JP2009201570A - 頭皮用ブラシ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛31が複数束ねられてなる毛束3と、弾性材料からなり先端部5aが面取りされてなる錐体状突起5と、毛束3が植毛される植毛穴22が複数設けられるとともに、錐体状突起5が取付けられる突起取付穴23が複数設けられたブラシ面21を有する基台2とを具備し、植毛穴22の各々に、該植毛穴22内部が外部から観察されない状態の密度で毛束3が植毛され、且つ、突起取付穴23の各々に錐体状突起5が取付けられてなり、ブラシ面21上において、毛束3がブラシ面21の周縁21aに沿った外周部21bに配されるとともに、錐体状突起5が毛束3の植設された外周部21bよりも内側の内周部21cに配されてなる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、特許文献8、9に記載の構成では、細径のブリッスルの束と太径のブリッスルとが各々隣接して配列されているので、洗浄効果とマッサージ効果の両方を同時に得るのが困難であるという問題があった。
しかしながら、このような毛束の配置が所定の配列とされたブラシを、例えば、毛髪の長い使用者が洗髪に使用した場合、毛束を構成する用毛に毛髪が絡みつきやすいため、用毛の先端が頭皮に確実に到達するのが困難になる虞がある。このような場合には、頭皮における高いマッサージ効果が得られ難くなるとともに、使用者が頭皮への用毛の到達を実感し難いために、ブラシ使用によるマッサージ効果感がさらに低いものとなってしまう問題があった。
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記ブラシ面上において、前記毛束をなす用毛の前記ブラシ面からの長さ寸法が、前記錐体状突起の前記ブラシ面からの長さ寸法よりも1mm以上5mm以下の範囲で長い寸法とされた構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記錐体状突起の各々が、前記ブラシ面上において、隣接する錐体状突起の根元の間に5mm以上30mm以下の範囲の間隔を設けて前記突起取付穴に取付けられる構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、前記錐体状突起の各々が、前記ブラシ面上において、円状、横縞状、市松状、十字状又は放射状の何れかの配列とされ、前記突起取付穴に取付けられる構成とすることができる。
また、本発明の頭皮用ブラシは、さらに、開口部を有して中空状に形成された筐体が備えられるとともに、該筐体の前記開口部に前記基台が一体に取り付けられており、前記基台のブラシ面の略中央部及び/又は周縁部に、前記基台を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられた構成とすることができる。
図1(a)、(b)は本発明に係る頭皮用ブラシの一例を示す模式図であり、図2は図1(b)の主要部を拡大して詳細に示した図である。また、図3は頭皮用ブラシの用毛に用いられる細径ブリッスルの一例を示す概略図であり、図4は基台上に植毛された状態の用毛(毛束)を示す概略図である。また、図5は頭皮用ブラシの錐体状突起の一例を示す概略図であり、図6は基台上に取付けられた状態の錐体状突起を示す概略図である。また、図7(a)〜(i)は頭皮用ブラシのブラシ面における用毛の配列パターンの他の例を示す概略図であり、図8はブラシ面に略中央部に基台を貫通するように貫通孔が設けられた他の例を示す概略図である。
また、本実施形態の頭皮用ブラシ1は、図1に示す例では、さらに、開口部41を有する中空状(図1(a)の中空部4a参照)に形成された筐体4が備えられるとともに、該筐体4の開口部41に、基台2が一体に取り付けられてなる。
基台2の材質としては、ポリプロピレン等、一般的な硬質樹脂材料を何ら制限無く用いることができる。
また、植毛穴22は、ブラシ面21上における配列パターンを毛束3の植毛パターンに応じて形成する必要があり、図2に示す例では、所定間隔で組み合わされた植毛穴22が三穴ずつ並行で計6穴配されて1ユニットとされており、これら各ユニットが、詳細を後述する配置パターンにより、ブラシ面21上における外周部21bの領域に適宜配列される。
また、突起取付穴23は、ブラシ面21上における配列パターンを、詳細を後述する錐体状突起5の取付パターンに応じて形成する必要があり、図2に示す例では、突起取付穴23が計10個、ブラシ面21上における外周部21bよりも内側の内周部21cに配されている。また、図示例では、ブラシ面21の内周部21cにおいて、8個の突起取付穴23が楕円形状に配され、この楕円形状の内側に2個の突起取付穴23が配されている。
用毛31は、図3に示すように、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、図示例では、両端の先端部31aがテーパ状に形成されている。また、先端部31aは、少なくともその端面31b付近における直径dが、頭皮の毛穴よりも細い径とされている。
なお、テーパ形状とされた用毛は先端部の強度が弱いため、極度に強い力を加えて頭皮の洗浄やマッサージを行った際に毛先が曲がってしまい、毛穴の洗浄を行うことが困難となることがある。このため、頭皮洗浄時に使用者がブラシに加える荷重としては、概ね300〜1000g程度とすることが好ましい。
またさらに、本実施形態の頭皮用ブラシ1では、詳細を後述する錐体状突起5を、ブラシ面21上における外周部21bの内側、つまり、図2に示す内周部21cに、適宜間隔を設けて配置することにより、毛髪が錐体状突起5に絡まることなく、使用者が適度なマッサージ感を得ることが可能となる。
用毛の毛丈が5mmよりも短いと、毛髪が障害となって用毛(毛束)が頭皮毛穴に届かない虞がある。また、用毛31の毛丈が30mmよりも長いと、用毛が曲がりやすくなり、先端部が頭皮の地肌や毛穴に届き難くなる。
なお、植毛された用毛31(毛束3)の毛丈に多少のばらつきが生じる場合もあるが、植毛された全用毛31の内の概ね9割以上が、上記5〜30mmの毛丈の範囲に入っていることが品質上好ましく、10〜20mmの範囲に入っていることがより好ましい。
また、詳細を後述するが、毛束3をなす用毛31の毛丈は、図4に示すブラシ面21からの長さH1が、後述の錐体状突起5のブラシ面21からの長さH2(図6を参照)よりも、1mm以上5mm以下の範囲で長い寸法となるように構成することが、頭皮用ブラシによる洗浄効果及びマッサージ効果の両方がより高められる点から好ましい。
これに対し、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度となる本数の用毛が植毛されてなる本発明に係る頭皮用ブラシでは、毛束3内に抜けた毛髪が絡みつくことがなく、また、植毛穴22内部に観察可能な隙間がないので、洗浄剤等が浸入して詰まるのが抑制される。
例えば、直径が1.5mmとされた植毛穴22に、細径ブリッスル中央部の直径が190μmの用毛31を植毛する場合、21本の用毛31を、厚さ0.25mmの平線で用毛31の中央部で固定して植毛すると、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度とすることができる。このような植毛穴22内の状態について、断面積で検討すると、植毛穴22の断面積=0.75×0.75×3.14=1.77mm2に対し、用毛31が占める断面積は、0.095×0.095×3.14×21×2=1.19mm2となり、植毛穴22の断面積の内の67%が用毛31で占められている状態となる。
また、本発明者等が鋭意実験した結果、用毛31の植毛数を13本とした場合は、植毛穴22の断面積に対して用毛31の断面積が占める割合が42%となり、この42%という割合が、植毛穴22内部が外部から観察されない状態と観察可能な状態との境界となることが見出された。植毛穴22の断面積に対する用毛31の断面積の占める割合が、境界である42%未満になると、植毛穴22内部が外部から観察可能な状態となり、このような状態においては、直径が概ね70μm程度である毛髪が、用毛31に絡みつきやすくなる。
また、植毛穴22に対する植毛数が10本よりも少ないと頭皮毛穴の洗浄効果が低下し、植毛数が50本よりも多いと、径の大きな植毛穴を基台2に形成する必要があるため、植毛穴22内に、洗髪時に使用する洗浄剤やリンス剤等が浸入して詰まり易くなり、頭皮用ブラシの衛生上好ましくない。
また、上記植毛数にばらつきが生じる場合もあるが、用毛31(毛束3)が植毛された植毛穴22内の概ね9割以上において、用毛31の植毛数が10〜30本の範囲内とされていることが品質上好ましく、10〜25本の範囲であることがより好ましい。
い。
なお、用毛31の材質として金属等の硬い素材を用いる場合、ブリッスル径が細いものでも強度を確保することができるため、図3又は図4に示すようなテーパ形状の細径ブリッスルのみならず直毛状のものを用いることも可能である。しかしながら、このような直毛状の金属製ブリッスルを用いた場合、ブラシ使用時に用毛が折れた際に欠損切断面が鋭利な形状となり、マッサージ時に頭皮の地肌を傷つけるため、安全性上好ましくない。
なお、例えば、特開2001−46149号公報等に示されるように、植毛後のブラシ(毛束3)の品質を向上させる等の目的で、中間品である毛束3植毛後の基台2に対して、冷却或いは加熱による熱処理を施す等、何らかの処理を施す方法についても、本発明の効果を損なわない範囲で適用することが可能である。
錐体状突起5は、図5、6に示す例では、基部5bから先端部5aに向かうに従って縮径する略円錐状に形成されるともに、先端部5aが曲面状に面取りされた形状とされているが、これには限定されず、例えば、錐体状突起の先端に、さらに単数あるいは複数の真円状突起が設けられた構成とすることも可能である。
また、先端から0.1mmの部分における直径は0.4〜1mmの範囲であることが好ましい。直径が0.4mmだと、目的とするマッサージ効果が充分に得られず、また、1mmよりも大きいと、頭皮の洗浄実感が低下するため好ましくない。
このように、ブラシ面21上における毛束3をなす用毛31の長さを、錐体状突起5の長さよりも上記範囲で短く構成することにより、細径ブリッスルからなる用毛31が効率よく確実に頭皮に到達するとともに、弾性材料からなる錐体状突起5に確実に頭皮に到達してマッサージ効果を付与できる。これにより、用毛31による頭皮毛穴の洗浄効果と、錐体状突起5による頭皮のマッサージ効果の両方を高めることが可能となる。
基台2のブラシ面21からの、用毛31の長さH1と錐体状突起5の長さH2との差が1mm未満だと、用毛31(毛束3)の先端と錐体状突起5の先端とが略面状となりやすいため、用毛先端が頭皮に接する力が弱まり、毛穴内部の洗浄効果が充分に得られなくなる虞がある。また、用毛31の長さH1と錐体状突起5の長さH2との差が5mmを超えると、錐体状突起の先端が頭皮に到達せず、充分なマッサージ効果が得られなくなる虞がある。
筐体4は、上述したように、開口部41に基台2が一体に取り付けられることにより、頭皮用ブラシ1の本体或いは把持部材として機能するものであり、ポリスチレン系樹脂等、従来公知の材料を何ら制限無く用いて構成することができる。
また、図示例の把持部42は、使用者が片手で掴んで操作することができるように、先端部に膨らみが持たされた形状とされているが、これには限定されず、把持部の形状や大きさについては、適宜決定することができる。
本実施形態の頭皮用ブラシ1は、上述したように、ブラシ面21上において、毛束3がブラシ面21の周縁21aに沿った外周部21bに配されるとともに、錐体状突起5が毛束3の植設された外周部21bよりも内側の内周部21cに配された構成とされている。このような構成により、頭皮用ブラシ1は、用毛31による頭皮の毛穴内部の洗浄効果と、錐体状突起5による頭皮のマッサージ効果の両方を得ることが可能となる。
また、本実施形態の頭皮用ブラシ1は、錐体状突起5が、基台2のブラシ面21上において、内周部21cの領域に錐体状突起5が計10個設けられ、図示例では、8個の錐体状突起5が楕円形状に配され、この楕円形状の内側に2個の錐体状突起5が配されている。
錐体状突起5は、図2に示す例のようなブラシ面21上の内周部21cにおいて、隣接する錐体状突起5の各々の根元の間に5mm以上30mm以下の範囲の間隔C1を設けて配置されていることが好ましく、7mm以上22mm以下の範囲で間隔が設けられていることがより好ましい。複数の錐体状突起5の各々の間隔C1を上記範囲とすることにより、毛髪をかき分ける効果に優れるとともに、外周部21bに植毛される毛束3(用毛31)の先端を頭皮に到達させることができ、また、錐体状突起5の先端部5aによる優れたマッサージ効果が得られる。隣接する錐体状突起の各々の根元の間の間隔C1が5mm未満だと、毛髪が錐体状突起に絡まり易くなり、洗髪時の頭皮用ブラシの櫛通りが低下する。また、隣接する錐体状突起の各々の根元の間の間隔C1が30mmを超えると、頭皮に付与される所望のマッサージ効果が得られなくなる虞がある。
本実施形態では、ブラシ面21上において外周部21bに配置された植毛穴22を2〜6個で1ユニットとし、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離が、最短部距離L1で2mm以上、最長部距離L2で15mm未満とされ、且つ、任意のユニットの中心点から、最も近いユニットの中心点までの最短中心点距離が10mm以上25mm未満の範囲として構成されることが好ましい。図2に示す例では、植毛穴22が長方形状に6穴配置されることで1ユニットとされ、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離が、最短部距離L1で3.3mm、最長部距離L2で約8.5mmとされ、最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3が、最短部で16mmとされている。
ここで、本発明で説明する植毛領域とは、植毛穴22が密集する領域、つまり、植毛穴22に毛束3(用毛31)が植毛されることによって該毛束3が密集する領域であり、上述のように、植毛穴22が比較的近距離のユニット単位で配されることで構成される。一方、無植毛領域とは、ブラシ面21上において、植毛穴22が設けられていない領域あるいは植毛穴22が疎な状態で配されている領域であり、毛束3(用毛31)が植毛されていないか、あるいは、疎な状態で植毛された領域である。つまり、図2に示す例では、6穴の植毛穴22からなる各ユニットが植毛領域であり、各ユニットからなる植毛領域間の隙間領域が無植毛領域である。
本発明では、上述のように、ブラシ面21上の外周部21bにおいて植毛領域と無植毛領域とが配される構成により、植毛穴22、つまり複数の毛束3が均等に分布された場合に比べ、高いマッサージ効果が得られるとともに、高い頭皮毛穴洗浄効果が得られる。
本発明者等が鋭意研究したところ、充分な汚れの洗浄実感とマッサージ効果を同時に得られる条件として、3〜9穴の植毛穴22、より好ましくは4〜6穴の植毛穴22を1ユニットとし、この場合の1ユニット内における任意の2つの植毛穴22の中心間距離の最短部距離L1を2mm以上、最長部距離L2を15mm未満、より好ましくは最短部距離L1を2.5mm以上、最長部距離L2を10mm未満に構成するとともに、任意のユニットの中心点から最も近いユニットの中心点までの距離L3を10mm以上25mm未満、より好ましくは12mm以上20mm未満で構成することが重要であることが明らかとなった。
本実施形態の頭皮用ブラシ1では、上述したように、基台2のブラシ面21上において、周縁21aに沿った外周部21bに毛束3(用毛31)が植毛され、外周部21bよりも内側の内周部21cに錐体状突起5が取付けられる。本実施形態では、ブラシ面21上において植毛穴22が設けられる外周部21bが、ブラシ面21全体に対する面積比で、40%以上60%の範囲とされていることが好ましい。
貫通孔を設ける箇所としては、ブラシ面13の略中央部及び/又は周縁部の他、筐体の把持部等に設けた構成としても良く、貫通孔の形状や位置、大きさ等は適宜決定することが可能である。
以下の手順で、図3に示すような用毛を用いて毛束を作製するとともに、図5に示すような錐体状突起を作成し、これら毛束及び錐体状突起が取付けられた基台を筐体に取り付けることにより、図1に示すような頭皮用ブラシのサンプルを作製した。
まず、図1及び図2中に示すような、79.3×64.3mmの平面視略楕円形状とされ、厚さが4.5mmの基台2において、ブラシ面21の外周部21bに、直径が1.5mmの植毛穴22を長方形状に6穴配置して1ユニットとし、計10ユニット(植毛穴の合計数:60穴)を配置した。この際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離は、最短部距離L1で3.3mm、最長部距離L2で約8.5mmとし、また、最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3を16mmとした。また、この際、ブラシ面上における外周部の領域としては、ブラシ面の周縁に沿った外側の約55%の領域とした。
また、ブラシ面21の内周部21cの領域には、錐体状突起5を挿通して取付けるための突起取付孔(突起取付穴23)を、8個の突起取付孔を楕円形状に配し、この楕円形状の内側に2個の突起取付孔を配した形態の配列で、計10個形成した。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂材料が用いられてなる、直径190μmの用毛の原糸を等寸法にカットし、規定温度に加温した高濃度NaCl溶液中に浸漬して薬品加工を施す従来公知の方法を用い、両端部をテーパ状に加工することにより、図3に示すような頭皮用ブラシ用の用毛31を得た。この手順で得られた用毛(細径ブリッスル)31の先端から0.1mmの部位における直径は約20μm、最も太い部分の直径は約0.19mmであった。
両端部がテーパ状に加工された用毛31を約15本で一束として、基台2の各植毛穴22に中央部から折り返すようにして用毛31を植毛することにより、各植毛穴22に毛束3が取り付けられた状態とした。この際、用毛(毛束)31の毛丈は、基台2のブラシ面21から端面31bまでの寸法の平均で、約14mm(±0.5mm)とした。
錐体状突起5としては、スチレン系エラストマー樹脂(硬度:60A)を用い、錐体状突起5及び該錐体状突起5が表面に形成されてなる図示略の突起基板を一体成形で作製した。この際、錐体状突起5は、先端から0.1mmの部位における直径を約0.6mm、突起の付け根部分の直径を7mmとして形成した。また、錐体状突起5の先端部5aには、曲面状に面取り処理を施した。
上記手順で得られた、ブラシ面21上の外周部21bに複数の毛束3が植毛されるとともに、内周部21cに突起取付孔(突起取付穴23)が形成された基台2、並びに、表面に錐体状突起5が形成された基板を、図1に示すような筐体4の開口部41に嵌め込んで一体に取付け、実施例1の頭皮用ブラシ1を得た。この際、錐体状突起5が形成されてなる図示略の基板上に基台2を重ね合わせ、基台2に形成された突起取付孔に錐体状突起5が挿通され、ブラシ面21から突出するように組み付けた。
上述のように組み付けられてなる頭皮ブラシ1のブラシ面21上において、該ブラシ面21からの毛束3(用毛31)の長さH1から錐体状突起5の長さH2を引いた寸法は、2.5mmであった。また、ブラシ面21上において、各々の錐体状突起5の根元の間に設けられる間隔C1は、最長部分で15mm、最短部分で10mmとした。
なお、実施例13、14の頭皮用ブラシは、ブラシ面上において毛束が植設される外周部を、それぞれブラシ面の周縁に沿った外側の約35%、約65%の領域とした例である。実施例13、14の頭皮用ブラシは、何れも1ユニット内の穴数及び上記L1、L2の寸法は同じであるが、外周部の周縁からの領域がそれぞれ約35%、約65%であることから、上記L3の寸法を、実施例13では20mm、実施例14では10mmとしている。これは、各毛束で構成されるユニットの各々を、実施例13においては周縁に沿って1列のみ配置しているが(図7(i)参照)、実施例14においては、詳細な図示を省略するが、ユニットの各々を周縁に沿って2列配置していることによる。
上述のようにして得られた各実施例及び比較例の頭皮用ブラシを用い、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」について、以下の方法で評価した。
頭皮用ブラシの使用方法としては、市販のシャンプー(商品名:植物物語;登録商標、ライオン株式会社製)を用い、まず、各パネル(被験者)がシャンプーを頭皮及び頭髪に対して適量で付与し、泡が頭皮地肌全体に行き渡るようにして泡立てた後、頭皮用ブラシの各サンプルを用いて洗髪を行なった。この際、頭皮用ブラシの各サンプルを用いた洗髪時間は約3分間とし、均一に頭皮用ブラシを動かして泡立てながら洗浄する方法とした。そして、お湯で頭髪及び頭皮全体をすすいだ後、頭髪を乾燥させ、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」について、各パネルが以下に説明する評価基準で官能評価を行なった。
なお、各官能評価試験におけるパネル(被験者)としては、女性パネル(n=30名)を用い、各パネルの頭髪の長さとして、「耳〜肩に付くまでの長さ:計5名」、「肩から下方へ10cm以内の長さ:計15名」、「肩から10cm超20cm以下の長さ:計10名」としてパネルの選定を行い、各々同条件で評価を行なった。
上記頭皮用ブラシの各サンプル(実施例1〜15、比較例1〜6)について、各パネラー(n=30名)がシャンプーを用いて頭皮洗浄操作を行い、毛穴内部の洗浄感を5段階(良好、やや良好、どちらとも言えない、やや良くない、良くない)で官能評価し、良好又はやや良好と感じたパネラーの人数に応じて、以下に示すような4段階の基準で評価した。
これらの評価結果を、下記表1及び表2にそれぞれ示した。
(1)◎:良好と答えたパネラーが80%以上(大きな効果あり)
(2)○:良好と答えたパネラーが60%以上80%未満(効果あり)
(3)△:良好と答えたパネラーが40%以上60%未満(あまり効果なし)
(4)×:良好と答えたパネラーが40%未満(効果なし)
上記頭皮用ブラシの各サンプル(実施例1〜15、比較例1〜6)について、各パネラーがシャンプーを用いて頭皮洗浄操作を行い、頭皮マッサージ感について、上記「毛穴内部洗浄感」と同様の基準で官能評価した。そして、上記同様の基準で4段階評価し、評価結果を、下記表1及び表2にそれぞれ示した。
上記頭皮用ブラシの各サンプル(実施例1〜15、比較例1〜6)について、各パネラーがシャンプーを用いて頭皮洗浄操作を行い、洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さについて、上記「毛穴内部洗浄感」及び「頭皮マッサージ感」と同様の基準で官能評価した。そして、上記同様の基準で4段階評価し、評価結果を、下記表1及び表2にそれぞれ示した。
上記表1及び表2に記載の結果に示すように、ブラシ面21上において、毛束3(用毛31)が外周部21bに適正な寸法及び配列で配置され、また、錐体状突起5が外周部21bよりも内側の内周部21cに適正な寸法及び配列で配置されてなる実施例1〜15の頭皮用ブラシは、上記「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が、何れも「◎」又は「○」の評価結果となり、優れた洗浄感とマッサージ感が得られるとともに、洗髪時の使用性に優れることが明らかとなった。また、これら各実施例のサンプルの内、ブラシ面上において毛束が植設される外周部を約35%の領域とした実施例13の頭皮用ブラシは、頭皮マッサージ感が「◎」の評価結果となり、外周部を約65%の領域とした実施例14の頭皮用ブラシは、毛穴内部洗浄感が「◎」の評価結果となった。
また、ブラシ面上の内周部に錐体状突起を取付けなかった比較例2の頭皮用ブラシは、頭皮へのマッサージ効果が劣るため、「頭皮マッサージ感」の評価が「×」の結果となり、また、「毛穴内部洗浄感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
また、ブラシ面上において、外周部に錐体状突起が取付けられ、また、内周部に毛束が植設され、本発明の規定と逆の配列とされた比較例3の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」の評価が「×」の結果となり、また、「頭皮マッサージ感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
また、ブラシ面上において、毛束が植設されず、錐体状突起がブラシ面の全体に取り付けられた比較例5の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が何れも「×」の結果となり、また、「頭皮マッサージ感」の評価も「△」と、やや劣る結果となった。
また、ブラシ面上の全体にわたって錐体状突起及び毛束の両方を取り付けた比較例6の頭皮用ブラシは、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮マッサージ感」及び「洗髪時の頭皮用ブラシ動かし易さ」の各官能試験における評価が何れも「×」の結果となった。
Claims (7)
- 少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛が複数束ねられてなる毛束と、弾性材料からなり先端部が面取りされてなる錐体状突起と、前記毛束が植毛される植毛穴が複数設けられるとともに、前記錐体状突起が取付けられる突起取付穴が複数設けられたブラシ面を有する基台とを具備し、前記植毛穴の各々に、該植毛穴内部が外部から観察されない状態の密度で前記毛束が植毛され、且つ、前記突起取付穴の各々に前記錐体状突起が取付けられてなる頭皮用ブラシであって、
前記ブラシ面上において、前記毛束が前記ブラシ面の周縁に沿った外周部に配されるとともに、前記錐体状突起が前記毛束の植設された外周部よりも内側に配されてなることを特徴とする頭皮用ブラシ。 - 前記毛束は、前記ブラシ面上において、該毛束が植毛される前記植毛穴を3〜9個で1ユニットとした際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴の中心間距離が2mm以上15mm未満の範囲であり、且つ、任意の1ユニットの中心点から最も近い1ユニットの中心点までの距離が10mm以上25mm未満の範囲として配された各々の植毛穴に植毛されていることを特徴とする請求項1に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記ブラシ面上において、前記毛束をなす用毛の前記ブラシ面からの長さ寸法が、前記錐体状突起の前記ブラシ面からの長さ寸法よりも1mm以上5mm以下の範囲で長い寸法とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記錐体状突起の各々は、前記ブラシ面上において、隣接する錐体状突起の根元の間に5mm以上30mm以下の範囲の間隔を設けて前記突起取付穴に取付けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記錐体状突起の各々は、前記ブラシ面上において、円状、横縞状、市松状、十字状又は放射状の何れかの配列とされ、前記突起取付穴に取付けられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記植毛穴が設けられる外周部の面積が、前記ブラシ面に対する面積比で40%以上60%以下の範囲とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
- さらに、開口部を有して中空状に形成された筐体が備えられるとともに、該筐体の前記開口部に前記基台が一体に取り付けられており、前記基台のブラシ面の略中央部及び/又は周縁部に、前記基台を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
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