JP2009202918A - 梱包構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器部材形成用フィルムが巻回された巻回体における端面の保持性に優れ、輸送時の衝撃等による端面ずれを抑制できると共に、巻回体の取り扱い性及び梱包性に優れる梱包構造体を提供する。
【解決手段】本梱包構造体1は、基台2と、基台2に着脱自在に設けられる蓋体3とを備え、巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体を収納するものであって、
梱包構造体1内には、基台2に互いに対向して設けられ且つ巻回体における巻芯の端部を支持する一対の受け部21と、受け部21に着脱自在に設けられており、受け部21との間で巻芯の端部を挟持するクランプ具22と、巻芯の周面側から巻芯に着脱自在に構成されており、電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧して固定する固定バンドとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、梱包構造体に関する。更に詳しくは、本発明は、電子機器部材形成用フィルムが巻回された巻回体における端面の保持性に優れ、輸送時の衝撃等による端面ずれを抑制できると共に、巻回体の取り扱い性及び梱包性に優れる梱包構造体に関する。
従来より、プラズマディスプレイパネル等の電子機器における、誘電体層、電極、隔壁、蛍光体、抵抗体、カラーフィルタ、ブラックマトリックス等の構成部材を形成するために、長尺帯状の転写フィルムが用いられている。
このような転写フィルムは、例えば、プラスチック製の支持フィルム上にペースト状の材料層が形成されてなり、通常、円筒状等の巻芯に巻き付けられて巻回体とされ、更に梱包箱に収納した状態で輸送されている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
しかしながら、電子機器部材形成用の転写フィルムにおいては、ペースト層の膜厚形状等を保護する必要から、巻芯にきつく巻回することができないため、輸送時の衝撃等による端面ずれの不具合が生じ易く、前記特許文献1及び2等を含む従来の梱包箱では、巻回されたフィルムの端面ずれを確実に防止できていないのが現状である。この端面ずれは、ペースト層に損傷を与えることがあり、プラズマディスプレイパネル等の最終製品における形状や性能に悪影響を及ぼすおそれがあるため、問題となっている。
そのため、本発明者らは、電子機器部材形成用フィルムが巻回された巻回体における端面の保持性に優れ、輸送時の衝撃等による端面ずれを抑制できる梱包材として、特許文献3及び4を既に出願している。
特開平11−310238号公報 特開平11−130062号公報 特開2006−327659号公報 特開2006−327660号公報
前述の巻回体は衝撃に強いものではなく、巻回されているフィルムは高価なものであるため、梱包された状態から巻回体を取り出してクリーンルーム内に搬送したり、保管庫に移動させたり、装置にセットしたりする際においては、取り扱いに十分な注意が必要となる。そのため、巻回体における端面の保持性に優れ、輸送時の衝撃等による端面ずれを抑制できると共に、梱包材から巻回体の取り出す際等における取り扱い性に優れる梱包材が求められている。更には、より簡便に巻回体を梱包可能な梱包材が求められているのが現状である。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、電子機器部材形成用フィルムが巻回された巻回体における端面の保持性に優れ、輸送時の衝撃等による端面ずれを抑制できると共に、巻回体の取り扱い性及び梱包性に優れる梱包構造体を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
[1]基台と、該基台に着脱自在に設けられる蓋体と、を備え、巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体を収納する梱包構造体であって、前記梱包構造体内には、(a)前記基台に互いに対向して設けられ且つ前記巻回体における前記巻芯の端部を支持する一対の受け部と、(b)前記受け部に着脱自在に設けられており、該受け部との間で該巻芯の端部を挟持するクランプ具と、(c)前記巻芯に該巻芯の周面側から着脱自在に構成されており、前記電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧して固定する固定バンドと、を備えており、前記一対の受け部における互いの対向面には、搬送機の支持部を所定位置に誘導するためのガイド部が設けられており、該ガイド部によって、前記支持部が、前記固定バンドが配設された状態で収納される前記巻回体における両端側の該固定バンド若しくは前記巻芯の下方側に誘導されることを特徴とする梱包構造体。
[2]前記固定バンドは、(c1)前記巻芯の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第1バンド部と、(c2)前記巻芯の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第2バンド部と、(c3)前記第1バンド部及び前記第2バンド部を連結するヒンジ部と、(c4)前記第1バンド部及び前記第2バンド部の端部同士を接続する掛着機構と、(c5)前記第1バンド部に形成され且つ前記電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧する板状の鍔部と、を備える前記[1]に記載の梱包構造体。
[3]更に、収納される前記巻回体を保護するための保護シートを備える前記[1]又は[2]に記載の梱包構造体。
[4]前記保護シートが遮光シートである前記[3]に記載の梱包構造体。
[5]巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体が収納されている前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の梱包構造体。
[6]巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体が収納されており、且つ前記巻回体は前記固定バンドが配設された状態で、前記巻芯を軸としてその周囲に巻回された保護シートによって被覆されている前記[3]又は[4]に記載の梱包構造体。
本発明の梱包構造体によれば、巻回体が収納された状態で、受け部及びクランプ具によって巻回体の巻芯の端部が挟持されると共に、鍔部を有する固定バンドによって巻回された電子機器部材形成用フィルムの端面が押圧固定される。これにより、輸送時の衝撃などにより、巻回された電子機器部材形成用フィルムの端面がずれることを抑制できる。更には、固定バンドが配設された巻芯と基台との間には、搬送機の支持部を挿入可能な空間が存在するため、基台に巻回体が収納された状態から、固定バンドや巻芯の下方側から巻回体を前記支持部により支持することが可能であり、クリーンルーム内への搬送、保管庫への移動、装置へのセットを容易に行うことができる。
また、前記受け部にガイド部が設けられているため、巻回体を搬送するための搬送機の支持部を所定位置(巻回体における電子機器部材形成用フィルムの両端面側に配設された固定バンド若しくは両端側の巻芯の下方側)へ容易に誘導することができる。このため、巻回体を保持する際に、巻回体におけるフィルムの破損を十分に抑制することができる。
更に、遮光シート等の保護シートを備えている場合には、この保護シートより巻回体を被覆して収納することにより、巻回されている電子機器部材形成用フィルムへの埃等の異物の付着を十分に抑制することができる。
また、巻回体が収納された梱包構造体によれば、巻回体における電子機器部材形成用フィルムが、輸送時の衝撃等から十分に保護され、端面ずれの発生を抑制することができる。
更に、固定バンドが配設された状態の巻回体が、巻芯を軸としてその周囲に巻回された保護シートによって被覆されて収納されている場合には、巻回体を所定の装置にセットした際に、巻芯の両端が支持された状態でも容易に取り外すことができる。更には、取り外しの際には、封止シールを剥がすだけでよく、カッター等を用いた裁断による切り屑等をクリーンルーム内に発生させる心配がない。
1.梱包構造体
本発明における梱包構造体は、巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体を収納するためのものであり、基台と、この基台に着脱自在に設けられる蓋体とを備えており、この梱包構造体内には、基台に互いに対向して設けられ且つ巻回体における巻芯の端部を支持する一対の受け部と、この受け部に着脱自在に設けられており、受け部との間で巻芯の端部を挟持するクランプ具と、巻芯にこの巻芯の周面側から着脱自在に構成されており、電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧して固定する固定バンドと、を備えている。
前記「巻回体」は、巻芯と、この巻芯に巻回される電子機器部材形成用フィルムと、を備えている。尚、電子機器部材形成用フィルムについては、後に詳述する。
前記「巻芯」の形状としては、例えば、円筒形状、棒形状等が挙げられる。これらのなかでも、円筒形状であることが好ましい。
また、巻芯の寸法は、巻回される電子機器部材形成用フィルムの寸法により適宜調整される。
更に、この巻芯の材質としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニル(PVC)等の硬質樹脂等が挙げられる。
前記「基台」の形状、材質等は特に問わない。この基台の具体的な形状としては、例えば、平板状、上方を開放した箱状、トレー状等を挙げることができる。
前記「蓋体」は、前記基台に着脱自在に設けられる限り、その形状、材質等は特に問わない。この蓋体の具体的な形状としては、例えば、下方を開放した箱状、トレー状、平板状等を挙げることができる。
前記「受け部」は、前記基台に互いに対向して一対設けられ且つ前記巻回体の巻芯の端部を支持し得る限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。この受け部は、通常、前記巻芯の端部を支持する円孤状凹部を有している。この円弧状凹部の受け面(挟持面)には、例えば、ゴム板等の弾性部材を設けることができる。これにより、後述のクランプ具との間で前記巻回体の巻芯の端部をより確実に挟持できる。
尚、前記一対の受け部は、1組のみ設けられていてもよいし、2組以上設けられていてもよい。特に、一対の受け部が、その対向方向と直交する方向に2組以上(特に、2組)併設されていることが好ましい(図1参照)。
前記「クランプ具」は、前記受け部に着脱自在に設けられて受け部との間で巻芯の端部を挟持し得る限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。このクランプ具は、通常、前記受け部に支持された前記巻芯の端部を押える押え部材を有している。この押え部材の押え面(挟持面)に、例えば、ゴム板等の弾性部材を設けることができる。これにより、前記受け部との間で前記巻回体の巻芯の端部をより確実に挟持できる。
また、前記一対の受け部は、互いの距離を所定の間隔とすることができるように、前記基台に位置調節可能に設けることができる。これにより、前記巻回体に巻回されるフィルムの幅や巻芯の長さが異なる巻回体であっても確実に収納することができる。
更に、前記一対の受け部における互いの対向面には、収納された状態の前記巻回体を搬送する際に用いられる搬送機の支持部(例えば、フォークリフト等のリフト部等)を所定位置に誘導するためのガイド部が設けられている。このガイド部によって、前記支持部が、後述する固定バンドが配設された状態で収納される巻回体における両端側の固定バンド若しくは巻芯の下方側に誘導される。
前記ガイド部は、例えば、搬送機の支持部の差し込み度合いを調整するためのガイド部と、搬送機の支持部の左右位置を調整するためのガイド部と、から構成されるものとすることができる。尚、このガイド部の構造、形状、材質等は特に問わない。
前記受け部及びクランプ具の取着形態としては、例えば、前記受け部及びクランプ具のうちの一方に設けられた、締付け力調整機能付きのクランプ冶具28の係合金具284を、他方に設けられた係合金具226に係合させる形態を挙げることができる(図4参照)。これにより、受け部及びクランプ具の間で巻回体の巻芯の端部をより確実に挟持できる。特に、前記受け部及びクランプ具の間に、荷重センサを有する擬似巻芯を挟持させて、そのクランプ荷重を計測しつつ前記クランプ冶具の締付け荷重を調整するようにすれば、最適なクランプ荷重(例えば、70〜80kgf等)での挟持を実現できる。
前記「固定バンド」は、前記巻回体における巻芯の周面側から巻芯に着脱自在に構成されており、この巻芯に巻回された前記電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧して固定するものである。
そして、この固定バンドとしては、前記巻芯の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第1バンド部と、巻芯の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第2バンド部と、第1バンド部及び第2バンド部を連結するヒンジ部と、第1バンド部及び第2バンド部の端部同士を接続する掛着機構と、第1バンド部に形成され且つ前記電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧する板状の鍔部と、を備えるものを用いることができる。
前記「掛着機構」の構成は、第1バンド部及び第2バンド部の端部同士を掛着により接続でき、固定バンドを巻芯に固定できる限り特に限定されない。具体的な掛着機構としては、例えば、第1バンド部の端部に形成され且つ弾性体により伸縮可能に構成された接続部と、第2バンド部の端部に形成された引掛け部とによって構成され、接続部を引掛け部に掛着することにより、各バンド部の端部同士を接続することができるものが挙げられる。尚、前記接続部が第2バンド部の端部に形成されており、前記引掛け部が第1バンド部の端部に形成されていてもよい。
前記「接続部」及び「引掛け部」の構成は、この接続部を引掛け部に掛着することにより、固定バンドを巻芯に固定できる限り特に限定されない。
前記接続部における弾性体としては、スプリング等が挙げられる。この弾性体により伸縮可能に構成されていることで、固定バンドを巻芯に確実に固定できる。
前記引掛け部は、接続部が掛着された際に弾性変形可能に構成されていることが好ましい。この場合、巻芯に固定バンドをより確実に固定することができる。
また、前記第1バンド部及び第2バンド部のうちの少なくとも一方の内周面には、滑り止め層を形成することができる。この場合、輸送時の衝撃等により固定バンドが巻芯からずれることを十分に防止できる。この滑り止め層の材質としては、例えば、ゴムなどの弾性材料等を用いることができる。
前記「板状の鍔部」は、巻回体におけるフィルムの端面を保護するためのものであり、その平面部によって電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧固定するものである。
鍔部の形状は、平面部によって電子機器部材形成用フィルムの端面を十分に押圧でき、且つ巻回体における巻芯の周面側から嵌め込み可能な切欠き部を有するものであれば特に限定されない。例えば、略円形状(楕円形状を含む)、矩形状等の平板に切欠き部が形成されたもの等を挙げることができる。また、切欠き部の形状は、例えば、略U字状、略門形状、略扇形状等とすることができる。
また、この鍔部には、固定バンドの使用時における向きが正しいいかどうかを認識できるように、上下左右等の向きが認識可能な凹凸部(図5、図6における凹凸部533参照)等が任意の位置に設けられていてもよい。これにより、収納される巻回体が遮光シート等の不透明な保護シートにより保護されていても、保護シートの上から触感により固定バンドの向きを認識することができる。
尚、上述の基台、蓋体、受け部、クランプ具及び固定バンドは、例えば、ステンレス鋼製とすることができる。このようにすることで、制電効果により前記巻回体を構成する電子機器部材形成用フィルムへの異物の付着を抑制できる。更には、巻回体を梱包構造体に収納したまま、クリーンルーム内にも持ち運んで、巻回体の装置への取付け作業等を行うことができる。
また、本発明における梱包構造体は、収納される前記巻回体を保護するための保護シートを備えるものとすることができる。
前記「保護シート」の材質は特に問わないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられる。また、この保護シートは、遮光シートとすることもできる。
また、本発明における梱包構造体は、前記巻回体を収容したものとすることができる。
例えば、前記梱包構造体内において、前記一対の受け台及び前記クランプ具の間に巻回体における巻芯の両端部が挟持されており、巻芯に巻回されている電子機器部材形成用フィルムの両端面が鍔部を有する前記固定バンドによって押圧固定されているものとすることができる。
また、この梱包構造体においては、両端における前記固定バンドにおける前記掛着機構が、梱包構造体の蓋体側(上側)となるように配設されたものとすることができる。これにより、巻回体を搬送する際、搬送機の支持部により巻回体に配設された固定バンド部を下方側から確実に支持することができると共に、掛着機構を破損したり、固定バンドが搬送中に外れてしまうことを抑制することができる。
また、この梱包構造体において、前記巻回体は固定バンドが配設された状態で、前記遮光シート等の保護シートによって被覆されているものとすることができる。
特に、前記巻回体は固定バンドが配設された状態で、巻芯を軸としてその周囲に巻回された遮光シート等の保護シートによって被覆されているものとすることができる。これにより、巻回体を装置にセットした際、容易に保護シートを外すことができる。
2.電子機器部材形成用フィルム
ここで、本発明の巻回体における「電子機器部材形成用フィルム」の詳細を説明する。
この電子機器部材形成用フィルムとしては、例えば、プラズマディスプレイパネル等における誘電体層、隔壁、電極、蛍光体、抵抗体、カラーフィルタ、ブラックマトリックス等の構成部材を形成するための材料として用いられる長尺帯状の転写フィルムが挙げられる。
前記転写フィルムとしては、例えば、支持フィルムと、この支持フィルムの表面に剥離可能に形成された膜形成材料層と、この膜形成材料層の表面に剥離容易に設けられたカバーフィルムとにより構成されたもの等が挙げられる。更には、支持フィルムと膜形成材料層との間にレジスト層が形成されたものや、支持フィルムと膜形成材料層の間及び膜形成材料層とカバーフィルムとの間に離型剤層が形成されたものを用いることもできる。
尚、前記カバーフィルムは、膜形成材料層の性質によっては形成されない場合がある。また、転写フィルムを巻回した巻回体の重量を削減させる必要がある場合においてもカバーフィルムが形成されないことがある。
前記支持フィルムは、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。この支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコータ、ブレードコータ等によって原料ガラスペーストを塗布することができ、膜形成材料層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。
前記支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレン等の含フッ素樹脂及びセルロース等を挙げることができる。
支持フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば、20〜100μmとすることができる。
前記カバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム及びポリビニルアルコール系フィルム等を挙げることができる。
前記膜形成材料層は、通常、無機粒子、結着樹脂及び溶剤を含有してなる無機粒子含有組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を前記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去することにより形成することができる。原料組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の大きい塗膜(例えば、20μm以上)を効率よく形成することができるものが好ましく、具体的には、ロールコータ、ブレードコータ、カーテンコータ及びワイヤーコータ等による塗布方法を挙げることができる。尚、原料組成物が塗布される支持フィルムの表面には、離型処理が施されていることが好ましい。この場合、ガラス基板への転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
前記原料組成物を構成する無機粒子における無機物質は特に限定されず、原料組成物により形成される焼結体の用途[プラズマディスプレイパネルの構成要素の種類(例えば、誘電体層、隔壁、電極、蛍光体、抵抗体、カラーフィルタ、ブラックマトリックス等)]に応じて適宜選択することができる。
用途が「誘電体層」又は「隔壁」である場合の原料組成物に含有される無機粒子としては、軟化点が400〜600℃の範囲内にあるガラス粉末を挙げることができる。このガラス粉末の軟化点が400℃未満である場合には、原料組成物による膜形成材料層の焼成工程において、結着樹脂等の有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉末が溶融してしまうため、形成される誘電体層中に有機物質の一部が残留し、この結果、誘電体層が着色されて、その光透過率が低下する傾向がある。一方、ガラス粉末の軟化点が600℃を超える場合には、600℃より高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪み等が発生しやすい。
前記ガラス粉末の好ましい具体例としては、(1)酸化鉛、酸化ホウ素及び酸化ケイ素の混合物(PbO−B−SiO系)、(2)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素の混合物(ZnO−B−SiO系)、(3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの混合物(PbO−B−SiO−Al系)、(4)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素の混合物(PbO−ZnO−B−SiO系)等を挙げることができる。これらのガラス粉末は、誘電体層及び隔壁以外の構成要素(例えば、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルタ、ブラックマトリックス)を形成するための原料組成物中に含有されていてもよい。
用途が「電極」である場合の原料組成物に含有される無機粒子としては、Ag、Au、Al、Ni、Ag−Pd合金、Cu、Cr等からなる金属粒子を挙げることができる。
用途が「抵抗体」である場合の原料組成物に含有される無機粒子としては、RuO等からなる粒子を挙げることができる。
用途が「蛍光体」である場合の原料組成物に含有される無機粒子としては、Y:Eu3+、YSiO:Eu3+、YAl12:Eu3+、YVO:Eu3+、(Y,Gd)BO:Eu3+、Zn(PO:Mn等の赤色用蛍光物質;ZnSiO:Mn、BaAl1219:Mn、BaMgAl1423:Mn、LaPO:(Ce,Tb)、Y(Al,Ga)12:Tb等の緑色用蛍光物質;YSiO:Ce、BaMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+、(Ca,Sr,Ba)10(POCl:Eu2+、(Zn,Cd)S:Ag等の青色用蛍光物質等からなる粒子を挙げることができる。
用途が「カラーフィルタ」である場合の原料組成物に含有される無機粒子としては、Fe、Pb等の赤色用物質、Cr等の緑色用物質、2(AlNaSi10)・Na等の青色用物質等からなる粒子を挙げることができる。
用途が「ブラックマトリックス」である場合の原料組成物に含有される無機粒子としては、Mn、Fe、Cr等からなる粒子を挙げることができる。
また、原料組成物を構成する前記結着樹脂は、アクリル樹脂であることが好ましい。この場合、形成される膜形成材料層には、ガラス基板に対する優れた加熱接着性が発揮される。従って、原料組成物を支持フィルム上に塗布して転写フィルムを製造する場合において、得られる転写フィルムは、膜形成材料層のガラス基板への転写性に優れたものとなる。このようなアクリル樹脂としては、適度な粘着性を有して無機粒子を結着させることができ、膜形成材料層の焼成処理温度(例えば、400℃〜600℃)によって完全に酸化除去される(共)重合体の中から選択されることが好ましい。
原料組成物を構成する結着樹脂の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量として2000〜300000であることが好ましく、より好ましくは5000〜200000である。
この結着樹脂の含有割合は、無機粒子100質量部に対して、5〜40質量部であることが好ましい。
また、原料組成物を構成する前記溶剤としては、無機粒子との親和性、結着樹脂の溶解性が良好で、原料組成物に適度な粘性を付与することができると共に、乾燥されることにより容易に蒸発除去できるものが好ましい。特に好ましい溶剤として、標準沸点(1気圧における沸点)が100〜200℃であるケトン類、アルコール類及びエステル類(以下、これらを「特定溶剤」という。)を挙げることができる。
前記特定溶剤としては、例えば、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミル等の飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチル等の乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のエーテル系エステル類等を挙げることができる。これらのなかでも、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、エチル−3−エトキシプロピオネート等が好ましい。
また、特定溶剤以外の溶剤の具体例としては、例えば、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
この溶剤の含有割合は、原料組成物の粘度を好適な範囲に維持する観点から、無機粒子100質量部に対して、5〜50質量部であることが好ましい。また、全溶剤に対する特定溶剤の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
この原料組成物においては、無機粒子の分散安定性の向上、形成される膜形成材料層における可撓性の向上等を目的として、シランカップリング剤が含有されていてもよい。
また、この原料組成物には、形成される膜形成材料層に良好な可撓性と燃焼性とを発現させるために、可塑剤が含有されていてもよい。
更に、この原料組成物には、分散剤、粘着性付与剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤等の各種添加剤が任意成分として含有されていてもよい。
また、この原料組成物は、光重合開始剤と光硬化性成分を有する感光性のものであってもよい。
前記原料組成物は、前記無機粒子、結着樹脂及び溶剤、並びに任意成分を、ロール混練機、ミキサ、ホモミキサ、サンドミル等の混練・分散機を用いて混練することにより調製することができる。尚、得られる原料組成物の粘度は、300〜30000cpであることが好ましい。
以下、図面を参照して、本発明について更に詳細に説明する。
尚、本実施例では、本発明に係る「巻回体」として、図8に示すように、円筒状の巻芯61と、この巻芯61に巻回された電子機器部材形成用フィルム62と、を備える巻回体60を例示する。
(1)梱包構造体の構成
図1に示すように、本実施例に係る梱包構造体1は、基台2及び蓋体3を備えており、固定バンド5が両端に配設された状態で保護シート(図示せず)により被覆された巻回体60(図中2本)を、互いが接触せず平行に配設して収納できるようになっている(図11、図12参照)。
前記蓋体3は、ステンレス鋼製であり被梱包物(2個の巻回体)に適合した下方を開放した箱状に形成されている。この蓋体3の天板3a及び各側板3b、3cには、内部観察用の窓部31が形成されている。蓋体3の各側板3b、3cには取手32が設けられている。更に、この蓋体3の天板3aには、その4隅部に、積重される他の梱包構造体の変位を防止するずれ防止部材33が設けられている。
前記蓋体3の各側板3b、3cには係合金具34が設けられ、各係合金具34は、基台2に設けられた各係合金具77に係合可能となっている。これにより、蓋体3が、前記基台2に着脱自在に装着されるようになっている。
前記基台2は、ステンレス鋼製であり被梱包対象物に適合する平板状に形成されている。この基台2の上面周縁側には、突縁71が形成されている。また、この基台2の下面側にはパレット72が設けられている。このパレット72は、基台2の下面周縁側に沿うように固定されたステンレス鋼製の支持部材73と、この支持部材73に固定されたステンレス鋼製の複数本(図中4本)の脚部材74と、隣接する各の脚部材74を連結するステンレス鋼製の連結部材75と、により構成される枠状の脚台76a、76bを有するものである。
また、前記基台2は、受け台21(本発明に係る「受け部」として例示する。)及びクランプ具22を備えている。
前記受け台21は、ステンレス鋼製であり前記基台2の上面より立設されている。そして、互いに対向する一対の受け台21、21が、基台2の短尺方向に沿って複数組(図中2組)で併設されている。これら受け台21のうちの隣接する受け台は、図2〜図4に示すように、両端部に取付け用孔24aが形成されたステンレス鋼製の板状部材24に固定されている。この板状部材24は、取付け用孔24aに挿入されたボルト25によって基台2に固定されている。
前記受け台21は、図2及び図4に示すように、巻回体60の巻芯61を支持するための凹部26を有している。この凹部26は、巻芯61の外径に相当する円弧状凹部26aと、この円孤状凹部26aに連続して上方に向かうに従って次第に拡がる扇状凹部26bと、からなる。これら円弧状凹部26a及び扇状凹部26bのそれぞれの支持面(挟持面)には、平板状のゴム板27(本発明に係る「弾性部材」として例示する。)が貼着されている。
前記受け台21の上壁には、クランプ具22の後述する位置決めピンが挿入される挿入孔(図示せず)が形成されている。また、受け台21の一方の側壁には、クランプ具22の後述する係止部材が係止される係止孔21aが形成されている。更に、受け台21の他方の側壁には、クランプ具22の後述する係合金具に係合するクランプ冶具28が設けられている。このクランプ冶具28は、受け台21の側面に固定されたコ字状の支持部材281を備えている。この支持部材281に操作レバー282が回動自在に支持されている。この操作レバー282には、アジャスト部材283を介して係合金具284が設けられている。この係合金具284の軸部には締付け力調整用のコイルバネ285が装着され、この軸部の先端側には締付け力調整用のナット部材286が螺合されている。そして、このナット部材286のネジ込み量を調整することによって、このクランプ冶具28の締付け力を調整し得るようになっている。
前記クランプ具22は、図4に示すように、ステンレス鋼製であり上方を開放した箱状の本体221を備えている。この本体221の平面形状は、受け台21の平面形状と略同じとされている。また、この本体221の底壁の中央部には、ステンレス鋼製であり矩形平板状の押え板222が固定されている。この押え板222の押え面(挟持面)には、平板状のゴム板223(本発明に係る「弾性部材」として例示する。)が貼着されている。このクランプ具22のゴム板223と、前記受け台21のゴム板27との間で巻回体60の巻芯61の端部が挟持されるようになっている。
前記本体221の底壁には、前記受け台21の挿入孔に挿入可能な下方に突出する位置決めピン224が固定されている。また、前記本体221の一方の側壁には、前記受け台21の係止孔21aに係止するL字状の係止部材225が固定されている。また、前記本体221の他方の側壁には、前記クランプ冶具28の係合金具284に係合可能な係合金具226が固定されている。
更に、前記受け部21には、図1、図3及び図11に示すように、巻回体60を搬送する際に用いられる搬送機の支持部(フォークリフトのフォーク部等)を所定位置に誘導するための硬質ナイロン樹脂(硬質ポリアミド系樹脂)製のガイド部23a、23bが設けられている。尚、ガイド部23aは、搬送機の支持部の差し込み度合いをガイドするためのものであり、一対の受け部における互いの対向面の両者に形成されている。一方、ガイド部23bは、搬送機の支持部の左右への移動度合いをガイドするためのものであり、一対の受け部における互いの対向面のいずれかに形成されている。
前記固定バンド5は、図5〜図7に示すように、巻芯61の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第1バンド部51及び第2バンド部52と、各バンド部51、52を連結するヒンジ部54とからなる。
各バンド部51、52の内周面59には、滑り止め層55が形成されている。この滑り止め層55は、薄肉状のゴム体から構成されている。
また、第1バンド部51におけるヒンジ部54の反対側の端部には、接続部56が形成されており、第2バンド部52におけるヒンジ部54の反対側の端部には、引掛け部57が形成されて掛着機構が構成されている。
この接続部56は、第1固定バンド51の端部に固定されたコ字状の支持部材561を備えている。この支持部材561には操作レバー562が回動自在に支持されている。この操作レバー562には、アジャスト部材564を介して掛具563が設けられている。この掛具563の軸部には締付け力調整用のコイルバネ565が装着され、この軸部の先端側には締付け力調整用のナット部材566が螺合されている。そして、このナット部材566のネジ込み量を調整することによって、この接続部56の締付け力を調整し得るようになっている。
また、引掛け部57は、板ばねにより構成されており、掛具563が掛着される先端部571が略L字状に屈曲形成されている。尚、引掛け部57における先端部571は、第2バンド部52の端部との間に空間Sができるように(先端部571が第2バンド部52の端部から浮いた状態となるように)配設されており、掛具563が掛着された際に弾性変形可能に構成されている。
更に、第1バンド部51には、巻回されたフィルム62の端面を押圧する板状の鍔部53が形成されている。鍔部53は、巻回されたフィルム62の外径よりも大きな径を有する略円形状のステンレス鋼製平板に略U字形状の切欠き部531が形成されたものである。この切欠き部531の幅Wは、巻芯61の外径よりやや大きく形成されている。略U字湾曲部532は、第1バンド部51の断面形状に適合している。また、この鍔部53には、固定バンド5の取付け方向が認識できるように、上部側となる縁部に凹凸部533が設けられている。即ち、固定バンド5におけるヒンジ部54が基台側(下方側)となり、凹凸部533が蓋体側(上方側)となる。
また、前記保護シート(図示せず)は、ポリエチレン製の遮光シートであり、前記固定バンド5により両端が固定された状態の巻回体60を被覆して保護するものである。この遮光シートは、巻回体60における巻芯61を軸として、巻回体60の周囲に巻回される。
(2)梱包構造体の作用
以下、前記梱包構造体1の作用について説明する。
まず、巻芯61の両端が支持された状態の巻回体60における電子機器部材形成用フィルム62の両端面側に、各バンド部51、52が開放された状態(図6参照)の固定バンド5を巻芯61の周面側から嵌め込む。次に、第1固定バンド部51の接続部56の掛具563を第2固定バンド部52の引掛け部57に掛着して、第1固定バンド部における鍔部53によりフィルム62の端面が適度に押圧されるように各固定バンド51、52の端部同士を接続することにより、巻芯61に固定バンド5を装着する。この装着作業を繰返し行って各巻回体60における巻芯61の両端側に固定バンド5を装着する。尚、この固定バンド5は、フィルム62の両端面側に装着された際に、各固定バンド5における凹凸部533が同位置となるように装着される(図10参照)。
次いで、巻芯61の長さよりも長い幅を有する遮光シートを用い、固定バンド5が配設された巻回体60全体が被覆されるように、巻芯61を軸としてその周囲を巻回し、巻回された遮光シートの端面の一部を、下層の遮光シートにシール体等により固定する。そして、巻回体60の両端側の余分な遮光シートを、巻芯61の端部における筒部内に折り込み、その内径に適合した大きさを有するポリプロピレン製等のキャップで密封し、固定バンド5が配設された巻回体60を被覆する。この被覆作業を繰返し行って各巻回体60を、遮光シートにより被覆する。
その後、前記基台2から蓋体3を取り外し、更に受け台21からクランプ具22を取り外した状態において、前記遮光シートにより被覆された巻回体60における巻芯61の両端部を、対向する一対の受け台21のそれぞれの凹部26に載置支持させる。この際、各巻回体60に配設された各固定バンド5における凹凸部533が上部側(蓋体側)となるように載置する。尚、この凹凸部533が上部側となっているかどうかは、遮光シート上から触感で確認することができる。
次に、受け台21の係止孔21aにクランプ具22の係止部材225を係止させつつ、受け台21の挿入穴にクランプ具22の位置決めピン224を挿入して、受け台21の上端面にクランプ具22を載置する。次いで、受け台21のクランプ冶具28の係合金具284をクランプ具22の係合金具226に係止して、受け台21にクランプ具22を装着する。この装着作業を繰返し行って全て(図中4つ)の受け台21にクランプ具22を装着する。これにより、受け台21のゴム板27及びクランプ具22のゴム板223の間で巻回体60の巻芯61の両端部が所定のクランプ荷重(例えば、70〜80kgf)で強固に挟持される。
その状態で、箱本体2に蓋体3を装着すれば、梱包構造体1に複数本(図中2本)の巻回体60が収納される(図11及び図12参照)。
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の梱包構造体1によると、巻回体60が収納された状態で、受け台21及びクランプ具22によって巻回体60の巻芯61の端部が所定のクランプ荷重(例えば、70〜80kgf)で挟持されると共に、固定バンド5によって巻回された電子機器部材形成用フィルム62の端面が所定の押圧荷重(例えば、7〜8kgf)で押圧される。これにより、輸送時の衝撃等により、巻回された電子機器部材形成用フィルム62の端面がずれることを抑制できる。更に、巻回体60の巻芯61が回転することによって生じる巻ゆるみ、巻芯61が軸心方向に動くことによって生じる端面ずれ等の発生を極力抑制できる。
また、本実施例では、梱包構造体を構成する主部材である基台2、蓋体3、受け台21、クランプ具22、固定バンド5の材質がステンレス鋼であるため、静電気の発生等を抑制する制電効果により、巻回体60を構成する電子機器部材形成用フィルム62への異物の付着を抑制することができるため、高い品質保持性能が得られる。更には、巻回体60が梱包構造体1に梱包された状態でクリーンルーム内に搬入することができる。従って、電子機器部材形成用フィルム62が、プラズマディスプレイパネルの構成部材の材料として用いる転写フィルム等であっても、梱包構造体の高い品質保持性能により、輸送する際や、取り出しの際に、転写フィルムに異物が付着することを抑制することができることから、最終的に、良好な形状および性能を有するプラズマディスプレイパネルを得ることができる。
更に、前記基台2に設けられた受け台21には、ガイド部23a、23bが設けられており、このガイド部23a、23bにより、巻回体60を搬送するための搬送機の支持部を所定位置(巻回体60における電子機器部材形成用フィルム61の両端面側に配設された固定バンド5若しくは両端側の巻芯61の下方側)へ容易に誘導することができる。
具体的には、例えば、図11の正面側から、所定の幅に設定された2本の支持部を備える搬送機の支持部(図示せず)を図面手前側に収納されている巻回体60に配設された両端の各固定バンド5と基台2との間に差し込んだ後、支持部を図面右方向に移動させ、一対の受け台21の一方の対向面側(図面右側)のみに形成されたガイド部23b(図1、図11参照)に突き当たるところまで移動させる。その後、一対の受け台21の各対向面に形成されたガイド部23a(図1、図11参照)に突き当たるところまで前記支持部を移動(即ち、図面奥側に移動)させることで、巻回体60における電子機器部材形成用フィルム62の両端面側に配設された固定バンド5若しくは両端側の巻芯61の下方側に前記支持部を誘導することができる。尚、図11の奥側に収納されている巻回体60においては、図11の反対面側から同様の手順で巻回体60を支持することができる。
このため、梱包された状態の巻回体60を、巻回体60における両端を下方側から支持して、クリーンルーム内への搬送、保管庫への移動、装置へのセットをフィルム61を破損させることなく、容易に行うことができる。
また、本実施例では、固定バンド5が配設された巻回体60全体を、巻芯61を軸に遮光シートを巻回させて被覆しているため、巻回体60を所定の装置にセットした際に、巻芯61の両端が支持された状態であっても、遮光シートの端面を固定しているシール体を剥がすのみで、巻回体60から遮光シートを容易に取り外すことができる。このため、カッター等を用いて裁断する必要がなく、クリーンルーム内に切り屑等を発生させる心配がない。
更に、本実施例では、蓋体3を構成する天板3bの表面の4隅に、ずれ防止材33が設けられているため、当該ずれ防止材33の状態保持作用により、重ねられた梱包構造体1を安定に積重した状態で保持することができることから、積重した梱包構造体1が変位し、崩れ落ちること等を防止することができるため、高い安全性が得られる。
また、具体的な一例における寸法として、外形寸法を、縦1745mm、横770mm、高さ518mmとし、更に、被梱包対象体を収容した状態の梱包構造体1の総重量を250kgとすることにより、当該梱包構造体1が優れた巻回体60の固定性能を有するものであるため、輸送中において多少の大きさの衝撃があっても巻回体60が変位することがないことから、梱包作業の他、例えば荷積み、荷下ろし等の輸送作業を弊害を伴うことなく一人で行うことができる。
尚、本発明においては、前記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、前記実施例では、搬送機の支持部を誘導するためのガイド部23a、bを受け台21に形成したが、基台2の表面等の異なる位置に形成することもできる。また、前記実施例では、固定バンド5が配設された巻回体60を遮光シートで被覆したが、透明な保護シートで被覆することもできる。更に、収納時における各巻回体60に巻回されたフィルム61の巻回方向や、巻回されているフィルム61の端部の位置を制御しておくことで、巻回体60を装置にセットする際における取り扱い性をより向上させることもできる。
巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体を収納する梱包構造体として利用される。特に、プラズマディスプレイパネル等における各種構成部材を形成するための材料として用いられる転写フィルム(特に、遮光して保存する必要がある転写フィルム)を巻回してなる巻回体を収納する収納箱として好適に利用される。
本実施例に係る梱包構造体の分解斜視図である。 本実施例に係る基台の縦断面図である。 図2のI矢視図である。 本実施例に係る受け部及びクランプ部の斜視図である。 本実施例に係る固定バンドの斜視図である。 本実施例に係る固定バンド(バンド開放時)の正面図である。 図5に示す固定バンドの底面図である。 本実施例に係る巻回体の斜視図である。 固定バンドが配設された巻回体の分解斜視図である。 固定バンドが配設された巻回体の斜視図である。 巻回体が収容された状態を示す梱包構造体の縦断面図である。 図11におけるX−X線断面図である。
符号の説明
1;梱包構造体、2;基台、21、受け台、22;クランプ具、23a、23b;ガイド部、3;蓋体、5;固定バンド、51;第1バンド部、52;第2バンド部、53;鍔部、531;切欠き部、533;凹凸部、54;ヒンジ部、56;接続部、57;引掛け部、60;巻回体、61;巻芯、62;電子機器部材形成用フィルム。

Claims (6)

  1. 基台と、該基台に着脱自在に設けられる蓋体と、を備え、巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体を収納する梱包構造体であって、
    前記梱包構造体内には、(a)前記基台に互いに対向して設けられ且つ前記巻回体における前記巻芯の端部を支持する一対の受け部と、(b)前記受け部に着脱自在に設けられており、該受け部との間で該巻芯の端部を挟持するクランプ具と、(c)前記巻芯に該巻芯の周面側から着脱自在に構成されており、前記電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧して固定する固定バンドと、を備えており、
    前記一対の受け部における互いの対向面には、搬送機の支持部を所定位置に誘導するためのガイド部が設けられており、該ガイド部によって、前記支持部が、前記固定バンドが配設された状態で収納される前記巻回体における両端側の該固定バンド若しくは前記巻芯の下方側に誘導されることを特徴とする梱包構造体。
  2. 前記固定バンドは、(c1)前記巻芯の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第1バンド部と、(c2)前記巻芯の外周の略半分の長さを有する断面円弧の第2バンド部と、(c3)前記第1バンド部及び前記第2バンド部を連結するヒンジ部と、(c4)前記第1バンド部及び前記第2バンド部の端部同士を接続する掛着機構と、(c5)前記第1バンド部に形成され且つ前記電子機器部材形成用フィルムの端面を押圧する板状の鍔部と、を備える請求項1に記載の梱包構造体。
  3. 更に、収納される前記巻回体を保護するための保護シートを備える請求項1又は2に記載の梱包構造体。
  4. 前記保護シートが遮光シートである請求項3に記載の梱包構造体。
  5. 巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体が収納されている請求項1乃至4のいずれかに記載の梱包構造体。
  6. 巻芯に電子機器部材形成用フィルムを巻回してなる巻回体が収納されており、且つ前記巻回体は前記固定バンドが配設された状態で、前記巻芯を軸としてその周囲に巻回された保護シートによって被覆されている請求項3又は4に記載の梱包構造体。
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