JP2009204611A5 - - Google Patents

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ビーム加工のための改善されたビーム位置決め
本発明は、ビーム加工を実行して微細構造を創出または修正するために、電子ビーム、イオン・ビーム、またはレーザ・ビームなどのビームを正確に位置決めする方法に関する。
荷電粒子ビーム、レーザ・ビーム、および中性粒子ビームは、半導体回路およびマイクロ電気機械アセンブリの作製など、多様なマイクロファブリケーション用途に使用されている。用語「マイクロファブリケーション」とは、数十マイクロメートル以下の寸法を有する構造を創出および改変することを含むように用いられ、ナノファブリケーション・プロセスを含む。サンプルを「加工する」とは、そのサンプル上での構造のマイクロファブリケーションをいう。作製される構造が小さくなるほど、ビームをより正確に誘導しなければならない。しかし、サンプル上のビームの衝突点は経時的にドリフトし易いことがわかっている。すなわち、オペレータがシステムに点P1にビームを位置決めするように指示すると、実際にビームは短時間後に点P2になってしまう。点P1の座標と点P2の座標との差はビーム・ドリフトと呼ばれる。このドリフトは、サンプルがその上に位置決めされたステージまたはビームを発生および集束させる要素を僅かに移動させる、機械的または熱的な不安定さによって生じることがある。このドリフトは小さくても、より小さな構造が作製されるときにはさらに重大なものとなる。
ビームを正確に位置決めする一方法は、基準マークをミリングし、この基準マークに対してビームを位置決めすることである。用語「基準マーク」とは、任意の種類の基準マークを包含するように広義に用いられる。まずビームを誘導して基準マークを撮像し、所望の場所に対する初期オフセットを決定する。続いて、このビームを周期的に誘導して基準マークを撮像し、基準マークの観察された座標と基準マークの元座標との間のオフセットを決定することによって、所望の場所に対してビームの位置決めを補正する。次いで、このオフセットがビーム位置決め指令に加えられ、ビームが所望の場所に落ち着く。しかし、イオン・ビームを用いて基準マークの走査を繰り返せば、基準マークが劣化して、正確な位置決めに有用なものでなくなってしまう。
米国特許第6,521,890号明細書 米国特許第5,315,123号明細書 PCT出願第PCT/US07/82030号明細書 PCT出願第PCT/US07/82163号明細書 米国特許第7,045,275号明細書 米国特許第6,838,380号明細書
したがって、基準マークに損傷を及ぼさないビームを用いて基準マークを周期的に走査するシステムであって、同時に、ビームを用いて所望の場所でマイクロファブリケーションをも行うシステムの必要性がある。
正確なビーム位置決めを必要とする半導体製造の一態様は、透過型電子顕微鏡のための薄いサンプルを抽出することである。このようなサンプルは半導体作製プロセスを監視するのに用いられる。構造の垂直断面を得るために、ラメラ(lamella)と呼ばれる薄い垂直のサンプルが抽出される。
透過型電子顕微鏡(TEM)は、観察者がナノメートル以下のオーダーで極小の特徴部分(features)を撮像することを可能にする。TEMでは、広帯域ビームがサンプルに衝突し、サンプルを透過する電子が集束され、サンプルの画像を形成する。
走査型透過電子顕微鏡(STEM)では、一次電子ビームを微細スポットに集束させ、このスポットがサンプル表面に亘って走査される。サンプルを透過した電子は、サンプルの反対側にある電子検出器によって収集され、画像上の各点の強度は、一次電子ビームが表面上の対応する点に衝突するときに収集される電子の数に対応する。この技法によって、観察者は1ナノメートル以下のサイズの特徴部分を撮像することが可能となる。
TEMおよびSTEMについては、ビームは対象の特徴部分をエッチングで除去してはならず、さらに、一次ビーム中の電子の多くがサンプルを通過し、サンプルの反対側で出て行けるようにサンプルは十分薄いものでなければならないので、薄いサンプルを作製しながらビームを位置決めすることが重要である。サンプルは一般に厚さ100nm未満である。
基板の周囲のパーツを破壊または損傷させることなく基板またはバルクサンプルからサンプルを切断するための一技法は、「リフトアウト(lift−out)」法と呼ばれる。サンプルを切り出すために、集束イオン・ビーム(FIB)が一般に用いられる。リフトアウト法は、集積回路の作製に用いられるプロセスの結果を分析するのに有用なだけでなく、物理化学または生物化学において材料を分析するのにも有用である。
図1乃至3は一般に使用されるサンプル作成法を示す。タングステンなどの材料の保護層100が、電子ビームまたはイオン・ビーム支援堆積法を用いてサンプル表面102上の対象領域の上に堆積される。サンプルを切断するために用いられる集束イオン・ビームを整列させるための基準マーカーとして機能するように、基準マーク104が対象領域付近にミリングされる。次に、図2に示すように、対応する大きなビーム・サイズと共に高いビーム電流を用いる集束イオン・ビームを用いて、対象領域の垂直断面を含んだ、薄い垂直のサンプル断面であるラメラ206を残しながら、対象領域の前後にそれぞれある矩形202および204をミリングする。
図3に示すように、試料が所望の厚さに達すると、ステージが傾斜され、サンプルの最上部の両側のタブ304によってラメラを懸架させたまま、U字形切断部302がラメラ206の周囲に部分的に沿ってある角度で形成される。次いで、次第に微細になるビーム・サイズを用いて、サンプル断面がさらに薄層化される。最後に、プローブ(図示せず)がラメラ206に取り付けられ、タブ304が切断されて、薄層化されたラメラ206が完全に切り離される。
各操作には必要な精度があるので、各切断のために、特に、最終の薄層化操作のために、ビームを正確に配置することが必要である。上記のようにビーム位置は経時的にドリフトし易いので、これは問題になることがある。解決策の1つは、サンプルを抽出するのに必要な材料の大半を除去し、次いで、最終の切断が行われる直前に基準マークを撮像することによってドリフトを補正することである。最終切断を行うのに要する時間は、最初の切断を行うのに要する時間ほど長くはないが、最終切断を行っている間にビームは依然としてドリフトするので、ミリング精度が低下する。
Ishitani他への米国特許第6,521,890号明細書「Focused Ion Beam Machining Method and Focused Ion Beam Machining Apparatus」は、二次イオン顕微鏡を用いて、事前に計画された間隔でイオン・ビームの視野内の基準マークの画像を形成し、次いで、各画像を先の画像と比較することに基づいてイオン・ビームを調整する方法を教示している。Ishitani他は、先の画像を比較に使用して、イオン・ビームによって生じる基準マークの形状の変化を補償する方法を説明している。しかし、基準マークが劣化するにつれて、基準マークは正確な基準ではなくなる。
Itoh他への米国特許第5,315,123号明細書「Electron Beam
Lithography Apparatus」は、電子ビーム・リソグラフィにおける電子ビームのドリフトの補正方法を教示している。リソグラフィの書き込みプロセス中の電子ビームのドリフトは、ステージ上の基準マークを測定することによって決定され、ステージが回路パターン間を移動されるときにビームがブランクされる間に、ビームのドリフトに対してビーム位置が補正される。上記技法は、多様な回路パターンについて単一の基準マークを用い、ステージは補正間で移動するので、位置決めに誤差が入り込む可能性がある。この技法はまた、電子ビームによって加工中の領域外部で基準マークを撮像することに限定される。
本発明は荷電粒子ビーム・システムにおけるビーム・ドリフトを補正する方法および装置を提供する。
本発明の諸実施形態は、ビーム位置のドリフトを予測し、予測ドリフトを用いてビーム位置決めを補正する。ビーム位置決めは、基準マークを撮像するステップと特徴部分を加工するステップとの間でステージを移動しなくてもいいように、加工中の特徴部分に十分近い位置にある基準マークを撮像することによって最初に整列されるのが好ましい。ビームが整列された後、ビームはサンプルを加工し、ビームがサンプルを加工している間にビーム・ドリフトが補正される。
ドリフトは、方程式または表によってドリフトを特性評価する数学的ドリフト・モデルを用いて決定され、好ましくは、ある時間間隔に亘る基準マークの位置の先の測定値から決定され得る。このモデルを用いれば、基準マークを周期的に再度撮像することにより、ドリフトを予測し、経時的に継続的に補正することが可能となる。
上記は、以下の本発明の詳細な説明がより良く理解できるように、本発明の特徴と技術的利点をむしろ広く概説したものである。本発明の追加の特徴と利点を以下に記載する。開示された概念と特定の実施の形態が、本発明と同じ目的を実行するための他の構造を改変または設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって認められるべきである。そのような同等の構成が添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲を逸脱しないことも当業者によって理解されるべきである。
本発明ならびにその利点をさらに完全に理解するために、添付図面に関連してなされた以下の説明をここで参照することにする。
ラメラを抽出する先行技術の方法の第1のステップを示す図である。 対象領域の両側にミリングされた溝を示す図である。 タブのみによって支持されたラメラを示す図である。 正確なビーム位置決めのための本発明の好適な実施形態を用いて複数のラメラを形成するステップを示すフローチャートである。 基準マークがミリングされ、保護層が付与されたラメラ部位を示す図である。 ラメラの両側に溝がミリングされた図5のラメラ部位を示す図である。 抽出の準備ができたラメラを示す図である。 ドリフトおよび周期的再整列を示す位置対時間のグラフである。 サンプルを加工しながらドリフト補正を行うステップを示すフローチャートである。 本願明細書に記載の方法を実施する好適なコンピュータ・システムを示す図である。
本発明の好適な方法または装置は多数の新規な態様を有しており、また、本発明は、異なる目的のための異なる方法または装置において具現化可能であるので、すべての態様がすべての実施形態に存在しなければならないというわけではない。また、記載の実施形態の態様の多くは別個に特許可能であり得る。
ビーム・コントローラが、格納されたプログラムまたはオペレータの指令に応答して、ビーム・コントローラ座標系を用いて指定された座標までビームを誘導する。不整およびドリフトがあるために、ビーム・コントローラ座標系は、サンプル表面に対して固定されたサンプル座標系と正確には対応しない。基準マークを撮像することによって、コントローラは座標オフセットを決定してビーム・コントローラ座標系をサンプル座標系と再度整列させることが可能となる。しかし、加工中、座標系は次第にずれて、不整になる。本発明の一態様に従えば、このドリフトがモデル化され、加工中にコントローラ座標が修正されるので、ビーム・コントローラがビーム・コントローラ座標系内に指定された特定の点までビームを誘導するとき、サンプル表面上のビームの衝突点は所望の点に、より密接に近似したものになる。
好適な一実施形態では、荷電粒子ビームは、加工中の領域に十分近い基準マークを用いて最初にビームを整列させることによって、サンプルを加工するために正確に位置決めされるので、整列と加工との間でステージ移動が必要ない。この近似性のおかげで、ステージ移動に関連する位置的な不正確さおよび不安定性が取り除かれ、倍率を変更する必要性がなくなる。
整列後にビームがサンプルを加工している間、ビームの座標は、最後に整列された値から予測ドリフトに基づいて補正される。基準マークを撮像して座標オフセットを決定することは「整列」と呼ばれ、ビーム・ドリフト・モデルに基づいて座標を変えることは「補正」と呼ばれる。「加工しながら」補正するとは、基準マークを再度撮像するためにビームをシフトさせずに補正することを意味する。ビーム加工は一般に、ビームがラスター・パターン、蛇行パターン、または任意のパターンで表面の方に誘導される時間間隔とビームが実際には表面に衝突しない時間間隔(例えば、ビームがラスター・パターンの底から最上部まで移動するようにブランクされるとき)とを含むものと理解されたい。
整列のための基準マークの撮像は、サンプルを加工しているのと同じビームで実行することもできるし、異なるビームまたは撮像・システムを用いて実行することもできる。例えば、イオン・ビームおよび電子ビームを有するデュアル・ビーム・システムでは、FIBを用いてサンプルを加工することが可能であり、基準マークは走査型電子顕微鏡または光学顕微鏡によって撮像されてもよく、これによって、FIBによる撮像の繰り返しからの基準マークに対するダメージが低減される。多くのシステムでは、
ステージ移動に起因するドリフトは、ビーム発生カラムの不安定さにより生じるドリフトよりも大きく、このため、2本のビームまたは顕微鏡間の相対運動は無視できる。1つのビームに基準マークを撮像させながら同時に別のビームがサンプルを加工することによって、加工しながら整列を行うことができる。あるいは、いずれかのビームを用いて整列を実行中に加工を中断することができ、その後、加工を再開することができる。
ビーム加工中のビームのドリフトを予測および補正するために、まずドリフトの特性を決定し、数式またはデータ表としてモデル化する。本願明細書で用いられる用語「ビーム・ドリフト」とは、ソースに関係なく、ビーム位置の意図されない経時的変化をいう。特性決定は一般に、以下に詳細に記載するように、時間間隔に亘って既知の点の測定を繰り返すことによって実行される。一旦ビーム・ドリフトが特性決定されると、そのビーム座標は周期的または継続的にビーム・コントローラによって補正可能であるので、ビームは常に、所定公差内でサンプル上の所望の位置まで誘導される。ビーム位置が周期的または継続的に補正されるかどうかは、必要な精度に左右される。
実際のビーム・ドリフトは係る装置の動作条件に拠るので、予測されたドリフトは、長い時間間隔に亘って十分な精度でビームを再位置決めするには十分ではないことがある。このような場合、基準マークを撮像し、その基準マークの場所からの新たなビーム位置オフセットを算出することによって、ビームが周期的に再整列され得る。次いで、周期的に決まる実際の座標オフセット間のドリフトを補正しながら、ドリフト・モデルを測定された実際のドリフトとより正確に一致させることができる。
本発明のいくつかの実施形態は、TEMで観察するためのラメラを創出するのに特に有用である。したがって、本発明の諸態様を組み入れたラメラ創出をここでより詳細に説明する。しかし、本発明はラメラ創出に使用するのに限定されるものではない。各種実施形態は、任意の目的のために任意の基板上での切断、エッチング、穿孔、撮像、および堆積など、どのような高精度荷電粒子またはレーザ・ビーム・プロセスにおいても有用である。
FIBを用いてTEMラメラを抽出するために、オペレータは一般に、まず対象の特徴部分または部位を突き止める。FIB撮像ではサンプルへのある程度の損傷が避けられないので、撮像および/またはミリングを行う前に、所望のラメラ場所の上に保護層を堆積させる。保護層は基板上の特徴部分を見え難くするので、ビームを方向付け、切断に適切な場所を突き止め易くするために、一般には基準マークが保護層にミリングされる。この基準マークを手がかりに画像認識を行って、後でラメラをミリングするための場所を発見することができる。
図4はラメラを作製する改善された方法を示すフローチャートである。ラメラ配置の正確さおよび精度を大幅に改善するために、マシン・ビジョンに基づいた計測ならびに画像認識、高精度基準マーク、自動的基準マーク配置、およびドリフト補正が用いられるのが好ましい。本願明細書に記載のドリフト補正を行わないラメラ抽出方法は、本願に援用される2007年10月20日出願のPCT出願第PCT/US07/82030号明細書により詳細に記載されている。
まず、ステップ401では、ウエハが、本発明の譲受人であるオレゴン州ヒルズボロのFEI社から市販されているCertus Dual Beam SystemなどのSEM/FIBシステムに装填される。ステップ402では、そのウエハ表面上のラメラ部位が画像認識ソフトウェアを用いて好ましくは自動的に特定される。適した画像認識ソフトウェアは、例えば、マサチューセッツ州ナティックのCognex社から入手可能である。画像認識ソフトウェアを「訓練(trained)」して、類似する特徴部分のサンプル画像を用いるか、またはCADデータからの幾何学的情報を用いることによって、所望のラメラ場所を突き止めることが可能である。自動化されたFIBまたはSEM計測を用いて、ラメラ部位を識別することもできるし、識別し易くすることも可能である。計測は画像ベースのパターン認識、エッジ発見、自動欠陥再検出(ADR)、重心計算、ブロブ、等から構成できる。
任意選択のステップ404では、薄い保護用のタングステン・コーティングを、低電圧FIB誘起堆積法を用いてラメラ領域上に堆積させて、後続のFIB加工中の損傷を防止する。ステップ406では、低精度基準マークと高精度基準マークとを組み合わせたものがミリングされる。図5に示した矩形506のような高精度基準マークが所望のラメラ場所の両端にミリングされ、ラメラ場所をより正確に決定することを可能にする。好適な実施形態では、適した基準マークパターンによって、最終的にラメラを10nm以内に正確に配置することが可能となる。所望のラメラのサイズ、幅、または場所に応じて、基準マークのサイズおよび形状を変えることができる。
ステップ408では、高精度基準マークがミリングされた後、ミリング・プロセス中にサンプルを損傷から保護するために、例えばタングステンまたは白金から構成されるバルク保護層508がラメラ部位上に堆積される。図5はラメラ部位502を示しており、ウエハ表面503上の所望のラメラ場所に保護層508が堆積されている。高精度基準マークは、後の加工中にそれらを保護するために保護材料が僅かに埋め戻しされることも好ましい。
ステップ410では、イオン・ビームまたは電子ビームが基準マークを撮像し、先の撮像から、または基準マークをミリングするステップから既知の基準マークの実際の座標と比較して、基準マークの測定された座標に基づいて座標オフセットが決定される。この座標オフセットをビーム位置に適用することによって、ミリング、堆積、撮像、または任意の他のビーム・プロセスを実行する際に、ビームはより正確に配置される。電子ビームを用いて基準マークを撮像することで基準マークに対する損傷が低減され、電子ビームおよびイオン・ビームの相対位置が十分に安定したものである場合、これを用いてイオン・ビームのための座標オフセットを決定することができる。
ステップ412では、FIBシステムはラメラ部位まで進み、図6に示すようにラメラをミリングし始める。バルク材料の除去には、ビーム電流がより高い、より大きなイオン・ビームが適している。基板上の隣接する2つの矩形612を切断するためには、ラメラはFIBを用いて形成されることが好ましく、2つの矩形の間に残っている材料が、薄い垂直のウエハ、すなわち対象領域を含んだラメラ610を形成する。ラメラの両側から来て、厚さ約2μmの粗いラメラを残す典型的な断面のミリング・パターンを用いることができる。ドリフト補正はステップ412中に適用することができるが、切断の性質が粗いことは一般に、ドリフト補正によって得られる改善された精度が不要になる。次いで、アンダーカット・ステップのための準備として、洗浄用断面ミリングを両側に行って約800nmまでラメラが薄層化される。
ステップ414では、ラメラサンプル701のためのアンダーカット部702を形成するために図7に示すようにラメラがミリングされ、ステップ416では、イオン・ビームが側面カット部704を形成し、タブ706によってラメラの最上部の両側に懸架するラメラを残す。
ステップ430では、ビームを動かして基準マークを撮像し、新しい座標オフセットが決定される。ステップ432では、ラメラが両側から薄層化される。薄層化中、ス
テップ434において、予測されたビーム座標ドリフトに基づいてビームの座標が補正される。基準マークを再撮像しなくても、ステップ434のビーム補正は薄層化プロセス中に多様なステップで繰り返すこともできるし、補正は予測ドリフト特性に基づいて継続的に適用することもできる。このドリフト・モデルの決定を以下でより詳細に説明する。当然ながら、加工中に必要に応じていつでも基準マークを再撮像して、ステップ436に示すように座標オフセットを更新することができる。ラメラの薄層化にはサンプルの回転または傾動を必要とすることがある。この場合、基準マークは少なくとも1回撮像され、再計算された予測ドリフトを用いて加工が継続する。
ラメラが最も薄くなるとき、例えば薄層化が90%完了したとき、ステップ440では、ビームは座標オフセット決定のための基準マーク上に再度位置決めされる。次いで、ステップ442では、所望の厚さまで最終的に機械加工するために、ビームはラメラまで戻される。ラメラが最終厚さまでミリングされている間、ステップ444において、ビームを基準マークに再位置決めすることを必要とせずに、予測ドリフトを用いてビーム位置座標が再度補正されるのが好ましい。また、座標オフセットを更新する必要があるときはいつでも、ステップ446において基準マークを再撮像することができる。
代替実施形態では、粗い切断部と最終切断部と間に区別はない。つまり、加工中の中間のタイミングで複数回、任意に周期的に再撮像して完全なパターンが切断される。この複数のタイミングにおいて、オフセットが決定され、更新された予測ドリフトが計算され、切断が継続する。切断が継続する間、ドリフト値は継続的または周期的に再計算され、オフセット値が継続的に再更新される。いくつかのプロセスでは、加工中に基準マークの再撮像がなくてもよく、最初の整列後、ビーム位置は、プロセスが完了するまでドリフト予測に基づいて補正される。
任意選択のステップ448では、低kVの洗浄が、最終的に薄層化された窓部上で180pA、5kVのFIB、傾斜4.5°で実行される。ラメラの各面に10秒間の洗浄用のミリングを行うことで、TEMの撮像条件は大幅に改善される。薄いラメラが垂れ下がらないように、ミリングはPCT出願第PCT/US07/82163号明細書に記載のミリング・パターンを用いて行うのが好ましい。ラメラの最終的薄層化が完了すると、プローブをラメラに取り付け、イオン・ビームを用いるか、プローブを用いて物理的にタブまたはヒンジを切断することによって、ステップ450においてラメラがサンプルから抽出される。
好適な実施形態では、ビーム・ドリフトは時間のパラメータ関数としてモデル化される。この関数には、2回以上の異なるタイミングで得られた基準マーク位置の一連の測定値に最適化させることによって係数が決定された線形項および指数項を含み得る。
ラメラの調整に関わるタイム・スケールに亘って、ドリフト率は、例えば指数関数的に減衰する時間の関数としてモデル化することができる。サンプルに対するビームの位置は、以下の形式の方程式としてモデル化することができる:
x(t)=(a−c)*exp(−b*t)+c
式中、x(t)は、時間tの関数として表したサンプルに対するビームの位置であり、aは時間t=0のときのビームの位置であり、bは位置が変化する率に関連し、cは長時間後に達する位置の漸近値である。位置xは任意の選択された方向の測定位置を指すことができ、当業者には知られているように、この形式の多様な方程式を用いて異なる直交方向のドリフトを説明することができる。
ドリフト距離は多数の異なる方法を用いて予測可能である。ドリフト率は、ビーム加工
を開始する前に決定することもできるし、ラメラの切断などのビーム操作中に実行される最初の整列および中間の整列から決定することもできる。上記のドリフトの方程式は、最初の位置、ドリフト率、および漸近位置を表す未知の3つの変数を有する。このため、この形式の曲線をデータと完全に適合させるためには、厳密に異なる3つのタイミングで位置データを取ることが必要である。中間整列が1回だけ実行される場合、異なる2つのタイミングについてだけ位置データが利用可能である。しかし、平均ドリフト率パラメータ(上式のb)は、先の実験を通して決定することが可能である。このドリフト率を仮定すると、2つのデータ・ポイントだけを用いてパラメータaおよびcを導くことができる。
位置データが厳密に異なる3つのタイミングにおいてわかっている場合、上記形式の曲線をデータに完全に適合させることができる。しかし、測定の不正確さのために、その3つのデータ・ポイントにはある程度の統計学的不完全さが存在する。また、方程式は実際のドリフト挙動と正確には一致しない恐れがある。したがって、別のタイミングで取得した更なる位置データを用いれば、ドリフト予測をより改良することができる。
位置対時間の4以上のデータ・セットを収集する場合、非線形最小二乗近似を用いて上記ドリフト方程式の3つのパラメータを最良に推定することが可能である。当業者には、この近似を実行するための技法が知られている。当業者であれば、多様な減衰指数を有する方程式、時間に比例する項を有する方程式、および他の形式はすべて、等しく良好に、またより良く位置ドリフトを説明することができるものと理解することもできる。
ドリフトを最も正確に説明する関数は、比較的簡単な実験によって決定されてもよい。指数関数以外のアルゴリズムを、経時的な予測ドリフトの計算に用いることができる。したがって、正確にドリフトを予測する実験的に決定された曲線または表を用いることが可能である。図8は時間に対するビーム−サンプル位置のグラフの一例を示す。このグラフは時間に対するオフセットの指数関数的減衰であり、定常値に向かって漸近的に収束している。
図8は、最初の切断の前に、基準マークを撮像し、切断を行うためにオフセットを決定することによって整列が行われることを示す。したがって、切断が行われているとき、整列および予測ドリフトから補正が計算され、計算されたオフセットに従ってビーム位置が補正される。基準マークを撮像し、補正されたオフセットを決定することによって、時々、好ましくは少なくとも1回、中間整列が行われる。この時、必要に応じて、予測ドリフト曲線の補正が行われる。
このように、最初の整列が実行され、次いで中間整列が実行される。ドリフトの大半が生じている一方で、これらの中間整列と中間整列との間に、ビームを用いた粗い機械加工が行われる。中間整列後、最終機械加工前の整列が行われることが好ましい。次いで、サンプルをより正確に機械加工するために、予測ドリフトを用いてビーム・コントローラ座標を修正することができる。整列回数が増えるほど、つまり、整列が頻繁に行われるほど、ドリフトの予測はより良いものになり、未補正のドリフト誤差はより小さくなる。また一般に、ドリフト率は、機械加工の開始時(ステージ移動の直後)に、より大きいので、周期的な再整列は、プロセスの最初の部分で行われる機械加工の精度を改善するのにも役立つ。上記のように、いくつかの実施形態では、1つのビームを用いて整列を行いながら、第2のビームで加工を行うことができる。他の実施形態は、基準マークの撮像およびサンプルの加工のために同じビームを使用する。この後者の実施形態には、基準マークがビームによって実質的に破壊される可能性があるという不利がある。しかし、いくつかの場合では、少なくとも、この不利は良好なパターン認識によって、基準マークからより正確に位置を決定することによって克服され得る。いくつかの実施形態では、撮像および加工を同時に実行することも考えられるし、他方、いくつかの実施形態で
は、撮像および加工は同時には実行されないことに留意されたい。
本発明は非常に高分解能の画像を取得するのにも有用である。画像を取得するのに著しい時間がかかり、画像取得中にビームがドリフトし得る用途においては、本発明の諸実施形態は、そのフィールド上を1回または多数回ビーム走査する過程に亘ってビーム・ドリフトの影響を低減することができる。例えば、本発明は、二次イオン質量分析法を用いてサンプルの組成マップを形成するのに有用である。二次イオン質量分析法(SIMS)では、イオン・ビームが低濃度で存在する元素の十分な二次イオンを発生するのに著しい時間がかかることがある。本発明はSIMS画像の取得中にビーム・ドリフトを低減するのに用いることが可能である。撮像用ビームがSIMS画像を形成している間に、ドリフトに対してこのビームを補正することが可能である。
別の例として、サンプルの特徴部分を撮像する方法は、サンプルを保持するステージが基準マークを撮像するステップと特徴部分を撮像するステップとの間で移動しなくてもいいように、撮像すべき特徴部分の場所の近傍で基準マークを突き止めるステップを含んでよい。次いで、第1の撮像用ビームを用いて基準マークを撮像して、微細に撮像するための整列マーカーとして用いるために基準マークの位置が決定される。第2の撮像用ビームを誘導して特徴部分の画像を形成するために、オフセットが決定される。特徴部分を撮像中、予測ドリフトが決定され、第2の撮像用ビームを適切な位置により正確に維持して画像を形成するために、そのドリフトに対応するオフセット値が更新される。画像形成中、第2のビームを正確な位置に維持して撮像すべく更新されたオフセットを決定するために、必要に応じて、第1の撮像用ビームを用いて基準マークが再撮像される。第1および第2の撮像用ビームは同じビームであってもよいし、異なるビームであってもよい。
図9はドリフト予測および整列更新を用いてビームでサンプルを加工する実施形態のフローチャートを示す。加工には、例えば荷電粒子ビーム、レーザ・ビーム、クラスタ・ビーム、または中性粒子ビームを用いた、例えば切断、堆積、または撮像を含むことができる。上記ステップはオペレータが実行するものとして説明されているが、上記ステップの一部または全部を自動化して、人が介入せずにコンピュータによって制御可能である。ステップ902では、オペレータが基準マークを撮像し、プロセス開始のためのオフセットを決定する。基準マークおよび加工すべき特徴部分は、同じ視野にあることが好ましい。次に、ステップ904では粗加工が開始される。加工中、上記のようにステップ906では、好ましくは時間の指数関数を用いて、予測されたビーム・ドリフトが計算される。計算されたドリフトを補償するために、ビーム位置は周期的に更新される。
更新された補正済みのオフセットを決定すると、ステップ908では、補正済みの値を用いて加工が継続する。決定ブロック910において粗加工が完了したと決定されない場合、ステップ912では、基準マークの再撮像が必要か否か決定される。基準マークの再撮像は、1回以上の中間のタイミングで実行されるのが好ましく、それはシステムのオペレータによって事前決定されてもよいし、あるいは事前プログラムされてもよい。例えば、最後の整列から所定時間が経過したときは常に、または予測ドリフトの量が閾値を超過しているか、指定の時間が経過したときはいつでも、ビームを位置決めして基準マークを再取得および再撮像するようにコンピュータをプログラムしてもよい。ステップ912において新しい整列が必要であると決定される場合、ステップ914では基準マークが再撮像され、ステップ906では、加工が継続するにつれて更新されたドリフト補正を用いて加工が継続する。ステップ912において新しい整列が必要ないと決定された場合、計算されたドリフトに基づいて新しいオフセットが決定され、ステップ908において加工が継続する。
決定ブロック910において粗加工が終了したと決定されると、基準マークの新しい画像が取得され、ステップ920において新しいオフセットが決定され、ステップ922において微細加工が開始される。微細加工中、ステップ924では、ドリフトが継続的または周期的に計算され、更新されたオフセットが決定される。決定ブロック930において加工がまだ完了していないと決定された場合、システムは、基準マークを再撮像して新しいオフセットを決定するタイミングかどうか判定するために、決定ブロック932においてチェックする。新しい整列が必要な場合、ステップ934では基準マークが再撮像され、ステップ924では、進行中のドリフト補正を用いて加工が継続する。新しい整列が必要ない場合、ステップ924では、新しいオフセットが計算されたドリフトに基づいて決定され、決定ブロック930において加工が完了したと決定されるまで、加工は継続する。いくつかの実施形態では、粗加工と微細加工とは区別されず、加工はステップ910とともに完了する。
図10は本願明細書に記載の方法を実施するためのコンピュータ・システムを示す。このコンピュータ・システムによって、ユーザは基準マークの撮像およびラメラの切断のプロセスを制御できるようになる。このコンピュータ・システムは、ディスプレイ、入力デバイス、およびコンピュータ1004を含むユーザ・インタフェース1002と、ビーム位置決めシステム1014とを備える。コンピュータ1004は、データおよびコンピュータ命令を格納するためのメモリ1006を備える。コンピュータ1004のプロセッサ1008は命令を実行して、パターン認識1010を行い、ドリフトおよびオフセット1012を計算する。コンピュータ1004はその計算値からビーム位置信号を決定し、ビーム位置を制御するビーム位置決めシステム1014にこの信号を送信する。
当業者であれば、上記方法のための他の用途が容易に認識できる。例えば、上記方法は深い特徴部分の穿孔に用いてもよく、その場合、周期的再整列がより直線的でより狭い孔を形成する。コンピュータ・ハード・ディスクなどの磁気ディスクに情報を読み書きするために使用される薄膜ヘッドの作製には、ドリフト補償から利益を受けることのできる正確なビーム配置が必要となる。薄膜ヘッドのパーツはビームによって損傷することがあるので、繊細な領域の上でビームを繰り返し走査することなく正確にビームを配置することが必要になる。薄膜磁気記録ヘッドの作製技法は、本発明の譲受人に譲渡された、Lee他の米国特許第7,045,275号明細書「Thin−Film Magnetic
Recording Head Manufacture」に記載されている。Lee他は、ミリングすべき構造要素との固定された空間関係を有する基準マーカー要素を用いている。この基準要素が配置され、次いで、ビームを位置決めして第1の構造要素をミリングするために、基準要素に対してビームが移動される。構造要素をミリング中のビーム・ドリフトが、ミリングの精度を低下させる。上記方法はミリング精度を改善するのに役立ち得る。
荷電粒子ビーム堆積プロセスは、この発明の改善されたビーム配置から利益を受けることもできる。例えば、高抵抗率の構造体を堆積させるために前駆物質の使用を教示している米国特許第6,838,380号明細書「Fabrication of High Resistivity Structure Using Focused Ion Beam」には、ドリフト補正を組み入れることができる。本発明は、走査型電子顕微鏡、中性原子ビーム、および他のビームを用いる電子ビームによる加工および撮像に応用することも可能である。本願明細書で用いる用語「サンプル」とは、ビームが誘導される任意の種類の加工物を指す。
改善されたビーム・ドリフト補償から利益を受けることのできる他の用途には、フォトリソグラフィ・マスクおよび回路編集の修復、すなわち、微視的な回路を改変して接続部を創出または切断することが挙げられる。本願明細書に記載の方法は、SEM、FIB、
レーザ、または他の機械加工法を使用する、精度が重要である他の機械加工または堆積のプロセスに用いてもよい。この方法は、多量のノイズを被り、長い画像取得時間を必要とする撮像・システムに使用してもよく、その結果、画質が改善される。
上記の諸実施形態は特定の用途に大きく依存して変化し、すべての実施形態が、利益の全部を提供し、本発明によって実現可能な目的の全部を満たすというわけではない。
本発明ならびにその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲を逸脱することなく種々の変更、代替、改変が本明細書の上記の実施形態に対してなされうることは理解されるべきである。さらに、本願の範囲は明細書に記載されたプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法および工程の特定の実施の形態に制限されることを意図するものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解できるので、上記に記載された対応する実施の形態と実質的に同じ機能を実行しまたは実質的に同じ結果を得る既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法および工程は本発明に従って利用され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法および工程をその範囲内に含めることを意図するものである。
100 保護層
102 サンプル表面
104 基準マーク
202、204 矩形
206 ラメラ
302 U字形切断部
304 タブ
701 ラメラサンプル
702 アンダーカット部
704 側面カット部
706 タブ
1002 ユーザ・インタフェース
1004 コンピュータ
1006 メモリ
1008 プロセッサ
1010 パターン認識
1012 オフセット
1014 ビーム位置決めシステム

Claims (31)

  1. サンプル(503)の表面に沿って、サンプル座標系内に画定された一連の所定の点までビームを移動させるために、ビーム・コントローラ(1014)を用いてビーム・コントローラ座標系内の一連のビーム・コントローラ座標までビームを誘導することによって、ビーム・システム中のサンプル上で微視的構造を加工する方法であって、
    前記ビーム・コントローラ座標系は、前記サンプルに対する前記ビームの位置ドリフトがあるために前記サンプル座標系から変化し、
    前記構造を加工するための前記サンプル上で所望のビーム経路を決定するステップと、
    前記ビーム・コントローラ座標系と前記サンプル表面上の基準マーク(506)の位置との間のオフセットを決定するために、ある時間間隔で前記基準マークを繰り返し測定することにより、前記ビーム・システムのドリフト・モデルを決定するステップであって、前記ドリフト・モデルを決定するステップが、ドリフト率を指数関数的に減衰する時間の関数としてモデル化することを含むステップと、
    前記基準マークを撮像し、前記ビーム・コントローラ座標系と前記サンプル座標系との間のオフセットを決定することによって前記ビーム・コントローラ座標系をシステムに装填されたサンプルのサンプル座標系と整列させるステップと、
    前記オフセットを用いて前記ビーム・コントローラ座標を補正するステップと、
    前記ビームに前記サンプルを加工させるために、指定されたビーム・コントローラ座標まで前記ビームを誘導するステップと、
    先に決定した前記ドリフト・モデルを用いて、ビーム座標毎の予測ドリフトを決定し、前記サンプル上を前記ビームが移動するときに各ビーム・コントローラ座標にその予測ドリフトを適用するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記ビームが、集束イオン・ビーム、集束電子ビーム、レーザ・ビーム、または中性粒子ビームである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ドリフト率を指数関数的に減衰する時間の関数としてモデル化するステップが、以下の式にしたがってサンプルに対するビームの位置をモデル化するステップを含む、請求項に記載の方法。
    x(t)=(a−c)*exp(−b*t)+c
    ここで、x(t)は時間tの関数として表したサンプルに対するビームの位置であり、aは時間t=0のときのビームの位置であり、bは位置が変化する率に関連し、cは位置の漸近値である。
  4. 前記サンプル表面上の基準マークを撮像することによってビーム・コントローラ座標系をサンプル座標系と整列させるステップが、第1のビームを用いて前記基準マークを撮像することによって第2のビームの前記ビーム・コントローラ座標系を前記サンプル座標系と整列させ、前記第1のビームの前記ビーム・コントローラ座標系と前記サンプル座標系との間のオフセットを決定し、そのオフセットを前記第2のビームの前記ビーム・コントローラ座標系に適用するステップを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記サンプル表面上の基準マークを観察することによってビーム・コントローラ座標系を前記システムに装填されたサンプルのサンプル座標系と整列させるステップが、前記イオン・ビームを用いて前記基準マークを観察することによってイオン・ビームを整列させるステップを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ビームに前記サンプルを加工させるために、指定されたビーム・コントローラ座標まで前記ビームを誘導するステップが、前記ビームに、前記サンプルから材料を除去させるか、前記サンプル上に材料を堆積させるか、または前記サンプルの画像を形成させるために、指定されたビーム・コントローラ座標まで前記ビームを誘導するステップを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステージ上のサンプルを荷電粒子ビームで加工する方法であって、
    撮像用の荷電粒子ビームを基準マーク(506)の方に誘導するステップと、
    前記基準マークの観察された座標(1010)と前記基準マークの予期される座標との差の決定の繰り返しに基づいてビーム・システムのドリフト・モデルを決定するステップであって、前記ドリフト・モデルを決定するステップが、ドリフト率を指数関数的に減衰する時間の関数としてモデル化することを含むステップと、
    前記撮像用の荷電粒子ビームを前記基準マークの方に誘導するステップの後にステージを移動させることなく、加工用ビームを荷電粒子ビーム加工のためのサンプルの方に誘導し、前記座標オフセットによって補正された加工用ビーム座標を用いて、前記加工用ビームを位置決めするステップと、
    前記加工用ビームを移動して前記サンプルを加工しながら、前記基準マークを撮像するために前記加工用ビームを導くことなく、前記加工用ビーム座標を継続的に調節して、前記ドリフト・モデルに基づいて計算された各ビーム座標の予測されたビーム・ドリフトを用いてドリフトを補償するステップとを含む方法。
  8. 前記加工用ビーム座標を調節して、予測されたビーム・ドリフトを用いてドリフトを補償するステップが、前記加工用ビーム座標を調節して、ドリフト率を指数関数的に減衰する時間の関数としてモデル化するステップによって決定される予測されたビーム・ドリフトを用いてドリフトを補償するステップを含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記ドリフト率を指数関数的に減衰する時間の関数としてモデル化するステップが、2回以上の異なる観察タイミングにおいて取得された前記基準マークの観察された位置の測定値から決定された係数を含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記撮像用ビームおよび前記加工用ビームが、同じ集束イオン・ビーム・カラムから発生される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記撮像用ビームが電子ビームを含み、前記加工用ビームが集束イオン・ビームを含む、請求項に記載の方法。
  12. 加工用ビームを荷電粒子ビーム加工のためのサンプルの方に誘導するステップが、前記サンプルをエッチングするか、前記サンプル上に材料を堆積させるか、または前記サンプルを撮像するために、集束イオン・ビームをサンプルの方に誘導するステップを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  13. 加工用ビームを荷電粒子ビーム加工のためのサンプルの方に誘導するステップが、フォトリソグラフィ・マスク、マイクロ電気機械アセンブリ、生体サンプル、集積回路、磁気ディスク・ドライブ読取ヘッド、または電気光学デバイスの方に集束イオン・ビームを誘導するステップを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  14. ステージが基準マークを撮像するステップと特徴部分を加工するステップとの間で移動しなくてもいいように、加工すべき前記特徴部分の近傍にある前記基準マークを示すサンプル内の特徴部分を加工するシステムであって、
    第1のビームのビーム・コントローラ座標系に対するサンプル上の前記基準マークの位置を決定するために前記基準マークを撮像する前記第1のビームと、
    前記特徴部分を加工する第2のビームと、
    前記ビーム・コントローラ座標系と前記基準マークの位置との間のオフセットを決定するために、ある時間間隔に亘って前記基準マークの測定を繰り返して、ビーム・システムのドリフト・モデルを決定し、かつ、前記ドリフト・モデルから決定される前記オフセットであって、前記第1のビームの前記ビーム・コントローラ座標系と前記基準マークの位置との間の前記オフセットを用いて前記第2のビームのビーム座標を継続的に変更して、予測されたビーム・ドリフトを前記第2のビームが移動するときに各ビーム座標において補償するためのビーム・ドリフト情報を格納するコンピュータ・メモリと、
    を含み、前記第1および前記第2のビームは1以上のソースから提供されるシステム。
  15. ビーム・ドリフト情報を格納する前記コンピュータ・メモリが、前記座標ドリフトを経時的に観察することによって測定された実験的ドリフト情報から決定されたアルゴリズムを格納するコンピュータ・メモリを含む、請求項14記載のシステム。
  16. 予測ドリフトを計算するステップが、指数関数を含む式からドリフト量を決定するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
  17. 基板からTEMサンプルを抽出する方法であって、
    抽出すべきサンプルの場所の近傍に基準マークをミリングし、前記サンプルを保持するステージが前記基準マークを撮像するステップと前記サンプルを抽出するステップとの間で移動しなくてもいいように、抽出すべき前記サンプルの十分近傍に基準マークがあるようにするステップと、
    切断用ビームを誘導して、1以上の粗切断を前記サンプルに施すステップと、
    前記基準マークを撮像して、前記ビーム位置座標に適用するために第1の基準マークの位置からオフセットを決定するステップと、
    経時的に予測されたビーム・ドリフトを反映してドリフト・モデルを決定するステップと、
    切断用ビームを誘導して、1以上の微細切断をサンプルに施すステップとを含み、
    予測されたビーム・ドリフトを補償するために、少なくとも1つの前記切断ステップの間に前記ビーム位置が、先に決定された前記ドリフト・モデルにしたがって、前記切断用ビームが移動するときに継続的に調節される方法。
  18. 前記基準マークを撮像するステップが、電子ビームを用いて前記基準マークを撮像するステップを含み、切断用ビームを誘導して1以上の粗切断を施すステップが、集束イオン・ビームを誘導して1以上の粗切断を施すステップを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記基準マークを撮像するステップが、集束イオン・ビームを用いて前記基準マークを撮像するステップを含み、切断用ビームを誘導して1以上の粗切断を施すステップが、前記集束イオン・ビームを誘導して1以上の粗切断を施すステップを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記撮像用ビームが電子ビームであり、前記切断用ビームがイオン・ビームである、請求項17に記載の方法。
  21. サンプルに対するビームの位置決めの不安定さに起因して経時的に位置を変え易いビームを用いて、前記サンプル上の微視的構造を加工する方法であって、
    前記構造を加工するためのビーム経路を決定するステップと、
    前記サンプル上の前記ビーム経路であって、決定された前記ビーム経路に沿って一連のビーム座標まで誘導するステップと、
    基準マークを撮像するためにビームを移動させることなく、前記決定されたビーム経路に前記ビームをより密接に接近させるために、オフセットを各ビーム座標に適用することにより、前記サンプル上を前記ビームが移動するときにドリフト予測に従って前記ビームの位置を調節するステップとを含む方法。
  22. ドリフト予測に従って前記ビームの位置を調節するステップが、前記ビームが前記サンプルの方に誘導されるときに行われる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ビームを基準マークに向かって誘導してビーム座標オフセットを決定するステップをさらに含む、請求項21または22に記載の方法。
  24. サンプル内の特徴部分を撮像する方法であって、
    前記サンプルを支持するステージが基準マークを撮像するステップと特徴部分を撮像するステップとの間で移動しなくてもいいように、撮像すべき前記特徴部分の場所の近傍に基準マークを突き止めるステップと、
    第1の撮像用ビームを用いて前記基準マークを撮像して、前記基準マークの位置を決定して、微細撮像のための整列マーカーとして用いるステップと、
    前記基準マークの位置からオフセットを決定して、第2の撮像用ビームを誘導して前記特徴部分の画像を形成するステップと、
    前記第2の撮像用ビームを移動して特徴部分を撮像しながら、予測ドリフトおよび対応する更新されたオフセット値を計算して第2の撮像用ビームを位置決めし、前記更新されたオフセット値に従って前記第2の撮像用ビーム位置を補正するステップと、
    画像作成を継続するとともに画像作成中にドリフトをより正確に予測するために、第2の撮像用ビームを誘導して基準マークの位置からオフセットを決定するために、第1の撮像用ビームで画像作成中に少なくとも1回基準マークを再撮像するステップとを含む方法。
  25. 前記第1の撮像用ビームおよび前記第2の撮像用ビームが同じビームである、請求項24に記載の方法。
  26. 予測ドリフトを計算するステップが、実験的に決定された曲線からドリフト量を経時的に決定するステップを含む、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記実験的に決定された曲線が指数関数である、請求項24または26に記載の方法。
  28. 前記指数関数の係数が、2回以上の異なるタイミングにおいて取得された前記基準マークの位置の測定値から決定される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記指数関数の指数中の一定の係数が実験的に決定される、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記指数関数的に決定された曲線の前記指数中の一定の係数が、2回以上の異なるタイミングにおいて取得された前記基準マークの位置の測定値から決定される、請求項27乃至29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記システムが前記基準マークを作成する手段を備える請求項14に記載のシステム。
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