JP2009203475A - 封止樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】300℃より低い温度での封止に用いることができ、紫外光〜可視光の波長領域で優れた光透過性、耐光性、耐熱性、湿熱耐性、及び紫外線耐性を有し、かつ長期間使用しても亀裂及び剥離が生じない硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供する。また、硬化性ポリオルガノシロキサンを用いた封止材を提供し、上記した硬化性ポリオルガノシロキサンの優れた特性を使用した航空宇宙産業用材料を提供する。
【解決手段】縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下であるポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、ヒドロシリル化触媒の含有量(金属元素換算)が3ppm以下であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体発光装置及び航空宇宙の分野において好ましく用いられる封止材(encapsulating material)及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明はヒドロシリル化触媒の存在なしで硬化でき、かつ硬化した場合、優れた耐熱性及び紫外線(UV)耐性を示す硬化性ポリオルガノシロキサン及びその製造方法に関する。
高輝度発光ダイオード(HBLED)は、極めて高いエネルギー効率を有し、特に照明用途に好適に使用される。発光ダイオード(LED)装置は、通常、基材上に組み立てられたLEDチップと、さらにそれを封止する材料から成り、封止材はレンズの役割も担うことが多い。以下は、LEDの封止材として利用される材料の必要条件としては、光学透明度、高温耐性、UV耐性、高屈折率、及び種々の機械特性が挙げられ、用途や好みに応じて軟らかい材料から硬い材料まで種々使用される。
LED装置は、装置組み立て中(260℃まで達する半田付け)及び実際の装置の作動中(約150℃で数万時間)に高温状態に直面するのでLED用の封止材は、光学的に透明(90%以上の透過率)でなくてはならず、かつ機械的及び光学的機能の低下なしに、長時間高温に耐えることができなければならない。
従来LED封止のための透明な樹脂としては、エポキシ樹脂が多用されてきた(特許文献1、2)。また、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、及び光学ナイロン(optical nylon)なども使用されている。しかしながら、このような従来からある有機樹脂の光学特性は使用に際して経間的に低下してしまうという問題があった。特に、黄変等の着色が、熱による劣化(耐熱性)ないし/及び短波長光の長時間照射(紫外線耐性)によって生じるのである。このような劣化が進行すると封止層からの水の浸入を引き起こし、LEDの性能劣化につながる恐れもある。また、封止材の機械的な劣化は、基材のひび(cracking)、縮み(shrinking)又は薄層の裂け(delamination)も引き起こす。従って、封止材としては軟らかいエラストマーであると同時にプラスチック様の硬さも有する材料系であることが望まれる。つまり、封止材はLED組成物のための機械的支持体として利用するのに充分に硬く、そして同時に装置の組み立て時に、LEDチップ又は配線(wires)に対する損傷を防ぐことができる程度に、また、温度の昇降時に、部材として使用する異なる熱膨張係数を有する各々の材料の膨張及び収縮の差によって剥離や割れが生じない程度に、内部歪を和らげることができるように充分に軟らかくかつしなやかでなければならない。
上記要求事項を満足するために、発光素子(emmition element)の透明封止においてフッ素を含有する硬化物が提案されている(特許文献3)。このフッ素を含有する硬化物は、エポキシ樹脂と比べて優れた無色透明性、耐光性及び耐熱性を有しているけれども、封止される材料への接着性に乏しいという問題を有し、封止される材料から剥がれやすい。さらに、LEDチップ材料、特にLEDチップの発光層として使用されている材料は高い屈折率(具体的には可視光領域において2.5〜3.0)を有するが、上記フッ素含有硬化物は、同じ可視光の波長領域において非常に低い光屈折率を有する。そのため、同じ波長領域における光のピックアップ効率は、決して充分ではない。
上記問題を解決するために、ゾル-ゲル法で製造されたガラスを用いて封止されたLEDが提案されている(特許文献4)。このLEDは封止層の水蒸気透過率を低減し、かつ封止材の変色による光取り出し効率の低下問題を改善し、さらに耐熱性を改良することを可能にする。しかしながら、ゾル-ゲルガラスでは、微細孔が残存しがちであり、かつひびが容易に発生するという問題を抱えていた。
そのため、水が上記微細孔又はひびの場所に入り込み易くなり、この水分がLEDの特性を妨げる。さらに、ガラスは樹脂と比べて基材や配線金属との接着性に乏しい。その結果、水が封止ガラスと基材又は配線金属間の界面から入り込むという問題があった。
また、低融点ガラスを熱溶融し、そしてその溶融物で透明に封止するということも提案されている(特許文献5)。しかしながら、一般的に低融点ガラスを熱溶融する場合、400〜700℃の温度にガラスを加熱することが必要であり、そのため、LEDで使用される蛍光物質が熱劣化を受ける場合がある。
これらの問題に対して、優れた耐熱性及び紫外線耐性を有するシリコーン樹脂(ポリオルガノシロキサン)がエポキシ樹脂の代替物として用いられる。しかしながら、シリコーン樹脂は容易に物理的に傷ついてその傷跡を残しやすい傾向があり、接着性、無色透明性、耐熱性、耐湿熱性及び紫外線耐性等の性能において未だ充分であるとは言い難かった(特許文献5、6、7、8、9)。
青色光又は紫外光などの短波長放射線を放出するGaNをベースとするデバイスや、これらの発光ダイオードを蛍光性物質と組み合わせることによって得られる白色LEDに関する最近の開発研究に伴い、封止材のための要求が著しく増大している。封止材は、光学的及び機械的性質の劣化なしに高強度の青色光もしくは紫外光の暴露に耐えることができなければならない。
米国特許出願公開No.2004/0063840 国際公開No.WO2005/085303 日本特許:JP-A-2002−203989 日本特許:JP-A-2004−356506 米国特許No.5648687 国際公開No.WO2006/055456 米国特許No.7160972 米国特許No.6204523 米国特許No.6590235
上記のように、優れた光学透明性、高温耐性、紫外線耐性、高屈折率を有し、且つ種々の弾性特性を有する強健なLED封止材、及びこのような封止材を製造する簡便な方法が必要とされている。本発明はこれを達成することを課題にするものである。また、光学的透明度、高温耐性、及び紫外線耐性を犠牲にすることなく、種々の機械的特性を有するLED封止材、及びこのような封止材を製造する簡便な方法が必要とされている。本発明は、これを達成することを課題にするものである。
本発明は、300℃より低い温度での封止に用いることができ、紫外光〜可視光の波長領域で優れた光透過性、耐光性、耐熱性、湿熱耐性、及び紫外線耐性を有し、かつ長期間使用しても亀裂及び剥離が生じない硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供する。本発明において、「無色透明」の用語は、近紫外光〜可視光の波長領域(350〜800nm)を有する光を透過することを意味し、そしてそのような波長範囲における硬化フィルム(厚さ:少なくとも100μm)の光透過度が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であることを意味する。
本発明は、従来技術における上記問題を克服するために、硬化性ポリオルガノシロキサンを用いた封止材を提供し、上記した硬化性ポリオルガノシロキサンの優れた特性を使用した航空宇宙産業用材料を提供する。
本発明は以下を特徴とする要旨を有するものである。
1.縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下である硬化性ポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、ヒドロシリル化触媒の含有量が3ppm以下(金属元素として)であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
2.Si−C−C−Siを架橋基の一部として有し、ヒドロシリル化触媒の含有量が3ppm以下(金属元素として)であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
3.下式で表される化合物を50重量%以上含有する硬化性ポリオルガノシロキサンであって、実質的にヒドロシリル化触媒の存在なしで、硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。(式中、R1〜R10は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表し、m及びnは、それぞれ0以上の整数である。)
Figure 2009203475
4.少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物と、 少なくとも1つのヒドロシリル基を有するシラン化合物とを、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、
反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
但し、上記の2種のシラン化合物の少なくとも一方にはシロキサン部位がその構成要素として含有される。
5.少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基、及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
6.ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去し、次いで、新たなヒドロシリル化触媒を添加しないことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
7.貴金属酸化物を触媒として使用する下記の式を有する硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
Figure 2009203475
但し、式中、R1〜R10は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール、縮合性シリル基及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表す。但し、R1〜R10の少なくとも1つは縮合性シリル基であり、そしてm及びnは、それぞれ0以上の整数である。
本発明による、ヒドロシリル化触媒の存在なしで熱により硬化しうるシリコーン樹脂は、優れた接着性、透明性、湿熱耐性及び紫外線耐性を有し、従って、例えばLEDの封止樹脂、蛍光体ペースト及び航空宇宙材料などの種々の用途において有用である。
また、本発明は、シリコーン樹脂の機械的特性を、特定の用途に最も適した硬さ及び柔軟性に調整することが可能である。その結果、他に出現する用途とともに、LEDデバイスのために好適な封止物質としての要件及び機能の全てを満たす材料を提供する。
本発明によれば、硬化性ポリオルガノシロキサンを製造するための特定の方法により、上記目的を満足させることができるポリオルガノシロキサンが得られる。さらに、本発明における固体貴金属触媒の使用は、それらを反応生成物から容易に取り除くことができ、従来の担持触媒を使用した場合と比べて、硬化性ポリオルガノシロキサン中に実質的に溶出・残存する触媒残渣がより少なくなるという利点がある。その結果、触媒残渣の存在から起こる望ましくない副反応も減少し、これはポリオルガノシロキサン生成物の貯蔵安定性を著しく向上させる。
さらに、本発明では、分離回収した貴金属酸化物触媒を再利用することができ、これは、工業的及び経済的に好ましいシステムである。
高分子量ビニルシランで修飾されたPDMS系封止材を製造する一般的合成式を示す。 種々の異なる高分子量ビニルシランの分子構造を示す。 本発明の実施例1に記載する高分子量ビニルシラン(MT)を含む配合物(formulation)を、200℃で1週間の耐熱試験前後における光透過率を比較するグラフを示す。 本発明の実施例1に記載する、溶媒あり及び溶媒なしで製造されたMTビニルシランを用いる配合物(formulation)の応力−張力等温線を示す。 本発明の実施例1及び実施例2に記載する高分子量ビニルシランを含む配合物の応力−張力等温線を示す。 縮合反応物を用いて製造された樹脂の特性と、非縮合反応物を用いて製造された樹脂の特性とを比較した表である。 本発明の硬化性組成物から得られる蛍光体ペーストの特性を、公知技術の蛍光体ペーストと比較して示した表を示す。 PDMS系化合物をベースとする封止材を製造するための一般的な製造方法を表すフローチャートを示す。 本発明の実施例11で得られるモノアルコキシシランを含む配合物(formulation)の200℃、1週間の耐熱性試験前後における光学的透過度を比較するグラフを示す。 本発明の実施例12で得られるジアルコキシシランを含む配合物の200℃、1週間の耐熱性試験前後における光学的透過度を比較するグラフを示す。 本発明の実施例13で得られるトリアルコキシシランを含む配合物の200℃、1週間の耐熱性試験前後における光学的透過度を比較するグラフを示す。 PDMSベース樹脂の機械的特性を改良するために用いることができる種々のカルボシランの分子構造を示す。 本発明の実施例14で得られるビス(トリエトキシシリル)エタンで補強された化合物と、ビス(トリエトキシシリル)エタンのみ除いた同じ配合による化合物との弾性率を比較したグラフを示す。 本発明の実施例15で得られる種々のカルボシランで改良された化合物と、カルボシランを含まない同配合によって生成する化合物との弾性特性を比較したグラフを示す。 本発明の白金触媒を用いて製造されたポリオルガノシロキサンの特性を従来の白金触媒と比較した表3とこれら種々の樹脂組成物を含む半導体発光装置の加速劣化試験前後における全光束量の減少度合いを比較した表4を示す。
本発明は、縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下であるポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、ヒドロシリル化触媒の含有量が3ppm以下であり、且つ、ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃での加熱処理をおこなうことにより48時間以内に硬化しうることを特徴とする。
ここで、縮合性官能基とは、分子量として400以下の低分子量の物質を放出して二つの物質もしくは基を結合することのできる官能基のことであり、主として水もしくは水酸基と反応して低分子物質を放出しながら結合を形成するための官能基(但し、ヒドロシリル基は除く)のことを言う。縮合性官能基は、例えば、シラノール基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、エノキシ基、オキシム(ケトキシム)基、アミノ基などが挙げられる。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物に含まれる縮合性官能基の合計含有量は、通常10重量%以下、好ましくは、1重量%以下、さらに好ましくは、300ppm以下、特に好ましくは、200ppm以下である。縮合性官能基を多く含有する場合には、縮合反応に伴って硬化時や部材としての使用時に全体重量が減少し、例えば半導体用封止材として使用した場合に縮みによって剥離やひび割れを引き起こす原因となる場合がある。また、親水性基が多くなることにより、樹脂中への水分の吸着量が増え、ポリオルガノシロキサン組成物若しくはその保護物(例えば、発光素子)の表面が、水分により劣化することの原因となる場合がある。
ヒドロシリル化反応を経由して硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得る場合、ヒドロシリル化触媒としては、白金化合物、ロジウム化合物、ルテニウム化合物、イリジウム化合物、パラジウム化合物などが挙げられる。なかでも反応性の観点から白金化合物を使用することが好ましい。また、ヒドロシリル化触媒は、経済性の観点から触媒を反応後に分離・回収・再使用できることが好ましく、シリカゲルや活性炭等の担体に上記ヒドロシリル化触媒を担持したものを使用することができる。また、ヒドロシリル化触媒としては、固体の金属酸化物が触媒成分の溶出防止の観点から好ましく、特に、白金酸化物が最も好適に使用される。
ヒドロシリル化反応時のポリオルガノシロキサン組成物に含まれるヒドロシリル化触媒の合計含有量は、通常0.1ppm以上であり、好ましくは、1ppm以上であり、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下で使用される。この範囲を超えて少なすぎるとヒドロシリル化速度が極端に遅くなり、またこの範囲を超えて多すぎる場合には、経済的に好ましくない。
本発明において、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化はヒドロシリル化触媒の実質的非存在下にて行なわれるが、この場合、上記のヒドロキシル触媒由来の金属種の合計含有量が、金属元素換算で好ましくは3ppm以下である。この範囲を超えて多すぎると硬化速度の制御が難しくなるほか、硬化後の材料が例えば100℃以上の高温に長時間晒されたときに着色する原因となってしまう。実質的非存在下で、硬化するとは、150℃において48時間以内の時間処理することにより、好ましくは、150℃において10時間以内処理することにより、硬化性組成物の硬度が、通常JIS Type Aの硬度計にて10以上になる(上がる)ことをいう。
ヒドロシリル化触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内処理することにより硬化しうる本発明のポリオルガノシロキサン組成物は、例えば、下記のようなポリオルガノシロキサンを含有させることにより好適に得ることができる。すなわち、ポリオルガノシロキサンの平均分子量が好ましくは1,000以上、特に、3,000以上あることが好ましい。これは分子量が大きいことにより、架橋点の数が少ない状態でも硬化工程時に速やかに硬化させることができる。また、分子内に分岐鎖構造を有することも好ましい。これは、平均分子量の大きさと同様、三次元的構造をとることにより硬化速度を速めることができる。シランとシロキサン骨格含有化合物とを反応させる場合、少なくともそのいずれか一方の分子量が3000以上であることが望まれる。また、シランもしくはシロキサン骨格含有分子のいずれかの原料分子内に分岐鎖構造を有することも好ましい。これは、分子量の大きさ同様、三次元的構造をとることにより硬化速度を速めることができるからである。また、ラジカルを発生しやすい官能基(ビニル基やプロピル基、イソプロピル基など)を少量有するものも好ましい。これらの官能基により熱ラジカル反応での架橋反応が進行し、硬化速度が速まる。しかし、これらの官能基が例えば30重量%を越す程度の量含まれていると、硬化後の材料の着色原因となる。
ポリオルガノシロキサンは、例えば、分岐鎖構造を有し、ビニル基も分子内に複数含有する高分子量ビニルシラン(MT)シリーズをヒドロシリル化反応により連結された化合物を使用することが好ましい(図2)。この場合の図中mとしては3以上が好ましく、さらに好ましくは5以上である。
本発明において、ポリオルガノシロキサン組成物には、硬化反応を阻害しない範囲で添加物を加えることもできる。例えば、前段としてヒドロシリル化反応を行う場合の反応制御材として、分子内に炭素炭素多重結合を有する有機物や、アミン類、硫黄化合物、リン化合物などの併用も好適に採用される。また、後段の硬化反応を促進させる触媒としてアルミニウム化合物、錫化合物、亜鉛化合物、ジルコニア化合物などが好適に使用される。また、硬化物の機械的物性を制御するために、多官能性のアルコキシカルボシランを添加することも非常に好適である。このカルボシランの添加量としては硬化性ポリオルガノシロキサン組成物全体に対して通常0.1重量%、好ましくは0.2重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の添加量にて添加される。添加量がこの範囲を越えて少なすぎると、物性改善の効果がほとんど認められにくくなるし、この範囲を越えて多すぎると、硬化時の収縮が大きくなるほか、耐熱性やUV耐性が低下することがでてくる。
さらに、特に原料の粘度が高い場合には、例えばトルエンなどに代表される有機溶剤も好適に使用される。トルエンやヘプタン等の疎水性の有機溶媒の添加は、得られる樹脂の物理物性を制御する上でも好ましいことが多い。しかしながら、その添加量としては通常全体重量の50重量%以下が好ましい。この範囲を越えて多すぎると、硬化時の収縮が極めて大きくなるほか、残存溶媒によって、耐熱性やUV耐性が低下することが多いからである。
また、本発明では、Si−C−C−Siを架橋基として有し、ヒドロシリル化触媒由来の金属元素の含有量が3ppm以下であり、且つ、ヒドロシリル化触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内処理することにより硬化しうるポリオルガノシロキサン組成物が提供される。
Si−C−C−Siを架橋基とするポリオルガノシロキサンは、通常ヒドロシリル基含有物質とビニル基含有珪素化合物とのヒドロシリル化にて製造される。Si−C−C−Siの分子全体における含有割合としては、官能基当量として、通常40g/mol以上であり、好ましくは50g/mol以上であり、より好ましくは80g/mol以上であり、特に好ましくは100g/mol以上である。また10000g/mol以下であることが好ましい。この範囲を越えて官能基当量が小さすぎると硬化物の耐熱性が劣ることとなり、この範囲を越えて大きすぎると硬化物の硬度が必要以上に低くなってしまう。
さらに、本発明では、下記の一般式を有する新規な硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が提供される。
Figure 2009203475
上記式中、R〜R10はそれぞれ独立に水素化物、アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基からなる群から選ばれる基を表し、そしてm及びnは、それぞれ0以上の整数である。
本明細書における上記一般式の好ましい具体的な例は以下のとおりである。
アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキルの好ましい例はメチル、エチル、プロピル及びトリフルオロプロピルを含む。アルケニルの好ましい例はビニルを含む。好ましいアリールの例はフェニルを含む。非縮合性シリル基の好ましい例としてはトリメチルシリル、トリエチルシリル及びトリフェニルシリル基を含む。縮合性シリル基の好ましい例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を含む。
硬化性ポリオルガノシロキサンは、下記一般式で表されるビニル含有化合物Aと、下記一般式で表されるヒドロシリル含有化合物Bとを反応させることにより得られる。
Figure 2009203475
ここで、R11は、アルキル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基である。
Figure 2009203475
ここで、R12〜R20は、それぞれ独立に水素化物、アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表し、そしてm及びnは、それぞれ0以上の整数である。
上記ビニル含有化合物Aは、コスト及び包括的な目標の特性からすれば、1分子中にビニル基を4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下有する化合物を50モル%以上の比率で含有することが好ましい。硬化生成物の交差結合度の増加及び物理的強度の向上からすれば、シロキサン高分子鎖がその任意なケイ素原子を中心として少なくとも3方向に伸びている構造を有する化合物も好ましい。特に、この分野における技術者が一般的にT型シリコーンと称している化合物を例示することができる。さらに、商業的に入手できるビニル含有化合物を使用することができる。ビニル含有化合物の具体例は、ジレスト(Gelest)社の製品である、DMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ(Momentive Performance Materials)社の製品であるME-91;並びにジメチルジビニルシラン、ジエチルメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、メチルトリビニルシラン、フェニルトリビニルシラン、トリメチルビニルシラン、及びトリフェニルビニルシランを含む。これらは、ビニル基を有するシランカップリング剤である。
上記ヒドロシリル含有化合物Bは、商業的に入手可能である。それらの具体例は、ジレスト社の製品であるHMSシリーズ、DMSシリーズ、HESシリーズ、HDPシリーズ、HPMシリーズ及びHAMシリーズ;並びに信越化学社の製品であるKF−99及びKF−9901を含む。
好ましい態様においては、ビニル含有化合物Aもヒドロシリル含有化合物Bも縮合性官能基を含まない。
本発明の別の好ましい態様においては、硬化性ポリオルガノシロキサンは触媒として貴金属酸化物を用いて得られる。貴金属酸化物の具体例は、Pt,Rh,Ru,Ir,Pd及びFeの酸化物である。例えば、ヒドロシリル化反応のためには、PtO2がその高い触媒活性のためより好ましい。これらの酸化物は固形粒状形で使用でき、そして、例えば濾過及び遠心分離などのこの分野の技術者に知られたプロセスにより反応系から除去することができる。上記触媒は固定床触媒としても使用することができる。どちらの方法でも、そのようなヒドロシリル化触媒は硬化性ポリオルガノシロキサン組成物から硬化前に取り除かれ、従って、触媒成分は最終的な硬化生成物には含まれない。
本発明の1つの態様では、硬化性ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物は、本分野の技術者に知られている溶剤、接着促進剤(例えば、エポキシ含有材料)、及び/又はフィラー様物質(例えば、シリカ-ゲル又はナノサイズの炭素等)を含んでいてもよい。
本発明は、白金触媒の存在下に、メチルヒドリド-ポリジメチルシロキサン(ポリマーの骨格に沿ってSiHを有する)と高分子量ビニルポリシロキサン(反応性C=C結合を有する)とのヒドロシリル化反応によって製造される熱硬化性ポリオルガノシロキサンも提供する。エラストマー樹脂の熱硬化は、光学的に透明な、熱的に安定な及び機械的に強いエラストマーマトリックス(matrix)を生ずる。これらの封止材の性能及び熱耐久性は、他の市販のシリコーン樹脂と比べて顕著に改善され、そのため、航空宇宙産業のみならずLED封止材への使用に適切である。
図1は、メチルヒドリドポリジメチルシロキサン(H−PDMS)の官能基化(functionalization)/変性化(modification)を含むこれらのシリコーン−ベースの封止材樹脂の一般的製造方法を示す。高分子量ビニルシランは固体であるPtO触媒を使用するヒドロシリル化によりポリシロキサン骨格に沿って組み込まれる。該固形触媒は遠心分離又は濾過により容易に除去される。この触媒を含まないPDMS-ベースの液状樹脂は独特であり、他の従来のPDMS-ベースの樹脂とは異なる。例えば、米国特許No.7160972B2を参照されたい。そこにはヒドロシリル化を使用するポリシロキサンをベースとする樹脂が多数記載されている。そのようなタイプの樹脂は、ビニルシロキサン共重合体と一緒に白金触媒を含む部分Aと、ヒドリドシロキサン共重合体である部分Bとの2成分系を必要とする。
本発明の手法の極めて有利な点は、PDMS骨格の側鎖にビニル基含有物質をヒドロシリル化を介して導入した化合物を使用することにあり、一般に市販されている極めて多種多様な原材料を使用してビニル基の数や導入位置などを自由に変えることができる点にある。側鎖型ということで、3個以上の官能基を導入することができ、両末端変性型よりも分子量を上げるという点においてその反応(硬化)速度が大きくなる。さらに、その導入数等を制御することで硬化物の物理的特性の調節も可能となる。本発明のプロセスにより、複雑な多成分系を必要とすることなく、分子構造及び機械的特性を所望のものに容易に調整できる。そのキーポイントは単純性と機能性である。ヒドロシリル化触媒が最終的な硬化物に入っていないことから、LED構成部材(例えば、LEDチップ、蛍光体、パッケージカップ(packaging cup)など)に生じる着色などの望ましくない副反応問題を排除し得る。さらに、この配合物が一成分系である性質はこの系をより魅力的にしている。
図2は、本発明で使用される種々の高分子量のビニルシランの分子構造を示す。これらの高分子量のビニルシランの使用により、光学的透明性及び熱安定性に影響を及ばすことなく、硬化後の樹脂の硬さ、強靭性及び柔軟性を顕著に向上及び/又は改良できることを示す。
次いで、本発明のポリオルガノシロキサンの製造方法について説明する。
本発明では、少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物と、少なくとも1つのヒドロシリル基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうるポリオルガノシロキサンの製造方法が提供される。但し、上記の2種のシラン化合物の少なくとも一方にはシロキサン部位がその構成要素として含有される。
また、本発明では、少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうるポリオルガノシロキサンの製造方法も提供される。
さらにまた、ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去して、その後、新たなヒドロシリル化触媒を添加しないことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうるポリオルガノシロキサンを製造する方法も提供される。
本発明において、少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物としては、生成物の機械特性を考慮した包括的目的特性から1分子中にビニル基を1以上、好ましくは2以上含まれているものが好ましい。ビニル基は、原料調達の経済性の観点から、通常40以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは4以下有する化合物を使用する全ビニル基含有化合物中の50重量%以上含有させるのが好ましい。硬化生成物の架橋度を増やし、かつ物理的強度を向上させる観点から、シロキサンの高分子鎖がその任意のケイ素原子を中心に少なくとも3方向に広がる構造を有する化合物もまた好ましい。具体的には、この分野において一般的にT-タイプシリコーンと称される化合物を挙げることができる。
ビニル含有化合物の具体例としては、ジレスト社の製品であるDMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VQMシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モーメンティーブパーフォマンスマテリアルズ社の製品であるME-91、並びにビニル含有シランカップリング剤であるビニルフェニルメチルメトキシシラン(VPMMS)、ビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)、ビニルトリエトキシシラン(VTES)、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。このうち、ジレスト社の製品である、DMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VQMシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モーメンティーブパーフォマンスマテリアルズ社の製品であるME-91はその骨格中にシロキサン部位を有する。
ヒドロシリル基含有化合物としては商業的に入手可能なものを好適に使用することができる。それらの具体例としては、ジレスト社の製品である、HMSシリーズ、DMSシリーズ、HESシリーズ、HDPシリーズ及びHAMシリーズ、並びに信越化学社の製品であるKF-99及びKF-9901を挙げることができる。これらは、いずれもその骨格中にシロキサン部位を有している。
また、少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基、及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物としては、例えば、ジレスト社製の、ビニルテトラメチルジシロキサン(SIV9097.5)、ビニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン(SIV9269.5)や1-アリルー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(SIA0490.0)などを市販品として挙げることができる。さらに、ヒドロシリル基を有する多数有するシラン化合物(例として、信越化学社製のKF-99が挙げられる)のヒドロシリル基の一部を、ビニル基を分子内に多数有するシラン化合物(例としてジレスト社製の、トリビニルメチルシラン(SIT8734.0)、ヘキサビニルジシロキサン(SIH6162.0)やビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(VDT-954)が挙げられる)中におけるビニル基の一部とでヒドロシリル化を行い、双方の原料のヒドロシリル基やビニル基のどちらか一方が消失してしまう前に反応を停止させて得られた化合物や、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(信越化学社製、LS-8600)と1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン(信越化学社製 LS-8660)との共重合体なども分子内にヒドロシリル基とビニル基の両方を有するシロキサン化合物として好適に使用することができる。
ヒドロシリル化触媒としては、白金化合物、ロジウム化合物、ルテニウム化合物、イリジウム化合物、パラジウム化合物などが挙げられる。なかでも反応性の観点から白金化合物を使用することが好ましい。また、経済性の観点から触媒を反応後に分離・回収・再利用できることが好ましく、シリカゲルや活性炭等の担体に上記金属化合物を担持した材料を触媒として使用することができる。また、固体の金属酸化物が触媒成分の溶出防止の観点から好ましく、そういった意味において酸化白金が最も好適に使用される。ヒドロシリル化反応時のポリオルガノシロキサン組成物に含まれるヒドロシリル化触媒の合計含有量は、通常0.1ppm以上好ましくは、1ppm以上であり、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下の範囲で使用される。この範囲を超えて少なすぎるとヒドロシリル化速度が極端に遅くなって好ましくない。またこの範囲を超えて多すぎる場合には、経済的に好ましくない。
本発明は、また、シリコーン樹脂を製造する方法に関し、ヒドロシリル化触媒を使用するが、そのヒドロシリル化触媒は、続く硬化反応前に好ましくは濾過もしくは遠心分離によって除去されるか、そもそも固定床触媒として使用され、最終硬化生成物中に存在しない。その点においてヒドロシリル化触媒としては、貴金属酸化物、特に白金酸化物(固体顆粒)触媒を用いることが好ましい。貴金属酸化物触媒の平均粒子径としては、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上であり、また通常1mm以下、好ましくは0.5mm以下である。この範囲を越えて小さすぎる場合には濾過や遠心分離での除去等が困難となり、この範囲を越えて大きすぎる場合には、表面積が小さくなることと、沈降性が高まってしまうことから単位重量(体積)あたりの触媒能が劣る結果となってしまう。
本発明の方法で製造されるシリコーン樹脂は、優れた接着性、透明性、湿熱耐性及び紫外線耐性を有し、従って、例えばLEDの封止樹脂、蛍光物質ペースト及び航空宇宙材料などの種々の用途において有用である。
本発明では、ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去して、その後、新たなヒドロシリル化触媒を添加しないことを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサンを製造する方法が提供される。
以下に説明する本発明の新規なプロセスによって、下記の一般式を有する硬化性ポリオルガノシロキサンを製造することができる。
Figure 2009203475
ここで、R〜R10はそれぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール、縮合性シリル基及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表し、R〜R10の少なくとも1つは縮合性シリル基を表し、そしてm及びnは、それぞれ0以上の整数である。
本明細書における上記一般式の好ましい具体的な例は、以下のとおりである。
アルキル、アルケニル、アリール、縮合性シリル基及び非縮合性シリル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキルの好ましい例はメチル、エチル、プロピル及びトリフルオロプロピルを含む。アルケニルの好ましい例はビニルを含む。アリールの好ましい例はフェニルを含む。縮合性シリル基における縮合性基の好ましい例はヒドロキシル、アルコキシ、アセトキシ、エノキシ、オキシム、アミノ及びアミドのそれぞれの基がケイ素原子に直接結合される構造を有するシリル基を含む。アルコキシの好ましい例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ及びフェノキシを含む。非縮合性シリル基における好ましい非縮合性基の例はアルキル、アルケニル及びアリールのそれぞれの基がケイ素原子に直接結合される構造を有するシリル基を含む。
ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び少なくとも1つの縮合性基を有する化合物であるシランを、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格含有化合物と反応させ、かつ、上記触媒を硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去することを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサンを製造する方法を提供する。
本発明で用いられるシランは、1つの縮合性基のみならず少なくとも1つのビニル基又はヒドロシリル基を有する。それらのビニル基及び縮合性基はケイ素原子に直接結合されてもよく、アルキレン基のような幾つかの他の基を介してケイ素原子に間接的に結合されてもよい。好ましい縮合性基の例はヒドロキシル基、アルコキシ基、アセトキシ基、エノキシ基、オキシム基、アミノ基及びアミド基などである。好ましいアルコキシ基の例はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びフェノキシ基である。
本発明で使用する「シロキサン骨格含有化合物」は、通常少なくとも1つのヒドロシリル基又はビニル基を含む。上記シランがビニル基を有する場合、上記‘シロキサン骨格含有化合物’はヒドロシリル基を有する。ヒドロシリル基又はビニル基は、上記‘シロキサン骨格含有化合物’の末端に又は該骨格に沿って存在させることができる。なかでも該骨格にそってヒドロシリル基を多数位置させたPDMS系シロキサン骨格含有化合物が好適に用いられる。
また、本発明の新規なプロセスとして、下記の(i)及び/又は(ii)を用いることにより硬化性ポリオルガノシロキサンを製造することができる。
(i)検量線測定においてポリスチレンを標準物質として用いるGPC(ゲルパミエーションクロマトグラフィー)により決定される重量平均分子量が3000以上のビニル基含有化合物。
(ii)検量線測定においてポリスチレンを標準物質として用いるGPC(ゲルパミエーションクロマトグラフィー)により決定される重量平均分子量が3000以上のヒドロシリル基含有化合物。
上記ビニル基含有化合物としては、原料調達に関わる経済性及び生成物の機械特性を鑑みた一般目的特性から1分子中にビニル基を4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下有する化合物を使用する全ビニル基含有化合物中の50重量%以上含有させるのが好ましい。硬化生成物の架橋度を増やし、かつ物理的強度を向上させる観点から、シロキサンの高分子鎖がその任意のケイ素原子を中心に少なくとも3方向に広がる構造を有する化合物もまた好ましい。具体的には、この分野において一般的にT-タイプシリコーンと称される化合物を挙げることができる。
ビニル含有化合物の具体例としては、ジレスト社の製品である、DMSシリーズ、PDVシリーズ、FMVシリーズ、VDTシリーズ、VQMシリーズ、VMSシリーズ、VTTシリーズ及びMTVシリーズ;モーメンティーブパーフォマンスマテリアルズ社の製品であるME-91、並びにビニル含有シランカップリング剤であるビニルフェニルメチルメトキシシラン(VPMMS)、ビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)及びビニルトリエトキシシラン(VTES)を挙げることができる。
上記ヒドロシリル含有化合物は商業的に入手可能なものであることができる。それらの具体例は、ジレスト社の製品である、HMSシリーズ、DMSシリーズ、HESシリーズ、HDPシリーズ及びHAMシリーズ、並びに信越化学社の製品であるKF-99及びKF-9901を含む。
上記プロセスにおける好ましい態様のひとつとして、1分子中に少なくとも2つの縮合性シリル基を含有する硬化性ポリオルガノシロキサンが製造される。縮合性シリル基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アセトキシ基、エノキシ基、オキシム基、アミノ基及びアミド基であり、これらの基がケイ素原子に直接結合される構造を有するシリル基を含む。好ましいアルコキシの例はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びフェノキシ基である。なかでも、トリアルコキシシリル基を含有することが好ましい。
上記プロセスの好ましい一態様として、触媒として貴金属酸化物を使用することが挙げられる。貴金属酸化物の具体例は、Pt、Rh、Ru、Ir、Pd及びFeの酸化物である。なかでも白金触媒が好ましく、さらに好ましくはPtOがその高い触媒活性と触媒成分溶出の少なさ、また、触媒回収の容易さのために好ましい。実際、これらの酸化物は固形粒状形で使用でき、そして、例えば、濾過及び遠心分離などの分野の技術者に知られた濾過及び遠心分離などのプロセスにより反応系から除去することができる。一方で、前記触媒は固定床触媒として使用することもできる。どちらの方法においても、これらのヒドロシリル化触媒は硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサン組成物から除去され得、従って、触媒は最終的な硬化生成物中に存在しないという結果になる。
別の態様においては、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサンは、ヒドロシリル化触媒を必要とすることなしに、基本的に縮合反応を主たる硬化反応機構として用いて硬化させることもできる。
図8は、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体のヒドロシリル化によるPDMSベースの封止材樹脂の一般的製造方法を示す。モノ、ジ、及びトリアルコキシシランはPtO触媒を用いてポリシロキサン骨格に沿って側鎖として導入された。トルエンは効果的混合の促進及びより良い反応効率のために樹脂混合物の粘度を低下させるべく添加された。反応は、80℃にて終夜で攪拌しながら実施され、次いで、遠心分離によって固体白金触媒を除去した。その後、無色透明・粘性で、触媒のない樹脂を150℃、6時間で硬化させた。
この一液性で触媒なしのPDMS液状樹脂は、従来の他のPDMSベース樹脂とは異なるものである。例えば、米国特許No.7160972B2を参照されたい。そこには白金触媒によるヒドロシリル化反応を使用して硬化するポリシロキサンをベースとする樹脂が主に記載されている。ところがこのようなタイプの樹脂は、ビニルシロキサン共重合体と一緒に白金触媒を含む部分Aと、ヒドリドシロキサン共重合体である部分Bとの2部分系を必要とし、硬化物にも白金が含まれたままである。
本発明における、1段階(one step)、1成分、1容器プロセス(one pot process)は、簡便且つ経済性が高い。単一成分で触媒なしの封止樹脂系は、LED装置の成分(例えば、LEDチップ、蛍光物質、パッケージングカップなど)に対して引き起こす可能性のある望ましくない副反応問題を大きく抑えることができる。
本発明の方法が有する他の決定的に有利な点は、PDMS骨格に沿って導入される種々のビニル(モノ-、ジ-及びトリ-)アルコキシシラン及びその他のビニル化合物の構造及び機能について豊富な市販品の中から自由に策定することができることにある。この主鎖に沿って側鎖的に官能基を導入したものは、主鎖の両末端のみが官能基化された系よりも、さらに容易に物性を変化させ・制御することができ、反応性のビニルシランの場合には非常に反応性に富むものとすることができる。このことにより、架橋度が制御可能となり、種々の物理的特性を与える様々な樹脂を製造することができる。弾性樹脂の熱的(付加―縮合)硬化は光学的に透明で且つ熱的に安定な架橋マトリックスを生じ、その結果、前記系は航空宇宙産業用ばかりでなくLED封止材用途に適するようになる。これらの封止材材料の性能は、他の市販のシリコーン樹脂と比較した場合、著しく改善されている。
[本発明のポリオルガノシロキサンから得られる半導体発光装置部材の使用]
本発明におけるシリコーン硬化物は、その使用が特に限定されるものではなく、半導体発光装置などを封止するための部材(封止化合物)を含む種々の目的に用いることができる。なかでも、本発明の半導体発光装置部材は、蛍光体粒子及び/又は無機酸化物粒子と組み合わせることにより、特定の目的のために適切に使用することができる。この蛍光体粒子と組み合わされた使用を以下に述べる。
[蛍光体粒子と組み合わされた使用]
本発明のシリコーン硬化物は、例えば、蛍光物質を分散させることによる波長変換部材として使用することができ、半導体発光装置カップ(cup)の内側にモールド/ポッティングする、又は適当な透明支持体上の薄膜として被覆させる半導体発光置部材としても使用することができる。1つの蛍光物質はそれ単独で用いてもよいし、又は2つ以上のタイプの蛍光物質と任意の比率で組み合わせて使用し、例えば、“白色LED”発光装置を製造することができる。
[蛍光物質]
蛍光物質の組成は特に限定されないが、結晶性マトリックス(例えば、Y23及びZn2SiO4などの金属酸化物、Ca5(PO43Clなどのリン酸塩、又はZnS,SrS及びCaSなどの硫化物)と、活性化剤若しくは共活性化剤としてCe,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm及びYbなどの希土類金属イオン又はAg,Cu,Au,Al,Mn及びSbなどの金属イオンとを組み合わせることが好ましい。
結晶性マトリックスの好ましい例は、(Zn,Cd)S,SrGa24,SrS及びZnSなどの硫化物、Y22Sなどのオキシ硫化物、(Y,Gd)3Al512,YAlO3,BaMgAl1017,(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017,(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017,BaAl1219,CeMgAl1119,(Ba,Sr,Mg)O・Al23,BaAl2Si28,SrAl24,Sr4Al1425及びY3Al512などのアルミン酸塩、Y2SiO5及びZn2SiO4などのケイ酸塩、SnO2及びY23などの酸化物、GdMgB510及び(Y,Gd)BO3などのホウ酸塩、Ca10(PO46(F,Cl)2及び(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2などのハロリン酸塩並びにSr227及び(La,Ce)PO4などのリン酸塩を含む。
しかしながら、上記の結晶性マトリックス及び活性化剤若しくは共活性化剤は、元素組成においては特に限定されず、これらは類縁元素(analogous element)によって部分的に置換することができる。そして、得られる蛍光物質が紫外〜可視領域の光を吸収し、可視光を放出する場合に有用である。
より詳しくは、以下に示す物質は蛍光物質として使用することができるが、それらは本発明において使用することができる典型的な物質及び蛍光物質に過ぎず、これらに限定されるものではない。以下に示す例示において、その構造が部分的に異なる蛍光物質は、ある場合には省略された方法で表される。例えば、“Y2SiO5:Ce3+”,“Y2SiO5:Tb3+”及び“Y2SiO5:Ce3+”,Tb3+は、“Y2SiO5:Ce3+”,Tb3+として単一化する方法で示され、“La22S:Eu”、“Y22S:Eu”及び“(La,Y)22S:Eu”は“(La,Y)22S:Eu”として単一化する方法で示される。省略位置はコンマ(,)によって境界を画する。
[赤色蛍光物質]
赤色蛍光を放出する蛍光物質(以下、“赤色蛍光物質”ともいう)により放出される蛍光の具体的波長の範囲は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上であり、そして通常700nm以下、好ましくは680nm以下である。
そのような赤色蛍光物質は、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si58:Euで表され、赤色領域で光を放出するための赤色の破壊(fracture)表面を有する破壊粒子で構成されるユーロピウム活性化アルカリ土類シリコンナイトライド(alkaline earth silicon nitride)や(Y,La,Gd,Lu)22S:Euで表され、赤色領域で光を放出するための規則的結晶成長形としてほぼ球状の形を有する成長粒子で構成されるユーロピウム活性化希土類オキシカルコーゲナイド(rare earth oxychalcogenide)蛍光物質を含む。
さらに、日本特許公開第2004-300247号に開示されている、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,W及びMoからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含有し、そしてAl元素の一部又は全部がGa元素で置き換えられるα-サイアロン(α-sialon)構造を含有するオキシナイトライド及び/又はオキシサルファイドを含有する蛍光物質は、本発明の態様においても使用可能である。この蛍光物質は、オキシナイトライド及び/又はオキシサルファイドを含有する蛍光物質である。
他の赤色蛍光物質として、(La,Y)22S:EuなどのEu活性化オキシサルファイド蛍光物質、Y(V,P)O4:Eu及びY23:EuなどのEu活性化オキサイド蛍光物質、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,Mn及び(Ba,Mg)2SiO4:Eu,MnなどのEu,Mn活性化シリケート蛍光物質、(Ca,Sr)S:EuなどのEu活性化サルファイド蛍光物質、YAlO3:EuなどのEu活性化アルミネート蛍光物質、LiY9(SiO462:Eu,Ca(SiO462:Eu,((Sr,Ba.Ca)3SiO5:Eu及びSr2BaSiO5:EuなどのEu活性化シリケート蛍光物質、(Y,Gd)3Al512:Ce及び(Tb,Gd)3Al512:CeなどのCe活性化アルミネート蛍光物質、(Ca,Sr,Ba)2Si:Eu,(Mg,Ca,Sr,Ba)SiN2:Eu及び(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN3:EuなどのEu活性化ナイトライド蛍光物質、 (Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN3:CeなどのCe活性化ナイトライド蛍光物質、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu,MnなどのEu,Mn活性化ハロホスフェート蛍光物質、(Ba3Mg)Si28:EU,Mn及び(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si28:Eu,MnなどのEu,Mn活性化シリケート蛍光物質、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:MnなどのMn活性化ゲルマナイド蛍光物質、Eu活性化α-サイアロン(sialon):EuなどのEu活性化オキシナイトライド蛍光物質、(Gd,Y,Lu,La)23:Eu,BiなどのEu,Bi活性化オキサイド蛍光物質、(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu,BiなどのEu,Bi活性化オキシサルファイド蛍光物質、(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu,BiなどのEu,Bi活性化バナデート蛍光物質、SrY24:Eu,CeなどのEu,Ce活性化サルファイド蛍光物質、CaLa24:CeなどのCe活性化サルファイド蛍光物質、(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu,Mn及び(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu,MnなどのEu,Mn活性化ホスフェート蛍光物質、(Y,Lu)2WO6:Eu,MoなどのEu,Mo活性化タングステート蛍光物質、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu,Ce(x,y,及びzは1又はそれ以上の整数)などのEu,Ce活性化ナイトライド蛍光物質、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,MnなどのEu,Mn活性化ハロホスフェート蛍光物質、並びに(Y,Lu,Gd,Tb)1−xScCe)2(Ca,Mg)1-r(Mg,Zn)2+rSiz-qGe12+δなどのCe活性化シリケート蛍光物質も又用いることができる。
また、赤色蛍光物質としては、β-ジケトン塩(β-diketonate)、β-ジケトン、芳香族カルボン酸及びブレンステッド酸などのアニオンを配位子として有する希土類元素イオン錯体、ぺリレン色素(例えば、ジベンゾ{[f,f’]-4,4’,7,7’-テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3-cd:1’,2’,3’-lm]ペリレン)、アントラキノン色素、レーキ色素、アゾ色素、キナクリドン色素、アントラセン色素、イソインドリン色素、イソインドリノン色素、フタロシアニン色素、トリフェニルメタン塩基性染料、インダスロン色素、インドフェノール色素、シアニン色素及びジオキサジン色素を含有する赤色有機蛍光物質も使用可能である。
また、なかでも、最大波長が580nm以上、好ましくは590nm以上であり、そして620nm以下、好ましくは610nm以下である赤色蛍光物質は、橙色蛍光物質として好適に用いることができる。そのような橙色蛍光物質の例としては、(Sr,Ba)3SiO5:Eu,(Sr,Mg)3(PO42:Sn2+及びSrCaAlSiN3:Euが挙げられる。
[緑色蛍光物質]
緑色蛍光を出す蛍光物質(以下、“緑色蛍光物質”ともいう)により放出される蛍光の具体的波長の範囲は、通常490nm以上、好ましくは500nm以上であり、そして通常570nm以下、好ましくは550nm以下である。
そのような緑色蛍光物質は、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Euで表され、緑色領域で光を放出するための破砕表面を有する破砕粒子で構成されるユーロピウム活性化アルカリ土類シリコンオキシナイトライド(alkaline earth silicon oxynitride)、及び(Ba,Ca,Sr,Mg)SiO4:Euで表され、緑色領域で光を放出するための破砕表面を有する破砕粒子で構成されるユーロピウム活性化アルカリシリケート蛍光物質を含む。
他の緑色蛍光物質として、SrAl1425:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Al24:EuなどのEu活性化アルミネート蛍光物質、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu,(Ba,Mg)2SiO4:Eu,(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,及び(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:EuなどのEu活性化シリケート蛍光物質、Y2SiO5:Ce,TbなどのCe,Tb活性化シリケート蛍光物質、Sr227-Sr225:EuなどのEu活性化ホウ酸ホスフェート蛍光物質、Sr2Si38-2SrCl2:EuなどのEu活性化ハロシリケート蛍光物質、Zn2SiO4:MnなどのMn活性化シリケート蛍光物質、CeMgAl1119:Tb及びY3Al512:TbなどのTb活性化アルミネート蛍光物質、Ca28(SiO46:Tb及びLa3Ga5SiO14:TbなどのTb活性化シリケート蛍光物質、(Sr,Ba,Ca)Ga24:Eu,Tb,SmなどのEu,Tb,Sm活性化チオガレート蛍光物質、Y3(Al,Ga)512:Ce及び(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:CeなどのCe活性化アルミネート蛍光物質、Ca3Sc2Si312:Ce及びCa3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:CeなどのCe活性化シリケート蛍光物質、CaSc24:CeなどのCe活性化オキサイド蛍光物質、SrSi222:Eu,(Sr,Ba,Ca)Si222:Eu並びにEu活性化β-サイアロン及びEu活性化α-サイアロンなどのEu活性化オキシナイトライド蛍光物質、BaMgAl1017:Eu,MnなどのEu,Mn活性化アルミネート蛍光物質、SrAl24:EuなどのEu活性化アルミネート蛍光物質、(La,Gd,Y)22S:TbなどのTb活性化オキシサルファイド蛍光物質、LaPO4:Ce,TbなどのCe,Tb活性化ホスフェート蛍光物質、ZnS:Cu,Al及びZnS:Cu,Au,Alなどのサルファイド蛍光物質、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO3:Ce,Tb,Na2Gd227:Ce,Tb及び(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,TbなどのCe,Tb活性化ボレート蛍光物質、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu,MnなどのEu,Mn活性化ハロシリケート蛍光物質、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:EuなどのEu活性化チオアルミネート蛍光物質及びチオガレート蛍光物質並びに、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO44Cl2:Eu,MnなどのEu,Mn活性化ハロシリケート蛍光物質もまた使用できる。
また、ピリジン-フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン、キナゾリノン、クマリン、キノフタロン及びナフタレートイミドなどの蛍光染料、並びに配位子としてヘキシルサリシレートを有するテルビューム錯体などの有機蛍光物質も使用可能である。
[青色蛍光物質]
青色蛍光を出す蛍光物質(以下、“青色蛍光物質”ともいう)により放出される蛍光の具体的波長の範囲は、通常420nm以上、好ましくは440nm以上であり、そして通常480nm以下、好ましくは470nm以下である。
そのような青色蛍光物質は、BaMgAl1017:Euで表され、青色領域で光を放出するための規則的結晶成長形としてほぼ六方晶形の形態を有する成長粒子で構成されるユーロピウム活性化バリウム-マグネシウムアルミネート蛍光物質、(Ca,Sr,Ba)5(PO43Cl:EUで表され、青色領域で光を放出するための規則的結晶成長形としてほぼ球状の形を有する成長粒子で構成されるユーロピウム活性化カルシウムハロホスフェート蛍光物質、(Ca,Sr,Ba)259Cl:EUで表され、青色領域で光を放出するための規則的結晶成長形としてほぼ立方体の形を有する成長粒子で構成されるユーロピウム活性化アルカリ土類クロロボレート蛍光物質及び(Ca,Sr,Ba)Al24:Eu又は(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表され、青色領域で光を放出するための破砕形状を有する破砕粒子で構成されるユーロピウム活性化アルカリ土類アルミネート蛍光物質を含む。
他の青色蛍光物質として、Sr227:SnなどのSn活性化ホスフェート蛍光物質、Sr4Al1425:Eu,BaMgAl1017:Eu及びBaAl813:EuなどのEu活性化アルミネート蛍光物質、SrGa24:Ce及びCaGa24:CeなどのCe活性化チオガレート蛍光物質、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu及びBaMgAl1017:EuなどのEu活性化アルミネート蛍光物質、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,MnなどのEu,Mn活性化アルミネート蛍光物質、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu及び(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br.OH):EuなどのEu活性化ハロホスフェート蛍光物質、BaAl2Si28:Eu及び(Sr,Ba)3MgSi28:EuなどのEu活性化シリケート蛍光物質、Sr227:EuなどのEu活性化ホスフェート蛍光物質、ZnS:Ag及びZnS:Ag,Alなどのサルファイド蛍光物質、Y2SiO5:CeなどのCe活性化シリケート蛍光物質、CaWO4などのタングステート蛍光物質、(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu,Mn,(Sr,Ca)10(PO46・nB23:Eu及び2SrO・0.84P25・0.16B23:EuなどのEu,Mn活性化ホウ酸ホスフェート蛍光物質並びにSr2Si38・2SrCl2:EuなどのEu活性化ハロシリケート蛍光物質も又、使用することができる。
また、ナフタレートイミド、ベンゾオキサゾール、スチリル、クマリン、ピラリゾン及びトリアゾール化合物などの有機蛍光物質、並びにツリウム錯体も青色蛍光物質として使用できる。
1つの蛍光物質はそれ単独で、又は2つ以上のタイプの蛍光物質と任意の組成及び比率で用いることができる。
これらの蛍光物質粒子の平均(media)粒子直径は特に限定されないが、通常、100nm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上であり、そして通常、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。蛍光物質粒子の形状は、半導体光放出装置部材に悪影響、例えば、蛍光物質部分の形成(formation)液体(本発明の半導体光放出装置部材の形成液体に蛍光物質を添加することにより得られる液体)の流動性に悪影響を及ぼさない限り、特に制限されない。
本発明において、蛍光物質粒子の添加方法は特に限定されない。蛍光物質粒子が良好な分散状態にある場合、本硬化性ポリオルガノシロキサン組成物液体中に蛍光物質粒子を後添加(post-mix)するだけで十分である。蛍光物質粒子に凝集傾向がある場合には、ヒドロシリル化の前の原料に前もって混合することもできる。
さらに、蛍光体などの凝集や沈降を抑えるために、無機系の粒子を加えることも可能であり、例えば金属酸化物粒子、このましくはヒュームドシリカなどを使用することができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明の要旨を逸脱しない限り、本発明は下記の実施例に制約されるものではない。
実施例1
[高分子量ビニルシラン(MT)によるポリジメチルシロキサン(PDMS)の官能基化]
(a)トルエンの使用あり: 回転子を備えた小瓶中で、1g(20wt%)のトルエン、3g(58wt%)のH-PDMS(5-7%H,65000MW、ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体 HMS−064)、1.2g(22wt%)のMTV-112(ジレスト社製、メチルトリ(ビニル-末端 ポリジメチルシロキシル)シラン)及び1mg(<200ppm)のPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を混合した。この混合物を油浴を用いて80℃で3時間反応させた。次いで、得られた液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離し、デカンテーションにより固体触媒を除去した。トルエンを真空留去後、得られた樹脂をテフロンシャーレ上に注ぎ、150℃で6時間硬化させた。
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、白金の存在量は3ppm未満であった。
(b)トルエンの使用なし: 回転子を備えた小瓶中で、3g(72wt%)のH-PDMS(5-7%H,65000MW、ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体 HMS−064)、1.2g(28wt%)のMTV-112((ジレスト社製、メチルトリ(ビニル-末端ポリジメチルシロキシル)シラン)及び1mg(<200ppm)のPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を混合した。混合物を油浴を用いて80℃で2時間反応させた。次いで、液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離し、デカンテーションして固体触媒を除去した。次いで、得られた樹脂をテフロンシャーレ上に注ぎ、150℃で6時間硬化させた。
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、白金の存在量は3ppm未満であった。
下記の表はその配合物(formulation)の特性である:
Figure 2009203475
図3により、ポリシロキサン骨格中に高分子量ビニルシラン(MT)を含有する配合物(実施例1で得られたもの)が350〜800nmの全範囲で90%以上の光学的透過率を示すことがわかる。硬化樹脂の熱安定性は、前記シャーレ上で硬化させたディスクを7日間200℃のオーブン中で加速劣化試験することにより決定される。重量減少を追ったデータ(5%)から収縮及び揮発性ガス放出は極めて少なく、従って、熱劣化は起こっていないことが観察された。黄変(yellowing)は観察されず、光学的透過率として90%以上を維持し、良好な熱耐久性及び良好な光学的透明性を維持することが判明した。この材料は、300nmのUV光にも耐えることがわかった。これらの特性は、これらの材料がLED装置の封止のために極めて適していることを示す。
図4は、本発明の実施例1で得られた高分子量シラン(MT)を含有する配合物の溶媒有無での応力-張力等温曲線を示す。少量の溶媒(20wt. %)の使用は、柔らかく(0.40MPa絶対値)、可塑性のある樹脂(106%伸長度)を生じた。一方トルエンなしで製造された配合物は、硬め(1.25MPa絶対値で30%伸長度)のものを与えた。
実施例2
[高分子量のビニルシラン(VT)によるポリジメチルシロキサン(PDMS)の官能基化]
回転子を備えた小瓶中で、3g(72wt%)のH-PDMS(5-7%H,65000MW、 ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、HMS−064)と、1.2g(28wt%)のVTT-106(ジレスト社製、ビニルT型ポリマー)及び1mg(<200ppm)のPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を混合した。混合物を油浴を用いて80℃で7時間加熱した。その後、液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離し、デカントして固体触媒を除去した。樹脂をそれが完全に均一になるまで混合し、その後、タールを塗ったテフロンシャーレ上に注ぎ、150℃で6時間硬化させた。
Figure 2009203475
図5は、本発明の実施例1及び2で得られた高分子量のシランを含有する配合物の弾性特性を比較する。それぞれのシランは樹脂の機械的な特性に対して異なる影響を与える。VTTシランを含有する形態は、極めて柔らかく(0.10MPa絶対値)、かつ弾性ある(323%伸長度)樹脂を生成した。機械的特性は相当する高分子量シランを選択することにより容易に調整できる。
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、白金の存在量は3ppm未満であった。
上記結果から、種々の無機蛍光物質と本発明のシリコーン樹脂材料の適合性が非常に良好であることもわかった。樹脂の所望粘度及び/又はチキソトロピー(thixotropy)によってはフィラー/改質剤を硬化性シリコーン樹脂に添加することができる。
本発明によって開発された手法は、弾性重合体樹脂の機械的特性を特定用途に最も適した硬さ、強靭性及び柔軟性に変える及び/又は合わせることができる。本発明のシステムは、LED装置ばかりでなく他の用途向けとしても、先進の封止材としての全ての必要条件及び機能を満たす材料を与える。
実施例3
回転子を備えた丸底フラスコに、3gのH-PDMS(5-7%H、65000MW、ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、HMS−064)と、1.2gのVTT-106(ジレスト社製、ビニルT型ポリマー)及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒とを添加した。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサンAを得た。
硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、前記硬化性ポリオルガノシロキサンA中の白金残渣量はICPスペクトル分析よれば、3ppm以下(検出限界以下)であった。
実施例4
回転子を備えた丸底フラスコに、1gのトルエン、3gのH-PDMS(5-7%H,65000MW、ジレスト社製、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、HMS−064)、1.2gのMTV-112(ジレスト社製、メチルトリ(ビニル-末端、ポリジメチルシロキシル)シラン)及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を添加した。攪拌しながら80℃で3時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、その後減圧下にトルエンを除き、本発明の硬化性オルガノポリシロキサンBを得た。
前記硬化性ポリオルガノシロキサンB中に硬化性組成物中に縮合性官能基はなく、の白金残渣量はICPスペクトル分析よれば、3ppm以下(検出限界以下)であった。
実施例5
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、8gのH-PDMS(7-8%H,80000MW メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体)、0.46gのジエトキシメチルビニルシラン、0.55gのトリエトキシビニルシラン及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を添加した。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、その後減圧下にトルエンを除き、ポリオルガノシロキサンCを得た。
硬化性組成物中の縮合性官能基は約500ppm、白金の存在量は3ppm未満であった。
実施例6
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、8gのH-PDMS(5−7%H,65000MW)、0.46gのジエトキシメチルビニルシラン、0.55gのトリエトキシビニルシラン及び1mgのPtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)触媒を添加した。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。PtO2触媒を2000rpmで10分間遠心分離で除去し、その後減圧下にトルエンを除き、ポリオルガノシロキサンDを得た。
硬化性組成物中の縮合性官能基はおよそ400ppm、白金の存在量は3ppm未満であった。
実施例3〜6で製造された樹脂A、B、C及びDを、容器の最高位にまで充填し、150℃で7時間硬化させた。用いた容器は、厚さ1mmの銀メッキが施された直径8mmのくぼみを有する銅基材の容器であった。
前記容器を、85℃及び85%RH下で12時間、吸湿処理(hygroscopic treatment)し、その後10秒間260℃のホットプレート上に置いた。樹脂と容器の間の剥離(peeling)の有無を顕微鏡を用いて目視で確認した。その結果を図6(表1)に示した。
一般的に言えることは、アルコキシシリル基のような如何なる縮合可能な官能基も有しない直線状のポリオルガノシロキサンは、単に熱により実用的な時間内に硬化して弾性樹脂になることはない。しかしながら、本発明の硬化性架橋ポリオルガノシロキサンは、シロキサン結合の熱平衡(シロキサン結合の分解と再結合反応)を利用して容易に弾性樹脂とすることができる。特に、高分子量分枝状ポリオルガノシロキサンを出発原料として用いた場合、数少ない再結合及び/又は架橋反応により分子量は増加し目的を達することができる。
その結果、本発明の樹脂A及びBは、縮合可能な官能基を有する樹脂C及びDと比べて金属容器に対して、強い接着性を有し、そして、特に樹脂A及びBがLEDの封止材に適するものとなることがわかる。これは、使用時にエトキシ基が加水分解、脱離するためと推測される。
実施例7
4重量部のシリカ微粒子(RX200、日本エアロジル社製)、16.2重量部の青色蛍光物質Ba0.7Eu0.3MgAl1017(粒子径:15μm;以降“BAM”と称す)、1.5重量部の緑色蛍光物質Ba0.75Sr0.25SiO4:Eu(粒子径:16μm;以降“BSS”と称す)及び1.1重量部の赤色蛍光物質Sr0.8Ca0.2AlSiN:Eu(粒子径:12μm;以降“SCASN”と称す)を100重量部の実施例1で得られた樹脂Aと混合し、生ずる混合物を攪拌装置(AR100、シンキー(THINKY)社製)で3分間練って、本発明の硬化性組成物Eを製造した。これら組成物中の縮合性官能基の含有量はゼロで、白金濃度もICP発光分析により3ppmを大きく割っていた。
実施例8
4重量部のシリカ微粒子(RX200、日本エアロジル社製)、16.2重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の実施例2で得られた樹脂Bと混合し、生ずる混合物を攪拌装置(AR100、シンキー(THINKY)社製) で3分間練って、本発明の硬化性組成物Fを製造した。
これらの組成物中の縮合性官能基の含有量はゼロ、白金濃度もICP発光分析の2ppmを大きく割っていた。
実施例9
6重量部のシリカ微粒子(RX200、日本エアロジル社製)、16.5重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の商業的に入手可能な付加―硬化性シリコーン樹脂(KER2500、信越化学社製)と混合し、生ずる混合物を攪拌装置(AR100、シンキー(THINKY)社製)で3分間練って、本発明の硬化性組成物Gを製造した。
実施例7〜9で製造した硬化性組成物(蛍光物質ペースト)E、F及びGを、近紫外線励起の白色LEDデバイスを製造するのに使用した。容器の底部中央に配線接合された403nmの発光波長を持つ発光ダイオード(C405XB900、クリー(Cree)社製)を有するLEDは、蛍光物質ペーストE、F及びGのそれぞれを用いて封止された。E又はFを有するLED(厚さ1mmの銀めっきで被覆されている)は150℃、7時間で硬化処理され、そしてGを有する容器は100℃、1時間での処理後、150℃、5時間で硬化処理された。
上記で得られた白色LEDに25℃で350mAの電流を流してLEDの全光束を測定し、次いで加速劣化試験のために、該白色LEDに85℃及び85%RH(相対湿度)の大気中で500時間、350mAの電流を流した。その後、前記試験後の全光束を測定するために、再度該白色LEDに25℃で350mAの電流を流し、その光束維持率を算出した。その結果を図7(表2)に示す。
上記から明らかなとおり、本発明の硬化性組成物を用いた場合には、白色LEDは、比較例5及び6における従来のシリコーン樹脂を用いたLEDより光束の維持率が良好で、かつ高い信頼性を有する。
この現象に対する理由は、白金を代表とする金属触媒を含有する従来のシリーン樹脂はLEDからの強い近紫外線照射と高い温度の下で変色しがちである一方、金属触媒なしの本発明の硬化性組成物はこれらの過酷な条件下で無色透明のままに留まることにあると考えられる。
実施例11
[モノアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化]
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、6gの部分的に水素化されたポリジメチルシロキサン(H-PDMS(5-7%H,65000MW)(ジレスト社製、HMS-064)、1.12g(2.8mmol)のビニルフェニルメチルメトキシシラン(VPMMS)(ジレスト社製、SIV9095.0)及び1mg(<200ppm)のPtO2触媒(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)(アルドリッチ社製)を加えて攪拌混合した。混合物を油浴を用いて80℃にて終夜反応させた。次いで、得られた液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離して固体触媒を除去した。その後、得られた樹脂をテフロンシャーレに塗布し、150℃で6時間硬化させた。
組成物中における縮合性官能基は、1.2重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
以下は、配合物の特性である。
硬化プロセスの特徴
有効貯蔵期間(粘度が2倍になるまでの期間) 常温で2ヶ月以上
150℃での硬化時間 6時間
硬化物特性
光学透明度 400nmにおける透過率:93%
熱安定性 200℃で1週間以上において変化無し
弾性率 1.15MPa
最終ストレス 0.60MPa
破断伸張度 40%
図9は、実施例11で得られたモノアルコキシシランを側鎖として含有する組成物が350〜800nmの範囲において90%以上の光学的透過度であることを示す。硬化樹脂の熱安定性は、前記硬化させたディスクを7日間200℃のオーブン中でエージングすることにより評価される。重量損は5%以下と小さく、収縮及び揮発性ガスの放出はほとんど起こっていないということが観察された。フェニル基があるにもかかわらず、黄色化は観察されず、そして光学的透過度は、90%以上を維持しており、良好な熱耐久性を示した。また、この材料は、300nmまで安定であり、UV耐性も示す。これらの特性は、これらの材料がLEDの封止のために極めて適していることを示す。
実施例12
[ジアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化]
回転子を備えた丸底フラスコ中で、2gのトルエン、6gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、0.92g(2.8mmol)のビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)(ジレスト社製、SIV9085.0)及び1mg(<200ppm)のPtO2触媒(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を混合した。混合物を油浴を用いて80℃で一夜反応させた。次いで、得られた液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離して固体触媒を除去した。その後、得られた樹脂をテフロンシャーレに塗布し、150℃で6時間硬化させた。
組成物中における縮合性官能基は、3.5重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
以下は、配合物の特性である。
硬化プロセスの特徴
有効貯蔵期間(粘度が2倍になるまでの期間) 常温で2ヶ月以上
150℃での硬化時間 6時間
硬化物特性
光学透明度 400nmにおける透過率:93%
熱安定性 200℃で1週間以上において変化無し
弾性率 1.45MPa
最終ストレス 1.20MPa
破断伸張度 75%
図10は、実施例12で得られたジアルコキシシランを側鎖として含有する組成物の良好な光学特性を示す。光学的透過度は350〜800nmの範囲において90%以上である。該材料は、その非常に小さな、重量損失(<5wt.%)及び良好な光学透明度(>90%)の保持によって示されるように、200℃で1週間保存しても極めて安定である。前記材料はLED封止材への利用に非常に適している。
実施例13
[トリアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化]
回転子を備えた丸底フラスコ中で、2gのトルエン、6gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.10g(2.8mmol)のビニルトリエトキシシラン(VTES)(ジレスト社製、SIV9112.0)及び1mg(<200ppm)のPtO2触媒(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を混合した。混合物を油浴を用いて80℃で一夜反応させた。次いで、得られた液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離して固体触媒を除去した。その後、得られた樹脂をテフロンシャーレに塗布し、150℃で6時間硬化させた。
組成物中における縮合性官能基は、5.3重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
以下は、配合物の特性である。
硬化プロセスの特徴
有効貯蔵期間(粘度が2倍になるまでの期間) 常温で2ヶ月以上
150℃での硬化時間 6時間
硬化物特性
光学透明度 400nmにおける透過率:93%
熱安定性 200℃で1週間以上において変化無し
弾性率 1.20MPa
最終ストレス 0.50MPa
破断伸張度 50%
図11は、実施例13で得られたトリアルコキシシランを側鎖として含有する組成物の200℃で1週間エージングしたその前後における光学的透過率のグラフである。光学的透過率は300〜800nmの範囲で90%以上であり、250nmにおいてなお80%以上であった。これらは熱劣化が起こっていないことを示している。本材料は、LED装置用封止材として明らかに適している。
さらに架橋を強めて物理的物性が強化されたエラストマーを作るための本発明における熱(付加-縮合)硬化は、光学的に透明で且つ熱的に安定な架橋マトリックスを与えることがわかった。それため、LED封止材の用途として好適に使用され得るし、これらの封止材材料は、他の市販のシリコーン樹脂と比較した場合、著しくその性能が向上されている。
米国特許出願No.20060084282に記載されているように、low-K誘電体用途のためのシルセスキオキサン(silsesquioxane)樹脂への多官能性カルボシランの添加は、弾性率を約3−6倍増加させ、著しい改善へと導いた。本発明においても、以下の実施例に示すように、さらなる物性改良を図って多官能性カルボシランを含有させることができる。
実施例14
[トリアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化及びビス(トリエトキシシリル)エタンによる強化]
回転子を備えた丸底フラスコ中で、2gのトルエン、6gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.10g(2.8mmol)のビニルトリエトキシシラン(VTES)及び1mg(<200ppm)のPtO2触媒(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を混合した。混合物を油浴を用いて80℃で一夜反応させた。次いで、液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離して固体触媒を除去した。硬化に先立ち、70mg (2wt.%)のビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE)(ジレスト社製、SIB1817.0)を添加し、混合物を完全に均一になるまで攪拌した。その後、樹脂をテフロンシャーレに塗布し、150℃で6時間硬化させた。
BTESEを添加した組成物中における縮合性官能基は、6.0重量%、白金の存在量は3ppm以下であった。
下記の表はその組成物(formulation)の特性である:
Figure 2009203475
ポリシロキサン骨格に側鎖としてトリアルコキシシランを導入し、次いでビス(トリエトキシシリル)エタンで変性した組成物(実施例14)は、350〜800nmの範囲で90%以上の光学的透過度を与えた。硬化樹脂の熱安定性は、得られた液状樹脂を硬化させてディスク状とし、7日間200℃のオーブン中でエージングすることにより評価された。その際の重量損出は5%以下であって、収縮及び揮発性ガス放出の程度は極めて微少であることが観察された。よって熱劣化はほとんど起こっていないと言え、フェニル基があるにもかかわらず黄色化が観察されず、光学的透過率がなお90%以上であったことから良好な熱安定性及び良好な光学的透明性を有していることが確認された。また、この材料は、300nmまでの光(UV)照射下において安定であり、UV耐性も高いことが判明した。よって、これらの材料はLED用封止材として極めて適している。
図13は、本発明の実施例14で得られたトリアルコキシシラン及びビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE)にて変性された組成物の応力-張力等温曲線を示す。少量の多官能性カルボシラン(2wt.%)の添加は、破断時ストレスを、30%(0.93から1.23MPaへ)、破断時伸びを40%(57から81%へ)向上させた。さらに、弾性率を1.33から0.84MPaへと35%減少させた。
実施例15
[モノアルコキシシランによるポリジメチルシロキサン(PDMS)系骨格の官能基化及びビス(トリエトキシシリル)エタンによる強化]
回転子を備えた丸底フラスコ中で、2gのトルエン、6gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、102mg(0.28mmol)のビニルフェニルメチルメトキシシラン(VPMMS)及び1mg(<200ppm)のPtO2触媒(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を混合した。混合物を油浴を用いて80℃で一夜反応させた。次いで、液状樹脂を2000rpmで10分間遠心分離して固体触媒を除去した。3gのベース樹脂に、以下の1)〜4)のカルボシランを各々添加し、4種類の組成物を製造した。
(1)85mg(2wt.%)のビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE); (2)42mg(1wt.%)のビス(トリエトキシシリル)エチレン(BTESEt)(ジレスト社製、SIB1820.0);3)42mg(1wt.%)のビス(トリエトキシシリル)メタン(BTESM)(ジレスト社製、SIB1821.0);4)54mg(1wt.%)のビス(トリエトキシシリル)オクタン(BTESO)(ジレスト社製、SIB1824.0) 得られた樹脂を完全に均一になるまで攪拌し、次いでテフロンシャーレに塗布して150℃で6時間硬化させた。
BTESEを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、1.2重量%、BTESEtを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、0.7重量%、BTESMを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、0.7重量%、BTESOを添加した組成物の場合には縮合性官能基は、0.7重量%であった。また、いずれの場合も、白金の存在量は3ppm以下であった。
下記の表はその配合物(formulation)の特性である:
Figure 2009203475
図12は、本実施例で使用された種々のカルボシラン改質剤の分子構造を表す。
これらの改質剤は今回は、硬化前に添加した。生ずる無色透明、粘性のある、触媒なしの樹脂は150℃で6時間程度で硬化した。多官能性アルコキシシランであれば、通常どのようなものでも改質剤として使用することができる。この実施例15で示されるように、アルコキシで置換された樹脂へのカルボシラン系改質剤の添加は、光学的透明性及び熱的安定性に影響することなく、むしろ前記樹脂の硬さ、堅さ及び柔軟性を著しく向上したと言える。
図14は、本発明の実施例15で得られる、モノアルコキシシランを含有する配合物と異種のカルボシランで変性された同じ配合物の弾性特性を比較する。それぞれのカルボシランは樹脂の機械的特性に対する効果が異なる。樹脂をビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE)で強化された場合、弾性率は37%(1.02から1.40MPaへ)向上した。ビス(トリエトキシシリル)オクタン(BTESO)を添加した場合、破断時ストレスは元の数値の約2倍(0.40から0.80MPaへ)改良された。ビス(トリエトキシシリル)エチレン(BTESEt)又はビス(トリエトキシシリル)メタン(BTESM)のいずれを用いた場合も、伸び(破断時の)の倍増(40から80%)が観察された。ビス(トリエトキシシリル)オクタン(BTESO)の添加は、3倍以上の伸びの増加(40から136%)が観測されそのエラストマー性の顕著な増大が確認された。
以下の実施例16〜19では、本発明の方法によって生成した組成物(ポリオルガノシロキサン)と、従来の市販品等に使われているものと同じ均一系白金触媒を用いて製造した組成物の特性を比較する。
実施例16
回転子を備えた丸底フラスコに、2gのトルエン、8.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.1gのビニルトリエトキシシラン(VTES)及び1mg(<200ppm)の酸化白金PtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を仕込んだ。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。酸化白金触媒を2000rpmで10分間遠心分離して除去した。次いで、トルエンを減圧下にて留去して本発明のポリオルガノシロキサンA2を得た。
硬化性ポリオルガノシロキサンA2中における縮合性官能基は、8.6重量%、Pt残留量はICPスペクトル分析よれば、2ppm以下(検出限界以下)であった。
実施例17
回転子を備えた丸底フラスコに、1.0gのトルエン、3.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、0.44gのVMM−010(1部ビニル化されたポリジメトキシシロキサン、ジレスト社製)及び1mg(<200ppm)の酸化白金PtO2(平均粒径が20μm、最小粒径が約0.5μm、最大粒径が約50μm)を仕込んだ。攪拌しながら80℃で12時間反応させた。酸化白金触媒を2000rpmで10分間遠心分離して除去した。次いで、トルエンを減圧下にて留去して本発明のポリオルガノシロキサンB2を得た。
硬化性ポリオルガノシロキサンB2中における縮合性官能基は、3.3重量%、Pt残留量はICPスペクトル分析よれば、2ppm以下(検出限界以下)であった。
実施例18(比較例)
回転子を備えた丸底フラスコに、2.0gのトルエン、8.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.0gのビニルメチルジエトキシシラン(VMDES)を仕込んだ。次いで、白金ビニルシロキサン錯体(アルドリッチ社製 Platinum(0)-1,3-divinyl-1,1,3,3-tetramethyldisiloxane complex 0.1M solution in Poly(dimethylsiloxane)-vinyl terminated)を反応混合物中の白金元素の濃度が100ppmになるように添加した。攪拌しながら80℃で48時間反応させた。トルエンを減圧下にて除去して本発明のポリオルガノシロキサンCを得た。
この場合の硬化性ポリオルガノシロキサンC2中における縮合性官能基は、7.8重量%であった。反応時に白金錯体触媒は完全に溶解または微細分散して遠心分離では除去できずに仕込比のまま白金はポリオルガノシロキサンC2中に残留した。
実施例19(比較例)
回転子を備えた丸底フラスコに、2.0gのトルエン、8.0gのH-PDMS(5-7%H,65000MW)、1.1gのビニルトリエトキシシラン(VTES)を仕込んだ。次いで、白金ビニルシロキサン錯体を反応混合物中の白金元素の濃度が100ppmになるように添加した。攪拌しながら80℃で48時間反応させた。トルエンを減圧下にて除去して本発明のポリオルガノシロキサンD2を得た。
この場合の硬化性ポリオルガノシロキサンD2中における縮合性官能基は、8.6重量%であった。反応時に白金錯体触媒は完全に溶解又は微細分散し、遠心分離では除去できなかった。
LED容器に前記樹脂A2、B2、C2、及びD2をそれぞれ充填し、150℃で7時間硬化させた。用いたLED容器は、厚さ1mmの銀めっきで被覆されている直径8mmのくぼみを有する銅基材からなる。
前記容器は85℃で85%RHの雰囲気下で12時間吸湿処理(hygroscopic treatment)が施され、次いで、260℃のホットプレート上で10秒間保持された。樹脂と容器の間の剥離の有無を顕微鏡を用いて目視で確認した。その結果を図15(表3)に示した。
図15(表3)は、本発明の白金触媒を用いて製造したポリオルガノシロキサンの特性と従来の白金触媒を用いて製造したポリオルガノシロキサンの特性の比較結果を示す。白金錯体などの貴金属錯体が、ヒドロシリル化を用いて直線状ポリシロキサン上に側鎖を組み込むことができることはよく知られているが、従来の触媒系では、比較の実施例18で示されるように前記樹脂中に該貴金属が残留する欠点を有する。その結果、相当量の触媒残渣を含有する硬化生成物が加熱されるか又は紫外線照射された場合、着色してしまう可能性が非常に高い。しかしながら、本発明(実施例11〜17)によれば、貴金属酸化物触媒は遠心分離又は濾過などの簡便な方法で容易に除去することができる。従って、硬化生成物は着色することはなく、更に、縮合性シリル基側鎖は、いかなる触媒がなくとも大気圧下で単に加熱するだけで架橋し、そして硬化させることができる。そのため、そのような樹脂は、透明性、高い熱安定性、及び/又は高いUV若しくはX線耐性を必要とする材料用として優れている。
実施例17における樹脂B2は、260℃で加熱されると着色する。これは以下の現象によるものと思われる。樹脂B2の原料物質中で用いられるVMM−010(1部がビニル化されたポリジメトキシシロキサン、ジレスト社製)はその分子中に多くのビニル基を有している。実際に、立体障害等に起因してヒドロシリル化に寄与できずに樹脂B2中に残留したそれらの未反応ビニル基の分解によって、樹脂B2は加熱されると変色する。
以下の実施例20−22は、本発明のポリオルガノシロキサンを含有する蛍光物質ペースト組成物を用いて製造されたLEDの特性を示す。
実施例20
0.6重量部のビス(トリエトキシシリル)エタン(BTESE)、8重量部のシリカ微粒子(RX200 日本エアロジル社製)、16.8重量部の青色蛍光物質Ba0.7Eu0.3MgAl1017(粒子径16μm、以下“BSS”と称する)及び1.1重量部の赤色蛍光物質Sr0.8Ca0.2AlSiN:Eu(粒子径12μm、以下“SCASN”と称する)を100重量部の実施例16得られた樹脂A2と混合し、得られた混合物を攪拌装置(AR−100 シンキー社製)で3分間練り混ぜ、本発明の硬化性組成物E2を得た。
実施例21
8重量部のシリカ微粒子(RX200 日本エアロジル社製)、16.8重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の実施例17得られる樹脂B2と混合し、得られた混合物を攪拌装置(AR−100 シンキー社製)で3分間練り混ぜ、本発明の硬化性組成物F2を得た。
実施例22
6重量部のシリカ微粒子(RX200 日本エアロジル社製)、16.5重量部の青色蛍光物質BAM、1.5重量部の緑色蛍光物質BSS及び1.1重量部の赤色蛍光物質SCASNを100重量部の商業的に入手可能な付加型シリコーン樹脂(KER2500、信越化学社製)と混合し、得られた混合物を攪拌装置(AR−100、シンキー社製)で3分間練り混ぜ、従来の硬化触媒を含有する樹脂をその組成物の一部として使用した硬化性組成物G2を得た。
製造された上記硬化性組成物E2、F2及びG2を用いて、近紫外線励起の白色LEDを製造した。
403nmの放出波長を持つ発光ダイオード(C405XB900、クリー(Cree)社製)を実施例19に示された容器の底部中央に配線接合し、そこに、ペーストE2、F2及びG2のそれぞれを充填した。E2及びF2は150℃、7時間で硬化させ、G2は100℃、1時間で硬化後、更に150℃、5時間で硬化させた。
全光束量を測定するために、上記で得られた白色LEDに25℃で350mAの電流を流し、次いで加速劣化試験のために、該白色LEDに85℃及び85%RHの大気中で500時間、350mAの電流を流した。その後、加速劣化試験後の全光束量を測定するために、再度該白色LEDに25℃で350mAの電流を流し、光束の維持率を算出した。得られた結果を図15(表4)に示す。
図15(表4)から明らかなとおり、本発明の硬化性組成物を用いた場合には、従来の硬化触媒を用いた実施例12のLEDと比較して、光束の減少がより少なく、かつ高い信頼性を有する白色LEDを得ることができる。
上記において、本発明の用途について、本発明の特定の態様を用いて説明した。本発明の半導体発光装置特にはLED(それらの製造方法を含む。)、及び工業的用途についてのさらなる説明は、2006年8月31日付けで登録された欧州特許番号WO2006090804、及びEP1854831(A1)号として公開された中に詳細に記載されており、その全部が本明細書中に取り入れられる。
本発明による、ヒドロシリル化触媒の存在なしで熱により硬化可能なシリコーン樹脂は、優れた接着性、透明性、湿熱耐性及び紫外線耐性を有し、従って、例えばLEDの封止樹脂、蛍光体ペースト及び航空宇宙材料などの種々の用途において有用である。
本発明のポリオルガノシロキサンは、LED分野のみならず、光透過性(無色透明度)、耐光性、耐熱性、湿熱耐性及び紫外線耐性などの種々の特性が要求される航空宇宙産業材料等として好適に使用される。
本発明のポリオルガノシロキサンは、それ単独で使用してよく、また、他の材料との組成物として使用してもよい。例えば、本発明のポリオルガノシロキサンは、炭素をベースとするナノ材料と組み合せて組成物を形成し、そしてこの組成物は、航空宇宙産業用材料、静電気除去用材料、導電性接着剤、ガスケット材料、閃光防御材料、電磁遮蔽材料、タンク用材料、ロケットの外部材料などとして用いることができる。

Claims (25)

  1. 縮合性官能基の合計含有量が300ppm以下であるポリオルガノシロキサンを含有する組成物であって、
    ヒドロシリル化触媒の含有量(金属元素換算)が3ppm以下であり、且つ、
    ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  2. Si−C−C−Siを架橋基の一部として有し、
    ヒドロシリル化触媒の含有量(金属元素換算)が3ppm以下であり、且つ、
    ヒドロシリル化触媒及び縮合触媒の実質的非存在下で、150℃において48時間以内に硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  3. 下式で表される化合物を50重量%以上含有し、かつ、実質的にヒドロシリル化触媒の存在なしで、硬化しうることを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
    Figure 2009203475
    (式中、R1〜R10は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表し、m及びnは、それぞれ0以上の整数である。)
  4. 80℃以上で、全加熱時間1時間以上加熱することにより硬化しうる請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  5. 下記の一般式(A)で表されるビニル基含有化合物(A)及び一般式(B)で表されるヒドロシリル基含有化合物(B)を反応させることにより得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
    Figure 2009203475
    (式中、R11は、アルキル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基である。)
    Figure 2009203475
    (式中、R12〜R20は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表し、そしてm及びnは、それぞれ0以上の整数である。)
  6. 貴金属酸化物を触媒として用いて得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  7. ビニル含有化合物(A)及び/又はヒドロシリル含有化合物(B)が、ポリスチレンを標準物質として検量線を取ったゲルパーミュエーションクロマトグラフィーを用いた測定により得られた重量平均分子量として3000以上であることを特徴とする、請求項5に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  8. 少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物と、 少なくとも1つのヒドロシリル基を有するシラン化合物とを、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、
    反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
    但し、上記の二種のシラン化合物の少なくとも一方にはシロキサン部位がその構成要素として含有される。
  9. 少なくとも1つのビニル基、少なくとも1つのヒドロシリル基、及び少なくとも1つのシロキサン基を有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒(付加反応触媒)の存在下にて反応させ、
    反応物の硬化前にその硬化性ポリオルガノシロキサンから該触媒を取り除くことを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  10. ビニル基又はヒドロシリル基の少なくとも1つ及び縮合性基1つを有するシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下にシロキサン骨格と反応させ、かつ、上記触媒を反応物の硬化前に硬化性ポリオルガノシロキサンから除去することを特徴とする触媒の実質的非存在下で硬化しうる硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  11. 貴金属酸化物を触媒として使用する下記の式を有する硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
    Figure 2009203475
    (但し、式中、R1〜R10は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルケニル、アリール、縮合性シリル基及び非縮合性シリル基から選ばれる基を表す。但し、R1〜R10の少なくとも1つは縮合性シリル基であり、そしてm及びnは、それぞれ0以上の整数である。)
  12. ヒドロシリル化触媒が貴金属酸化物である請求項8〜10のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  13. 更に、前記貴金属酸化物を除去する工程を含む請求項11又は12に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  14. 前記貴金属酸化物が粒子径0.01μm〜1mmを有する請求項11〜13のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  15. 前記貴金属酸化物がヒドロシリル化触媒である請求項11、13及び14のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  16. 前記貴金属酸化物を除去する工程が濾過及び/又は遠心分離である請求項12〜15のいずれかに記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  17. ヒドロシリル化触媒が固定床触媒として用いられる請求項8〜15のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  18. シランが3000以上の重量平均分子量を有し、及び/又はシロキサン骨格を提供する化合物が3000以上の重量平均分子量を有する請求項8〜17のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
    但し、上記シラン及びシロキサン骨格化合物の重量平均分子量は、ポリスチレンを検量線測定のための標準物質として用いるゲルパミエーションクロマトグラフィーにより決定される。
  19. 請求項8〜18のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサンの製造方法であって、さらにその後そのポリオルガノシロキサンを硬化させることを特徴とする製造方法。
  20. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を含有する硬化性組成物。
  21. 実質的に貴金属成分を含まない、請求項20に記載の硬化性組成物。
  22. 請求項21に記載の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化したシリコーン部材。
  23. 請求項22に記載のシリコーン部材を有する半導体発光装置の封止用組成物。
  24. 請求項22に記載のシリコーン部材を有する半導体発光装置。
  25. 請求項22に記載のシリコーン部材を有する航空宇宙産業用部材。
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