JP2009199015A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱ローラなどを低熱容量化したものを用いても高温オフセットの発生を防止できる定着装置を提供すること。
【解決手段】定着ローラ31と、加熱ローラ32と、これらローラに張架される定着ベルト33と、定着ベルト33を介して定着ローラ31に圧接されニップ部39を確保する加圧ローラ34を有し、シートSをニップ部39を通過させて、シートS上の未定着のトナー像を熱定着させる定着装置において、定着ローラ31の表面層の熱伝導率をλa、厚さをda、定着ベルト33の弾性層の熱伝導率をλb、厚さをdbとしたとき、λa×da>λb×dbの関係、かつ定着ローラ31の表面層のローラ軸方向長さをL1、定着ベルト33の幅方向長さをL2としたとき、L1≧1.05×L2の関係が成立する。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置およびこれを備える画像形成装置に関する。
プリンタなどの画像形成装置には、無端状の定着ベルトを加熱ローラと定着ローラで張架すると共に、加圧ローラを定着ベルトを介して定着ローラに圧接させて加圧ローラとベルト間にニップ部を確保し、シートをニップ部を通過させることによりシート上の未定着画像を、加熱ローラによって加熱された定着ベルトの熱とニップ部の圧力により加熱、加圧してシートに定着させるベルト定着方式の定着部を備えるものがある。
このようなベルト定着方式の定着部は、定着ベルトの厚みを薄くして熱容量を小さくすることにより、定着ローラの温度を定着に必要な温度まで昇温させるのに要する時間(ウォームアップ時間)の短縮化や省電力化を図ることができるが、その一方で定着ベルトの面方向の熱伝導が悪くなってしまう。
そのため、ニップ部において定着ベルトの幅(ベルト幅)よりもサイズの小さいシート(小サイズ紙)が連続して通紙されると、定着ベルトのうち、シートが通過しない部分(非通紙部)の熱がシートに奪われずに、非通紙部の温度が上昇し易くなる。非通紙部の温度が通紙部よりも上昇した状態で、小サイズ紙に続いて大サイズのシートが通紙されると、それまで非通紙部となっていた温度が上昇し過ぎて、トナーの過溶融による高温オフセットが生じ、良好な画像を得られなくなる。
そこで、特許文献1には、定着ローラの表面に定着ベルトよりも熱伝導性の高い表面層を設け、定着ベルトの非通紙部の熱がローラ軸方向に定着ローラの表面層を通って通紙部まで伝導し易くして、非通紙部の温度上昇を抑制して、ニップ部の温度の均一化を図り、高温オフセットの発生を防止しようとする技術が開示されている。
特開2004−227989号公報
しかしながら、近年では、さらなるウォームアップ時間の短縮化や省電力化の要請から、定着ベルトや加熱ローラなどの部材が、より低熱容量化される傾向にあり、このような低熱容量化された部材を用いると、特許文献1の技術では高温オフセットの発生を防止することが困難になって来ている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、定着ベルトなどの部材を低熱容量化したものを用いても高温オフセットの発生を防止できる定着装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、加熱手段により加熱された状態で周回走行する無端状のベルトと、当該ベルトを張架する定着ローラと、前記定着ローラに前記ベルトを介して圧接され前記ベルトとの間でニップ部を確保する加圧ローラを有し、シートを前記ニップ部を通過させて、当該シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置であって、前記定着ローラは、軸体の周囲に弾性層を介して表面層が形成され、前記ベルトは、弾性層を有し、前記定着ローラの表面層の熱伝導率をλa、厚さをda、前記ベルトの弾性層の熱伝導率をλb、厚さをdbとしたとき、λa×da>λb×dbの関係が成立し、かつ、前記定着ローラの表面層のローラ軸方向長さをL1、前記ベルトの走行方向に直交する幅方向長さをL2としたとき、L1≧1.05×L2の関係が成立することを特徴とする。
また、本発明は、シート上の未定着画像を熱定着させる定着部を有する画像形成装置であって、前記定着部として上記の定着装置を備えることを特徴とする。
このように定着ローラの表面層の熱伝導率λa、厚さda、ベルトの弾性層の熱伝導率λb、厚さdbの関係および定着ローラの表面層のローラ軸方向長さL1、ベルトの幅方向長さL2の関係を規定することにより、例えばL2よりも幅の小さなサイズのシートを連続してニップ部を通紙するジョブの実行中に、ベルトのうち、当該シートが通過しない非通紙部の熱が、定着ローラの表面層を介してベルトの通紙部と、定着ローラの表面層の、ローラ軸方向両端側において当該ベルトからローラ軸方向にはみ出した部分とに伝導され易くなり、非通紙部の温度上昇を抑制することができ、定着ベルト等の部材を低熱容量のものを用いつつ、高温オフセットの発生を防止することが可能になる。
また、L1≦1.15×L2の関係が成立することを特徴とする。
このようにすれば、例えばウォームアップ中に定着ベルトの幅方向端部の昇温速度が中央部よりも遅くなることによりウォームアップ終了直後の端部定着性が低下するといったことを防止でき、中央部と端部の定着性を略同等としてさらなる定着性の向上を図れる。
また、前記定着ローラの表面層の、ローラ軸方向両端側において前記ベルトからはみ出した部分それぞれのローラ軸方向長さが略等しいことを特徴とする。
このようにすれば、シート搬送路の幅方向略中央を基準位置としてシートを搬送する、いわゆるセンター基準のシート搬送方式において定着ベルトの幅方向における温度分布の均等化を図ることができる。
さらに、前記定着ローラの表面層の熱伝導率λaが0.5〔W/m・K〕以上であることを特徴とする。
このようにすれば、上記ジョブにおける定着ベルトの非通紙部の熱が定着ローラの表面層を介して通紙部や定着ローラの端部(定着ベルトからのはみ出し部)に伝わり易くなり、定着ベルトの非通紙部の温度上昇をより抑制することが可能になる。
また、前記定着ローラの弾性層の熱伝導率をλcとしたとき、λb>λcの関係が成立することを特徴とする。
このようにすれば、定着ベルトの熱が定着ローラの弾性層を介して軸体に伝わり定着ローラの内部に奪われるといったことが起こり難くなるので、ウォームアップ時間のさらなる短縮化を図ることができる。
さらに、前記定着ローラの弾性層がスポンジ層であることを特徴とする。
このようにすれば、定着ローラの硬度に対する影響をあまり受けることなくニップ幅(ニップ部のシート搬送方向における長さ)をより広くとることができるようになる。
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
図1は、プリンタ1の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタ1は、画像プロセス部10、給送部20、定着部30などを備えており、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるカラーの画像形成動作を実行する。
画像プロセス部10は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する作像部11Y、11M、11C、11Kなどを備えている。
作像部11Yは、感光体ドラム3、その周囲に配設された帯電器4、露光部5、現像器6、一次転写ローラ7、感光体ドラム3を清掃するためのクリーナ8などを備えており、感光体ドラム3上にY色のトナー像を作像する。他の作像部11M〜11Kについても、作像部11Yと同様の構成になっており、対応する色のトナー像を作像する。なお、同図では、符号を省略している。作像された各色のトナー像は、後述のように、駆動ローラ13などの複数のローラに張架される中間転写ベルト12上に一次転写される。
給送部20は、シートSを収容する給紙カセット21、23と、給紙カセット21、23内のシートSを搬送路29上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ22、24と、繰り出されたシートSを二次転写位置27に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対25と、中間転写ベルト12を介して駆動ローラ13に圧接される二次転写ローラ26などを備えている。
本実施の形態では、給紙カセット21には、A4サイズのシートが、給紙カセット23には、A3サイズのシートがセットされており、A4、A3サイズのシート共、その向きが縦方向(シート長辺がシート搬送方向に平行になる姿勢で搬送されるときのシートの向き)で搬送されるものとする。以下、A4サイズのシートを小サイズ紙、A3サイズのシートを大サイズ紙という場合がある。
プリントジョブの実行指示を受け付けると、作像部11Y〜11K毎に、感光体ドラム3上にトナー像が作像される。各感光体ドラム3上に作像されたトナー像は、感光体ドラム3と一次転写ローラ7間に生じる電界による静電力の作用を受けて、矢印A方向に周回走行される中間転写ベルト12上に順次一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト12上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト12上に転写された各色トナー像は、中間転写ベルト12の周回走行により二次転写位置27に移動する。
中間転写ベルト12の移動タイミングに合わせて、給送部20からは、タイミングローラ対25を介して、A4またはA3サイズのシートSが縦方向の向きで給送されて来ており、そのシートSは、周回走行される中間転写ベルト12と二次転写ローラ26間に挟まれて搬送され、駆動ローラ13と二次転写ローラ26間に生じる電界による静電力の作用を受けて中間転写ベルト12上のトナー像が一括してシートS上に二次転写される。
二次転写位置27を通過したシートSは、定着部30に搬送され、シートS上のトナー像(未定着画像)が定着部30において加熱、加圧によりシートSに定着された後、排出ローラ対51を介して排出トレイ52上に排出される。
図2は、定着部30の構成例を示す断面図であり、図3は、定着部30を図2の矢印B方向から見たときの平面図である。
両図に示すように、定着部30は、定着ローラ31、筒状の加熱ローラ32と、これらローラに張架される無端状の定着ベルト33と、加圧ローラ34と、ヒータ35と、サーミスタ36などを備え、シートSを定着ニップ(ニップ部)39を通過させて未定着のトナー像を加熱溶融させると共に加圧して定着させるベルト定着方式のものである。
定着ローラ31は、軸体として例えば径が18〔mm〕の鉄中実の芯金311の表面に、弾性層312を介して表面層313が形成されてなる。
弾性層312は、例えばシリコーンスポンジからなり、熱伝導率が0.15〔W/m・K〕、厚みが6〔mm〕になっている。この弾性層312により、表面層313の熱が芯金311に奪われ過ぎない(伝導し過ぎない)ようにされる。この意味で熱伝導率はより小さい方がウォームアップ時間の短縮に寄与できるということになる。表面層313は、高熱伝導層として例えば、シリコーンゴムに良伝導性粒子(アルミナ、窒化アルミニウムなど)を分散させてなり、熱伝導率λaが0.5〔W/m・K〕、厚みdaが300〔μm〕である。ローラ表面硬度は、例えばアスカーC30°になっている。
加熱ローラ32は、例えば外径が25〔mm〕で厚みが0.5〔mm〕の筒状のアルミ中空芯金の表面に、耐熱性、耐摩耗性に優れたPTFからなる膜がコーティングされてなる。このように加熱ローラ32を薄肉化することにより、低熱容量化を実現でき、よりウォームアップ時間の短縮化を図れる。
定着ベルト33は、例えば図4の断面図に示すように基層331の上に弾性層332、表層333がこの順に積層されてなる。
基層331は、ポリイミドフィルムからなり、ベルト内径が60〔mm〕、幅が330〔mm〕、厚みが70〔μm〕になっている。弾性層332は、シリコーンゴムからなり、熱伝導率λbが0.4〔W/m・K〕、厚みdbが250〔μm〕になっている。表層333は、PFAコートで厚みが30〔μm〕の離型層である。
ここで、定着ローラ31の表面層313の熱伝導率λa、厚みda、定着ベルト33の弾性層332の熱伝導率λb、厚みdbは、次の(式1)に示す関係になっている。
λa×da>λb×db・・・(式1)
このような関係を満たすようにしているのは、上記特許文献1に記載のように小サイズ紙を定着部30を連続通紙したときに、定着ベルト33のうち、ニップ部39において小サイズ紙が通過しない幅方向両端側の部分(非通紙部)336、336の熱が、定着ローラ31の表面層313を通ってローラ軸方向に通紙部335に伝導され易くなり、非通紙部336の温度上昇の抑制を図ることができるからである。上記の(式1)は、次のように導き出される。
すなわち、定着ローラ31と定着ベルト33それぞれにおいて軸方向への熱抵抗をRa、Rbとすると、次の(式A)の関係を満たせば、定着ベルト33を張架する定着ローラ31によって定着ベルト33の熱移動(軸方向)を補助させることができる。
Rb>Ra・・・(式A)
一方、定着ローラ31と定着ベルト33の接触面積をWとすると、熱抵抗Ra、Rbは、次の(式B)と(式C)で表すことができる。
1/Ra ∝ λa×(da×W)・・・(式B)
1/Rb ∝ λb×(db×W)・・・(式C)
上記(式A)〜(式C)より、λa×da×W>λb×db×Wになり、熱伝導率と厚さの積として、上記(式1)が導き出されるものである。
加圧ローラ34は、例えば筒状であり厚みが2.5〔mm〕の鉄製の芯金341表面に、弾性層342と表層343とがこの順に積層されてなる、
弾性層342は、例えばシリコーンゴムからなり、外径が35〔mm〕、厚みが2.5〔mm〕になっている。表層343は、PFAチューブからなる離型層であり、厚みが30〔μm〕である。ローラ表面硬度は、例えばアスカーC60°になっている。
加圧ローラ34は、図示しない付勢手段の付勢力を受けて、定着ベルト33を介して定着ローラ31に圧接され、定着ベルト33との間にニップ部39を確保する。また、加圧ローラ34は、図示しない駆動手段からの回転駆動力により矢印C方向に、例えば周速が165〔mm/秒〕の速度で回転駆動される。定着ベルト33は、加圧ローラ34の駆動力を受けて加圧ローラ34に従動して矢印方向Dに周回走行する。定着ローラ31と加熱ローラ32も同方向に従動回転する。
ヒータ35は、ハロゲンランプなどからなり、筒状の加熱ローラ32に内挿されており、電力供給を受けると発熱して、加熱ローラ32を一様に加熱する。定着ベルト33は、周回走行しつつ加熱ローラ32からの熱を受けて、その全周が加熱されて昇温する。
サーミスタ36は、加熱ローラ32の表面に接触して加熱ローラ32の温度を検出し、その検出信号を制御部(不図示)に送る。制御部は、サーミスタ36からの検出信号に基づき、加熱ローラ32の表面温度が定着に必要な温度(目標温度)、例えば190〔℃〕に維持されるようにヒータ35への供給電力を制御する。この温度制御の方法は、公知なので、ここでは説明を省略する。
図3に示すように、定着ローラ31の面長(表面層313のローラ軸方向長さに相当。以下、ローラ面長という。)をL1、定着ベルト33の幅(定着ベルト33の走行方向に直交する幅方向長さに相当。以下、ベルト幅という。)をL2としたとき、次の(式2)の関係が成立している。
L1=1.05×L2・・・(式2)
本実施の形態では、定着ローラ31の両端側の部分315、315(網点で示した部分)が定着ベルト33に接しておらず定着ベルト33からローラ軸方向に略同じ長さだけ、はみ出るようになっている。以下、部分315をはみ出し部315という。
このようにはみ出し部315を設けることにより、小サイズ紙を連続通紙した場合における定着ベルト33の非通紙部336の熱が上記(式1)を満たすことによる通紙部335への伝導に加えて、はみ出し部315にも伝導され易くなり、より低熱容量化した部材を用いても、高温オフセット発生の温度まで昇温することを防止できるようになる。
すなわち、従来では、L1=L2であり、はみ出し部315が設けられておらず、上記(式1)の関係により非通紙部336の熱を定着ローラ31の表面層313を介して通紙部335に伝導させることしかできなかった。
そこで、本実施の形態では、L1をL2に対し5〔%〕長くとって、定着ローラ31にはみ出し部315を設け、非通紙部336の熱を通紙部335だけでなく、はみ出し部315にも伝導し易くして(逃がし易くして)、非通紙部336の過昇温を抑制しようとするものである。なお、シートSは、搬送路29上において、搬送路幅方向(ベルト幅方向に相当)の略中央基準で搬送される。すなわち、シートSの幅方向中央の位置と定着ベルト33の同方向における中央の位置とが一致する位置関係になるように搬送される。従って、例えば小サイズ紙としてA4サイズのシートSが縦方向に搬送される場合には、同図において通紙部335の長さは、約210〔mm〕になり、ベルト幅L2が330〔mm〕なので、非通紙部336それぞれの長さは、約60〔mm〕になる。
図5は、定着ローラ31の一方の端部側を図2のE−E線で切断したときの矢視断面図であり、定着ベルト33の非通紙部336の熱が矢印方向に定着ローラ31の表面層313を通り、その一部が通紙部335の方に、別の一部がはみ出し部315の方に伝導される様子を模式的に示している。
このように定着ローラ31に、はみ出し部315を設けることにより、定着ベルト33の非通紙部336の熱をより逃がし易くできることが判るが、過昇温をより効果的に防止するために、はみ出し部315のローラ軸方向長さをどの程度とすれば良いのかを決めることが望ましい。そこで、本発明者は、ローラ面長L1とベルト幅L2の大小関係が異なる定着ローラと定着ベルトの組みを用意し、各組別に定着ローラと定着ベルトを定着部30と同じ構成の定着装置に取り付けて、以下に示す実験を行い、その実験結果からはみ出し部315の長さの適切な範囲を求めた。
〔実験の前提条件〕
(1)システムスピード(感光体ドラム3、中間転写ベルト12、定着ベルト33等の周速)を165〔mm/秒〕、プリント速度を35〔枚/分〕に設定する。
(2)定着ローラ31と定着ベルト33は、基本的に上記の構成のものを用い、ベルト幅L2=330〔mm〕を基準に、ローラ面長L1を変化させるものとする。
〔実験1〕
ニップ部39における定着ベルト33の表面温度が180〔℃〕になるように温調制御して(加熱ローラ32の表面温度を190〔℃〕に維持することに相当)、A4サイズのシートSを縦方向に連続150枚通紙してプリントするテストジョブを実行し、当該ジョブ終了直後における定着ベルト33の非通紙部336の表面温度を測定した。
〔実験2〕
定着部30のウォームアップ(電源オンなどを契機に加圧ローラ34を回転駆動させると共にヒータ35に給電し、加熱ローラ32の表面温度が190〔℃〕になるまで昇温させること)の直後に大サイズのシートSを1枚プリントするジョブを実行し、プリントされたシートSの中央部に対する、シート搬送方向に直交する方向(ベルト幅方向に相当)における端部の定着性を測定した。
図6は、実験1、2の結果を示す図である。なお、同図では実験結果だけでなく、使用された定着ローラ31と定着ベルト33の各層の熱伝導率λ、厚さd、λ×dの大小関係(式1の関係)なども合わせて示している。
同図において、実施例1は、定着ローラ31と定着ベルト33として、ローラ面長L1がベルト幅L2に対し5〔%〕長くなるものを用いた場合(増加率5%の場合)の例であり、上記(式2)、すなわち本実施の形態の構成に相当する。ベルト幅L2=330〔mm〕なので、L1=346.5〔mm〕になる。
実施例2は、ローラ面長L1がベルト幅L2に対し15〔%〕長くなるものを用いた場合の例である。
比較例1は、ローラ面長L1とベルト幅L2の大小関係については実施例1と同じであるが、定着ローラ31は、その表面層313における良伝導性粒子の量が実施例1よりも少なく、熱伝導率λaが0.3〔W/m・K〕のものが用いられている。λa=0.3になっているので、比較例1は、λ×dの大小関係がλa×da<λb×dbになり、各例の中で唯一、上記(式1)の関係が成立しない例ということになる。
比較例2は、ローラ面長L1がベルト幅L2に対し2〔%〕長くなるものを用いた場合の例であり、比較例3は、17〔%〕長くなるものを用いた場合の例である。
〔検討〕
(1)実施例1について
実施例1の実験結果を見ると、非通紙部温度は213〔℃〕になっている。多数枚の小サイズ紙を連続してプリントした直後に大サイズのプリントを実行する場合に発生する高温オフセットにより画像品質を維持できなくなるとみなされる温度が215〔℃〕以上であるので、実施例1では高温オフセットが発生せず、小サイズ紙の後に、大サイズ紙のプリントを実行しても良好な画像品質を得ることができる。実施例1では、(式1)の関係が成立し、かつ、はみ出し部315を設けているので、上記の図5のように定着ベルト33の非通紙部336の熱が定着ローラ31の表面層313を通り、その一部が定着ベルト33の通紙部335に伝導しつつ、別の一部が定着ローラ31のはみ出し部315にも伝導することにより、非通紙部336の温度が高温オフセットの発生温度〔215℃〕まで上昇しなかったものと考えられる。また、端部定着性が「同等」になっている。ここで同等とは、シートSの中央部と端部とで定着性が同等であることを意味する。
(2)実施例2について
実施例2は、非通紙部温度が204〔℃〕、端部定着性が同等になっている。実施例1よりもはみ出し部315の長さが長いので、それだけ非通紙部336の温度が実施例1よりも下がり、高温オフセットの発生温度まで上昇しなかったものと考えられる。
(3)比較例1について
比較例1では、非通紙部温度が×になっている。この×は、215〔℃〕以上であることを示しており、高温オフセットの発生を意味する。比較例1では、上記のように(式1)の関係が成立していないので、はみ出し部315を設けても、(式1)を満たす場合に比べると、定着ベルト33の非通紙部336の熱が定着ローラ31の表面層313を通って通紙部335やはみ出し部315に伝導され難くなり、非通紙部336の温度が高温オフセットの発生温度を超える温度まで上昇したものと考えられる。
(4)比較例2、3について
比較例2では、非通紙部温度が×になっている。これは、比較例2では(式1)の関係が成立しているが、はみ出し部315の長さが短すぎるために、定着ベルト33の非通紙部336の熱が、はみ出し部315において奪われ難くなって、非通紙部336の温度が高温オフセットの発生温度を超える温度まで上昇したものと考えられる。
本実施の形態では、定着ベルト33を低熱容量化したものを用いるだけでなく、上記のように特に加熱ローラ32をより薄肉化して定着部のさらなる低熱容量化を実現している。このような低熱容量化された部材を備える定着部では、非通紙部336の温度がより上昇し易く、はみ出し部315を設けても、比較例2(L1=1.02×L2)のように長さが短すぎると高温オフセットの発生温度を超える温度になることが判る。はみ出し部315を設けても短ければ過昇温になるのであるから、従来のはみ出し部を設けていない構成(L1=L2)では、高温オフセットを防止できないことになる。
一方、比較例3では、非通紙部温度が199〔℃〕であり、高温オフセットの発生温度よりも下回っているが、端部定着性が「低」になっている。ここで、端部定着性が「低」とは、中央よりも定着性が低くなっていることを意味する。
このような結果になったのは、次の理由によるものと考えられる。すなわち、はみ出し部315が長いために、定着ベルト33の幅方向両側の部分(両端部)の熱がはみ出し部315に奪われ過ぎて、ウォームアップ中における当該両端部の昇温速度が定着ベルト33の中央部に比べて遅くなり、ウォームアップ終了直後の時点で中央部と両端部に温度差が生じ(中央部温度>両端部温度)、端部での定着性が低下したものと考えられる。
〔結論〕
上記の実施例と比較例の実験結果から、高温オフセットの防止には、(式1)かつL1≧1.05×L2の関係が成立すれば良いことが判る。ここで、L1の上限値としては、定着性を中央と端部とで同等にするという点で、L1≦1.15×L2とすることが望ましいが、端部定着性の劣化をユーザに感じさせない程度に抑えつつ装置小型化等も考慮して、およそ常識的に取り得る範囲内の最大値とすることも可能である。
上記のL1とL2の大小関係は、ベルト幅L2が330〔mm〕の場合に限られることはない。すなわち、例えばベルト幅L2が330〔mm〕よりも大きなものを用い、非通紙部336の領域がローラ軸方向に長くなると、それに比例して非通紙部336に蓄えられる熱量も増えることになる。ベルト幅L2に比例して非通紙部336の熱量が増えることから、同様にベルト幅L2に比例して、はみ出し部315の長さを長くすれば、ローラ軸方向において非通紙部336で増えた分の熱量に相当する熱量を、その長くなったはみ出し部315で吸収でき、ベルト幅L2が330〔mm〕の場合と同程度に、はみ出し部315に熱を伝導させることができるからである。このことは、ベルト幅L2が小さなものを用いる場合も同様である。以上のことからベルト幅L2の大きさに応じてローラ面長L1の値を決めれば、低熱容量の部材を用いつつ高温オフセット等を防止できることになる。また、λとdの値は、(式1)の関係を満たせば上記のものに限られず、(式1)の関係が成立する範囲内で例えばλaの値を0.5以上としても良い。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、シートSを搬送路29上の搬送路幅方向略中央の位置を基準に搬送する、いわゆるセンター基準の搬送方式の構成例を説明したが、これに限られない。例えば、シートSの搬送路幅方向一端側の辺が搬送路29の一方端側に設けられた基準位置に沿うようにシートSを搬送する、いわゆる片側基準の搬送方式にも適用できる。
片側基準の場合、定着ベルト33の非通紙部336、336それぞれのベルト幅方向長さは、一方(基準位置側)が短く、他方(ベルト幅方向に基準位置の反対側)が長くなるはずなので、はみ出し部315、315それぞれの長さも、非通紙部336の長さに応じて基準位置側が短く、反対側が長くなるように調整することが望ましい。
(2)上記実施の形態では、本発明に係る定着装置および画像形成装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、周回走行する無端状のベルトと、ベルトを張架する定着ローラと、定着ローラにベルトを介して圧接されベルトとの間でニップ部を確保する加圧ローラを有し、シートをニップ部を通過させて、シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置およびこれを備える画像形成装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
また、上記では、筒状の加熱ローラ32にハロゲンランプなどからなるヒータ35が内挿される構成例を説明したが、加熱手段により定着ベルト33が加熱される構成であれば良く、ヒータの種類や配置位置などが上記の構成に限られないことはいうまでもない。例えば、電磁誘導加熱方式により定着ベルト33を加熱する構成をとることも可能である。さらに、定着ローラ31や定着ベルト33などの部材の寸法や素材などが上記のものだけに限られることもない。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、いわゆるベルト定着方式の定着装置を備える画像形成装置に広く適用することができる。
プリンタの全体の構成を示す図である。 プリンタに備えられる定着部の構成例を示す断面図である。 定着部を図2の矢印B方向から見たときの平面図である。 定着部に配される定着ベルトの断面図である。 定着ベルトの非通紙部における熱が矢印方向に定着ローラの表面層を通り、その一部が通紙部の方に、別の一部がはみ出し部の方に伝導される様子を示す模式図である。 定着ローラの長さなどの適正範囲を決めるための実験1、2の結果を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ
30 定着部
31 定着ローラ
32 加熱ローラ
33 定着ベルト
34 加圧ローラ
35 ヒータ
39 定着ニップ
311 芯金(軸体)
312、332 弾性層
313 表面層
331 基層

Claims (7)

  1. 加熱手段により加熱された状態で周回走行する無端状のベルトと、当該ベルトを張架する定着ローラと、前記定着ローラに前記ベルトを介して圧接され前記ベルトとの間でニップ部を確保する加圧ローラを有し、シートを前記ニップ部を通過させて、当該シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置であって、
    前記定着ローラは、軸体の周囲に弾性層を介して表面層が形成され、
    前記ベルトは、弾性層を有し、
    前記定着ローラの表面層の熱伝導率をλa、厚さをda、前記ベルトの弾性層の熱伝導率をλb、厚さをdbとしたとき、λa×da>λb×dbの関係が成立し、
    かつ、前記定着ローラの表面層のローラ軸方向長さをL1、前記ベルトの走行方向に直交する幅方向長さをL2としたとき、L1≧1.05×L2の関係が成立することを特徴とする定着装置。
  2. L1≦1.15×L2の関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ローラの表面層の、ローラ軸方向両端側において前記ベルトからはみ出した部分それぞれのローラ軸方向長さが略等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ローラの表面層の熱伝導率λaが0.5〔W/m・K〕以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記定着ローラの弾性層の熱伝導率をλcとしたとき、λb>λcの関係が成立することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記定着ローラの弾性層がスポンジ層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. シート上の未定着画像を熱定着させる定着部を有する画像形成装置であって、
    前記定着部として請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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