JP2009205545A - 工作機械、不正移設通知装置および機械動作制限方法 - Google Patents

工作機械、不正移設通知装置および機械動作制限方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械の不正な移設の抑止と正当なユーザの不利益防止とを両立することが困難であった。
【解決手段】工作機械の移設を検知する移設検知手段と、上記移設検知手段によって移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断手段と、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間は上記工作機械の動作を許容し、上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合に上記工作機械の動作を制限する動作制限手段とを備える工作機械とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、工作機械、不正移設通知装置および機械動作制限方法に関する。
精密部品の製造等に用いられる工作機械は、その性能に鑑み、法律や契約によって移設(例えば、第三者への移転や国外への移設。)が制限あるいは禁止される場合がある。
機械の不正な移転に対抗するための技術として、GPSモジュールを用いて移転制約機器の現在位置を検出する位置検出手段と、当該現在位置が、予め設定した移転許容範囲から外れたか、又は、予め設定した移転禁止範囲に入ったか否かを判別し、移転許容範囲から外れた場合又は移転禁止範囲に入った場合に、移転制約機器を動作不能とする不正移転防止手段とを備えた移転制約機器が知られている(特許文献1参照。)。
また、機器に加えられた振動を検出する振動検出手段と、前記振動の有無を振動履歴として記憶する振動履歴記憶手段と、振動履歴記憶手段が振動履歴を記憶している場合に前記機器の起動を禁止する起動禁止手段と、予め設定された条件下で前記起動禁止手段による起動の禁止を解除する起動禁止解除手段とを有する振動検出装置が知られている(特許文献2参照。)。
特開2005‐44162号公報 特開2003‐35595号公報
上記文献では、機械の移転や振動を検知した場合に機械の動作を不能とする。しかし、移転や振動を検知した場合に直ちに機械を動作不能としてしまうと、機械の正当なユーザ(以下、単にユーザと呼ぶ。)にとって不都合が多い。例えば、ユーザの別工場への移設や工場内の移設など、実質的に問題とならない範囲内で機器を移設した場合にも、当該移設が検知されて機械の使用が直ちに不能となり得る。この場合ユーザは、機械のメーカ等に、機械を再起動させるためのパスワードの発行を求める連絡をしたり、機械を再起動させるためにサービスマンの派遣を当該メーカ等に要請したりする必要がある。
このように機械の移設に起因して機械が突然動作不能になると、ユーザは、上記パスワードを取得したりサービスマンを呼んだりして機械を再起動させるまでは、全く機械を使用できず、日常の業務に大きな支障が生じていた。特に、上記メーカと時差のある地域のユーザが所有する機械が動作不能となると、機械を再起動するまでにより多くの時間が必要となり、業務の中断によるユーザの損失も大きかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、機械の不正な移設の抑止効果と、機械のユーザの不利益防止とを両立することの可能な工作機械、不正移設通知装置および機械動作制限方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の工作機械は、工作機械の移設を検知する移設検知手段と、上記移設検知手段によって移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断手段と、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間は上記工作機械の動作を許容し、上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合に上記工作機械の動作を制限する動作制限手段とを備える構成としてある。
本発明によれば、工作機械の移設が検知されてから所定の条件に達した後に、工作機械の動作が制限される。そのため、工作機械の移設の検知後直ちに機械が動作不能となることが無く、ユーザの業務に支障が出ることを防止できる。一方、上記所定の条件に達した後には工作機械の動作が制限される。そのため、工作機械が不正に第三者や国外に渡った場合、当該工作機械を不正に受け取った者は実質的に工作機械を使用することが出来なくなる。
工作機械は、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間に外部から所定の指示を受付けた場合には、上記動作制限手段による上記動作の制限を禁止し、上記動作制限手段によって上記動作が制限されている期間に上記所定の指示を受付けた場合には、当該動作の制限を解除する制限禁止手段を備えるとしてもよい。当該構成によれば、ユーザは、工作機械の移設が検知されてから上記所定の条件に達するまでの間に上記所定の指示を工作機械に入力することにより、以降も工作機械の動作が制限されない状態で工作機械を使用し続けることができる。またユーザは、工作機械の動作の制限がなされた後であっても、上記所定の指示を工作機械に入力することにより、工作機械の動作の制限を解除することができる。
工作機械は、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間、所定の警告を外部に対して行う警告手段を備えるとしてもよい。当該構成によれば、ユーザは上記警告を認識することにより、上記所定の指示を工作機械に入力することができる。
上記判断手段は、上記工作機械における通電時間の計測を行うとともに、上記移設検知手段によって移設が検知されてからの当該通電時間が所定の期間を超えた場合に、上記所定の条件に達したと判断するとしてもよい。当該構成によれば、少なくとも工作機械の移設が検知されてからの工作機械の通電時間が上記所定の期間を超えるまでは、工作機械の動作が制限されることはない。
上記工作機械は、工作機械に対する数値制御を行う数値制御装置(NC装置)を備えるとしてもよい。そして上記判断手段は、上記数値制御装置から独立して上記所定の条件に達したか否かの判断をするとともに、上記動作制限手段は、上記数値制御装置に数値制御の実行を禁止させることにより工作機械の動作を制限するとしてもよい。当該構成によれば、上記判断手段は数値制御装置から独立しているため、数値制御手段に対する不正な操作や改ざんがなされた場合であっても、上記所定の条件に達したか否かを正確に判断することができる。また、判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合には、動作制御手段が数値制御装置に数値制御の実行を禁止させるため、確実に工作機械の動作を制限することができる。
本発明にかかる技術的思想は、上記工作機械とは別の装置としても実現することができる。例えば、監視対象の機械の移設を検知する移設検知手段と、上記移設検知手段によって移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断手段と、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間と上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合とで異なる信号を出力し、または、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間と上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合との一方のみ所定の信号を出力する信号出力手段とを備える不正移設通知装置の発明を把握することが可能である。不正移設通知装置は、例えば、工作機械に搭載され、上述のように信号を工作機械に対して出力する。また、不正移設通知装置と工作機械とからなるシステムの発明も把握することが可能である。
さらに、監視対象の機械の移設を検知する移設検知工程と、上記移設検知工程において移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断工程と、上記判断工程において上記所定の条件に達したと判断された場合に、上記機械に当該機械の動作を制限させる動作制限工程とを備える機械動作制限方法の発明も把握することができる。また、上述した工作機械や不正移設通知装置が備える各手段に対応した工程を備えた方法の発明や、上述した工作機械や不正移設通知装置が備える各手段に対応した機能をコンピュータに実行させるプログラムの発明も把握可能である。
本発明の実施形態を、以下の順序に従って説明する。
1.工作機械の概略
2.工作機械による処理
2‐1.移設の判断処理および起動処理
2‐2.解除処理
3.他の実施例
1.工作機械の概略
図1(a)は、本実施形態にかかる工作機械30の外観の一例を、背面側から斜視図により示している。図1(b)は工作機械30の一部を垂直断面で示している。
工作機械30は、精密部品の製造・加工を行なう旋盤である。図1では図示を省略しているが、工作機械30は、筺体31内部に工作機械30の本体部10を備える。本体部10は、後述するNC(Numerical control)装置11や加工部12等からなる。また工作機械30は、不正移設通知装置20を備える。不正移設通知装置20は、本体部10とは別体の筐体28内に収容されている。図1の例では、工作機械30は筺体28を背面板31aの内側に取り付けている。ただし、工作機械30における筺体28の設置位置は限られない。不正移設通知装置20は、工作機械30に搭載された状態のみならず、それ自体で一つの製品として流通の対象となり得る。
図2は、工作機械30内部の概略構成をブロック図により示している。
本体部10は、NC装置11、加工部12、電源供給部13、表示部14、入力受付部15、各部を通信可能に接続するバス16等を備える。NC装置11はコンピュータであり、CPU11a、ROM11c、RAM11b、入出力部I/O11d等を備える。NC装置11では、CPU11aが、ROM11cに予め保存されたOSや各種プログラムを、RAM11bをワークエリアとして使用しながら実行する。NC装置11に電力が供給された場合、CPU11aは、OS(Operating System)を立ち上げる等の所定の初期処理を行なう。そしてCPU11aは、不正移設通知装置20からの指示に応じて加工プログラムPをRAM11bにおいて起動し、加工プログラムPに従った数値制御を行なう。NC装置11(CPU11a)は、数値制御によって、加工部12に1サイクル単位の加工動作を繰り返し実行させる。
加工部12は、NC装置11によって位置や動作が数値制御される機構の総称である。加工部12は、例えば、加工対象の素材(ワーク)を把持した状態で回転可能な主軸や、主軸の先端においてワークを把持するコレットや、ワークに作用してワークを加工する工具を備える工具台を始めとして、各種機械やアクチュエータを含む。加工部12は、上記1サイクルの加工動作を繰り返すことにより、精密部品を繰り返し製造する。
入力受付部15は、NC装置11のユーザインターフェースであり、例えば、ユーザが操作可能なボタン類や表示部14の画面上に設けられたタッチパネル等からなる。表示部14は、ユーザが入力受付部15を介して入力した各種数値や設定の内容や、工作機械30に関する各種情報を表示するディスプレイである。表示部15における表示内容は、NC装置11によって制御される。
電源供給部13は、工作機械30外部の電源から電力の供給を受ける。電源供給部13は、工作機械30の電源オン/オフを切替えるための電源スイッチ13aを備える。電源供給部13は、外部からの操作によって電源スイッチ13aがオンに切替えられた場合に、上記供給された電力を、NC装置11や、加工部12や、表示部14や、不正移設通知装置20等、工作機械30の各構成に供給する。
不正移設通知装置20は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す。)21、検知回路22、不揮発性メモリ23、タイマ24、入出力部I/O25、電源入力部26、各部を通信可能に接続するバス27等を備える。マイコン21は、CPU21a、ROM21b、RAM21cを備える。マイコン21では、CPU21aが、ROM21bに予め保存された所定のプログラムを、RAM21cをワークエリアとして使用しながら実行することにより、移設判断部21a1、経過判断部21a2、通電時間計測部21a3などの各機能を実現する。
検知回路22は、不正移設通知装置20による監視対象の機械(工作機械30)の移設の有無の判断に用いられる情報を検知するための回路である。検知回路22は、例えば、磁界状態検知回路である。この場合、検知回路22は、工作機械30の設置場所における磁界状態を検知する。検知回路22はいわゆる3軸地磁気センサを有し、互いに直交する所定の3軸方向(X,Y,Z方向)の磁束密度Bx,By,Bz(μT)を検知することが可能である。この磁束密度Bx,By,Bzが検知対象の磁界状態であり、検知回路22は、磁界状態を正規化等して電圧値に変換した上で、バス27を介して不揮発性メモリ23やマイコン21に出力することができる。以下では、検知回路22が出力する電圧値を適宜、磁界状態値と呼ぶ。なお、検知対象の磁界状態は、磁束密度Bx,By,Bzの一部のみでもよいし、Bx,By,Bzの内の二以上の磁束密度から求められる方位(磁界の向き)、磁界の強さH(A/m)、等でもよい。
不揮発性メモリ23には、検知回路22から得られた磁界状態値の他、通電時間計測部21a3による通電時間の計測結果(通電時間Ts)や、工作機械30の移設が検知された時刻を示す検知時刻Tm等が記録される。不揮発性メモリ23に記録されている磁界状態値を適宜、基準値Rと呼ぶ。タイマ24は、例えばCPU21aが出力するクロック信号を累積することにより時刻を計測する。電源入力部26は、電源供給部13から供給された電力を、マイコン21を始めとして不正移設通知装置20の各部に供給する回路である。本体部10のNC装置11と、不正移設通知装置20のマイコン21とは、入出力部I/O11dと入出力部I/O25とを介して信号のやり取りを行なうことができる。
2.工作機械による処理
2‐1.移設の判断処理および起動処理
工作機械30構成の下、本実施形態で実行する処理について説明する。
図3は、工作機械30の移設の判断処理および起動処理をフローチャートにより示している。図3では、左側にNC装置11が実行する処理を、右側に不正移設通知装置20(マイコン21)が実行する処理をそれぞれ示している。
NC装置11は、ステップS(以下、ステップの表記を省略する。)100において、マイコン21に対し、工作機械30の移設の判断処理の実行を指示する。NC装置11は、電源スイッチ13aがオンに切替えられ電源供給部13から電源供給が開始された場合、加工プログラムPの起動に先立ってS100の処理を行なう。当該S100では、NC装置11は、移設の判断処理の実行を指示する所定の信号(移設判断指示信号)を生成し、移設判断指示信号を、入出力部I/O11dを介してマイコン21に送信する。
マイコン21は、S200において移設判断指示信号を入出力部I/O25を介して受信する。
S210において、マイコン21は、移設の判断処理を実行する。上記S100が実行された時点で、電源供給部13から不正移設通知装置20への電源供給も開始されているため、マイコン21はS200以降の処理を実行可能である。マイコン21は、工作機械30の移設があったと判断した場合(工作機械30の移設を検知した場合)にはS220に進み、工作機械30の移設が無かったと判断した場合(工作機械30の移設を検知できなかった場合)にはS240に進む。
図4は、S210の詳細の一例を、フローチャートにより示している。S210の処理は、主に移設判断部21a1によって実現される。
S211では、移設判断部21a1は、不揮発性メモリ23に既に検知時刻Tmが記録されているか否か判断する。
図5は、工作機械30の電源がオン(ON)である期間とオフ(OFF)である期間とが繰り返されている様子を示している。図5では横軸を時間tとしている。S210の処理を実行する現時刻tn(基本的には、電源をオンにした直後のタイミング。)よりも過去の時刻tp(基本的には、過去に電源をオンにした直後のタイミング。)において、工作機械30の移設が検知されている場合もあり得る。そして、時刻tp以後、現在までに、後述する解除処理がなされていない場合には、現在も時刻tpが検知時刻Tmとして不揮発性メモリ23に記録されている可能性がある。
移設判断部21a1は、不揮発性メモリ23に検知時刻Tmが記録されていない場合にはS212に進む。
S212では、移設判断部21a1は、検知回路22に指示し、現在の磁界状態を検知させるとともに、当該検知の結果にかかる磁界状態値を検知回路22から取得する。
S213では、移設判断部21a1は、不揮発性メモリ23に記録されている基準値Rを不揮発性メモリ23から読み出す。基準値Rは、過去において工作機械30が電源オン状態であった期間に、検知回路22によって検知された磁界状態値である。不正移設通知装置20は基準値Rを適宜更新している。基準値Rの更新方法については後述する。
S214では、移設判断部21a1は、上記S212で取得した磁界状態値と上記S213で読み出した基準値Rとを比較し、両値の差異が所定のしきい値Thを超えているか否か判断する。移設判断部21a1は、当該差異がしきい値Thを超えている場合には工作機械30の移設の検知に成功したものと判断し、S215に進む。つまり、工作機械30の電源をオンにした際の磁界状態値と、過去に電源がオンであったときの磁界状態値(基準値R)との間にある程度の差異が生じている場合には、工作機械30に移動や回転があった(移設があった)と見なすことができる。
S215では、移設判断部21a1は、現在の時刻(≒tn)を検知時刻Tmとして不揮発性メモリ23に記録する。記録する時刻はタイマ24が示す時刻を用いる。
S215の後、移設判断部21a1はS220(図3)に進む。なお、S211において、不揮発性メモリ23に検知時刻Tmが記録されていると判断した場合、移設判断部21a1は工作機械30の移設があったと判断し、S212〜S215をスキップしてS220に進む。
S214で上記差異がしきい値Thを超えないと判断した場合には、移設判断部21a1は、工作機械30の移設は検知できなかったと判断し、S240(図3)に進む。上記しきい値Thのデータは、ROM21bや不揮発性メモリ23等、不正移設通知装置20が備える所定のメモリに予め保存されているものとする。
移設判断部21a1および検知回路22は、移設検知手段の一例に該当する。
S220では、マイコン21の経過判断部21a2が、不揮発性メモリ23に記録されている検知時刻Tmを基準として所定の条件を満たしたか否かを判断する。具体的には、経過判断部21a2は、検知時刻Tm以後の工作機械30(不正移設通知装置20)の通電時間が、予め定められた警告期間Twを超えたか否かの判断を行なう。ここで、通電時間計測部21a3は、電源入力部26を介して不正移設通知装置20に電力が供給されている時間(工作機械30(不正移設通知装置20)が通電している期間)のそれまでの合計を、タイマ24が示す時刻に基づいて常に計測している。また通電時間計測部21a3は、各時刻における計測結果を、時刻と対応付けて随時不揮発性メモリ23に書き込んでいる。このように書き込まれる計測結果が上記通電時間Tsである。
そこで上記S220では、経過判断部21a2は、不揮発性メモリ23を参照し最新の通電時間Tsと検知時刻Tmに対応する通電時間Tsとの差分を算出する。当該差分が、検知時刻Tm以後の工作機械30(不正移設通知装置20)の通電時間である。
図6に示すように、検知時刻Tm=tp、現時刻=tn´と仮定すると、tpからtn´までの期間のうち工作機械30の電源がオン状態である期間(図6において斜線を付した期間)が上記差分に相当する。経過判断部21a2は、上記差分が警告期間Twを超えないと判断した場合には、S230に進む。一方、経過判断部21a2が、上記差分は警告期間Twを超えると判断した場合には、マイコン21は図3のフローチャートを終了する。
ただし通電時間計測部21a3は、単純に、不揮発性メモリ23に検知時刻Tmが記録されたことを契機として、検知時刻Tm以後に不正移設通知装置20へ電力が供給されている時間を計測してもよい。通電時間計測部21a3は、このように検知時刻Tm以後に不正移設通知装置20へ電力が供給されている時間を計測し続けるとともに、計測結果を通電時間Tsとして随時不揮発性メモリ23に上書き保存するとしてもよい。このように不揮発性メモリ23に、通電時間Tsが随時上書き保存される場合、上記S220では、経過判断部21a2は、不揮発性メモリ23に保存されている通電時間Tsと上記警告期間Twとを直接比較すればよい。さらに他の手法として、通電時間計測部21a3は、電源入力部26からの電力供給が開始された時刻(開始時刻)および電力供給が停止した時刻(停止時刻)を不揮発性メモリ23に逐一記録するとしてもよい。そして、経過判断部21a2は、当該開始時刻と、停止時刻と、検知時刻Tmと、現在時刻とに基づいて、検知時刻Tm以降の工作機械30(不正移設通知装置20)の通電時間を把握するとしてもよい。経過判断部21a2および通電時間計測部21a3は、判断手段の一例に該当する。
警告期間Twは、工作機械30の移設が検知された後でも工作機械30の利用をユーザに許容する期間を意味する。警告期間Twは、例えば、数時間、数十時間、あるいは数日といった特定の期間である。警告期間Twを示すデータも、上記しきい値Thのデータと同様に、ROM21bや不揮発性メモリ23等、不正移設通知装置20が備える所定のメモリに予め保存されている。
S230では、経過判断部21a2は、警告期間Tw中である旨を示す所定の指示信号(第二許可信号)を生成し、第二許可信号を、入出力部I/O25を介してNC装置11に送信する。S230の後、経過判断部21a2は、S220の判断を繰り返し、警告期間Tw中に限り、第二許可信号をNC装置11に繰り返し出力する(S230)。
S240では、経過判断部21a2は、工作機械30の移設は検知されなかった旨を示す所定の指示信号(第一許可信号)を生成し、第一許可信号を、入出力部I/O25を介してNC装置11に送信する。第一許可信号の送信後、マイコン21は図3のフローチャートを終了する。
NC装置11は、S110において、入出力部I/O11dを介してマイコン21から受信した信号の種別を判定する。NC装置11は、受信した信号の種別が第一許可信号である場合にはS130に進み、受信した信号の種別が第二許可信号である場合にはS140に進む。NC装置11は、S100の処理後(例えば、S100の処理後の一定期間)において、入出力部I/O11dを介して信号を受信できなかったり、或いは入出力部I/O11dを介して第一許可信号および第二許可信号以外の信号を受信した場合には、加工プログラムPを起動することなく(S120)、図3のフローチャートを終了する。つまり工作機械30の動作が制限される。
S130では、NC装置11は加工プログラムPを起動し、図3のフローチャートを終了する。つまりS130以降は、NC装置11は加工プログラムPに従って加工部12に対する数値制御を実行する。その結果、加工部12の1サイクルの動作毎に精密部品が繰り返し製造される。
S140では、NC装置11は、加工プログラムPを起動する。またS140では、NC装置11は、移設を検知した旨の所定の警告を外部に対して行なう。例えばNC装置11は、表示部14を制御し、表示部14に警告用のメッセージを表示させる。警告用のメッセージとしては、例えば「機械の移設を検知しました。○○時間後に機械を強制停止します。」といったメッセージ(上記○○には、警告期間Twの残り時間が表示される。)や、「ワーニング状態です。パスワードを入力してワーニング状態を解除して下さい。」といったメッセージが考えられる。警告を行なう点で、NC装置11および表示部14は、警告手段の一例に該当する。NC装置11は、表示部14に警告用のメッセージと併せて移設検知IDを表示させるとしてもよい。移設検知IDとは、工作機械30の移設が検知された場合にNC装置11が生成するユニークなIDである。ユーザは、移設検知IDを、後述する解除処理の際に用いることができる。
S140の後、S150では、NC装置11は、入出力部I/O11dを介して第二許可信号が継続して受信されているか否かを監視する。NC装置11は、第二許可信号が継続的に(例えば、所定秒数間隔で)受信されている場合には、上記S140後の状態を維持する。一方、NC装置11は、第二許可信号の受信が途絶えた場合(マイコン21がS220において“Yes”の判断をした場合)には、それまで起動していた加工プログラムPを強制的に終了し(S160)、上記警告を終了し、図3のフローチャートを終了する。つまり上記警告期間Twの経過後に、工作機械30の動作が制限される。
ただしマイコン21は、警告期間Twが経過したと判断した場合(S220において“Yes”)に、警告期間Twを経過した旨を示す所定の指示信号(動作制限信号)を生成し、動作制限信号を、入出力部I/O25を介してNC装置11に送信してもよい。すなわちマイコン21は、移設判断指示信号をNC装置11から受信した後、動作制限信号、第一許可信号、第二許可信号のいずれかをNC装置11に対して出力するとしてもよい。この場合NC装置11は、S110において、受信した信号の種別が動作制限信号であると判断した場合にS120に進む。また、NC装置11は、S150において、マイコン21から受信する信号が第二許可信号から動作制限信号に変化したと判断した場合にはS160に進む。また、マイコン21は、移設を検知した場合も警告期間Twを過ぎるまでは第一許可信号を送信し、通電時間の計測を継続して通電時間が警告期間Twを超えた時に動作制限信号を送信するとしてもよい。この場合、NC装置11は、第一許可信号を受信後も入出力部I/O11dを介してマイコン21からの信号を監視し、受信した信号の種別を判定する。そして、動作制限信号の受信に応じて工作機械30の動作を制限する。
このように警告期間Twを経過したか否かで異なる信号をNC装置11にするか、または工作機械30の移設を検知してから警告期間Twが経過するまでの間と警告期間Twを経過した場合との一方のみで所定の信号(第二許可信号または動作制限信号の一方)を送信する点で、マイコン21と入出力部I/O25は信号出力手段の一例に該当すると言える。
このようにマイコン21(経過判断部21a2)は、第一許可信号および第二許可信号を出力しないことにより、あるいは動作制限信号を出力することにより、NC装置11に加工プログラムPを起動させない。また、マイコン21(経過判断部21a2)は、第一許可信号や第二許可信号の出力を中断することにより、あるいは第一許可信号や第二許可信号の出力を中断して動作制限信号を出力することにより、NC装置11に加工プログラムPを終了させる。従って、マイコン21(経過判断部21a2)は、動作制限手段の一例に該当する。
本実施形態では、上記警告がなされず加工プログラムPが起動されている状態を工作機械30の通常稼働状態と呼ぶ。また、上記警告とともに加工プログラムPが起動されている状態を工作機械30のワーニング状態と呼ぶ。また、工作機械30の電源がオン状態となった後加工プログラムPが起動されていない状態(加工プログラムPが強制終了された状態を含む。)を工作機械30のロック状態と呼ぶ。
なお工作機械30をロック状態とした場合にも、NC装置11は、表示部14に、ロック状態であることを示す所定のメッセージ表示を行なわせたり、移設検知IDを表示させたりしてもよい。ロック状態を示すメッセージとしては、例えば「機械の移設を検知しました。機械を停止しています。」といったメッセージや、「ロック状態です。パスワードを入力してロック状態を解除して下さい。」といったメッセージが考えられる。
2‐2.解除処理
次に、工作機械30のワーニング状態またはロック状態を解除して通常稼働状態に移行させるための処理について説明する。
図7は、ワーニング状態またはロック状態の解除処理をフローチャートにより示している。図7では、左側にNC装置11が実行する処理を、右側に不正移設通知装置20(マイコン21)が実行する処理をそれぞれ示している。
S300では、NC装置11は外部からパスワードの入力を受付ける。つまり、ユーザが入力受付部15を介してNC装置11にパスワードを入力し、NC装置11が入力されたパスワードを取得する。パスワードは、特許請求の範囲に言う所定の指示の一例である。
ユーザがパスワードを入手する方法は様々である。例えばユーザは、所定の通信機器を用いた通信によって、工作機械30のメーカ等(パスワード発行元と呼ぶ。)にパスワードの発行を要求し、パスワード発行元からパスワードを受信する。ユーザは、パスワード発行元に上記要求を行なう際、例えば、工作機械30の機種名や、工作機械30の機体番号や、上記移設検知IDを併せて通知する。パスワード発行元では、通知された機種名や、機体番号や、移設検知IDに基づいてユニークなパスワードを生成し、生成したパスワードをユーザ(上記通信機器)に送信する。この結果、ユーザはパスワードを入手することができる。
S310では、NC装置11は、S300で受付けたパスワードが正当なパスワードであるか否か判定し、正当なパスワードであればS320に進む。正当なパスワードの判定方法は様々であるが、NC装置11は例えば、受付けたパスワード内に自己が生成した移設検知IDが含まれているか否か等により、パスワードが正当であるか否か判定する。NC装置11は、パスワードが正当でないと判定した場合には、その時点での工作機械30の状態を維持したまま、図7のフローチャートを終了する。従って、不正なパスワードが入力された場合には、工作機械30のワーニング状態やロック状態は解除されない。
なお、工作機械30が通常稼働状態であるにもかかわらずユーザがパスワードをNC装置11に入力することもあり得る。そのためNC装置11は、パスワードが入力された場合に通常稼働状態であれば、上記S310では、パスワードが正当であるか否かにかかわらず“No”の判定を行ない、工作機械30の状態(通常稼働状態)を維持する。
S320では、NC装置11は、解除処理の実行を指示するための所定の信号(解除処理指示信号)を生成し、解除処理指示信号を、入出力部I/O11dを介してマイコン21に送信する。
マイコン21は、S400において解除処理指示信号を入出力部I/O25を介して受信する。
S410において、マイコン21は、不揮発性メモリ23に現在記録されている基準値Rを更新する。この場合、直近のS212(図4)で検知回路22から取得した磁気状態値によって基準値Rを更新(上書き)してもよい。ただし、直近のS212の処理後から現在までの間に、さらに工作機械30の移設が行なわれている可能性もある。例えば、直近のS212の処理後から現在までの間に、工作機械30の電源オフの期間があり、当該電源オフの期間中に更に移設がなされている場合もあり得る。そこでマイコン21はS410では、検知回路22に指示を出し現在の磁界状態を検知させるとともに、当該検知の結果にかかる磁界状態値を検知回路22から取得する。そして、このように検知回路22から取得した最新の磁界状態値によって基準値Rを更新する。
さらにS410では、マイコン21は、不揮発性メモリ23に現在記録されている検知時刻Tmのデータを消去する。不揮発性メモリ23に検知時刻Tmが記録されたままであると、次回、移設の判断を行なうときに、検知時刻Tmが記録されていることをもって工作機械30の移設ありと判断してしまうからである。さらにS410では、マイコン21は、不揮発性メモリ23に現在記録されている、各時刻の通電時間Tsのデータを消去してもよい。
S420では、マイコン21は、ワーニング状態後の加工プログラムPの強制終了の禁止(動作の制限の禁止)およびロック状態の解除(動作の制限の解除)の指示を意味する所定の信号(制限禁止・解除信号と呼ぶ。)を生成する。そしてマイコン21は、制限禁止・解除信号を、入出力部I/O25を介してNC装置11に送信する。制限禁止・解除信号の送信後、マイコン21は図7のフローチャートを終了する。
NC装置11は、S330において制限禁止・解除信号を入出力部I/O25を介して受信する。
制限禁止・解除信号を受信したら、NC装置11は、S340において通常稼働状態への移行を行なう。具体的には、制限禁止・解除信号を受信した時点でワーニング状態であれば、NC装置11は、上述した第二許可信号の受信状況の監視を終了するとともに、そのまま加工プログラムPの実行を継続する。またNC装置11は、上記警告を行なっている場合には上記警告も終了する。この結果、ワーニング状態の解除および通常稼働状態への移行が完了する。一方、制限禁止・解除信号を受信した時点でロック状態であれば、NC装置11は、加工プログラムPを起動する。この結果、ロック状態の解除および通常稼働状態への移行が完了する。なおNC装置11は、ワーニング状態やロック状態を解除した場合、表示部14に、ワーニング状態またはロック状態を解除した旨の所定のメッセージを表示させるとしてもよい。通常稼働状態への移行が完了したら、NC装置11は図7のフローチャートを終了する。このようにワーニング状態またはロック状態を解除する処理を実行する点で、NC装置11およびマイコン21は、制限禁止手段の一例に該当すると言える。
このように本実施形態では、不正移設通知装置20は、工作機械30の移設を検知した場合、検知時刻Tm以後の通電時間が警告期間Twを超えるまではNC装置11に加工プログラムPの実行を許容するとした。よって、ユーザが、例えば工場内で工作機械30を移設した後に工作機械30の電源を投入した場合、当該移設が検知されて直ちに工作機械30が動作不能となることはない。そして、この警告期間Tw内に正当なパスワードが工作機械30に入力されてアラーム状態が解除されれば、結局、工作機械30の電源投入後、一度も工作機械30の加工動作が中断されることなく精密部品の製造が続けられる。そのため、工作機械30のユーザの業務が阻害されない。
また、不正移設通知装置20は、工作機械30の移設を検知した後、警告期間Twが経過すれば、工作機械30をロック状態とする。ロック状態は、正当なパスワードをパスワード発行元から取得しなければ解除することはできない。そのため、工作機械30が不正に国外や第三者に移設された場合は、移設先においては工作機械30を実質的に使用することができなくなる。従って、不正移設通知装置20は、工作機械30の不正な移設に対する大きな抑止力となる。
また不正移設通知装置20は、工作機械30のNC装置11とは独立した状態で、工作機械30(不正移設通知装置20)の通電時間の計測および警告期間Twの経過判断を行なっている。そのため、コンピュータとしてのNC装置11が備えるタイマやクロック発振回路に対する不正な改ざん等が行なわれた場合でも、不正移設通知装置20は、当該改ざんの影響を受けることなく正確に通電時間の計測および警告期間Twの経過判断を行うことができる。そのため、アラーム状態の期間を引き伸ばす等の不正を防止することができる。
3.他の実施例
図8は、工作機械30についての移設の判断処理および起動処理を示したフローチャートであって、図3とは異なる例を示している。図8においても、左側にNC装置11が実行する処理を、右側に不正移設通知装置20(マイコン21)が実行する処理を示している。S500,S600,S610,S620は、S100,S200,S210,S240とそれぞれ同様なので説明を省略する。
マイコン21は、S610において工作機械30の移設を検知した場合は、そのまま(あるいは上記動作制限信号を入出力部I/O25を介してNC装置11に送信した上で)図8のフローチャートを終える。
NC装置11は、S510において、入出力部I/O11dを介してマイコン21から第一許可信号を受信したか否か判断する。NC装置11は、第一許可信号を受信したと判断した場合にはS520に進む。
S520では、NC装置11は加工プログラムPを起動し、図8のフローチャートを終了する。S520以後、工作機械30は通常稼働状態となる。
NC装置11は、S500の処理後(例えば、S500の処理後の一定期間)、入出力部I/O11dを介して信号を受信できなかったり、或いは入出力部I/O11dを介して第一許可信号以外の信号(動作制限信号)を受信した場合にはS530に進む。
S530では、NC装置11は、加工プログラムPを起動するとともに上記警告を行なう。すなわちS530では、NC装置11は、工作機械30の移設があったものと判断し、工作機械30をワーニング状態とする。
S540では、NC装置11は、S530でワーニング状態とした時点を基準として、所定の条件を満たしたか否かを継続的に監視する。具体的には、NC装置11は、S530でワーニング状態とした時以降の工作機械30の通電時間(工作機械30の電源がオン状態の時間)が、所定の期間を超えたか否か判断する。NC装置11は、所定の期間が経過していないと判断した場合には、ワーニング状態を維持する。一方、NC装置11は、所定の期間が経過したと判断した場合には、加工プログラムPを強制的に終了し(S550)、上記警告を終了し、図8のフローチャートを終了する。S550によって工作機械30はロック状態となる。NC装置11は、通電時間の計測を、例えばCPU11aが発するクロック信号に基づいて行なう。S540の判断に用いる所定の期間としては、上記警告期間Twが該当する。NC装置11は、警告期間Twを示すデータをROM11c等、所定のメモリに予め保存している。
このように図8の例では、不正移設通知装置20によって工作機械30の移設が検知された場合に、NC装置11が所定の期間だけ加工プログラムPを起動させるとした。むろん、図8の処理に従って工作機械30がアラーム状態またはロック状態となった場合でも、上述した解除処理によってアラーム状態やロック状態を解除することができる。
S220またはS540に用いる所定の条件として、所定のサイクル数を用いてもよい。加工プログラムPの起動中においては、上記1サイクル毎に1つの精密部品が製造される。そのため、n(nは1以上の自然数。)サイクル分の動作を上記所定の条件として予め設定しておけば、工作機械30の移設が検知された後、少なくともn個の精密部品の製造を行なうことができる。また、所定の時刻または曜日または日付になったことを所定の条件としても良い。例えば、23:00、日曜、毎月の一日(ついたち)になったことを条件として所定のメモリに予め保存しておくことが考えられる。なお、時刻、曜日、日付は、CPU21aが出力するクロック信号から求めてもよく、時刻などを表す電波を受信してもよい。
上記では、検知回路22として、地磁気センサを有する磁界状態検知回路を挙げたが、検知回路22は、工作機械30の移設の有無の判断に用いることが可能な情報を検知するものであれば何でも良い。例えば、検知回路22は、緯度・経度などの位置情報を検出して出力するGPS(Global Positioning System)受信機でもよいし、単純に移動(回転や振動を含む。)の有無を検知可能なジャイロセンサや振動センサなどであってもよい。検知回路22がGPS受信機であれば、上記基準値Rは、GPS受信機が検出する位置情報となる。移設判断部21a1は、上記S210,610(図3,8)では、GPS受信機に検出させた現在の位置情報と、基準値Rとして不揮発性メモリ23に記録されている位置情報とを比較して移設の有無を判断する。
検知回路22が、移動の有無を検知可能なセンサであれば、検知回路22はセンサによって移動を検知する度に、移動があったことを示す情報(例えば、移動の検知時刻)を不揮発性メモリ23に書き込む。上記S210,610では、マイコン21は、不揮発性メモリ23に上記移動があったことを示す情報が記録されていれば、工作機械30の移設ありと判断し、移設ありと判断した時点を基準としてS220では警告期間Twの経過判断を開始する。工作機械30の移設は基本的に工作機械30が電源オフの状態で行なわれる。そのため、検知回路22として移動の有無を検知する上記センサを用いる場合は、工作機械30の電源オフ時にも検知が可能なように、不正移設通知装置20は、検知回路22用の電源を別途備える。
これまでは、工作機械30の電源が投入されて加工プログラムPを起動する前に、工作機械30の移設の判断を行なう場合を説明した。ただし、工作機械30の移設の判断は、工作機械30が通常稼働状態となった後も定期的に行なわれるとしてもよい。NC装置11は、工作機械30が通常稼働状態の場合に、移設判断指示信号を定期的にマイコン21に出力し、マイコン21に定期的に工作機械30の移設の有無を判断させてもよい。移設判断指示信号を受信したマイコン21は、図3または図8に示した処理を実行する。かかる構成とすれば、仮に工作機械30の稼動中に移設が行なわれた場合でも移設が検知され、当該検知後の所定の期間、ワーニング状態であることをユーザに警告しながら工作機械30を稼働させることができる。
工作機械の外観の斜視図および工作機械の一部の垂直断面図の一例である。 工作機械の概略的な機能構成を示したブロック図の一例である。 工作機械の移設の判断処理および起動処理を示したフローチャートの一例である。 移設の判断処理の詳細を示したフローチャートの一例である。 工作機械の電源オン期間と電源オフ期間とが繰り返さる様子の一例を示した図である。 工作機械の電源オン期間と電源オフ期間とが繰り返さる様子の一例を示した図である。 ワーニング状態またはロック状態の解除処理を示したフローチャートの一例である。 工作機械の移設の判断処理および起動処理を示したフローチャートの他の例である。
符号の説明
10…本体部、11…NC装置、11a…CPU、11b…RAM、11c…ROM、11d…入出力部I/O、12…加工部、13…電源供給部、13a…電源スイッチ、14…表示部、15…入力受付部、20…不正移設通知装置、21…マイコン、21a…CPU、21b…ROM、21c…RAM、21a1…移設判断部、21a2…経過判断部、21a3…通電時間計測部、22…検知回路、23…不揮発性メモリ、24…タイマ、25…入出力部I/O、26…電源入力部、28…筺体、30…工作機械、31…筺体

Claims (7)

  1. 工作機械の移設を検知する移設検知手段と、
    上記移設検知手段によって移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断手段と、
    上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間は上記工作機械の動作を許容し、上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合に上記工作機械の動作を制限する動作制限手段とを備えることを特徴とする工作機械。
  2. 上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間に外部から所定の指示を受付けた場合には、上記動作制限手段による上記動作の制限を禁止し、上記動作制限手段によって上記動作が制限されている期間に上記所定の指示を受付けた場合には、当該動作の制限を解除する制限禁止手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間、所定の警告を外部に対して行う警告手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の工作機械。
  4. 上記判断手段は、上記工作機械における通電時間の計測を行うとともに、上記移設検知手段によって移設が検知されてからの当該通電時間が所定の期間を超えた場合に、上記所定の条件に達したと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の工作機械。
  5. 上記工作機械は、工作機械に対する数値制御を行う数値制御装置を備え、
    上記判断手段は、上記数値制御装置から独立して上記所定の条件に達したか否かの判断をするとともに、上記動作制限手段は、上記数値制御装置に数値制御の実行を禁止させることにより工作機械の動作を制限することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の工作機械。
  6. 監視対象の機械の移設を検知する移設検知手段と、
    上記移設検知手段によって移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断手段と、
    上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間と上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合とで異なる信号を出力し、または、上記移設検知手段によって移設が検知されてから上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断されるまでの間と上記判断手段によって上記所定の条件に達したと判断された場合との一方のみ所定の信号を出力する信号出力手段とを備えることを特徴とする不正移設通知装置。
  7. 監視対象の機械の移設を検知する移設検知工程と、
    上記移設検知工程において移設が検知されてから所定の条件に達したか否か判断する判断工程と、
    上記判断工程において上記所定の条件に達したと判断された場合に、上記機械に当該機械の動作を制限させる動作制限工程とを備えることを特徴とする機械動作制限方法。
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