JP2009203156A - オゾンを安全に取扱うためのプロセス制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己分解性があり、熱や衝撃、あるいは金属との触媒作用により容易に分解し爆発するオゾンを含む流体を、気相と液相の相変化を伴うプロセスにおいても安定して取り扱うことができる制御方法を提供すること。
【解決手段】予混合槽4内において、キセノン、トリフルオロメタンなどの少なくとも1種の高沸点不活性ガスと、テトラフルオロメタン、クリプトンなどの少なくとも1種の低沸点不活性ガスとをオゾンに混合し、オゾン混合流体とすることによって、予混合槽4の下流における相変化を伴うプロセス5において、オゾンを安全に取扱うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、オゾンを含む流体を、液化、気化、蒸留、固液分離などの相変化を伴うプロセスにおいて安全に取り扱うためのプロセス制御方法に関する。
オゾンには自己分解性があり、熱や衝撃あるいは金属との触媒作用により容易に分解し爆発する。そこで、オゾンを含む流体を使用するプロセスを安定して操作するためには、オゾンが爆発下限界以下の濃度となるよう他の流体で希釈したり、オゾンの分解反応に対して触媒作用のある物質との接触を避ける必要がある。
例えば、オゾン−酸素系におけるオゾンの爆発下限界は、G.A.Cookらによると、ガス状態においては14vol%、液体状態においては17.6mol%である(表1、表2参照)。
Figure 2009203156
Figure 2009203156
オゾンを安全に取扱うための従来技術として、例えば米国特許第3400024号明細書には、オゾン−酸素混合ガスにテトラクロロメタン(CF)などの不活性ガスをモル比で5%添加することにより、オゾンの爆発下限界濃度を14.3vol%から19vol%まで引き上げられること、−180℃におけるオゾン−酸素混合液に対し、テトラフルオロメタンを少なくとも重量比で約1%混合することで、オゾン混合液の部分分解を抑制し安定化できることが開示されている。
米国特許第3406117号明細書には、オゾン−酸素混合液にトリフルオロメタン(CHF)を重量比で1〜15%程度混合することにより、オゾン濃度が24〜40wt%の安定した均一のオゾン混合液になることが開示されている。
特許第3919988号公報には、液体オゾンを製造する装置で冷凍機の温度制御が困難になった場合に、液化容器内に液体窒素を供給して容器を冷却することにより、液体オゾンの温度上昇を防ぎ、装置の爆発を防止する方法の発明が開示されている。
特開2005−40668号公報には、オゾンの光化学反応において、反応に影響を及ぼさないクリプトン、キセノン及びラドンの少なくともいずれか一種の希ガスをオゾンに混合して、オゾンの安定性を保つという発明が開示されている。
上記のオゾン−酸素−テトラフルオロメタン混合ガスは、オゾン−酸素混合ガスの爆発下限界濃度である14vol%に対し、19vol%まで爆発下限界を上げられることを示している。
従来の方法は、いずれもオゾン−酸素混合流体あるいはオゾンに1種類のガスを添加して、特定の温度範囲内においてオゾン混合物の爆発抑制効果を上げる方法である。
しかし、気相と液相が生じる単位操作、例えば、熱交換により混合ガスの一部が液化したり、気液分離、蒸留など、局所的に相変化が生じるプロセスにおいて、オゾンの安全性を高めることに言及した従来技術はなかった。
G.A.Cook, E.Spadinger, A.D.Kiffer and C.V.Klumpp (Linde Air Products Co.):"Explosion limits of ozone−oxygen mixtures",Industrial and Engineering Chemistry,48(4)736−741(1956)
米国特許3400024号明細書 米国特許3406117号明細書 特許第3919988号公報 特開2005−40668号公報
本発明の課題は、オゾンを含む流体を取り扱う種々のプロセスにおいて、気相と液相が生じる単位操作、例えば、液化、気化、気液分離、蒸留などの局所的に相変化が生じても、オゾンを含む流体の安全性を高めてオゾンの爆発を防止できるようにすることにある。
本発明のプロセス制御方法においては、例えば、オゾンを含む流体を用いる相変化を伴う単位操作において、オゾンを含む流体に、オゾンの沸点よりも沸点が高く、かつ、オゾンの沸点よりも融点が低い不活性ガス(以下、「高沸点不活性ガス」という。)と、オゾンの沸点よりも低い沸点を有する不活性ガス(以下、「低沸点不活性ガス」という。)の2種類の不活性ガスを混合することにより、オゾンを安全に且つ大量に取扱うことを可能にしたものである。
気相、液相の両相においてオゾンが爆発下限界以下の濃度になるように予め、2種の不活性ガスを混合することにより、蒸留のように気相と液相の相変化を伴うプロセスにおいても、オゾンを安全に、かつ大量に取り扱うことができる。
本発明に適した高沸点不活性ガスには、キセノン(Xe)、トリフルオロメタン(CHF)、ブロモトリフルオロメタン(CBrF)、ジクロロフルオロメタン(CHClF)、クロロジフルオロメタン(CHClF)、ジクロロジフルオロメタン(CCl)、クロロトリフルオロメタン(CClF)のいずれか1種または2種以上が用いられる。
低沸点不活性ガスには、テトラフルオロメタン(CF)、クリプトン、アルゴンのいずれか1種または2種以上が用いられる。
表3に、オゾン、酸素、本発明に用いられる高沸点不活性ガス、低沸点不活性ガスの圧力101.3kPaにおける沸点と融点を示す(出典:日本機械学会編「技術資料 流体の熱物性集」(1983))。
Figure 2009203156
オゾンの爆発下限界の濃度は、使用する条件において実測することが望ましいが計算により求めることも可能である。オゾンと不活性ガスとの混合ガスの比熱から、爆発下限界を求める方法を示す。
例えば、オゾンの分解反応熱が、全てガスの温度上昇に転化し、ある温度閾値を超えたところで爆発し始めると仮定して、爆発下限界を求めた場合を表4に示す。なお、オゾン−酸素系ガス、オゾン−キセノン系ガス、およびオゾン−アルゴン系ガスについては文献データがあり、この方法による推算値とほぼ一致する。
Figure 2009203156
表4に示したのは、ガス状態におけるオゾン混合ガスの爆発下限界である。液体状態においては、気体状態のときに比べ爆発の際に蒸発潜熱分だけ熱量が必要になるため、液体の爆発下限界は、ガスのそれよりも上がると考えられる。
よって、混合するガスの割合は、ガス状態における爆発下限界を基準として考える方が安全上望ましい。
このようなオゾン混合物は、温度・圧力変化を伴うプロセスにおいて、局所的に相変化を生じたとしても、その気相においては、オゾンより沸点の低い低沸点不活性ガスが、オゾンより優先的に気化するため、気相においてオゾンが爆発下限界以上の濃度になることを防止する。
一方、液相においては、オゾンが気化する条件においても、高沸点不活性ガスが液相に多く残るため、液相中のオゾンを爆発下限界以下の濃度に保つことができる。
これらの高沸点不活性ガス、低沸点不活性ガスの混合割合は、組み合わせる高沸点成分と低沸点成分の爆発下限界を考慮して決める。
本発明においてオゾンを希釈する不活性ガスは、希ガスや含ハロゲン化合物などの自己分解性やオゾンとの反応性がないものが使用できる。しかし、含ハロゲン化合物の多くは、地球温暖化係数が高く国際的に地球温暖化ガスとして削減対象になっており、使用の際の制約も多いので、キセノンなどの希ガスを用いることが好ましい。
本発明によれば、オゾンを含む流体を液体から気体までの幅広い温度範囲で操作するプロセスにおいて、その各所で流体中のオゾンを濃縮させることなく、オゾンを爆発下限界以下の濃度に保つことができ、相変化を伴うプロセスにおいてオゾンを含む流体を安全に取扱うことが可能となる。
本発明のプロセス制御方法の一例を説明する概略構成図である。 オゾン、高沸点不活性ガス、低沸点不活性ガスの温度変化と飽和蒸気圧力の関係を示すグラフである。 オゾンにキセノンとテトラフルオロメタンを混合した流体を液化するときの液相中の濃度組成図である。 オゾンにキセノンとテトラフルオロメタンを混合した流体を液化するときの気相中の濃度組成図である。 オゾンにトリフルオロメタンとテトラフルオロメタンを混合した流体をガス化するときの液相中の濃度組成図である。 オゾンにトリフルオロメタンとテトラフルオロメタンを混合した流体をガス化するときのトリフルオロメタンがオゾンの液相中の濃度に与える影響を示した図である。 オゾンにトリフルオロメタンとテトラフルオロメタンを混合した流体をガス化するときのガス化速度がオゾンの液相中の濃度に与える影響を示した図である。 本発明のプロセス制御方法の他の例を説明する概略構成図である。 実施例3での受液槽のオゾン濃度変化を示すグラフである。
本発明のプロセス制御方法の一具体例を図1を用いて説明する。
酸素をオゾナイザー1に導入してオゾン−酸素混合ガスを発生させる。高沸点不活性ガス供給源2からの高沸点不活性化ガスと、低沸点不活性ガス供給源3からの低沸点不活性ガスとを予混合槽4に導入し、ついでオゾナイザー1で発生させたオゾン・酸素混合ガスを導入して、オゾン混合流体を製造する。
このとき、高沸点不活性ガスと低沸点不活性ガスの導入量は、オゾンの導入量と、各不活性ガスとの組合せによる爆発下限界に応じて決める。
高沸点不活性化ガスは、オゾンが気相において爆発下限界に達しない量以上となるように、また、低沸点不活性化ガスは、オゾンが液相において爆発下限界に達しない量以上となるように導入する。各不活性ガスを1種以上使用するときには、その多成分系での爆発下限界がわかっていることが望ましいが、使用する不活性ガスのうち、もっとも低い爆発下限界に合わせれば、より安全である。
ここで、予混合槽4の下流のプロセス5が蒸留などであって、少なくともその一部をプロセス5に液体状態で導入することが必要な場合には、予混合槽4の温度を予め90〜161Kに調整しておき、各不活性ガス及びオゾン・酸素ガスを導入し、オゾン混合流体を液化すると良い。
オゾナイザー1により発生させたオゾン−酸素混合ガス中には、未反応物の酸素が残っており、プロセス5において、この未反応の酸素が不純物として問題となる場合には、例示した高沸点不活性ガスや低沸点不活性ガスよりも比較的蒸気圧が大きい酸素の物性(図2に示した温度変化に伴う飽和蒸気圧力変化のグラフ参照)を利用して、予混合槽4内を酸素の沸点90K以上の温度に調整し、真空ポンプ6を用いて予混合槽4内の気相部分を強制的に脱気することにより、ある程度の酸素をオゾン混合流体から取り去ることができる。
プロセス5から排出されるオゾンを含む流体はオゾン除害設備7を通じて無害化したのち、系外に排気される。
低沸点不活性ガスとしてテトラフルオロメタンを、高沸点不活性ガスとしてキセノンを用いる場合には、オゾン混合流体の温度を下げすぎると、液体中で、オゾンと不活性ガスとが液液分離、あるいは固液分離する可能性がある。したがって、低沸点不活性ガスにテトラフルオロメタンを用いる場合には、プロセス5は、オゾンとテトラフルオロメタンとが液液分離しない103K以上の温度で実施することが望ましい。
同様に、高沸点不活性ガスにキセノンを用いる場合には、オゾンとキセノンの固液分離を防ぐために、キセノンの融点である161.35K以上の温度でプロセス5を実施することが望ましい。
(実施例1)
(液化させる場合)
図1において、高沸点不活性化ガスにキセノン(Xe)、低沸点不活性ガスにテトラフルオロメタン(CF)を用いた場合の例を示す。
流体はCF−O−Xe系となる。この流体の組成を(CF=0.977、O=0.013、Xe=0.01)として、1モルの流体をバッチ処理においてガス状態から液化させた場合の各成分の液相での濃度変化を図3に示す。
当該3成分系について、ラウール則を用いて気液平衡を計算し、シミュレーションを行った。ラウール則による各組成の推算値は経験的に10%程度(大きくても20%程度)の誤差があるが、各成分の濃度変化の傾向は把握可能である。
液化条件は、温度一定(90K)、液化速度はある一定値とした。横軸は、当該流体の液化量であり、時間に相当する。すなわち、液化量0を超えたところから液化が始まり、時間経過とともに液化が進むとする。また、縦軸は、気液界面における液相の各成分濃度とした。図3から分かるように、液化初期において、液相のオゾン(O)濃度が最大となる(O=0.10、Xe=0.12、残りCF)。
図4は、同様の条件における気相の各成分濃度の変化を示したものである。図4において、テトラフルオロメタン(CF)に比べて沸点の高いオゾン(O)とキセノン(Xe)の各気相濃度が減少する。これにより、時間とともに液相オゾン濃度が減少して行くことがわかる。
なお、液化量がゼロから増加していく間、気相、液相のオゾン濃度は、常に爆発下限界濃度以下の値であり、安全性が保たれている。
次に、同様の条件で、高沸点不活性化ガス(Xe)を添加しない条件でシミュレーションを行った。初期組成を(CF=0.987、O=0.013,Xe=なし)とした場合、液化初期の液相オゾン濃度は0.13という結果が得られた。高沸点不活性化ガスであるキセノンを、わずかモル濃度0.01添加しただけで、0.03ポイントのオゾン濃度の違いとなる。このことからキセノン添加の効果が分かる。
このように液化させる場合は、液化初期において液相のオゾン濃度が最大となるため、液相組成が爆発範囲入らないように、流体の組成を決めればよいことがわかる。
(実施例2)
(ガス化させる場合)
図1において、高沸点不活性化ガスにトリフルオロメタン(CHF)、低沸点不活性ガスにテトラフルオロメタン(CF)を用いた場合の例を示す。流体はCF−O−CHF系となる。この流体の組成を(CF=0.80、O=0.10、CHF=0.10)として1モルのものを液体状態からガス化させた場合の各成分の濃度変化を図5に示す。
シミュレーションの方法および横軸の定義は実施例1と同じとした。ガス化条件は、温度一定(120K)、ガス化速度はある一定値とした。また、本シュミレーションにおいては、液体は十分に混合されていると仮定した。
図5から、ガス化量が0から増加していく間、時間とともに残った液体中のオゾン濃度が上昇して行くことがわかる。このとき、オゾンの気相濃度は、ガス化の全過程において液相濃度よりも小さかった。そこで、添加するトリフルオロメタンの濃度の影響をみるために、トリフルオロメタンの濃度を変化させた場合の液相中のオゾンの濃度変化をシミュレーションしたのが図6である。トリフルオロメタンの添加によって液相中のオゾン濃度の上昇が抑制されることが分かる。
次に、ガス化させる速度が液相中のオゾン濃度に与える影響を示す。
図7は、ガス化の速度を図5のシミュレーションの条件の1/4にした場合の液相中のオゾン濃度の変化を示したものである。破線で示したラインが、より緩やかにガス化させる場合に相当する。図7から、緩やかにガス化させる場合の方が、液相中のオゾン濃度の上昇が抑制されることが分かる。
図8は、この発明のプロセス制御方法を、酸素同位体17Oの濃縮プロセスに適用した場合の一例を示すものである。
この例では、低沸点不活性ガスとしてテトラフルオロメタン(CF)を、高沸点不活性ガスとしてクロロトリフルオロメタン(CClF)を用いた形態により説明する。
酸素ガスが管11からオゾナイザー12に導入され、例えば無声放電によって、その一部がオゾンガスに変換される。オゾンと酸素との混合ガスには、管13からのテトラフルオロメタンが添加されたのち、熱交換器14に送られ、冷却されて第1蒸留塔15に送られる。第1蒸留塔15では、酸素ガスがその塔頂から排出され、塔底にはオゾンとテトラフルオロメタンとの混合液体が溜まる。この混合液体中のオゾン濃度は通常10容量%程度、テトラフルオロメタン濃度は90容量%程度である。
第1蒸留塔15の下部からオゾンとテトラフルオロメタンとの混合ガスが抜き出され、光セル16に送られる。光セル16では特定波長のレーザ光が照射され、17Oを含むオゾンが選択的に光分解され、17Oを含む酸素ガスとなる。
光セル16から導出されたオゾンと酸素とテトラフルオロメタンとの混合ガスは、熱交換器17に送られて冷却され、第2蒸留塔18に導入される。
第2蒸留塔18では、その塔頂から17Oを含む酸素ガスが導出され、17Oが濃縮された酸素ガスが得られ、その塔底からはオゾンとテトラフルオロメタンとの混合ガスが導出される。オゾンとテトラフルオロメタンとの混合ガスは、別途処理される。
この17O濃縮工程において、停電などが発生した場合には、第1蒸留塔15の塔底に溜まっているオゾンとテトラフルオロメタンとの混合液体を緊急開放弁19を開放してその全量を受液槽20に流下させる。
受液槽20には、温度150K程度に保った液化クロロトリフルオロメタンガスが予め貯留されている。受液槽20に流下したオゾンとテトラフルオロメタンとの混合液化ガスは液化クロロトリフルオロメタンガスと混合し、三成分の混合液となって貯留される。
この三成分の混合液中のオゾン濃度は通常5容量%程度、テトラフルオロメタン濃度は45容量%程度、クロロトリフルオロメタン濃度は、50容量%程度とされる。
この停電の場合には、侵入熱によって、受液槽20内の混合液の温度を140K以下に保つことができなる事態が生じ、液化ガスの蒸発量が増加する。
しかし、テトラフルオロメタンとオゾンとの混合ガスが優先的に気化するので、液相および気相においてオゾンが濃縮してその爆発下限値を越えることはない。
気化したガスはオゾン分解槽(図示略)を経て大気放出される。
(実施例3)
図8に示す装置において、受液槽20として、容量約300リットルで内部にクロロトリフルオロメタン約100リットルを140Kに保って貯留したものを用いた。
停電時を想定して、第1蒸留塔15の塔底に溜まっているオゾンとテトラフルオロメタンとの混合液体約100リットルを緊急開放弁19を開放して受液槽20に流下させた。第1蒸留塔15塔底から流下した混合液体中のオゾン濃度は10容量%、テトラフルオロメタン濃度は90容量%であった。
受液槽20は、その温度が侵入熱により徐々に上昇したが、液相および気相においてオゾンが濃縮してその爆発下限値を越えることはなかった。
この処置に際して、受液槽20中の液相のオゾン濃度を連続的に測定した結果を図9に示す。
図9に示すように、受液槽20中のオゾン濃度は、初期状態でクロロトリフルオロメタンにより希釈されるうえに、テトラフルオロメタンの蒸発によるオゾン濃縮もわずかである。
図9には、従来方法である第1蒸留塔15の塔底に溜まった液体をそのまま排出した場合の液相中のオゾン濃度の推定結果を併せて示した。この結果から、オゾン−テトラフルオロメタン混合ガスの爆発下限に突入していることがわかり、クロロトリフルオロメタンを使用した効果が明らかである。
1・・オゾナイザー、4・・予混合槽、5・・オゾンを使用するプロセス、6・・真空ポンプ、7・・オゾン除害装置

Claims (4)

  1. オゾンを含む流体を用いる気相と液相の相変化を伴うプロセスにおいて、オゾンより沸点が高く、かつオゾンの沸点より融点が低い不活性ガスのうち少なくとも1種の高沸点不活性ガスと、オゾンより沸点が低い不活性ガスのうち少なくとも1種の低沸点不活性ガスとをオゾンを含む流体に混合することにより、オゾンが爆発限界以上の濃度になることを防止することを特徴とするオゾンを安全に取り扱うためのプロセス制御方法。
  2. 前記高沸点不活性ガスが、キセノン(Xe)、トリフルオロメタン(CHF)、ブロモトリフルオロメタン(CBrF)、ジクロロフルオロメタン(CHClF)、クロロジフルオロメタン(CHClF)、ジクロロジフルオロメタン(CCl)、クロロトリフルオロメタン(CClF)のいずれかである請求項1記載のプロセス制御方法。
  3. 前記低沸点不活性ガスが、テトラフルオロメタン(CF)、クリプトン(Kr)、アルゴン(Ar)のいずれかである請求項1記載のプロセス制御方法。
  4. 前記高沸点不活性ガスと前記低沸点不活性ガスとを、予混合槽内において混合させてから、該予混合槽内にオゾンを供給し、これを液化させることで、常にオゾンを爆発下限界以下の濃度に保つ請求項1ないし3のいずれかに記載のプロセス制御方法。
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