0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。この添加量が0.5molを超えると、エッチングの抑制が困難となる傾向がある。また、添加量が上記範囲より少ないと発明の効果が少なくなる。
【0105】
(金属酸化保護膜形成剤)
本発明の金属用研磨液には金属酸化防止膜形成剤を用いることが好ましい。用いられる金属酸化防止膜形成剤としては、保護膜形成剤は、以下の群から選ばれたものが好適である。アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨ−ド−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−オクチルオキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エチルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン;が挙げられる。これらの中でもキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオール、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
【0106】
これら金属酸化保護膜形成剤の添加量としては、水または水溶液を加え希釈した状態で金属用研磨液を使用する際に、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水の1000mlに対して0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることがより好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。この添加量が0.0001mol未満では、エッチングの抑制が困難となる傾向があり、0.5molを超えるとCMP速度が低くなってしまう傾向がある。また、濃縮液作製時に使用する保護膜形成剤の内、室温での水に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、室温での水に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。この添加量が2倍以上では濃縮液を5℃に冷却した際の析出を防止するのが困難となる。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
【0107】
(界面活性剤及び/又は親水性ポリマー)
本発明の金属用研磨液には、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを用いることが好ましい。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。
また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
【0108】
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物、親水性ポリマー等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
【0109】
但し、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
【0110】
これらの界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量としては、水または水溶液を加え希釈した状態で金属用研磨液を使用する際に、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水の総量1000mlに対して0.001〜10gとすることが好ましく0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。この配合量が0.01g未満では、界面活性剤の添加効果が現れない傾向があり10gを超えるとCMP速度が低下してしまう傾向がある。また、これらの界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
【0111】
(アルカリ剤/酸剤)
本発明の金属用研磨液にはアルカリ剤及び/又は酸、さらには必用に応じて緩衝剤を用いることが好ましい。用いられるアルカリ剤(及び緩衝剤)としては、水酸化アンモニウム及び有機水酸化アンモニウム並びにアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
【0112】
これらのアルカリ剤及び緩衝剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどを挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
【0113】
酸としては、酸化金属溶解剤として前記した酸類が好ましい。好ましい酸剤としては、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸などの有機酸及び硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸を挙げることが出きる。
【0114】
これらのアルカリ剤及び/又は酸の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量でよく、金属用研磨液の総量1000mlに対して0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
本発明の金属用研磨液のpHは2〜14が好ましく、特には3〜12が好ましい。この範囲において本発明の金属液は特に優れた効果を発揮する。
【0115】
(砥粒)
本発明の金属用研磨液には砥粒を用いてもよい。好ましい砥粒としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリテレフタレートなどが好ましい。
これら砥粒の添加量としては、砥粒は、使用する際の金属用研磨液の全重量に対して0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%の範囲であることがより好ましい。0.01重量%以下では、砥粒を含有する効果が見られず、20重量%以上ではCMPによる研磨速度は飽和し、それ以上加えても増加は見られない。また、これら砥粒は平均粒径が5〜1000nmが好ましく、特には10〜200nmが好ましい。
【0116】
(配線金属原材料)
本発明においては、研磨する対象である半導体が、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を持つLSIであることが好ましく、特には銅合金が好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量としては、40%以下が好ましく、特には10%以下、さらには1%以下が好ましく、0.00001〜0.1%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
【0117】
(配線の太さ)
本発明においては、研磨する対象である半導体が、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
【0118】
(バリア金属)
本発明においては、半導体が銅金属及び/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
【0119】
(研磨方法)
本発明の金属用研磨液を用いた研磨方法は、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水を含有する金属用研磨液を使用する際に、水または次項に述べる水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、9.8〜98.1KPa(100〜1000gf/cm2)であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、9.8〜49.0KPa(100〜500gf/cm2)であることがより好ましい。
【0120】
研磨している間、研磨パッドには金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。 研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。本発明の研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される金属用研磨液の成分を合計した成分が、金属用研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より金属用研磨液を濃縮することができる。濃縮された金属用研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された金属用研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
【0121】
また、濃縮された金属用研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合する方法である。さらに、濃縮された金属用研磨液を水または水溶液を加え希釈する方法としては、1つの容器に、所定量の濃縮された金属用研磨液と水または水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した金属用研磨液を供給する方法がある。
【0122】
本発明の別の研磨方法は、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水を含有する金属用研磨液を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法である。前記したように、例えば、金属の酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。また、溶解度の低い保護膜形成剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、金属の酸化剤、保護膜形成剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
【0123】
例えば、溶解しにくい保護膜形成剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合する方法である。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された金属用研磨液を供給する方法である。上記した研磨方法において、金属の酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分または水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、金属用研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。金属の酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することができる。加温した成分が金属の酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると金属の酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する金属の酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
【0124】
また本発明においては、金属用研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と溶解剤を含有する成分とに分割して供給する事が好ましい。また、金属用研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
【0125】
(パッド)
本発明に用いられる研磨用のパッドは、大きくは無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
【0126】
(ウエハ)
本発明の金属用研磨液でCMPを行なうウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
【0127】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
(研磨液の調整)
表1に記載の酸化剤 表1参照
表1に記載の添加剤 5g/L
ベンゾトリアゾール 1.5g/L
ポリアクリル酸アンモニウム
(重量平均分子量 15000) 0.5g/L
メタノール 5g/L
純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と酢酸で調整) 表1に記載
【0128】
(研磨試験)
基体:厚さ1μmの銅/銀合金の膜を形成したシリコン基板(合金の銀の含有率0.05重量%)
研磨パッド: IC1400(ロデール社)
研磨機: SPP600S(岡本工作機械製作所)
押さえ圧力: 2.0KPa
基体と研磨定盤の相対速度: 35m/min
【0129】
(評価方法)
CMP速度:金属膜のCMP前後での膜厚さを電気抵抗値から換算して求めた。
コロージョン:光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察した。
上記の金属用研磨液を用いてCMPを行って得られたCMP速度及びコロージョン状態も表1に示した。
【0130】
【表1】
【0131】
また、深さ0.5μm、幅0.09μmの溝を形成したシリコン基板に銅/銀合金(銀の含有率0.005重量%)の薄膜を形成したものを基体として、上記同様にCMPを行った。その後、光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察したが、問題となるようなスクラッチやエロージョン、ディッシング、コロージョンなどの発生は見られなかった。
【0132】
【発明の効果】
一般式(1)〜(7)で表される有機カルボン酸の鉄(III)錯体を酸化剤として含有することを特徴とする本発明の化学的機械的研磨に用いる金属用研磨液は、明細書本文及び実施例から明らかなように、迅速なCMP速度を有して生産性が高い上に、コロージョンやスクラッチ、シニング、ディッシング、エロージョンなどの発生も低減できる。
Claims (5)
- 半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、有機カルボン酸の鉄(III)錯体を少なくとも含有することを特徴とする金属用研磨液。
- 有機カルボン酸の鉄(III)錯体が下記一般式(1)〜(7)から選択される有機カルボン酸の鉄(III)錯体であることを特徴とする請求項1に記載の金属用研磨液。
一般式(1)
一般式(2)
一般式(3)
一般式(5)
一般式(6)
一般式(7)
一般式(W)
−(W1 −Z)n −W2 −
一般式(W)において、W1 はアルキレン基又は単結合を表す。W2 はアルキレン基又は−CO−を表す。Zは単結合、−O−、−S−、−CO−又は−N(R1W )−(R1W は水素原子又は置換されてもよいアルキル基を表す。)を表す。ただし、ZとW1 が同時に単結合であることはない。nは1〜3の整数を表す。) - 研磨される金属が、銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属用研磨液。
- 銅合金が銅と銀の合金であることを特徴とする請求項3に記載の金属用研磨液。
- 有機カルボン酸の鉄(III)錯体を少なくとも含む金属用研磨液を研磨定盤上のパッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
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