JP2009200520A - ガスレーザ用電極、その電極を用いたレーザチャンバ及びガスレーザ装置 - Google Patents

ガスレーザ用電極、その電極を用いたレーザチャンバ及びガスレーザ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の劣化を抑制して、安定したレーザ出力を得ることのできるガスレーザ用電極を提供する。
【解決手段】レーザチャンバに取り付けるべきガスレーザ用電極1のアノード3に、例えばカルシウム(Ca)など、強いフッ化膜を形成することが可能な元素である所望の単体金属をドープする。アノード3の放電部3aの表面だけが加熱されて、該放電部3a以外の部位(放電が行われない部位)に比べてフッ化が進むと、アノード3の放電部3aの表面に特にフッ化膜が厚く生成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザガスを励起させるガスレーザ用電極、その電極を用いたレーザチャンバ及びガスレーザ装置に関する。
エキシマレーザ装置等のガスレーザ装置には、レーザチャンバ内に、該レーザチャンバ内に封入されたレーザガスを励起させてレーザ発振させるために、レーザ光の光軸を挟んで対向して配置される主放電電極と、該主放電電極間で放電を発生し易くさせるために、これらの電極間の空間を予備電離する予備電離電極とが設けらている。レーザガスとしては例えば希ガスとハロゲンガスの混合ガスが用いられる。
このようなガスレーザ装置では、予備電離電極によって主放電電極間が予備電離されることにより、この主放電電極間で放電が発生してレーザガスが励起され、レーザ発振される。なお、周知のように、主放電電極間において安定した放電が行われることにより、レーザ発振も安定し、結果的に安定したレーザ出力が得られる。
ところで、このようなガスレーザ装置に用いられる主放電電極としては、実開昭61−174764号公報(以下、文献1という)、特開昭62−199078号公報(以下、文献2という)および特開昭63−227069号公報(以下、文献3という)に記載されたものが知られている。
上記文献1に記載のものは、大きなレーザ出力を得るために、主放電電極とアーク放電電極(予備電離電極に相当)との間隔を短くした場合でも、主放電電極とアーク放電電極間で放電が発生しないように、主放電電極における主放電部を除いた側面部分に絶縁物を密着被覆している。
また、上記文献2に記載のものは、主放電電極近傍における強い紫外線、イオン、電子などが多量に発生することによるレーザ管内壁や放電用部材の腐食、封入ガスの劣化等の不具合を抑制するために、レーザ管もしくは放電用部材の少なくとも一部にハロゲン耐食性樹脂層をコーティングしている。
さらに、上記文献3に記載のものは、主放電電極における主放電電極中央の平面部で安定したグロー放電が得られ、また主放電電極端部での絶縁破壊やアークを抑制するために、主放電電極の端部たとえば端部局面部に絶縁物を装着している。
また、これらの文献に記載されたもの以外の主放電電極としては、アノードとカソードから構成される主放電電極におけるカソード表面に誘電体薄膜を塗布した主放電電極が知られている。これは、カソード表面に誘電体薄膜を塗布することにより、放電開始電圧が低下する現象を利用して、放電の衝撃によるアノードの劣化(電極の変形)を低減させるものである。
しかしながら、上述した文献1〜3の主放電電極では、放電の衝撃によるアノード表面の変形(凹凸状に変形)、アノード表面でのハロゲンガスの侵食に起因する電極材料のハロゲン化による電極の変質により、レーザ出力特性などが急激に変化し、初期特性を維持することが難しい。すなわち安定した所望のレーザ出力特性を得ることができない。
例えば、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザや、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ等のエキシマレーザ装置に用いられるレーザチャンバ内に設けられる主放電電極では、レーザ発振動作が繰り返されることにより、希ガス(クリプトンKr、アルゴンAr)とハロゲンガス(フッ素F2)からなる混合ガス(レーザガス)に含まれるフッ素(F2)と、アノードの放電部とが反応して、アノードがハロゲン化(この場合はフッ化)される。これと同時に、アノードの放電部が平坦な状態から凹凸状に変形してくる。
これによって主放電電極間での放電が不安定となり、レーザの出力エネルギーが低下して、所望のレーザ出力特性を得ることができないという問題点がある。
この問題点に対処するために、レーザチャンバ内のガス圧を上げたり、主放電電極間に印加する電圧を上げるなどの処置を講ずる必要があり、場合によっては劣化したアノード(または主放電電極)を交換しなければならず、作業性が悪かった。また、劣化した電極を新規な電極と交換した場合でも、上記同様の問題点が発生することには変わりはなく、結果的に、電極交換のサイクルも頻繁に発生することになり、メンテナンスコストの上昇を招いていた。
ところで、カソード表面に誘電体薄膜を塗布した主放電電極においても、アノードにおけるカソードとの間で放電が行われる放電部にはコーティングが施されていないので、上記同様に、放電の衝撃によるアノードの劣化(電極の変形)、電極材料のハロゲン化(例えばフッ化)による電極(アノード)の変質により、安定したレーザ出力特性を得ることができないという問題点がある。
そこで、本発明は、電極(放電特性)の劣化を抑制して、安定したレーザ出力を得ることのできるガスレーザ用電極を提供することを第1の解決課題とする。
また、本発明は、電極(放電特性)の劣化を抑制して、安定したレーザ出力を得ることのできるガスレーザ用電極を用いたレーザチャンバを提供することを第2の解決課題とする。
さらに、本発明は、電極(放電特性)の劣化を抑制して、安定したレーザ出力を得ることのできるガスレーザ用電極を用いたレーザチャンバを搭載したガスレーザ装置を提供することを第3の解決課題とする。
上記課題を解決するため、第1の発明では、対向して配置されるカソードとアノードとを有し、これらの電極間で放電することによりレーザガスを励起させるガスレーザ用電極において、前記アノードの電極材質にフッ化膜を形成するカルシウム単体またはカルシウムの合金をドープしたことを特徴とする。
第1の発明を図1を参照して説明する。
レーザチャンバに取り付けるべきガスレーザ用電極1のアノード3に、例えばカルシウム(Ca)など、強いフッ化膜を形成することが可能な元素である所望の単体金属をドープする。次に、フッ化膜ができる以前にアノード3に上記所望の単体金属がドープされた状態のガスレーザ用電極1をレーザチャンバに取り付ける。続いて、カソード2とアノード3間に所定の電圧を印加することにより、これらの電極間で放電を発生させてレーザガスを励起させ、レーザ発振させる。
そして、このようにしてレーザ発振が行われると、アノード3の放電部3aの表面だけが加熱されて、該放電部3a以外の部位(放電が行われない部位)に比べてフッ化が進む。その結果、アノード3の放電部3aの表面に特にフッ化膜が厚く生成される。たとえば、単体金属(Ca)をドープした場合には、フッ化カルシウム(CaF2)などのフッ化膜が形成される。
以上説明したように、第1の発明によれば、アノードにおけるカソードとの間で放電が行われる部位での、レーザガスによる侵食や放電の衝撃による変形を抑制することができ、よって安定した放電を行うことができる。
また、上記第2の解決課題を達成するため、第2の発明に係るレーザチャンバでは、上記第1の発明のガスレーザ用電極を用いている。
第2の発明によれば、アノードにおけるカソードとの間で放電が行われる部位での、レーザガスによる侵食や放電の衝撃による変形を抑制することができ、よって安定した放電を行うことができるレーザチャンバを提供することができる。
さらに、上記第3の解決課題を達成するため、第3の発明に係るガスレーザ装置では、上記第2の発明のレーザチャンバを搭載している。
第3の発明によれば、アノードにおけるカソードとの間で放電が行われる部位での、レーザガスによる侵食や放電の衝撃による変形を抑制することができ、よって安定した放電を行うことにより、安定したレーザ出力を得ることができるガスレーザ装置を提供することができる。
図1(a)は本実施形態のガスレーザ用電極の要部断面を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)に示したガスレーザ用電極におけるX−X線断面を示す断面図である。 図2は本実施形態のガスレーザ用電極を用いた場合のレーザの出力エネルギーとパルス数との関係を示すグラフである。 図3(a)は本実施形態の応用例としてのガスレーザ用電極のアノードの要部断面を示す断面図であり、図3(b)は図3(a)に示したアノードにおけるX−X線断面を示す断面図である。 図4(a)、(b)は本実施形態の応用例としてのガスレーザ用電極におけるアノードの要部断面を示す断面図である。 図5は本実施形態のガスレーザ用電極を適用したガスレーザ装置におけるレーザチャンバの要部を示す断面図である。 図6は図5におけるY−Y線断面を示す断面図である。 図7は本実施形態のガスレーザ用電極を適用した他のガスレーザ装置におけるレーザチャンバの要部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1(a)はガスレーザ用電極1の要部断面を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)に示したガスレーザ用電極1のX−X断面を示す断面図である。
ガスレーザ用電極1は、図1(a)、(b)に示すようにカソード2とアノード3とから構成されており、これらの電極は、たとえばエキシマレーザ装置等のガスレーザ装置におけるレーザチャンバ内に、レーザ光の光軸を挟んで対向して配置される。これら各電極2、3のレーザチャンバ内での配置そのものは、従来と同様の配置関係で配置することができるので、ここでは、その説明については省略する。なお、ガスレーザ用電極1を用いたガスレーザ装置については後述する。
ところで、上記レーザチャンバ内には、例えば、希ガス(クリプトンKr、アルゴンAr)とハロゲンガス(フッ素F2)からなる混合ガス(クリプトンフッ素KrF、アルゴンフッ素ArF)や、希ガス(キセノンXe)とハロゲンガス(塩化水素HCl)からなる混合ガス(キセノン塩素XeCl)が封入される。
ガスレーザ用電極1においては、カソード2は金属材料のみで形成されているものの、アノード3は、電極の劣化を抑制するために、詳細については後述するが、図1(a)に示すようにカソード2との間で放電が行われる部位(以下、放電部という)3aに誘電体(または絶縁体)4がコーティングされている。ここで、コーティングの物質は誘電体または絶縁体のいずれでも良いが、以下の説明においては、誘電体4として説明する。
次に、アノード3に対するコーティング処理について詳細に説明する。ここでは、コーティングの材質、その厚み、さらにその方法について順に説明する。
1:コーティング材質
誘電体4の材質としては、上記レーザチャンバ内に封入されるハロゲンガスが、フッ素系(フッ素F2)の場合にはフッ化物が有効であり、また塩素系(塩化水素HCl)の場合は塩化物系が有効である。この理由としては、アノード3の放電部3aの劣化は、ハロゲンガスの侵食(フッ素系の場合では例えばフッ素F2とアノード3との反応)による電極材料のハロゲン化(フッ素系の場合では例えばフッ化)による変質が主原因であるからである。
従って、フッ素系のハロゲンガスを採用するガスレーザ装置に用いられるガスレーザ用電極1のアノード3にコーティングする材料つまり誘電体4としてはフッ化物が有効である。
具体的には、誘電体4としては、例えば、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化銅(CuF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ニッケル(NiF3)、フッ化コバルト(CoF3)、フッ化鉄(FeF3)などのフッ化物がある。なお、これらのフッ化物のうち、蒸気圧の低い物質であるCaF2、SrF2を用いる方がより好ましい。また、耐フッ素性を持つ酸化アルミニウム(アルミナ=Al203)や窒化アルミニウム(AlN)でも良い。
2:コーティングの厚み
誘電体4は、アノード3の放電部3aにおいてレーザガスに含まれるハロゲンガスの侵食を発生させず、かつ導電性を確保することができる厚み(つまりカソード2とアノード3との間で放電を発生させる程度の厚み)をもって形成されている。この厚さは、前記条件を満たすべく、例えば0.005mm〜1.5mm、さらに望ましくは0.1mm〜1mmの範囲中の所望の値が適用される。
勿論、上記誘電体4の厚さは、当該誘電体の材質に応じて、上記条件を満たすべく許容範囲中の所望の値が適用されることになる。
3:コーティング方法
アノード3へのコーティングの方法としては、溶射、爆射、フィジカルベーパデポジション(PVD)、ケミカルベーパデポジション(CVD)、プラズマ蒸着等により薄膜を生成する方法(第1の方法)と、電極材質に単体金属または合金をドープし、フッ素雰囲気中でフッ化膜を生成する方法(第2の方法)とがある。
上記ドープする単体金属としては、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)等、強いフッ化膜を作ることが可能な元素が好ましい。ドープする割合は、母材に対して0.01〜50%が望まれる。
ここで、上記第2の方法について説明する。この第2の方法では、最初に、レーザチャンバに取り付けるべきガスレーザ用電極1のアノード3に上述した金属群における所望の金属、例えばカルシウム(Ca)あるいはストロンチウム(Sr)をドープする。次に、フッ化膜ができる以前にアノード3に上記所望の金属がドープされた状態のガスレーザ用電極1をレーザチャンバに取り付ける。続いて、カソード2とアノード3間に所定の電圧を印加することにより、これらの電極間で放電を発生させてレーザガスを励起させ、レーザ発振させる。
そして、このようにしてレーザ発振が行われると、アノード3の放電部3aの表面だけが加熱されて、該放電部3a以外の部位(放電が行われない部位)に比べてフッ化が進む。その結果、アノード3の放電部3aの表面に特にフッ化膜が厚く生成される。たとえば、上記単体金属(CaあるいはSr)をドープした場合には、フッ化カルシウム(CaF2)やフッ化ストロンチウム(SrF2)などのフッ化膜が形成される。
なお、ここでは、レーザチャンバとそこに組み込むガスレーザ用電極1とを対にした状態で、アノード3に対するフッ化を行うようにしているが、このフッ化は、フッ化対象のガスレーザ用電極またはアノード毎に、上記同様に、フッ化処理するための専用のレーザチャンバで行うようにしても良い。そして、コーティングが終了した後、専用のレーザチャンバからガスレーザ用電極またはアノードを取り出して、新たなレーザチャンバ内に組み込む。
ここで、上述したようにして誘電体4がコーティングされたガスレーザ用電極1を用いたガスレーザ装置における、レーザの出力エネルギーとパルス数との関係を表す特性を図2に示す。
図2において、実線の曲線は本発明のガスレーザ用電極1を用いた場合の特性を示し、一点鎖線の曲線は従来のガスレーザ用電極(アノードの放電部に誘電体が未コーティンのもの)を用いた場合の特性を示している。
なお、図2においては、時点t1でのレーザのパルス数<時点t2でのレーザのパルス数<時点tnでのレーザのパルス数の関係が成立している。
本発明のガスレーザ用電極1を用いた場合は、図2から明らかなように、時点t1でのレーザの初期特性つまりレーザの出力エネルギーE1と、レーザのパルス数が多くなった(つまりレーザ発振動作の累積時間が多くなった)時点tnでのレーザの出力エネルギーE2との差(性能差)を、従来の場合における時点t1での出力エネルギーE3と時点tnでの出力エネルギーE4との差と比較して、小さく抑制することができる。
また、レーザの出力エネルギーそのものも、図2から明らかなように、時点t2から時点tnの期間中においては、従来の場合と比較して高出力が得られる。
すなわち、本発明のガスレーザ用電極1を用いた場合は、長期間に渡って安定したレーザ出力を得ることが可能となる。
この理由としては、上述したようにアノード3の放電部3aに誘電体4をコーティングしたため、放電部3aが保護された状態となり、放電の衝撃による放電部3aの変形が抑制されると共に、アノード3(放電部3a)とハロゲンガス(例えばフッ素F2)との反応が抑制(ハロゲンガスの侵食に起因する電極材料のハロゲン化、例えばフッ化が抑制)されることとなり、結果的に、アノードの変質等に基づく電極(アノード)の劣化を抑制することができるからである。
このためカソード2とアノード3間で安定した放電が行われることになり、これに伴ってレーザ発振も安定し、結果的に安定したレーザ出力が得られる。
次に、アノード3にコーティングされる誘電体4の変形例について説明する。
すなわち、上述した実施形態では、単一のフッ化物が均一で緻密な膜で形成される誘電体をコーティングするようにしているが、これに限定されることなく、電極の導電性を確保するために、アノード3にコーティングされる誘電体(または絶縁体)4は以下のように形成されていても良い。
(A):金属微粒子が混合された誘電体または絶縁体であること。
例えば、アルミナ(Al203)などの誘電体に、電極の導電性を確保するために電極材料(アノード3の材質と同一の材料)あるいは該電極材料とは異なる金属であって電気伝導性の良い金属(銅、アルミニウム、コバルト、ニッケル、ストロンチウム、鉄など)の微粒子を混ぜた混合材料で形成されるものを、誘電体4として用いる。
(B):空孔を有する(ポーラス構造の)誘電体または絶縁体であること。
この場合のアノード3の構造を図3に示す。なお、図3(a)は本実施形態の応用例としてのガスレーザ用電極1のアノード3の要部断面を示す断面図であり、図3(b)は図3(a)に示したアノード3のX−X断面を示す断面図である。
図3(a)、(b)に示すように、電極の導電性を確保するために、直径が0.1mm程度の空孔5を有するような不均一な膜で形成されるものを、誘電体4として用いる。空孔5は、前記膜を貫通している必要はない。何故ならば、空孔5、および該空孔5が存在して薄くなった膜の部分が順次、絶縁破壊されて、当該膜の部分が導電性を有することになるからである。
なお、図3(a)に示した誘電体(膜)4は、空孔5を有することにより導電性が確保されるので、図1(a)に示した誘電体(膜)4と比較して、多少厚くすることができる。
上記(A)、(B)で記述した誘電体がコーティングされるアノード3は、図1に示した誘電体4がコーティングされたアノード3と比較して、より電極(アノード)の導電性を確保することができる。
また、上記実施形態では、アノード3の放電部3aに誘電体の膜をコーティングするようにしているが、これに限定されることなく、図4(a)、(b)に示すように、アノード3の放電部3aに誘電体4の膜をコーティングすると共に、放電部3a以外の部位つまり側面部3b、3cには当該誘電体とは異なった材質の膜または完全な絶縁膜などの膜6をコーティングする。
以上説明したように、本実施形態によれば、ハロゲンガスを用いたレーザの励起用電極のアノード(陽極)に誘電体または絶縁体をコーティングすることにより、当該アノードの劣化による影響(例えば、放電特性の劣化、レーザ出力特性の劣化)を最小限に抑制することができる。
すなわち、アノードの放電部3a(電極表面)を誘電体または絶縁体で予めコーティングしておくことにより、アノード3において、レーザガスに含まれるハロゲンガスの侵食による放電部3aの変質や放電の衝撃による放電部3aの変形を抑制することができる。このことは、アノード3の消耗を低減させ、長期間に渡って安定したレーザの出力特性(レーザ出力)を得ることができることを意味する。
さらには、アノード3の放電部3aの劣化が抑制され、その電極の寿命を延長させることができるので、劣化したアノードの交換などに伴うメンテナンスコストなどを抑制することができる。
次に、上述したガスレーザ用電極1が適用されるガスレーザ装置について、図5を参照して説明する。ここでは、上記ガスレーザ用電極1が取り付けられるレーザチャンバの概要のみを説明することとする。
レーザチャンバ10は、例えばアルミニウムにニッケルメッキを施すことによって構成した容器である。このレーザチャンバ10には、光軸Lに対向する両端面にそれぞれウインドウ11、12を設けている。ウインドウ11、12は、レーザチャンバ10の内部と外部との間におけるレーザ光の通過窓として機能するものである。
レーザチャンバ10の内部には、光軸Lを挟んで互いに上下となる位置に一対の電極ホルダ20、30を設けている。電極ホルダ20には上記図1(a)、(b)に示したカソード2が保持されており、また電極ホルダ30には上記図1(a)、(b)または図3(a)、(b)または図4(a)、(b)に示したアノード3が保持されている。そして、図5から明らかなように、カソード2とアノード3は光軸Lを挟んで対向して配置されている。
なお、図5中の符号13は電源との接続部であり、符号14はこの接続部13とカソード2及びアノード3との間に設けたピーキングコンデンサである。
ここで、図5のY−Yの方向から見た断面を図6に示す。図6においては、接続部13、ピーキングコンデンサ14は省略している。また、符号41、42はレーザガスの予備電離を行うための予備電離電極である。
図7は、上述したガスレーザ用電極1が適用される他のガスレーザ装置の断面図を示し、図5のY−Yの方向から見た断面図(図6参照)に相当する。なお、ここでは、上記ガスレーザ用電極1が取り付けられるレーザチャンバの概要のみを説明することとする。図7において、図5及び図6に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一符号を付している。
熱交換機40はレーザチャンバ10内のレーザガスを冷却する。ファン50は回転することによりレーザガスを循環させる。因みに、図7中符号61で示される矢印の方向にガスが流れるようになっている。
1 ガスレーザ用電極
2 カソード
3 アノード
4 誘電体または絶縁体
10 レーザチャンバ

Claims (4)

  1. 対向して配置されるカソードとアノードとを有し、これらの電極間で放電することによりレーザガスを励起させるガスレーザ用電極において、
    前記アノードの電極材質にフッ化膜を形成するカルシウム単体またはカルシウムの合金をドープした
    ことを特徴とするガスレーザ用電極。
  2. 請求項1記載のガスレーザ用電極を用いたレーザチャンバ。
  3. 請求項2記載のレーザチャンバを搭載したガスレーザ装置。
  4. 前記カルシウムの合金は、カルシウムとストロンチウム、マグネシウム、銅、ニッケル、コバルト、鉄、の何れかとの合金である
    ことを特徴とする請求項1記載のガスレーザ用電極。
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