JP2009203955A - 空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リフト量変更機構を備えた内燃機関にあって混合気の空燃比を精度良く所望の比率に制御することのできる空燃比制御装置を提供する。
【解決手段】フィードバック制御の実行条件の成立時に、実行条件の未成立時に用いられる上限リフト量を含む大リフト領域であるときと実行条件の成立時にのみ用いられる下限リフト量であるときとにおいて各別に、フィードバック補正量とその基準値との定常的な乖離量を乖離量学習値として学習する。リフト量VLおよび乖離量学習値に基づいて乖離量補正値を求め、同乖離量補正値によって燃料噴射量指令値を増減補正する。大リフト領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がないときに(S301:NO)、大リフト領域から他のリフト量領域への移行を禁止して大リフト領域以外の領域に移行することのない範囲でのリフト量VLの変更制御を実行する(S302〜S304)。
【選択図】図12

Description

本発明は、吸気バルブのリフト量を変更するリフト量変更機構を備えた内燃機関に適用されて空燃比制御を実行する空燃比制御装置に関するものである。
通常、内燃機関では、その排気通路に設けられた排気浄化用の触媒によって排気成分の浄化が行われる。この排気浄化触媒による排気成分の浄化は、内燃機関で燃焼される混合気の空燃比が所定の範囲内にある場合に効率よく行われる。そこで排気通路に排気の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサを設け、このセンサの出力信号に基づいて混合気の実空燃比を検出し、この検出された実空燃比が目標空燃比になるように燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御が行われる。
このフィードバック制御は、内燃機関の運転開始後に、例えば同内燃機関の温度が十分に高くなったことなどといった所定の実行条件が成立したことを条件に実行される。この実行条件が未成立であるときには、センサの出力信号によることなく、内燃機関の運転状態に基づく見込み制御が実行されて、燃料噴射量が調節される。
一方、特許文献1に記載の装置のように、内燃機関に、吸気バルブのリフト量(詳しくは、最大リフト量)を変更するリフト量変更機構を設けることが提案されている。こうした装置では、所望のリフト量と実際のリフト量とが一致するようにリフト量変更機構の作動が制御される。これにより、そのときどきの機関運転状態に適したリフト量となるように吸気バルブが開閉される。
特開2001−263015号公報
ところで、吸気バルブのリフト量には取り付け誤差等の影響による個体差があるため、内燃機関における吸気通路および燃焼室の連通部分の通路面積はその基準面積と若干異なる。また機関運転に伴って吸気バルブにデポジットが付着することがあり、この場合には上記通路面積が変化して同通路面積とその基準面積とが異なったものとなる。そして、そうした通路面積の相違は吸気量の調節精度、ひいては混合気の空燃比の調節精度を低下させる一因となる。前述したフィードバック制御の実行される内燃機関では基本的に、同フィードバック制御を通じて上記通路面積の相違に起因する空燃比の変化分が補償されて、空燃比の調節精度の低下が回避される。
ただし、リフト量変更機構の設けられた内燃機関では上記通路面積とその基準面積とが相違した場合に、その相違に起因する空燃比の変化分が同リフト量変更機構の作動態様によって異なったものとなる。そのためリフト量変更機構の作動態様がそのときどきの機関運転状態に見合う態様になるように頻繁に変更される場合には、その変更に伴って上記空燃比の変化分についてもこれが頻繁に変化する。したがって上記特許文献1に記載の装置のように、単にセンサの信号に基づいてフィードバック制御を実行した場合には、そうした高頻度での作動態様の変更に追従することができなくなって、その変更に伴う空燃比の変化分を的確に補償することができなくなるおそれがある。
特に、前記実行条件が未成立であるときにはフィードバック制御が実行されないために、前記見込み制御を通じて調節される燃料噴射量が上記通路面積に見合う量からずれた量である場合には、実空燃比が目標空燃比から乖離した状態になり、排気性状が常に悪くなる。
こうした排気性状の悪化は、次のような学習処理を通じて抑えることが可能になる。すなわち、フィードバック制御の実行時には、実行条件が未成立であるときに用いられるリフト量領域において設定される補正量とその基準値との定常的な乖離量を学習値として学習する。そして、フィードバック制御の未実行時には、上記学習値に基づく見込み制御を実行する。
しかしながら、こうした学習処理を実行しても、バッテリ交換などによって学習値が不要にリセットされると、内燃機関が始動された場合に、その後において実行条件が成立してフィードバック制御の実行が開始され、更には学習値が適切な値に更新されるまでの長期にわたって排気性状が悪化した状態が続いてしまう。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リフト量変更機構を備えた内燃機関にあって混合気の空燃比を精度良く所望の比率に制御することのできる空燃比制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、吸気バルブのリフト量を変更するリフト量変更機構と排気の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサとを有する内燃機関に適用されて、機関運転開始後に実行条件が未成立であるときには機関運転状態に基づく見込み制御を通じて燃料噴射量指令値を設定し、前記実行条件の成立時には前記センサの出力値に基づき算出される補正量によるフィードバック制御を通じて前記燃料噴射量指令値を設定する空燃比制御装置において、前記実行条件の成立時に、前記リフト量が前記実行条件の未成立時に用いられる特定のリフト量を含む第1のリフト量領域であるときと前記実行条件の成立時にのみ用いられる領域であり前記第1のリフト量領域より小リフト量側の第2のリフト量領域であるときとにおいて各別に、前記補正量とその基準値との定常的な乖離量を乖離量学習値として学習するとともに、該乖離量学習値に基づいて前記乖離量と前記リフト量との関係を求めて記憶する学習手段および、前記リフト量に基づいて前記記憶した関係から乖離量補正値を求めるとともに、該求めた乖離量補正値によって前記燃料噴射量指令値を増減補正する補正手段および、前記実行条件の成立時に前記第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がないときに、前記第1のリフト量領域から他のリフト量領域への移行を禁止するとともに同第1のリフト量領域における前記リフト量の変更制御を実行する実行手段を備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、前記補正量のその基準値からの定常的な乖離量を吸気バルブのリフト量に応じて学習して燃料噴射量指令値の設定に用いることができる。そのためリフト量変更機構が設けられているとはいえ、その作動態様の相違による空燃比への影響分を上記乖離量補正値による増減補正を通じて抑えつつ、フィードバック制御や見込み制御による燃料噴射量の調節を通じて混合気の空燃比を所望の比率に調節することができる。
リフト量の個体差や吸気バルブへのデポジットの付着に起因して生じる前記乖離量は、リフト量が大きい側の領域(特定リフト量領域)においては、同リフト量が変化してもさほど変化しない。そのため、吸気バルブのリフト量の変更制御が実行される場合であっても、同リフト量が特定リフト量領域であれば、このときの前記乖離量を同第1のリフト量領域、すなわち見込み制御の実行時における乖離量として精度良く学習することが可能である。この点、上記構成では、見込み制御の実行時に用いられる特定のリフト量を含む第1のリフト領域がそうした大リフト量側の領域に設定され、乖離量学習値が不要にリセットされる等して第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がない場合には、第1のリフト量領域から他のリフト量領域への移行が禁止される。そのため、直後における機関運転に際して第1のリフト量領域であるときの乖離量の学習を最優先で実行して完了させることができる。これにより、同学習が完了する前に機関運転が停止されて、次回の機関運転における見込み制御の実行時において排気性状が常に悪い状態になってしまうといった不都合の発生を抑えることができる。
したがって上記構成によれば、リフト量変更機構を備えた内燃機関にあって混合気の空燃比を精度よく所望の比率に制御することができる。
しかも上記構成では、第1のリフト量領域から他のリフト量領域への移行が禁止される期間において、第1のリフト量領域、言い換えれば大リフト量側の領域に設定されているために吸気バルブのリフト量を変更した場合における乖離量の学習に対する影響が小さいリフト量領域における同リフト量の変更制御の実行が許容される。これにより、第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がない場合に、同乖離量を高い精度で学習しつつ、リフト量の変更についての自由度を高くすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空燃比制御装置において、前記内燃機関は前記吸気バルブのバルブタイミングを変更する吸気バルブタイミング変更機構を更に有し、前記実行手段は、前記リフト量の変更制御に合わせて、同リフト量に基づく前記吸気バルブのバルブタイミングの変更制御を実行することをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の空燃比制御装置において、前記内燃機関は排気バルブのバルブタイミングを変更する排気バルブタイミング変更機構を更に有し、前記実行手段は、前記リフト量の変更制御に合わせて、同リフト量に基づく前記排気バルブのバルブタイミングの変更制御を実行することをその要旨とする。
第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がないとき、言い換えれば吸気バルブのリフト量が大きいときには、同吸気バルブの弁体と弁座との間隙が大きく、内燃機関の燃焼室の内部に流入する空気の流速が遅いために、燃焼状態の悪化による機関トルクの低下を招きやすい。
吸気効率を高めて燃料消費率の向上を図るために、機関バルブ(吸気バルブや排気バルブ)の開閉時期(バルブタイミング)を変更するバルブタイミング変更機構を内燃機関に設けることが多用されている。そうした内燃機関では、第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がなく吸気バルブのリフト量が大きいときに機関バルブのバルブタイミングを、例えば吸気バルブのリフト量を除く機関パラメータに基づいて変更する等、吸気バルブのリフト量によることなく変更することが考えられる。この場合には、機関バルブの実際のバルブタイミングと機関運転状態に見合うバルブタイミングとが一致しないことによる燃焼状態の悪化を招くなど、かえって機関トルクを低下させてしまうおそれがある。
この点、請求項2または3に記載の構成によれば、第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がないときに、吸気バルブのリフト量に応じて同吸気バルブ(請求項2)や排気バルブ(請求項3)のバルブタイミングが変更されるようになり、機関トルクの不要な低下を抑えつつ燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、前記内燃機関は、吸気通路の通路断面積を変更するスロットルバルブを更に有してなり、該スロットルバルブの開度制御と前記吸気バルブのリフト量の変更制御との協働制御を通じて吸気量が調節されるものであることをその要旨とする。
吸気バルブのリフト量の変更を通じて吸気量が調節される内燃機関は、スロットルバルブの開度の変更のみを通じて吸気量を調節する内燃機関と比べて、必要とされる吸気量が少ないときにおけるポンピングロスの低減を図ることが可能であり、その分だけ燃料消費量を低減することができる。そのため、リフト量変更機構を備えた内燃機関では、必要とされる吸気量が少ないときほど吸気バルブのリフト量が小さくなるように設定される。また、そうした内燃機関の冷間運転時において、吸気バルブのリフト量を大リフト量側の特定のリフト量に固定するとともに、スロットルバルブの開度変更を通じて吸気量を調節するものが提案されている。こうした内燃機関に前記請求項1〜3のいずれかに記載の構成が適用されると、必要とされる吸気量がごく多いときおよび冷間運転時においてのみ吸気バルブのリフト量が第1のリフト量領域に設定されることとなるために、同第1のリフト量領域であるときの乖離量の学習を実行可能な期間がごく短くなってしまう。
上記構成によれば、そうした内燃機関にあって混合気の空燃比を所望の比率に調節することができ、しかも第1のリフト量領域であるときの乖離量の学習が完了する前に機関運転が停止されて、次回の機関運転における見込み制御の実行時において排気性状が常に悪い状態になってしまうといった不都合の発生を抑えることができる。
なお、前記特定のリフト量としては、請求項5によるように、大リフト量側の制御限界リフト量を採用することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、前記内燃機関はその排気通路に排気浄化触媒が設けられてなり、前記センサは前記排気通路における前記排気浄化触媒より排気流れ方向下流側に設けられてなることをその要旨とする。
排気浄化触媒による排気成分の浄化状態を把握するために、同排気浄化触媒の下流側に排気の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサを設け、同センサの出力信号に基づいて燃料噴射量指令値をフィードバック制御する装置が知られている。上記構成によれば、そうしたフィードバック制御を実行する装置にあって、混合気の空燃比を精度よく所望の比率に制御することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の空燃比制御装置において、前記排気通路における前記排気浄化触媒より排気流れ方向下流側に加えて、排気流れ方向上流側にも排気の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサが設けられ、前記空燃比制御装置は、前記実行条件の成立時に、前記フィードバック制御の実行に併せて前記上流側のセンサの出力値に基づく前記燃料噴射量指令値の増減補正を実行することをその要旨とする。
排気流れ方向上流側のセンサの出力信号に基づく燃料噴射量指令値の増減補正(メインフィードバック制御)を実行するとともに、排気流れ方向下流側のセンサの出力信号に基づく補正量による燃料噴射量指令値のフィードバック制御(サブフィードバック制御)を実行する装置が知られている。
上記構成によれば、そうした装置にあって、サブフィードバック制御の補正量のその基準値からの定常的な乖離量を吸気バルブのリフト量に応じて学習して燃料噴射量指令値の設定に用いることができ、メインフィードバック制御およびサブフィードバック制御による燃料噴射量の調節、あるいは見込み制御による燃料噴射量の調節を通じて混合気の空燃比を所望の比率に調節することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の空燃比制御装置において、前記内燃機関は多気筒内燃機関であり、前記上流側のセンサは全気筒共通のものが一つ設けられることをその要旨とする。
多気筒内燃機関では、燃料噴射バルブの個体差や吸気バルブへのデポジット付着などに起因して、気筒間における混合気の空燃比にばらつきが生じることが避けられない。そして、全気筒共通の上流側センサの出力信号に基づいて燃料噴射量指令値を増減補正する場合には、そうしたばらつきが、排気浄化触媒の上流側における排気の性状を理論空燃比近傍の比率に対応する性状に調節する際の調節精度の向上を阻む一因となる。したがって多気筒内燃機関では、下流側センサの出力値とその基準値との差、ひいては吸気バルブのリフト量の変更に伴う空燃比の変化分が大きくなり易いと云える。
上記構成によれば、そうした多気筒内燃機関に適用される装置にあって、混合気の空燃比を精度よく所望の比率に制御することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、前記補正手段は、前記第1および第2のリフト量領域と前記リフト量との関係に基づいて、前記第1および第2のリフト量領域について各別に学習した乖離量学習値から補間して前記乖離量補正値を算出することをその要旨とする。
上記構成によれば、リフト量領域を細かく設定するとともにそれら領域毎に乖離量を求めてこれを学習値として設定する構成と比較して、低い学習頻度をもって広いリフト量領域にわたり前記関係を学習することができる。
なお、前記乖離量補正値の算出に用いる補間手法としては、予め設定された換算係数による補間手法や、線形補間手法を採用することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、前記学習手段は、前記第1のリフト量領域および前記第2のリフト量領域を含む予め設定された前記リフト量についての複数の領域毎に、前記乖離量学習値を学習してこれを記憶するものであり、前記補正手段は、前記リフト量に基づいて前記複数の領域のいずれかを選択するとともに該選択した領域に対応する乖離量学習値を前記乖離量補正値として求めることをその要旨とする。
上記構成によれば、吸気通路および燃焼室の連通部分の通路面積とその基準面積とが相違する場合に、その相違による空燃比への影響が異なる複数のリフト量領域について各別に前記乖離量を学習して、これを燃料噴射量指令値の設定に用いることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、前記実行条件は、前記内燃機関の温度が所定温度以上であることを判断するための条件を含むことをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関の冷間運転時においては見込み制御が実行される一方、同内燃機関の温度が所定温度以上になるとフィードバック制御が実行される内燃機関にあって、混合気の空燃比を所望の比率に調節することができる。
なお内燃機関の温度としては、同温度を直接検出して用いることの他、その指標値として機関冷却水の温度やオイルの温度を検出してこれを用いることができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる空燃比制御装置の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11にはスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12には、スロットルモータ13が連結されている。そして、このスロットルモータ13の駆動制御(スロットル制御)を通じてスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室14内に吸入される空気の量が調節される。また、上記吸気通路11には燃料噴射バルブ15が設けられている。この燃料噴射バルブ15の駆動制御(燃料噴射制御)を通じて吸気通路11内に燃料が噴射される。更に、内燃機関10の排気通路16には排気浄化触媒17が設けられている。
内燃機関10の燃焼室14においては、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火プラグ18による点火が行われる。この点火動作によって混合気が燃焼してピストン19が往復移動し、クランクシャフト20が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室14から排気通路16に送り出され、上記排気浄化触媒17を通じて浄化された後に同排気通路16外へと放出される。
内燃機関10において、吸気通路11と燃焼室14との間は吸気バルブ21の開閉動作によって連通・遮断される。そして、この吸気バルブ21はクランクシャフト20の回転が伝達される吸気カムシャフト22の回転に伴って開閉動作する。一方、内燃機関10の燃焼室14と排気通路16との間は排気バルブ23の開閉動作によって連通・遮断される。そして、排気バルブ23はクランクシャフト20の回転が伝達される排気カムシャフト24の回転に伴って開閉動作する。
吸気カムシャフト22には吸気バルブタイミング変更機構25が設けられている。この吸気バルブタイミング変更機構25は、クランクシャフト20の回転角(クランク角)に対する吸気カムシャフト22の相対回転角を調節して、吸気バルブ21のバルブタイミングVTiを進角または遅角させるものである。なお、この吸気バルブタイミング変更機構25は、例えば油圧制御バルブなどのアクチュエータ26の作動制御(吸気バルブタイミング制御)を通じて同機構25に作用する油圧を制御することにより作動される。図2は、吸気バルブタイミング変更機構25の作動による吸気バルブ21のバルブタイミングの変更態様を示している。同図2から分かるように、このバルブタイミングVTiの変更では、吸気バルブ21の作用角(開弁されてから閉弁されるまでのクランク角)を一定に保持した状態で同吸気バルブ21の開弁時期および閉弁時期が共に進角または遅角される。
排気カムシャフト24には排気バルブタイミング変更機構27が設けられている。この排気バルブタイミング変更機構27は、クランク角に対する排気カムシャフト24の相対回転角を調節して、排気バルブ23のバルブタイミングVTeを進角または遅角させるものである。なお、この排気バルブタイミング変更機構27は、例えば油圧制御バルブなどのアクチュエータ28の作動制御(排気バルブタイミング制御)を通じて同機構27に作用する油圧を制御することにより作動される。また、排気バルブタイミング変更機構27の作動による排気バルブ23のバルブタイミングVTeの変更では、上述した吸気バルブ21の変更態様と同様に、排気バルブ23の作用角を一定に保持した状態で同排気バルブ23の開弁時期および閉弁時期が共に進角または遅角される。
更に、吸気バルブ21と吸気カムシャフト22との間にはリフト量変更機構29が設けられている。このリフト量変更機構29は、吸気バルブ21のリフト量VL(詳しくは、最大リフト量)を機関運転条件に応じて変更するものであり、電動モータ等のアクチュエータ30の作動制御(リフト量制御)を通じて作動する。図3に示すように、このリフト量変更機構29の作動により、吸気バルブ21のリフト量VLは開弁期間(作用角)と同期して変化し、例えば作用角が小さくなるほどリフト量VLも小さくなる。
本実施の形態の装置は、内燃機関10(図1)の運転状態を検出するための各種センサを備えている。そうした各種センサとしては、例えばクランクシャフト20の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ41や、吸気通路11を通過する吸入空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ42、アクセルペダル31の踏み込み量ACを検出するためのアクセルセンサ43が設けられている。また、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ44や、吸気バルブ21のリフト量VL(正確には、リフト量変更機構29の作動量)を検出するためのリフト量センサ45、機関冷却水の温度(冷却水温度THW)を検出するための温度センサ46が設けられている。更に、吸気バルブ21のバルブタイミングVTiを検出するための位置センサ47や、排気バルブ23のバルブタイミングVTeを検出するための位置センサ48が設けられている。その他、排気通路16における上記排気浄化触媒17より排気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)の部分(詳しくは、排気マニホールド)に設けられて排気の酸素濃度に応じた信号を出力する空燃比センサ49が設けられている。また、排気通路16における上記排気浄化触媒17よりも排気流れ方向下流側(以下、単に「下流側」)に設けられて排気の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素センサ50等も設けられている。
なお図4に示すように、内燃機関10は4つの気筒♯1,♯2,♯3,♯4を有するものであり、上記空燃比センサ49としては各気筒♯1〜♯4から延びる排気通路16が合流した部分(詳しくは排気マニホールド)に全気筒共通のものが設けられている。
上記空燃比センサ49は、周知の限界電流式酸素センサである。この限界電流式酸素センサは、濃淡電池式酸素センサの検出部に拡散律速層と呼ばれるセラミック層を備えることにより排気中の酸素濃度に応じた出力電流が得られるセンサであり、排気中の酸素濃度と密接な関係にある混合気の空燃比が理論空燃比である場合には、その出力電流が「0」になる。また、混合気の空燃比がリッチになるにつれて出力電流は負の方向に大きくなり、同空燃比がリーンになるにつれて出力電流は正の方向に大きくなる。したがって、この空燃比センサ49の出力信号に基づき、混合気の空燃比についてそのリーン度合いやリッチ度合いを検出することができる。
また酸素センサ50は、周知の濃淡電池式の酸素センサである。この濃淡電池式酸素センサからは排気の酸素濃度が、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときの濃度である場合には1ボルト程度の出力電圧が得られ、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときの濃度である場合には0ボルト程度の出力電圧が得られる。また濃淡電池式酸素センサの出力電圧は排気の酸素濃度が、混合気の空燃比が理論空燃比近傍であるときの濃度であるときに大きく変化する。したがって、こうした酸素センサ50の出力信号に基づき、排気浄化触媒17下流側の排気がリーンに対応する性状であるか、或いはリッチに対応する性状であるかを検出することができる。
この酸素センサ50は、排気浄化触媒17での排気浄化作用の状態を監視するために同排気浄化触媒17の下流側に設けられている。すなわち、排気浄化触媒17での還元作用が促進されており排気中に酸素が放出されているときには、酸素センサ50の出力信号がリーンに対応する値となる。一方、排気浄化触媒17での酸化作用が促進されており排気中の酸素が消費されているときには、酸素センサ50の出力信号がリッチに対応する値となる。こうした酸素センサ50の検出結果に基づいて排気浄化作用の状態が監視される。
本実施の形態の装置は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置40を備えている。この電子制御装置40は、各種センサの検出信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットル制御や燃料噴射制御、吸気バルブタイミング制御、排気バルブタイミング制御、リフト量変更制御等といった各種制御を実行する。
本実施の形態では、スロットル制御とリフト量変更制御との協働制御を通じて、燃焼室14内に吸入される吸気の量(筒内吸気量)が調節される。具体的には先ず、前記アクセルペダル31の踏み込み量ACや機関回転速度NEに基づいて筒内吸気量についての制御目標値(目標筒内吸気量Tga)が算出され、この目標筒内吸気量Tgaに基づいてスロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)とリフト量VLについての制御目標値(目標リフト量Tvl)とがそれぞれ算出される。なお、目標スロットル開度Ttaおよび目標リフト量Tvlとしては、目標筒内吸気量Tgaと実際の筒内吸気量とを一致させることの可能な値が算出される。そして、目標スロットル開度Ttaとスロットル開度TAとが一致するようにスロットルモータ13の駆動が制御され、目標リフト量Tvlと実際のリフト量VLとが一致するようにリフト量変更機構29の作動が制御される。
なお、こうしたスロットル制御およびリフト量変更制御の実行に際し、内燃機関10の暖機が未完了であるときには(具体的には、冷却水温度THW<所定温度)、リフト量VLが大リフト量側の制御限界リフト量(上限リフト量VLmax)で固定される一方、スロットル開度TAが変更されて筒内吸気量が調節される。本実施の形態では、この上限リフト量VLmaxが特定のリフト量に相当する。
一方、内燃機関10の暖機が完了したときには(具体的には、冷却水温≧所定温度)、スロットル開度TAおよびリフト量VLが共に変更されて筒内吸気量が調節される。ここで、吸気バルブのリフト量の変更を通じて吸気量が調節される内燃機関は、スロットルバルブの開度の変更のみを通じて吸気量を調節する内燃機関と比べて、必要とされる吸気量が少ないときにおけるポンピングロスの低減を図ることが可能であり、その分だけ燃料消費量を低減することができる。この点をふまえて本実施の形態では、内燃機関10の暖機が完了したときには基本的に、同内燃機関10の運転状態に適した筒内吸気量(後述する推定筒内吸気量Vga)が少ないときほど吸気バルブ21のリフト量VLおよびスロットル開度TAが小さく設定される。
また本実施の形態では、吸気効率を高めて燃料消費率の向上を図るために、吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御が実行される。吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御では、基本的に、目標筒内吸気量Tgaに基づいて、吸気バルブ21のバルブタイミングVTiについての制御目標値(目標吸気バルブタイミングTvti)と排気バルブ23のバルブタイミングVTeについての制御目標値(目標排気バルブタイミングTvte)とが算出される。そして、吸気バルブ21のバルブタイミングVTiと目標吸気バルブタイミングTvtiとが一致するように吸気バルブタイミング変更機構25の作動が制御され、排気バルブ23のバルブタイミングVTeと目標排気バルブタイミングTvteとが一致するように排気バルブタイミング変更機構27の作動が制御される。
更に本実施の形態では、燃料噴射制御を通じて、上記推定筒内吸気量Vgaに応じたかたちで燃料噴射量が調節される。以下、この燃料噴射制御について説明する。
図5および図6はいずれも燃料噴射制御にかかる処理の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、これらフローチャートに示される一連の処理は所定周期毎の処理として、電子制御装置40により実行される。
図5に示すように、この処理では先ず、通路吸気量GA等に基づいて上記推定筒内吸気量Vgaが算出されるとともに、同推定筒内吸気量Vgaに基づいて基本噴射量Qbseが算出される(ステップS101)。この基本噴射量Qbseは燃料噴射制御における見込み制御量に相当する値であり、基本噴射量Qbseとしては、上記推定筒内吸気量Vgaに対し、燃焼室14で燃焼される混合気の空燃比が理論空燃比になる燃料噴射量が算出される。
また、吸気バルブ21のリフト量VLに基づいて乖離量補正値Kvlaが算出される(ステップS102)。なお、この乖離量補正値Kvlaの具体的な算出態様や、同乖離量補正値Kvlaを算出することによる作用については後に後述する。
次に、メインフィードバック制御(前記空燃比センサ49の出力値に基づく燃料噴射量指令値のフィードバック制御)の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS103)。ここでは、以下の各条件が共に満たされることをもって上記実行条件が成立していると判断される。
・内燃機関10の暖機が完了していること。
・空燃比センサ49が十分に活性化されていること。
そして、上記実行条件が未成立である場合には(ステップS103:NO)、上記基本噴射量Qbseに乖離量補正値Kvlaを加算した値(=Qbse+Kvla)が燃料噴射量指令値(目標噴射量Tq)として算出された後(ステップS104)、本処理は一旦終了される。この場合には機関運転状態に基づく見込み制御を通じて目標噴射量Tqが設定される。そして、この目標噴射量Tqと等しい量の燃料が噴射されるように燃料噴射バルブ15を駆動することにより、混合気の空燃比を理論空燃比に近づけることができる。
一方、上記実行条件が成立している場合には(ステップS103:YES)、上記空燃比センサ49によって混合気の実際の空燃比が検出され、この実際の空燃比と目標空燃比(ここでは理論空燃比)との偏差に基づいて基本補正量αが算出される(ステップS105)。この基本補正量αとしては、上記偏差が大きいときほど多い量が算出される。
そして、空燃比センサ49によって検出される空燃比がリーンであるときには(ステップS106:YES)、メインフィードバック補正量MFBとして上記基本補正量αが設定される(ステップS107)。一方、空燃比センサ49によって検出される空燃比がリッチであるときには(ステップS106:NO)、上記基本補正量αに「−1.0」を乗じた値(−α)がメインフィードバック補正量MFBとして設定される(ステップS108)。
このようにメインフィードバック補正量MFBが設定された後、図6に示すように、サブフィードバック制御(前記酸素センサ50の出力値に基づく目標噴射量Tqのフィードバック制御)の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS109)。ここでは、以下の各条件が共に満たされることをもって上記実行条件が成立していると判断される。
・排気浄化触媒17が十分に活性化されていること。
・酸素センサ50が十分に活性化されていること。
そして、上記実行条件が未成立である場合には(ステップS109:NO)、基本噴射量Qbseに乖離量補正値Kvlaとメインフィードバック補正量MFBとを加算した値が目標噴射量Tq(=Qbse+Kvla+MFB)として算出された後(ステップS110)、本処理は一旦終了される。この場合には見込み制御およびメインフィードバック制御を通じて目標噴射量Tqが設定される。
ここで前記排気浄化触媒17は、理論空燃比近傍での燃焼が行われる状態において排気中のHCやCOを酸化するとともに同排気中のNOxを還元して排気を浄化する作用を有しており、特に混合気の空燃比が理論空燃比近傍の比率となる狭い範囲(ウインドウ)において排気中の主要有害成分(HC、CO、NOx)のすべてを効率的に浄化する。そのため排気浄化触媒17を有効に機能させるには、混合気の空燃比を上記ウインドウの中心に合わせ込むべく、同空燃比を厳密に調節することが必要となる。このときには(ステップS109:NO)、メインフィードバック制御を通じて、実際の空燃比が目標空燃比と一致するように燃料噴射量が調節される。
一方、上記実行条件が成立している場合には(ステップS109:YES)、前記酸素センサ50によって検出される排気の実際の酸素濃度と基準濃度(混合気の空燃比が理論空燃比であるときの濃度であり、酸素センサ64の出力電圧が0.5Vであるときの濃度)との偏差に基づいて基本補正量βが算出される(ステップS111)。この基本補正量βとしては、上記偏差が大きいときほど多い量が算出される。
そして、酸素センサ50の出力信号がリーンを示す値であるときには(ステップS112:YES)、記憶されているサブフィードバック補正量SFBに基本補正量βを加算した値(SFB+β)が新たなサブフィードバック補正量SFBとして設定される(ステップS113)。一方、酸素センサ50の出力信号がリッチを示す値であるときには(ステップS112:NO)、記憶されているサブフィードバック補正量SFBから基本補正量βを減算した値(SFB−β)が新たなサブフィードバック補正量SFBとして設定される(ステップS114)。
このようにサブフィードバック補正量SFBが設定された後、乖離量補正値Kvla、メインフィードバック補正量MFB、およびサブフィードバック補正量SFBを基本噴射量Qbseに加算した値が目標噴射量Tq(=Qbse+Kvla+MFB+SFB)として算出される(ステップS115)。したがって、この場合には(ステップS109:YES)、見込み制御、メインフィードバック制御およびサブフィードバック制御を通じて目標噴射量Tqが設定される。これにより、メインフィードバック制御を通じて実際の空燃比が目標空燃比と一致するように燃料噴射量が調節されることに加えて、サブフィードバック制御を通じて排気浄化触媒17の実際の浄化状態に応じて燃料噴射量が調節されて、同排気浄化触媒17の浄化作用が的確に発揮される。
その後、後述する学習処理が実行された後(ステップS116)、本処理は一旦終了される。
なお、上記学習処理は、以下のような理由により実行される。
内燃機関10にあっては、リフト量変更機構29の個体差や経時劣化、組み付け誤差、あるいは吸気バルブ21へのデポジット付着等に起因して吸気通路11および燃焼室14の連通部分の通路面積とその基準面積とが異なったものとなる。そのため吸気バルブ21のリフト量VLを同一の態様で調節しても、実際の筒内吸気量は、上記通路面積とその基準面積とが等しい場合の筒内吸気量と一致しない。本実施の形態では基本的に、そうした通路面積の相違に起因する筒内吸気量の変化分が前述した空燃比の調節を通じて補償される。
ここで上記通路面積と基準面積とが異なる場合、その相違に起因する筒内吸気量の変化分はリフト量変更機構29の作動態様(詳しくは、吸気バルブ21のリフト量VL)に応じて大きく異なったものとなる。以下、その理由を説明する。
図7に吸気バルブ21のリフト量VLと上記通路面積との関係を示す。なお同図において、実線は上記通路面積と基準面積とが一致している状態(基準状態)での上記関係の一例を示しており、一点鎖線は上記通路面積がその基準面積よりも小さい場合における上記関係の一例を示しており、二点鎖線は上記通路面積がその基準面積よりも大きい場合における上記関係の一例を示している。
本実施の形態では、吸気バルブ21のリフト量VLの変更を通じて筒内吸気量が調節されるため、例えばそのアイドル運転時等、内燃機関10の低負荷運転時においてリフト量VLが小さく設定されて上記通路面積がごく小さくなる。そして、図7から明らかなように、そのようにリフト量VLが小さく設定されるときほど、上記通路面積とその基準面積との差ΔSが通路面積全体に占める割合が大きくなる。したがって、上記通路面積が基準面積と異なる場合には、その影響が、吸気バルブ21のリフト量VLが小さいときほど大きく現われると云える。具体的には、吸気バルブ21のリフト量VLが小さいときほど筒内吸気量の変化度合いが大きくなるために、図8に示すように、上記通路面積が小さいとき(同図中の一点鎖線)および同通路面積が大きいとき(同図中の二点差線)のいずれの場合にも上記空燃比の変化分が大きくなる。
本実施の形態では、吸気バルブ21のリフト量VLがそのときどきの機関運転状態に応じて頻繁に変更されるために、その変更に伴って上記空燃比の変化分についてもこれが頻繁に変化する。そのため、単にメインフィードバック補正量MFBに基づくメインフィードバック制御や、サブフィードバック補正量SFBに基づくサブフィードバック制御を実行しても、そうした高頻度での空燃比変化分の変化に追従することができなくなって、同変化分を的確に補償することができなくなるおそれがある。
そこで本実施の形態では、上記学習処理(図6のステップS116の処理)を通じて、前記サブフィードバック補正量SFBのその基準値(具体的には「0」)からの定常的な乖離量と吸気バルブ21のリフト量VLとの関係を学習するようにしている。そして、その学習した関係からリフト量VLに基づいて乖離量補正値Kvlaを算出するとともに(図5のステップS102)、同乖離量補正値Kvlaによって目標噴射量Tqを補正するようにしている(ステップS104、図6のステップS110,S115)。本実施の形態では、この学習処理が学習手段として機能し、図5のステップS102,S104の処理および図6のステップSS110,S115の処理が補正手段として機能する。
以下、上記学習処理について具体的に説明する。
図9は学習処理の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として電子制御装置40により実行される。
同図9に示すように、この処理では先ず、学習条件が成立しているか否かが判断される(ステップS201)。ここでは、急加速や急減速の行われない安定した機関運転状態が所定期間継続されていることをもって、学習条件が成立していると判断される。
学習条件が成立している場合には(ステップS201:YES)、前記乖離量の学習が実行される。本処理では、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域(大リフト量側の制御限界リフト量(上限リフト量VLmax)を含む領域)であるときと小リフト量側の制御限界リフト量(下限リフト量VLmin)であるときとにおいて前記乖離量の学習が実行される。なお本実施の形態では、大リフト領域が第1のリフト量領域に相当し、下限リフト量VLminが第2のリフト量領域に相当する。
具体的には、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域であるときには(ステップS202:YES)、記憶されている乖離量学習値GKlgにサブフィードバック補正量SFBを加算した値(GKlg+SFB)が新たな乖離量学習値GKlgとして記憶される(ステップS203)。また、これに併せて、サブフィードバック補正量SFBとして「0」が設定されるとともに(ステップS204)、学習完了フラグがオン操作された後(ステップS205)、本処理は一旦終了される。
なお、上記学習完了フラグは、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域であるときの上記乖離量の学習が完了したときにオン操作されるフラグである。また、学習完了フラグは、例えばバッテリの交換や電線の瞬断によって電子制御装置40への電力供給が一時的に停止されたときなど、電子制御装置40に記憶されている各値が初期値にリセットされたときに、これに併せてオフ操作されるフラグである。この学習完了フラグがオン操作されていることによって上記各値(乖離量学習値GKlgを含む)として初期値が設定された後において乖離量学習値GKlgの学習が完了した履歴があると判断することができ、学習完了フラグがオフ操作されていることによって同履歴がないと判断することができる。
一方、吸気バルブ21のリフト量VLが下限リフト量VLminであるときには(ステップS202:NO、且つステップS206:YES)、記憶されている乖離量学習値GKsmにサブフィードバック補正量SFBを加算した値が新たな乖離量学習値GKsmとして記憶される(ステップS207)。また、これに併せて、サブフィードバック補正量SFBとして「0」が設定された後(ステップS208)、本処理は一旦終了される。
他方、吸気バルブ21のリフト量VLが上限リフト量VLmaxおよび下限リフト量VLminのいずれでもないときには(ステップS202:NO、且つステップS206:NO)、ステップS203〜S205,S207,S208の処理が実行されない。すなわち、乖離量学習値GKlgや乖離量学習値GKsmの学習が実行されない。なお、学習条件が未成立である場合にも(ステップS201:NO)、乖離量学習値GKlgや乖離量学習値GKsmの学習は実行されない。
前述した乖離量補正値Kvlaを算出する処理(図5のステップS102)は、上記学習処理を通じて学習される乖離量学習値GKlgおよび乖離量学習値GKsmに基づいて、以下のように実行される。
図10に、吸気バルブ21のリフト量VL、乖離量学習値GKlg、乖離量学習値GKsm、および乖離量補正値Kvlaの関係の一例を示す。同図10に示すように、乖離量補正値Kvlaとしては、基本的には、リフト量VLが小さいときほど大きい値が算出される。乖離量補正値Kvlaは、具体的には以下のように算出される。
・リフト量VLが下限リフト量VLminであるときには(VL=Vmin)、乖離量学習値GKsmが乖離量補正値Kvlaとして算出される。
・リフト量VLが下限リフト量VLminより大きく前記大リフト領域(詳しくはその下限値Gmin)より小さい領域では(VLmin<VL<Gmin)、大リフト領域(具体的には、下限値Gmin)および下限リフト量VLminとリフト量VLとの関係に基づいて、乖離量学習値GKlgおよび乖離量学習値GKsmから補間して、乖離量補正値Kvlaが算出される。この乖離量補正値Kvlaとしては、具体的には、予め設定された換算係数K1を通じて以下の関係式を満たす値が算出される。なお換算係数K1としては、リフト量VLに応じて「1.0」以下の正の数が設定される。
Kvla=GKlg+{(GKsm−GKlg)
×K1(VL−VLmax)/(VLmin−Gmin)}
・リフト量VLが大リフト領域であるときには(Gmin≦VL≦VLmax)、乖離量学習値GKlgが乖離量補正値Kvlaとして算出される。
以下、本実施の形態の燃料噴射制御処理を実行することによる作用について説明する。
本実施の形態の燃料噴射制御処理では、乖離量補正値Kvlaとして、そのときどきの吸気バルブ21のリフト量VLに見合う値、具体的には、リフト量VLが小さいほど大きい値が算出される。これにより、前記連通部分の通路面積とその基準面積とが異なる場合にはリフト量VLが小さいほどサブフィードバック補正量SFBとその基準値との定常的な乖離量が大きいといった傾向に応じて、乖離量補正値Kvlaが算出される。そして、そうした乖離量補正値Kvlaによって目標噴射量Tqが補正される。そのため、リフト量変更制御を通じて吸気バルブ21のリフト量VLが頻繁に変更されるとはいえ、同リフト量VLの変更に追従するようにその変更による空燃比の変化分を見越したかたちで目標噴射量Tqが算出される。これによりリフト量VLの変更に伴う空燃比への影響分が的確に抑えられ、メインフィードバック制御やサブフィードバック制御、あるいは見込み制御による燃料噴射量の調節を通じて混合気の空燃比が精度よく所望の比率に制御される。
しかも、サブフィードバック補正量SFBはその算出周期毎に酸素センサ50の出力信号に応じて所定量βずつ増減される値であるために、同サブフィードバック補正量SFBによる補正を通じて混合気の空燃比が所望の空燃比になるように燃料噴射量が増減される。これにより、排気浄化触媒17の浄化作用の状態に応じて燃料噴射量が増減されて同浄化作用が有効に活用される。
本実施の形態の内燃機関10は多気筒のものであるため、燃料噴射バルブ15の個体差や吸気バルブ21へのデポジット付着などに起因して、気筒間における混合気の空燃比にばらつきが生じることが避けられない。また本実施の形態では、各気筒の混合気の空燃比を検出するための空燃比センサ49として全気筒共通のものが設けられているため、この空燃比センサ49に対する排気の当接態様が気筒毎に異なる。
そのため、そうした空燃比センサ49の出力信号に基づいて目標噴射量Tqが増減補正されると、上述した気筒間における空燃比のばらつきが、排気浄化触媒17の上流側の排気の性状を理論空燃比近傍の比率に対応する性状に調節する際の調節精度を低下させてしまう。具体的には、図11に実線で示すように、例えば特定気筒(同図に示す例では♯3)の排気が他の気筒(同♯1,#2,#4)の排気と比較して空燃比センサ49に当接し易い構造の内燃機関にあって同特定気筒♯3の排気がリーンに対応する性状である場合には、過度に目標噴射量Tqが増量補正されて混合気の空燃比の平均値がリッチになってしまう。なお図11の一点鎖線には、比較例として、空燃比センサ49に対する各気筒の排気の当接態様が一致する場合における各気筒の排気の当接度合いと混合気の空燃比とを示している。
したがって本実施の形態にかかる装置は、排気浄化触媒17の下流側に設けられた酸素センサ50の出力値とその基準値(混合気の空燃比が理論空燃比である場合の排気酸素濃度に対応する値)との差、ひいては上述したリフト量VLの変更に伴う空燃比の変化分が大きくなり易いと云える。本実施の形態によれば、そうした多気筒の内燃機関10に適用される装置にあって、混合気の空燃比を精度よく所望の比率に制御することができる。
また上記燃料噴射制御では、吸気バルブ21のリフト量VLや、乖離量学習値GKlg、乖離量学習値GKsm、乖離量補正値Kvla、並びに換算係数K1により規定される関数として、同リフト量VLが小さいほど乖離量補正値Kvlaが大きくなる線形の関数が予め設定されている(図10参照)。そして、下限リフト量VLminや大リフト領域であるときにおける前記定常的な乖離量に応じて前記関数の傾きを変更するように、前述した吸気バルブ21のリフト量と上記乖離量との関係が学習される。そのため、リフト量領域を細かく設定するとともにそれら領域毎に上記乖離量を求めてこれを乖離量学習値として設定する構成と比較して、低い学習頻度をもって広いリフト量領域にわたり上記関係を学習することができる。
ところで、本実施の形態では、内燃機関10の冷間運転時(暖機未完了時)において、メインフィードバック制御およびサブフィードバック制御が共に実行されず、基本噴射量Qbseを乖離量補正値Kvlaによって補正した値が前記目標噴射量Tqとして算出されて、同目標噴射量Tqに基づく見込み制御が実行される。このように乖離量補正値Kvlaによって基本噴射量Qbseを補正することにより、基本噴射量Qbseが上記通路面積に見合う燃料噴射量からずれた量になった場合であっても、見込み制御の実行時において実空燃比が目標空燃比から乖離した状態になって排気性状が常に悪くなるといった不都合の発生を抑えることが可能になる。
ただし、バッテリ交換などによって乖離量学習値GKlg,GKsmが初期化されることにより前述のように学習した関係が不要にリセットされると、内燃機関10が始動された場合に、その後においてメインフィードバック制御およびサブフィードバック制御の実行が開始され、更には前記関係が学習されて適切な関係となるまでの長期にわたって上記不都合の発生が抑えられなくなる。
そのため本実施の形態では、見込み制御の実行時において用いられるリフト量(上限リフト量VLmax)であるときの前記乖離量(具体的には、乖離量学習値GKlg)の学習が完了した履歴がないときに、吸気バルブ21のリフト量VLを前記大リフト領域から他の領域に移行させることを禁止するようにしている。
図12は、そのようにリフト量VLの移行を制限する処理(移行制限処理)の具体的な処理手順を示すフローチャートである。なお同図に示される一連の処理は、リフト量変更制御にかかる処理に含まれる所定周期毎の処理として、電子制御装置40により実行される。本実施の形態では、この移行制限処理が実行手段として機能する。
図12に示すように、この処理では、学習完了フラグがオフ操作されているとき(ステップS301:NO)、すなわち乖離量学習値GKlgの学習が完了した履歴がないときには、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域以外の領域に移行することのない範囲で前記リフト量変更制御が実行される。具体的には先ず、大リフト領域におけるリフト量VLの下限値Gminが下限ガード値Gdとして設定される(ステップS302)。そして、前記目標リフト量Tvlが下限ガード値Gd、あるいは下限ガード値Gdよりも大リフト量側の値である場合には(ステップS303:YES)、同目標リフト量Tvlが変更されない(ステップS304の処理がジャンプされる)。一方、目標リフト量Tvlが下限ガード値Gdより小リフト量側の値である場合には(ステップS303:NO)、下限ガード値Gdが目標リフト量Tvlとして設定される(ステップS304)。このように本実施の形態では、目標リフト量Tvlの小リフト量側への変更を上記下限ガード値Gdによって制限することにより、吸気バルブ21のリフト量VLの前記大リフト領域から他の領域への移行が禁止される。
また、このときリフト量変更制御に合わせて、吸気バルブ21のリフト量VLに基づく吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御が実行される(ステップS305)。具体的には、下限ガード値Gdによる制限が加えられた後の目標リフト量Tvlと目標筒内吸気量Tgaとに基づいて目標吸気バルブタイミングTvtiおよび目標排気バルブタイミングTvteが算出され、目標吸気バルブタイミングTvtiおよび目標排気バルブタイミングTvteに基づく吸気バルブタイミング変更機構25および排気バルブタイミング変更機構27の作動が制御される。
その後において本処理が繰り返し実行されて、学習完了フラグがオン操作されると(ステップS301:YES)、下限ガード値Gdによる目標リフト量Tvlの変更制限が解除されて、大リフト領域以外のリフト量領域への吸気バルブ21のリフト量VLの移行が許可される(ステップS306)。
また、吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御として通常の制御が実行される(ステップS307)。具体的には、目標筒内吸気量Tgaに基づいて目標リフト量Tvl、目標吸気バルブタイミングTvti、目標排気バルブタイミングTvteがそれぞれ算出される。すなわち、このときには目標吸気バルブタイミングTvtiや目標排気バルブタイミングTvteの算出パラメータとして吸気バルブ21のリフト量VLや目標リフト量Tvlが用いられない。そして、上記目標リフト量Tvl、目標吸気バルブタイミングTvti、目標排気バルブタイミングTvteに基づいて、リフト量変更機構29、吸気バルブタイミング変更機構25、排気バルブタイミング変更機構27の作動が制御される。
以下、こうした移行制限処理を実行することによる作用について説明する。
図13に、バッテリ交換などによって前記学習した関係が不要にリセットされた状況で内燃機関10が冷間始動された場合における移行制限処理の実行態様の一例を示す。
同図13に示すように、時刻t1において内燃機関10が始動されると、このとき冷却水温度THW(同図(a))が低いために、吸気バルブ21のリフト量VL(同図(b))が上限リフト量VLmaxに設定される。
その後の時刻t2において、冷却水温度THWが所定温度以上になってメインフィードバック制御やサブフィードバック制御の実行条件(同図(c))が成立し、それらメインフィードバック制御やサブフィードバック制御の実行が開始される。ただし、このときには学習完了フラグ(同図(d))がオフ操作されているために、大リフト領域であるときの前記乖離量(詳しくは、乖離量学習値GKlg)の学習が完了していないとして、同大リフト領域以外のリフト量領域への移行が禁止される。すなわち、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域(詳しくは、「下限ガード値Gd≦目標リフト量Tvl≦上限リフト量VLmax」となる領域)以外の領域に移行することのない範囲で吸気バルブ21のリフト量VLが変更される。本例では、リフト量VLが大リフト領域の下限値Gminに変更される。
そして、その後の時刻t3において、乖離量学習値GKlgの学習が完了して、学習完了フラグがオン操作されると、大リフト領域以外のリフト量領域への移行禁止が解除される。本例では、そうした移行禁止の解除に伴って吸気バルブ21のリフト量VLが下限リフト量VLminに変更される。
ここで、移行制限処理の実行されない比較例の装置(同図中に一点鎖線で示す)では、冷却水温度THWが所定温度以上になってメインフィードバック制御やサブフィードバック制御の実行条件が成立すると、これに合わせてリフト量VLが内燃機関10の運転状態に見合うリフト量(この比較例では、下限リフト量VLmin)に変更される。そのため、その後において内燃機関10の高負荷運転時などのリフト量VLが前記大リフト領域となるごく限られた機会においてのみ乖離量学習値GKlgの学習が実行されるようになり、その学習が完了するまでに長い期間がかかってしまう。
これに対し、本実施の形態の装置では、そうした場合に吸気バルブ21のリフト量VLの変更を大リフト領域に限って許容することによって乖離量学習値GKlgの学習が最優先で実行される。そのため、前記学習した関係が不要にリセットされた場合に、その直後における機関運転に際して大リフト領域であるときの乖離量の学習が最優先で実行されて完了されるようになり、同乖離量の学習が完了する前に機関運転が停止されることによる前記不都合の発生を抑えることができる。
また、吸気バルブ21のリフト量VLが大きい側の領域(特定リフト量領域)であるときには、同吸気バルブ21の弁体と弁座との間隔が大きいために、リフト量変更機構29の個体差や経時劣化、吸気バルブ21へのデポジットの付着などによって同間隔が多少狭くなったところで、筒内空気量はさほど変化しない。そのため吸気バルブ21のリフト量VLが特定リフト量領域であるときには、同リフト量VLが変化しても、リフト量変更機構29の個体差や経時劣化、吸気バルブ21へのデポジットの付着に起因して生じる前記乖離量はさほど変化しないと云える。したがって、リフト量変更制御が実行される場合であっても、吸気バルブ21のリフト量VLが上記特定リフト量領域であれば、このときの前記乖離量を同特定リフト量領域に見合う乖離量として精度良く学習することが可能である。
本実施の形態では、そうした特定リフト量領域が前記大リフト領域として設定されている(図10参照)。そのため、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域であるときの前記乖離量に見合う値を上記乖離量学習値GKlgとして精度良く学習することが可能である。また、大リフト領域から他のリフト量領域への吸気バルブ21のリフト量VLの移行が禁止される期間において、同大リフト領域、言い換えれば吸気バルブ21のリフト量VLを変更した場合における乖離量学習値GKlgの学習に対する影響がごく小さいリフト量領域におけるリフト量VLの変更制御の実行が許容される。そのため、乖離量学習値GKlgの学習が完了した履歴がない場合に、同乖離量学習値GKlgを高い精度で学習しつつ、吸気バルブ21のリフト量VLの変更についての自由度を高くすることができるようになる。
また、吸気バルブ21のリフト量VLが大きいときには、同吸気バルブ21の弁体と弁座との間隙が大きく、内燃機関10の燃焼室14の内部に流入する空気の流速が遅いために、燃焼室14の内部における混合気の燃焼状態の悪化や、これによる機関トルクの低下を招きやすい。
ここで仮に、上記内燃機関10において乖離量学習値GKlgの学習が未完了であるときに、吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御として前記通常の制御を実行するようにすると、吸気バルブ21のリフト量VLが下限ガード値Gdで制限されるのに対して、各バルブタイミングVTi,VTeは下限ガード値Gdより小さいリフト量VLに見合うタイミングに制御されることがある。そして、そうした場合には各バルブタイミングVTi,VTeと機関運転状態に見合うバルブタイミングとが一致しないことによる燃焼状態の悪化を招くなど、かえって機関トルクを低下させてしまうおそれがある。
この点、本実施の形態では、内燃機関10において乖離量学習値GKlgの学習が未完了であるときに、各バルブタイミングVTi,VTeが、上述のように変更が制限された吸気バルブ21のリフト量VLに応じたかたちで変更される。そのため、各バルブタイミングVTi,VTeと機関運転状態に見合うバルブタイミングとが一致するように吸気バルブタイミング制御や排気バルブタイミング制御を実行することができ、機関トルクの不要な低下を抑えつつ燃料消費率の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)リフト量変更機構29が設けられているとはいえ、その作動態様の相違による空燃比への影響分を乖離量補正値Kvlaによる増減補正を通じて抑えつつ、メインフィードバック制御やサブフィードバック制御、あるいは見込み制御による燃料噴射量の調節を通じて混合気の空燃比を所望の比率に調節することができる。しかも、大リフト領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がない場合に、同学習が完了する前に機関運転が停止されて次回の機関運転における見込み制御の実行時において排気性状が常に悪い状態になってしまうといった不都合の発生を抑えることができる。したがって、リフト量変更機構29を備えた内燃機関10にあって混合気の空燃比を精度よく所望の比率に制御することができる。
また、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト領域であるときの前記乖離量に見合う値を上記乖離量学習値GKlgとして精度良く学習することができる。更に、大リフト領域から他のリフト量領域への吸気バルブ21のリフト量VLの移行が禁止される期間において、同大リフト領域、言い換えれば吸気バルブ21のリフト量VLを変更した場合における乖離量学習値GKlgの学習に対する影響がごく小さいリフト量領域におけるリフト量VLの変更制御の実行が許容される。そのため、乖離量学習値GKlgの学習が完了した履歴がない場合に、同乖離量学習値GKlgを高い精度で学習しつつ、吸気バルブ21のリフト量VLの変更についての自由度を高くすることができるようになる。
(2)内燃機関10において乖離量学習値GKlgの学習が未完了であるときに、各バルブタイミングVTi,VTeと機関運転状態に見合うバルブタイミングとが一致するように吸気バルブタイミング制御や排気バルブタイミング制御を実行することができ、機関トルクの不要な低下を抑えつつ燃料消費率の向上を図ることができる。
(3)大リフト領域に対応する乖離量学習値GKlgと下限リフト量VLminに対応する乖離量学習値GKsmとを各別に学習して記憶し、大リフト領域および下限リフト量VLminとリフト量VLとの関係に基づいて乖離量学習値GKlg,GKsmから補間して乖離量補正値Kvlaを算出するようにした。そのため、リフト量領域を細かく設定するとともにそれら領域毎に乖離量を求めてこれを学習値として設定する装置と比較して、前記定常的な乖離量と吸気バルブ21のリフト量VLとの関係を低い学習頻度をもって広いリフト量領域にわたり学習することができるようになる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態は、サブフィードバック補正量SFBが更新された期間を計時するためのカウンタを設定するとともに同カウンタのカウント値に応じて各乖離量学習値GKlg,GKsmの算出および記憶を許可するようにした点が第1の実施の形態と異なる。具体的には、カウンタのカウント値を操作する処理を含む各乖離量学習値GKlg,GKsmの算出を許可する処理(許可処理)が新たに実行され、学習処理として第1の実施の形態の学習処理と異なる処理が実行される。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる許可処理について詳細に説明する。
図14は上記許可処理の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、同フローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として、電子制御装置40により実行される。なお、この処理は、サブフィードバック制御の実行条件が成立したことを条件に実行される処理である。
図14に示すように、この処理では先ず、許可条件が成立しているか否かが判断される(ステップS301)。ここでは、以下の各条件が共に成立していることをもって許可条件が成立していると判断される。
・高負荷運転時における機関トルクの増大や加速運転時における応答性向上などを目的とした燃料噴射量の増量補正処理が実行されておらず、且つ同増量補正処理が実行された履歴がある場合にはその後の経過時間が所定時間以上であること。
・減速運転中において燃料噴射を一時的に停止する処理、いわゆるフューエルカット処理が実行されておらず、且つ同フューエルカット処理が実行された履歴がある場合にはその実行後の経過時間が所定時間以上であること。
上記許可条件が成立している場合には(ステップS301:YES)、吸気バルブ21のリフト量VLが所定の判定値以上であるか否かが判断される(ステップS302)。なお、この判定値としては、上限リフト量VLmaxと下限リフト量VLminとの中間にあたるリフト量VL(例えば、「(VLmax+VLmin)/2」より若干下限リフト量VLmin側のリフト量VL)に相当する値が予め記憶されている。
そして、リフト量VLが所定の判定値以上であるときには(ステップS302:YES)、大リフトカウンタのカウント値Caがインクリメントされる(ステップS303)。その後、上記カウント値Caが所定値(例えば、点火プラグ18による点火動作が1000回実行される期間に相当する値)以上であることを条件に(ステップS304:YES)、大リフト更新フラグがオン操作された後(ステップS305)、本処理は一旦終了される。なお、上記カウント値Caが所定値未満である場合には(ステップS304:NO)、大リフト更新フラグをオン操作することなく、本処理は一旦終了される。
一方、吸気バルブ21のリフト量VLが所定の判定値より小さいときには(ステップS302:NO)、小リフトカウンタのカウント値Cbがインクリメントされる(ステップS306)。その後、上記カウント値Cbが所定値(例えば、点火プラグ18による点火動作が1000回実行される期間に相当する値)以上であることを条件に(ステップS307:YES)、小リフト更新フラグがオン操作された後(ステップS308)、本処理は一旦終了される。なお、上記カウント値Cbが所定値未満である場合には(ステップS307:NO)、小リフト更新フラグをオン操作することなく、本処理は一旦終了される。
なお、前記前提条件が成立してない場合には(ステップS301:NO)、各カウンタのカウント値Ca,Cbをインクリメントする処理や各フラグを操作する処理(ステップS302〜S308)を実行することなく、本処理は一旦終了される。また本実施の形態では、前記各条件のうちの一方でも満たされない場合、すなわち前記各条件のうちの一方でも満たされないときにおいてサブフィードバック補正量SFBの変更が禁止される。
燃料噴射量の増量補正処理が実行されると、混合気の空燃比が一時的にリッチになって酸素センサ50の出力信号がリッチを示す値になるために、同酸素センサ50の検出結果が排気浄化触媒17での排気浄化作用の状態に対応する値ではなくなってしまう。また、フューエルカット処理が実行されると、内燃機関10の排気通路16に多量の酸素が流入して酸素センサ50の出力信号がリーンを示す値になるために、この場合にも同酸素センサ50の検出結果が排気浄化触媒17での排気浄化作用の状態に対応する値ではなくなる。本実施の形態では、これらの理由から、増量補正処理の実行時および実行直後やフューエルカット処理の実行時および実行直後におけるサブフィードバック補正量SFBの変更や各カウンタのカウント値Ca,Cbのインクリメントの実行が禁止される。
次に、本実施の形態にかかる学習処理について具体的に説明する。
図15は上記学習処理の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、同フローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として、電子制御装置40により実行される。なお図15に示す一連の処理にあって第1の実施の形態にかかる学習処理(図9)と同様の処理内容である処理は同一の符号を付して示しており、そうした処理の以下での詳細な説明を省略する。
図15に示すように、この処理では、リフト量VLが大リフト領域になったときに(ステップS202:YES)、大リフト更新フラグがオン操作されていることを条件に(ステップS401:YES)、新たな乖離量学習値GKlgが算出されて記憶されるとともに(ステップS203)、サブフィードバック補正量SFBとして「0」が設定される(ステップS204)。また、これに併せて、大リフト更新フラグがオフ操作されるとともに大リフトカウンタのカウント値Caが「0」にリセットされた後(ステップS402)、学習完了フラグがオン操作されて(ステップS205)、本処理は一旦終了される。
一方、リフト量VLが下限リフト量VLminになったときには(ステップS206:YES)、小リフト更新フラグがオン操作されていることを条件に(ステップS403:YES)、新たな乖離量学習値GKsmが算出されて記憶されるとともに(ステップS207)、サブフィードバック補正量SFBとして「0」が設定される(ステップS208)。また、これに併せて、小リフト更新フラグがオフ操作されるとともに小リフトカウンタのカウント値Cbが「0」にリセットされた後(ステップS404)、本処理は一旦終了される。
なお、大リフト更新フラグがオフ操作されている場合には(ステップS401:NO)、乖離量学習値GKlgを算出する処理(ステップS203)およびこれに関係する処理(ステップS204,S402,S205)を実行することなく、本処理は一旦終了される。また、小リフト更新フラグがオフ操作されている場合には(ステップS403:NO)、乖離量学習値GKsmを算出する処理(ステップS207)およびこれに関係する処理(ステップS208,S404)を実行することなく、本処理は一旦終了される。
以下、こうした許可処理および学習処理を実行することによる作用について説明する。
本実施の形態では、乖離量学習値GKlgに対応するカウンタとして大リフトカウンタが設定され、そのカウント値Caが所定値以上になったことを条件に乖離量学習値GKlgの算出および記憶が許可される。そのため、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト量側の領域(VL≧判定値)であるときにサブフィードバック補正量SFBが更新された回数が多いことを条件に、言い換えれば、同補正量SFBが大リフト量側の領域に適した値に変化している可能性が高いことを条件に乖離量学習値GKlgを算出して記憶することができるようになる。また、吸気バルブ21のリフト量VLが小リフト量側の領域(VL<判定値)であるときにサブフィードバック補正量SFBが更新された回数が多いことを条件に、言い換えれば、同補正量SFBが小リフト量側の領域に適した値に変化している可能性が高いことを条件に乖離量学習値GKsmを算出して記憶することができるようになる。本実施の形態では、こうした理由により、各乖離量学習値GKlg,GKsmの学習精度の向上を図ることができるようになる。
ここで、サブフィードバック補正量SFBの更新期間を計時するためのカウンタとして大リフト量側の領域と小リフト量側の領域とで共通のカウンタを設定し、リフト量VLが大リフト量側の領域と小リフト量側の領域との境界(上記判定値)を跨ぐように変化した場合に上記カウンタのカウント値をクリアする構成を採用することも考えられる。
この場合、加速と減速とが頻繁に切り替えられるなど、吸気バルブ21のリフト量VLが頻繁に上記境界を跨ぐように変化する運転状態が続くと、カウンタのカウントが頻繁にクリアされて所定値以上にならないために、各乖離量学習値GKlg,GKsmを算出することができなくなってしまう。
また減速運転時における前記協働制御では、基本的に、スロットル開度TAおよびリフト量VLが共に徐々に小さくなるようにスロットル制御やリフト量制御が実行される。ただし、そうした減速運転時にあってはスロットル開度TAが小さくなることによって吸気通路11におけるスロットルバルブ12より吸気流れ方向下流側の圧力(いわゆる吸気圧力)がごく低くなる運転領域があり、そうした運転領域では一時的にリフト量VLを大きくすることによって吸入空気量が確保される。そのため減速運転時においては吸気バルブ21のリフト量VLが、一旦小リフト領域になった後において一時的に大リフト領域となって再度小リフト領域になるといったように、頻繁に上記境界を跨ぐように推移することがある。したがって、減速運転状態になる度にそうした状況になると、上記カウンタのカウント値が頻繁にクリアされて所定値以上にならなくなり、各乖離量学習値GKlg,GKsmを算出することができなくなるおそれがある。
この点、本実施の形態では、吸気バルブ21のリフト量VLが大リフト量側の領域から小リフト量側の領域に変化した場合には大リフトカウンタのカウント値Caがクリアされることなく保持され、小リフト量側の領域から大リフト量側の領域に変化した場合には小リフトカウンタのカウント値Cbがクリアされることなく保持される。そのため、リフト量VLが頻繁に上記境界を跨ぐように変化する運転状態が続く場合であっても、いずれは各カウンタのカウント値Ca,Cbが所定値以上になるために、各乖離量学習値GKlg,GKsmを算出することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態と第1の実施の形態とは、乖離量補正値の算出態様と学習処理の処理態様とが異なる。
本実施の形態では、図16に示すように、吸気バルブ21のリフト量について複数の学習領域(領域1(VL≧VL1),領域2(VL1>VL≧VL2),領域3(VL2>VL≧VL3),領域4(VL3>VL))が定められ、それら学習領域毎に学習値GK(GK1,GK2,GK3,GK4)が設定されている。なお本実施の形態では、上記リフト量VL1として前記下限値Gminが設定される。また本実施の形態では、上限リフト量VLmaxを含む上記領域1が第1のリフト量領域に相当し、他の領域(領域2,3,4)が第2のリフト量領域に相当する。
そして、本実施の形態にかかる燃料噴射制御処理において、乖離量補正値Kvlbを算出する処理(図5のステップS102に対応する処理)は、リフト量VLに基づいて上記複数の学習領域のいずれか一つを選択するとともにその選択した学習領域に対応する乖離量学習値GKを乖離量補正値Kvlbとして算出するといったように実行される。
また、前記目標噴射量Tqを算出する処理(図5のステップS104に対応する処理、図6のステップS110,S115に対応する処理)が、上記乖離量補正値Kvlbに基づいて実行される。
なお、本実施の形態にかかる燃料噴射制御処理において、それら乖離量補正値Kvlbを算出する処理および前記目標噴射量Tqを算出する処理以外の処理については、第1の実施の形態にかかる燃料噴射制御処理と同様の処理が実行される。
一方、本実施の形態にかかる学習処理は、以下のように実行される。
図17は、学習処理の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、同フローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として、電子制御装置40により実行される。本実施の形態では、この学習処理が学習手段として機能する。
図17に示すように、この処理では、前記学習条件が成立していることを条件に(ステップS401:YES)、前記乖離量を学習する処理(ステップS402〜S411)が実行される。
すなわち先ず、吸気バルブ21のリフト量VLによって学習領域が選択される(ステップS402〜S404)。そして、ここで選択された学習領域に対応する値として記憶されている乖離量学習値GKに前記サブフィードバック補正量SFBを加算した値(GK+SFB)が新たな乖離量学習値GKとして記憶される(ステップS405〜S408)。
そして、学習領域として上記領域1が選択された場合には(ステップS402:YES)、乖離量学習値GKの記憶更新(ステップS405)に併せて、サブフィードバック補正量SFBとして「0」が設定されるとともに(ステップS409)、前記学習完了フラグがオン操作された後(ステップS410)、本処理は一旦終了される。
一方、学習領域として上記領域1以外の領域が選択された場合には、乖離量学習値GKの記憶更新(ステップS406〜S408)に併せて、サブフィードバック補正量SFBとして「0」が設定された後(ステップS411)、本処理は一旦終了される。
以下、こうした学習処理を含む本実施の形態の燃料噴射制御処理を実行することによる作用について説明する。
本実施の形態の燃料噴射制御では、サブフィードバック補正量SFBのその基準値からの定常的な乖離量と吸気バルブ21のリフト量VLとの関係が学習され、その学習した関係からリフト量VLに基づいて乖離量補正値Kvlbが算出される。具体的には、吸気バルブ21のリフト量VLについて複数の学習領域(領域1〜領域4)が設定されてそれら領域毎に乖離量学習値GK(GK1〜GK4)が学習・記憶される。そして、リフト量VLに基づいて複数の領域1〜領域4のいずれかが選択されるとともに、その選択された学習領域に対応する乖離量学習値GKが乖離量補正値Kvlbとして算出される。
そのため乖離量補正値Kvlbとして、前記連通部分の通路面積とその基準面積とが異なる場合にはリフト量VLが小さいほどサブフィードバック補正量SFBとその基準値との定常的な乖離量が大きいといった傾向に応じた値、具体的には、リフト量VLが小さいほど大きい値が算出される。そして、そうした乖離量補正値Kvlbによって目標噴射量Tqが補正される。
したがって、リフト量変更制御を通じて吸気バルブ21のリフト量VLが頻繁に変更されるとはいえ、同リフト量VLの変更に追従するようにその変更による空燃比の変化分を見越したかたちで目標噴射量Tqが算出される。これにより、リフト量VLの変更に伴う空燃比への影響分が的確に抑えられ、メインフィードバック制御やサブフィードバック制御、あるいは見込み制御による燃料噴射量の調節を通じて混合気の空燃比が精度よく所望の比率に制御される。
次に、前述した移行制限処理(図12参照)を実行することによる作用について説明する。
バッテリ交換などによって乖離量学習値GKが初期化されることにより前述のように学習した関係が不要にリセットされた状況で内燃機関10が冷間始動されると、このとき冷却水温度THWが低いために、吸気バルブ21のリフト量VLが上限リフト量VLmaxに設定される。
その後において冷却水温度THWが所定温度以上になって実行条件が成立し、メインフィードバック制御やサブフィードバック制御の実行が開始される。このとき学習完了フラグがオフ操作されているために、上限リフト量VLmaxを含む学習領域(領域1)についての前記乖離量(具体的には、GK1)の学習が完了していないとして、同領域1以外のリフト量領域への移行が禁止される。すなわち、吸気バルブ21のリフト量VLが領域1(詳しくは、「下限ガード値Gd≦目標リフト量Tvl≦上限リフト量VLmax」となる領域)以外の領域に移行することのない範囲で吸気バルブ21のリフト量VLが変更される。また、このときリフト量変更制御に合わせて、吸気バルブ21のリフト量VLに基づく吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御が実行される。
そして、その後において乖離量学習値GK1の学習が完了して、学習完了フラグがオン操作されると、吸気バルブ21のリフト量VLの移行制限が解除されて、同リフト量VLが内燃機関10の運転状態に見合う量に変更される。また、このとき吸気バルブタイミング制御および排気バルブタイミング制御として前述した通常の制御が実行される。
本実施の形態では、このように前記乖離量の学習が完了していなときに、吸気バルブ21のリフト量VLの変更を領域1以外の領域に移行することのない範囲で許容することによって乖離量学習値GK1の学習が最優先で実行される。そのため、前記学習した関係が不要にリセットされた場合に、その直後における機関運転に際して乖離量学習値GK1の学習が最優先で実行されて完了されるようになる。これにより、乖離量学習値GK1の学習が完了する前に機関運転が停止されて次回の機関運転における見込み制御の実行時において排気性状が常に悪い状態になってしまうといった不都合の発生を抑えることができる。
また本実施の形態では、吸気バルブ21のリフト量VLが変化しても、リフト量変更機構29の個体差や経時劣化、あるいは吸気バルブ21へのデポジットの付着に起因する前記乖離量がさほど変化しないリフト量領域(前記特定リフト量領域)が前記領域1として設定されている(図10の「大リフト領域」参照)。そのため、吸気バルブ21のリフト量VLが領域1であるときの前記乖離量に見合う値を上記乖離量学習値GK1として精度良く学習することが可能である。
更に、領域1から他のリフト量領域への吸気バルブ21のリフト量VLの移行が禁止される期間において、同領域1、言い換えれば吸気バルブ21のリフト量VLを変更した場合における乖離量学習値GKの学習に対する影響がごく小さいリフト量領域におけるリフト量VLの変更制御の実行が許容される。そのため、乖離量学習値GK1の学習が完了した履歴がない場合に、同乖離量学習値GK1を高い精度で学習しつつ、吸気バルブ21のリフト量VLの変更についての自由度を高くすることができるようになる。
また、本実施の形態では、内燃機関10において乖離量学習値GK1の学習が未完了であるときに、各バルブタイミングVTi,VTeが、前述のように変更が制限された吸気バルブ21のリフト量VLに応じたかたちで変更される。そのため、各バルブタイミングVTi,VTeと機関運転状態に見合うバルブタイミングとが一致するように吸気バルブタイミング制御や排気バルブタイミング制御を実行することができ、機関トルクの不要な低下を抑えつつ燃料消費率の向上を図ることができる。
本実施の形態によれば、前記(1)および(2)に準じた効果、詳しくは以下の(4)および(5)に記載する効果が得られるようになる。
(4)リフト量変更機構29が設けられているとはいえ、その作動態様の相違による空燃比への影響分を乖離量補正値Kvlbによる増減補正を通じて抑えつつ、メインフィードバック制御やサブフィードバック制御、あるいは見込み制御による燃料噴射量の調節を通じて混合気の空燃比を所望の比率に調節することができる。しかも、乖離量学習値GK1の学習が完了した履歴がない場合に、その学習が完了する前に機関運転が停止されて次回の機関運転における見込み制御の実行時において排気性状が常に悪い状態になってしまうといった不都合の発生を抑えることができる。したがって、リフト量変更機構29を備えた内燃機関10にあって混合気の空燃比を精度よく所望の比率に制御することができる。
また、吸気バルブ21のリフト量VLが領域1であるときの前記乖離量に見合う値を上記乖離量学習値GK1として精度良く学習することができる。更に、領域1から他のリフト量領域への吸気バルブ21のリフト量VLの移行が禁止される期間において、同領域1、言い換えれば吸気バルブ21のリフト量VLを変更した場合における乖離量学習値GK1の学習に対する影響がごく小さいリフト量領域におけるリフト量VLの変更制御の実行が許容される。そのため、乖離量学習値GK1の学習が完了した履歴がない場合に、同乖離量学習値GK1を高い精度で学習しつつ、吸気バルブ21のリフト量VLの変更についての自由度を高くすることができるようになる。
(5)内燃機関10において乖離量学習値GK1の学習が未完了であるときに、各バルブタイミングVTi,VTeと機関運転状態に見合うバルブタイミングとが一致するように吸気バルブタイミング制御や排気バルブタイミング制御を実行することができ、機関トルクの不要な低下を抑えつつ燃料消費率の向上を図ることができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態において、以下の(イ)、(ロ)に記載するように乖離量補正値を算出してもよい。
(イ)図18に、吸気バルブ21のリフト量VLと乖離量補正値Kvlcとの関係の一例を示す。同図16に示すように、先ず一つの学習領域(VLc1(=前記上限リフト量VLmax)≧VL≧VLc2(=前記下限値Gmin))と複数の所定リフト量(VLc3,VLc4,…VLcn(=VLmin))について各別に、吸気バルブ21のリフト量VLが学習領域あるいは所定リフト量であるときの前記乖離量を乖離量学習値GKc(GKc1,GKc2,GKc3,…GKcn−1)として学習する。なお図18には六つの所定リフト量VLc3〜VLc8を設定した例を示している。そして、リフト量VLが学習領域であるときには、同学習領域に対応する乖離量学習値GKcが乖離量補正値Kvlcとして算出される。一方、リフト量VLが複数の所定リフト量のいずれかであるときには、その所定リフト量に対応する乖離量学習値GKcが乖離量補正値Kvlcとして算出される。他方、リフト量VLが複数の所定リフト量のいずれでもないときには、そのときどきのリフト量VLと同リフト量VLを挟む所定リフト量(あるいは学習領域)との関係に基づいてそれら所定リフト量(あるいは学習領域)に対応する両乖離量学習値から線形補間して、乖離量補正値Kvlcを算出する。
(ロ)図19に、吸気バルブ21のリフト量VLと乖離量補正値Kvldとの関係の一例を示す。同図19に示すように、リフト量VLが前記大リフト領域であるときには乖離量学習値GKlgを乖離量補正値Kvldとして算出する一方、リフト量VLが下限リフト量VLminであるときには乖離量学習値GKsmを乖離量補正値Kvldとして算出する。他方、リフト量VLが大リフト領域および下限リフト量VLminのいずれでもないときには、そのときどきのリフト量VL、大リフト領域(詳しくは、その下限値Gmin)および下限リフト量VLminの関係に基づいて乖離量学習値GKlg,GKsmから線形補間して、乖離量補正値Kvldを算出する。
・第1および第2の実施の形態において、下限リフト量VLminであるときの前記乖離量を学習することに代えて、例えば下限リフト量VLminよりも若干大きいリフト量など、下限リフト量VLmin以外のリフト量(所定リフト量)であるときの前記乖離量を学習するようにしてもよい。なお同構成にあって、リフト量VLが上記所定リフト量よりも小さい領域では、前記補間にかかる方法として外挿法を用いて乖離量補正値を算出するようにすればよい。
・第1および第2の実施の形態では、大リフト領域および下限リフト量VLminとリフト量VLとの関係に基づいて各乖離量学習値GKlg,GKsmから補間して乖離量補正値を算出するようにした。これに代えて、リフト量VLと乖離量補正値との関係を定めたマップを予め設定し、同マップからリフト量VLに基づいて乖離量補正値を算出するようにしてもよい。この場合には、同マップに記憶されている上記関係を乖離量学習値GKlg,GKsmに応じて補正することにより、前記定常的な乖離量とリフト量VLとの関係を学習することができる。
・第1および第3の実施の形態において、高負荷運転時における機関トルクの増大や加速運転時における応答性向上などを目的とした燃料噴射量の増量補正処理の実行時および実行直後において、サブフィードバック補正量SFBの変更を禁止するようにしてもよい。また、減速運転中において燃料噴射を一時的に停止する処理、いわゆるフューエルカット処理の実行時および実行直後におけるサブフィードバック補正量SFBの変更を禁止するようにしてもよい。
・第3の実施の形態において、学習領域として五つ以上の領域を設定するようにしてもよい。また学習領域として三つの領域のみ、あるいは二つの領域のみを設定することも可能である。
・各実施の形態は、内燃機関10の暖機未完了時において吸気バルブ21のリフト量VLが上限リフト量VLmaxより小リフト量側の所定量に設定される装置や、大リフト領域(第1および第2の実施の形態)または領域1(第3の実施の形態)に含まれる所定リフト領域において吸気バルブ21のリフト量VLが変更される装置にも適用可能である。要は、内燃機関10の暖機未完了時において用いられる特定のリフト量が大リフト領域または領域1に含まれる装置であれば、各実施の形態は適用することができる。なお上記構成では所定量や所定リフト領域が特定のリフト量に相当する。また上記構成は大リフト領域(または領域1)と所定リフト領域とが同一領域である構成を含む。
・各実施の形態では、吸気バルブタイミング変更機構25や排気バルブタイミング変更機構27が設けられない内燃機関にも適用することができる。
・各実施の形態において、前記乖離量の学習が完了したことを、酸素センサ50の出力電圧と基準電圧との偏差が小さい状態が所定期間継続されたことや、酸素センサ50の出力電圧が基準電圧を跨ぐように変化した回数が所定回数以上であることなどをもって判断するようにしてもよい。
・各実施の形態において、内燃機関10の暖機が完了したことは、冷却水温度THW以外の例えば潤滑オイルの温度など、内燃機関10の温度の指標となる温度が所定温度以上であることをもって判断するようにしてもよい。また、直接検出した内燃機関10の温度が所定温度以上であることをもって、暖機完了を判断することも可能である。
・各実施の形態は、メインフィードバック補正量MFBとその基準値との定常的な乖離量、および吸気バルブ21のリフト量VLの関係を学習する装置にも、その構成を適宜変更した上で適用することができる。この場合には、サブフィードバック制御にかかる処理および酸素センサ50を省略することもできる。
・本発明は、一つ〜三つの気筒を有する内燃機関や五つ以上の気筒を有する内燃機関にも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態にかかる空燃比制御装置の概略構成を示す略図。 吸気側バルブタイミング可変機構の作動に基づく吸気バルブのバルブタイミングの変更態様を示すタイミングチャート。 リフト量変更機構の作動に基づく吸気バルブのリフト量の変化態様を示すタイミングチャート。 排気通路における空燃比センサおよび酸素センサの配設位置を示す略図。 第1の実施の形態にかかる燃料噴射制御処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 同燃料噴射制御処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 吸気バルブのリフト量と連通部分の通路面積との関係を示すグラフ。 吸気バルブのリフト量と空燃比の変化分との関係を示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる学習処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 第1の実施の形態における吸気バルブのリフト量と乖離量補正値との関係を示すグラフ。 空燃比センサへの排気の当接度合いと排気性状とを気筒毎に示す略図。 第1の実施の形態にかかる移行制限処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 同移行制限処理の処理態様の一例を示すタイミングチャート。 本発明の第2の実施の形態にかかる許可処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 第2の実施の形態にかかる学習処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 本発明の第3の実施の形態における吸気バルブのリフト量と乖離量学習値との関係を示す表。 第3の実施の形態にかかる学習処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 本発明の他の実施の形態における吸気バルブのリフト量と乖離量補正値との関係を示すグラフ。 本発明の他の実施の形態における吸気バルブのリフト量と乖離量補正値との関係を示すグラフ。
符号の説明
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、13…スロットルモータ、14…燃焼室、15…燃料噴射バルブ、16…排気通路、17…排気浄化触媒、18…点火プラグ、19…ピストン、20…クランクシャフト、21…吸気バルブ、22…吸気カムシャフト、23…排気バルブ、24…排気カムシャフト、25…吸気バルブタイミング変更機構、26…アクチュエータ、27…排気バルブタイミング変更機構、28…アクチュエータ、29…リフト量変更機構、30…アクチュエータ、31…アクセルペダル、40…電子制御装置、41…クランクセンサ、42…吸気量センサ、43…アクセルセンサ、44…スロットルセンサ、45…リフト量センサ、46…温度センサ、47…位置センサ、48…位置センサ、49…空燃比センサ、50…酸素センサ。

Claims (11)

  1. 吸気バルブのリフト量を変更するリフト量変更機構と排気の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサとを有する内燃機関に適用されて、機関運転開始後に実行条件が未成立であるときには機関運転状態に基づく見込み制御を通じて燃料噴射量指令値を設定し、前記実行条件の成立時には前記センサの出力値に基づき算出される補正量によるフィードバック制御を通じて前記燃料噴射量指令値を設定する空燃比制御装置において、
    前記実行条件の成立時に、前記リフト量が前記実行条件の未成立時に用いられる特定のリフト量を含む第1のリフト量領域であるときと前記実行条件の成立時にのみ用いられる領域であり前記第1のリフト量領域より小リフト量側の第2のリフト量領域であるときとにおいて各別に、前記補正量とその基準値との定常的な乖離量を乖離量学習値として学習するとともに、該乖離量学習値に基づいて前記乖離量と前記リフト量との関係を求めて記憶する学習手段および、
    前記リフト量に基づいて前記記憶した関係から乖離量補正値を求めるとともに、該求めた乖離量補正値によって前記燃料噴射量指令値を増減補正する補正手段および、
    前記実行条件の成立時に前記第1のリフト量領域であるときの前記乖離量の学習が完了した履歴がないときに、前記第1のリフト量領域から他のリフト量領域への移行を禁止するとともに同第1のリフト量領域における前記リフト量の変更制御を実行する実行手段
    を備えることを特徴とする空燃比制御装置。
  2. 請求項1に記載の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関は前記吸気バルブのバルブタイミングを変更する吸気バルブタイミング変更機構を更に有し、
    前記実行手段は、前記リフト量の変更制御に合わせて、同リフト量に基づく前記吸気バルブのバルブタイミングの変更制御を実行する
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関は排気バルブのバルブタイミングを変更する排気バルブタイミング変更機構を更に有し、
    前記実行手段は、前記リフト量の変更制御に合わせて、同リフト量に基づく前記排気バルブのバルブタイミングの変更制御を実行する
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関は、吸気通路の通路断面積を変更するスロットルバルブを更に有してなり、該スロットルバルブの開度制御と前記吸気バルブのリフト量の変更制御との協働制御を通じて吸気量が調節されるものである
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、
    前記特定のリフト量は大リフト量側の制御限界リフト量である
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関はその排気通路に排気浄化触媒が設けられてなり、
    前記センサは前記排気通路における前記排気浄化触媒より排気流れ方向下流側に設けられてなる
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  7. 請求項6に記載の空燃比制御装置において、
    前記排気通路における前記排気浄化触媒より排気流れ方向下流側に加えて、排気流れ方向上流側にも排気の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサが設けられ、
    前記空燃比制御装置は、前記実行条件の成立時に、前記フィードバック制御の実行に併せて前記上流側のセンサの出力値に基づく前記燃料噴射量指令値の増減補正を実行する
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  8. 請求項7に記載の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関は多気筒内燃機関であり、前記上流側のセンサは全気筒共通のものが一つ設けられる
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、
    前記補正手段は、前記第1および第2のリフト量領域と前記リフト量との関係に基づいて、前記第1および第2のリフト量領域について各別に学習した乖離量学習値から補間して前記乖離量補正値を算出する
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、
    前記学習手段は、前記第1のリフト量領域および前記第2のリフト量領域を含む予め設定された前記リフト量についての複数の領域毎に、前記乖離量学習値を学習してこれを記憶するものであり、
    前記補正手段は、前記リフト量に基づいて前記複数の領域のいずれかを選択するとともに該選択した領域に対応する乖離量学習値を前記乖離量補正値として求める
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の空燃比制御装置において、
    前記実行条件は、前記内燃機関の温度が所定温度以上であることを判断するための条件を含む
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
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