JP2011132966A - インサートナット - Google Patents

インサートナット Download PDF

Info

Publication number
JP2011132966A
JP2011132966A JP2009289920A JP2009289920A JP2011132966A JP 2011132966 A JP2011132966 A JP 2011132966A JP 2009289920 A JP2009289920 A JP 2009289920A JP 2009289920 A JP2009289920 A JP 2009289920A JP 2011132966 A JP2011132966 A JP 2011132966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
claws
anchor member
hole
insert nut
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009289920A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuaki Taya
泰明 田家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TANGE SEISAKUSHO KK
Original Assignee
TANGE SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TANGE SEISAKUSHO KK filed Critical TANGE SEISAKUSHO KK
Priority to JP2009289920A priority Critical patent/JP2011132966A/ja
Publication of JP2011132966A publication Critical patent/JP2011132966A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dowels (AREA)

Abstract

【課題】プレス工程により小型軽量のものを生産性よく製造することができ、基材への組み込みも容易で、雄ネジのネジ込トルクに対する回り止め、雄ネジの引抜抗力が強く、廃棄時の基材から分離を容易にする。
【解決手段】インサートナットは、基材19の穴20に嵌合されるアンカー部材11と、このアンカー部材11の中に嵌め込まれる雌ネジ部材15とを有する。アンカー部材11は、周囲に基材19の穴20に挿入される複数の弾力を有する爪13、13’を有する。雌ネジ部材15はアンカー部材11の爪13、13’の中に嵌め込まれると共に、内周に雄ネジ18が螺合される雌ネジを有し、外周に雄ネジ18の締め付けにより前記アンカー部材11の爪13、13’の先端のエッジ14、14’が基材19の穴20の周壁に食い込むよう押し広げるテーパ面16を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック部品やアルミニウム部品等に雄ネジを立てるためにその部品の表面に設けられた穴に嵌合して使用され、内周に雌ネジのネジ溝を形成したインサートナットに関し、特に小径のものでもプレス加工により生産性よく製造することが出来、製品の解体時に基材からの分離性が良好で、且つネジとしての耐久性の高いインサートナットに関する。
プラスチック基板やプラスチック製のハウジング等の基材に雄ネジを立てる場合、ネジの加工性を良好にし、且つネジ山の強度を確保するため、円筒形の部材の内周に雌ネジのネジ溝を加工したいわゆるインサートナットが使用される。このインサートナットは、プラスチック部材等の基材の表面に設けた穴に埋め込まれることによってネジ穴が形成され、その中に雄ネジが締め付けられる。
従来におけるこのようなインサートナットは、真鍮を円筒形に加工したものの内周にネジをタッピングしたものが使用され、その外周には基材の穴の中で回転したり抜けないようにするため、外周面に凹凸を設けたものである。多くのものはソリッド状の部材から切削等の機械加工を経て製造される。
前記従来のインサートナットでは、真鍮等の母材を切削等の機械加工を経て作られるため、母材に対する完成品の容積の割合が50%以下と少なく、材料の歩留まりが極めて悪い。また、切削等の機械加工を経て作られるため、製造に手数がかかりコスト高になるという課題がある。さらに、インサートナットを基材の穴に嵌合するのに、木づちで叩いて強引に嵌め込んだり、プレスで圧入する或いは超音波圧入や加熱圧入する必要がある等、インサートナットを基材の穴に組み込むのにも設備や圧力エネルギを必要とし、やはりコスト高になるという課題がある。特に、最近のハウジングや基板は薄くなっているため、破損の危険性が高くなっており、慎重に作業を行う必要がある。
また近年では、工業製品のリサイクル化の要請が高まっている。インサートナットは多くの工業製品に使用されているが、その製品が廃棄されるとき、金属製品であるインサートナットとそれが埋め込まれたプラスチック等の基材との分離が困難である。具体的には、プラスチック製の基材を加熱し、インサートナットを強制的に抜き取るか、或いはプラスチック製の基材を破壊してインサートナットを分離する以外に手だてはなく、分別回収に多くのエネルギを費やしている。
従来のインサートナットとしては、例えば下記特許文献5として挙げた特開2002−295436号公報に記載されたもののように、脚部に返しとなる係止爪を設け、これを基材の穴に嵌め込んだ時、この係止爪が穴の周壁に掛かるようにしたものが提案されている。しかしながら、このようなインサートナットでは、脚部の弾力によってのみその係止爪が基材の穴の周壁に掛かるため、固定力が弱く、ネジによる十分な締付力を得ることが出来ない。小径の雄ネジをインサートナットにより基材に立てる場合は、雌ネジ側のインサートナットも当然小型化しなければならない。前記のようなインサートナットでは、小形化した場合に、雄ネジのネジ込み回転トルクに対する回り止め、雄ネジの引き抜きに対する抗力を得ることが困難である。
他方、下記特許文献3として挙げた特開2005−172081号公報に記載されたインサートナットのように、ネジがネジ込まれる雌ネジを有する筒状の本体に爪を設け、この爪がネジの締め付けに伴って穴の周壁に食い込むようにしたものも提案されている。このインサートナットでは、ネジの締め付けに伴って爪が穴の周壁に強く食い込むため、ネジの締め付けも強くすることが出来る。
しかし、ネジを内径の小さなインサートナットに押し込むことになるため、ネジの締め付けに対する抵抗力が大きく、いわゆるネジのカジリ等の障害が発生しやすい。また、ネジを抜いた後のインサートナットの復元がなされにくいため、製品を分解する時にインサートナットを基材から取り外しにくい。さらに、本体が円筒状であるため、爪が穴の周壁に食い込んで固定される前の時点では、ネジ締めトルクによりインサートナットが回転する、いわゆる共回りが起こりやすく、ネジ締めの作業性も悪い。
特開2007−46766号公報 特開2005−273839号公報 特開2005−172081号公報 特開2004−270739号公報 特開2002−295436号公報 特開2002−285641号公報 特開2002−147426号公報
本発明は、前記従来のインサートナットにおける課題に鑑み、簡単なプレス工程により生産性よく製造することができ、小型化や軽量化が可能であり、基材の穴への組み込みも容易であり、さらに雄ネジのネジ込み回転トルクに対する回り止め、雄ネジの引き抜きに対する抗力が強い一方で、製品の廃棄時には、プラスチック製等の基材から簡単に分離することが可能なインサートナットを提供することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、基材19に設けた穴20に対して固定力を発揮するための爪13、13’を有するアンカー部材11と、雄ネジ18がネジ込まれる雌ネジ部材15とを別体の2部品とし、アンカー部材11の爪13、13’の中に雌ネジ部材15を嵌め込み、この雌ネジ部材15に雄ネジ18を螺合し、締め付けることで、雌ネジ部材15のテーパ面16でアンカー部材11の爪13、13’を穴20の中で押し広げ、爪13、13’の先端の先鋭なエッジ14、14’を穴20の周壁に食い込ませるようにした。
すなわち、本発明によるインサートナットは、基材19の穴20に嵌合されるアンカー部材11と、このアンカー部材11の中に嵌め込まれる雌ネジ部材15とを有する。このアンカー部材11は、周囲に基材19の穴20に挿入される複数の弾力を有する爪13、13’を有し、この爪13、13’は、外側に向けて先鋭なエッジ14、14’を有する。雌ネジ部材15はアンカー部材11の爪13、13’の中に嵌め込まれると共に、内周に雄ネジ18が螺合される雌ネジを有し、外周に雄ネジ18の締め付けにより前記アンカー部材11の爪13、13’のエッジ14、14’が基材19の穴20の周壁に食い込むよう爪13、13’を押し広げるテーパ面16を有する。
このインサートナットでは、雄ネジ18がアンカー部材11の爪13、13’の中に嵌め込まれた雌ネジ部材15に螺合され、締め付けられることにより、アンカー部材11の爪13、13’が雌ネジ部材15のテーパ面16で押し広げられ、そのエッジ14、14’が基材19の穴20の周壁に食い込む。このため、アンカー部材11が基材19の穴20に強く固定され、雄ネジ18による十分な締め付け力が得られる。
他方、雄ネジ18による雌ネジ部材15の締め付け力を緩めると、雌ネジ部材15のテーパ面16によるアンカー部材11の爪13、13’を広げる力が除かれるため、アンカー部材11の爪13、13’がその弾力により復帰し、アンカー部材11を基材19の穴20から容易に抜き取ることが出来る。
アンカー部材11を、その複数の爪13、13’により形成される平面外形がほぼ多角形とし、この複数の爪13、13’が嵌合される基材19の穴20の平面形状もアンカー部材11の爪13、13’に対応する多角形とする。これにより、雄ネジ18の締め付け時に雄ネジ18に加える締め付けトルクにより、アンカー部材11が共回りしない。すなわち、雄ネジのネジ込み回転トルクに対する回り止め機能が得られる。
アンカー部材11が板状部材を折り曲げて形成されるので、プレス加工により容易に製造することが出来る。アンカー部材11の爪13、13’の基部にフランジ12を有することにより、基材19の穴20に嵌め込んだ時に、フランジ12がアンカー部材11の爪13、13’の嵌め込み深さを一定にする。
雌ネジ部材15は、アンカー部材11の爪13、13’の中に嵌め込まれた状態で爪13、13’を押し広げるためのテーパ面16とは逆の勾配を有する第二のテーパ面17を有する。これにより、雌ネジ部材15をアンカー部材11の爪13、13’の中に嵌め込んだ状態で、雌ネジ部材15がアンカー部材11の爪13、13’に対して抜け止めとなり、その爪13、13’の中から抜けないため、基材19の穴20への組み込みが容易となる。
このような本発明によるインサートナットを適用する効果は、幾つかあるが、特に技術的な効果としては次の通りである。
大小に関係なく製作可能であり、特に1.0φ等の極小のものでも製作が可能である。アンカー部材11と雌ネジ部材15との2部品からなるにもかかわらず現状の熱圧入インサートナットと同程度の大きさである。順送プレス加工にてアンカー部材11と雌ネジ部材15とが自動生産できるため高い生産性が得られる。雌ネジ部材15がアンカー部材11の中に嵌め込まれ、2部品が一体となっているため、モールド基材への挿入時、ネジ締めの作業性が良い。平面形状が多角形とすることにより、雄ネジのネジ込み回転トルクに対する回り止めがなされ、ネジ締結時に共回り現象を防ぐ事ができる。モールド成型される樹脂等からなる基材19の穴20に軽く挿入できる。この時、熱及び超音波等を使用しないため大掛かりな設備や大きなエネルギーを必要とせず、低炭素化が図れる。アンカー部材11と雌ネジ部材15との2部品としたことにより、ネジを締める力と爪を外に拡張する力が分離され、ネジのカジリ等のトラブルのリスクが低減する。雌ネジ部材15のテーパー面16のテーパ(勾配)を変えることによりアンカー部材11の爪13、13’の拡張力を変える事ができる。ネジ締め時、フランジ12を有するため基材19の穴20が深くても必要以上に深く嵌合されることが無い。ネジ締結後、雄ネジ18に常に軸方向の引っ張り力が働くため、雄ネジ18の緩み防止の機能も備える。アンカー部材11の爪13、13’がバネ性を有することにより、雄ネジ18を緩めた時、爪13、13’が戻るため、簡単に基材19の穴20から分離することができ、リサイクル性に優れる。
本発明のインサートナットの一実施例を示す雄ネジとインサートナットとが分離した状態の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示す雄ネジをインサートナットに螺合した状態の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示す雄ネジをインサートナットに締め付けた状態の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示すインサートナットのアンカー部材の平面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示すインサートナットのアンカー部材の底面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示すインサートナットのアンカー部材の縦断正面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示すインサートナットのアンカー部材の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示すインサートナットのアンカー部材の半完成品の平面図である。 本発明のインサートナットの一実施例を示すインサートナットの雌ネジ部材の平面図(A)と縦断側面図(B)である。 本発明のインサートナットの一実施例を示す組み立てたインサートナットと基材の穴の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの他の実施例を示す雄ネジとインサートナットとが分離した状態の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの他の実施例を示す雄ネジをインサートナットに螺合した状態の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの他の実施例を示す雄ネジをインサートナットに締め付けた状態の縦断側面図である。 本発明のインサートナットの他の実施例を示す組み立てた状態のインサートナットの縦断側面図である。 本発明のインサートナットの他の実施例を示す組み立てたインサートナットを基材の穴に差し込み、固定した状態の縦断側面図である。
本発明では、基材19に設けた穴20に対して固定力を発揮するための爪13、13’を有するアンカー部材11と、雄ネジ18がネジ込まれる雌ネジ部材15とを別体とし、アンカー部材11の爪13、13’の中に雌ネジ部材15を嵌め込み、雄ネジ18の締め付けにより、雌ネジ部材15のテーパ面16でアンカー部材11の爪13、13’を穴20の中で押し広げ、その先端の先鋭なエッジ14、14’で穴20に固定するようにした。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、インサートナットは、基材19の穴20に嵌合されるアンカー部材11と、このアンカー部材11の中に嵌め込まれる円筒形の雌ネジ部材15とを有する。まず、これらインサートナットの構成部材であるアンカー部材11と雌ネジ部材15についてそれぞれ説明する。
まず、図4〜図7によりインサートナットのアンカー部材11について説明する。これの図に示すように、アンカー部材11は、フランジ12を有し、この一面から爪13、13’が延設されている。フランジ12の中心には、後述する雄ネジ18を通すための孔23が設けられている。また、このフランジ12の対向する一対の辺の間隔は、対向する他方の対の辺の間隔より広い。すなわち図4と図5において左右に対向する一対の辺の間隔は、同図において上下に対向する他方の対の辺の間隔より広い。
アンカー部材11の爪13、13’は何れも同じ形状の矩形の板状であって、それらは前記孔23を含むアンカー部材11の中心を四方に囲むように平行に延設されている。隣り合う爪13、13’は、互いに90゜の角度をなして隣接している。爪13、13’の先端は外側に向け曲げられ、且つその先端縁は鋭く形成され、先鋭なエッジ14、14’となっている。図6と図7に示すように、アンカー部材11の爪13、13’の先端側は、予めやや内側に曲げられた状態となっている。
このようなアンカー部材11は、弾性を有する板状の金属材料をプレス加工により打ち抜くと共に折り曲げて作られる。例えば、弾性を有する板状の金属材料を、まず図8に示すような形状にプレス加工により打ち抜く。この状態では爪13、13’は、図8において上下に2つずつ横に連なって配置される。さらにプレス加工により、爪13、13’の先端縁にそれぞれエッジ14、14’が形成される。また、爪13’とフランジ12との境界線で爪13、13’がフランジ12に対して90゜折り曲げられる。さらに、爪 13と爪13’との連結部分で爪 13が爪13’に対して内側に90゜折り曲げられる。これにより、前述した図4〜図7に示すようなアンカー部材11となる。
図8に示すように、個々のアンカー部材11の実際の製造工程では、二点鎖線で示すような長尺な板状の金属材料からプレス加工により成型すると共に、打ち抜いて分離することにより作られる。まず、図8に二点鎖線で示すような長尺な板状の金属材料からアンカー部材11の個々のブランクがフランジ12の部分で同図において左右に連なるように打ち抜かれ、最終的にフランジ12の部分が1個ずつのアンカー部材11に切り離される。この過程で爪13、13’にエッジ14、14’が形成されると共に、爪13、13’が前述のようにそれぞれ折り曲げられる。アンカー部材15を製作するための金属材料としては、爪13、13’にバネ性を持たせる観点から、弾性係数が比較的高く、プレス材としての加工性も良好なステンレス等のような材料が適当である。
次に図9により、インサートナットの他方の構成部材である雌ネジ部材15について説明する。この雌ネジ部材15は、図9(A)に示すように平面がほぼ正方形の部材で、図9(B)に示すように内周側に雌ネジが設けられている。外周側には、上下にテーパ面16、17が設けられている。これらテーパ面16、17は、雌ネジ部材15の中間部の外面の対向幅が小さく、その両端側の外面の対向幅が次第に大きくなるようなテーパ(勾配)を有している。すなわち、テーパ面16、17は、雌ネジ部材15の両端側において互いに逆のテーパ(逆勾配)である。雌ネジ部材15の図9において下端付近は、テーパ面16側の外面の対向幅が最大の部分であり、その先は部分的に外面の対向幅が均一なストレート部25となっている。この雌ネジ部材15の最も外面の対向幅が大きいのがこのストレート部25であり、その外面の対向幅は、前記アンカー部材11の爪13、13’がほぼ真っ直ぐになった時の先端間隔とほぼ等しい。他方のテーパ面17の外面の最大対向幅は前記ストレート部25の外面の最大対向幅より小さい。
このような雌ネジ部材15もまた、金属材料を打ち抜くと共に、塑性加工を施すプレス加工か或いは鍛造等により作ることが出来る。この加工の過程で外周側に前記のテーパ面16、17が形成されると共に、内周側に雌ネジが形成される。雌ネジ部材15を製作するための金属材料としては、真鍮やアルミニウム等が適当である。
次に、図10によりアンカー部材11と雌ネジ部材15との組み立てについて説明する。予めやや内側に曲げられたアンカー部材11の爪13、13’の先端側を、その弾力に抗して押し広げながら、図10で二点鎖線で示す位置から実線で示すように、雌ネジ部材15をそのテーパ面17側から爪13、13’の間に嵌め込む。その後爪13、13’の先端側がその弾力でやや内側に曲がった状態に復帰することにより、爪13、13’により雌ネジ部材15のテーパ面17の部分が挟持され、雌ネジ部材15がアンカー部材12を保持する。これによりアンカー部材11と雌ネジ部材15の組み立てが完了する。この状態ではアンカー部材11の爪13、13’の中に雌ネジ部材15のテーパ面17の部分が挟持され、雌ネジ部材15がアンカー部材12から落ちないように保持されている。
図10は、前記のアンカー部材11と雌ネジ部材15と共に、組み立てたインサートナットを差し込む基材19の穴20も示している。この穴20は、アンカー部材11の爪13、13’の平面配置形状に合わせた平面正方形の有底穴であり、その対向する壁の間隔は、アンカー部材11の爪13、13’の間隔外側寸法とほぼ等しい。図10の例では、穴20の開口部に穴20より大きな浅い座ぐり状の座部22を設けている。この座部22は、アンカー部材11のフランジ12を嵌め込むためのものである。
前述のようにして組み立てられたインサートナットが基材19の穴20に組み込まれた状態を図1に示す。雌ネジ部材15が組み込まれたアンカー部材11の爪13、13’の部分を基材19の穴20の中に嵌合し、アンカー部材11のフランジ12を穴20の座部22に嵌め込む。この際、アンカー部材11の爪13、13’の中に雌ネジ部材15が落ちないように保持されているので、簡単にインサートナットを基材19の穴20に組み込むことが出来る。
次にこの状態から図2に示すように、基材19に固定しようとする部品21を、その孔24をアンカー部材11の孔23に位置合わせして設置し、それらの孔24、23から雄ネジ18を通し、これを雌ネジ部材15に螺合する。続いて雄ネジ18を雌ネジ部材15に締め付けていくと、図3に示すように、雌ネジ部材15がアンカー部材11の爪13、13’の中を図3において上方に移動し、その図3において下側のテーパ面16でアンカー部材11の爪13、13’の先端側をその弾力に抗して押し広げる。これにより、アンカー部材11の爪13、13’の先端のエッジ14、14’が穴20の周壁に食い込み、係合する。
さらに雄ネジ18を雌ネジ部材15の雌ネジにしっかり締め付けると、アンカー部材11の爪13、13’の先端のエッジ14、14’が穴20の壁にしっかり食い込むと共に、雄ネジ18と雌ネジ部材15とにより部品21が締め付けられ、しっかりと固定される。これにより、基材19への部品21の固定が完了する。
他方、基材19から部品21を分離するときは、前述の手順とは逆に雄ネジ18を緩める。すると、図3の状態から図2の状態となり、雌ネジ部材15が図2において下降する。これにより、雌ネジ部材15の外面の対向幅が大きい下側のテーパ面16がアンカー部材11の爪13、13’の先端部分から外れ、外面の対向幅が小さいテーパ面17側がアンカー部材11の爪13、13’の先端部分に移動する。これにより、アンカー部材11の爪13、13’の先端がその弾力により復帰し、エッジ14、14’の穴20の壁面への食い込みが解除される。よってアンカー部材11をネジ部材15と共に基材19の穴20から容易に抜き取ることが出来る。この時も、アンカー部材11の爪13、13’の中に雌ネジ部材15のテーパ面17の部分が挟持され、アンカー部材11から雌ネジ部材15が落ちない。従って、アンカー部材11を穴20から引き抜くことで、簡単に雌ネジ部材15と共に回収することが出来る。
次に、図11〜図13に示されたインサートナットの他の実施例について説明する。この実施例では、前述したインサートナットに比べて雌ねじ部材15のテーパ面16の先のストレート部25を雌ネジの中心軸方向に長くとっている。この結果、図13に示すように、雄ネジ18をいっぱいに締め、雌ネジ部材15がアンカー部材11の爪13、13’の最も奥の位置に押し込められた状態では、雌ネジ部材15はそのストレート部25の部分が爪13、13’の先端で挟持される。
この状態では、仮に雄ネジ18を外したとしても、アンカー部材11の爪13、13’の先端のエッジ14、14’が基材19の穴20の周壁に食い込んだままなので、インサートナットが基材19の穴20から外れない。また雌ネジ部材15はそのストレート部25の部分がアンカー部材11の爪13、13’の先端で挟持され、アンカー部材11と雌ネジ部材15とが互いに保持された状態が維持される。
他方、雄ネジ18を緩め、雌ネジ部材15の頭部を先端側に押すと、図11、図12に示すように、雌ネジ部材15がアンカー部材11の爪13、13’に対して下方に戻る。これにより、アンカー部材11の爪13、13’の先端がその弾力により復帰し、エッジ14、14’の穴20の壁面への食い込みが解除される。よってアンカー部材11をネジ部材15と共に基材19の穴20から容易に抜き取ることが出来る。この時も、アンカー部材11の爪13、13’の中に雌ネジ部材15のテーパ面17の部分が挟持され、アンカー部材11から雌ネジ部材15が落ちない。従って、アンカー部材11を穴20から引き抜くことで、簡単に雌ネジ部材15と共に回収することが出来る。
図14は、基材19の穴20にインサートナットを組み込む前に、雌ねじ部材15を図14に二点鎖線に示し位置から実線で示したように、アンカー部材11に組み込んだ状態を示している。さらにこのようにしてアンカー部材11に雌ネジ部材15を組み込んだインサートナットを基材19の穴20に組み込む。この時、例えば雌ねじ部材15に雄ねじを仮締めし、図15に示すように、雌ねじ部材15をアンカー部材11の爪13、13’の最も奥に嵌め込んでおくと、雌ネジ部材15はそのストレート部25の部分が爪13、13’の先端で挟持される。
この状態では、その後仮締めした雄ネジ18を外したとしても、アンカー部材11の爪13、13’の先端のエッジ14、14’が基材19の穴20の周壁に食い込んだままなので、インサートナットが基材19の穴20から外れない。また雌ネジ部材15はそのストレート部25の部分がアンカー部材11の爪13、13’の先端で挟持され、アンカー部材11と雌ネジ部材15とが互いに保持された状態が維持される。従って、基材19の穴20にインサートナットを組み込んだ状態で基材19を移動等しても、移動中にインサートナットが基材19の穴20から脱落することが無く、また雌ネジ部材15もアンカー部材11から脱落しない。
以上の説明では、アンカー部材11の爪13、13’は、同アンカー部材11の四方を囲むように4片設けられ、これに対応して基材19の穴20も正方形とした。これは雄ネジ18の締め付けトルクに抗してアンカー部材11が同時に回転してしまう、いわゆる共回りを防ぐためである。従って、4片の爪13、13’と正方形の穴20でなくとも、穴20が円形以外であればよい。例えば多角形であればよい。基材19の多くはモールド成型品であり、その穴20は金型により成型されるため、そのような形状の穴20を設けることはに特に困難性はない。
本発明は、モールド成型品のネジで部品を固定するのに利用することが出来、例えばテレビジョン等の家庭用電気製品、携帯電話等の通信情報機器、自動車の樹脂部品等のネジ固定に広く適用することが出来る。組立性はもちろん、分離性にも優れるため、製品廃棄後のリサイクル時に樹脂部品と金属部品との分離回収を容易にする。
11 アンカー部材
12 アンカー部材のフランジ
13 アンカー部材の爪
13’ アンカー部材の爪
14 爪のエッジ
14’ 爪のエッジ
15 雌ネジ部材
16 雌ネジ部材のテーパ面
17 雌ネジ部材のテーパ面
18 雄ネジ
19 基材
20 基材の穴

Claims (4)

  1. 基材(19)の表面に設けた穴(20)に嵌合され、内周に雌ネジを有し、この雌ネジに雄ネジ(18)を締め付けるためのインサートナットであって、基材(19)の穴(20)に嵌合されるアンカー部材(11)と、このアンカー部材(11)の中に嵌め込まれる円筒形の雌ネジ部材(15)とを有し、このアンカー部材(11)は、周囲に基材(19)の穴(20)に挿入される複数の弾性を有する爪(13)、(13’)を有し、この爪(13)、(13’)は、外側に向けて先鋭なエッジ(14)、(14’)を有し、前記雌ネジ部材(15)はアンカー部材(11)の爪(13)、(13’)の中に嵌め込まれると共に、内周に雄ネジ(18)が螺合される雌ネジを有し、外周に雄ネジ(18)の締め付けにより前記アンカー部材(11)の爪(13)、(13’)のエッジ(14)、(14’)が基材(19)の穴(20)の周壁に食い込むよう爪(13)、(13’)を押し広げるテーパ面(16)を有することを特徴とするインサートナット。
  2. アンカー部材(11)は、その複数の爪(13)、(13’)が嵌合される穴(20)の平面形状がアンカー部材(11)の爪(13)、(13’)に対応する多角形であることを特徴とする請求項1に記載のインサートナット。
  3. アンカー部材(11)は、板状部材を折り曲げて形成され、その爪(13)、(13’)の基部にフランジ(12)を有することを特徴とする請求項1または2に記載のインサートナット。
  4. 雌ネジ部材(15)は、アンカー部材(11)の爪(13)、(13’)の中に嵌め込まれた状態で爪(13)、(13’)を押し広げるためのテーパ面(16)とは逆勾配の第二のテーパ面(17)を有し、この第二のテーパ面(17)がアンカー部材(11)の爪(13)、(13’)に対して抜け止めとなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインサートナット。
JP2009289920A 2009-12-22 2009-12-22 インサートナット Pending JP2011132966A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009289920A JP2011132966A (ja) 2009-12-22 2009-12-22 インサートナット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009289920A JP2011132966A (ja) 2009-12-22 2009-12-22 インサートナット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011132966A true JP2011132966A (ja) 2011-07-07

Family

ID=44345930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009289920A Pending JP2011132966A (ja) 2009-12-22 2009-12-22 インサートナット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011132966A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102965771A (zh) * 2012-11-14 2013-03-13 经纬纺织机械股份有限公司 精梳机锡林紧固装置
WO2016019917A1 (zh) * 2014-08-08 2016-02-11 杨东佐 一种收缩膨胀式紧固连接组件、收缩膨胀式紧固连接结构及连接方法
WO2016019915A1 (zh) * 2014-08-08 2016-02-11 杨东佐 一种收缩连接组件、收缩连接结构及连接方法
KR101811346B1 (ko) 2016-10-25 2017-12-26 김종원 서랍용 인서트 너트
KR101895222B1 (ko) * 2017-06-14 2018-09-05 김종원 서랍용 인서트 너트

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102965771A (zh) * 2012-11-14 2013-03-13 经纬纺织机械股份有限公司 精梳机锡林紧固装置
WO2016019917A1 (zh) * 2014-08-08 2016-02-11 杨东佐 一种收缩膨胀式紧固连接组件、收缩膨胀式紧固连接结构及连接方法
WO2016019915A1 (zh) * 2014-08-08 2016-02-11 杨东佐 一种收缩连接组件、收缩连接结构及连接方法
KR101811346B1 (ko) 2016-10-25 2017-12-26 김종원 서랍용 인서트 너트
KR101895222B1 (ko) * 2017-06-14 2018-09-05 김종원 서랍용 인서트 너트

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3032119B1 (en) Anti-loosening bolt assembly
US20160230800A1 (en) Part fitted with fastening member, and method of attaching the same
JP2011132966A (ja) インサートナット
US10495131B2 (en) Blind nut, a blind nut assembly and mounting structure thereof
US20210348643A1 (en) One-piece self-locking nut
JP5235237B1 (ja) 二重ナット
CN205036708U (zh) 一种防拆组合螺栓
GB2415759A (en) A threaded insert
US8409021B2 (en) Method for manufacturing fitting including blind nut and tap tool for use in this method
US8230574B2 (en) Method for inserting connecting elements in metal sheets and connection between a metal sheet and a connecting element
JP2017120096A (ja) 締結具及び締結構造
JP2005201409A (ja) ピアスナット
KR101715660B1 (ko) 석재시공 앙카 결합용 캡
JP2009281540A (ja) ブラインドタイプの固着具を被締結部材に締結する方法
KR200461502Y1 (ko) 파이프 마개
JP3185628U (ja) 締結部品及びその締結治具
JP3199352U (ja) 緩み止め機能付ナット
JP2006183726A (ja) インサートブッシュ
JP2012036929A (ja) ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ
KR102127681B1 (ko) 확장형 앙카볼트
JP2013087946A (ja) インサートナット及びその取り付け方法
CN214998684U (zh) 外牙式膨胀螺丝
WO2016199191A1 (ja) 接合構造、接合方法及び組立家具
JP2005172081A (ja) インサートブッシュ
JP6599500B2 (ja) 固定構造