JP2009203450A - 接着剤組成物、および接着フィルム - Google Patents

接着剤組成物、および接着フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下、特に200℃〜250℃において高い接着強度を有する接着剤層を形成することが可能な接着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る接着剤組成物は、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、マレイミド基を有するモノマーとを含む単量体組成物を共重合してなるポリマーを主成分とする。これにより、高温での接着強度が維持された接着剤層を形成することができる接着剤組成物を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は接着剤組成物、および接着フィルムに関するものである。さらに詳しくは、半導体ウェハーなどの半導体製品や光学系製品などに対する研削などの加工をする工程において、当該半導体製品にシートや保護基板を一時的に固定するための、接着剤組成物、および接着フィルムに関するものである。
近年、携帯電話、デジタルAV機器およびICカードなどの高機能化にともない、搭載される半導体シリコンチップ(以下、チップ)の小型化、薄型化および高集積化への要求が高まっている。また、CSP(chip size package) およびMCP(multi-chip package)に代表されるような複数のチップをワンパッケージ化する集積回路についても、その薄型化が求められている。その中において、一つの半導体パッケージの中に複数の半導体チップを搭載するシステム・イン・パッケージ(SiP)は、搭載されるチップを小型化、薄型化および高集積化し、電子機器の高性能化、小型化かつ軽量化を実現する上で非常に重要な技術となっている。
薄型商品へのニーズに応えるためには、チップを150μm以下にまで薄くする必要がある。さらに、CSPおよびMCPにおいては100μm以下、ICカードにおいては50μm以下にチップを薄化加工する必要がある。
従来、SiP製品には、積層したチップごとのバンプ(電極)と回路基板とを、ワイヤ・ボンディング技術により配線する手法が用いられている。また、このような薄型化や高集積化への要求に応えるためには、ワイヤ・ボンディング技術ではなく、貫通電極を形成したチップを積層し、チップの裏面にバンプを形成する貫通電極技術も必要となる。
薄型のチップは、例えば、高純度シリコン単結晶などをスライスしてウェハーとした後、ウェハー表面にICなどの所定の回路パターンをエッチング形成して集積回路を組み込み、得られた半導体ウェハーの裏面を研削機により研削して、所定の厚さに研削後の半導体ウェハーをダイシングしてチップ化することにより製造されている。このとき、上記所定の厚さは、100〜600μm程度である。さらに、貫通電極を形成する場合には、厚さ50〜100μm程度にまで研削している。
半導体チップの製造では、半導体ウェハー自体が肉薄で脆く、また回路パターンには凹凸があるので、研削工程やダイシング工程への搬送時に外力が加わると破損しやすい。また、研削工程においては、生じた研磨屑を除去したり、研磨時に発生した熱を除去するために精製水を用いて半導体ウェハー裏面を洗浄したりしながら研削処理している。このとき、洗浄に用いる精製水によって回路パターン面が汚染されることを防ぐ必要がある。
そこで、半導体ウェハーの回路パターン面を保護するとともに、半導体ウェハーの破損を防止するために、回路パターン面に加工用粘着フィルムを貼着した上で、研削作業が行われている。
また、ダイシング時には、半導体ウェハー裏面側に保護シートを貼り付けて、半導体ウェハーを接着固定した状態でダイシングし、得られたチップをフィルム基材側からニードルで突き上げてピックアップし、ダイパッド上に固定させている。
このような加工用粘着フィルムや保護シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの基材フィルムに接着剤組成物から形成した接着剤層が設けられたものが知られている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
また、加工用粘着フィルムや保護シートの代わりに、窒化アルミニウム−窒化硼素気孔焼結体にラダー型シリコーンオリゴマーを含浸させた保護基板を用い、この保護基板と半導体ウェハーとを熱可塑性フィルムを用いて接着する構成も開示されている(特許文献4)。
また、半導体素子の多層配線化に伴って、回路が形成された半導体ウェハーの表面に接着剤組成物を用いて保護基板を接着し、半導体ウェハーの裏面を研磨し、その後、研磨面をエッチングして鏡面にし、この鏡面に裏面側回路を形成するプロセスが実施されている。この場合、裏面側回路が形成されるまでは、保護基板は接着したままになっている(特許文献5)。
特開2003−173993号公報(平成15年6月20日公開) 特開2001−279208号公報(平成13年10月10日公開) 特開2003−292931号公報(平成15年10月15日公開) 特開2002−203821号公報(平成14年7月19日公開) 特開昭61−158145号公報(昭和61年7月17日公開)
しかし、従来の上記加工用粘着フィルムなどは、貫通電極の形成のように、高温プロセスおよび高真空プロセスを必要とする工程に用いるには、高温環境下における接着強度の不足や、高真空環境下におけるガスの発生などによる接着不良の問題や、上記高温プロセス後における剥離時に、残渣物が残存するなどの剥離不良という問題点を有している。
例えば、貫通電極の形成では、半導体チップにバンプを形成した後、半導体チップ間を接続するとき、200℃程度まで加熱して、さらに高真空状態にするプロセスを要する。しかし、特許文献1および特許文献2に記載の保護テープの接着剤層を構成する接着剤組成物は、200℃もの高温に対する耐性が無い。また、加熱により上記接着剤層にガスが発生するため接着不良となる。
また、薄型の半導体ウェハーは、研削やダイシングの後、上記保護基板から剥離することが必要となる。しかし、特許文献3に開示される保護テープの接着剤層を構成する接着剤組成物は、エポキシ樹脂組成物であり、200℃もの高温ではエポキシ樹脂が変質して硬化するため、剥離時に残渣物が残り、剥離不良が生じるという問題点を有する。
さらに、特許文献4に記載の保護基板と半導体ウェハーとの接着に用いられる熱可塑性フィルムでは、吸湿した水分に由来するガスを生じるため、接着不良の問題が生じる。特許文献5に記載の半導体基板の加工方法では、エッチング液による鏡面化プロセスや真空蒸着による金属膜形成が行われるため、保護基板と半導体ウェハーとを接着するための接着剤組成物には、耐熱性、剥離性が要求される。しかし、特許文献5には、接着剤組成物の組成について全く開示がなされていない。
また、本発明者らの調査では、半導体ウェハーやチップの加工において、アクリル系樹脂材料を用いた接着剤が、クラック耐性が良好であることから、好ましいとされている。しかし、このようなアクリル系樹脂材料を用いた接着剤においても、以下のような問題点を有することが判明した。
(1)接着剤層と保護基板とを熱圧着したとき、接着剤層が吸湿した水分がガスとなって接着界面に泡状の剥がれを生じるため、高温環境下における接着強度が低い。また、このようなガスの発生は、高温環境下における接着強度を低下させるのみならず、真空条件による加工プロセスなどを行なう場合において、真空環境の作製または保持に支障を来たす。
(2)半導体ウェハーがアルカリ性スラリーやアルカリ性現像液などのアルカリ性の液体に触れる工程を有する場合、アルカリ性の液体によって接着剤組成物の接触面が剥離、溶解、分散などにより劣化してしまう。
(3)約200℃に加熱した場合、耐熱性が低いため接着剤組成物が変質し、剥離の工程を経る前に接着剤の剥離が生じたり、剥離液に不溶な物質が形成され剥離不良を生じたりするなどの問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温環境下(特に200℃〜250℃)において高い接着強度、高い耐熱性、および耐アルカリ性を有し、さらに、高温および/または高真空環境下における加工プロセスなど(以下、単に「高温プロセス」と表記する)を経た後でも、半導体ウェハーおよびチップなどからの剥離が容易な接着剤を形成することができる接着剤組成物を提供することにある。
本発明に係る接着剤組成物は、上記の問題を解決するために、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体組成物を共重合してなるポリマーを主成分とする接着剤組成物であって、上記単量体組成物が、マレイミド基を有するモノマーをさらに含むことを特徴とする。
本発明に係る接着剤組成物は、以上のように、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとマレイミド基を有するモノマーとを含む単量体組成物を共重合してなるポリマーを主成分とする。そのため、得られる接着剤組成物が、マレイミド基を有するモノマーに由来するイミド環をポリマーの主鎖に有することになる。それにより、得られる接着剤組成物の高温での耐熱性、高温環境下での接着性、耐アルカリ性が向上する。
そのため、耐熱性、高温環境下(特に200℃〜250℃)における接着強度、および耐アルカリ性が高く、250℃で1時間加熱する加熱工程などの高温プロセス後においても、容易に剥離することができる接着剤組成物を提供することができるという効果を奏する。
〔接着剤組成物〕
本発明に係る接着剤組成物の一実施形態について以下に説明する。
本発明に係る接着剤組成物は、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体組成物を共重合してなるポリマーを主成分とする接着剤組成物であって、単量体組成物が、マレイミド基を有するモノマー(以下、マレイミド基含有モノマーという)をさらに含む接着剤組成物である。
本発明の接着剤組成物は、接着剤としての用途に用いるのであれば、その具体的な用途は特に限定されるものではない。本実施の形態では、本発明の接着剤組成物をウエハサポートシステムのために半導体ウェハーをサポートプレートに一時的に接着する用途に用いた場合を例に挙げて説明する。
ここで、本明細書において「主成分」とは、本発明の接着剤組成物に含まれる他の何れの成分よりも、その含量が多いことをいう。よって、主成分の含有量は、接着剤組成物中に含まれる成分のうち、最も多い量である限り、限定されるものではないが、好ましくは、接着剤組成物の総量を100質量部としたとき、主成分の含有量は50質量部以上、100質量部以下が好ましく、さらに好ましくは70質量部以上、100質量部以下である。50質量部以上であれば、本発明の接着剤組成物が備える高い耐熱性、高温環境下(特に200℃〜250℃)における高い接着強度、および耐アルカリ性、250℃で1時間加熱する加熱工程などの高温プロセス後の剥離の容易性に係る効果が良好に発揮される。
なお、本明細書などにおける「サポートプレート」とは、半導体ウェハーを研削するときに、半導体ウェハーに貼り合せることによって、研削により薄化した半導体ウェハーにクラックおよび反りが生じないように保護するために用いられる基板のことである。
(マレイミド基含有モノマー)
本発明に係る接着剤組成物は、単量体組成物に、さらにマレイミド基含有モノマーを含む。マレイミド基含有モノマーを含むことにより得られる接着剤組成物は、主成分であるポリマーの主鎖にイミド環(イミド基を含む複素環)を有することになる。それにより、耐熱性、高温環境下(特に200℃〜250℃)における接着強度が向上する。また、250℃で1時間加熱する加熱工程などの高温プロセス後においても、容易に剥離することができる。
マレイミド基含有モノマーは、マレイミド基を有しており、他の単量体成分と共重合可能である限り、限定されるものではないが、下記一般式(1)
Figure 2009203450
(R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜20の有機基を表し、該有機基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、およびハロゲン原子を含んでもよい)
で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(1)においてRまたはRで表される有機基は、水素原子、メチル基、エチル基であることが好ましく、中でも水素原子であることがより好ましい。
上記一般式(1)においてRで表される有機基としては、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、脂肪族環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基、および、マレイミド基を有する有機基が好ましく、中でも、アルキル基、脂肪族環式炭化水素基、アリール基がより好ましい。
ここで、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物などを意味するものと定義する。例えば「脂肪族環式炭化水素基」とは、芳香族性を持たない単環式炭化水素基または多環式炭化水素基であることを示す。
で表されるアルキル基、脂肪族環式炭化水素基、アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、および炭素数3〜6の脂肪族環式炭化水素基などが挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基、脂肪族環式炭化水素基、またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
で表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ラウリル基およびステアリル基などが挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
で表される有機基がアルキル基であるマレイミド基含有モノマーとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドなどが挙げられ、中でも、工業的供給安定性、耐熱性の点から、N−メチルマレイミドが好ましい。
で表される脂肪族環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基などが挙げられ、中でもシクロヘキシル基が好ましい。
で表される有機基が脂肪族環式炭化水素基であるマレイミド基含有モノマーとしては、例えば、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミドなどが挙げられ、中でも、工業的供給安定性、耐熱性の点から、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
で表されるアリール基としては、フェニル基およびメチルフェニル基などが挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
で表される有機基がアリール基を有するマレイミド基含有モノマーとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミドなどが挙げられ、中でも工業的供給安定性、耐熱性の点から、N−フェニルマレイミドが好ましい。
これらの他に、マレイミド基含有モノマーとして、N−ベンジルマレイミド、N−フェネチルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチル−ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミドなどが挙げられる。
なお、接着剤組成物の主成分であるポリマーを構成するマレイミド基含有モノマーは、単独で用いてもよいし、また2種類以上を混合して用いてもよい。
マレイミド基含有モノマーの混合量は、単量体組成物に含まれる他の化合物と共重合反応が進む限り、限定されるものではなく、目的とする接着強度、耐熱性などの接着剤組成物の性質に応じて、適宜定めればよいが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとマレイミド基含有モノマーとを含む単量体組成物の総量を100質量部としたとき、マレイミド基含有モノマーの混合量が1質量部以上、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上、30質量部以下である。1質量部以上であれば、得られる接着剤層の耐熱性、高温環境下での接着強度をさらに向上させることが可能であり、50質量部以下であれば、高温プロセス後における剥離をさらに容易にすることが可能である。
また、単量体組成物を共重合してなるポリマーに占めるマレイミド基含有モノマーの繰り返し単位の含有量は1モル%以上、20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以上、15モル%以下である。1モル%以上であれば、得られる接着剤層の耐熱性、高温環境下での接着強度がさらに向上し、20モル%以下であれば、高温プロセス後における剥離がさらに容易になる。
(鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル)
本発明に係る接着剤組成物は、単量体組成物に、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む。
本明細書において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステルおよび炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルを意味する。
アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などからなるアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、アクリル系長鎖アルキルエステルのアルキル基は、直鎖状であってもよいし、また分岐鎖を有していてもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、従来の(メタ)アクリル系接着剤に用いられている公知のエステルが挙げられる。例えば、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ラウリル基、トリデシル基などからなるアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルを挙げることができる。
なお、接着剤組成物の主成分であるポリマーを構成する鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよいし、また2種類以上を混合して用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合量は、単量体組成物に含まれる他の化合物と共重合反応が進む限り、限定されるものではなく、目的とする接着強度、耐熱性などの接着剤組成物の性質に応じて、適宜定めればよいが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとマレイミド基含有モノマーとを含む単量体組成物の総量を100質量部としたとき、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合量が10質量部以上、90質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以上、70質量部以下である。10質量部以上であれば、得られる接着剤層の柔軟性およびクラック耐性をさらに向上させることが可能であり、90質量部以下であれば、耐熱性の低下、剥離不良および吸湿性を抑制することができる。
また、単量体組成物を共重合してなるポリマーに占める(メタ)アクリル酸アルキルエステルの繰り返し単位の含有量は、1〜90モル%であることが好ましい。
(スチレン)
本実施の形態に係る接着剤組成物は、単量体組成物に、スチレンをさらに含んでもよい。スチレンは、200℃以上の高温環境下においても変質することが無いため、接着剤組成物の耐熱性が向上する。
単量体組成物がスチレンを含む場合には、スチレンの混合量は、単量体組成物に含まれる他の化合物と共重合反応が進む限り、限定されるものではなく、目的とする接着強度、耐熱性などの接着剤組成物の性質に応じて、適宜定めればよいが、スチレンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、マレイミド基含有モノマーとを含む単量体組成物の総量を100質量部としたとき、スチレンの混合量が1〜60質量部であることが好ましく、20〜55質量部であることがより好ましく、25〜55質量部が最も好ましい。1質量部以上であれば、耐熱性をさらに向上させることが可能であり、60質量部以下であれば、クラック耐性の低下を抑制することができる。
また、ポリマーにスチレンを含む場合には、単量体組成物を共重合してなるポリマーに占めるスチレンの繰り返し単位の含有量は1〜50モル%であることが好ましい。
(接着剤組成物における主成分以外の成分)
本実施の形態に係る接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある添加剤、例えば接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着助剤、安定剤、着色剤および界面活性剤などの慣用されているものをさらに添加することができる。
さらに、接着剤組成物は、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、粘度調整のために有機溶剤を用いて希釈してもよい。有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールまたはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体;ジオキサンなどの環式エーテル類;および乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。特に、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールまたはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体がより好ましい。
有機溶剤の使用量は、接着剤組成物を塗布する膜厚に応じて適宜設定されるものであり、接着剤組成物が半導体ウェハーなどの支持体上に塗布可能な濃度であればよく、特に限定されるものではない。一般的には、接着剤組成物の固形分濃度が20〜70質量%、より好ましくは25〜60質量%の範囲内となるように用いられる。
〔共重合反応〕
単量体組成物の共重合反応は、公知の方法により行なえばよく、特に限定されるものではない。例えば、既存の攪拌装置を用いて、単量体組成物を攪拌することにより、本発明に係る接着剤組成物を得ることができる。
共重合反応における温度条件は、適宜設定すればよく、限定されるものではないが、60〜150℃であることが好ましく、さらに好ましくは70〜120℃である。
また、共重合反応においては、適宜、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、上記した有機溶剤を用いることができ、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と表記する)がより好ましい。
また、本実施の形態に係る共重合反応においては、適宜、重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、適宜2種以上を混合して用いてもよい。また、重合開始剤の使用量は、単量体組成物の組み合わせや反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
本願発明に用いるポリマーの重量平均分子量の好ましい範囲としては、10000〜300000が好ましく、20000〜200000がより好ましく、30000〜150000特に好ましい。
10000以上とすることにより、良好な柔軟性を持たせることができる。300000以下とすることにより、耐熱性が良好となる。
〔接着フィルム〕
上述した本発明に係る接着剤組成物は、用途に応じて様々な利用形態を採用することができる。例えば、液状のまま、半導体ウェハーなどの被加工体の上に塗布して接着剤層を形成する方法を用いてもよいし、本発明に係る接着フィルム、すなわち、予め可撓性フィルムなどのフィルム上に上記の何れかの接着剤組成物を含む接着剤層を形成した後、乾燥させておき、このフィルム(接着フィルム)を、被加工体に貼り付けて使用する方法(接着フィルム法)を用いてもよい。
このように、本発明に係る接着フィルムは、フィルム上に、上記の何れかの接着剤組成物を含有する接着剤層を備える。
そのため、単量体組成物が、さらにマレイミド基含有モノマーを含有することにより、接着剤層を構成する接着剤組成物の耐熱性が向上し、耐熱性、高温環境下における接着強度の優れた接着フィルムを得ることができる。
接着フィルムは、接着剤層にさらに保護フィルムを被覆して用いてもよい。この場合には、接着剤層上の保護フィルムを剥離し、被加工体の上に露出した接着剤層を重ねた後、接着剤層から上記フィルムを剥離することによって被加工体上に接着剤層を容易に設けることができる。
したがって、この接着フィルムを用いれば、被加工体の上に直接、接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成する場合と比較して、膜厚均一性および表面平滑性の良好な接着剤層を形成することができる。
接着フィルムの製造に使用する上記フィルムとしては、フィルム上に製膜された接着剤層を当該フィルムから剥離することができ、接着剤層を保護基板やウェハーなどの被処理面上に転写できる離型フィルムであれば限定されるものではない。例えば、膜厚15〜125μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、およびポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムが挙げられる。上記フィルムには、必要に応じて、転写が容易となるように離型処理が施されていることが好ましい。
上記フィルム上に接着剤層を形成する方法としては、所望する接着剤層の膜厚や均一性に応じて適宜、公知の方法を用いればよく、限定されるものではない。例えば、アプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、およびカーテンフローコーターなどを用いて、フィルム上に接着剤層の乾燥膜厚が10〜1000μmとなるように、本発明に係る接着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。中でもロールコーターが膜厚の均一性に優れ、かつ厚さの厚い膜が効率よく形成できるため好ましい。
また、保護フィルムを用いる場合、保護フィルムとしては、接着剤層から剥離することができる限り限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエチレンフィルムが好ましい。また、各保護フィルムは、シリコンをコーティングまたは焼き付けしてあることが好ましい。接着剤層からの剥離が容易となるからである。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが15〜125μmが好ましい。保護フィルムを備えた接着フィルムの柔軟性を確保できるからである。
接着フィルムの使用方法は、特に限定されるものでは無いが、例えば、保護フィルムを用いた場合には、これを剥離した上で、被加工体の上に露出した接着剤層を重ねて、フィルム上(接着剤層の形成された面の裏面)から加熱ローラを移動させることにより、接着剤層を被加工体の表面に熱圧着させる方法が挙げられる。このとき、接着フィルムから剥離した保護フィルムは、順次巻き取りローラなどのローラでロール状に巻き取れば、保存し再利用することが可能である。
本実施形態の接着剤組成物は接着剤組成物として接着用途に用いられる限り、特に限定されるものではないが、半導体ウェハーの精密加工用保護基板を半導体ウェハーなどの基板に接着するための接着剤組成物として好適に用いることができる。本発明の接着剤組成物は、特に、半導体ウェハーなどの基板を研削して薄板化する際に、当該基板をサポートプレートに貼り付けるための接着剤組成物として、好適に用いることができる(例えば、特開2005−191550号公報)。
〔剥離液〕
本実施形態に係る接着剤組成物を取り除くための剥離液としては、通常用いられる剥離液を用いることができるが、特にPGMEAや酢酸エチル、メチルエチルケトンを主成分とする剥離液が環境負荷や剥離性の点で好ましい。
以下に、本発明に係る接着剤組成物の実施例を示す。なお、以下に示す実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。
まず、実施例1に係る接着剤組成物の具体的な調製方法について説明する。
還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた容量300mlの4つ口フラスコに、溶剤としてPGMEA111.6g、及び、モノマー単量体として、表1に示すように、メタクリル酸メチル30g、スチレン52g、シクロヘキシルマレイミド18gを仕込み、Nの吹き込みを開始した。攪拌をはじめることで重合を開始させ、攪拌しながら100℃まで昇温した後、PGMEA13.33g、及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(重合開始剤)1gからなる混合液を滴下ノズルより、4時間かけて連続的に滴下した。滴下速度は一定とした。
滴下終了後に得られた重合反応液を、そのまま1時間、100℃で熟成した後、PGMEA25.10g及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.3gからなる混合液を1時間かけて滴下した。その後、重合反応液を、さらにそのまま1時間、100℃で熟成した後、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート1.0gを一括投入した。次に、重合反応液を、そのまま3時間、100℃で熟成した後、溶剤の還流が認められるまで重合反応液を昇温して、1時間熟成し、重合を終了させ樹脂1を合成した。
実施例2,3および4に係る樹脂2,3および5、ならびに比較例1に係る樹脂4は、実施例1に係る樹脂1と同様の方法で合成した。
実施例および比較例における単量体組成物の組成、ならびに、当該単量体組成物を重合することにより得られた接着剤組成物の平均分子量を、表1に示す。
Figure 2009203450
上記樹脂1〜5をそれぞれプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解して、アクリル系ポリマーの濃度が40質量%の接着剤組成物となるように調製した。
以下に、実施例1〜4で得られた接着剤組成物、および比較例1で得られた接着剤組成物を用いて、接着強度などを測定した結果について説明する。
(耐熱性、吸湿性、および脱ガス量の測定方法)
実施例1〜4および比較例1に係る各接着剤組成物を6インチシリコンウェハー上に塗布した後、110℃、150℃、および200℃でそれぞれ3分間、合計9分間乾燥して、上記シリコンウェハー上に、膜厚15μmの塗膜を形成した。次に、それぞれの塗膜を40℃から250℃まで昇温して、塗膜からの脱ガス量を測定し、そのガス量により、各接着剤組成物の耐熱性および吸湿性を評価した。
脱ガス量により、耐熱性および吸湿性の評価が可能な理由は以下の通りである。つまり、100℃までに測定される脱ガス量は水蒸気またはその共沸ガスに由来するものである。そして、水蒸気またはその共沸ガスは、接着剤組成物が吸湿した水分に由来するものであるため、100℃までに測定される脱ガス量によって、接着剤組成物の吸湿性が評価できる。また、100℃以上で測定される脱ガス量は、接着剤組成物自体が熱により分解されて生じたガスに由来するものである。よって、100℃以上、特に200℃近辺における脱ガス量により、接着剤組成物の耐熱性が評価できる。
脱ガス量の測定には、TDS法(Thermal Desorption Spectroscopy法、昇温脱離分析法)を用いた。TDS測定装置(放出ガス測定装置)は、EMD−WA1000(電子科学株式会社製)を使用した。
TDS装置の測定条件は、Width:100、Center Mass Number:50、Gain:9、Scan Speed:4、Emult Volt:1.3kVで行った。
耐熱性の評価は、200℃において、TDS測定装置により求められる強度(Indensity)が100000未満であり、残渣が金属顕微鏡で観察されない場合は「○」、100000以上であるが、残渣が金属顕微鏡で観察されない場合は「△」、100000以上であり、残渣が金属顕微鏡で観察される場合は「×」とした。
吸湿性の評価は、100℃における強度(Indensity)が10000未満である場合は「○」、10000以上である場合は「×」とした。
また、脱ガス量の評価は、200℃において、上記TDS測定装置により求められる強度(Indensity)が100000未満である場合は「○」、100000以上である場合は「×」とした。
(柔軟性の評価)
6インチのシリコンウェハー上にスピンナーを用いて各接着剤組成物を1000rpmにて25秒間塗布した後、ホットプレート上において200℃、3分間加熱して、シリコンウェハー上に塗膜層を得た。次に、この塗膜層のクラックの有無を目視により観察し、クラックが有ったものを「×」、無しのものを「○」とした。なお、用いた塗膜の厚さは、15μmである。
(各温度における接着強度)
シリコンウェハー上に、実施例1〜4および比較例1の接着剤組成物を塗布した後、150℃で3分間乾燥させた。次に、ガラス基板を200℃、1kgの加重で接着させた。そのガラス基板を引っ張り、ガラス基板がシリコンウェハーから剥がれたときの接着強度を縦型電動計測スタンドMX−500N(株式会社イマダ社製)を用いて算出した。250℃における接着強度が2kg/cm以上である場合を「○」とし、2kg/cmより小さい場合を「×」とした。
実施例1〜4および比較例1の接着剤組成物に対して、250℃における接着強度、脱ガス、耐熱性、柔軟性、吸湿性を比較した。その結果を表2に示す。
Figure 2009203450
また、実施例1〜4および比較例1の接着剤組成物に対して、23℃〜260℃に含まれる13点の温度における接着強度を比較した。その結果を表3および図1に示す。
なお、図1において、横軸は温度を示し、縦軸は接着強度(kg/cm)を示す。
Figure 2009203450
表3および図1に示すように、本発明に係る接着剤組成物においては、250℃以上において優れた接着強度を維持していることが明らかとなった。これに対し、比較例1の接着剤組成物では、250℃以上において接着強度を維持できなかった。なお、接着強度は、2kg/cm以上であれば、充分に実用性がある。
本発明に係る接着剤組成物および接着フィルムは、高い耐熱性を有し、吸湿性が低く、加熱時による脱ガスの量が少なく、高温における接着強度が優れている。よって、高温プロセスを経る半導体ウェハーまたはチップの加工工程に、好適に用いることができる。
本発明の一実施形態における接着剤組成物の接着強度を、異なる温度条件下で測定した結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体組成物を共重合してなるポリマーを主成分とする接着剤組成物であって、
    上記単量体組成物が、マレイミド基を有するモノマーをさらに含むことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 上記単量体組成物の総量を100質量部としたとき、上記マレイミド基を有するモノマーの量は、1質量部以上、50質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 上記マレイミド基を有するモノマーは、下記一般式(1)
    Figure 2009203450
    (R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜20の有機基を表し、該有機基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、およびハロゲン原子を含んでもよい)
    で表されるモノマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 上記マレイミド基を有するモノマーは、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、またはN−フェニルマレイミドであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 上記ポリマーに占めるマレイミド基を有する繰り返し単位の含有量は、1モル%〜20モル%であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  6. 上記単量体組成物が、スチレンをさらに含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の接着剤組成物。
  7. フィルム上に、請求項1〜6の何れか1項に記載の接着剤組成物を含有する接着剤層を備えることを特徴とする接着フィルム。
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