JP2009204152A - 固着具 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成樹脂の成形品部材に対して強固な固定強度を得ると共に供給する固着具の嵌め込み方向を一定にする必要のない固着具を提供する。
【解決手段】本発明の固着具1は、短い円柱状の本体2に突起部3,4が設けられている。さらに本体2の外側周面上に突出させてローレット(凹凸条)を有する大径部5,6,7が設けられている。この大径部5,6,7は、本体2の中央部に少しの間隔を有して形成され、ローレットの流れ方向が異なるように設けられている。さらに大径部5のローレットは図上左流れに形成され、大径部6のローレットは大径部5のローレットの流れ方向とは異なり図上右流れに形成され、大径部7のローレットは大径部6のローレットの流れ方向とは異なる図上左流れに形成される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の固着具1は、短い円柱状の本体2に突起部3,4が設けられている。さらに本体2の外側周面上に突出させてローレット(凹凸条)を有する大径部5,6,7が設けられている。この大径部5,6,7は、本体2の中央部に少しの間隔を有して形成され、ローレットの流れ方向が異なるように設けられている。さらに大径部5のローレットは図上左流れに形成され、大径部6のローレットは大径部5のローレットの流れ方向とは異なり図上右流れに形成され、大径部7のローレットは大径部6のローレットの流れ方向とは異なる図上左流れに形成される。
【選択図】図1
Description
この発明は、合成樹脂の成形品部材に嵌め込み固定して使用するのに適し、且つ成形インサートにも適した固着具に関する。
従来、合成樹脂の成形品からなる部材にねじ孔を形成してボルトなどをねじ込み固定すると、引張り、ねじり、振動その他の外力を受けたとき、あるいはボルトなどを反覆して着脱したときにねじ孔が変形し、または破壊して使用できなくなる。
そこで、合成樹脂等の成形品部材に設けられた孔に対して、嵌め込み固定してボルトなどを安定よく固定しておくことができると共に反覆着脱に耐えるようにしたナット状の金属製固着具が実用化されている。さらに、このような固着具が成形品部材の孔に喰い込んで充分な強度で固定されるように固着具の外側周面にローレット状その他の凹凸を設ける方法が提案されている(例えば特許文献1、2)。
このような固着具を成形品部材に嵌め込む際は、成形品部材に設けられた孔に固着具を加熱・加圧して嵌め込んでいる。
しかしながら、成形品部材に設ける孔径と固着具の外径とにより、この寸法差が小さいと、引張り強度、ねじり強度、または振動に対して弱いものになってしまう。また、寸法差が大きいと成形品部材側の外径寸法を大きく変形させてしまう。さらに、固着具には嵌め込み方向があり、パーツフィーダーで供給する際は固着具の嵌め込み方向を一定にしなければならないという課題があった。
特開昭50−85756号公報 特開昭58−124809号公報
そこで、合成樹脂等の成形品部材に設けられた孔に対して、嵌め込み固定してボルトなどを安定よく固定しておくことができると共に反覆着脱に耐えるようにしたナット状の金属製固着具が実用化されている。さらに、このような固着具が成形品部材の孔に喰い込んで充分な強度で固定されるように固着具の外側周面にローレット状その他の凹凸を設ける方法が提案されている(例えば特許文献1、2)。
このような固着具を成形品部材に嵌め込む際は、成形品部材に設けられた孔に固着具を加熱・加圧して嵌め込んでいる。
しかしながら、成形品部材に設ける孔径と固着具の外径とにより、この寸法差が小さいと、引張り強度、ねじり強度、または振動に対して弱いものになってしまう。また、寸法差が大きいと成形品部材側の外径寸法を大きく変形させてしまう。さらに、固着具には嵌め込み方向があり、パーツフィーダーで供給する際は固着具の嵌め込み方向を一定にしなければならないという課題があった。
上記したように、従来のような外側周面にローレット状その他の凹凸を設けた固着具を用いても十分な強固な固定強度が得られず、さらにパーツフィーダーで供給する際の固着具の嵌め込み方向を一定にしなければならないという課題があった。
この発明の目的は、合成樹脂の成形品部材に対して強固な固定強度を得ると共に供給する固着具の嵌め込み方向を一定にする必要のない固着具を提供することである。
この発明の目的は、合成樹脂の成形品部材に対して強固な固定強度を得ると共に供給する固着具の嵌め込み方向を一定にする必要のない固着具を提供することである。
本発明によれば、合成樹脂の成形品部材に設けられた孔に固定される固着具であって、短い円柱状の本体の両端面にそれぞれ突起部が設けられ、さらに本体の外側周面上に多数の凹凸条を有する複数の大径部が設けられていることを特徴とする固着具が提供される。
また、本発明によれば、円柱状の本体の両端面にそれぞれ突起部が設けられ、さらに本体の外側周面上に多数の凹凸条を有する複数の大径部が設けられ、この大径部は本体の中央部に所定の間隔を有して形成され、前記隣り合う大径部が有する凹凸条の流れ方向がそれぞれ異なって形成される固着具であって、合成樹脂の成形品部材に設けられた孔に嵌め込んで用いることも、合成樹脂の成形時に埋め込むこともできることを特徴とする固着具が提供される。
また、本発明によれば、円柱状の本体の両端面にそれぞれ突起部が設けられ、さらに本体の外側周面上に多数の凹凸条を有する複数の大径部が設けられ、この大径部は本体の中央部に所定の間隔を有して形成され、前記隣り合う大径部が有する凹凸条の流れ方向がそれぞれ異なって形成される固着具であって、合成樹脂の成形品部材に設けられた孔に嵌め込んで用いることも、合成樹脂の成形時に埋め込むこともできることを特徴とする固着具が提供される。
本発明の固着具は、合成樹脂の成形品部材に対して強固な固定強度を得ると共に固着具の嵌め込み方向を一定にする必要のない固着具を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、この発明に係るインサートと呼ばれる固着具1を示す片側断面図である。すなわち、この固着具1は、短い円柱状の本体2に突起部3,4が設けられている。さらに本体2の外側周面上に突出させてローレット(凹凸条)を有する大径部5,6,7が設けられている。この大径部5,6,7は、本体2の中央部に少しの間隔を有して形成され、ローレットの流れ方向が異なるように設けられている。すなわち、大径部5のローレットは図上左流れに形成され、大径部6のローレットは大径部5のローレットの流れ方向とは異なり図上右流れに形成され、大径部7のローレットは大径部6のローレットの流れ方向とは異なる図上左流れに形成されている。なお、大径部5,6,7の形状(間隔、個数を含む)は、嵌め込む成形品部材の材質に応じて変えられる。本実施例では、大径部を3つにしているが、複数であれば良く、さらに大径部の外径と間隔も成形品部材の材質によって変えられる。
図1は、この発明に係るインサートと呼ばれる固着具1を示す片側断面図である。すなわち、この固着具1は、短い円柱状の本体2に突起部3,4が設けられている。さらに本体2の外側周面上に突出させてローレット(凹凸条)を有する大径部5,6,7が設けられている。この大径部5,6,7は、本体2の中央部に少しの間隔を有して形成され、ローレットの流れ方向が異なるように設けられている。すなわち、大径部5のローレットは図上左流れに形成され、大径部6のローレットは大径部5のローレットの流れ方向とは異なり図上右流れに形成され、大径部7のローレットは大径部6のローレットの流れ方向とは異なる図上左流れに形成されている。なお、大径部5,6,7の形状(間隔、個数を含む)は、嵌め込む成形品部材の材質に応じて変えられる。本実施例では、大径部を3つにしているが、複数であれば良く、さらに大径部の外径と間隔も成形品部材の材質によって変えられる。
また、本体2には、突起部3の端面aから突起部4の端面bに貫通した雌ねじ孔8が設けられている。
なお、固着具1は、本実施例では黄銅を用いているが、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、亜鉛等の比較的硬質の金属を用いても良い。
なお、固着具1は、本実施例では黄銅を用いているが、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、亜鉛等の比較的硬質の金属を用いても良い。
図2は、合成樹脂で成形された成形品部材10の構成例を示す断面図である。成形品部材10は、突出形成されたボス11に予め形成されている孔12が設けられている。孔12は、固着具1の大径部5,6,7の直径より所定値小さい直径で、固着具の全長とほぼ等しい深さに形成されている。
次に、固着具1の構成についてさらに詳しく説明する。
固着具1は、上述したように突起部3,4が設けられているが、これは合成樹脂の成形品部材10に設けられた孔12に嵌め込む際の案内となるものである。すなわち、成形品部材10の孔12に、固着具1の突起部3からの方向でも突起部4からの方向でも嵌め込むことが可能となっている。また、固着具1は、大径部5,6,7が設けられているが、ローレットの流れ方向が隣り合わせに異なっているので成形品部材10の孔12に嵌めこんだ後のねじり強度、引張り強度が大きく向上する。なお、大径部5の突起部3に接する端面が面取り加工され、大径部7の突起部4に接する端面が面取り加工され、嵌め込み動作を容易にしている。
固着具1は、上述したように突起部3,4が設けられているが、これは合成樹脂の成形品部材10に設けられた孔12に嵌め込む際の案内となるものである。すなわち、成形品部材10の孔12に、固着具1の突起部3からの方向でも突起部4からの方向でも嵌め込むことが可能となっている。また、固着具1は、大径部5,6,7が設けられているが、ローレットの流れ方向が隣り合わせに異なっているので成形品部材10の孔12に嵌めこんだ後のねじり強度、引張り強度が大きく向上する。なお、大径部5の突起部3に接する端面が面取り加工され、大径部7の突起部4に接する端面が面取り加工され、嵌め込み動作を容易にしている。
次に、このような構成において、成形品部材10の孔12に固着具1を嵌め込む方法について説明する。すなわち、本嵌め込み方法は、固着具1を加熱しながら加圧して成形品部材10の孔12へ嵌め込むものである。
まず、パーツフィーダーにより固着具1が供給される。この際、成形品部材10の孔12への固着具1の嵌め込み方向は、突起部3からでも良く、突起部4からでも良い。
続いて固着具1が加熱・加圧され、固着具1に接する孔12の周囲の合成樹脂が軟化・溶融して大径部5,6,7の進入を可能ならしめ、孔12の底に達して停止される。この際、加熱された固着具1に接する孔12の周面樹脂が軟化溶融して固着具1の本体2を包み、大径部5,6,7のローレット凹部及び間隔部に充満した状態で冷却硬化して固着具1が固定される。
まず、パーツフィーダーにより固着具1が供給される。この際、成形品部材10の孔12への固着具1の嵌め込み方向は、突起部3からでも良く、突起部4からでも良い。
続いて固着具1が加熱・加圧され、固着具1に接する孔12の周囲の合成樹脂が軟化・溶融して大径部5,6,7の進入を可能ならしめ、孔12の底に達して停止される。この際、加熱された固着具1に接する孔12の周面樹脂が軟化溶融して固着具1の本体2を包み、大径部5,6,7のローレット凹部及び間隔部に充満した状態で冷却硬化して固着具1が固定される。
なお、固着具1の加熱温度は、固着具1の大径部5,6,7の外径及び形状、成形品部材10の材質により異なっている。例えば、成形品部材10の材質が、ABS樹脂の場合は220±10℃、ポリカーボネートの場合は270±10℃、ABS樹脂とポリカーボネートの場合は260±10℃である。
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、成形品部材と固着具との固定において、固着具の大径部のローレット形状の互い異なる流れ方向により大きなねじり強度及び引張り強度を得ることができ、さらにパーツフィーダーによる供給時における固着具の嵌め込み方向を一定にする必要がないようにできる。
次に、他の実施の形態について説明する。
上述した実施の形態では、予め成形された成形品部材の孔に固着具を加熱・加圧して嵌め込んでいたが、成形品部材を成形する際に固着具を埋め込む、いわゆる成形インサートという方法がある。
従来、成形インサートに用いる固着具は、専用の形状に設計されていた。しかしながら、本実施例の固着具1は、上述したように嵌め込みの方向性がないのでこのままの形状で成形インサートにも用いることが可能である。
上述した実施の形態では、予め成形された成形品部材の孔に固着具を加熱・加圧して嵌め込んでいたが、成形品部材を成形する際に固着具を埋め込む、いわゆる成形インサートという方法がある。
従来、成形インサートに用いる固着具は、専用の形状に設計されていた。しかしながら、本実施例の固着具1は、上述したように嵌め込みの方向性がないのでこのままの形状で成形インサートにも用いることが可能である。
以上説明したように他の発明の実施の形態によれば、本固着具は成形品部材を成形する際に固着具を埋め込む、いわゆる成形インサートでも用いることが可能となっている。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…固着具、2…本体、3,4…突起部、5,6,7…大径部、8…雌ねじ、10…成形品部材、11…ボス、12…孔。
Claims (3)
- 合成樹脂の成形品部材に設けられた孔に固定される固着具であって、
円柱状の本体の両端面にそれぞれ突起部が設けられ、さらに本体の外側周面上に多数の凹凸条を有する複数の大径部が設けられていることを特徴とする固着具。 - 合成樹脂の成形品部材に設けられた孔に固定される固着具であって、
円柱状の本体の両端面にそれぞれ突起部が設けられ、さらに本体の外側周面上に多数の凹凸条を有する複数の大径部が設けられ、この大径部は本体の中央部に所定の間隔を有して形成され、前記隣り合う大径部が有する凹凸条の流れ方向がそれぞれ異なって形成されていることを特徴とする固着具。 - 円柱状の本体の両端面にそれぞれ突起部が設けられ、さらに本体の外側周面上に多数の凹凸条を有する複数の大径部が設けられ、この大径部は本体の中央部に所定の間隔を有して形成され、前記隣り合う大径部が有する凹凸条の流れ方向がそれぞれ異なって形成される固着具であって、
合成樹脂の成形品部材に設けられた孔に嵌め込んで用いることも、合成樹脂の成形時に埋め込むこともできることを特徴とする固着具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008081903A JP2009204152A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 固着具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008081903A JP2009204152A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 固着具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009204152A true JP2009204152A (ja) | 2009-09-10 |
Family
ID=41146625
Family Applications (1)
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JP2008081903A Pending JP2009204152A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 固着具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2008
- 2008-02-28 JP JP2008081903A patent/JP2009204152A/ja active Pending
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