JP2009202188A - レーザ光照射方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 加工ヘッド6に設けられた噴射孔11aはY方向に向けて細長く形成されており、該噴射孔11aからは液体Wが板状になって噴射されるようになっている。
導光手段7はレーザ光Lを上記噴射孔11aに沿って走査して、該レーザ光Lが板状の液体Wの内部を導光されて上記被照射物に照射されるようにし、移動手段は被照射物をY方向に直交するX方向に移動させるようになっている。
【効果】 効率的にレーザ光Lを照射することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明はレーザ光照射方法およびその装置に関し、詳しくは被照射物に対して液体を噴射するとともに、噴射した液体内にレーザ光を導光して、該レーザ光を被照射物に照射するレーザ光照射方法およびその装置に関する。
従来、被照射物にレーザ光を照射する方法として、レーザ光をガルバノミラーによって走査しながら被照射物に照射することが知られており、被照射物の表面全体にレーザ光を照射するために、被照射物をレーザ光の走査方向に直交する方向に移動させるようになっている(特許文献1、2)。
一方、被照射物に対して液体を噴射するとともに、噴射した液体にレーザ光を導光して被照射物まで案内するレーザ光照射方法が知られ、例えば半導体ウエハにレーザ光を照射することで、半導体ウエハのアニーリングを行っている(特許文献3)。
特許文献3に開示された方法では、液体を液柱状にして噴射するとともに、該液柱内にレーザ光を導光してレーザ光を照射するようになっており、被照射物の表面全体にレーザ光を照射するために、被照射物を水平方向に縦横に移動させるようになっている。
この特許文献3に開示された方法によれば、特許文献1や特許文献2に開示された方法に比べ、時間はかかるものの液体による冷却作用が働き、微小クラックの抑制、半導体ウエハ表面の高平坦化、抗折強度アップなどの効果が得られるようになっている。
特開昭61−79714号公報 特許第3769942号公報 特開2007−109943号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示された方法では噴射する液体が液柱状であるため、被照射物のごく一部にしかレーザ光を照射することができず、被照射物の表面全体にレーザ光を照射するのに時間がかかるという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は効率的に被照射物の全体にレーザ光を照射することの可能なレーザ光照射方法およびその装置を提供するものである。
すなわち、請求項1におけるレーザ光照射方法は、噴射孔より液体を被照射物に向けて噴射するとともに、噴射した液体内にレーザ光を導光して、該レーザ光を被照射物に照射するレーザ光照射方法において、
所定の方向に向けて細長く形成した噴射孔より板状の液体を噴射するとともに、レーザ光を上記噴射孔の方向に走査して該レーザ光が板状の液体の内部を導光されて上記被照射物に照射されるようにしたことを特徴としている。
また請求項4におけるレーザ光照射装置は、被照射物に液体を噴射する噴射孔を備えた加工ヘッドと、加工ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、レーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザ発振器から発振されたレーザ光を上記噴射ノズルから噴射される液体に導光する導光手段とを備えたレーザ光照射装置において、
上記噴射孔は所定の方向に向けて細長く形成されて、該噴射孔から液体を板状にして噴射し、上記導光手段はレーザ光を上記噴射孔に沿って走査して、該レーザ光が板状の液体の内部を導光されて上記被照射物に照射されるようにしたことを特徴としている。
上記請求項1および請求項4の発明によれば、細長く形成された噴射孔より液体を板状にして噴射するとともに、この板状の液体の内部にレーザ光を導光することで、該板状の液体が形成される範囲でレーザ光を被照射物に照射することができ、効率的にレーザ光を被照射物に照射することができる。
以下図示実施例について説明すると、図1はレーザ光照射装置1を示し、噴射した液体にレーザ光Lを導光することで、被照射物としての半導体ウエハ2にレーザ光Lを照射する装置となっている。
上記半導体ウエハ2は円盤状をなしており、半導体製造過程においてシリコンインゴットをスライス切断した後にその表面を機械研磨したものとなっている。この状態の半導体ウエハ2の表面には微細な凹凸が残り、内部には残留応力が発生している。
そこで、上記レーザ光照射装置1により半導体ウエハ2の表面にレーザ光Lを照射することで、半導体ウエハ2の表面を一時的に溶融させて結晶化または固化させ、半導体ウエハ2の表面を平坦化するとともに半導体ウエハ2内部の残留応力を除去するようになっている。
なお、この半導体ウエハ2の表面を平坦化する方法としては薬液によるウェットエッチングや真空下でのプラズマエッチングが知られているが、これらは薬液による環境負荷や、真空状態を形成するための設備が必要となるなどの問題があった。
上記レーザ光照射装置1は、半導体ウエハ2を支持する移動手段としての加工テーブル3と、レーザ光Lを発振するレーザ発振器4と、高圧にした純水等の液体を供給する液体供給手段5と、被照射物に向けて液体を噴射する加工ヘッド6と、レーザ光Lを上記加工ヘッド6より噴射される上記板状の液体Wに導光する導光手段7とを備え、これらは図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記加工テーブル3は上記被照射物を図1の図示左右方向となるX方向に移動させるようになっており、また図示しない昇降手段によって上下に昇降可能となっている。
上記レーザ発振器4はYAGレーザ発振器であり、加工に応じてCW発振又はパルス発振が可能であり、またその出力やパルスの発振周期等の加工条件を適宜調整できるようになっている。
また、YAGレーザ光の基本波の波長(1064nm)が上記半導体ウエハ2への吸収率が低いので、本実施例のレーザ発振器4には上記基本波を第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)に変換する、図示しない波長変換手段が設けられている。
なお、レーザ発振器4としてこの他にも半導体レーザやCOレーザ発振器等を用いることも可能であるが、COレーザ発振器の場合レーザ光Lは水に吸収されやすい波長であるため、加工ヘッド6より噴射される液体Wをレーザ光Lが吸収にくい液体にすることになる。
加工ヘッド6は、下端に噴射孔11aの形成された液体通路11と、上記液体供給手段5が接続された供給通路12と、上記液体通路11と供給通路12とを連通させる複数の連通孔13とから構成されている。
上記噴射孔11aは図2に示すようにX方向に直交する図示左右方向となるY方向において細長く線状に開口するように形成されており、そのY方向の長さは少なくとも加工テーブル3上の半導体ウエハ2の直径よりも長く、またX方向における幅は10〜200μm程度となっている。
上記液体通路11の上部には後述する導光手段7を構成する透明なシリンドリカルレンズ14が密着しており、これによりシリンドリカルレンズ14と噴射孔11aとの間に液体を流通させるための空間が形成されるようになっている。
また上記液体通路11の下部には、図1に示すように上記噴射孔11aよりも若干広い幅でエアポケット11bが形成されており、このエアポケット11bを設けることで噴射孔11aより噴射される液体Wの周囲に発生する気流が安定し、液体Wを安定して噴射することができるようになっている。
上記供給通路12は図1に示すように上記液体通路11を挟むように平行に2本設けられており、それぞれに上記液体供給手段5から高圧の純水が供給されるようになっている。
上記連通孔13は図2に示すように供給通路12と上記液体通路11との間に等間隔に形成されており、供給通路12に供給された液体は各連通孔13から液体通路11に流入するようになっている。
この連通孔13を設けることで、液体供給手段5が供給通路12に供給した液体は各連通孔13から液体通路11に均等に流入し、液体通路11の内部の液体の流れが整流されるようになっている。
このような構成により、液体供給手段5によって供給通路12に液体を供給すると、この液体は上記液体通路11を満たした後、上記噴射孔11aより被照射物に向けて板状に形成されて噴射されることとなる。
上記導光手段7は、レーザ光Lの光軸上に設けられた集光レンズ15と、レーザ光Lを反射させるガルバノミラー16と、上記加工ヘッド6の上部に設けられたシリンドリカルレンズ14とから構成されている。
上記集光レンズ15はレーザ発振器4とガルバノミラー16との間に設けられるとともに、図示しない駆動手段によってレーザ光Lの光軸方向に移動するようになっており、レーザ光Lの焦点を移動させることができるようになっている。
上記ガルバノミラー16は、レーザ光Lを反射させるミラー16aと該ミラー16aを回動させるモータ16bとから構成され、モータ16bによりミラー16aを回動させ、レーザ光Lの光路をY方向に往復動するように走査するようになっている。
また上記モータ16bによってミラー16aの回動範囲を制御することにより、レーザ光Lの走査される幅を容易に変更することが可能となっている。
上記シリンドリカルレンズ14は、レーザ光Lを透過させる素材からなり、ガルバノミラー16によって反射したレーザ光Lを、半導体ウエハ2に対して垂直に照射する光学素子となっている。
このような構成により、上記レーザ発振器4から発振されたレーザ光Lは上記集光レンズ15を透過した後ガルバノミラー16で反射し、その後シリンドリカルレンズ14に入射したレーザ光Lは該シリンドリカルレンズ14よって垂直下方に向けて照射される。
このとき、上記集光レンズ15はガルバノミラー16の角度に応じて移動しており、レーザ光Lの焦点位置が常に半導体ウエハ2から略一定の距離となるよう、上記加工ヘッド6の液体通路11における噴射孔11a近傍に集光するようにして、レーザ光Lが板状の液体Wの内部に導光されるようにしている。
換言すると、レーザ光Lの光軸が上記ガルバノミラー16によって噴射孔11aに沿ってY方向に平行移動するにもかかわらず、レーザ光Lの焦点位置は噴射孔11aに対して常に同じ距離だけ上方に位置するようになっている。
上記構成を有するレーザ光照射装置1について説明すると、最初に、液体供給手段5が加工ヘッド6に形成された供給通路12に高圧の液体を供給し、供給通路12に供給された液体は複数の連通路13を介して液体通路11に流入する。
この液体は加工ヘッド6の下部に形成された噴射孔11aより噴射され、Y方向に形成される板状の液体Wとなって半導体ウエハ2に衝突する。
そして加工ヘッド6から噴射される板状の液体Wが安定すると、レーザ発振器4がレーザ光Lを発振し、このレーザ光Lは上記集光レンズ15を通過した後、ガルバノミラー16で反射して加工ヘッド6上部に設けられたシリンドリカルレンズ14に入射する。
一方、上記ガルバノミラー16は反射するレーザ光Lの光路が噴射孔11aの一端から他端にかけてY方向に往復動するように回動し、その後レーザ光Lはシリンドリカルレンズ14に入射する。
シリンドリカルレンズ14ではガルバノミラー16で反射したレーザ光Lを垂直下方に向けるようになっており、このとき上記集光レンズ15はガルバノミラー16の角度に連動して適宜移動することでレーザ光Lの焦点を液体通路11の内部の噴射孔11a近傍に形成する。
その結果、レーザ光Lは上記噴射孔11aから上記板状の液体Wの内部に導光され、液体Wの表面で反射を繰り返しながら半導体ウエハ2に照射されるとともに、このレーザ光Lの照射位置は半導体ウエハ2の表面でY方向に往復移動する。
そして、上記加工テーブル3が半導体ウエハ2をX方向に所定速度で移動させることで、レーザ光Lが半導体ウエハ2の表面全体に照射されることとなり、半導体ウエハ2の表面が溶融してその表面が平坦化されて結晶化または固化し、また内部の残留応力が除去される。
このように、本実施例のレーザ光照射装置1によれば、加工ヘッド6に形成した細長い噴射孔11aよりY方向に伸びる板状の液体Wを噴射し、この板状の液体Wの幅内でレーザ光Lを走査するので、半導体ウエハ2または加工ヘッド6をY方向に移動させなくとも、半導体ウエハ2の表面全体にレーザ光Lを照射することができる。
つまり、加工テーブル3はX方向にのみ半導体ウエハ2を移動させればよいので、レーザ光照射装置1の構成を簡略化することができる。またガルバノミラー16によってレーザ光Lの照射位置を変更する速度は、加工テーブル3を移動させてレーザ光Lの照射位置を変更させる速度に比べて速くすることができるので、その分効率的に処理を行うことができる。
なお、上記実施例ではレーザ光照射装置1をシリコンからなる半導体の平坦化、結晶化または固化のために用いているが、該半導体ウエハ2の表面層の加熱に用いることも可能であり、また被照射物として化合物半導体に対して用いることも可能である。
化合物半導体に用いる場合、上記レーザ発振器4はその材質に適した波長のレーザ光Lを照射する必要がある。
さらに、上記実施例ではガルバノミラー16がレーザ光LをY方向に往復するように走査しているが、Y方向のいずれか1方向(例えば図2の図示右方向)にだけ向かうようにレーザ光Lを走査するようにしても良い。この場合、上記レーザ発振器4にシャッタ等を設ける必要がある。
そして、レーザ光Lの導光手段7として、上記シリンドリカルレンズ14に代えて上記加工ヘッド6の上部にfθレンズを設けてもよい。
この場合、fθレンズがレーザ光Lの焦点を液体通路11の内部に形成すれば、上記実施例における移動式の集光レンズ15は不要となる。
本実施例にかかるレーザ光照射装置1をY方向から見た図。 上記レーザ光照射装置1をX方向から見た図。
符号の説明
1 レーザ光照射装置 2 半導体ウエハ
3 加工テーブル 4 レーザ発振器
5 液体供給手段 6 加工ヘッド
7 導光手段 11 液体通路
11a 噴射孔 L レーザ光
W 板状の液体

Claims (7)

  1. 噴射孔より液体を被照射物に向けて噴射するとともに、噴射した液体内にレーザ光を導光して、該レーザ光を被照射物に照射するレーザ光照射方法において、
    所定の方向に向けて細長く形成した噴射孔より板状の液体を噴射するとともに、レーザ光を上記噴射孔の方向に走査して該レーザ光が板状の液体の内部を導光されて上記被照射物に照射されるようにしたことを特徴とするレーザ光照射方法。
  2. 上記被照射物を上記噴射孔の形成された方向と異なる方向に相対移動させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ光照射方法。
  3. 被照射物としての半導体ウエハの表面にレーザ光を照射することで、該半導体ウエハの表面を平坦化することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のレーザ光照射方法。
  4. 被照射物に液体を噴射する噴射孔を備えた加工ヘッドと、加工ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、レーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザ発振器から発振されたレーザ光を上記噴射ノズルから噴射される液体に導光する導光手段とを備えたレーザ光照射装置において、
    上記噴射孔は所定の方向に向けて細長く形成されて、該噴射孔から液体を板状にして噴射し、上記導光手段はレーザ光を上記噴射孔に沿って走査して、該レーザ光が板状の液体の内部を導光されて上記被照射物に照射されるようにしたことを特徴とするレーザ光照射装置。
  5. 上記被照射物を噴射孔の形成された方向と異なる方向に相対移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のレーザ光照射装置。
  6. 上記加工ヘッドは、レーザ光を透過させる透過部材と上記噴射孔との間に形成された液体通路と、上記液体通路と略平行に形成されるとともに上記液体供給手段の接続された供給通路と、上記液体通路と供給通路とを連通させる複数の連通孔とから構成されることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載のレーザ光照射装置。
  7. 上記導光手段は、レーザ光の光軸方向に移動可能に設けられた集光レンズと、レーザ光を上記噴射孔の形成された方向に走査するように反射させるガルバノミラーと、上記ガルバノミラーと噴射孔との間に設けられたシリンドリカルレンズとから構成され、
    上記集光レンズはガルバノミラーに連動して移動し、レーザ光の焦点位置を上記噴射孔の近傍に形成することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のレーザ光照射装置。
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