JP2009203842A - 内燃機関のノック検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノックセンサの出力信号に重畳するノイズによるノックの誤判定を防止する。
【解決手段】所定のノック判定区間でノックセンサ28の出力信号をA/D変換部41でA/D変換して取り込み、時間−周波数解析部42でノックセンサ28の出力信号から周波数と時間と振動強度のデータを同時に抽出して複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する。この後、エッジ抽出処理によりエッジ方向θn とエッジ強度Vn を算出した後、相互相関/ノック判定部43で複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を表す相関値CRRを算出する。この後、相関値CRRを判定しきい値と比較し、相関値CRRが判定しきい値よりも大きければ、ノックと判定し、相関値CRRが判定しきい値以下であれば、ノックでないと判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノック信号出力手段の出力信号から抽出した振動強度の時間変化パターンに基づいてノック判定を行う内燃機関のノック検出装置に関する発明である。
近年、特許文献1(特開2005−188297号公報)に記載されているように、ノック発生時には、ノック特有の振動成分のピーク周波数が徐々に低周波数側に移行する「低周波シフト」という現象が発生する点に着目して、ノックセンサの出力信号から抽出した1つのノック周波数域の振動成分のピーク周波数が徐々に低周波数側に移行しているか否かで、ノックの有無を判定するようにしたものがある。
特開2005−188297号公報(第4頁等参照)
近年の内燃機関は、出力、燃費、環境性能向上を狙って、可変動弁機構、過給機等の様々なシステムを搭載したり、筒内噴射エンジンのように燃焼モードに応じて燃料噴射時期を変化させるため、ノック判定区間でノックセンサ信号に重畳するノイズの種類やノイズ発生頻度が増える傾向があるが、上記特許文献1のノック検出技術では、1つのノック周波数域の振動成分が時系列的に低周波シフトしているか否かを判定するだけであるため、例えば、図4に示すように、1つのノック判定区間内に複数のノイズが時系列的にノックセンサ信号に重畳した場合に、見掛上、1つの連続した振動成分が低周波シフトしているように誤判定してしまう可能性があり、1つの周波数域の振動成分の低周波シフトの有無のみを判定したのではノックを誤判定する可能性がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、ノック信号出力手段の出力信号に重畳するノイズが増えても、ノイズによるノックの誤判定を防止することができて、ノック判定精度を高めることができる内燃機関のノック検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の運転中に発生するノックに応じて出力信号の波形が変化するノック信号出力手段と、前記ノック信号出力手段の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する複数周波数振動強度抽出手段と、前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価してその相関性に基づいてノック判定を行うノック判定手段とを備えた構成としたものである。
ノックが発生すると、ノックの基本周波数(シリンダのボア径によって決まる1次の共振周波数である例えば7.5kHz付近)のノック振動成分だけでなく、同時に、2次以降の高次の共振周波数域にもノック振動成分が現れる。複数のノイズが低周波シフトのように連続して発生する現象は、複数の周波数域に同時に発生する現象ではなく、一部の周波数域のみに発生する現象である。
このような事情を考慮して、本発明では、ノック信号出力手段の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出して、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価してその相関性に基づいてノック判定を行うようにしているため、ノック信号出力手段の出力信号に重畳したノイズによって、いずれかの周波数域でノックと区別できない低周波シフトが現れたとしても、そのノイズによる低周波シフトをノックと誤判定することを防止することができて、ノック判定精度を高めることができる。
本発明は、ノック信号出力手段の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する複数周波数振動強度抽出手段として、複数のバンドパスフィルタを用いても良いが、請求項2のように、ノック信号出力手段の出力信号を時間−周波数解析して複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出するようにしても良い。この場合、時間−周波数解析(Time-Frequency Analysis)は、短時間フーリエ変換(STFT)、ウェーブレット変換、ウィグナー分布等を用いれば良く、この時間−周波数解析によってノック信号出力手段の出力信号から周波数と時間と振動強度のデータを同時に抽出して複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを作成することができる。
また、請求項3のように、規範モデルは、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの特徴量である輪郭、面積、変化方向(低周波シフトの方向)、輪郭長さのいずれか少なくとも1つで作成すれば良い。これらいずれの特徴量を用いても、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンと規範モデルとの相関性を定量的に判定できる。
この場合、請求項4のように、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を相互相関又は予め設定された相関値演算式により評価するようにすれば良い。このようにすれば、演算処理により相関性を数値で定量的に評価することができる。
更に、請求項5のように、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価した相関値を判定しきい値と比較してノック判定を行うようにすれば良い。
一般に、ノックが発生しやすい条件は、内燃機関の運転条件(機関回転速度、負荷等)に応じて変化するため、請求項6のように、前記判定しきい値を内燃機関の運転条件毎に設定するようにしても良い。これにより、内燃機関の運転条件に適したノック判定条件でノックの有無を判定することができる。
また、請求項7のように、ノック検出頻度に応じて前記判定しきい値を補正するようにしても良い。一般に、点火時期の制御は、ノックを検出しないときに点火時期を進角し、ノックを検出したときに点火時期を遅角するという処理を繰り返すことで、点火時期をノック限界付近に制御することから、例えば、ノック検出頻度が少ない運転条件では、判定しきい値を厳しくしてノックを検出しにくくすることで、点火時期を全体的に進角側に制御して出力・燃費を向上させたり、反対に、ノック検出頻度が多い運転条件では、判定しきい値を緩和してノックを検出しやすくすることで、点火時期を全体的に遅角側に制御して、聴感上、ノックを許容できる範囲内に抑制するという制御が可能となる。
ノック発生時には、複数の周波数域の振動強度が同時に急激に大きくなるという特徴があるため、請求項8のように、複数の周波数域の振動強度が同時に急激に大きくなった時点から規範モデルとの相関性を評価する区間を開始ようにすれば良い。このようにすれば、ノイズの影響をより一層少なくすることができる。
この場合、請求項9のように、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンのうち、急激に大きくなるタイミングがずれた周波数域の振動強度の時間変化パターンについては、規範モデルとの相関性を評価しないようにすると良い。急激に大きくなるタイミングがずれた周波数域の振動強度の時間変化パターンは、ノイズによるものと考えられるためである。
また、請求項10のように、複数の周波数域の振動強度のうち最も遅くまで続く周波数域の振動強度が所定値以下に減衰するまで規範モデルとの相関性を評価する区間を継続するようにすると良い。このようにすれば、各周波数域の振動強度の時間変化パターンの特徴量(輪郭、面積、変化方向、輪郭長さ等)を全ての周波数域で最後まで精度良く抽出することができる。
本発明は、代表的な周波数域(例えば基本周波数域)の振動モードを基準にして規範モデルを作成しても良いが、請求項11のように、複数の周波数域の振動モードに対応した規範モデルを作成すると良い。このようにすれば、精度の良い規範モデルを用いて相関性を評価することができる。
また、請求項12のように、複数周波数振動強度抽出手段で抽出した複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンのうち、ノックと判定された時の時間変化パターンに基づいて規範モデルを規範モデル補正手段により補正するようにしても良い。このようにすれば、実際のノック発生時の複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンによって規範モデルを補正することができるため、実機データに基づいて規範モデルの精度を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ10によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、エンジン11の各気筒には、それぞれ燃料を筒内に噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各気筒の点火タイミング毎に点火装置25によって点火プラグ21に高電圧が印加されて筒内の混合気に着火される。
また、エンジン11には、吸気バルブ29のバルブタイミング(開閉時期)を可変する可変吸気バルブタイミング装置31と、排気バルブ30のバルブタイミングを可変する可変排気バルブタイミング装置32とが設けられている。
一方、エンジン11の排気管22には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサ24が設けられている。また、エンジン11のシリンダブロックには、エンジン11のクランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26が取り付けられ、このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
更に、エンジン11のシリンダブロックには、ノック振動を検出するノックセンサ28(ノック信号出力手段)が取り付けられ、このノックセンサ28の出力信号が後述するノック判定回路33でディジタル処理されてノック判定が行われる。このノック判定回路33のノック判定結果がエンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)34に入力される。このECU34は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、燃料噴射弁20の燃料噴射量、点火プラグ21の点火時期、吸気側及び排気側の可変バルブタイミング装置31,32のバルブタイミング等を制御する。この際、点火時期の制御は、ノック判定回路33によりノックを検出しないときに点火時期を進角し、ノックを検出したときに点火時期を遅角するという処理を繰り返すことで、点火時期をノック限界付近に制御するノック制御を実行する。
図3に示すように、ノックが発生すると、ノックの基本周波数(シリンダのボア径によって決まる1次の共振周波数)のノック振動成分だけでなく、同時に、2次以降の高次の共振周波数域にもノック振動成分が現れる。ノック発生時には、これら複数の周波数域の振動成分が徐々に低周波数側に移行する「低周波シフト」という現象が発生する。また、図4に示すように、1つのノック判定区間内に複数のノイズが時系列的にノックセンサ28の出力信号に重畳した場合に、見掛上、1つの連続した振動成分が低周波シフトしているように誤判定してしまう可能性があり、1つの周波数域の振動成分の低周波シフトの有無のみを判定したのではノックを誤判定する可能性がある。
そこで、本実施例では、ノックセンサ28の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出して、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価してその相関性に基づいてノック判定を行うようにしている。
以下、本実施例では、ノックセンサ28の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する手法として、時間−周波数解析(Time-Frequency Analysis )を用いる例を説明する。この場合、時間−周波数解析は、短時間フーリエ変換(STFT)、ウェーブレット変換、ウィグナー分布等を用いれば良い。
この時間−周波数解析の処理は、ノック判定回路33内の時間−周波数解析部42(複数周波数振動強度抽出手段)で行われる。ノックセンサ28の出力信号は、A/D変換部41でデジタル値に変換され、時間−周波数解析部42で処理される。これにより、ノック発生時には、図3に示すように、複数の周波数域で振動強度の時間変化パターンが抽出される。この振動強度の時間変化パターンが抽出される周波数域は、ノック振動の周波数のうちの最も低周波である基本周波数(シリンダのボア径によって決まる1次の共振周波数)と、2次以降の高次の共振周波数域である。
この時間−周波数解析部42の解析結果に基づいて相互相関/ノック判定部43(ノック判定手段)により複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価してその相関性に基づいてノック判定を行う。
具体的には、まず、図3に示す時間−周波数解析の結果に対して画像処理のエッジ抽出技術を適用して複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの輪郭(エッジ)を抽出する。例えば、図3において、時間軸(クランク角軸)方向をx方向、周波数軸方向をy方向、任意の座標(x,y)における画素値をG(x,y)とすると、その座標(x,y)における濃度の勾配(Δx,Δy)は、次式で表される。
Δx(x,y)=G(x−1,y)−G(x,y)
Δy(x,y)=G(x,y−1)−G(x,y)
任意の座標(x,y)におけるエッジ強度Vn(x,y) は次式で算出される。
Figure 2009203842
また、任意の座標(x,y)におけるエッジ方向θn(x,y) は次式で算出される。
Figure 2009203842
エッジ方向θn(x,y) は、濃度変化の暗い方から明るい方に向いたものとなる。
濃度の勾配(Δx,Δy)が所定値以上変化したところを輪郭としても良いし、近接する領域の濃度変化量が所定値以上変化したところを輪郭としても良い。更に、エンジン回転速度及び/又は負荷に応じて輪郭(エッジ)抽出方法を切り替えるようにしても良い。
複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの輪郭(エッジ)を抽出する処理を終了した後、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの輪郭とノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価する。この相関性の評価は、予め設定された次の相関値演算式により演算した相関値CRRを用いる。
Figure 2009203842
ここで、Vm(x,y) は、任意の座標(x,y)における規範モデルのエッジ強度であり、θm(x,y) は、任意の座標(x,y)における規範モデルのエッジ方向である。尚、エッジ強度側とエッジ方向側の相関を同時にとっても良いし、片方ずつの相関をとっても良い。
規範モデルは、ノックの特徴を表すモデルであり、ノックの特徴は次の4つである。
(1) 急激に振動強度が増加すること
(2) 対数減衰(振動持続)すること
(3) 複数の周波数域に振動強度が現れること
(4) 低周波シフトが現れること
この規範モデルは、実機データに基づいて作成したり、或は、シミュレーション等により理論的に算出しても良い。
ノック発生時には、複数の周波数域の振動強度が同時に急激に大きくなるという特徴があるため、複数の周波数域の振動強度が同時に急激に大きくなった時点から規範モデルとの相関性を評価する区間を開始ようにすれば良い。このようにすれば、ノイズの影響をより一層少なくすることができる。
この場合、相関性を評価する区間内であっても、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンのうち、急激に大きくなるタイミングがずれて遅れた周波数域の振動強度の時間変化パターンについては、規範モデルとの相関性を評価しないようにすれば良い。急激に大きくなるタイミングがずれた周波数域の振動強度の時間変化パターンは、ノイズによるものと考えられるためである。
また、複数の周波数域の振動強度のうち最も遅くまで続く周波数域の振動強度が所定値以下に減衰するまで規範モデルとの相関性を評価する区間を継続するようにすると良い。このようにすれば、各周波数域の振動強度の時間変化パターンの特徴量(輪郭、面積、変化方向、輪郭長さ等)を全ての周波数域で精度良く抽出することができる。
また、代表的な周波数域(例えば基本周波数域)の振動モードを基準にして規範モデルを作成しても良いが、複数の周波数域の振動モードに対応した規範モデルを作成すると良い。このようにすれば、精度の良い規範モデルを用いて相関性を評価することができる。
前記相関値演算式により演算した相関値CRRは、規範モデルとの相関関係が高くなるほど大きな値となり、最大値「1」に近付いていく。そこで、この相関値CRRを判定しきい値と比較して、相関値CRRが判定しきい値よりも大きければ、ノックと判定し、相関値CRRが判定しきい値以下であれば、ノックでないと判定する。この相互相関/ノック判定部43の判定結果の情報は、ECU34に送信される。これにより、ECU34は、ノックが検出されないときに点火時期を進角し、ノックが検出されたときに点火時期を遅角するという処理を繰り返すことで、点火時期をノック限界付近に制御するノック制御を実行する。
上述したノック判定処理は、ノック判定回路33によって図5のノック判定ルーチンに従って実行される。図5のノック判定ルーチンは、各気筒の1点火毎に実行され、まず、ステップ101で、所定のノック判定区間でノックセンサ28の出力信号をA/D変換部41でA/D変換して取り込み、次のステップ102で、時間−周波数解析(STFT、ウェーブレット変換、ウィグナー分布等)を実行して、ノックセンサ28の出力信号から周波数と時間と振動強度のデータを同時に抽出して複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する。この後、ステップ103に進み、エッジ抽出処理(輪郭抽出処理)を実行して、前記[数1]、[数2]によりエッジ方向θn(x,y) とエッジ強度Vn(x,y) を算出する。
この後、ステップ104に進み、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの輪郭とノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を表す相関値CRRを前記[数3]により算出する。この後、ステップ105に進み、相関値CRRを判定しきい値と比較して、相関値CRRが判定しきい値よりも大きければ、ステップ106に進み、ノックと判定し、相関値CRRが判定しきい値以下であれば、ステップ107に進み、ノックでないと判定する。このようにすれば、ノックセンサ28の出力信号に重畳したノイズによって、いずれかの周波数域でノックと区別できない低周波シフトが現れたとしても、そのノイズによる低周波シフトをノックと誤判定することを防止することができて、ノック判定精度を高めることができる。
この際、判定しきい値は、予め適合工程で作業者の聴感で許容される強度と頻度に基づいて設定された一定値(固定値)を用いても良いが、ノックが発生しやすい条件は、エンジン運転条件(エンジン回転速度、負荷等)に応じて変化するため、前記判定しきい値をエンジン運転条件毎に設定するようにしても良い。これにより、エンジン運転条件に適したノック判定条件でノックの有無を判定することができる。
また、ノック検出頻度に応じて判定しきい値を補正するようにしても良い。例えば、ノック検出頻度が少ない運転条件では、判定しきい値を厳しくして(大きくして)、ノックを検出しにくくすることで、点火時期を全体的に進角側に制御して出力・燃費を向上させたり、反対に、ノック検出頻度が多い運転条件では、判定しきい値を緩和して(小さくして)、ノックを検出しやすくすることで、点火時期を全体的に遅角側に制御して、聴感上、ノックを許容できる範囲内に抑制するという制御が可能となる。
或は、ノックと判定された時の複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンに基づいて規範モデルを補正するようにしても良い。このようにすれば、実際のノック発生時の複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンによって規範モデルを補正することができるため、実機データに基づいて規範モデルの精度を高めることができる。
本実施例では、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンと規範モデルとの相関性を表す相関値CRRを算出するようにしたが、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンと規範モデルとの相互相関を演算するようにしても良い。
また、本実施例では、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの特徴量として、輪郭(エッジ)を抽出したが、その他に、面積、変化方向(低周波シフトの方向)、輪郭長さを抽出するようにしても良く、要は、輪郭、面積、変化方向、輪郭長さのいずれか少なくとも1つを特徴量とすると共に、その特徴量を用いて規範モデルを作成しても良い。これらいずれの特徴量を用いても、複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンと規範モデルとの相関性を定量的に判定できる。
また、本実施例では、ノックセンサ28の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する手段として、時間−周波数解析を用いたが、上記複数の周波数域に対応する複数のバンドパスフィルタによって抽出するようにしても良い。
また、本実施例では、エンジン運転中に発生するノックに応じて出力信号の波形が変化するノック信号出力手段としてノックセンサ28を用いたが、筒内圧を検出する筒内圧センサや、筒内の混合気の燃焼に伴って発生するイオンを点火プラグ21等を介して検出するイオン電流検出手段等をノック信号出力手段として用いるようにしても良い。
また、単純に各周波数域のノック部分の強度を判定しきい値と比較してノック判定しても良い。その際、各周波数域毎に判定しきい値を設定しても良いし、各周波数域のノック部分の強度を合計した値を判定しきい値と比較してノック判定しても良い。
その他、本発明は、図1のような筒内噴射エンジンに限定されず、吸気ポート噴射エンジンや、吸気ポートと筒内の両方に燃料噴射弁を搭載したデュアル噴射エンジンにも適用して実施することができ、また、可変バルブタイミング装置等の可変動弁装置が搭載されていないエンジンにも適用して実施できる等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
本発明の一実施例におけるエンジン制御システム全体を示す概略構成図である。 ノックセンサの出力信号を処理してノック判定する回路を示すブロック図である。 ノックセンサの出力信号から抽出した複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを模式的に示す図である。 1つの周波数域のみで振動強度の時間変化パターンを抽出した場合にノックセンサの出力信号に重畳したノイズによってノックと誤判定する一例を説明する図である。 ノック判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管、25…点火装置、28…ノックセンサ(ノック信号出力手段)、29…吸気バルブ、30…排気バルブ、31…可変吸気バルブタイミング装置、32…可変排気バルブタイミング装置、33…ノック判定回路、34…ECU、41…A/D変換部、42…時間−周波数解析部(複数周波数振動強度抽出手段)、43…相互相関/ノック判定部(ノック判定手段)

Claims (12)

  1. 内燃機関の運転中に発生するノックに応じて出力信号の波形が変化するノック信号出力手段と、
    前記ノック信号出力手段の出力信号から複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出する複数周波数振動強度抽出手段と、
    前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価してその相関性に基づいてノック判定を行うノック判定手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関のノック検出装置。
  2. 前記複数周波数振動強度抽出手段は、前記ノック信号出力手段の出力信号を時間−周波数解析して前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンを抽出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のノック検出装置。
  3. 前記規範モデルは、前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンの輪郭、面積、変化方向、輪郭長さのいずれか少なくとも1つで作成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のノック検出装置。
  4. 前記ノック判定手段は、前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を相互相関又は予め設定された相関値演算式により評価することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
  5. 前記ノック判定手段は、前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンとノックの特徴を表す規範モデルとの相関性を評価した相関値を判定しきい値と比較してノック判定を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
  6. 前記判定しきい値は、内燃機関の運転条件毎に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のノック検出装置。
  7. 前記ノック判定手段は、ノック検出頻度に応じて前記判定しきい値を補正することを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関のノック検出装置。
  8. 前記ノック判定手段は、前記複数の周波数域の振動強度が同時に急激に大きくなった時点から前記規範モデルとの相関性を評価する区間を開始することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
  9. 前記ノック判定手段は、前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンのうち、急激に大きくなるタイミングがずれた周波数域の振動強度の時間変化パターンについては、前記規範モデルとの相関性を評価しないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
  10. 前記ノック判定手段は、前記複数の周波数域の振動強度のうち最も遅くまで続く周波数域の振動強度が所定値以下に減衰するまで前記規範モデルとの相関性を評価する区間を継続することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
  11. 前記規範モデルは、前記複数の周波数域の振動モードに対応したモデルであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
  12. 前記複数周波数振動強度抽出手段で抽出した前記複数の周波数域の振動強度の時間変化パターンのうち、ノックと判定された時の時間変化パターンに基づいて前記規範モデルを補正する規範モデル補正手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の内燃機関のノック検出装置。
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