JP4919020B2 - 内燃機関のノック判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のノッキング振動を検出する振動センサの出力に基づいてノッキングの有無を判定する内燃機関のノック判定装置に関するものである。
一般に、内燃機関のノック判定装置は、内燃機関のシリンダブロックに、ノックキング振動を検出するノックセンサを取り付け、このノックセンサの出力(振動波形)のピーク値や積分値をノック判定閾値と比較してノック判定を行うようにしたものが多い。
ところで、例えば、図5に示すように、一般的なノックセンサは、その共振周波数よりも十分に低い周波数領域では出力ゲインがフラット(ほぼ一定)になるが、それよりも高い周波数領域では周波数が高くなる(共振周波数に近付く)に従って出力ゲインが大きくなるという出力特性を有する。
このようなノックセンサの出力特性を考慮して、ノックセンサの出力ゲインの変化の影響を受けずにノック判定を行うために、特許文献1(特公平7−113353号公報)に記載されているように、ノックセンサの出力から出力ゲインがフラットな周波数帯の振動成分をバンドパスフィルタ等のフィルタで抽出し、この抽出した周波数帯(ノックセンサの出力ゲインがフラットな周波数帯)の振動成分を用いてノック判定を行うようにしたものがある。
特公平7−113353号公報(第1頁等)
近年、筒内噴射エンジンのインジェクタの駆動ノイズや可変バルブタイミング装置の駆動ノイズ等、新技術に伴う新たな機械ノイズが増加しているため、従来の低い周波数領域(ノックセンサの出力ゲインがフラットな周波数領域)の振動成分を用いたノック判定では、機械ノイズの影響を低減することが困難になりつつある。
そこで、本発明者らは、従来よりも高い周波数領域の振動成分を用いて機械ノイズの影響を低減するノック判定システムを研究しているが、この研究過程で、次ような新たな課題が判明した。
一般的なノックセンサで、従来よりも高い周波数領域の振動成分を用いてノック判定しようとすると、ノック判定に用いる振動成分の周波数領域が、ノックセンサの共振周波数に近付いて出力ゲインのフラットな周波数領域ではなくなる。従って、上記特許文献1の技術のように、ノックセンサの出力ゲインがフラットな周波数領域の振動成分を用いてノック判定を行うには、ノックセンサの共振周波数を高くして、出力ゲインがフラットな周波数領域を高周波側に拡大する必要がある。しかし、ノックセンサの共振周波数を高くするには、振動素子を薄くする等の工夫を施した特別なノックセンサを新たに設計開発する必要があり、コストアップが避けられない。また、仮に振動素子を薄くする等の工夫により共振周波数を高くしたノックセンサを実現できたとしても、耐久性が損なわれたり、全領域の出力が低下して電気ノイズに弱くなる等の問題が発生する可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、振動センサの共振周波数を高くすることなく、機械ノイズの影響を低減することができて、ノック判定精度を向上させることができる内燃機関のノック判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関のノッキング振動を検出する振動センサと、この振動センサの出力から所定周波数帯の振動成分を抽出するフィルタ手段と、このフィルタ手段により振動センサの出力から抽出した所定周波数帯の振動成分に基づいてノッキングの有無を判定するノック判定手段とを備えた内燃機関のノック判定装置において、フィルタ手段により振動センサの出力から抽出する所定周波数帯を、周波数が高くなるに従って振動センサの出力ゲインが大きくなる周波数領域を含むように設定し、更に、振動センサは、5kHzから15kHzまでの周波数領域において出力ゲインがほぼ一定になり、15kHzよりも高い周波数領域において周波数が高くなるに従って出力ゲインが大きくなる出力特性を有し、前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出する所定周波数帯は、15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むように設定されていることを特徴とするものである。
一般に、機械ノイズは、高周波領域(例えば20kHz以上の周波数領域で、一般的な振動センサでは周波数が高くなるに従って出力ゲインが大きくなる周波数領域)ではほとんど発生しない。一方、ノッキング振動は、高周波領域でも発生するが、高周波領域で発生するノッキング振動は、振動強度が低周波領域(例えば15kHz以下の周波数領域で、一般的な振動センサでは出力ゲインがフラットな周波数領域)で発生するノッキング振動に比べて振動強度が小さいことが多い。従って、振動センサの出力から高周波領域(周波数が高くなるに従って振動センサの出力ゲインが大きくなる周波数領域)の振動成分を抽出すれば、機械ノイズの振動成分をほとんど含まず且つノッキングの高周波領域の振動強度を増幅した振動波形を得ることができる。
従って、本発明のように、振動センサの出力から抽出する所定周波数帯を、周波数が高くなるに従って振動センサの出力ゲインが大きくなる周波数領域を含むように設定し、その所定周波数帯の振動成分に基づいてノック判定を行うようにすれば、機械ノイズの影響を低減することができて、ノック判定精度を向上させることができる。しかも、振動センサの共振周波数を高くする(出力ゲインがフラットな周波数領域を高周波側に拡大する)必要がないため、従来の一般的な振動センサをそのまま使用することができ、コスト、耐久性、電気ノイズ等の問題も解決することができる。
この場合、請求項1に係る発明は、振動センサが、5kHzから15kHzまでの周波数領域において出力ゲインがほぼ一定になり、15kHzよりも高い周波数領域において周波数が高くなるに従って出力ゲインが大きくなる出力特性を有するシステムにおいて、フィルタ手段により振動センサの出力から抽出する所定周波数帯を、15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むように設定している。このようにすれば、振動センサの出力ゲインがほぼ一定になる周波数領域(15kHz以下の周波数領域)と周波数が高くなるに従って振動センサの出力ゲインが大きくなる周波数領域(20kHz以上の周波数領域)の両方の周波数領域の振動成分を用いてノック判定を行うことができ、ノック判定精度を向上できる。
更に、請求項のように、振動センサの出力から複数の周波数帯の振動成分を抽出し、そのうちの少なくとも1つの周波数帯に15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むよう設定しても良い。ノッキング特有の振動は複数の周波数帯で発生するため、振動センサの出力から複数の周波数帯の振動成分を抽出するようにすれば、ノッキング特有の振動が発生する周波数帯の振動成分のみを抽出することが可能となり、ノイズの振動成分を除去しながら、ノッキングの振動成分を抽出することができる。
また、ノック判定は、請求項のように、振動センサの出力から抽出した振動波形のピーク値又は積分値(面積)を用いてノッキングの有無を判定するようにしても良い。振動センサの出力から抽出した振動波形のピーク値や積分値を用いれば、振動強度を評価してノッキングの有無を精度良く判定することができる。
更に、請求項のように、振動センサの出力から抽出した振動波形と予め記憶した振動波形との比較結果と、振動センサの出力から抽出した振動波形のピーク値又は積分値とを用いてノッキングの有無を判定するようにしても良い。このようにすれば、振動センサの出力から抽出した振動波形のピーク値や積分値(つまり振動強度の情報)のみではノイズとノッキングとを区別できない場合でも、振動センサの出力から抽出した振動波形と予め記憶した振動波形(例えばノック特有の波形を表す理想ノック波形)との比較結果によってノイズとノッキングとを精度良く区別することができる。
ところで、一般的な振動センサは、共振周波数付近で出力ゲインが急変するという出力特性を有するため、振動センサの出力のうちの共振周波数付近の振動成分をそのままノック判定に使用することは困難である。
そこで、請求項のように、振動センサの共振周波数及びその近傍における出力ゲインの急変を抑制する処理を行った後、振動センサの出力から所定周波数帯(例えば20kHz以上の周波数領域を含む周波数帯)の振動成分を抽出する処理を行うようにしても良い。振動センサの共振周波数及びその近傍における出力ゲインの急変を抑制する処理を行うことで、振動センサの出力特性を、共振周波数付近の高周波領域まで出力ゲインが緩やかに大きくなるほぼフラットな出力特性に調整することができ、振動センサの出力を共振周波数付近の高周波領域までノック判定に使用することが可能となる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ10によって開度調節されるスロットルバルブ15と、このスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
また、エンジン11には、吸気バルブ29のバルブタイミング(開閉タイミング)を可変する吸気側可変バルブタイミング装置31と、排気バルブ30のバルブタイミングを可変する排気側可変バルブタイミング装置32とが設けられている。
一方、エンジン11の排気管22には、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ25と、ノックキング振動を検出するノックセンサ28(振動センサ)と、エンジン11のクランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26が取り付けられている。このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)27に入力される。このECU27は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ21の点火時期を制御する。
ところで、図2に示すように、ノックセンサ28は、その共振周波数よりも十分に低い周波数領域(例えば5kHzから15kHzまでの周波数領域)では出力ゲインがフラット(ほぼ一定)になるが、それよりも高い周波数領域(例えば15kHzよりも高い周波数領域)では周波数が高くなる(共振周波数に近付く)に従って出力ゲインが大きくなるという出力特性を有する。更に、15kHzから25kHzまでの領域では周波数にほぼ比例して出力ゲインが大きくなり、15kHz付近の出力ゲインに対して25kHz付近の出力ゲインが1.5倍以上になるという出力特性を有する。
また、図3(a)に示すように、一般に、機械ノイズは、高周波領域(例えば20kHz以上の周波数領域で、周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域)ではほとんど発生しない。一方、ノッキング振動は、高周波領域でも発生するが、高周波領域で発生するノッキング振動は、低周波領域(例えば15kHz以下の周波数領域で、ノックセンサ28の出力ゲインがフラットな周波数領域)で発生するノッキング振動に比べて振動強度が小さいことが多い。
従って、ノックセンサ28の出力から高周波領域(周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域)の振動成分を抽出すれば、図3(b)に示すように、機械ノイズの振動成分をほとんど含まず且つノッキングの高周波領域の振動強度を増幅した振動波形を得ることができる。
この点に着目して、本実施例では、ノックセンサ28の出力から抽出する所定周波数帯を、例えば5kHzから25kHzの周波数領域に設定することで、ノックセンサ28の出力ゲインがフラットになる周波数領域(15kHz以下の周波数領域)と、周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域(20kHz以上の周波数領域)の両方を含むように設定し、ECU27が後述する図4のノック判定プログラムを実行することで、ノックセンサ28の出力から所定周波数帯(例えば5kHzから25kHz)の振動成分を抽出するバンドパスフィルタ処理を行い、このバンドパスフィルタ処理によりノックセンサ28の出力から抽出した所定周波数帯の振動成分に基づいてノッキングの有無を判定する。これにより、機械ノイズの影響を低減して、ノック判定精度を向上させるようにしている。
以下、ECU27が実行する図4のノック判定プログラムの処理内容を説明する。
図4に示すノック判定プログラムは、ECU27の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうノック判定手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、ノックセンサ28の出力を読み込むことでエンジン11の振動を検出する。この振動検出は、燃焼行程の所定区間(例えば上死点から上死点後90℃Aまでの区間)で行なわれる。
この後、ステップ102に進み、ノックセンサ28の出力にローパスフィルタ処理を施すことで、ノックセンサ28の共振周波数及びその近傍における出力ゲインの急変を抑制する処理を行う。これにより、図2に示すように、ノックセンサ28の出力特性を、共振周波数付近の高周波領域まで出力ゲインが緩やかに大きくなるほぼフラットな出力特性に調整する。
この後、ステップ103に進み、ローパスフィルタ処理後のノックセンサ28の出力にバンドパスフィルタ処理を施すことで、ローパスフィルタ処理後のノックセンサ28の出力から所定周波数帯の振動成分を抽出する。ここで、所定周波数帯(つまりローパスフィルタの通過帯域)は、例えば5kHzから25kHzまでの周波数領域に設定され、ノックセンサ28の出力ゲインがフラットになる周波数領域(15kHz以下の周波数領域)と、周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域(20kHz以上の周波数領域)の両方を含むように設定されている。
これらのステップ102、103の処理が特許請求の範囲でいうフィルタ手段としての役割を果たす。
この後、ステップ104に進み、所定区間(例えば上死点から上死点後90℃Aまでの区間)において、所定クランク角(例えば5℃A)毎に、ローパスフィルタ処理及びバンドパスフィルタ処理後のノックセンサ28の出力を該所定クランク角(例えば5℃A)分だけ積算した積算値を算出した後、ステップ105に進み、ノックセンサ28の出力の所定クランク角毎の積算値(振動波形)のうちの最も大きいピーク値Pを算出する。
この後、ステップ106進み、ノックセンサ28の出力の所定クランク角毎の積算値(振動波形)を正規化する。ここで、正規化とは、ノックセンサ28の出力の所定クランク角毎の積算値をそれぞれピーク値Pで除算することにより、振動の強度を無次元数(例えば0〜1の無次元数)で表す処理をいう。尚、正規化の方法は、これに限定されず、例えば、ノックセンサ28の出力の所定クランク角毎の積算値をそれぞれピーク位置における積算値で除算するようにしても良い。この正規化により、振動の強度に関係なく、検出された振動波形と、予め記憶した理想ノック波形(ノック特有の波形を表す振動波形)との比較を行なうことができるため、振動の強度に対応した多数の理想ノック波形を記憶しておく必要がなく、理想ノック波形の作成が容易となる。
この後、ステップ107に進み、検出された振動波形(正規化後の振動波形)と理想ノック波形との一致度合を表す形状相関係数Kを次のようにして算出する。まず、検出された振動波形において振動強度が最大になるタイミング(つまりピーク位置)と、理想ノック波形において振動強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、所定クランク角(例えば5℃A)毎に、検出された振動波形と理想ノック波形との偏差の絶対値ΔS(I)を算出する。
この後、所定区間(例えば上死点から上死点後90℃Aまでの区間)におけるΔSの総和ΣΔS(I)と、所定区間における理想ノック波形の積分値S(つまり理想ノック波形の面積)とを用いて形状相関係数Kを次式より算出する。
K=(S−ΣΔS(I))/S
これにより、検出された振動波形と理想ノック波形との一致度合(類似性)を数値化して客観的に判定することができる。また、検出された振動波形と理想ノック波形とを比較することで、振動の減衰傾向等の振動挙動からノッキング時の振動であるか否かを分析することができる。
この後、ステップ108に進み、形状相関係数Kが所定値よりも大きいか否かを判定する。このステップ108で、形状相関係数Kが所定値以下である(つまり、検出された振動波形と理想ノック波形との一致度合が低い)と判定された場合には、ステップ111に進み、ノッキングが発生していないと判定して、点火時期を進角する。
一方、上記ステップ108で、形状相関係数Kが所定値よりも大きい(つまり、検出された振動波形と理想ノック波形との一致度合が高い)と判定された場合には、ステップ109に進み、ノックセンサ28の出力の所定クランク角毎の積算値のピーク値Pと、形状相関係数Kと、BGL(Back Ground Level )とを用いてノック強度Nを次式によりが算出する。
N=P×K/BGL
ここで、BGLは、エンジン11にノッキングが発生していない状態におけるエンジン11の振動強度を表す値である。
これにより、検出された振動波形と理想ノック波形との一致度合に加えて、振動強度に基づいて、エンジン11の振動がノッキングに起因した振動であるか否かをより詳細に分析することができる。
この後、ステップ110に進み、ノック強度Nがノック判定値よりも大きいか否かを判定する。このステップ110で、ノック強度Nがノック判定値以下であると判定された場合には、ステップ111に進み、ノッキングが発生していないと判定して、点火時期を進角する。
一方、上記ステップ110で、ノック強度Nがノック判定値よりも大きいと判定された場合には、ステップ112に進み、ノッキングが発生したと判定して、点火時期を遅角する。これにより、ノッキングの発生を抑制する。
以上説明した本実施例では、ノックセンサ28の出力から高周波領域(周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域)の振動成分を抽出すれば、機械ノイズの振動成分をほとんど含まず且つノッキングの高周波領域の振動強度を増幅した振動波形を得ることができるという特性に着目して、ノックセンサ28の出力から抽出する所定周波数帯を、周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域を含むように設定し、その所定周波数帯の振動成分に基づいてノック判定を行うようにしたので、機械ノイズの影響を低減することができて、ノック判定精度を向上させることができる。しかも、ノックセンサ28の共振周波数を高くする(出力ゲインがフラットな周波数領域を高周波側に拡大する)必要がないため、従来の一般的なノックセンサ28をそのまま使用することができ、低コスト化の要求を満たしながら、耐久性、電気ノイズ等の問題も解決することができる。
更に、本実施例では、ノックセンサ28の出力から抽出する所定周波数帯を、15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むように設定するようにしたので、ノックセンサ28の出力ゲインがほぼ一定になる周波数領域(15kHz以下の周波数領域)と周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域(20kHz以上の周波数領域)の両方の周波数領域の振動成分を用いてノック判定を行うことができ、ノック判定精度を更に向上させることができる。
また、本実施例では、検出された振動波形のピーク値(ノックセンサ28の出力の所定クランク角毎の積算値のピーク値)を用いてノック判定を行うようにしたので、振動強度を評価してノッキングの有無を精度良く判定することができる。尚、検出された振動波形のピーク値に代えて、積分値(面積)を用いてノック判定を行うようにしても良い。
更に、本実施例では、検出された振動波形と理想ノック波形との一致度合を表す形状相関係数Kを用いてノック判定を行うようにしたので、振動波形のピーク値や積分値(つまり振動強度の情報)のみではノイズとノッキングとを区別できない場合でも、形状相関係数Kによってノイズとノッキングとを精度良く区別することができる。
ところで、ノックセンサ28は、共振周波数付近で出力ゲインが急変するという出力特性を有するため、ノックセンサ28の出力のうちの共振周波数付近の振動成分をそのままノック判定に使用することは困難である。
その点、本実施例では、ノックセンサ28の共振周波数及びその近傍における出力ゲインの急変を抑制する処理を行うようにしたので、ノックセンサ28の出力特性を、共振周波数付近の高周波領域まで出力ゲインが緩やかに大きくなるほぼフラットな出力特性に調整することができ、ノックセンサ28の出力を共振周波数付近の高周波領域までノック判定に使用することが可能となる。
尚、上記実施例では、ノックセンサ28の出力から1つの周波数帯(例えば5kHzから25kHz)の振動成分を抽出するようにしたが、ノックセンサ28の出力から複数の周波数帯の振動成分を抽出し、そのうちの少なくとも1つの周波数帯に15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むよう設定しても良い。ノッキング特有の振動は複数の周波数帯で発生するため、ノックセンサ28の出力から複数の周波数帯の振動成分を抽出するようにすれば、ノッキング特有の振動が発生する周波数帯の振動成分のみを抽出することが可能となり、ノイズの振動成分を除去しながら、ノッキングの振動成分を抽出することができる。
また、ノックセンサ28の出力から抽出する周波数帯は、ノックセンサ28の出力特性やノック判定方法等に応じて適宜変更しても良く、要は、周波数が高くなるに従ってノックセンサ28の出力ゲインが大きくなる周波数領域を含むように設定すれば良い。
また、上記実施例では、本発明を吸気ポート噴射エンジンに適用したが、筒内噴射エンジンや、吸気ポートと筒内の両方に燃料噴射弁を設けたデュアル噴射エンジンに本発明を適用しても良い。
本発明の一実施例におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 ノックセンサの出力特性図である。 ノッキングと機械ノイズの特性を説明するための図である。 ノック判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 ノックセンサの出力ゲインがフラットな周波数領域を説明するための図である。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管、27…ECU(フィルタ手段,ノック判定手段)、28…ノックセンサ(振動センサ)

Claims (6)

  1. 内燃機関のノッキング振動を検出する振動センサと、前記振動センサの出力から所定周波数帯の振動成分を抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出した所定周波数帯の振動成分に基づいてノッキングの有無を判定するノック判定手段とを備えた内燃機関のノック判定装置において、
    前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出する所定周波数帯は、周波数が高くなるに従って前記振動センサの出力ゲインが大きくなる周波数領域を含むように設定され
    前記振動センサは、5kHzから15kHzまでの周波数領域において出力ゲインがほぼ一定になり、15kHzよりも高い周波数領域において周波数が高くなるに従って出力ゲインが大きくなる出力特性を有し、
    前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出する所定周波数帯は、15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むように設定されていることを特徴とする内燃機関のノック判定装置。
  2. 前記フィルタ手段は、前記振動センサの出力から複数の周波数帯の振動成分を抽出し、そのうちの少なくとも1つの周波数帯に15kHz以下の周波数領域と20kHz以上の周波数領域を両方とも含むよう設定されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のノック判定装置。
  3. 前記ノック判定手段は、前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出した振動波形のピーク値又は積分値を用いてノッキングの有無を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のノック判定装置。
  4. 前記ノック判定手段は、前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出した振動波形と予め記憶した振動波形との比較結果と、前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出した振動波形のピーク値又は積分値とを用いてノッキングの有無を判定することを特徴とする請求項に記載の内燃機関のノック判定装置。
  5. 前記フィルタ手段は、前記振動センサの共振周波数及びその近傍における出力ゲインの急変を抑制する処理を行った後、前記振動センサの出力から前記所定周波数帯の振動成分を抽出する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関のノック判定装置。
  6. 内燃機関のノッキング振動を検出する振動センサと、前記振動センサの出力から所定周波数帯の振動成分を抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出した所定周波数帯の振動成分に基づいてノッキングの有無を判定するノック判定手段とを備えた内燃機関のノック判定装置において、
    前記フィルタ手段により前記振動センサの出力から抽出する所定周波数帯は、20kHz以上の周波数領域を含むように設定され、
    前記フィルタ手段は、前記振動センサの共振周波数及びその近傍における出力ゲインの急変を抑制する処理を行った後、前記振動センサの出力から前記所定周波数帯の振動成分を抽出する処理を行うことを特徴とする内燃機関のノック判定装置。
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