JP2006274810A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 吸気バルブの可変バルブタイミング機構及び可変リフト機構を備えるV型機関において、バンク間における空気量ばらつきを求め、吸気バルブの開口面積が閾値よりも大きい領域において、可変バルブタイミング機構による吸気バルブのバルブタイミングを学習し、該学習が終了した後、前記開口面積が閾値よりも小さい領域において、可変リフト機構による吸気バルブのリフト特性を学習する。前記学習が完了するまでの間は、バンク毎に点火時期を補正して、バンク間におけるトルク段差を解消する。
【選択図】 図10
Description
また、特許文献2には、クランク軸に対するカム軸の位相差を調整することで機関バルブのバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング機構において、バルブタイミングの最遅角位置を機関の運転領域毎に学習する装置が開示されている。
請求項2記載の発明では、吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が閾値よりも大きい領域で、前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習し、前記吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が少なくとも前記閾値よりも小さい領域で、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する構成とした。
請求項3記載の発明では、前記各バンクの発生トルクが等しくなるようにバンク毎に点火時期を補正する構成とした。
係る構成によると、バンク間における空気ばらつきが解消されるようになるまでの間、バンク毎に点火時期を補正して、バンク間において空気量段差があっても、発生トルクに大きな差が発生しないようにする。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、内燃機関101は、左右2つのバンクからなるV型機関である。但し、内燃機関101は水平対向機関であっても良い。
前記機関101の吸気管102には、電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104を通過した空気は、各バンク、更に、各気筒に分配される。
燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を介して排出された後、バンク毎に排気が集合され、バンク毎に設けられるフロント触媒108a,108b及びリア触媒109a,109bで浄化される。
前記リア触媒109a,109bで浄化された後のバンク毎の排気は、合流してマフラーに103に流入し、その後大気中に放出される。
一方、吸気バルブ105側には、バルブリフト量をバルブ作動角と共に連続的に可変制御する可変リフト機構112a,112bがバンク毎に設けられる。
更に、吸気バルブ105側には、クランク軸に対する吸気側カム軸の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に可変制御する可変バルブタイミング機構113a,113bがバンク毎に設けられる。
マイクロコンピュータを内蔵する電子制御ユニット(ECU)114は、アクセル開度に対応する目標吸入空気量が得られるように、前記電子制御スロットル104,可変リフト機構112a,112b及び可変バルブタイミング機構113a,113bを制御する。
前記燃料噴射弁131には、燃料タンク132内の燃料が燃料ポンプ133により圧送され、該燃料噴射弁131が、前記ECU114からの噴射パルス信号(空燃比制御信号)によって開弁駆動されると、噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料が噴射される。
実施形態のV型機関101は、各気筒に一対の吸気バルブ105,105が設けられており、これら吸気バルブ105,105の上方に、クランクシャフトによって回転駆動される吸気駆動軸3(吸気側カム軸)が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。
前記吸気駆動軸3と揺動カム4との間には、吸気バルブ105の作動角及びバルブリフト量を連続的に変更する可変リフト機構112a,112bが設けられている。
また、前記吸気駆動軸3の一端部には、クランクシャフトに対する前記吸気駆動軸3の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変更する可変バルブタイミング機構113a,113bが配設されている。
上記の構成により、クランクシャフトに連動して吸気駆動軸3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12がほぼ並進移動するとともに、ロッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
これにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相が略一定のままで、吸気バルブ105の作動角及びバルブリフト量が連続的に増減変化する。
図4は、前記可変バルブタイミング機構113a,113bを示している。
前記中間ギア23は、ねじりスプリング29によって遅角方向(図4の左方向)へ付勢されており、電磁リターダ24に電圧を印加して磁力を発生すると、ドラム27及び3条ネジ28を介して進角方向(図4の右方向)へ動かされる。
前記電動アクチュエータ17及び電磁リターダ24は、前記ECU114からの制御信号により駆動制御される。
以下では、前記ばらつき学習の詳細を説明する。
図5のフローチャートは、バンク間における空気量ばらつきを検出する手段の第1実施形態を示す。
ステップS11では、右バンクにおける吸入空気流量QRを右バンクに備えられたエアフローメータ115の検出信号に基づいて検出する。
ステップS13では、右バンクにおけるシリンダ空気量に相当する基本燃料噴射量(基本噴射パルス幅)TP0Rを演算する。
TP0R=K×QR/N
尚、Kは定数、Nは機関回転速度である。
TP0L=K×QL/N
ステップS15では、右バンクの基本燃料噴射量TP0Rを平滑化処理し、その結果をTPRとする。
ステップS17では、右バンクの充填効率ITACRを、全開時の基本燃料噴射量TPMAX#を用いて演算する。
ITACR=TPR/TPMAX#
ステップS18では、左バンクの充填効率ITACLを、全開時の基本燃料噴射量TPMAX#を用いて演算する。
ステップS19では、前記右バンクの充填効率ITACR及び左バンクの充填効率ITACLを平滑化処理し、その結果を、ITACRAVE,ITACLAVEとする。
ステップS20では、右バンクの平均充填効率ITACRAVEと、左バンクの平均充填効率ITACLAVEとの偏差として、バンク間の充填効率段差BNKSTPICを演算する。
図6のフローチャートは、バンク間の空燃比段差を空気量ばらつきとして求める第2実施形態を示す。
ステップS31では、右バンクの酸素センサ111aの検出信号を読み込む。
ステップS32では、左バンクの酸素センサ111bの検出信号を読み込む。
ステップS34では、左バンクの空燃比を目標空燃比に一致させるための燃料噴射量のフィードバック補正係数ALPHALを、前記左バンクの酸素センサ111bの検出信号に基づいて演算する。
ステップS36では、左バンクの空燃比フィードバック補正係数ALPHALを平滑化処理し、その結果をAVEALPLとする。
ステップS37では、前記右バンクの平均補正係数AVEALPRと、前記左バンクの平均補正係数AVEALPLとの偏差として、バンク間の空燃比段差BNKSTPALを演算する。
図7のフローチャートは、図5のフローチャートで求められるバンク間の充填効率段差BNKSTPICに基づいてバンク間の空気量ばらつきを補正する制御を示す。
ステップS61では、吸気バルブ105の開口面積ValveAAを機関回転速度Ne及び排気量Volで割った値(ValveAA/Ne/Vol)が第1閾値LRNAACET#以上であるか否かを判別する。
バルブ開口面積に相関する状態量であるValveAA/Ne/Volが第1閾値LRNAACET#以上である領域は、図8に示すように、吸気バルブ105の開口面積の変化に対して吸気バルブ105の通過ガス量が大きく変化しない領域(B)であって、吸気バルブ105の作動角の中心位相(閉弁タイミング)が通過ガス量に大きく影響する領域である。
前記トルク段差BNKSTPICは、右バンクの空気量が左バンクに比べて大きいときにプラスの値に算出されるので、ステップS62では、トルク段差BNKSTPICが閾値STPIR#(>0)よりも大きいと判別されると、右バンクの空気量を減少させるべくステップS63へ進む。
前記吸気バルブの作動角の中心位相は、基準クランク角位置から基準カム角位置までの位相角度として計測され、最遅角学習値BASLRNR(最遅角時における位相角度)から実測の位相角度を減算した結果が最進角位置からの進角量として算出され、該進角量が目標に一致するようにフィードバック制御される。
従って、最遅角学習値BASLRNRが所定値HSTPV#だけ減少設定されると、進角量がより少なく検出されることになり、該減少分を補うように進角されることになる。
右バンクの吸気バルブの中心位相を進角側に修正することで、左バンクよりも大きい右バンクの空気量が減少補正され、バンク間の空気量ばらつきが縮小される。
一方、前記ステップS62で前記段差BNKSTPICが閾値STPMR#以下であると判断されると、ステップS64へ進む。
そして、BNKSTPIC<STPIL#であれば、左バンクにおける中心位相をより進角させるべく(左バンクの空気量を減少させるべく)ステップS65へ進む。
ステップS65では、左バンクの吸気バルブ105の作動角中心位相の最遅角学習値BASLRNLを所定値HSTPV#だけ減少設定するか、左バンクの吸気バルブ105の作動角中心位相の進角目標値VTCTRLを所定値HSTPV#だけ増大補正する。
上記のように、ValveAA/Ne/Volが第1閾値LRNAACET#以上であって吸気バルブ105の作動角の中心位相が通過ガス量に大きく影響する領域でのバンク間の空気量ばらつきは、可変バルブタイミング機構113a,113bのばらつきによる左右バンクでの中心位相のばらつきが原因であると判断して、各バンクの中心位相をバンク間の空気量ばらつきが縮小する方向に修正する。
一方、前記ステップS61でValveAA/Ne/Volが第1閾値LRNAACET#よりも小さいと判断されると、ステップS67へ進む。
そして、前記フラグFCNTLRNが0で、可変バルブタイミング機構113a,113b(中心位相)のばらつき学習が終了していない場合には、ステップS68以降のリフト学習を実行することなく、本ルーチンを終了させる。
ステップS67において、前記フラグFCNTLRNが1で、可変バルブタイミング機構113a,113b(中心位相)のばらつき学習が終了していると判断されると、ステップS68へ進む。
前記ValveAA/Ne/Volが第2閾値LRNAALFT#以下である領域は、図8に示すように、吸気バルブ105の開口面積の変化に対して吸気バルブ105の通過ガス量が変化する領域(A)であって、かつ、吸気バルブ105の作動角の中心位相によっても通過ガス量が変化する領域である。
そこで、前記ValveAA/Ne/Volが第2閾値LRNAALFT#以下であると判断されると、ステップS69以降へ進んで、前記可変リフト機構112a,112bによるリフト特性(リフト量及び作動角)のばらつき学習を行う。
まず、ステップS69では、前記ステップS62と同様に、前記段差BNKSTPICが閾値STPIR#(>0)よりも大きいか否かを判別する。
前記段差BNKSTPICが閾値STPIR#(>0)よりも大きいときには、右バンク側で空気量がより大きくなっている状態であることを示すので、ステップS70へ進み、左バンクの吸気バルブのリフト量をより大きく修正する。
前記トルク段差BNKSTPICが閾値STPML#よりも小さい場合には、ステップS72へ進み、右バンクの吸気バルブのリフト量をより大きく修正すべく、右バンクの最小リフト学習値VSLRNRを所定値HSTPL#だけ増大補正するか、右バンクのリフト量の目標値VELTRGRを所定値HSTPL#だけ増大補正する。
図9のフローチャートは、図6のフローチャートで求められる前記段差BNKSPALに基づいてバンク間の空気量ばらつきを補正する制御を示す。
ここで、図9のフローチャートは、図7のフローチャートに対して、ステップS82,84,89,91の部分のみが異なり、他の各ステップは、前記図7のフローチャートと同様の処理が行われる。
一方、ステップS84では、トルク段差BNKSTPALが閾値STPIL#(<0)よりも小さいか否かを判別することで、左バンクの空気量が右バンクに比べて大きいか否かを判別する。
同様に、ステップS89でBNKSTPAL>STPIR#であると判別されと、左バンクにおけるリフト量(空気量)を増大させるべくステップS90へ進み、ステップS91でBNKSTPAL<STPIL#であると判別されと、右バンクにおけるリフト量(空気量)を増大させるべくステップS92へ進む。
図10のフローチャートによる点火時期補正は、前記図5のフローチャートに従って段差BNKSTPICを検出し、前記図7のフローチャートに従ってばらつき学習を行う構成に対応するものである。
中心位相のばらつき学習が終了しているか否かは、前記学習終了フラグFCNTLRNに基づいて判断できる。
本実施形態では、図7又は図9のフローチャートに示すように、中心位相のばらつき学習が完了してからリフト特性のばらつき学習を行うので、中心位相のばらつき学習が終了していないときには、リフト特性のばらつき学習も終了していないことになる。
一方、ステップS101で中心位相のばらつき学習が終了していると判断されると、ステップS102へ進み、リフト特性のばらつき学習が終了しているか否かを判別する。
ステップS102でリフト特性のばらつき学習が終了していると判断された場合には、可変動弁機構(可変リフト機構112a,112b及び可変バルブタイミング機構113a,113b)のばらつきによるバンク間の空気量ばらつきが解消されていると判断され、点火時期の補正によってバンク間のトルク段差を解消させる必要はないので、そのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS103では、前記段差BNKSTPICが閾値STPIR#(>0)よりも大きいか否かを判別する。
一方、前記段差BNKSTPICが閾値STPIR#以下であるときには、ステップS105へ進み、前記段差BNKSTPICが閾値STPIL#(<0)よりも小さいか否かを判別する。
前記ステップS104及びステップS106における点火時期の遅角補正においては、図11に示すように、前記段差BNKSTPICの絶対値が大きくなるほど、即ち、空気量のばらつきが大きいほど、遅角補正量を大きくする。
次に、前記図6のフローチャートに従って段差BNKSTPALを検出し、前記図9のフローチャートに従ってばらつき学習を行う構成に対応する点火時期の補正制御を、図12のフローチャートに従って説明する。
即ち、吸気バルブを通過するガス流速が音速となる領域内に、前記可変リフト機構112a,112bのばらつきを学習させる領域を設定し、ガス流速が非音速となる領域内に可変バルブタイミング機構113a,113bのばらつきを学習させる領域を設定し、前記実施形態と同様に、可変バルブタイミング機構113a,113bのばらつき学習が終了した後で、前記可変リフト機構112a,112bのばらつき学習を行わせる。
そして、前記ValveAA/Ne/Volと閾値とを比較する各ステップを、吸気バルブを通過するガス流速が音速であるか非音速であるかを判別する処理に書き換えることで、前記可変リフト機構112a,112bのばらつきと可変バルブタイミング機構113a,113bのばらつきとを分離して学習させることができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項2記載の内燃機関の制御装置において、前記吸気バルブの作動角の中心位相に依存する空気量のばらつき学習が終了してから、前記吸気バルブのリフト特性に依存する空気量のばらつきを学習することを特徴とする内燃機関の制御装置。
(ロ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置において、
前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習する領域と、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する領域との間に非学習領域を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
(ハ)請求項2記載の内燃機関の制御装置において、
前記吸気バルブの開口面積に相関する状態量として、前記吸気バルブを通過するガス流速が音速であるか否かを判別し、該判別結果に基づいて前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習する領域と、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習する領域とに分けることを特徴とする内燃機関の制御装置。
(ニ)請求項2記載の内燃機関の制御装置において、
前記吸気バルブの開口面積をValveAA、機関回転速度をNeとしたときに、ValveAA/Neを前記吸気バルブの開口面積に相関する状態量として演算することを特徴とする内燃機関の制御装置。
(ホ)請求項3記載の内燃機関の制御装置において、
点火時期の補正量を、バンク間における空気量段差に応じて可変に設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
Claims (3)
- 複数のバンクを有すると共に、各バンクに、吸気バルブの作動角の中心位相、及び、前記吸気バルブのリフト特性を可変とする可変動弁機構をそれぞれ備えてなる内燃機関の制御装置であって、
前記中心位相に依存するバンク間における空気量のばらつきと、前記リフト特性に依存するバンク間における空気量のばらつきとを、吸気系の状態量に基づき領域を分けて個別に学習すると共に、
前記中心位相に依存する空気量のばらつき、及び、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきの学習を完了するまでの間、各バンクの発生トルクが等しくなるように、前記内燃機関の操作量をバンク毎に補正することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が閾値よりも大きい領域で、前記中心位相に依存する空気量のばらつきを学習し、前記吸気バルブの開口面積又は該開口面積に相関する状態量が少なくとも前記閾値よりも小さい領域で、前記リフト特性に依存する空気量のばらつきを学習することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
- 前記各バンクの発生トルクが等しくなるようにバンク毎に点火時期を補正することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
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