まず、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの概要及び特徴を説明する。図1は、実施例1に係る遊技店のプリペイドカードシステムのシステム構成を示す図である。このプリペイドカードシステム1は、プリペイドカードに価値付けられた有価価値に基づいてパチンコ玉の貸出サービスを提供するものである。
図1に示すように、プリペイドカードシステム1には、プリペイドカードに記録された識別情報(プリペイドカードID)に対応付けてそのプリペイドカードの有価価値(金額)を管理する管理装置であるターミナルコントローラ(以下、プリペイドカードT/Cと言う)10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、「CRユニット」と言う)30と、パチンコ機40と、カード精算機60とが設けられている。
そして、プリペイドカードシステム1においては、プリペイドカードT/C10を上位装置として、このプリペイドカードT/C10に「島」と呼ばれるグループごとに上位装置及び下位装置間の中継装置として設けられた島コントローラ20が接続され、この島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40にそれぞれに併設されたCRユニット30が接続された接続関係を有する。なお、カード精算機60は、島コントローラ20を介することなく、プリペイドカードT/C10に直接接続されている。
また、プリペイドカードT/C10は、各遊技店(遊技店A、B)の売上情報を統括管理する中央管理装置100に公衆回線3を介して接続されている。この中央管理装置100は、プリペイドカードシステム1を各遊技店にリースする事業者(以下、中央管理センタと言う)によって管理・運営される情報処理装置である。
ここで、かかるプリペイドカードシステム1においては、プリペイドカードの取扱いに関して3つの運用モードが存在し、この3つの運用モードのうち、CRユニット30およびカード精算機60などの店内機器では、プリペイドカードT/C10によってプリペイドカードIDに対応付けて管理されるプリペイド残額に基づいてプリペイドカードの使用または精算を行うオンラインモードを基本として店舗の運用を行う。
その一方で、プリペイドカードT/C10と各島コントローラ20との間を接続する図示しないHUB等が故障し、プリペイドカードT/C10とCRユニット30またはカード精算機60との通信が担保されない状況(オフライン状態)下においては、たとえば千円紙幣等の低額紙幣だけを受け入れてその低額紙幣分のパチンコ玉をそのまま貸し出す玉貸しだけを許容し、プリペイドカードの使用および精算のいずれも禁止する低額オフラインモード、もしくはプリペイドカード自体に記録されたプリペイド残額に基づいてプリペイドカードの使用または精算を行う高額オフラインモードで店舗の運用を行う。
すなわち、プリペイドカードT/C10と店内機器との通信が担保されている場合には、各店内機器ではオンラインモードでの運用が行われ、両者の通信が途絶した場合には、各店内機器の運用モードが低額オフラインモードに移行され、さらに、図1に示したリモコン70を介して後述する特定の操作がなされたならば、高額オフラインモードでの運用が行われる。なお、特許請求の範囲に記載の「オフラインモード」は、本実施例で言う「高額オフラインモード」に相当する。
また、プリペイドカードシステム1においては、プリペイドカードに価値付けられるプリペイド残額についてもCRユニット30によるプリペイド残額の価値付け時点がいずれの運用モードであるのかによってその属性が区別されたプリペイド残額としてプリペイドカード内に記録させるようにしている。
すなわち、プリペイドカードを用いた残額管理を行う運用モードとしては、オンラインモード及び高額オフラインモードが存在するが、オンラインモードの時に価値付けが行われた場合には、オンライン残額としてプリペイドカードに記録され、高額オフラインモードの時に価値付けが行われた場合には、オフライン残額としてプリペイドカードに記録される。なお、ここで言う「オンライン残額」及び「オフライン残額」は、残額を表すに留まらず、特許請求の範囲に記載の「価値付け区分」も同時に表す用語である。
なお、ここで言う「価値付け」とは、貨幣、電子マネーや所定の決済(例えば、デビット決済やクレジット決済)などの支払い価値を遊技への使用を前提としたプリペイド残額として電子的に受け付けたことを指し、例えば、オンラインモードにおいては、プリペイドカードIDに対応付けてオンライン残額をプリペイドカードT/C10に登録させることを指し、また、高額オフラインモードにおいては、プリペイドカードにオフライン残額を書き込むこと、或いはプリペイドカードにオフライン残額を書き込むことを前提にオフライン残額を内部メモリ(後述する記憶部37等)に保持することを指す。
プリペイドカードT/C10は、図示しないカードマスタ管理テーブルを用いてプリペイドカードのオンライン残額を管理する管理装置であり、上記した各種店内機器(CRユニット30、パチンコ機40及びカード精算機60)が配設される遊技フロアとは区分けされた別の場所、たとえば遊技店の運営業務を行う事務所に配設される。このカードマスタ管理テーブルは、プリペイドカードIDにオンライン残額を対応付けて記憶している。例えば、CRユニット30で紙幣が挿入された場合には、CRユニット30から発行対象となる内蔵カードのプリペイドカードIDとともに挿入紙幣の金額を受け付け、当該プリペイドカードIDに挿入紙幣分の金額を価値付けた後、CRユニット30に「価値付け完了通知」を返信し、また、CRユニット30にてプリペイドカード挿入中に玉貸し操作がなされた場合には、CRユニット30からオンライン残額の減算依頼を受け付け、該減算依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応するオンライン残額から貸出単位金額を減算して減算完了通知を返信する。
島コントローラ20は、プリペイドカードT/C10と複数のCRユニット30との間で行われる通信を中継する中継装置であり、各「島」内のCRユニットネットワークケーブルを束ねる集線装置としての機能を有する。
パチンコ機40は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例1では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
CRユニット30は、パチンコ機40に対して貸出対価徴収分の玉投出指示を行う装置であり、貸出対価の徴収は、玉貸し操作受付時の運用モードが上記した3つの運用モードのいずれに該当するかによってその徴収形態が相違する。
例えば、玉貸し操作受付時の運用モードがオンラインモードである場合には、オンライン残額が存在するプリペイドカードが挿入された状態で遊技客から玉貸し操作を受け付けると、その貸出対価を徴収するために、当該プリペイドカードのオンライン残額を減算するようにプリペイドカードT/C10に依頼し、プリペイドカードT/C10によってオンライン残額の減算処理が完了した旨が通知されると、パチンコ機40に対して玉貸し指示を行う。一方、玉貸し操作受付時の運用モードが低額オフラインモードである場合には、千円紙幣などの低額紙幣を受け付けた時点で残額管理を行わずにそのままパチンコ機40に対して受付金額分の玉貸し指示を行う。また、玉貸し操作受付時の運用モードが高額オンラインモードである場合には、内部メモリにオフライン残額が存在する状態で遊技客から玉貸し操作を受け付けると、内部メモリに記憶するオフライン残額を減算し、パチンコ機40に対して玉貸し指示を行う。なお、本実施例1では、一度の玉貸し操作で玉貸し処理される貸出単位金額は原則的に固定(例えば、500円固定)であるものとし、低額オフラインモードで玉貸しを行う場合に限り、貸出単位金額を低額紙幣(例えば、千円紙幣)相当とする。
また、このCRユニット30は、島端等に配設されるカード発行機(図示せず)までプリペイドカードを購入させに行かせる不便を解消する観点から、後述するユニット内部のカード収納部36bに発行用のプリペイドカード(有価価値が価値付けられていない残額なしのカード)を予め収納しており、上記したプリペイド残額の減算の他、プリペイドカードに対する価値付けを行う価値付け機能を有する。
例えば、紙幣受付時の運用モードがオンラインモードである場合には、カード収納部36bに収納されたプリペイドカードのうち1枚のプリペイドカードを価値付け対象とし、プリペイドカードT/C10に対して挿入紙幣相当のオンライン残額を加算するように依頼することによりプリペイドカードに対して現金の価値付けを行う。また、紙幣受付時の運用モードが高額オフラインモードである場合には、プリペイドカードにオフライン残額を将来的に書き込むことを前提に受入紙幣相当のオフライン残額を内部メモリに保持する。なお、低額オフラインモードである場合には、プリペイドカードの残額管理は一切行われず、当然のことながら価値付けも行われない。
カード精算機60は、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残額の精算処理を行う装置である。例えば、プリペイドカードの受入時の運用モードがオンラインモードである場合には、当該プリペイドカードの残額を問い合わせ、その結果、オンライン残額が存在する場合には、精算ボタンの押下操作を受け付けてから、そのプリペイドカードを回収するとともに、問い合わせ結果として得たオンライン残額に相当する現金を払い出す。また、プリペイドカードの受入時の運用モードが高額オフラインモードである場合には、当該プリペイドカードから記録情報を読み取り、オフライン残額が存在するならば、オフライン残額に相当する現金を払い出す。なお、低額オフラインモードである場合には、オンライン残額およびオフライン残額ともに精算を行わない。
ここで、本実施例1に係るプリペイドカードシステム1は、CRユニット30が、所定の支払い価値を遊技への使用を前提としたプリペイド残額として受け付け、オンラインモードまたは高額オフラインモードのいずれのモードにおいて支払い価値をプリペイド残額として価値付けたかを示す価値付け区分をプリペイドカードに書き込ませ、CRユニット30またはカード精算機60が、オンラインモード及び高額オフラインモードを切り替え、処理要求受付時に滞在している滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定し、これら滞在モードと価値付け区分とが一致すると判定した場合に、プリペイドカードの使用または精算の自動処理を許可する点にその特徴がある。
すなわち、プリペイドカードシステム1は、支払い価値を価値付ける際に価値付け時のモードを価値付け区分として書き込んでおき、プリペイドカードT/C10との通信が担保されている状況下ではオンライン残額の使用および精算を自動処理させる一方で、プリペイドカードT/C10との通信が担保されていない状況下ではオフライン残額の使用および精算だけを自動処理させることで、オンラインモードまたは高額オフラインモードのいずれのモードにある場合でもプリペイドカードの残額管理を行い、さらには、システム管理上においてその性質が異なるオンライン残額およびオフライン残額がそれぞれに対応しない運用モードで使用または精算されることも防止することができるようにしている。
したがって、本実施例1に係るプリペイドカードシステム1によれば、プリペイドカードT/C10と店内機器との通信が途絶した場合でも遊技客に高額紙幣を使用させるとともに、システム管理を行う上で性質が異なるプリペイド残額をそれぞれの価値付け区分と異なる運用モードで使用または精算されることがなくなり、システム管理が煩雑化することを防止しつつ、遊技客のプリペイドカードに係る利便性を向上させることが可能になる。
また、上述のように、本実施例1に係るプリペイドカードシステム1では、プリペイドカード自体にオフライン残額を書き込むことを基本とする高額オフラインモードだけでなく、プリペイドカードT/C10上で残額管理が行われるオンライン残額についてもその残額をプリペイドカードに書き込ませるようにCRユニット30を構成している。
このような構成の下、高額オフラインモードにおいてオンライン残額を使用または精算する自動処理またはオンラインモードにおいてオフライン残額を使用または精算する自動処理、すなわち滞在モードと価値付け区分とが異なる場合におけるプリペイドカードの使用または精算の自動処理を禁止する一方で、プリペイド残額を自動処理させずとも、かかる場合にプリペイドカード内に書き込まれたプリペイド残額を表示させるように構成すれば、特に、カード精算機60においては、遊技店の係員にその表示内容(オンライン残額またはオフライン残額)を目視させて現金を手払いさせることができる。
このように、本実施例1に係るプリペイドカードシステム1によれば、滞在モードと価値付け区分とが異なる場合にプリペイドカード内に書き込まれたプリペイド残額をカード精算機60の所定の表示部で表示させることで、オフライン状態になるまでにオンライン状態で購入されたオンライン残額、或いはその逆にオフライン残額を価値付け区分とは異なる滞在モードで手払い精算させることができ、プリペイド残額が不明であることが原因で対応不能となる事態がなくなる結果、遊技客のプリペイドカードに係る利便性を多面的に向上させることも可能になる。
[プリペイドカードシステムの構成]
続いて、本実施例1に係るプリペイドカードシステムを構成する各装置の構成について詳細に説明する。なお、以下では、図1に示したCRユニット30の構成を説明してから同図に示したカード精算機60の構成を説明することとする。
[CRユニット30の構成]
前述したように、本実施例1に係るCRユニット30の構成について詳細に説明する。なお、ここでは、この実施例1に係るCRユニット30の(1)外観構成を説明した後に、このCRユニット30の(2)内部構成を説明する。
(1)外観構成
図2は、図1に示したCRユニット30の外観を示した正面図である。同図に示すように、このCRユニット30は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、その本体部前面の上寄りには、下方に向かって順に、状態表示ランプ301、カード状態表示LED302、リモコン受光部310、入金可能表示LED303が付設されている。
状態表示ランプ301は、当該CRユニット30が運用可能であるか否かを点灯色の切換えによって表すランプであり、例えば、「緑点灯」により運用可能な旨を表し、「赤点灯」により運用不能な旨を表す。
カード状態表示LED302は、当該CRユニット30に内蔵されるプリペイドカードの補充又は回収の要否を点灯/点滅によって表すLEDであり、例えば、「点灯」によりプリペイドカードの補充が必要な旨を表し、「点滅」によりプリペイドカードの回収が必要な旨を表し、また、「消灯」によりプリペイドカードの補充及び回収が不要な旨を表す。
リモコン受光部310は、図1に示した専用のリモコン70から照射される赤外線を受光する受光素子から構成され、リモコン70から照射される赤外線を通じてCRユニット30に対する各種操作(例えば、紙幣収納部35cに対する解錠許可操作及び解錠操作やプリペイドカードの補充操作及び回収操作など)を受け付ける。
入金可能表示LED303は、当該CRユニット30に紙幣の入金が可能であるか否かを点灯/点滅によって表すLEDであり、例えば、「点灯」により紙幣の入金が可能である旨を表し、また、「点滅」により紙幣の入金が不可能な旨を表す。
また、本体部前面の中央部には、高額紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」など)を含む紙幣を挿入する紙幣挿入口308、プリペイドカードや会員カードなどの各種カードを挿入するカード挿入口309が設けられている。
さらに、本体部前面の下寄りには、下方に向かって順に、7SEG表示部304、モード表示部305及び各種ボタン群(貸出ボタン306及び返却ボタン307等)が設けられている。
7SEG表示部304は、7セグメントのLEDから形成される表示部(6桁)であり、当該CRユニット30の各種データ表示(セグメントを組み合わせて表される数字やアルファベット等の記号によるデータ表示)を行うものである。例えば、情報ボタンの押下操作に応答して挿入紙幣の金額やプリペイドカードの残額を切替え表示したり、挿入中のカードが会員カードである場合には、貯玉数、再プレイ回数やポイントをさらに切替表示したりする。
モード表示部305は、7SEG表示部304にてどのモードの情報が表示されているかを表示するものである。例えば、「プリペイド残額」、「貯玉数」、「再プレイ回数」または「ポイント」のうちいずれの情報を7SEG表示部304に表示しているのかを該当ランプを点灯させることで表す。
貸出ボタン306は、遊技客による玉貸し要求を受け付ける操作ボタンであり、この貸出ボタン306が押下されると後述する制御部38にてプリペイド残額の減算および玉投出指示が行われる。また、返却ボタン307は、遊技客によるプリペイドカードの返却要求を受け付ける操作ボタンであり、この返却ボタン307が押下されると挿入中のプリペイドカードがカード挿入口309から返却される。
(2)内部構成
次に、図3を用いて、図2に示したCRユニット30の内部構成について説明する。図3は、図2に示したCRユニット30の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、このCRユニット30は、操作部31と、表示部32と、通信制御I/F部33aと、遊技機用通信I/F部33bと、リモコン受光部310と、紙幣処理部35と、カード処理部36と、記憶部37と、制御部38とを備える。
操作部31は、各種ボタン群、貸出ボタン306及び返却ボタン307などの総称であり、また、表示部32は、図2に示した状態表示ランプ301、カード状態表示LED302、入金可能表示LED303、7SEG表示部304及びモード表示部305などの総称である。
通信制御I/F部33aは、プリペイドカードT/C10及び島コントローラ20などの他の装置の間で各種通信の制御を行うインターフェースである。また、遊技機用通信I/F部33bは、当該CRユニット30に併設されるパチンコ機40との間で各種通信(例えば、玉投出指示や投出完了応答等)の制御を行うインターフェースである。
紙幣処理部35は、紙幣挿入口308から挿入された紙幣を取り扱う処理部であり、BVユニット部35aと、搬送機構部35bと、紙幣収納部35cと、施錠機構部35dとを有する。
このうち、BVユニット部35aは、紙幣挿入口308に挿入された紙幣の金種を識別する紙幣識別機であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部38に出力する。なお、挿入紙幣が偽造紙幣や識別不能な紙幣(保存状態が悪い紙幣)である場合には、当該紙幣を返却する。
搬送機構部35bは、紙幣挿入口308からの受入紙幣を紙幣収納部35cに搬送するローラ等の機構部である。紙幣収納部35cは、紙幣を収納する収納部である。また、施錠機構部35dは、紙幣収納部35cを施錠するロック機構であり、リモコン70からの解錠指示に応答して紙幣収納部35cの施錠を解錠する。
カード処理部36は、カード挿入口309から挿入された各種カードを取り扱う処理部であり、カードリーダライター36aと、カード収納部36bと、搬送/繰出機構部36cとを有する。
このうち、カードリーダライター36aは、カード挿入口309に挿入されたプリペイドカードや会員カードなどの各種カードに対して読み取りや書き込みを行う装置であり、例えば、プリペイドカードからプリペイドカードIDを読み取ったり、プリペイドカード内にオンライン残額またはオフライン残額を書き込んだりする。
カード収納部36bは、プリペイド残額が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部であり、遊技客がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、事前に複数枚のプリペイドカードを収納したものである。例えば、遊技客によって紙幣が挿入されると、複数枚のプリペイドカードのうちの一枚がカードリーダライター36aの位置に繰り出され、現金による残額関連付けの対象とされる。
搬送/繰出機構部36cは、各種カードの搬送/繰出を行う機構部である。具体的には、カード挿入口309から挿入されたプリペイドカードをカードリーダライター36aに搬送したり、カードリーダライター36a内に保持されたプリペイドカードをカード収納部36bに搬送したり、また、カード収納部36bに収納された内蔵プリペイドカードをカードリーダライター36aに繰り出したり、カードリーダライター36aに保持されたプリペイドカードをカード挿入口309に繰り出したりする。
記憶部37は、制御部38による各種処理に必要なデータ(例えば、プリペイド残額、貸出単位金額やリモコン70の操作権限など)およびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)である。
制御部38は、CRユニット30の全体制御を司る制御部であり、特に本発明に関連するものとしては、リモコン処理部330と、パスワード生成部340と、モード切替え部350と、カード管理部360と、書込制御部370と、玉貸し処理部380とを有する。
リモコン処理部330は、図示しないコマンド管理テーブルを用いて、リモコン受光部310を介してリモコン70から受け付けた指令コードを解釈してその指令を指令先の機能部に通知する処理部である。例えば、指令コード「1」が高額オフラインモードの発動操作、指令コード「2」が高額オフラインモードの終了操作として上記したコマンド管理テーブルに登録されていたとした時、リモコン70上で指令コード「1」に対応するキー操作がなされた場合には、高額オフラインモードの発動要求と解釈し、また、リモコン70で指令コード「2」に対応するキー操作がなされた場合には、高額オフラインモードの終了要求と解釈し、これらの要求をモード切替え部350に通知する。なお、後述するように、高額オフラインモードを発動させるためのパスワードについてもリモコン受光部310を介してリモコン70から受信する。
パスワード生成部340は、中央管理装置100内のパスワード生成部110と同一の生成ロジックにしたがってパスワードを生成する処理部である。すなわち、中央管理センタの運営者が許可するもとで高額オフラインモードへの切替えが行われることを担保するために、高額オフラインモード発動時に中央管理センタから発行されるパスワードを用いた認証処理を高額オフラインモードの発動条件として組み込んでおり、中央管理装置100とは隔絶されたCRユニット30でパスワードの照合を可能ならしめるため、たとえば生成ロジックAが当該パスワード生成部340、そして中央管理装置100内のパスワード生成部110の双方に埋め込まれている。なお、かかる生成ロジックとしては、周知のものを任意に用いることができる。
モード切替え部350は、オンラインモード、低額オフラインモード及び高額オフラインモード間の運用モードを切り替える処理部であり、プリペイドカードT/C10との通信状況を監視する通信状況監視部351を内在する。
具体的に説明すると、通信状況監視部351によってプリペイドカードT/C10との通信が正常に確立していることが確認されている場合には、オンラインモードを維持しておき、通信状況監視部351によってプリペイドカードT/C10との通信が途絶したことが検知された場合には、オンラインモードでの運用が不可能となるので、オンラインモードから低額オフラインモードに切り替える。このようにして低額オフラインモードに切り替えられた場合には、リモコン70を介して高額オフラインモードの発動待機状態にあり、詳細は図9及び図10を用いて後述するが、リモコン70を介して受け付けた入力パスワードとパスワード生成部340によって生成された照合用パスワードとの照合を行い、パスワードによる照合に成功し、中央管理センタのメンテ員が高額オフラインモードの発動に介在していることを確認した場合には、低額オフラインモードから高額オフラインモードに切り替える。なお、高額オフラインモードからオンラインモードに切り替える場合にも同様のパスワード照合を行ってからオンラインモードに復帰させる。
このように、オンラインモード、低額オフラインモード及び高額オフラインモード間のモード切替えは、オンラインモードから低額オフラインモードに切り替える際にはプリペイドカードT/C10との通信途絶を条件として自動的に行い、低額オフラインモードから高額オフラインモードへの切替え並びに高額オフラインモードからオンラインモードへの切替えについては、リモコン70を介した操作を受け付けて行う。
カード管理部360は、プリペイドカードに関する各種処理を行う処理部であり、モード一致判定部361と、手払いフラグ判定部362と、オンライン残額更新依頼部363と、オフライン残額更新部364とを内在する。
このうち、モード一致判定部361は、CRユニット30が滞在している滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定する処理部である。具体的には、プリペイドカードの挿入時もしくは紙幣による価値付け時に際して滞在モードと価値付け区分との一致の可否を判定するが、滞在モードがオンラインモードである場合には、プリペイドカードにオンライン残額が存在するか否かを判定し、オンライン残額が存在するならば、滞在モードと価値付け区分とが一致すると判定する。また、滞在モードが高額オフラインモードである場合には、プリペイドカードにオフライン残額が残っているか否かを判定し、オフライン残額が存在するならば、滞在モードと価値付け区分とが一致すると判定する。なお、本実施例1では、1つのプリペイドカードにオンライン残額およびオフライン残額の両方が共存するケースも想定しているが、必ずしも両方のプリペイド残額の価値付けを許容する必要はなく、排他的な価値付けだけを許容するようにしてもかまわない。
手払いフラグ判定部362は、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残額が既に遊技店の従業員により手払い精算が行われたか否かを判定する処理部である。具体的には、カード精算機60によって手払い精算時に更新されるプリペイドカード内の手払いフラグがオンである場合には、手払い精算済みであると判定し、また、手払いフラグがオフである場合には、未精算であると判定する。
すなわち、カード精算機60で滞在モードと異なる価値付け区分のプリペイド残額を従業員により手払い精算する際には、あくまで滞在モードと異なるプリペイド残額を参照させるだけであり、滞在モードと異なる価値区分のプリペイド残額を消し込むことはできないことから、手払い精算後もプリペイドカードT/C10上でオンライン残額が存在したり、プリペイドカード内にオフライン残額が記録されていたりというシステム上の矛盾が生じることになる。
このため、手払い精算済みのプリペイドカードを従業員が故意に遊技客に渡したり、このようなプリペイドカードが悪意ある不正者に盗まれたりした場合には、かかるシステム上の矛盾を逆手にとって実際にはプリペイド残額が存在しないにもかかわらず、後に滞在モードと価値付け区分とが一致した状態で当該プリペイドカードをする不正行為が行われるおそれがある。
このような不正行為を監視する趣旨から、プリペイドカードの使用に際して、滞在モードと価値付け区分とが一致する場合でもプリペイドカード内に記録された手払いフラグのオンまたはオフを手払いフラグ判定部362に判定させることとしている。
オンライン残額更新依頼部363は、プリペイドカードT/C10に対してオンライン残額の更新依頼を行う処理部である。具体的には、カード収納部36bに内蔵されているプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応付けて挿入紙幣の金額をプリペイドカードT/C10に登録させることでプリペイドカードにオンライン残額を価値付けたり、挿入中のプリペイドカードのオンライン残額からパチンコ玉の貸出対価として貸出単位金額(本例では、「500円」)を減算(徴収)するようにプリペイドカードT/C10に依頼したり、また、カード挿入口309を介してプリペイドカードを受け入れた場合には、カードリーダライター36aを通じて読み取ったプリペイドカードIDに対応するオンライン残額をプリペイドカードT/C10に問合せて取得したりもする。
オフライン残額更新部364は、プリペイドカードに価値付けられたオフライン残額を更新する処理部である。具体的には、プリペイドカードにオフライン残額を書き込むことを前提に挿入紙幣の金額を記憶部37に保持させることでプリペイドカードにオフライン残額を実質的に価値付けたり、記憶部37に保持中のオフライン残額からパチンコ玉の貸出対価として貸出単位金額を減算(徴収)したりする。
書込制御部370は、カードリーダライター36aによるプリペイドカードへの書き込みを制御する処理部である。具体的には、プリペイドカードの挿入時にプリペイドカードに記録されたプリペイド残額を消去させ、また、プリペイドカードの返却時にプリペイドカード内にオンライン残額またはオフライン残額を書き込ませる。なお、本実施例1では、高額オフラインモードにおいてカードの記録情報そのものに依存して玉貸しを行い、プリペイドカードの記録情報(特に、オフライン残額)が複製された偽装のコピーカードを使用する不正を予防する趣旨から高額オフラインモードでは外部からカードを受け入れないようCRユニット30を構成することとするため、プリペイドカード内のオフライン残額を消去することはない。
また、書込制御部370は、モード切替え部350によってオンラインモードから低額オフラインモードに切り替えられた場合、或いは高額オフラインモードからオンラインモードに切り替えられた場合には、記憶部37に保持されたプリペイド残額をプリペイドカードに書き込んでそのプリペイドカードを直ちに排出させる。なお、上述した説明では、オフライン残額のみを記憶部37に保持していることを説明したが、オンライン残額についてもプリペイドカードT/C10上のオンライン残額と同期して記憶部37に保持されていることを追記する。
玉貸し処理部380は、パチンコ機40に対して貸出対価徴収分の玉貸し指示を行う処理部である。具体的には、遊技機用通信I/F部33bとパチンコ機40内の通信I/F部(図示せず)との両者の間でCRユニット30による1度の玉投出指示で所定数(例えば、25個=100円)のパチンコ玉をパチンコ機40が投出するという規定が設定されており、オンライン残額またはオフライン残額から貸出単位金額(本例では、500円)が減算されると、貸出単位金額に相当する回数(5回)の玉投出指示をパチンコ機40に行い、パチンコ機40に貸出単位金額分のパチンコ玉(125個)を投出させる。なお、低額オフラインモードである場合には、低額紙幣(本例では、1000円)が挿入されると直ちに低額紙幣に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い、パチンコ機40に低額紙幣分のパチンコ玉(250個)を投出させる。
[カード精算機の構成]
本実施例1に係るカード精算機60の構成について詳細に説明する。なお、ここでは、この実施例1に係るカード精算機60の(1)外観構成を説明した後に、このカード精算機60の(2)内部構成を説明する。
(1)外観構成
図4は、図1に示したカード精算機60の外観を示した正面図である。同図に示すように、このカード精算機60は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、その本体部前面の上寄りから下方に向かって順に、プリペイドカードの各種精算に係る表示を行うタッチパネル61と、リモコン70から照射される赤外線を受光するリモコン受光部66と、プリペイドカードを挿入するカード挿入口601と、プリペイドカードの精算により紙幣を投出する紙幣投出口602と、プリペイドカードの精算により硬貨を投出する硬貨投出口603とを有する。
このカード精算機60の正面に設けられた機能部または機構部は、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残額を貨幣に精算しようとする遊技客に対するマンマシンインタフェースであるのとともに、中央管理センタから派遣されるメンテ員や遊技店の従業員に高額オフラインモードの発動操作を行わせたり、タッチパネル61上のナビ画面に従って手払い精算を行わせるためのものでもある。
プリペイドカードを精算しようとする遊技客は、タッチパネル61に表示される画面の誘導にしたがってプリペイドカードをカード挿入口601に挿入し、そのプリペイドカードに滞在モードに対応する価値付け区分のプリペイド残額が存在する場合には、精算意思を確認する精算ボタンがタッチパネル61上に表示される。遊技客がこの精算ボタンを押下操作すると、プリペイド残額分の現金が紙幣投出口602および硬貨投出口603から投出される。
また、従業員対応についての詳細は図9及び図13を用いて詳述するが、概要としては、リモコン70上での係員操作によって照射される赤外線がリモコン受光部66を介してタッチパネル61上に係員操作メニュを呼び出し、かかる係員操作メニューから「高額オフラインモード発動」または「手払い精算」が選択操作されると、リモコン70を通じたパスワードの入力操作を行い、この入力パスワードの照合が行われた後に高額オフラインモードの発動や手払い精算の支援などの実効的な処理が行われる。
(2)内部構成
次に、図5を用いて、図4に示したカード精算機60の内部構成について説明する。図5は、図4に示したカード精算機60の内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、このカード精算機60は、タッチパネル61と、通信I/F部62と、カード処理部63と、現金処理部64と、プリンタ65と、リモコン受光部66と、記憶部67と、制御部68とを有する。
タッチパネル61は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能なデバイスであり、例えば、プリペイドカードの挿入を促す画面や精算金額(プリペイド残額)等を明示する精算画面などの精算に関する画面や手払い精算に関する画面(図14参照)などを表示したり、また、これらの画面上に表示されたボタンを介して操作入力を受け付ける。なお、滞在モードとプリペイド残額の価値付け区分とが一致し、自動精算が行われる場合には、操作主体は遊技客または従業員のいずれでもよく、また、滞在モードとプリペイド残額の価値付け区分とが不一致であり、手払い精算が行われる場合には、操作主体は従業員に限られる。
通信I/F部62は、カード精算機60と他の装置(例えば、プリペイドカードT/C10などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
カード処理部63は、カード挿入口601から挿入された各種カードを取り扱う処理部であり、カードリーダライター63aと、カード収納部63bと、搬送機構部63cとを有する。
カードリーダライター63aは、カード挿入口601に挿入されたプリペイドカードの読み取りや書き込みを行う装置であり、カード収納部63bは、プリペイドカードを収納する収納部であり、また、搬送機構部63cは、精算完了済みのプリペイドカードをカード収納部63bに搬送する機構部である。
現金処理部64は、紙幣投出口602や硬貨投出口603から払い出す現金(貨幣)を取り扱う処理部であり、貨幣収納部64aと、施錠機構部64bと、繰出機構部64cとを有する。
貨幣収納部64aは、貨幣を収納する収納部であり、施錠機構部64bは、貨幣収納部64aを施錠するロック機構であり、また、繰出機構部64cは、貨幣収納部64aに収納された収納貨幣を図示しない紙幣投出口や硬貨投出口に繰り出す機構部である。
プリンタ65は、印刷データを紙媒体に印字処理する印字装置であり、例えば、記憶部67に記憶された各種データ(例えば、後述する精算履歴管理テーブル67aの記憶内容)を手払い票(図15参照)として印字出力する。
リモコン受光部66は、リモコン70から照射される赤外線を受光する受光素子から構成され、リモコン70から照射される赤外線を通じてカード精算機60に対する各種操作(例えば、高額オフラインモードの発動操作ならびに手払い精算に関する操作など)を受け付ける。
記憶部67は、制御部68による各種処理に必要なデータ(例えば、プリペイド残額やリモコン70の操作権限など)およびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、精算履歴管理テーブル67aを記憶する。
この精算履歴管理テーブル67aは、プリペイド残額の精算履歴を管理するテーブルであり、図6に示すように、精算を実行したプリペイドカードのプリペイドカードIDに精算区分、価値付け区分、精算時刻および精算金額などの精算情報を対応付けて記憶する。ここで、精算区分は、プリペイドカードの精算が自動精算または手払い精算のいずれであるのかを示す区分であり、精算区分「1」が自動精算を示し、精算区分「2」が手払い精算を示す。また、価値付け区分は、プリペイド残額がオンライン残額またはオフライン残額のいずれであるのかを示す区分であり、価値付け区分「1」がオンライン残額を示し、価値付け区分「2」がオフライン残額を示す。
図6に示した例では、プリペイドカードID「02161」のプリペイドカードについては、11時58分に1500円のオンライン残額が自動精算され、また、プリペイドカードID「00456」のプリペイドカードについては、13時14分に4500円のオンライン残額が手払い精算されたことを示している。
このように、手払い精算された旨を履歴として記憶しておくのは、閉店後等に手払い票を印字出力して遊技店の管理者等に精算状況を把握させるとともに、プリペイドカード内の記録情報(オフライン残額)に基づいて自動精算が行われる高額オフラインモードにおいて同一のプリペイドカードIDのプリペイド残額が重複精算されることを防止するためである。
すなわち、プリペイド残額をプリペイドカードそのものに記録させる場合には、オンラインモードのようにオンライン残額をプリペイドカードT/C10に管理させる場合と異なり、コピーカードの使用に脆弱な面がある。つまり、オフライン残額が記録されたプリペイドカードをコピーしたコピーカードが不正使用された場合に、オフライン残額からだけでは不正使用を看破することは困難である。
このため、オフライン残額について自動精算または手払い精算が行われたプリペイドカードのプリペイドカードIDを履歴として管理しておき、高額オフラインモードで自動精算が行われる際に精算対象のプリペイドカードIDを精算履歴に存在するプリペイドカードIDと突合することで、精算履歴に一致するプリペイドカードIDが存在する場合には重複精算が行われるおそれがある事実を看破することができるようにしている。
制御部68は、カード精算機60を全体制御する制御部であり、パスワード生成部610と、モード切替え部620と、モード一致判定部630と、手払いフラグ判定部640と、精算履歴判定部650と、精算処理部660と、手払い支援部670と、書込制御部680とを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、パスワード生成部610、モード切替え部620、モード一致判定部630、手払いフラグ判定部640、精算履歴判定部650、精算処理部660、手払い支援部670及び書込制御部680にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
パスワード生成部610は、中央管理装置100内のパスワード生成部110と同一の生成ロジックにしたがってパスワードを生成する処理部である。すなわち、中央管理センタの運営者が許可するもとで高額オフラインモードへの切替えが行われることを担保し、また、遊技店の管理者(紙幣の取扱い権限を有する者)によって手払い精算が行われることを担保するために、高額オフラインモード発動時または手払い精算の前段階に中央管理センタから発行されるパスワードを用いた認証処理を高額オフラインモードの発動条件として組み込んでおり、中央管理装置100とは隔絶されたカード精算機60でパスワードの照合を可能ならしめるため、たとえば生成ロジックAが当該パスワード生成部610、そして中央管理装置100内のパスワード生成部110の双方に埋め込まれている。なお、かかる生成ロジックとしては、パスワード生成部340と同様、周知のものを任意に用いることができる。
モード切替え部620は、オンラインモード、低額オフラインモード及び高額オフラインモード間の運用モードを切り替える処理部であり、プリペイドカードT/C10との通信状況を監視する通信状況監視部621を内在する。
具体的に説明すると、通信状況監視部621によってプリペイドカードT/C10との通信が正常に確立していることが確認されている場合には、オンラインモードを維持しておき、通信状況監視部621によってプリペイドカードT/C10との通信が途絶したことが検知された場合には、オンラインモードでの運用が不可能となるので、オンラインモードから低額オフラインモードに切り替える。このようにして低額オフラインモードに切り替えられた場合には、リモコン70を介して高額オフラインモードの発動待機状態にあり、リモコン70を介して受け付けた入力パスワードとパスワード生成部610によって生成された照合用パスワードとの照合を行い、パスワードによる照合に成功し、中央管理センタのメンテ員が高額オフラインモードの発動に介在していることを確認した場合には、低額オフラインモードから高額オフラインモードに切り替える。なお、高額オフラインモードからオンラインモードに切り替える場合にも同様のパスワード照合を行ってからオンラインモードに復帰させる。
モード一致判定部630は、カード精算機60が滞在している滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定する処理部である。具体的には、プリペイドカードの挿入時に際して滞在モードと価値付け区分との一致の可否を判定するが、滞在モードがオンラインモードである場合には、プリペイドカードにオンライン残額が存在するか否かを判定し、オンライン残額が存在するならば、滞在モードと価値付け区分とが一致すると判定する。また、滞在モードが高額オフラインモードである場合には、プリペイドカードにオフライン残額が残っているか否かを判定し、オフライン残額が存在するならば、滞在モードと価値付け区分とが一致すると判定する。
手払いフラグ判定部640は、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残額が既に遊技店の従業員により手払い精算が行われたか否かを判定する処理部である。具体的には、後述する手払い支援部670によって手払い精算時に更新されるプリペイドカード内の手払いフラグがオンである場合には、手払い精算済みであると判定し、また、手払いフラグがオフである場合には、未精算であると判定する。
精算履歴判定部650は、カードリーダライター63aによって読み取られたプリペイドカードIDが精算履歴管理テーブル67a内に登録されているか否かを判定する処理部である。つまり、自動精算または手払い精算が既に行われているプリペイドカードについて重複して精算が行われるか否かを判定しており、かかる同一IDの重複精算の可否を判定することにより、手払い精算済みのプリペイドカードを故意に重複精算する不正行為(システム管理上の矛盾点を逆手に取った不正行為)をはじめ、プリペイドカードの記録情報(例えば、店舗コード、営業日付、号機、取引番号、プリペイドカードIDおよびプリペイド残額)を複製したコピーカードを使用する不正行為を看破・予防することができるようにしている。
精算処理部660は、プリペイドカードに関連付けられたプリペイド残額を貨幣に精算する処理部であり、オンライン残額を貨幣に自動精算するオンライン残額精算部661と、オフライン残額を貨幣に自動精算するオフライン残額精算部662とを内在する。
より具体的には、カード精算機60の滞在モードがオンラインモードである場合に、モード一致判定部630によってオンライン残額が存在すると判定されたならば、プリペイドカードT/C10に対してカードリーダライター63aによって読み取られたプリペイドカードIDに対応するオンライン残額を消し込むように依頼し、プリペイドカードT/C10からの消込み完了通知に応答してオンライン残額分の貨幣を現金処理部64を通じて投出させる。また、カード精算機60の滞在モードが高額オフラインモードである場合に、モード一致判定部630によってオフライン残額が存在すると判定されたならば、カードリーダライター63aによって読み取られたオフライン残額分の貨幣を現金処理部64を通じて投出させる。なお、貨幣投出後には、精算履歴管理テーブル67a内の精算履歴が更新される。
手払い支援部670は、プリペイドカードの手払い精算を支援する処理部であり、タッチパネル61に対する表示制御を行う表示制御部671を内在する。詳細は図13及び図14を用いて後述するが、概要としては、遊技店の管理者が介在するもとで手払い精算が行われようとしていることを確認するために、中央管理センタが関与するパスワードをリモコン70を通じて入力させるように画面誘導し、かかるパスワードの入力後に照合用パスワードとが一致した場合に、滞在モードとは異なる価値付け区分のプリペイド残額を表示させることにより、遊技店の管理者が手払いにより現金を精算することができるようにしている。
書込制御部680は、カードリーダライター63aによるプリペイドカードへの書き込みを制御する処理部である。例えば、精算処理部660によってプリペイド残額分の貨幣が払い出された場合には、プリペイドカード内のプリペイド残額を消去し、手払い支援部670によって手払い精算が実行された場合には、プリペイドカード内の手払いフラグをオフからオンに更新する。
[処理の流れ]
次に、本実施例1に係るプリペイドカードシステムの処理の流れを説明する。なお、以下では、(1)オンラインモード時の玉貸し処理、(2)オンラインモード時の自動精算処理、(3)高額オフラインモードへの切替え処理、(4)対プリペイドカードT/Cの通信途絶時の玉貸し処理、(5)高額オフラインモード時の自動精算処理、(6)手払い支援処理の順に説明する。
(1)オンラインモード時の玉貸し処理
前述したように、ここでは、本実施例1に係るオンラインモード時の玉貸し処理について詳細に説明する。図7は、実施例1に係るオンラインモード時の玉貸し処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、CRユニット30の滞在モードがオンラインモードである場合に行われる処理である。
同図に示すように、カード挿入口309よりプリペイドカードが挿入されると(ステップS101肯定)、カード管理部360は、プリペイドカードにオフライン残額が存在するか否かを判定する(ステップS102)。
このとき、オフライン残額が存在する場合(ステップS102肯定)には、カード管理部360は、滞在モードと対応しない価値付け区分のプリペイドカードを受け入れない趣旨から、搬送/繰出機構部36cに対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口309に繰り出させ、プリペイドカードを返却し(ステップS115)、そのまま処理を終了する。
一方、オフライン残額が存在しない場合(ステップS102否定)には、カード管理部360は、挿入されたプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応するオンライン残額をプリペイドカードT/C10に問い合わせ(ステップS103)、書込制御部370は、プリペイドカードに記録されているオンライン残額を消去し(ステップS104)、この問合せにより得られたオンライン残額を7SEG表示部304に表示させる(ステップS105)。
また、紙幣挿入口308より紙幣が挿入されると(ステップS106肯定)、搬送/繰出機構部36cは、カード収納部36bに収納された内蔵のプリペイドカードをカードリーダライター36aに繰り出し、カード管理部360は、BVユニット部35aにて判別された挿入紙幣の金額を当該プリペイドカードに価値付けた後に(ステップS107)、プリペイドカードに価値付けたオンライン残額を7SEG表示部304に表示させる(ステップS105)。
ここで、モード一致判定部361は、プリペイドカードにオンライン残額が存在するか否か、すなわちCRユニット30の滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定する(ステップS108)。
このとき、モード一致判定部361によってプリペイドカードにオンライン残額が存在すると判定された場合(ステップS108肯定)には、手払いフラグ判定部362は、プリペイドカード内に記録された手払いフラグがオフであるか否かをさらに判定する(ステップS109)。
その結果、手払いフラグがオフであるならば(ステップS109肯定)には、カード管理部360は、貸出待機状態(ステップS110)に移行させ、その後、貸出ボタン306の押下操作を受け付けると(ステップS110肯定)、オンライン残額更新依頼部363は、挿入中のプリペイドカードのオンライン残額からパチンコ玉の貸出対価として貸出単位金額を減算するようにプリペイドカードT/C10に依頼し(ステップS111)、プリペイドカードT/C10から減算完了応答を受け付けると、玉貸し処理部380は、貸出単位金額に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い(ステップS112)、パチンコ機40に貸出単位金額分のパチンコ玉を投出させる。
また、貸出待機状態移行後に返却ボタン307の押下操作を受け付けた場合(ステップS113肯定)には、書込制御部370は、カードリーダライター36aを通じてプリペイドカードにオンライン残額を書き込み(ステップS114)、搬送/繰出機構部36cに対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口309に繰り出させ(ステップS115)、処理を終了する。
一方、モード一致判定部361によってプリペイドカードにオンライン残額が存在しないと判定された場合、すなわち残額なしのプリペイドカードを受け入れた場合や上記したステップS111でのオンライン残額の減算によりオンライン残額がゼロになった場合(ステップS108否定)には、プリペイドカードにプリペイド残額が存在しないこととなるため、カード管理部360は、搬送/繰出機構部36cにプリペイド残額なしのプリペイドカードをカード収納部36bに収納させ(ステップS116)、処理を終了する。
また、手払いフラグ判定部362によって手払いフラグがオンであると判定された場合(ステップS109否定)には、手払い精算済みのプリペイドカードを重複精算されるおそれがあるため、カード管理部360は、貸出待機状態(ステップS110)に移行せずに、搬送/繰出機構部36cに対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口309に繰り出させ(ステップS115)、処理を終了する。なお、この場合には、不正行為が行われている可能性が高いため、遊技店の従業員に対して不正報知(例えば、状態表示ランプ301の赤点滅制御、従業員が携帯するインカムに対する音声通知)を行うようにしてもよい。
(2)オンラインモード時の自動精算処理
次に、本実施例1に係るオンラインモード時の自動精算処理について詳細に説明する。図8は、実施例1に係るオンラインモード時の自動精算処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、カード精算機60の滞在モードがオンラインモードである場合に行われる処理である。
同図に示すように、カード挿入口601からプリペイドカードが挿入されると(ステップS201肯定)、精算処理部660は、プリペイドカードにオフライン残額が存在するか否かを判定する(ステップS202)。
このとき、プリペイドカードにオフライン残額が存在すれば(ステップS202肯定)、精算処理部660は、滞在モードと対応しない価値付け区分のプリペイドカードを受け入れない趣旨から、カード挿入口601からプリペイドカードを返却し(ステップS212)、そのまま処理を終了する。
一方、プリペイドカードにオフライン残額が存在しなければ(ステップS202否定)、オンライン残額精算部661は、カードリーダライター63aによってプリペイドカードから読み取られたプリペイドカードIDのオンライン残額をプリペイドカードT/C10に問い合わせ(ステップS203)、この問合せ結果により得られたオンライン残額をタッチパネル61に表示させる(ステップS204)。
ここで、モード一致判定部630は、プリペイドカードにオンライン残額が存在するか否か、すなわちカード精算機60の滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定する(ステップS205)。
このとき、モード一致判定部630によってプリペイドカードにオンライン残額が存在すると判定された場合(ステップS205肯定)には、手払いフラグ判定部640は、プリペイドカード内に記録された手払いフラグがオフであるか否かをさらに判定する(ステップS206)。
その結果、手払いフラグ判定部640によって手払いフラグがオフであると判定された場合(ステップS206肯定)には、オンライン残額精算部661は、タッチパネル61上に精算を実行する精算ボタンおよび精算をキャンセルするキャンセルボタンを表示させて精算待機状態(ステップS207)に移行する。
一方、モード一致判定部630によってプリペイドカードにオンライン残額が存在しないと判定された場合(ステップS205否定)には、プリペイドカードにプリペイド残額が存在しないこととなるため、精算処理部660は、当該プリペイドカードをカード収納部63bに収納し(ステップS211)、処理を終了する。
また、手払いフラグ判定部640によって手払いフラグがオンであると判定された場合(ステップS206否定)には、精算処理部660は、カード挿入口601からプリペイドカードを返却し(ステップS212)、処理を終了する。なお、この場合には、不正行為が行われている可能性が高いため、遊技店の従業員に対して不正報知(例えば、タッチパネル61の表示制御、従業員が携帯するインカムに対する音声通知)を行うようにしてもよい。
ここで、精算待機状態で精算ボタンの押下操作を受け付けた場合(ステップS207肯定)には、オンライン残額精算部661は、カードリーダライター63aによってプリペイドカードから読み取られたプリペイドカードIDのオンライン残額を消し込むようにプリペイドカードT/C10に依頼する(ステップS208)。
この消込み依頼に応答してプリペイドカードT/C10から消込み完了応答を受け付けると、オンライン残額精算部661は、残額の消込みを行ったプリペイドカードのプリペイドカードID、精算区分、価値付け区分、精算時刻および精算金額などの精算情報を精算履歴管理テーブル67aに登録し、プリペイドカード内のオンライン残額を書込制御部680に消去させ(ステップS209)、オンライン残額分の貨幣を現金処理部64を通じて投出させ(ステップS210)、当該プリペイドカードをカード収納部63bに収納し(ステップS211)、処理を終了する。なお、この場合、オンラインモードにおける自動精算であるため、精算区分及び価値付け区分についてはそれぞれ区分「1」が精算履歴管理テーブル67aに登録される。
(3)高額オフラインモードへの切替え処理
次に、本実施例1に係る高額オフラインモードへの切替え処理について詳細に説明する。図9は、実施例1に係る高額オフラインモードへの切替え処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、CRユニット30又はカード精算機60の滞在モードが低額オフラインモードである場合に行われる処理であり、図9に示したフローチャートではCRユニット30で行われる一例を示している。
同図に示すように、リモコン70からの高額オフラインモードの発動要求をリモコン受光部310を介して受け付けると(ステップS301肯定)、リモコン処理部330は、高額オフラインモードを発動するために必要なパスワードの入力をリモコン70からさらに受け付ける(ステップS302)。
ここで、モード切替え部350は、リモコン処理部330によって受け付けられた入力パスワードがパスワード生成部340によって生成された照合用パスワードと一致するか否かを判定する(ステップS303)。
図10に示すように、中央管理装置100のパスワード生成部110は、CRユニット30のパスワード生成部340によって生成される生成ロジックAと同一の生成ロジックで入力パスワードを生成しており、この入力パスワードは、中央管理センタを介してしか入手することができない。すなわち、プリペイドカードT/C10が機能障害に陥った状況を中央管理センタから派遣されたメンテ員や遊技店の管理者等の遊技店運用に直接関わる者が中央管理センタの運営者に所望の通信手段(例えば、電話や電子メールなど)を介して伝達し、中央管理センタの運営者によって当該遊技店における高額オフラインモードの発動を許可すべきと判断されると、たとえばパスワード生成部110によって生成された入力パスワードが添付された電子メールをメールサーバ150を介して遊技店の管理者所有の通信端末800で受け取る。この入力パスワードがリモコン70を通じてCRユニット30に入力されると、パスワード生成部340によって生成された照合用パスワードと照合され、高額オフラインモードの発動条件を1つクリアすることになる。
このように、入力パスワードの入手経路を限定したのは、中央管理センタの運営者が許可するもとで高額オフラインモードが発動されることを担保するとともに、一般の従業員等の遊技店運営に関知しない者によって高額オフラインモードが発動されることを防止するためである。
図9の説明に戻り、入力パスワードが照合用パスワードと一致した場合(ステップS303肯定)には、モード切替え部350は、当該CRユニット30の滞在モードを高額オフラインモードに切り替えるとともに(ステップS304)、当該CRユニット30と同一の島に所属する他のCRユニット30に直近上位の島コントローラ20を介して高額オフラインモードへの切替えを指示し(ステップS305)、処理を終了する。
一方、入力パスワードが照合用パスワードと一致しない場合(ステップS303否定)には、モード切替え部350は、表示部32に発動NGを示す画面表示を行って高額オフラインモードが発動不能な旨を報知し(ステップS306)、処理を終了する。
このように、島コントローラ20を介して接続される他のCRユニット30に対して高額オフラインモードへの切替えを指示することにより、他のCRユニット30での高額オフラインモードの発動操作を省略させることができ、高額オフラインモードへの切替えを迅速に行うことが可能になる。
なお、図9に示した例では、CRユニット30において高額オフラインモードを発動する処理を説明したが、カード精算機60において高額オフラインモードを発動する場合にも同様の処理が行われる。
(4)対プリペイドカードT/Cの通信途絶時の玉貸し処理
次に、本実施例1に係る対プリペイドカードT/Cの通信途絶時の玉貸し処理について詳細に説明する。図11は、実施例1に係る対プリペイドカードT/Cの通信途絶時の玉貸し処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、CRユニット30の滞在モードが低額オフラインモードまたは高額オフラインモードである場合に行われる処理である。なお、図11に示したフローチャートでは、偽装のコピーカードを使用する不正を予防する趣旨から外部からカードを受け入れない場合を例示している。
同図に示すように、紙幣挿入口308より紙幣が挿入されると(ステップS401肯定)、カード管理部360は、CRユニット30の滞在モードが高額オフラインモードであるのか否かを判定する(ステップS402)。
このとき、滞在モードが低額オフラインモードである場合(ステップS402否定)には、カード管理部360は、挿入紙幣が低額オフラインモード指定の紙幣(本例では、千円札)であるか否かをさらに判定する(ステップS403)。
そして、挿入紙幣が低額オフラインモード指定の紙幣である場合(ステップS403肯定)には、玉貸し処理部380は、当該紙幣に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い(ステップS404)、パチンコ機40に低額紙幣分のパチンコ玉(250個)を投出させ、また、挿入紙幣が低額オフラインモード指定の紙幣ではない場合(ステップS403否定)には、紙幣挿入口308から挿入紙幣をそのまま返却し(ステップS405)、処理を終了する。
一方、滞在モードが高額オフラインモードである場合(ステップS402肯定)には、オフライン残額更新部364は、内蔵のプリペイドカードにオフライン残額を書き込むことを前提に挿入紙幣の金額を記憶部37に保持させることでプリペイドカードにオフライン残額を実質的に価値付け(ステップS406)、そのオフライン残額を7SEG表示部304に表示させる(ステップS407)。
ここで、モード一致判定部361は、プリペイドカードにオフライン残額が存在するか否か、すなわちCRユニット30の滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定する(ステップS408)。なお、当然のことながら、価値付け直後にはオフライン残額が存在することになる。
このとき、モード一致判定部361によってプリペイドカードにオフライン残額が存在すると判定された場合(ステップS408肯定)には、カード管理部360は、貸出待機状態(ステップS409)に移行させ、その後、貸出ボタン306の押下操作を受け付けると(ステップS409肯定)、オフライン残額更新部364は、記憶部37に保持中のオフライン残額からパチンコ玉の貸出対価として貸出単位金額を減算し(ステップS410)、玉貸し処理部380は、貸出単位金額に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い(ステップS411)、パチンコ機40に貸出単位金額分のパチンコ玉を投出させる。
また、貸出待機状態移行後に返却ボタン307の押下操作を受け付けた場合(ステップS413肯定)には、書込制御部370は、カードリーダライター36aを通じてプリペイドカードにオフライン残額を書き込み(ステップS414)、搬送/繰出機構部36cに対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口309に繰り出させ(ステップS415)、処理を終了する。
そして、記憶部37に保持されたオフライン残額がゼロになるか、或いは返却ボタン307が押下されるまでは(ステップS408肯定またはステップS413否定)、上記したステップS408〜ステップS411までの処理を繰り返し行い、記憶部37に保持されたオフライン残額がゼロになれば(ステップS408否定)、処理を終了する。
(5)高額オフラインモード時の自動精算処理
次に、本実施例1に係る高額オフラインモード時の自動精算処理について詳細に説明する。図12は、実施例1に係る高額オフラインモード時の自動精算処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、カード精算機60の滞在モードが高額オフラインモードである場合に行われる処理である。
同図に示すように、カード挿入口601からプリペイドカードが挿入されると(ステップS501肯定)、精算処理部660は、プリペイドカードにオンライン残額が存在するか否かを判定する(ステップS502)。
このとき、プリペイドカードにオンライン残額が存在すれば(ステップS502肯定)、精算処理部660は、滞在モードと対応しない価値付け区分のプリペイドカードを受け付けない趣旨から、カード挿入口601からプリペイドカードを返却し(ステップS512)、そのまま処理を終了する。
一方、プリペイドカードにオンライン残額が存在しなければ(ステップS502否定)、カードリーダライター63aは、プリペイドカードに記録されたオフライン残額を読み取り(ステップS503)、そのオフライン残額をタッチパネル61に表示させる(ステップS504)。
ここで、モード一致判定部630は、プリペイドカードにオフライン残額が存在するか否か、すなわちカード精算機60の滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定する(ステップS505)。
このとき、モード一致判定部630によってプリペイドカードにオフライン残額が存在すると判定された場合(ステップS505肯定)には、精算履歴判定部650は、カードリーダライター63aによって読み取られたプリペイドカードIDが精算履歴管理テーブル67a内に登録されているか否かをさらに判定する(ステップS506)。
その結果、精算履歴判定部650によって精算履歴管理テーブル67aにプリペイドカードIDが登録されていないと判定された場合(ステップS506否定)には、オフライン残額精算部662は、タッチパネル61上に精算を実行する精算ボタンおよび精算をキャンセルするキャンセルボタンを表示させて精算待機状態(ステップS507)に移行する。
その後、精算ボタンの押下操作を受け付けた場合(ステップS507肯定)には、オフライン残額精算部662は、オフライン残額分の貨幣を現金処理部64を通じて投出させ(ステップS508)、自動精算を行ったプリペイドカードのプリペイドカードID、精算区分、価値付け区分、精算時刻および精算金額などの精算情報を精算履歴管理テーブル67aに登録し(ステップS509)、プリペイドカード内のオフライン残額を書込制御部680に消去させ(ステップS510)、当該プリペイドカードをカード収納部63bに収納し(ステップS511)、処理を終了する。なお、この場合、高額オフラインモードにおける自動精算であるため、精算区分については区分「1」(=自動精算)、価値付け区分については区分「2」(=オフライン価値)がそれぞれ精算履歴管理テーブル67aに登録される。
一方、モード一致判定部630によってプリペイドカードにオフライン残額が存在しないと判定された場合(ステップS505肯定)には、プリペイドカードにプリペイド残額が存在しないこととなるため、精算処理部660は、当該プリペイドカードをカード収納部63bに収納し(ステップS511)、処理を終了する。
また、精算履歴判定部650によって精算履歴管理テーブル67aにプリペイドカードIDが登録されていると判定された場合(ステップS506肯定)には、精算処理部660は、カード挿入口601からプリペイドカードを返却し(ステップS512)、処理を終了する。なお、この場合には、不正行為が行われている可能性が高いため、遊技店の従業員に対して不正報知(例えば、タッチパネル61の表示制御、従業員が携帯するインカムに対する音声通知)を行うようにしてもよい。
(6)手払い支援処理
次に、本実施例1に係る手払い支援処理について詳細に説明する。図13は、実施例1に係る手払い支援処理の手順を示すフローチャートである。図14は、図13に示した手払い支援処理で表示される画面の遷移例を示す図である。この処理は、カード精算機60の滞在モードがオンラインモードおよび高額オフラインモード(低額オフラインモード以外の運用モード)である場合に係員立会いの下で行われる処理であり、図14では、高額オフラインモード時に手払い精算する場合の画面の遷移例を示している。
図13に示すように、リモコン70上での係員操作によってタッチパネル61上に係員操作メニュ画面が呼び出され、かかる係員操作メニュー画面から「手払い精算」が選択操作されると(ステップS601)、手払い支援部670は、遊技店の管理者が介在するもとで手払い精算が行われようとしていることを確認するためにパスワード照合が行われたか否かを判定する(ステップS602)。なお、図14に示すカード手払いの開始意思を確認する画面上におけるプリントボタンが押下操作されると、精算履歴管理テーブル67aによって記憶された精算履歴(図6参照)の内容が図15に示した「手払い票」としてプリンタ65によって印字出力される。かかる「手払い票」は、遊技店の管理者等に精算状況を把握させるためのものである。
このとき、未だパスワード照合が行われていない場合(ステップS602否定)には、手払い支援部670は、中央管理センタが関与するパスワードを入力させるパスワード入力画面をタッチパネル61上に表示させ(ステップS603)、リモコン70を通じてパスワードの入力を受け付ける(ステップS604)。
ここで、手払い支援部670は、リモコン70から受け付けた入力パスワードがパスワード生成部610によって生成された照合用パスワードと一致するか否かを判定する(ステップS605)。
このとき、入力パスワードが照合用パスワードと一致しなかった場合(ステップS605否定)には、手払い支援部670は、パスワードがNGである旨を報知するエラー報知画面をタッチパネル61に表示させ(ステップS606)、そのまま処理を終了する。
一方、入力パスワードが照合用パスワードと一致した場合(ステップS605肯定)には、手払い支援部670は、手払い精算の対象とするプリペイドカードの挿入を促すカード挿入喚起画面をタッチパネル61に表示させ(ステップS607)、プリペイドカードの受付待機状態に移行する(ステップS608)。なお、この時、タッチパネル61に表示させたカード挿入喚起画面上で手払い支援の終了操作(「戻る」ボタン)が押下された場合(ステップS609肯定)には、そのまま処理を終了する。
そして、カード挿入口601からプリペイドカードが挿入されると(ステップS608肯定)、モード一致判定部630は、当該プリペイドカードにカード精算機60の滞在モードと異なるプリペイド残額が存在するか否かを判定する(ステップS610)。
このとき、カード精算機60の滞在モードと異なるプリペイド残額が存在しない場合、すなわち滞在モードに対応した価値付け区分のプリペイド残額しかない場合ならびにプリペイド残額が存在しない場合(ステップS610否定)には、取扱いが不能である旨とその原因(例えば、自動精算すべきプリペイドカードである旨や残額自体が存在しない旨)を取扱い不能報知画面として表示させてから(ステップS611)返却カードの受取を促すカード受取喚起画面を表示させ(ステップS620)、当該プリペイドカードを返却する(ステップS621)。なお、この場合、カード返却後にカード挿入喚起画面がタッチパネル61に表示され、別の手払い精算の対象とするプリペイドカードの挿入が促される。
一方、カード精算機60の滞在モードと異なるプリペイド残額が存在する場合(ステップS610肯定)には、手払いフラグ判定部640は、プリペイドカード内の手払いフラグがオフであるか否かをさらに判定する(ステップS612)。
ここで、手払いフラグ判定部640によって手払いフラグがオンであると判定された場合(ステップS612否定)には、手払い支援部670は、既に手払い精算が済んでいる旨を報知する手払い済み報知画面をタッチパネル61に表示させてから(ステップS613)返却カードの受取を促すカード受取喚起画面を表示させ(ステップS620)、当該プリペイドカードを返却する(ステップS621)。なお、この場合にも、カード返却後にカード挿入喚起画面がタッチパネル61に表示され、別の手払い精算の対象とするプリペイドカードの挿入が促される。
また、手払いフラグ判定部640によって手払いフラグがオフであると判定された場合(ステップS612肯定)には、手払い支援部670は、当該プリペイドカードに記録された情報、たとえば価値付け区分、プリペイド残額、カード種別、プリペイドカードID、処理日時や処理号機などの情報を含むカード情報画面をタッチパネル61に表示させる(ステップS614)。
続いて、このカード情報画面上にある手払い実行意思の確認操作がなされると(ステップS615肯定)、手払い支援部670は、手払いの精算金額やその他の手払いに関する注意事項などを含む手払い実行画面をタッチパネル61に表示させる(ステップS616)。
そして、手払い実行画面上で手払い終了の確認操作(実行ボタンの押下)を受け付けると(ステップS617肯定)、手払い支援部670は、手払い精算が行われたプリペイドカードのプリペイドカードID、精算区分、価値付け区分、精算時刻および精算金額などの精算情報を精算履歴管理テーブル67aに登録し(ステップS618)、書込制御部680は、プリペイドカード内の手払いフラグをオンに更新してから(ステップS619)、返却カードの受取を促すカード受取喚起画面を表示させ(ステップS620)、当該プリペイドカードを返却する(ステップS621)。なお、この場合にも、カード返却後にカード挿入喚起画面がタッチパネル61に表示され、別の手払い精算の対象とするプリペイドカードの挿入が促される。
その後、カード挿入喚起画面上で手払い支援の終了操作(「戻る」ボタン)が押下されるまで(ステップS609否定)、上記したステップS608〜ステップS621までの処理を繰り返し行い、カード挿入喚起画面上で手払い支援の終了操作(「戻る」ボタン)が押下されると(ステップS609肯定)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1に係るプリペイドカードシステム1によれば、所定の支払い価値を遊技への使用を前提としたプリペイド残額として受け付け、オンラインモードまたは高額オフラインモードのいずれのモードにおいて支払い価値をプリペイド残額として価値付けたかを示す価値付け区分をプリペイドカードに書き込ませるようにCRユニット30を構成し、オンラインモード及び高額オフラインモードを切り替え、処理要求受付時に滞在している滞在モードがプリペイドカードに書き込まれた価値付け区分と一致するか否かを判定し、これら滞在モードと価値付け区分とが一致すると判定した場合に、プリペイドカードの使用または精算の自動処理を許可するようにCRユニット30およびカード精算機60を構成したので、プリペイドカードT/C10と店内機器との通信が途絶した場合でも遊技客に高額紙幣を使用させるとともに、システム管理を行う上で性質が異なるプリペイド残額をそれぞれの価値付け区分と異なる運用モードで使用または精算されることがなくなり、システム管理が煩雑化することを防止しつつ、遊技客のプリペイドカードに係る利便性を向上させることが可能になる。
さらに、本実施例1に係るプリペイドカードシステム1によれば、滞在モードと価値付け区分とが不一致であると判定した場合に、プリペイドカードに書き込まれたプリペイド残額の価値高を表示させるように構成したので、オフライン状態になるまでにオンライン状態で購入されたオンライン残額、或いはその逆にオフライン残額を価値付け区分とは異なる滞在モードで手払い精算させることができ、プリペイド残額が不明であることが原因で対応不能となる事態がなくなる結果、遊技客のプリペイドカードに係る利便性を多面的に向上させることが可能になる。