JP2009203475A - 封止樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下であるポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、ヒドロシリル化触媒の含有量(金属元素換算)が3ppm以下であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
【選択図】なし
Description
1.縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下である硬化性ポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、ヒドロシリル化触媒の含有量が3ppm以下(金属元素として)であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
2.Si−C−C−Siを架橋基の一部として有し、ヒドロシリル化触媒の含有量が3ppm以下(金属元素として)であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
3.下式で表される化合物を50重量%以上含有する硬化性ポリオルガノシロキサンであって、実質的にヒドロシリル化触媒の存在なしで、硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。(式中、R1〜R10は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表し、m及びnは、それぞれ0以上の整数である。)
反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
但し、上記の2種のシラン化合物の少なくとも一方にはシロキサン部位がその構成要素として含有される。
5.少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基、及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
6.ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去し、次いで、新たなヒドロシリル化触媒を添加しないことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
7.貴金属酸化物を触媒として使用する下記の式を有する硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
また、本発明は、シリコーン樹脂の機械的特性を、特定の用途に最も適した硬さ及び柔軟性に調整することが可能である。その結果、他に出現する用途とともに、LEDデバイスのために好適な封止物質としての要件及び機能の全てを満たす材料を提供する。
本発明によれば、硬化性ポリオルガノシロキサンを製造するための特定の方法により、上記目的を満足させることができるポリオルガノシロキサンが得られる。さらに、本発明における固体貴金属触媒の使用は、それらを反応生成物から容易に取り除くことができ、従来の担持触媒を使用した場合と比べて、硬化性ポリオルガノシロキサン中に実質的に溶出・残存する触媒残渣がより少なくなるという利点がある。その結果、触媒残渣の存在から起こる望ましくない副反応も減少し、これはポリオルガノシロキサン生成物の貯蔵安定性を著しく向上させる。
ここで、縮合性官能基とは、分子量として400以下の低分子量の物質を放出して二つの物質もしくは基を結合することのできる官能基のことであり、主として水もしくは水酸基と反応して低分子物質を放出しながら結合を形成するための官能基(但し、ヒドロシリル基は除く)のことを言う。縮合性官能基は、例えば、シラノール基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、エノキシ基、オキシム(ケトキシム)基、アミノ基などが挙げられる。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物に含まれる縮合性官能基の合計含有量は、通常10重量%以下、好ましくは、1重量%以下、さらに好ましくは、300ppm以下、特に好ましくは、200ppm以下である。縮合性官能基を多く含有する場合には、縮合反応に伴って硬化時や部材としての使用時に全体重量が減少し、例えば半導体用封止材として使用した場合に縮みによって剥離やひび割れを引き起こす原因となる場合がある。また、親水性基が多くなることにより、樹脂中への水分の吸着量が増え、ポリオルガノシロキサン組成物若しくはその保護物(例えば、発光素子)の表面が、水分により劣化することの原因となる場合がある。
ヒドロシリル化反応を経由して硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得る場合、ヒドロシリル化触媒としては、白金化合物、ロジウム化合物、ルテニウム化合物、イリジウム化合物、パラジウム化合物などが挙げられる。なかでも反応性の観点から白金化合物を使用することが好ましい。また、ヒドロシリル化触媒は、経済性の観点から触媒を反応後に分離・回収・再使用できることが好ましく、シリカゲルや活性炭等の担体に上記ヒドロシリル化触媒を担持したものを使用することができる。また、ヒドロシリル化触媒としては、固体の金属酸化物が触媒成分の溶出防止の観点から好ましく、特に、白金酸化物が最も好適に使用される。
ヒドロシリル化反応時のポリオルガノシロキサン組成物に含まれるヒドロシリル化触媒の合計含有量は、通常0.1ppm以上であり、好ましくは、1ppm以上であり、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下で使用される。この範囲を超えて少なすぎるとヒドロシリル化速度が極端に遅くなり、またこの範囲を超えて多すぎる場合には、経済的に好ましくない。
本発明において、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化はヒドロシリル化触媒の実質的非存在下にて行なわれるが、この場合、上記のヒドロキシル触媒由来の金属種の合計含有量が、金属元素換算で好ましくは3ppm以下である。この範囲を超えて多すぎると硬化速度の制御が難しくなるほか、硬化後の材料が例えば100℃以上の高温に長時間晒されたときに着色する原因となってしまう。実質的非存在下で、硬化するとは、150℃において48時間以内の時間処理することにより、好ましくは、150℃において10時間以内処理することにより、硬化性組成物の硬度が、通常JIS Type Aの硬度計にて10以上になる(上がる)ことをいう。
ヒドロシリル化触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内処理することにより硬化しうる本発明のポリオルガノシロキサン組成物は、例えば、下記のようなポリオルガノシロキサンを含有させることにより好適に得ることができる。すなわち、ポリオルガノシロキサンの平均分子量が好ましくは1,000以上、特に、3,000以上あることが好ましい。これは分子量が大きいことにより、架橋点の数が少ない状態でも硬化工程時に速やかに硬化させることができる。また、分子内に分岐鎖構造を有することも好ましい。これは、平均分子量の大きさと同様、三次元的構造をとることにより硬化速度を速めることができる。シランとシロキサン骨格含有化合物とを反応させる場合、少なくともそのいずれか一方の分子量が3000以上であることが望まれる。また、シランもしくはシロキサン骨格含有分子のいずれかの原料分子内に分岐鎖構造を有することも好ましい。これは、分子量の大きさ同様、三次元的構造をとることにより硬化速度を速めることができるからである。また、ラジカルを発生しやすい官能基(ビニル基やプロピル基、イソプロピル基など)を少量有するものも好ましい。これらの官能基により熱ラジカル反応での架橋反応が進行し、硬化速度が速まる。しかし、これらの官能基が例えば30重量%を越す程度の量含まれていると、硬化後の材料の着色原因となる。
ポリオルガノシロキサンは、例えば、分岐鎖構造を有し、ビニル基も分子内に複数含有する高分子量ビニルシラン(MT)シリーズをヒドロシリル化反応により連結された化合物を使用することが好ましい(図2)。この場合の図中mとしては3以上が好ましく、さらに好ましくは5以上である。
本発明において、ポリオルガノシロキサン組成物には、硬化反応を阻害しない範囲で添加物を加えることもできる。例えば、前段としてヒドロシリル化反応を行う場合の反応制御材として、分子内に炭素炭素多重結合を有する有機物や、アミン類、硫黄化合物、リン化合物などの併用も好適に採用される。また、後段の硬化反応を促進させる触媒としてアルミニウム化合物、錫化合物、亜鉛化合物、ジルコニア化合物などが好適に使用される。また、硬化物の機械的物性を制御するために、多官能性のアルコキシカルボシランを添加することも非常に好適である。このカルボシランの添加量としては硬化性ポリオルガノシロキサン組成物全体に対して通常0.1重量%、好ましくは0.2重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の添加量にて添加される。添加量がこの範囲を越えて少なすぎると、物性改善の効果がほとんど認められにくくなるし、この範囲を越えて多すぎると、硬化時の収縮が大きくなるほか、耐熱性やUV耐性が低下することがでてくる。
さらに、特に原料の粘度が高い場合には、例えばトルエンなどに代表される有機溶剤も好適に使用される。トルエンやヘプタン等の疎水性の有機溶媒の添加は、得られる樹脂の物理物性を制御する上でも好ましいことが多い。しかしながら、その添加量としては通常全体重量の50重量%以下が好ましい。この範囲を越えて多すぎると、硬化時の収縮が極めて大きくなるほか、残存溶媒によって、耐熱性やUV耐性が低下することが多いからである。
また、本発明では、Si−C−C−Siを架橋基として有し、ヒドロシリル化触媒由来の金属元素の含有量が3ppm以下であり、且つ、ヒドロシリル化触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内処理することにより硬化しうるポリオルガノシロキサン組成物が提供される。
Si−C−C−Siを架橋基とするポリオルガノシロキサンは、通常ヒドロシリル基含有物質とビニル基含有珪素化合物とのヒドロシリル化にて製造される。Si−C−C−Siの分子全体における含有割合としては、官能基当量として、通常40g/mol以上であり、好ましくは50g/mol以上であり、より好ましくは80g/mol以上であり、特に好ましくは100g/mol以上である。また10000g/mol以下であることが好ましい。この範囲を越えて官能基当量が小さすぎると硬化物の耐熱性が劣ることとなり、この範囲を越えて大きすぎると硬化物の硬度が必要以上に低くなってしまう。
さらに、本発明では、下記の一般式を有する新規な硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が提供される。
アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキルの好ましい例はメチル、エチル、プロピル及びトリフルオロプロピルを含む。アルケニルの好ましい例はビニルを含む。好ましいアリールの例はフェニルを含む。非縮合性シリル基の好ましい例としてはトリメチルシリル、トリエチルシリル及びトリフェニルシリル基を含む。縮合性シリル基の好ましい例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を含む。
本発明の別の好ましい態様においては、硬化性ポリオルガノシロキサンは触媒として貴金属酸化物を用いて得られる。貴金属酸化物の具体例は、Pt,Rh,Ru,Ir,Pd及びFeの酸化物である。例えば、ヒドロシリル化反応のためには、PtO2がその高い触媒活性のためより好ましい。これらの酸化物は固形粒状形で使用でき、そして、例えば濾過及び遠心分離などのこの分野の技術者に知られたプロセスにより反応系から除去することができる。上記触媒は固定床触媒としても使用することができる。どちらの方法でも、そのようなヒドロシリル化触媒は硬化性ポリオルガノシロキサン組成物から硬化前に取り除かれ、従って、触媒成分は最終的な硬化生成物には含まれない。
本発明では、少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物と、少なくとも1つのヒドロシリル基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうるポリオルガノシロキサンの製造方法が提供される。但し、上記の2種のシラン化合物の少なくとも一方にはシロキサン部位がその構成要素として含有される。
また、本発明では、少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうるポリオルガノシロキサンの製造方法も提供される。
さらにまた、ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去して、その後、新たなヒドロシリル化触媒を添加しないことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうるポリオルガノシロキサンを製造する方法も提供される。
本発明において、少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物としては、生成物の機械特性を考慮した包括的目的特性から1分子中にビニル基を1以上、好ましくは2以上含まれているものが好ましい。ビニル基は、原料調達の経済性の観点から、通常40以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは4以下有する化合物を使用する全ビニル基含有化合物中の50重量%以上含有させるのが好ましい。硬化生成物の架橋度を増やし、かつ物理的強度を向上させる観点から、シロキサンの高分子鎖がその任意のケイ素原子を中心に少なくとも3方向に広がる構造を有する化合物もまた好ましい。具体的には、この分野において一般的にT-タイプシリコーンと称される化合物を挙げることができる。
ビニル含有化合物の具体例としては、ジレスト社の製品であるDMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VQMシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モーメンティーブパーフォマンスマテリアルズ社の製品であるME-91、並びにビニル含有シランカップリング剤であるビニルフェニルメチルメトキシシラン(VPMMS)、ビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)、ビニルトリエトキシシラン(VTES)、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。このうち、ジレスト社の製品である、DMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VQMシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モーメンティーブパーフォマンスマテリアルズ社の製品であるME-91はその骨格中にシロキサン部位を有する。
ヒドロシリル基含有化合物としては商業的に入手可能なものを好適に使用することができる。それらの具体例としては、ジレスト社の製品である、HMSシリーズ、DMSシリーズ、HESシリーズ、HDPシリーズ及びHAMシリーズ、並びに信越化学社の製品であるKF-99及びKF-9901を挙げることができる。これらは、いずれもその骨格中にシロキサン部位を有している。
また、少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基、及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物としては、例えば、ジレスト社製の、ビニルテトラメチルジシロキサン(SIV9097.5)、ビニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン(SIV9269.5)や1-アリルー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(SIA0490.0)などを市販品として挙げることができる。さらに、ヒドロシリル基を有する多数有するシラン化合物(例として、信越化学社製のKF-99が挙げられる)のヒドロシリル基の一部を、ビニル基を分子内に多数有するシラン化合物(例としてジレスト社製の、トリビニルメチルシラン(SIT8734.0)、ヘキサビニルジシロキサン(SIH6162.0)やビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(VDT-954)が挙げられる)中におけるビニル基の一部とでヒドロシリル化を行い、双方の原料のヒドロシリル基やビニル基のどちらか一方が消失してしまう前に反応を停止させて得られた化合物や、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(信越化学社製、LS-8600)と1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン(信越化学社製 LS-8660)との共重合体なども分子内にヒドロシリル基とビニル基の両方を有するシロキサン化合物として好適に使用することができる。
ヒドロシリル化触媒としては、白金化合物、ロジウム化合物、ルテニウム化合物、イリジウム化合物、パラジウム化合物などが挙げられる。なかでも反応性の観点から白金化合物を使用することが好ましい。また、経済性の観点から触媒を反応後に分離・回収・再利用できることが好ましく、シリカゲルや活性炭等の担体に上記金属化合物を担持した材料を触媒として使用することができる。また、固体の金属酸化物が触媒成分の溶出防止の観点から好ましく、そういった意味において酸化白金が最も好適に使用される。ヒドロシリル化反応時のポリオルガノシロキサン組成物に含まれるヒドロシリル化触媒の合計含有量は、通常0.1ppm以上好ましくは、1ppm以上であり、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下の範囲で使用される。この範囲を超えて少なすぎるとヒドロシリル化速度が極端に遅くなって好ましくない。またこの範囲を超えて多すぎる場合には、経済的に好ましくない。
本発明は、また、シリコーン樹脂を製造する方法に関し、ヒドロシリル化触媒を使用するが、そのヒドロシリル化触媒は、続く硬化反応前に好ましくは濾過もしくは遠心分離によって除去されるか、そもそも固定床触媒として使用され、最終硬化生成物中に存在しない。その点においてヒドロシリル化触媒としては、貴金属酸化物、特に白金酸化物(固体顆粒)触媒を用いることが好ましい。貴金属酸化物触媒の平均粒子径としては、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上であり、また通常1mm以下、好ましくは0.5mm以下である。この範囲を越えて小さすぎる場合には濾過や遠心分離での除去等が困難となり、この範囲を越えて大きすぎる場合には、表面積が小さくなることと、沈降性が高まってしまうことから単位重量(体積)あたりの触媒能が劣る結果となってしまう。
本発明の方法で製造されるシリコーン樹脂は、優れた接着性、透明性、湿熱耐性及び紫外線耐性を有し、従って、例えばLEDの封止樹脂、蛍光物質ペースト及び航空宇宙材料などの種々の用途において有用である。
本発明では、ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去して、その後、新たなヒドロシリル化触媒を添加しないことを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサンを製造する方法が提供される。
本明細書における上記一般式の好ましい具体的な例は、以下のとおりである。
アルキル、アルケニル、アリール、縮合性シリル基及び非縮合性シリル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキルの好ましい例はメチル、エチル、プロピル及びトリフルオロプロピルを含む。アルケニルの好ましい例はビニルを含む。アリールの好ましい例はフェニルを含む。縮合性シリル基における縮合性基の好ましい例はヒドロキシル、アルコキシ、アセトキシ、エノキシ、オキシム、アミノ及びアミドのそれぞれの基がケイ素原子に直接結合される構造を有するシリル基を含む。アルコキシの好ましい例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ及びフェノキシを含む。非縮合性シリル基における好ましい非縮合性基の例はアルキル、アルケニル及びアリールのそれぞれの基がケイ素原子に直接結合される構造を有するシリル基を含む。
(i)検量線測定においてポリスチレンを標準物質として用いるGPC(ゲルパミエーションクロマトグラフィー)により決定される重量平均分子量が3000以上のビニル基含有化合物。
(ii)検量線測定においてポリスチレンを標準物質として用いるGPC(ゲルパミエーションクロマトグラフィー)により決定される重量平均分子量が3000以上のヒドロシリル基含有化合物。
ビニル含有化合物の具体例としては、ジレスト社の製品である、DMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VQMシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モーメンティーブパーフォマンスマテリアルズ社の製品であるME-91、並びにビニル含有シランカップリング剤であるビニルフェニルメチルメトキシシラン(VPMMS)、ビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)及びビニルトリエトキシシラン(VTES)を挙げることができる。
本発明におけるシリコーン硬化物は、その使用が特に限定されるものではなく、半導体発光装置などを封止するための部材(封止化合物)を含む種々の目的に用いることができる。なかでも、本発明の半導体発光装置部材は、蛍光体粒子及び/又は無機酸化物粒子と組み合わせることにより、特定の目的のために適切に使用することができる。この蛍光体粒子と組み合わされた使用を以下に述べる。
本発明のシリコーン硬化物は、例えば、蛍光物質を分散させることによる波長変換部材として使用することができ、半導体発光装置カップ(cup)の内側にモールド/ポッティングする、又は適当な透明支持体上の薄膜として被覆させる半導体発光置部材としても使用することができる。1つの蛍光物質はそれ単独で用いてもよいし、又は2つ以上のタイプの蛍光物質と任意の比率で組み合わせて使用し、例えば、“白色LED”発光装置を製造することができる。
蛍光物質の組成は特に限定されないが、結晶性マトリックス(例えば、Y2O3及びZn2SiO4などの金属酸化物、Ca5(PO4)3Clなどのリン酸塩、又はZnS,SrS及びCaSなどの硫化物)と、活性化剤若しくは共活性化剤としてCe,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm及びYbなどの希土類金属イオン又はAg,Cu,Au,Al,Mn及びSbなどの金属イオンとを組み合わせることが好ましい。
赤色蛍光を放出する蛍光物質(以下、“赤色蛍光物質”ともいう)により放出される蛍光の具体的波長の範囲は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上であり、そして通常700nm以下、好ましくは680nm以下である。
緑色蛍光を出す蛍光物質(以下、“緑色蛍光物質”ともいう)により放出される蛍光の具体的波長の範囲は、通常490nm以上、好ましくは500nm以上であり、そして通常570nm以下、好ましくは550nm以下である。
青色蛍光を出す蛍光物質(以下、“青色蛍光物質”ともいう)により放出される蛍光の具体的波長の範囲は、通常420nm以上、好ましくは440nm以上であり、そして通常480nm以下、好ましくは470nm以下である。
さらに、蛍光体などの凝集や沈降を抑えるために、無機系の粒子を加えることも可能であり、例えば金属酸化物粒子、このましくはヒュームドシリカなどを使用することができる。
[高分子量ビニルシラン(MT)によるポリジメチルシロキサン(PDMS)の官能基化]
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、白金の存在量は3ppm未満であった。
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、白金の存在量は3ppm未満であった。
[高分子量のビニルシラン(VT)によるポリジメチルシロキサン(PDMS)の官能基化]
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、白金の存在量は3ppm未満であった。
回転子を備えた丸底フラスコに、3gのH-PDMS(5-7%H、65000MW、ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、HMS−064)と、1.2gのVTT-106(ジレスト社製、ビニルT型ポリマー)及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒とを添加した。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサンAを得た。
回転子を備えた丸底フラスコに、1gのトルエン、3gのH-PDMS(5-7%H,65000MW、ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、HMS−064)、1.2gのMTV-112(ジレスト社製、メチルトリ(ビニル-末端、ポリジメチルシロキシル)シラン)及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を添加した。攪拌しながら80℃で3時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、その後減圧下にトルエンを除き、本発明の硬化性オルガノポリシロキサンBを得た。
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、8gのH-PDMS(7-8%H,80000MW メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体)、0.46gのジエトキシメチルビニルシラン、0.55gのトリエトキシビニルシラン及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を添加した。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、その後減圧下にトルエンを除き、ポリオルガノシロキサンCを得た。
硬化性組成物中の縮合性官能基は約500ppm、白金の存在量は3ppm未満であった。
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、8gのH-PDMS(5−7%H,65000MW)、0.46gのジエトキシメチルビニルシラン、0.55gのトリエトキシビニルシラン及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を添加した。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、その後減圧下にトルエンを除き、ポリオルガノシロキサンDを得た。
硬化性組成物中の縮合性官能基はおよそ400ppm、白金の存在量は3ppm未満であった。
実施例7
4重量部のシリカ微粒子(RX200、日本エアロジル社製)、16.2重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の実施例2で得られた樹脂Bと混合し、生ずる混合物を攪拌装置(AR100、シンキー(THINKY)社製) で3分間練って、本発明の硬化性組成物Fを製造した。
これらの組成物中の縮合性官能基の含有量はゼロ、白金濃度もICP発光分析の2ppmを大きく割っていた。
6重量部のシリカ微粒子(RX200、日本エアロジル社製)、16.5重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の商業的に入手可能な付加―硬化性シリコーン樹脂(KER2500、信越化学社製)と混合し、生ずる混合物を攪拌装置(AR100、シンキー(THINKY)社製)で3分間練って、本発明の硬化性組成物Gを製造した。
[モノアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化]
組成物中における縮合性官能基は、1.2重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
有効貯蔵期間(粘度が2倍になるまでの期間) 常温で2ヶ月以上
150℃での硬化時間 6時間
硬化物特性
光学透明度 400nmにおける透過率:93%
熱安定性 200℃で1週間以上において変化無し
弾性率 1.15MPa
最終ストレス 0.60MPa
破断伸張度 40%
[ジアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化]
組成物中における縮合性官能基は、3.5重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
有効貯蔵期間(粘度が2倍になるまでの期間) 常温で2ヶ月以上
150℃での硬化時間 6時間
硬化物特性
光学透明度 400nmにおける透過率:93%
熱安定性 200℃で1週間以上において変化無し
弾性率 1.45MPa
最終ストレス 1.20MPa
破断伸張度 75%
[トリアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化]
組成物中における縮合性官能基は、5.3重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
有効貯蔵期間(粘度が2倍になるまでの期間) 常温で2ヶ月以上
150℃での硬化時間 6時間
硬化物特性
光学透明度 400nmにおける透過率:93%
熱安定性 200℃で1週間以上において変化無し
弾性率 1.20MPa
最終ストレス 0.50MPa
破断伸張度 50%
[トリアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化及びビス(トリエトキシシリル)エタンによる強化]
BTESEを添加した組成物中における縮合性官能基は、6.0重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
[モノアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化及びビス(トリエトキシシリル)エタンによる強化]
(1)85mg(2wt.%)のビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE); (2)42mg(1wt.%)のビス(トリエトキシシリル)エチレン(BTESEt)(ジレスト社製、SIB1820.0);3)42mg(1wt.%)のビス(トリエトキシシリル)メタン(BTESM)(ジレスト社製、SIB1821.0);4)54mg(1wt.%)のビス(トリエトキシシリル)オクタン(BTESO)(ジレスト社製、SIB1824.0) 得られた樹脂を完全に均一になるまで攪拌し、次いでテフロンシャーレに塗布して150℃で6時間硬化させた。
BTESEを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、1.2重量%、BTESEtを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、0.7重量%、BTESMを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、0.7重量%、BTESOを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、0.7重量%であった。また、いずれの場合も、白金の存在量は3ppm以下であった。
これらの改質剤は今回は、硬化前に添加した。生ずる無色透明、粘性のある、触媒なしの樹脂は150℃で6時間程度で硬化した。多官能性アルコキシシランであれば、通常どのようなものでも改質剤として使用することができる。この実施例15で示されるように、アルコキシで置換された樹脂へのカルボシラン系改質剤の添加は、光学的透明性及び熱的安定性に影響することなく、むしろ前記樹脂の硬さ、堅さ及び柔軟性を著しく向上したと言える。
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、8.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.1gのビニルトリエトキシシラン(VTES)及び1mg(<200ppm)の酸化白金PtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を仕込んだ。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。酸化白金触媒を2000rpmで10分間遠心分離して除去した。次いで、トルエンを減圧下にて留去して本発明のポリオルガノシロキサンA2を得た。
回転子を備えた丸底フラスコに、1.0gのトルエン、3.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、0.44gのVMM−010(1部ビニル化されたポリジメトキシシロキサン、ジレスト社製)及び1mg(<200ppm)の酸化白金PtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を仕込んだ。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。酸化白金触媒を2000rpmで10分間遠心分離して除去した。次いで、トルエンを減圧下にて留去して本発明のポリオルガノシロキサンB2を得た。
回転子を備えた丸底フラスコに、2.0gのトルエン、8.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.0gのビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)を仕込んだ。次いで、白金ビニルシロキサン錯体(アルドリッチ社製 Platinum(0)-1,3-divinyl-1,1,3,3-tetramethyldisiloxane complex 0.1M solution in Poly(dimethylsiloxane)-vinyl terminated)を反応混合物中の白金元素の濃度が100ppmになるように添加した。攪拌しながら80℃で48時間反応させた。トルエンを減圧下にて除去して本発明のポリオルガノシロキサンCを得た。
回転子を備えた丸底フラスコに、2.0gのトルエン、8.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.1gのビニルトリエトキシシラン(VTES)を仕込んだ。次いで、白金ビニルシロキサン錯体を反応混合物中の白金元素の濃度が100ppmになるように添加した。攪拌しながら80℃で48時間反応させた。トルエンを減圧下にて除去して本発明のポリオルガノシロキサンD2を得た。
0.6重量部のビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE)、8重量部のシリカ微粒子(RX200 日本エアロジル社製)、16.8重量部の青色蛍光物質Ba0.7Eu0.3MgAl10O17(粒子径16μm、以下“BSS”と称する)及び1.1重量部の赤色蛍光物質Sr0.8Ca0.2AlSiN:Eu(粒子径12μm、以下“SCASN”と称する)を100重量部の実施例16得られた樹脂A2と混合し、得られた混合物を攪拌装置(AR−100 シンキー社製)で3分間練り混ぜ、本発明の硬化性組成物E2を得た。
8重量部のシリカ微粒子(RX200 日本エアロジル社製)、16.8重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の実施例17得られる樹脂B2と混合し、得られた混合物を攪拌装置(AR−100 シンキー社製)で3分間練り混ぜ、本発明の硬化性組成物F2を得た。
6重量部のシリカ微粒子(RX200 日本エアロジル社製)、16.5重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の商業的に入手可能な付加型シリコーン樹脂(KER2500、信越化学社製)と混合し、得られた混合物を攪拌装置(AR−100、シンキー社製)で3分間練り混ぜ、従来の硬化触媒を含有する樹脂をその組成物の一部として使用した硬化性組成物G2を得た。
本発明のポリオルガノシロキサンは、それ単独で使用してよく、また、他の材料との組成物として使用してもよい。例えば、本発明のポリオルガノシロキサンは、炭素をベースとするナノ材料と組み合せて組成物を形成し、そしてこの組成物は、航空宇宙産業用材料、静電気除去用材料、導電性接着剤、ガスケット材料、閃光防御材料、電磁遮蔽材料、タンク用材料、ロケットの外部材料などとして用いることができる。
Claims (25)
- 縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下であるポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、
ヒドロシリル化触媒の含有量(金属元素換算)が3ppm以下であり、且つ、
ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。 - Si−C−C−Siを架橋基の一部として有し、
ヒドロシリル化触媒の含有量(金属元素換算)が3ppm以下であり、且つ、
ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。 - 80℃以上で、全加熱時間1時間以上加熱することにより硬化しうる請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 貴金属酸化物を触媒として用いて得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- ビニル含有化合物(A)及び/又はヒドロシリル含有化合物(B)が、ポリスチレンを標準物質として検量線を取ったゲルパーミュエーションクロマトグラフィーを用いた測定により得られた重量平均分子量として3000以上であることを特徴とする、請求項5に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物と、 少なくとも1つのヒドロシリル基を有するシラン化合物とを、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、
反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
但し、上記の二種のシラン化合物の少なくとも一方にはシロキサン部位がその構成要素として含有される。 - 少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基、及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、
反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。 - ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を反応物の硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去することを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- ヒドロシリル化触媒が貴金属酸化物である請求項8〜10のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- 更に、前記貴金属酸化物を除去する工程を含む請求項11又は12に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- 前記貴金属酸化物が粒子径0.01μm〜1mmを有する請求項11〜13のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- 前記貴金属酸化物がヒドロシリル化触媒である請求項11、13及び14のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- 前記貴金属酸化物を除去する工程が濾過及び/又は遠心分離である請求項12〜15のいずれかに記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- ヒドロシリル化触媒が固定床触媒として用いられる請求項8〜15のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- シランが3000以上の重量平均分子量を有し、及び/又はシロキサン骨格を提供する化合物が3000以上の重量平均分子量を有する請求項8〜17のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
但し、上記シラン及びシロキサン骨格化合物の重量平均分子量は、ポリスチレンを検量線測定のための標準物質として用いるゲルパミエーションクロマトグラフィーにより決定される。 - 請求項8〜18のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法であって、さらにその後そのポリオルガノシロキサンを硬化させることを特徴とする製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を含有する硬化性組成物。
- 実質的に貴金属成分を含まない、請求項20に記載の硬化性組成物。
- 請求項21に記載の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化したシリコーン部材。
- 請求項22に記載のシリコーン部材を有する半導体発光装置の封止用組成物。
- 請求項22に記載のシリコーン部材を有する半導体発光装置。
- 請求項22に記載のシリコーン部材を有する航空宇宙産業用部材。
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