JP2009203325A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、溶融加工時の分解ガス発生が抑制されたポリアミドとポリ乳酸を含む樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】
ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を含む樹脂組成物であって、該分解抑制剤の分子構造が1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を同時に含む構造のものであり、該分解抑制剤が樹脂組成物全体に対して0.01〜1mol%添加されていることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤が含まれた樹脂組成物であって、溶融成形時の分解ガス発生が抑制された樹脂組成物に関するものである。
ナイロン6やナイロン66に代表されるポリアミドからなる繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ乳酸に代表されるポリエステルからなる繊維は、強度、力学特性および寸法安定性に優れるため、衣料用途のみならずインテリアや車両内装、産業用途等幅広く利用されている。また、ポリエチレンやポリプロピレン等に代表されるポリオレフィンからなる繊維は、その軽さを活かして産業用途に幅広く利用されている。
しかしながら、上記の繊維においても、単独の樹脂(ポリマー)からなる繊維ではその性能に限界があるため、複合化による機能の複合化や、他成分との共重合や、2種類以上の樹脂(ポリマー)を混合するポリマーブレンド等による樹脂の改質が検討されてきた。中でも、ポリマーブレンドは、新しく樹脂組成を設計する必要がなく、しかも単成分の溶融成形装置を用いても高性能製品を製造が可能であることから、ポリマーブレンドによる繊維について活発な検討が行われている。
このようなポリマーブレンド繊維の例として、ポリアミドとポリエステルのポリマーブレンド繊維が提案されている(特許文献1参照。)。ここでは、ポリアミドとポリエステルのポリマーブレンド繊維から、ポリエステルを溶解除去してポリアミドからなる極細繊維を得るものであるが、ポリエステルとして用いられているポリ乳酸は加水分解性が高いことから効率的にポリアミド極細繊維が得られ、ポリ乳酸とポリアミドは有効な組み合わせと言える。
しかしながら、このポリマーブレンドでは、高融点ポリアミドであるナイロン6を溶融するため、ポリ乳酸単独の場合に比較して溶融温度を高温に設定する必要が生じ、ポリマーの熱劣化に起因した溶融粘度低下に伴うドリップや、得られる製品の色調悪化や、力学的特性の低下という問題があった。特に、溶融紡糸の場合には、紡糸機中で複雑に入り組んだ紡糸配管を通ってポリマーが吐出されるため、ポリマーが長時間高温に曝され、熱劣化は特に深刻であった。そのため、ポリアミドとポリ乳酸を含む樹脂組成物の耐熱性を改善することが望まれていた。ポリアミドとポリ乳酸を含む樹脂組成物の耐熱性向上技術としては、リン系化合物またはヒンダードフェノール系化合物を樹脂組成物に添加することにより、溶融粘度保持、色調改善あるいは分子量保持というような特性を向上できることが提案されている(特許文献2および特許文献3参照。)。一方、ポリ乳酸そのものの耐熱性を向上させる提案もされており、具体的に、リン酸系化合物とフェノール系化合物を併用する技術(特許文献4参照。)や、フェノール系化合物を添加する技術(特許文献5参照。)が提案されている。
上記した技術により、分子量、溶融粘度および色調などをある程度改善することは可能であった。しかしながら、さらに検討を進めた結果、ポリアミドとポリ乳酸から成るポリマーブレンドではポリアミド単独、あるいはポリ乳酸単独の場合よりも、ポリマーの熱分解により分解ガスが多量に発生し易いという問題があることがわかった。
このとき発生する分解ガスは、低級脂肪酸やε−カプロラクタムなどの含むものであり、溶融成形時にこの分解ガスが発生することにより、製造現場の環境が悪化するばかりでなく、この分解ガス中に金属腐食性を有する低級脂肪酸などの成分が含まれるため、溶融成形装置の配管や計量部などを腐食させることで、異物混入による品質の悪化や吐出軽量性の低下に伴う品質安定性の低下に加え、連続生産を続けると溶融成形装置の部品が破損するなどの深刻な問題を引き起こす可能性もあった。
そのため、ポリアミドとポリ乳酸のポリマーブレンドにおいて、この低級脂肪酸やε−カプロラクタムを含んだ分解ガス発生を抑制する技術が必要であったが、従来の技術では分解ガスの発生を抑制することが不十分であった。例えば、特許文献2で推奨されている添加剤を用いた場合、確かに溶融粘度保持率は向上するが、分解ガス抑制には全く効果がなかった。これは、分解ガス発生は、ポリアミドおよびポリ乳酸と添加剤との間の化学反応に起因している可能性があることを示唆しており、これに立脚した分解抑制剤の分子設計が必要であった。
特開2004−169261号公報 特開2007−131696号公報 特許請求の範囲 特開2005−2174号公報 特許請求の範囲 特開2007−23081号公報 特許請求の範囲 特許第3532850号公報 特許請求の範囲
本発明の目的は、溶融加工時の分解ガス発生が抑制されたポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を含む樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は次の構成からなるものである。すなわち、本発明の樹脂組成物は、ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を含む樹脂組成物であって、その分解抑制剤の分子構造が1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を同時に含む構造のものであり、その分解抑制剤が樹脂組成物全体に対して0.01〜1mol%添加されている樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物の好ましい態様によれば、樹脂組成物全体に対して、ポリアミドの量は10〜90重量%である。
本発明の樹脂組成物の好ましい態様によれば、ポリアミドとポリ乳酸が海島構造を形成し、この海島構造の島成分の平均分散径が10〜1000nmからなるものである。
本発明の前記の樹脂組成物は、それを紡糸して繊維を製造することができる。
本発明によれば、ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を含む樹脂組成物であって、分解抑制剤の分子構造が1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を同時に含むものであり、分解抑制剤が樹脂組成物全体に対して0.01〜1mol%添加された樹脂組成物とすることにより、溶融時に発生する分解ガスの発生が大幅に抑制され、生産現場はもとより周辺環境へ漂う臭気が大幅に低下することにより生産環境が改善されることに加え、溶融加工装置の配管や計量部の腐食が抑制されるため、安定した品質で連続的な生産が可能となる。
本発明の樹脂組成物には、基本成分としてポリアミド、ポリ乳酸および分解抑制剤を含まれている。
本発明で用いられるポリアミドとは、主鎖にアミド結合を有する樹脂であり、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12およびナイロン612等、あるいはそれらとアミド形成官能基を有する化合物、例えば、ラウロラクタム、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の共重合成分を含有する共重合ポリアミド等が挙げられる。これらのうち、汎用性の点からナイロン6とナイロン66が特に好ましく用いられる。
また、本発明で用いられるポリアミドは、必要に応じてカルボン酸化合物またはアミン化合物で末端封鎖されていてもよく、ポリアミドの末端が封鎖されている方が自己触媒機能を抑制し、耐熱性を向上させやすい。ここで用いられるカルボン酸化合物としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、アミン化合物としては、脂肪族モノアミン、脂環式モノアミン、芳香族モノアミン、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンおよび芳香族ジアミンなどが挙げられる。
本発明で用いられるポリ乳酸とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする樹脂であるが、ポリ乳酸が高い耐熱性を有するためには、ポリ乳酸として乳酸成分の光学純度が高いものを用いることが好ましい。そのため、ポリ乳酸の総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれているポリ乳酸が好ましく、より好ましくはL体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれているポリ乳酸であり、更に好ましくはL体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれているポリ乳酸である。
ポリ乳酸の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法や、ラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
ポリ乳酸の融点は、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。ポリ乳酸の融点は、通常、乳酸成分の光学純度を高くすることにより高くなり、融点120℃以上のポリ乳酸は、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることにより得ることができ、また融点150℃以上のポリ乳酸は、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることにより得ることができる。
本発明で用いられるポリ乳酸は、他の共重合成分を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、グリコール化合物、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸およびラクトン類を挙げることができる。これらの共重合成分は、共重合することにより融点降下を引き起こす場合があり、逆に分解ガス発生を助長する場合があるが、共重合量が、全単量体成分に対し0〜30mol%であれば問題なく使用することができる。
本発明の樹脂組成物においては、前述したポリアミドとポリ乳酸に、分子構造が1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を同時に含む構造を有する分解抑制剤が添加されていることが重要である。
ポリマーを加熱溶融した際、ポリマーの耐熱性が低いと、ポリマーやそれに含まれるオリゴマーなどの熱分解により有機ラジカルが発生する場合がある。そして、一旦、有機ラジカルが発生すると、新たなラジカルやラジカル開始剤となる過酸化物が連鎖的に生成される場合がある。有機ラジカルは、不安定な構造であるため、ポリマーをさらに分解し、また新たに有機ラジカルを発生する。このように一度有機ラジカルが発生すると連鎖的にポリマーの分解が進み低分子量化することにより、場合によっては揮発性の分解ガスを発生することとなる。さらに、分解物が過酸化物でさらに酸化されることにより、低級脂肪酸などの腐食性ガスを発生することとなる。
ポリマーブレンドの場合は、より複雑で、ポリマーの組み合わせによっては、一方のポリマーから発生した有機ラジカル、熱分解物および過酸化物などがブレンドされたポリマー界面で触媒として作用し、他方のポリマーの分解を促進する場合もあり、それぞれのポリマー単独の場合よりも分解が促進される場合がある。
これは、ポリマーブレンド特有の問題である。特に、本発明で対象とするポリアミドとポリ乳酸の組み合わせでは、後述する参考例1〜3に示すように、ポリアミドまたはポリ乳酸単独の場合に比較して熱分解が進み易く、分解ガスが多量に発生するという問題がある。実際、ポリマーブレンドである参考例1では、ポリアミド単独(参考例2)に比べてポリアミドの重量換算で5倍以上のε−カプロラクタムが発生し、ポリ乳酸単独(参考例3)に比べてポリ乳酸の重量換算で4〜9倍程度の低級脂肪酸が発生し、さらにそれぞれのポリマー単独ではほとんど発生しない2,3−ペンタンジオンが発生したことからも、ポリアミドとポリ乳酸それぞれの分解物がお互いを分解し合っていると考えられる。例えば、ポリ乳酸から発生する低級脂肪酸がポリアミドを分解してε−カプロラクタムが発生し、これがポリ乳酸をさらに分解(アミン分解、加水分解など)し、分解が加速されるということが考えられる。このように、特にポリアミドとポリ乳酸との組み合わせは、おのおのの分解物が他方の分解を促進し易い点から化学的に分解ガス発生が起こり易いばかりでなく、ポリマーブレンドとしたときにポリマーを微分散させると、ポリマー同士の界面増加により反応場が広くなり、結果としてこの分解メカニズムをさらに進行させ易くなっていると考えられる。
この分解ガス発生を抑制するためには、従来の単独ポリマーの熱分解抑制処方では不十分であり、より高度に熱分解を抑制することが要求され、本発明に用いる分解抑制剤のように、1分子内にリン原子を含むリン化合物構造とヒンダードフェノール構造を同時に含む構造であることが重要である。
ヒンダードフェノール構造は、ポリマーやオリゴマーの熱分解で発生したラジカルに電子を供給することによりラジカル連鎖反応を抑制または停止させる機能を有するものであり、ポリマーの熱分解による分解ガス発生の初期過程を抑制するものである。これにより、ポリマーの熱分解の進行を抑制し、分解ガスの発生も抑制できるのである。
しかしながら、上記のラジカルが有機過酸化ラジカル(R−O−O・)の場合には、ヒンダードフェノール構造で電子が供与された後、水素がカウンターカチオンとなると有機過酸化物であるR−O−OHが生成し、さらこれから有機酸(ROOH)を生成してしまう場合がある。これは、ヒンダードフェノール構造がない場合よりも少ないとしても、有機酸が生成することにより前記した問題を十分解決できない場合もある。そのため、過酸化ラジカルの発生そのものを抑制する必要があるが、過酸化ラジカルの元となる有機ラジカルは、熱以外にも触媒残さなどによっても発生する場合がある。これを抑制するのがリン化合物である。具体的には、リン酸構造、ホスフィン構造およびホスファイト構造などにより、触媒残さを失活させ有機ラジカル発生そのものを抑制することができるが、触媒残さへの配位能力の観点からホスフィン構造が特に好ましい。また、過酸化物であるR−O−OHを有機酸ではなくアルコールなどに変化させる観点からも、リン化合物が有効である。このときは、リン化合物は還元剤として作用することが重要であり、ホスフィン構造やホスファイト構造などの3価リンであることが好ましい。
すなわち、ヒンダードフェノール構造がないと、ラジカル連鎖反応を止めることができないため反応がどんどん進み、最終的に生成した低分子有機物が酸化され、低級脂肪酸が多く発生してしまう。一方、リン化合物構造がないと、元々の有機ラジカル発生を抑制できない、あるいは有機過酸化物から有機酸を生成する反応を抑制することができないのである。
ポリマーの熱分解による有機ラジカル発生、またこれに起因する分解ガス(特に、低級脂肪酸)の生成反応は、上記した反応で進み、しかも反応速度が速いことがある。そのため、ヒンダードフェノール構造とリン原子を含むリン化合物構造を同一分子内に備えることにより、有機ラジカルの発生抑制、ラジカルの失活および過酸化物の還元を連携して行えるようにすることが重要なのである。これらの3つの機構のうち、ヒンダードフェノール構造によるラジカル失活と残りの2つの機構のどちらか、あるいは両方が組み合わされていれば良いが、同一分子内にヒンダードフェノール構造とリン酸構造(5価リン)とホスフィン構造(3価リン)あるいはホスファイト構造(3価リン)の3つを備えた分子は工業的には入手が難しく、入手できたとしても高価である。そのため、ヒンダードフェノール構造、リン酸構造(5価リン)、ホスフィン構造(3価リン)およびホスファイト構造(3価リン)から選ばれるどれか1種のリン化合物構造を有する分解抑制剤が好ましい。特に、有機ラジカルそのものの発生を抑制する観点から、ヒンダードフェノール構造とリン酸構造からなる分解抑制剤を用いることが好ましい。
同様の効果を狙い、例えば特許文献4に記載されるように、リン系化合物とヒンダードフェノール系化合物を併用することも考えられるが、ここではリン原子とヒンダードフェノール構造を1分子内に有していないために、反応速度が速いラジカル連鎖反応や有機ラジカルから有機酸への反応を効率よく抑制することが困難である。加えて、おのおのの添加剤は融点が異なるために、温度による反応性も異なるという点や別々に計量しつつ添加する添加剤を樹脂組成物内に同存在比率で添加することは困難であり、本発明の目的とする分解ガス発生を抑制することは非常に困難なものである。
また、特許文献2や特許文献3のように、リン系化合物やヒンダードフェノール系化合物を単独で用いる場合には、分解ガス発生を抑制する効果が低くなってしまうことは言うまでもないが、単独の場合にはこれらの添加剤が反応することにより、副作用として新たに分解ガスとなり得る成分を発生してしまう場合があり、本発明の目的には適さない。
本発明で用いられる分解抑制剤の添加量は、ポリアミドおよびポリ乳酸と十分反応して分解を抑制することができる範囲として、樹脂組成物全体に対し0.01〜1mol%の範囲とすることが重要である。分解抑制剤の添加量は0.01mol%以上とすることで、溶融成形加工時の分解ガス発生(特に低級脂肪酸など)の発生を抑制することができ、溶融加工装置の配管等に対する腐食や生産環境への悪影響を改善することができる。一方、添加量を1mol%以下とすることにより、ポリアミドとポリ乳酸の粘度バランスを崩すことなく、島成分を微分散化でき、ブレンドポリマーの過度の増粘を抑制できることにより、優れた溶融成形性を得ることができる。本発明において、分解抑制剤の添加量は、分解ガスの発生を抑制する効果と島成分の分散状態が良好となる範囲として、0.1〜0.5mol%であることが好ましい態様である。
通常、ポリアミドとポリ乳酸を溶融加工する際の温度は200〜260℃程度であるため、本発明で用いられる分解抑制剤等の添加剤の融点は、この温度範囲以下、すなわち200℃以下であることが好ましい。但し、融点が低すぎると、溶融成形時の取り扱い性が悪く、例えば、分解抑制剤を添加する際や溶融成形時に分解抑制剤自身が昇華してしまうことがあり、添加量に対する分解ガス発生を抑制する効果が著しく低下する場合がある。そのため、本発明で用いられる分解抑制剤の融点は、70℃以上であることが好ましく、溶融混練や溶融紡糸の際に高効率に反応を進ませるためには、分解抑制剤の融点は100〜150℃であることが好ましい。ここで言う分解抑制剤の融点とは、示差走査熱量測定(DSC)で観測される融解ピークのピークトップ温度を意味し、具体的な測定方法としては、例えば、次のようにして行うことができる。すなわち、サンプル10mgを計量し、アルミパンに封入後、DSCに設置して、昇温速度16℃/分で測定を行う。そして、2nd runにおいて、その添加剤の融解ピークのピークトップ温度をそのポリマーの融点として求めたものである。
本発明で用いられる分解抑制剤は、1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を含んだ構造のものであり、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネートやその金属塩、および6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピンなどが挙げられるが、取扱い性や融点の観点から、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネートが好適に用いられる。ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネートとしては、例えば、チバ・ケミカル・スペシャリティ株式会社製“IRGAMOD”(登録商標)295が挙げられ、この分解抑制剤は粉体であるため、ブレンドする際の取扱い性が良く、かつ120℃と本発明で用いるには適当な融点を有しているため、好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物におけるポリアミドとポリ乳酸の組成比率は、ポリアミドとポリ乳酸の合計を100重量%としたとき、ポリアミドが10重量%以上であれば、本来的にもろいポリ乳酸にポリアミドの靭性を付与することができ、樹脂組成物の耐衝撃性、耐摩耗性および柔軟性が向上し、ポリ乳酸の欠点が改善された製品が得られるため好ましい態様である。また、ポリアミドが30重量%以上であれば、樹脂組成物の微粉末の生成が抑制され、成型時の取扱い性と成型性が向上するためさらに好ましい態様である。また、ポリアミドとポリ乳酸の合計を100重量%としたとき、ポリアミドが90重量%以下であれば、ポリ乳酸がポリアミドの吸湿による寸法安定性不良を抑制することができるため好ましく、70重量%以下であればさらに好ましい態様である。
本発明の樹脂組成物中で、ポリアミドとポリ乳酸が海島構造をとっていることが、異種のポリマー(樹脂)の機能を複合化する観点から好ましい態様である。樹脂組成物が海島構造をとる場合には、樹脂間の界面が増大するため樹脂間で剥離し難く、樹脂組成物やそれらからなる製品の耐久性を向上させることができるためである。本発明で言う海島構造とは、ポリアミドとポリ乳酸が相分離構造をとり、メジャー成分あるいは低粘度成分が海成分となり、マイナー成分あるいは高粘度成分が島成分となる構造を言うものである。相溶性の比較的良いポリマーアロイ系では、はっきりした海/島とならずに島成分が層構造となり、見かけ上、海/島を判別しがたい場合もあるが、相分離しているという点で本発明では海島構造に含めるものとする。
また、本発明においては、上記の海島構造の島成分が微分散していることが好ましい。島成分が微分散していることにより、溶融成型時の粘度斑に起因する流動安定性不良が低減され、島成分が微細化されることにより、新機能発現を期待することもできる。ここで微分散とは、樹脂組成物中で、島成分の平均分散径が1000nm以下である状態を言うものである。例えば、その樹脂組成物を紡糸し脱海処理すると、平均繊維直径が1000nm以下の超極細繊維を得ることができ、高機能製品を得ることができるのである。また、実施可能な範囲として、島成分の平均分散径の下限値は10nm以上である。
ここで言う平均分散径とは、次のようにして測定することができる。樹脂組成物がペレット状の場合には、海成分を除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM装置)で島成分の粒子が50個以上観察できる倍率で撮影し、そのSEM写真から露出した島成分を画像処理ソフトによって円あるいは楕円として50個の平均直径を求めるものであり、これを3ヶ所以上で行い、少なくとも合計150個以上の島成分の分散径を測定し、その分散径から単純な数平均を算出することにより求めることができる。ここで言うペレットとは、樹脂組成物を直径または一辺が1〜20mm程度の小さな一定の球状、円柱状、角柱、板状等に造粒したものであるが、例えば、二軸押出し混練機から吐出される樹脂組成物をガットにした後、カッターを用いてカットすることで得ることができる。
一方、樹脂組成物が繊維状の場合には、単糸(単繊維)の繊維軸に対して垂直な断面を透過型電子顕微鏡(TEM装置)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM装置)で150個以上の島成分が観察できる倍率として撮影する。この際、必要に応じて金属染色を施し、海島のコントラストをはっきりさせることができる。2次元的に撮影された該画像から同一画像内で無作為に抽出した150個の島成分の直径を測定する。ここで繊維軸に垂直な断面に現れる島成分は必ずしも真円であるとは限らないが、真円でない場合にはその面積を測定し、円換算で求められる値を採用する。また、これらの値に関しては、nm単位で小数点1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入するものである。本発明における島成分平均径とは島成分を150個のそれぞれの径を測定し、その単純な数平均値を求めるものである。
また、本発明において、海成分がポリアミドである場合には、靭性、耐摩耗性および耐薬品性に優れたポリアミドが樹脂組成物の表面に出るために、樹脂組成物の耐衝撃性、柔軟性、耐摩耗性および耐薬品性が向上する。一方、海成分がポリ乳酸である場合には、吸湿性の低いポリ乳酸がポリアミドを被覆するため、ポリアミドの吸湿による寸法安定性不良が抑えられ、樹脂組成物およびその成型物の寸法安定性が向上する。
次に、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の樹脂組成物は、ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を、エクストルーダーやニーダーにより溶融混合する方法、固体状物質同士を機械的に均一に混合した後、混合と同時に直接成型加工する方法、および樹脂の重合缶の中へ添加物を直接投入し混合する方法などの通常公知の装置を用いて製造することができる。
具体的には、例えば、ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を別々に計量して、2軸混練機に挿入し、スクリュー径37mmφ、L/D=48の場合には、混練温度を220〜240℃とし、吐出量5〜50kg/時、スクリュー回転数100〜400rpmとすることにより、安定して本発明の樹脂組成物を得ることができる。この際、スクリュー径が37mmφより拡大する場合やL/Dが48より小さくなる場合には、混練を強化するという意味合いから、スクリュー回転数を増加させることが好ましく、混練を強化することにより分解抑制剤のブレンドムラが少なくなる他、さらには島成分の微分散化にも有効である。
このときの各成分の添加順序は任意でも良いが、はじめに、分解抑制剤を混合しておくことが好ましく、例えば、ポリアミドおよび/またはポリ乳酸とあらかじめドライブレンドしておくことができる。これは、混練初期におけるラジカルの発生および過酸化物のようなラジカル開始剤と成り得る成分の発生を抑制することができるためである。
本発明の樹脂組成物においては、ポリアミドあるいはポリ乳酸が海成分あるいは島成分となった海島構造を有するものであるが、ポリアミド/ポリ乳酸の比率が、10/90〜50/50の場合はポリアミドが島成分となり、ポリアミド/ポリ乳酸の比率が60/40〜90/10ではポリ乳酸が島成分となるように、ポリアミドとポリ乳酸の混練比率により海成分と島成分が決定されるため、必要となる特性に合わせて調整することができる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、分子構造が1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を同時に含む構造の分解抑制剤以外の種々の添加剤を添加することができる。例えば、結晶核剤や滑剤などの成型助剤、紫外線吸収剤、耐加水分解改良剤、顔料や染料などの着色剤、発泡剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、相溶化剤、および増粘剤などを任意に含有することができる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、用途に合わせ充填剤などを含有させることが可能であるが、溶融紡糸に用いる場合には紡糸口金孔の詰まりやパック圧上昇によって連続した運転が困難となるため、充填剤などの配合量は0.1重量%未満とすることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含有していても良い。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリ乳酸以外のポリエステル、ポリイミドおよびポリエーテルイミドなどを挙げることができる。但し、他の熱可塑性樹脂の融点が高い場合には、溶融成形する際に、不必要に溶融温度を高温化させる必要が生じ、分解を促進させる場合があるため、具体的には融点が210〜280℃の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
このようにして得られた本発明の樹脂組成物を通常の溶融紡糸法により、繊維化する場合には、樹脂組成物を一旦ペレット状にした後に再度溶融して紡糸することもできるし、紡糸機に押出機を直結するなどして溶融混合した樹脂組成物をそのまま溶融紡糸することもできる。この紡糸機については公知の溶融紡糸機にて紡糸することができるが、紡糸温度に関しては、ポリ乳酸単独の場合と比較して10℃以上高温にすることが好ましく、具体的には210〜280℃の範囲とすることが好ましい。
ブレンドポリマーの場合は、単独の樹脂(ポリマー)の場合に比較して、溶融吐出後に瞬時にポリマー流が膨れるバラス現象が発生しやすく、バラスの影響を低下するためには230℃以上の紡糸温度であることがさらに好ましい範囲であるが、単なるポリアミドとポリ乳酸のポリマーブレンドにおいては、分解ガスが著しく発生する温度となる。
本発明の樹脂組成物に関しては、分解ガス発生が大幅に抑制されるため、この紡糸温度においても生産環境を悪化させることなく紡糸することができ、紡糸機の配管等の腐食の進行を抑制することができる。また、紡糸時に発生した分解ガスは紡糸機の配管や計量部から染み出すことで紡糸機の配管外も腐食し、過度に進行した場合には紡糸機が破損し、連続運転が困難になる場合があったが、本発明の樹脂組成物においてはこれらの影響も著しく低下するものであり、工業化を考えればその波及効果は非常に大きなものとなる。
本発明の樹脂組成物を溶融紡糸する際の紡糸速度は、紡糸張力の増加に伴うバラス位置の変動を抑制するという観点から、200〜6000m/分の範囲とすることが好ましい。また、得られた繊維を細繊度化および力学的特性を向上させる目的で一旦巻き取った後、あるいは紡糸に連続して、公知の一対以上の加熱ローラを有した延伸装置によって延伸を施すこともできる。
延伸温度および熱処理温度は、良好な延伸性が得られる条件として、延伸温度は60〜100℃、熱処理温度としては100〜150℃とすることが好ましい。延伸倍率は未延伸糸の伸度を目安として変更する必要があり、繊維の取り扱い性および後工程での工程通過性を考えれば、延伸糸の伸度が10〜50%となるように延伸倍率を設定することが好ましい。
繊維の断面形状に関しては、丸断面、中空断面、三葉断面等の多葉断面、その他の異形断面についても自由に選択することが可能である。また、繊維の形態は、長繊維、および短繊維などいずれにも対応可能であり、長繊維の場合にはマルチフィラメントでもモノフィラメントでも良い。
また、本発明の樹脂組成物は、スパンボンドあるいはメルトブロー法などによって直接繊維ウェブ(長繊維不織布等)とすることもできる。中でも繊維ウェブの引張強力の向上や製造コストなどの点から、スパンボンド法が好適に用いられる。ここで言うスパンボンド法とは、一般には溶融したポリマーをノズルより押出し、これを高速吸引ガスによって2500〜8000m/分の速度で吸引延伸した後、移動コンベア上に繊維を捕集して繊維ウェブとする方法のことを言う。スパンボンド法においても、溶融温度は210〜280℃とすることが好ましく、この範囲であれば安定して繊維ウェブを得ることができる。
また、繊維ウェブの捕集に引き続いて、熱接着や絡合等を施すことにより一体化させたシート状物を得ることができる。繊維ウェブの絡合方法は、例えば、ニードルパンチやウォータジェットパンチなどの方法を単独あるいは組み合わせて行うことができる。
ニードルパンチ処理のパンチング本数としては、繊維の高絡合化による緻密な表面状態を達成することを目的とし、500〜3000本/cmであることが好ましい。パンチング本数が500本/cm以上であれば表面繊維の緻密性が良好となり、所望の高精度仕上げを得ることができ、またパンチング本数が3000本/cm以下であれば、加工性の悪化を招くことなく、強度低下につながる繊維損傷が抑制される。また、ウォータジェットパンチング処理を行う場合には、水は柱状流の状態で行うことが好ましく、通常直径0.05〜1.0mmのノズルから圧力1〜60MPaで噴出される柱状流が好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物からなる繊維あるいはその繊維構造体から海成分を溶解除去することにより超極細繊維を得ることができ、また島成分を溶解除去することにより多孔性繊維を得ることができる。ポリ乳酸を除去する場合には水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリを用い、ポリアミドを溶解除去する場合にはギ酸などを用いればよい。処理方法としては、繊維のままあるいは繊維構造体とした後、アルカリ水溶液あるいはギ酸に浸漬させればよい。また、この溶解除去処理には、公知の液流染色機やジッカー染色機などを利用することにより、一度に大量に処理をおこなうことができるため、生産性もよく、工業的な観点から好ましい態様である。
本発明における繊維構造体とは、織物、編物、スパンボンド、メルトブローおよびスパンレース等の不織布の他、カップやボード等の熱圧縮成型体の様々な繊維製品のことを意味し、本発明の樹脂組成物から得られる繊維あるいはこれから発生した超極細繊維や多孔繊維は、繊維構造体とすることにより、シャツやブルゾン、パンツ、コートおよび人工皮革のような衣料用途のみならず、カップやパッド等の衣料資材用途、カーテン、カーペット、マットおよび家具等のインテリア用途、さらにワイピングクロス、研磨布およびフィルター等の産業資材用途、および車輛内装用途など各種用途に利用が可能である。
本発明の樹脂組成物は、繊維だけでなく射出成形や押出成形などの方法により、各種成形品に加工し利用することも可能である。成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フイルムおよびシートなどとして利用できる。
以下、実施例をあげて本発明の樹脂組成物について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の測定方法については、次の方法を用いた。
A.樹脂(ポリマー)の溶融粘度
東洋精機製キャピログラフ1Bにより、所望の速度でポリマーの溶融粘度を測定した。チップ投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は4分、窒素雰囲気下で測定を行った。
B.樹脂組成物の分解ガス発生量測定
チップをヘリウムガスで満たされたガラス容器内で、50℃の温度から10℃/分で250℃の温度まで加熱し、250℃の温度で30分間保持し、この際に発生した成分を活性炭捕集管(スペルコ社製:カーボントラップ400)に捕集する。この捕集管を300℃の温度で加熱し、捕集成分を脱着させ、日本電子社製 Automass SUN−200 GC/MSに導入し、成分および発生量を分析した(CG/MSカラム:ジーエルサイエンス株式会社製CP−WAX52CB 25m×0.32mm)。得られた発生量を樹脂組成物重量により除することで単位重量当たりの発生量を算出した。分解ガスに含まれる成分の中でも特に臭気および金属腐食に大きく影響を与える酢酸およびプロピオン酸に着目し、本発明の分解ガス抑制効果として、分解ガスにおいて未添加サンプル(後述の参考例1参照。)で得られた数値の50%、すなわち分解ガス中の酢酸量が15.0mg/kg以下、プロピオン酸量が7.0mg/kg以下を満たす場合を合格レベルとした。
C.樹脂組成物の臭気発生評価
チップを0.5g計量して試験管内に導入した後、窒素で微加圧とし、250℃の温度に加熱されたオイルバス中で30分間加熱後に、溶融したチップ直上から分解ガスを注射器にて5ml採取した。採取した分解ガスを、ニオイセンサー(理研計器株式会社製ポータブルモニターOD−85)にて測定し、表示される数値を3回測定し、下記式に基づき臭気抑制率を算出した。臭気抑制効果として、この値が80%未満となるものを合格レベルとした。
・臭気抑制率=(添加サンプル数値/未添加サンプル数値)×100(%)
添加サンプルは、分解抑制剤添加サンプル(実施例と比較例に使用)を表し、未添加サンプルは、分解抑制剤未添加サンプル(ペレットでは参考例1、紡糸では参考例4に使用)を表す。
D.樹脂および添加剤の融点
TA Instruments社製DSC2920 Modulated DSCを用いて、2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
E.ペレットの島成分・平均分散径
ペレット状の樹脂組成物の海成分を除去し、水洗後(株)キーエンス社製 VE−7800型SEM装置で島成分が50個以上観察できる倍率で撮影し、このSEM写真から露出した島成分を画像処理ソフト(“Win・ROOF”(登録商標))によって、円あるいは楕円として50個の平均直径を求めるものであり、これを3ヶ所以上で行い、少なくとも合計150個以上の島成分の分散径を測定することにより求めた。各島成分ポリマーの直径はnm単位で小数点1桁まで測定し、小数点以下を四捨五入する。その分散径から単純な数平均値を求めた。測定には、5000倍の写真を用いた。
F.繊維の島成分平均径
繊維の超薄切片を切り出し、単繊維の繊維軸に対して垂直な断面を日立社製H−7100FA型透過型電子顕微鏡(TEM装置)で150個以上の島成分が観察できる倍率として撮影する。2次元的に撮影された該画像から、同一画像内で無作為に抽出した150個の島成分の直径を測定した。ここで、繊維軸に垂直な断面に現れる島成分は必ずしも真円であるとは限らないが、真円で無い場合にはその面積を測定し、円換算で求められる値を採用した。また、これらの値に関しては、nm単位で小数点1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入することで求めた。また、150個それぞれの径を測定し、その単純な数平均値を島成分平均径として求めた。なお、測定には、50000倍の写真を用いた。
G.繊維の強度
インテック株式会社製検尺機によって100mの小綛とし、その重量を100倍することにより繊度(dtex)を算出した。オリエンテック社製引張試験機 “TENSILON”(登録商標) UCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度100%/分条件で応力−歪曲線を測定する。破断時の荷重を読みとり、その荷重を初期繊度で除することで破断強度を算出する。また、破断時の歪を読みとり、試料長で除した値を100倍することにより、破断伸度を算出する。これを5回以上繰り返し、得られた結果の単純な数平均を求めることで平均強度および平均伸度とした。
(参考例1)
溶融粘度190Pa・s(230℃、1216sec−1)、融点228℃のナイロン6と溶融粘度67Pa・s(230℃、1216sec−1)、融点170℃のポリ乳酸を、ナイロン6が40重量%で、ポリ乳酸が60重量%となるようにそれぞれ独立で計量し、これらを混練温度220℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/時に設定した2軸混練機(スクリュー径:37mmφ L/D:48)にて混練し、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の溶融粘度は85Pa・s(230℃、1216sec―1)であり、島成分であるナイロン6の平均分散径は600nmであった。この樹脂組成物の分解ガス成分を分析したところ、主に低級脂肪酸(酢酸、プロピオン酸およびアクリル酸)、2,3−ペンタンジオンおよびε−カプロラクタムが検出された。それぞれの発生量を表1に示す。この参考例1では、酢酸量が29.4mg/kg、プロピオン酸量が14.6mg/kgと高い値を示し、参考例2(ナイロン6単独)および参考例3(ポリ乳酸単独)と比較して、分解ガス発生量は大幅に増加しており、ナイロン6とポリ乳酸をブレンドすることによって互いの分解物が互いを分解しあうことにより、分解が促進されていることがわかる。また、低級脂肪酸が多量に発生したことで、臭気評価でのニオイセンサーが表示する数値は776と高い値を示した。
(参考例2)
ポリ乳酸樹脂を加えず、ナイロン6を100重量%としたこと以外は、全て参考例1に従い実施した。分解ガスおよび臭気評価を含めたポリマー特性は、表1に示すとおりであり、この場合、低級脂肪酸である酢酸およびプロピオン酸の発生は確認されず、ナイロン6由来のε−カプロラクタムについても、発生量が244.9mg/kgと参考例1と比較して、50%程度まで低下したものであった。
(参考例3)
ナイロン6を加えず、ポリ乳酸を100重量%としたこと以外は、全て参考例1に従い実施した。分解ガスおよび臭気評価を含めたポリマー特性は、表1に示すとおりであり、ナイロン6由来のε−カプロラクタムの発生は確認されず、低級脂肪酸である酢酸量は12.0mg/kg、プロピオン酸量は5.5mg/kgと参考例1と比較して、50%以上低下したものであった。
Figure 2009203325
[分解ガス成分・評価]:合格○ 不合格× [臭気評価]:合格○ 不合格×
[実施例1]
2軸混練機に導入する前に、あらかじめポリ乳酸に1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を含んだ構造の分解抑制剤として、次の化学式1
Figure 2009203325
に示すチバ・ケミカル・スペシャリティ株式会社製“IRGAMOD”(登録商標)295(融点120℃)を、0.12mol%(0.5重量%)となるようドライブレンドしたこと以外は、全て参考例1に従い実施した。
得られた樹脂組成物の溶融粘度は85Pa・s(230℃、1216sec―1)であり、島成分であるナイロン6の平均分散径は620nmであり、分解抑制剤によるポリマー特性への影響は見られなかった。この樹脂組成物の分解ガス成分を分析したところ、酢酸量は10.6mg/kg、プロピオン酸量は3.9mg/kgであり、参考例1に比較して大幅に抑制されており(合格)、臭気評価(ニオイセンサー数値:403)についても52%まで抑制され、合格であった。結果を表2に示す。
(比較例1)
添加剤を、次の化学式2
Figure 2009203325
に示すアデカ株式会社製“アデカスタブ”(登録商標)AX−71(リン酸系化合物 融点70℃ 添加量0.12mol%(0.7重量%)に代えたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
得られた樹脂組成物の溶融粘度は83Pa・s(230℃、1216sec―1)であり、島成分であるナイロン6の平均分散径は720nmであり、島成分の平均分散径が大きくなり、島成分の微分散化という観点からは実施例1に比較して劣っていた。この樹脂組成物の分解ガス成分を分析したが、酢酸量が49.2mg/kg、プロピオン酸量が15.6mg/kgであり、参考例1に比較して、発生量が増加しており、不合格であった。また、臭気評価(ニオイセンサー数値:931)についても120%と不合格であり、リン酸系化合物単独の場合には添加することにより、臭気が増加する結果となった。
この比較例1で用いたリン酸構造のみの添加剤は、特許文献3に記載されているように触媒を失活させることにより有機ラジカルの発生を抑制し溶融時の溶融粘度保持率は改善されるのであるが、発生したラジカルの連鎖反応を停止する機能がないこと、また有機過酸化物の還元機能や分解物の酸化抑制機能がないことで、分解ガス発生の抑制には効果がなかったものと推察される。結果を表2に示す。
(比較例2)
添加剤を、次の化学式3
Figure 2009203325
に示すチバ・ケミカル・スペシャリティ株式会社製“IRGANOX”(登録商標)1010(ヒンダードフェノール系化合物 融点110℃)とし、ヒンダードフェノール構造を実施例1と同量とするために、添加量を0.05mol%(0.7重量%)としたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
得られた樹脂組成物の溶融粘度は85Pa・s(230℃、1216sec―1)であり、島成分であるナイロン6の平均分散径は610nmであり、添加剤によるポリマー特性への影響は見られなかった。この樹脂組成物の分解ガス成分を分析したが、酢酸量が19.8mg/kg、プロピオン酸量が8.3mg/kgと抑制効果があるものの、合格レベルには到達せず、臭気評価(ニオイセンサー数値:737)についても95%と若干の低下となり、分解および臭気の抑制効果において、本発明の実施例1には到底及ばない結果であった。
この比較例2で用いたヒンダードフェノール構造のみの添加剤は、発生した有機ラジカルの連鎖反応を停止あるいは抑制する機能を有しているため、未添加(参考例1)に比べ分解ガスの発生は若干抑制されたが、有機ラジカルそのものの発生を抑制する機能、あるいは生成した有機過酸化物の還元機能を持たないため、その効果は本発明である実施例1に比較して、効果が低くなったものと推察される。結果を表2に示す。
(比較例3)
添加剤として、比較例1で用いたリン系化合物と比較例2で用いたヒンダードフェノール系化合物を併用し、リン系化合物が0.13mol%(0.7重量%)、ヒンダードフェノール系化合物が0.05mol%(0.6重量%)として添加したこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
得られた樹脂組成物の溶融粘度は86Pa・s(230℃、1216sec―1)であり、島成分であるナイロン6の平均分散径は698nmであり、リン系化合物添加に起因する島成分の拡大見られた。この樹脂組成物の分解ガス成分を分析したが、酢酸量が22.7mg/kg、プロピオン酸量が7.3mg/kgであり、プロピオン酸に関しては合格レベルであったが、酢酸で基準を上回る結果であった。臭気評価(ニオイセンサー数値:629)についても81%と若干基準を上回るものであり、結果的にガス分析および臭気評価において不合格となった。
この比較例3では、ヒンダードフェノール系化合物とリン酸系化合物を独立した分子として用いたが、それらの構造を同一分子内に持たないため、その相乗効果を発揮することはできず、急速に進行するラジカル連鎖反応を抑制する効果が低くなったものであり、本発明の実施例1に比較して、劣ったものとなったと推察する。結果を表2に示す。
Figure 2009203325
・添加剤A:チバ・ケミカル・スペシャリティ株式会社製“IRGAMOD”(登録商標)295 化学式1
・添加剤B:アデカ株式会社製アデカスタブAX−71 化学式2(リン系化合物)
・添加剤C:チバ・ケミカル・スペシャリティ株式会社製“IRGANOX”(登録商標)1010 化学式3(ヒンダードフェノール系化合物)
[分解ガス成分・評価]:合格○ 不合格× [臭気評価]:合格○ 不合格×
[実施例2〜4]
分解抑制剤の添加量を0.01mol%(0.05重量%)、0.03mol%(0.1重量%)、1.0mol%(4重量%)としたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。得られた樹脂組成物のポリマー特性、分解ガス発生量および臭気評価の結果を、表3に示す。
分解抑制剤添加量の増加に伴い、分解ガス発生量および臭気評価は良好なり、0.01mol%添加においても酢酸量が14.5mg/kg、プロピオン酸量が6.8mg/kgであり、参考例1と比較して、50%程度抑制されており、臭気評価についても76%と合格レベルであった。また、1.0mol%添加については、更に酢酸量10.1mg/kg、プロピオン酸量4.4mg/kgと低下し、臭気評価では48%と大幅に臭気が抑制されたものであった。
[実施例5]
ナイロン6とポリ乳酸の混練比率を20重量%と80重量%とし、分解抑制剤を0.13mol%(0.5重量%)したこと以外は、全て実施例1に従って実施した。
このようにして得られた樹脂組成物の分解ガス中の成分は、酢酸が13.5mg/kg、プロピオン酸が5.8mg/kgであり、実施例1と同様に低い値を示した。また、臭気評価においても65%と合格レベルに到達するものであり、ポリ乳酸量リッチの樹脂組成物においても有効であることがわかった。結果を表3に示す。
[実施例6]
ナイロン6とポリ乳酸の混練比率を60重量%と40重量%とし、分解抑制剤を0.13mol%(0.5重量%)したこと以外は、全て実施例1に従って実施した。
得られた樹脂組成物は実施例1と比較して海島成分が逆転しており、海成分がナイロン6となっていた。この樹脂組成物の分解ガス中の成分は酢酸量が12.1mg/kg、プロピオン酸量が4.8mg/kgであり、実施例1同様に低い値を示した。また、臭気評価についても56%と合格レベルに到達するものであり、ナイロン6リッチの樹脂組成物においても有効であることがわかった。結果を表3に示す。
Figure 2009203325
・添加剤A:チバ・ケミカル・スペシャリティ株式会社製“IRGAMOD”(登録商標)295 化学式1
[分解ガス成分・評価]:合格○ 不合格× [臭気評価]:合格○ 不合格×
(参考例4)
参考例1で作成したペレットを用いて、紡糸温度240℃で溶融紡糸を行った。単孔吐出量0.85g/分となるように計量し、0.35mmφ(L/D=2.0)−36ホールの口金から吐出した(吐出までの滞留時間:25分間)。溶融吐出された樹脂を冷却固化し、油剤を付着後紡糸速度1350m/分で巻き取った。得られた未延伸糸を、第1ホットローラーの温度を90℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸倍率2.1倍で延伸熱処理し、得られた延伸糸の力学特性を測定したところ、強度が1.7cN/dtexであった。得られた延伸糸の繊維断面に見られる島成分平均径は100nmであり、島成分が微細化した海島型複合繊維が得られていた。
分解ガス発生量の目安として、口金直下の臭気を臭気評価に用いたニオイセンサー(理研計器株式会社製ポータブルモニターOD−85)を用い評価したところ、表示される数値は854であった。また、前述した条件で24時間連続的に紡糸した後紡糸を終了し、溶融紡糸機を冷却した後再度加熱昇温し、解体して紡糸機の配管および計量部を確認したところ、特に配管の繋ぎ目および計量部の軸部で広範囲にわたり金属腐食が確認された。
[実施例7]
実施例1で作成したペレットを用いたこと以外は、全て参考例4に従い実施した。得られた延伸糸の力学特性を測定したところ、強度が2cN/dtex以上であり、参考例4と比較して若干強度が増加するものであった。得られた延伸糸の繊維断面に見られる島成分平均径は100nmであり、参考例4同様、島成分が微細化した海島型複合繊維が得られていた。
参考例2と同様に紡糸口金直下の臭気を評価したところ、ニオイセンサーの表示値は555であり、35%も臭気が抑制されたものであった。また、24時間連続して紡糸し、終了後溶融紡糸機を冷却した後再度加熱昇温し、解体して紡糸機の配管および計量部を確認したところ、配管および計量部では金属腐食がほとんど見られなかった。
(比較例4〜6)
比較例1〜3で作成したペレットを用いたこと以外は、全て参考例2に従い実施した。参考例2と同様に紡糸口金直下の臭気を評価したところ、リン系化合物を用いた比較例4ではニオイセンサーの表示値は982であり、逆に臭気が15%増加し、比較例5および6ではニオイセンサーの表示値が794と768と若干の抑制効果が見られるものの、ほとんど効果が見られないものであった。紡糸機の腐食に関しては、ほとんど参考例2と変わらないものであり、本発明の樹脂組成物の効果には遠く及ばないものであった。

Claims (6)

  1. ポリアミドとポリ乳酸および分解抑制剤を含む樹脂組成物であって、該分解抑制剤の分子構造が1分子内にリン原子とヒンダードフェノール構造を同時に含む構造のものであり、該分解抑制剤が樹脂組成物全体に対して0.01〜1mol%添加されていることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 樹脂組成物全体に対して、ポリアミドの含有量が10〜90重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリアミドとポリ乳酸が海島構造を形成し、この海島構造の島成分の平均分散径が10〜1000nmであることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の樹脂組成物からなる繊維。
  5. 請求項4記載の繊維からなる繊維構造体。
  6. 請求項1から3のいずれか1項記載の樹脂組成物を溶融紡糸することを特徴とする繊維の製造方法。
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