JP2000319397A - 硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂の製造方法

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JP2000319397A
JP2000319397A JP11130567A JP13056799A JP2000319397A JP 2000319397 A JP2000319397 A JP 2000319397A JP 11130567 A JP11130567 A JP 11130567A JP 13056799 A JP13056799 A JP 13056799A JP 2000319397 A JP2000319397 A JP 2000319397A
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acrylate
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JP11130567A
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Akira Washimi
章 鷲見
Masao Takei
正雄 武井
Kaoru Kimura
馨 木村
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性が良好であり、その硬化物は透明
性、光沢性、剥離性、表面潤滑性及び撥水・撥油性に優
れたものとなる、シリコーン鎖を有する硬化性樹脂の製
造方法を提供する。 【解決手段】 Si−H基を有するシリコーン化合物と
二重結合を2個以上有する化合物を第8族金属化合物を
触媒として反応させた後、残存する触媒の一部又は全部
を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン鎖を有
する硬化性樹脂の製造方法に関するものである。本発明
の製造方法により得られた硬化性樹脂は保存安定性が良
好であり、その硬化物は透明性、光沢性、剥離性、表面
潤滑性及び撥水・撥油性に優れ、離型紙用樹脂、コーテ
ィング材及びプリント配線基板の腐食防止材等に有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリロイル基を有するオルガ
ノポリシロキサンからなる硬化性樹脂は、重合反応性及
びUV硬化性に優れているため離型紙用樹脂、コーティ
ング材及びプリント配線基板の腐食防止材等に使用され
ている。このような硬化性樹脂の製造方法としては、白
金触媒の存在下において、Si−H(ヒドロシリル)基
を有するオルガノポリシロキサンと複数の(メタ)アク
リロイル基を有する化合物をヒドロシリル化反応させる
方法が知られている(特開平10−158404号公
報)。しかしながら上記公報に記載の製造方法で合成さ
れた硬化性樹脂は、条件によっては保存中に粘度上昇又
はゲル化することがあるため、保存安定性が不充分とな
る場合があり用途によっては使用が制限されるものであ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、保存
安定性が良好であり、その硬化物は透明性、光沢性、剥
離性、表面潤滑性及び撥水・撥油性に優れたものとな
る、シリコーン鎖を有する硬化性樹脂の製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Si−H
基を有するシリコーン化合物と二重結合を2個以上有す
る化合物を第8族金属化合物を触媒として反応させて得
られた硬化性樹脂中に残存する触媒の一部又は全部を除
去することにより、上記課題が解決されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書においては、アクリレ−ト及び/又はメ
タクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリロイル
基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル
基と、アリル及び/又はメタリルを(メタ)アリルとい
う。本発明の製造方法におけるSi−H基を有するシリ
コーン化合物(以下、単にシリコーン化合物という。)
は、Si−H基をシリコーン鎖の途中や末端に有するも
のであるが、末端に有するものは後述する二重結合を2
個以上有する化合物(以下、単に不飽和化合物とい
う。)との反応性が良好であるため好ましいものであ
る。Si−H基をシリコーン鎖の両末端に有するシリコ
ーン化合物は、得られる硬化物の性能が特に良好なもの
となるためさらに好ましいものである。シリコーン鎖の
両末端にSi−H基有する本発明に好ましいシリコーン
化合物の例を下記式1に示す。
【0006】
【化1】
【0007】式1におけるR1 及びR4 はそれぞれアル
コキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアル
キル基又はアリール基であり、R2 及びR3 はそれぞれ
アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、
nは0〜100の正数である。 上記式1のR1及びR4
におけるアルコキシ基の例としてはメトキシ基、エトキ
シ基、n−及びi−プロポキシ基、n−、i−及びt−
ブトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基の例として
はフェノキシ基等が挙げられる。また、アルキル基の例
としてはメチル基、エチル基、n−及びi−プロピル
基、n−、i−及びt−ブチル基等が、シクロアルキル
基の例としてはシクロヘキシル基等が、アリール基の例
としてはフェニル基等が挙げられる。R1とR4は同じ基
であってもよいし異なる基であってもよい。また式1に
示す構造式で表されるシリコーン化合物は一分子中に二
つのR1及びR4を有するが、これらはそれぞれ同じ基で
あってもよいし異なる基であってもよい。上記式1のR
2及びR3におけるアルキル基、シクロアルキル基及びア
リール基は、上記R1及びR4の説明においてそれぞれ例
示したものと同様のものである。R2とR3は同じ基であ
ってもよいし異なる基であってもよい。また一分子中に
含まれるn個のR2は全て同じ基であっても二種以上の
異なる基であってもよく、R3についても同様である。
【0008】上記式1で表されるシリコーン化合物は、
1又はR4がアルコキシ基又はアリールオキシ基である
場合は、上記シリコーン化合物から製造される硬化性樹
脂が後述する(メタ)アクリレート化合物との相溶性が
良好なものとなりやすいために好ましいものである。R
1及びR4がいずれもアルコキシ基又はアリールオキシ基
であるシリコーン化合物は、硬化性樹脂との相溶性が特
に良好なものとなるためさらに好ましいものである。ま
た一分子中に存在する二つのR1及び二つのR4がそれぞ
れ同じ基であるシリコーン化合物は合成しやすいため好
ましく、R1とR4がすべて同じ基であるシリコーン化合
物は同じ理由でより好ましい。なお、R1及びR4がエト
キシ基であるシリコーン化合物は毒性が低いため特に好
ましいものである。
【0009】R2及びR3がメチル基又はエチル基である
シリコーン化合物は、安価な原料から製造可能であると
ともに、後述する硬化物が剥離性、表面潤滑性及び撥水
・撥油性が特に良好であるため好ましく、R2及びR3
全てメチル基であるシリコーン化合物は同じ理由でより
好ましいものである。
【0010】上記式1におけるnは0〜100の整数で
ある。nが100を超えると、シリコーン化合物が後述
する不飽和化合物との相溶性が不充分なために、反応が
円滑に進行しなかったり、得られる硬化性樹脂が後述す
る(メタ)アクリレート化合物との相溶性が低いものと
なったりする。nが50以下のシリコーン化合物は上記
の相溶性が良好なため好ましく、30以下のシリコーン
化合物はより好ましいものである。また、nは1以上で
あることが得られる硬化物が剥離性、表面潤滑性及び撥
水・撥油性が特に良好であるため好ましく、3以上のシ
リコーン化合物はより好ましいものである。
【0011】本発明の製造方法における不飽和化合物
は、該化合物の二重結合を介してシリコーン化合物のS
i−H基と付加反応するものであり、その化合物の例と
しては(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(メ
タ)アリル基を有する化合物及びその他のビニル基等の
重合性二重結合を有する置換基を2個以上有する化合物
が挙げられる。これらの化合物が有する2個以上の置換
基は全部が異なるものであってもよいし、全部又は一部
が同じものであってもよい。
【0012】(メタ)アクリロイル基を2個以上有する
多官能(メタ)アクリレート化合物は、得られる硬化性
樹脂が硬化性の良好なものとなるため、不飽和化合物と
して好ましいものである。多官能(メタ)アクリレート
化合物としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペン
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールエ
チレンオキシド(以下、エチレンオキシドをEOとい
う。)変性ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールプロピレンオキシド(以下、プロピレンオキシド
をPOという。)変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールAのEO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールAのPO変性ジ(メタ)アクリレート、水添ビ
スフェノールAのEO変性ジ(メタ)アクリレート、水
添ビスフェノールAのPO変性ジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンEO変性ジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンPO変性ジ(メタ)アクリ
レート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリ
ンEO変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンPO変
性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO
変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンPO変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート、グリセリンEO変性トリ(メ
タ)アクリレート、グリセリンPO変性トリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールEO変性テトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールPO変性テト
ラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールEO変性
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールPO
変性トリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパン
アリルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。これらの他にも、(メタ)アクリロイル基を2個以
上有する化合物であれば特に限定されることなく用いる
ことができるが、分子中に水酸基を有しないものが好ま
しい。これらの中でも、トリメチロールプロパンPO変
性トリアクリレート及びトリメチロールプロパンアリル
エーテルジアクリレートが好適に用いられる。これらの
多官能(メタ)アクリレート化合物は、式1に示すシリ
コーン化合物及び得られる硬化性樹脂との相溶性が特に
良好なためである。
【0013】本発明においてシリコーン化合物と不飽和
化合物はモル比1:1〜5の範囲で反応させることが好
ましく、モル比1:1.5〜4.5の範囲で反応させる
ことがより好ましい。その理由は、不飽和化合物の量が
少なすぎるとゲル化し易くなり、多すぎると反応後の硬
化性樹脂組成物が層分離しやすいためである。
【0014】本発明における第8族金属化合物は、Si
−H基を有するシリコーン化合物と不飽和化合物が付加
する反応の触媒となるものである。第8族金属化合物の
例としては、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、イリジウム及び白金等の第8族金属の
単体、有機金属錯体、金属塩及び金属酸化物等が挙げら
れる。これらの中で、触媒活性の高さや取り扱いの容易
さ等の理由から、白金の金属単体、有機金属錯体、金属
塩及び金属酸化物が好ましく、有機白金錯体を用いるこ
とが特に好ましい。この触媒は、シリコーン化合物と不
飽和化合物の合計量に対して15重量ppm以上用いる
ことが好ましい。触媒の使用量が15重量ppm未満で
あると反応が完結せず、硬化性樹脂が硬化性の不充分な
ものとなる場合があり好ましくない。
【0015】Si−H基を有するシリコーン化合物と不
飽和化合物が付加する反応は公知であるが、その反応条
件を例示すると好ましい反応温度は20〜80℃であ
り、好適な反応時間は2〜30時間である。
【0016】本発明の製造方法における、残存する触媒
の一部又は全部を除去する工程は、硬化性樹脂を保存安
定性の良好なものとするために重要なものである。触媒
を除去する方法の例としては、吸着処理及び洗浄処理な
どが挙げられる。
【0017】吸着処理とは活性炭、酸化アルミニウムな
どの吸着剤により触媒を除去する方法であり、例えば、
硬化性樹脂又は後述する硬化性樹脂からなる硬化性樹脂
組成物をそのまま、又はそれらをテトラヒドロフラン、
トルエンなどの可溶性溶媒に溶解した溶液を、粉末状又
は顆粒状などの吸着剤を充填したカラムに流し込んだ
り、粉末状又は顆粒状などの吸着剤存在下で撹拌した
後、吸着剤を除去する方法がある。
【0018】洗浄処理とは水、有機溶剤などを使用して
洗浄することにより触媒を除去する方法であり、例え
ば、硬化性樹脂又は後述する硬化性樹脂からなる硬化性
樹脂組成物をそのまま、又はそれらをトルエンなどの可
溶性溶媒に溶解した溶液を水などで洗浄する方法があ
る。
【0019】上記の触媒の除去は、第8族金属の含有率
が40重量ppm以下となるように行われたものである
場合は、硬化性樹脂の保存安定性が特に良好なものとな
るため好ましい。
【0020】本発明の製造方法で得られた硬化性樹脂、
特に両末端にそれぞれ1個以上の二重結合を有する硬化
性樹脂は、熱、紫外線及び電子線等により容易に硬化さ
せることができる。またこの硬化性樹脂はシリコーン構
造を有するので、剥離性、表面潤滑性及び撥水・撥油性
等が優れた硬化物を与えるものである。
【0021】上記硬化性樹脂は、目的に応じて該硬化性
樹脂以外の二重結合を有する化合物を混合した硬化性樹
脂組成物として硬化に供することもできる。該硬化性樹
脂以外の二重結合を有する化合物としては(メタ)アク
リロイル基を有する化合物が好ましく、その例として
は、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、フェノ
ールPO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノール
EO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO
変性(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビ
トール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、1,9−ノナンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールEO変性モノ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールPO変性モノ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性モノ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAPO変性モノ
(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA EO変
性モノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA
PO変性モノ(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)
アクリレート、及び不飽和化合物として例示した前記多
官能(メタ)アクリレート化合物などを挙げることがで
きる。これらのうち、一種のみを用いてもよいし、二種
以上を併用してもよい。
【0022】本発明により製造される硬化性樹脂又は該
硬化性樹脂からなる硬化性樹脂組成物の硬化方法は特に
限定されず、熱硬化、紫外線硬化及び電子線硬化など通
常行われている公知の手段を適用することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をよ
り具体的に説明する。本明細書において分子量はゲルパ
ーミエーションクロマトグラフにより測定したポリスチ
レン換算の数平均分子量を意味する。なお、本発明は下
記実施例により限定されるものではない。
【0024】(合成例)本合成例は硬化性樹脂の原料で
あるシリコーン化合物を製造する例である。攪拌機、温
度計及び冷却器を備えた1000ml容四つ口フラスコ
に、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(信
越化学工業株式会社製、数平均分子量1,840)78
6.40g(0.40mol)を仕込み、真空脱気した
後に系内を窒素置換した。内容物を60℃に加温しなが
ら、トリエトキシシラン(東亞合成株式会社製、商品名
「トリエス」)203.37g(1.24mol)を加
え、系内を60℃に保ちながら攪拌して反応を進行させ
た。ガスクロマトグラフィーにより反応の進行を追跡し
た。6時間後、原料のトリエトキシシランと副生したエ
タノールとの組成比が変化しなくなったことを確認して
反応を終了した。得られた反応液から、過剰のトリエト
キシシラン及び副生したエタノールを減圧下で除去し
た。更に、加熱真空雰囲気下(60〜70℃、1〜2m
mHg)において揮発性不純物を除去して、無色透明の
粘稠液体を得た。得られた物質は、そのIRチャートの
2,200cm-1付近に、末端ケイ素に結合した水素原
子の存在を示すピークを有するものであった。またこの
物質は、NMRチャートにおける、3.8ppmのピー
ク(末端ケイ素に結合したエトキシ基の酸素に隣接する
炭素原子に結合した水素原子(Si−OCH2 −)に由
来する)と、4.7ppmのピーク(末端ケイ素に結合
した水素原子(Si−H)に由来する)のピーク面積の
比から、末端ケイ素に結合したエトキシ基の数と水素原
子の数の比が2:1であることが判った。上記の検討に
より、本合成例で得られたシリコーン化合物は、上記式
1におけるR1及びR4のいずれもがエトキシ基であり、
2及びR3のいずれもがメチル基であり、nが約25で
あり、両末端にSi−H基を有するものであることがわ
かった。
【0025】(実施例1)合成例で得たシリコーン化合
物とトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート
を反応させて硬化性樹脂を製造した。攪拌機、温度計及
び冷却器を備えた300mlの反応器に、合成例で得た
シリコーン化合物104g(50mmol)、PO付加
モル数1のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリ
レート(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM
−310」)38g(80mmol)、重合禁止剤であ
るN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩(和光純
薬株式会社製、Q−1301)0.151gを仕込み、
真空脱気した後に系内を窒素置換した。系内を65〜7
0℃に昇温した後、塩化白金酸16.4mg(0.04
mmol。シリコーン化合物とトリメチロールプロパン
PO変性トリアクリレートとの全重量に対して115重
量ppmに相当)を添加し、系内を70℃に保ちながら
攪拌して24時間反応させ、黄色透明の反応液(以下、
単に反応液という。)を得た。反応液は、主成分である
硬化性樹脂(シリコーン化合物とトリメチロールプロパ
ンPO変性トリアクリレートの反応物)と、未反応のト
リメチロールプロパンPO変性トリアクリレートを、そ
れぞれ91:9の重量比で含有するものであった。反応
液中の白金の濃度は48.5重量ppm(ICP発光分
析法にて定量)であった。反応液をトルエン500ml
に溶解し、粉末状の活性炭を25.5g加え、室温下で
24時間撹拌した。その後、トルエン溶液をセライトで
処理し、活性炭を除去してから、無水硫酸ナトリウムを
添加して乾燥させた。乾燥剤を濾別した後トルエンを留
去し、硬化性樹脂を主成分とする黄色透明の液体を得
た。該液体中の白金の含有率は10.0重量ppmであ
った。硬化性樹脂を主成分とする上記液体は、室温で1
ヶ月放置後も層分離、粘度上昇又はゲル化など起こさ
ず、外観に変化がないものであった。また、常法によ
り、良好に硬化できるものであった。
【0026】(実施例2)実施例1と同条件で得られた
反応液55gをトルエン500mlに溶解し、分液ロー
トを用い、水500mlにて洗浄した。その後、トルエ
ン溶液に無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させた。乾
燥剤を濾別した後、トルエンを留去し、硬化性樹脂を主
成分とする黄色透明の液体を得た。該液体中の白金の含
有率は35.0重量ppmであった。硬化性樹脂を主成
分とする上記液体は、室温で1ヶ月放置後も層分離、粘
度上昇又はゲル化など起こさず、外観に変化がないもの
であった。また、常法により、良好に硬化できるもので
あった。
【0027】(比較例1)実施例1と同条件で反応液を
得た。該反応液をそのまま室温にて放置したところ、2
4時間後にはゲル化した。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる硬化性
樹脂は保存安定性がよく、熱、紫外線及び電子線等によ
り硬化させることができるとともに、その硬化物は剥離
性、表面潤滑性及び撥水・撥油性等の特性に優れるた
め、離型紙用樹脂、コーティング剤及びプリント配線基
板の腐食防止剤等として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J035 BA02 CA021 CA062 EB03 EB08 FB05 LA02 LB01 LB06 LB07 LB10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si−H基を有するシリコーン化合物と
    二重結合を2個以上有する化合物を第8族金属化合物を
    触媒として反応させて得られた硬化性樹脂中に残存する
    触媒の一部又は全部を除去することを特徴とする硬化性
    樹脂の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203475A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Mitsubishi Chemicals Corp 封止樹脂及びその製造方法

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JP2009203475A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Mitsubishi Chemicals Corp 封止樹脂及びその製造方法

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