JP2009196965A - フラーレン誘導体組成物及びその製造方法 - Google Patents

フラーレン誘導体組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主として太陽電池やn型半導体に利用可能で、比較的安価に製造可能なフラーレン誘導体組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】フラーレン誘導体の組成物であって、(イ)下記構造式1で表される置換基を有するC70フラーレン誘導体Aと、(ロ)該フラーレン誘導体Aとフラーレン骨格の炭素数が異なるフラーレン誘導体Bを含むことを特徴とするフラーレン誘導体組成物。
Figure 2009196965

【選択図】図1

Description

本発明は、フラーレン誘導体組成物及びその製造方法に係り、特に、例えば、太陽電池やn型半導体の素材として使用可能で製造原価の安いフラーレン誘導体組成物及びその製造方法に関する。
1985年に発見されたフラーレンは、60個あるいはそれ以上の炭素原子が球状に結合した、第三の炭素同素体である。その特異な分子形状から、フラーレンは紫外線吸収特性、光導電性、光増感特性等の、分子構造に由来するユニークな性質を有している。例えば、フラーレンは、有機n型半導体分子として優れた特性を有することから、特許文献1、非特許文献1、2においては、太陽電池のn型材料(電子受容材料)として、フラーレンを用いることが提案され、更に、C70を素材として用いた太陽電池は、フラーレンC60を素材として用いた太陽電池より優れた吸光性能を有するため、電力への変換効率が高いことが記載されている。
また、特許文献4、5には、メタノフラーレン誘導体が、オプトエレクトロニクス構成部品に使用されることが記載されている。
特表2006−518110号公報 特開2006−298689号公報 特開2005−187251号公報 特表平8−509232号公報 特開2005−263795号公報 Angew.Chem.Int.Ed.2003,42,3371−3375頁 APPLIED PHYSICS LETTER 89,153507(2006)
しかしながら、現在の技術でフラーレンを実用レベルで大量に製造できる技術は燃焼法であり、燃焼法によってフラーレンを製造すると、C60及びC70を主体とするミックスフラーレンとなる。従って、このミックスフラーレンからC70以上のフラーレンを分離する技術としては、例えば、特許文献2、3に記載されているが、かなり複雑な工程を有し、しかも燃焼法によって製造されたフラーレンはC60が50〜80質量%を占め収率は高くなく、結果として、製造コストが高くなるという問題があった。なお、アーク法によって製造されたフラーレンにおいてもフラーレンC60を大量に含み、特許文献1、4、5、非特許文献1、2の技術を用いて太陽電池等を製造する場合にも燃焼法と共通に発生する問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、主として太陽電池やn型半導体に利用可能で、比較的安価に製造可能なフラーレン誘導体組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物は、フラーレン誘導体の組成物であって、
(イ)下記構造式1で表される置換基を有するC70フラーレン誘導体Aを5〜90質量%と、
(ロ)前記フラーレン誘導体Aと同じ置換基を有し、該フラーレン誘導体Aとフラーレン骨格の炭素数が異なるフラーレン誘導体Bを含む。
Figure 2009196965
なお、前記構造式1はフラーレン骨格上における部分構造を示す。R及びRはそれぞれ独立してアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルコキシカルボニル基のいずれかを表す。
第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物において、前記フラーレン誘導体Bのフラーレン骨格がC60であるのが好ましい。ここで、前記フラーレン誘導体Bが0を超え90質量%以下の範囲で含まれているのが更に好ましい。
第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物において、前記フラーレン誘導体A、Bの原料に燃焼法によって得られたフラーレンを用いるのが好ましい。
第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物は、有機太陽電池やn型半導体に用いることができる。
そして、第2の発明に係る太陽電池材料は、第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物を含み、第3の発明に係るn型半導体材料は、第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物を含む。
第4の発明に係るフラーレン誘導体組成物の製造方法は、第1の発明に係るフラーレン誘導体組成物の製造方法であって、フラーレン骨格の炭素数が異なる複数種のフラーレンを含む原料を、溶媒と混合し、その後前記置換基を付加する。
第4の発明に係るフラーレン誘導体組成物の製造方法において、前記原料には、C70が5〜90質量%含まれているのが好ましい。
また、第4の発明に係るフラーレン誘導体組成物の製造方法において、前記原料には、C60が50〜85質量%、C70が15〜50質量%含まれているのが更に好ましい。
本発明によって製造されたフラーレン誘導体組成物及びその製造方法は、フラーレン誘導体Aとフラーレン誘導体Bの混合物であるが、異なるフラーレン骨格に同一の置換基を有するので、その製造が容易である。
また、その材料に、燃焼法によって製造されたフラーレンを用いた場合、C60が約50〜85質量%含まれ、残りはC70以上の高次フラーレンであるので、特に分離の必要がなく、フラーレン誘導体組成物の製造コストが下がる。
また、本発明のフラーレン誘導体組成物は溶媒に対する溶解性に優れ、薄膜形成や置換及び付加反応といった修飾が容易となる。
そして、フラーレン誘導体組成物の溶媒に対する溶解度が、フラーレンC70のみを用いたフラーレン誘導体組成物に比較して増大するので、太陽電池やn型半導体装置の製造がより簡単になされる。
以下、本発明の実施の形態に係るフラーレン誘導体組成物及びその製造方法について詳細に説明するが、本発明の要旨を変更しない範囲で変形して実施する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係るフラーレン誘導体組成物は、下記構造式1で表される置換基を有するC70フラーレン誘導体Aと、フラーレン誘導体Aと同じ置換基を有し、フラーレン誘導体Aとフラーレン骨格の炭素数が異なるフラーレン誘導体Bを含む。
Figure 2009196965
「フラーレン」とは、炭素のみから構成され、中空状の閉殻構造をなす球殻状又は略球殻状分子をいい、当該閉殻構造を形成する炭素数は、通常60〜130の偶数である。フラーレンの具体例としては、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96のほか、これらよりも多くの炭素を有する球殻状又は略球殻状炭素分子を挙げることができる。
「フラーレン骨格」とは炭素で構成され、中空状の閉殻構造をなす球殻構造又は略球殻状の構造をいう。この実施の形態においては、C60、C70のフラーレンのみについて説明するが、他のフラーレンを用いる場合や含む場合も当然本発明は適用される。また、上記球殻状又は略球殻状分子及び上記球殻構造又は略球殻状の構造においては、これを構成する炭素の一部が欠損していてもよい。
なお、フラーレン誘導体組成物は、1種類フラーレン誘導体を単独で製造し、複数種を用途に応じて最適な性能を発揮するように、所定の割合で混合したものを用いてもよい。
また、フラーレン製造時における主生成物であり入手容易な点から、燃焼法によって製造されたフラーレンC60、C70、及びC70より炭素数が大きいフラーレンの混合物をフラーレン骨格とするのがよい。より好ましくは、フラーレンC60及びC70の混合物、フラーレンC70及びC70より炭素数が大きいフラーレンの混合物であり、さらに好ましくは、フラーレンC60、及びC70の混合物である。
なお、前記構造式1において、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルコキシカルボニル基のいずれかを表す。アルキル基としては特に限定はないが、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。アリール基としては特に限定はないが、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。アルコキシカルボニル基のアルコキシ基としては炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。
ここで、アルキル基及びアリール基の置換基は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、又は酸素、窒素、硫黄、ケイ素などの原子、又はフェニル基、トリル基、ナフチル基、ピリジル基などの芳香環、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基、あるいはヒドロキシル基、メルカプト基、スルホン基、スルホニル基、リン酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキロキシ基、アルデヒド基、アシル基、イミド基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、アルキルシリル基、ホスフィン基、ビニル基やアリル基のようなアルケニル基、エチニル基やプロパギル基等のアルキニル基も含まれる。中でも好ましいのは、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基のアルコキシ基としては炭素数1〜20の直鎖でも分岐していても、また環を形成していても良いアルコキシ基が好ましい。
としては、アリール基、置換アリール基が好ましく、更に好ましくはアリール基である。Rとしては、アルキル基、置換アルキル基が好ましく、更に好ましくは置換アルキル基、より好ましくはアルコキシカルボニル基で置換されたアルキル基が好ましい。
本発明のフラーレン誘導体組成物の製造方法としては、特に限定はないが、具体的には、1種類フラーレン誘導体を単独で製造し、複数種を所定の割合で混合する方法、炭素数の異なるフラーレンを複数種含む原料を用いて誘導体化する方法が挙げられる。このうち、原料が入手容易で、製造プロセスコスト全体が低く抑えられることから、炭素数の異なるフラーレンを複数種含む原料を用いて誘導体化する方法が好ましい。炭素数の異なるフラーレンを複数種含む原料としては、燃焼法によって製造された原料が特に好ましい。
炭素数の異なるフラーレンを複数種含む原料を燃焼法で製造する方法に特に限定はなく、公知の方法(例えば、特開2005−112675号公報、特開2006−298689号公報、特開2005−187250号公報、特開2005−187251号公報、Chem.Lett,2005,34,178−179、Org Res.Dev.,9,660(2005)等に記載)で製造することが出来る。燃焼法で得られた原料中には、その製造条件にもよるが、通常フラーレンC60を55〜85質量%、C70を15〜45質量%含んでいる。
各種フラーレンは、溶媒と混合して置換基を付加させる反応を行う。この際混合する溶媒や置換基の付加反応については、公知のフラーレン誘導体の方法を用いればよい。
例えば、構造式1中、R=COOR、R=COORであるものは、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene))等の強塩基の存在下でC60、C70の混合物にブロモマロン酸エステル誘導体を反応(Bingel反応)させることにより合成することができる。なお、R及びRはそれぞれ独立して任意の置換又は無置換の炭化水素基を表す。
また、構造式1中、R=C(フェニル基)、R=(CHCOOR(なお、Rは、炭素数1〜20の直鎖でも分岐していてもよい炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8の直鎖でも分岐していてもよい炭化水素を表す)であるものは、フラーレンと、対応する4−ベンゾイル酪酸アルキルエステルp−トシルヒドラゾンとの周知の反応により合成することができる。
原料と溶媒を混合する際、付加反応を行なう際には、スターラー、ブレンダー、ホモジナイザー、バルブホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、超音波分散器、スタティックミキサー、攪拌ミキサー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。
本発明のフラーレン誘導体組成物は、フラーレン誘導体Aを5〜90重量%含有する。更に好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは15〜50重量%である。
また、フラーレン誘導体Bは、C60誘導体である場合、0を超え90質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは50〜85重量%である。
燃焼法によって製造されたフラーレンをそのまま使用する際には、フラーレン誘導体組成物の組成は、原料に依存する。従って、例えば、所定のC60誘導体とC70誘導体を含むフラーレン誘導体組成物を製造する場合、原料となるミックスフラーレンが予め所定の組成になるような条件で、ミックスフラーレンを燃焼法によって製造するのが好ましい。また、希望するフラーレン誘導体組成物の組成が、燃焼法で製造されたフラーレンの比率よりフラーレンC60誘導体又はC70誘導体の比率が多い場合には、C60又はC70を加えて所定の比率のフラーレン原料とすることもできる。
工業的に大量に製造する場合、燃焼法によって製造されたフラーレンをそのまま使用するのが好ましい。また、燃焼法によって製造された別々の組成のフラーレンを別々に同一の反応をさせてフラーレン誘導体を製造し、フラーレン骨格の成分が所定の割合になるように、両者を混合してもよい。
また、燃焼法によって製造した炭素数の異なるフラーレンを複数種類含む原料を、特開2005−112675号公報、特開2006−298689号公報、特開2005−187250号公報、特開2005−187251号公報、Chem.Lett.2005,34,178−179等の公知の方法によって組成を調整した原料を用いても良い。
本発明のフラーレン誘導体組成物において、C70誘導体は、C60誘導体同様、(6−6)閉環構造を有するメタノフラーレン誘導体である。C70分子には、4種類の非等価な(6−6)結合が存在するが、反応性の違いにより、構造式1で表されるC70誘導体には、通常2種類の位置異性体が主要な異性体として存在する。更に、R≠Rである場合には、一方の位置異性体には2種類の立体異性体が存在する。従って、フラーレン誘導体がC70誘導体である場合は、3種類の異性体の混合物である。各異性体の存在比は、置換基R及びRの種類、反応条件等に応じて変化する。
本発明のフラーレン誘導体組成物は、各種溶媒に対して良好な溶解性を有する。
フラーレン誘導体組成物が溶媒に均一に溶けたものを溶液という。ここで、この溶液とは、孔直径0.1μmのろ紙を用いてろ過した後、ろ紙上にフラーレン誘導体の残渣が確認されない均一な混合物をいう。
溶液の調製に用いることができる有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類、芳香族ハロゲン化炭化水素類、複素環分子系、アルカン分子系、ハロアルカン分子系、1価又は多価のアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ニトロメタン、ニトロエタン、N−メチル−2−ピロリドンを挙げることができる。
芳香族炭化水素類溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1−フェニルナフタレン等を挙げることができる。
芳香族ハロゲン化炭化水素類溶媒の具体例としては、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン(ODCB)、m−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等を挙げることができる。
複素環分子系溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、2−メチルチオフェン、ピリジン、キノリン、及びチオフェン等を挙げることができる。
アルカン分子系溶媒の具体例としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカン、デカリン、cis−デカリン、及びtrans−デカリン等を挙げることができる。
ハロアルカン分子系溶媒の具体例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジブロモエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロジフルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、及び1,1,2,2−テトラクロロエタン等を挙げることができる。
ケトン類溶媒の具体例としては、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン(MIAK、5−メチル−2−ヘキサノン)等を挙げることができる。
1価又は多価のアルコール類溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等を挙げることができる。
エーテル類溶媒の具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。
エステル類溶媒の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、GBL(γ−ブチロラクトン)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGME(プロピレングリコールモノエチルエーテル)、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類を挙げることができる。
これらのうち1種を単独で、あるいは2種以上を任意の組み合わせ及び任意の割合で混合して用いることができるが、これらに限定されない。
好ましい有機溶媒の例としては、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン(ODCB)、トルエン、キシレン(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
フラーレン誘導体組成物の溶液は、スターラー、ブレンダー、ホモジナイザー、バルブホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、超音波分散器、スタティックミキサー、攪拌ミキサー、プラネタリーミキサー等を用いて攪拌することにより得ることが出来る。
溶液中のフラーレン誘導体組成物の濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。フラーレン誘導体組成物の濃度が1質量%を下回ると、溶媒の量が多すぎて後処理が手間であり、フラーレン誘導体組成物の濃度が50質量%を上回ると、フラーレン誘導体の析出が起こりやすくなる。
このフラーレン誘導体組成物を通常のフラーレン誘導体として用いる場合は、例えば、特許文献1に記載のように、太陽電池に使用できる。
従って、このフラーレン誘導体組成物は任意の溶媒に溶解することにより容易にフラーレン誘導体組成物溶液、即ちフラーレン誘導体溶液とすることができる。本フラーレン誘導体溶液を基材に塗布して溶媒を揮発させると、フラーレン誘導体組成物の塗膜が形成される。したがって、フラーレン誘導体組成物の溶液は、フラーレン誘導体の塗膜形成用組成物として用いることができる。
本発明の実施の形態に係るフラーレン誘導体組成物は、以下の用途に用いることができる。いくつかの用途の例に関して具体的に説明するが、本発明のフラーレン誘導体組成物の機能が発揮できる用途に関しては、以下の記載に限定されるものではない。
[太陽電池用途]
前述するように、有機太陽電池への応用が可能である。この分野においては、シリコン系の無機太陽電池と比較して、優位な点が多数あるもののエネルギー変換効率が低く、実用レベルに十分には達していない。この点を克服するためのものとして、最近、電子供与体である導電性高分子と、電子受容体であるフラーレン並びにフラーレン誘導体とを混合した活性層を有するバルクヘテロ接合型有機太陽電池が提案されている。このバルクヘテロ接合型有機太陽電池では、導電性高分子とフラーレン誘導体それぞれとが分子レベルで混じり合い、その結果非常に大きな界面を作り出すことに成功し、変換効率の大幅な向上が実現されている。
本フラーレン誘導体組成物は、上記用途で使用される有機溶媒への溶解度が高く、かつ溶解度を維持できる。さらにこの高溶解性を利用し、導電性高分子等の電子供与体層との層分離制御や誘導体分子の整列配向性、細密充填性などのモルフォロジー制御を可能にし、これにより特性の向上が実現できる上、デバイス設計において高い柔軟性を与える。本フラーレン誘導体組成物は、本質的にn型半導体としてのフラーレンの性質は保持している。また、本フラーレン誘導体組成物の塗膜は、一般的にバルクヘテロ接合型有機太陽電池に用いられる[60]PCBMと比較して可視光領域に高い吸収を持つため、より多くの光電流を得られると期待できる。これらのことにより、本フラーレン誘導体組成物を用いれば、極めて高性能な有機太陽電池の実現が可能となる。
さらにこの高溶解性を利用し、製造上も通常の印刷法やインクジェットによる印刷、更にはスプレー法等により、低コストで容易に大面積化を実現することが可能である。
[半導体用途]
光センサー、整流素子等への応用が期待できる電界効果トランジスタの有機材料として、フラーレン及びフラーレン誘導体を使用することが研究されている。一般的にフラーレン及びフラーレン誘導体を半導体に用いて電界効果トランジスタを作製した場合、当該電界効果トランジスタはn型のトランジスタとして機能することが知られている。また、n型半導体としてのフラーレンの本質的な性質は保持している。
さらにこの高溶解性を利用し、本手法にて調整されたフラーレン誘導体組成物の溶液を用いれば、製造上も通常の印刷法やインクジェットによる印刷、更にはスプレー法等により、低コストで容易に大面積化を実現することが可能である。
[フォトレジスト用途]
従来、フォトレジストは、被膜形成成分として(メタ)アクリル系、ポリヒドロキシスチレン系又はノボラック系の樹脂等の樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤や感光剤とを組み合わせた組成物が広く用いられている。本フラーレン誘導体組成物は有機溶媒への溶解度が高いことにより、より高濃度でフォトレジストに複合化が可能である。また、フラーレン誘導体組成物単独でもレジスト膜を形成することが可能である。
以上のようにして得られたフラーレン誘導体膜は、通常は均一な膜となる。また、上述のフラーレン誘導体膜は、分光エリプソメーターなどで屈折率(n値)及び消衰係数(k値)を測定することができる。また、これらの測定値を用い、フラーレン誘導体膜の誘電率や反射率を計算することができる。これらの光学定数は、そのフラーレン誘導体膜の用途によって求められる数値が大きく異なっている。さらに、前記の光学特性は、同じ用途でも、プロセスの種類や、フラーレン誘導体膜に含有される他の成分の種類や量によっても、求められる数値が大きく異なっている。よって、本発明のフラーレン誘導体組成物の溶液が有する優れた物性を効果的に活用できる用途に用いることが好ましい。なかでも、本発明のフラーレン誘導体組成物の溶液は、その成分であるフラーレン誘導体が、フラーレン骨格のπ電子共役を大量に保持しているため、高エッチング耐性が期待できることから、フォトレジスト用途に好適に用いられる。
このように本発明のフラーレン誘導体組成物をフォトレジストの分野に用いた場合、フラーレン骨格を有することにより、超芳香族分子としての高耐熱性、高エッチング耐性を有し、エッジラフネスの低減が可能であり、高解像度のフォトレジストの再現ができる。また、本発明のフラーレン誘導体組成物を用いて形成したレジスト膜は、吸収スペクトルから明らかなように反射防止膜としての機能も有するので、多層膜の一層としても優れた機能を発揮することが期待される。
[半導体製造用途]
半導体製造等の分野では、例えば500μm以下の微細パターンを生産効率良く形成する方法としてナノインプリント法が検討されている。ナノインプリント法とは、微細パターンを有するモールドのパターンを転写層に転写する微細パターンの形成方法である。
このようなナノインプリント法としては、例えば、熱可塑性重合体からなる転写層を加熱して軟化させる工程と、転写層とモールドとを圧着してモールドのパターンを転写層に形成する工程と、モールドを転写層から離脱させる工程とを順次行なう方法;硬化性単量体からなる転写層をモールドに接触させる工程と、硬化性単量体を硬化させる工程と、硬化性単量体の硬化物からモールドを離脱させる工程とを順次行なう方法;などが知られている。本フラーレン誘導体組成物は有機溶媒への溶解度が高いことにより、上記熱可塑性重合体に高濃度で充填することが可能である。
このように本発明のフラーレン誘導体組成物の溶液をナノインプリント法に用いた場合、有機溶媒に対する本発明のフラーレン誘導体組成物の溶解性が高いことから、本発明のフラーレン誘導体組成物の熱可塑性重合体中での凝集が抑制され、分子状分散となる。このため、高解像度を実現することが可能である。さらに、本フラーレン誘導体組成物の溶液をナノインプリント法に用いることにより、転写層の機械的強度、耐熱性及びエッチング耐性を向上させることが可能であることから、従来のナノインプリント材料の特性を大幅に改善することが可能となる。
[低誘電率絶縁材料用途]
近年、コンピュータの中央処理装置(CPU)用回路基盤には、樹脂薄膜を層間絶縁膜とする高密度かつ微細な多層配線に適した樹脂薄膜配線が適用されるようになってきた。将来のより高速な処理能力を有するコンピュータを実現するには、高密度かつ繊細な多層配線を活かし、かつ信号の高速伝播に適した低誘電率絶縁材料の開発が求められている。本フラーレン誘導体組成物は有機溶媒への溶解度を高く維持できることにより、より高濃度で他の材料と複合化することが可能である。また、フラーレン誘導体組成物単独で成膜することも可能である。この際、本発明のフラーレン誘導体組成物は、フラーレン構造が本質的に有する高抵抗、低誘電率の性質を保持しており、複合化して用いる際にはフィラーとしての機械的強度の向上効果を有することができ、これにより、従来にない優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。
本フラーレン誘導体組成物の溶液は、必要に応じて、バインダー、他の有機半導体分子等の追加成分を含んでいてもよい。
本フラーレン誘導体組成物の溶液の基材への塗布は、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法等の、任意の公知の方法により行うことができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[フラーレン誘導体組成物の各種溶媒に対する溶解度測定方法]
フラーレン誘導体組成物の各種溶媒に対するフラーレン誘導体組成物の溶解度は、下記の方法により測定した。
(1)トルエンを用いて、濃度が既知の(100〜500ppm程度)フラーレン誘導体標準溶液を作成した。フラーレン誘導体及びトルエンを室温で1時間攪拌後、フラーレン誘導体の析出が起こっていないことを目視により確認した。このようにして得られた各標準溶液をHPLCで分析し、290nmの吸光度よりフラーレン誘導体のピーク強度を求めた。得られたピーク強度をフラーレン誘導体の濃度に対してプロットし、検量線を作成した。
(2)任意の量の各溶媒に対して、フラーレン誘導体を0.5wt%添加、10分間攪拌し、溶け残りがないか目視で確認する。
(3)溶け残りがない場合は、さらに0.5wt%添加し同様の操作を行う。
(4)目視にて溶け残りが確認された場合、さらに1時間攪拌し溶け残りがないか再度目視で確認する。溶け残りがなくなった場合は、さらに0.5wt%添加し同様の操作を行う。
(5)得られたフラーレン誘導体溶液を孔径0.1μmのろ紙を用いてろ過後、100〜500ppmになるようにろ液をトルエンで希釈する。
(6)希釈したフラーレン誘導体溶液をHPLCで分析し、(1)と同様にしてフラーレン誘導体のピーク強度を測定し、(1)で作成した検量線を用いて希釈したフラーレン誘導体溶液中のフラーレン誘導体濃度を求め、得られた値と希釈率から、希釈前の溶液におけるフラーレン誘導体濃度を求めた。
(UV−Visスペクトル測定方法)
イ.溶液法
(1)フラーレン誘導体をトルエンで35ppmになるように希釈する。
(2)1時間攪拌後、溶け残りがあれば、攪拌時間を追加する。
(3)得られたフラーレン誘導体溶液を0.2μmのろ紙を用いてろ過後、下記測定条件にて測定した。
ロ.塗膜法
(1)フラーレン誘導体をクロロベンゼンで1.5wt%になるように希釈する。
(2)1時間攪拌後、溶け残りがあれば、攪拌時間を追加する。
(3)得られたフラーレン誘導体溶液を0.2μmのろ紙を用いてろ過。
(4)30mmφの石英基板(円盤状)にフラーレン誘導体溶液をスピンコート(500rpm×10sec → 3000rpm×40sec)
(5)減圧乾燥機で溶媒除去(40℃×2hr)、下記条件にて測定した。
ハ.測定条件
装置:島津製作所製 UV−17010
測定波長範囲:溶液/290nm〜1100nm
塗膜/190nm〜1100nm
光源切り替え波長:295nm〜364nm (340.8nm)
測光方式:ダブルビーム
光源:20Wハロゲンランプ、重水素ランプ
検出器:シリコンフォトダイオード
(実施例1)
(燃焼法によるミックスフラーレン試料の製造)
特許第3718516号等に記載の燃焼法によって、ミックスフラーレンを得た。
炭化水素等の燃料を空気等の酸化剤と共に燃焼させた。その際に、燃料と酸化剤の比率を高く設定し、つまり燃料過剰・酸素不足という強い不完全燃焼条件で燃焼させることで、燃焼排ガスとともに煤を得た。
得られたフラーレン含有煤をフラーレンを溶解する非極性溶媒に投入し、十分に混合・接触させることで、フラーレン類を溶媒に溶出させた。溶媒に溶解しないフラーレン以外の炭素材料/フラーレン煤をろ過によって固液分離し、フラーレン溶解液を得た。フラーレン溶解液をロータリーエバポレーター等により溶媒を蒸発させ、析出したフラーレン固体を減圧乾燥し、ミックスフラーレン試料を得た。
ミックスフラーレン試料中には、C60が60質量%、C70が25質量%であった。
[PCBM組成物の製造([6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル):R=C、R=(CHCOOCH
文献(Jan C.Hummelen,Brian W.Knight,F.LePeq,Fred Wudl;J.Org.Chem.,1995,60,532−538)記載の方法を参考に、PCBMを合成した。
窒素雰囲気下で4−ベンゾイル酪酸メチルp−トシルヒドラゾンをピリジンに溶解させた後、ナトリウムメトキシドを添加して15分攪拌した。o−ジクロロベンゼン(ODCB)に溶解させたフラーレン試料(ミックスフラーレン試料)を添加し、液温を65〜70℃に保持し22時間反応させた。その後、反応液を濃縮し、シリカゲルカラムにより精製を行った。ODCBにより未反応のフラーレン試料を含むフラクションを溶出後、フェニル−ブトキシカルボニル置換体を含むフラクションを回収した。得られた溶液を濃縮した後、200℃にて10時間真空乾燥を行った。得られた置換体をトルエンに溶解した溶液を500Wランプで30分間照射し、光異性化を行なった。トルエンを濃縮除去し、メタノールで再結晶後真空乾燥して、目的のPCBM組成物を得た。
PCBM組成物について、各種溶媒に対する溶解度を表1に示す。また、溶液法、塗膜法によるUVスペクトル測定結果を図1、図2に示す。
(比較例1)
実施例1の燃焼法によるミックスフラーレン試料の製造で得られたミックスフラーレン試料から、特開2005−112675号公報、Chem.Lett.2005,34,178−179、Org Res.Dev.,9,660(2005)に示される方法により、C60を主体とするフラーレン試料を得た。
具体的には、ミックスフラーレン試料56gをTMB(1,2,4−トリメチルベンゼン)1940gに溶解し、この溶液を0℃に冷却した。ここにDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)60gを1分間かけて徐々に添加した。この溶液を2.5時間攪拌した。
沈降性の錯体をろ過した後、得られた溶液を脱塩水で洗浄液が中性になるまで洗浄した。洗浄後、得られたTMB溶液からTMBを除去して24g純度99%の固体のC60を得た。
得られたC60を主体とするフラーレン試料を用いて実施例1のPCBM組成物の製造と同様方法で、C60PCBMを得た。
C60PCBMについて、各種溶媒に対する溶解度を表1に示す。また、溶液法、塗膜法によるUVスペクトル測定結果を図1、図2に示す。
(比較例2)
実施例1の燃焼法によるミックスフラーレン試料の製造で得られたミックスフラーレン試料から、以下の方法によりC70を主体とするフラーレン試料を得た。
ミックスフラーレン試料1gをトルエン330gに溶解し、定量ろ紙によってろ過を行った。得られた溶液80gをナカライテスク社製COSMOSIL5PBBにチャージし、トルエンを展開液として分離した。1回の分離処理に要した時間は70分であった。
得られたC70のトルエン溶液からトルエンを除去し、0.05g純度99%の固体のC70を得た。
得られたC70を主体とするフラーレン試料を用いて実施例1のPCBM組成物の製造と同様方法で、C70PCBMを得た。
C70PCBMについて、各種溶媒に対する溶解度を表1に示す。また、溶液法、塗膜法によるUVスペクトル測定結果を図1、図2に示す。
Figure 2009196965
トルエン、オルトキシレン、PhCl、ODCB(オルトジクロロベンゼン)を用いて実験したが、いずれの場合においても、実施例1(ミックスフラレーン)の溶解度が高いことがわかる。
また、図1、図2には、光波長に対するスペクトル吸収率を示すが、特定の波長(例えば、300nm〜350nmにおいては、実施例1(NM−PCBM)のフラーレン誘導体組成物の方が比較例2に比較して吸光性が高いことが分かる。また、その他の領域、特に400nm〜700nmにおいては比較例1に比較して吸光性が高いことが分かる。有機薄膜太陽電池の性能向上には、可視領域の光吸収を高めることが重要な課題の一つである。従って、燃焼法によるフラーレンを使用した場合の総合的なコストを考慮すると、C70のみを使用したフラーレン誘導体組成物に比較して遜色ないことになる。
本発明に係るフラーレン誘導体組成物及びフラーレン誘導体組成物の製造方法は、比較的安価に太陽電池や、n型半導体を提供できることになる。
また、溶媒に対する溶解度が高いので、全体の製造工程が簡略化され、太陽電池や半導体装置の製造価格を引き下げることができる。
本発明の実施例の結果を示すグラフで、トルエンに35ppmの各フラーレン誘導体組成物を溶かした場合のスペクトル吸収度を示す。 本発明の実施例の結果を示すグラフで、塗膜のスペクトル吸収度を示す。

Claims (11)

  1. フラーレン誘導体の組成物であって、
    (イ)下記構造式1で表される置換基を有するC70フラーレン誘導体Aを5〜90質量%と、
    (ロ)前記フラーレン誘導体Aと同じ置換基を有し、該フラーレン誘導体Aとフラーレン骨格の炭素数が異なるフラーレン誘導体Bを含むことを特徴とするフラーレン誘導体組成物。
    Figure 2009196965
    なお、前記構造式1はフラーレン骨格上における部分構造を示す。R1及びRはそれぞれ独立してアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルコキシカルボニル基のいずれかを表す。
  2. 請求項1記載のフラーレン誘導体組成物において、前記フラーレン誘導体Bのフラーレン骨格がC60であることを特徴とするフラーレン誘導体組成物。
  3. 請求項2記載のフラーレン誘導体組成物において、前記フラーレン誘導体Bが0を超え90質量%以下の範囲で含まれていることを特徴とするフラーレン誘導体組成物
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体組成物において、前記フラーレン誘導体A、Bの原料に燃焼法によって得られたフラーレンを用いていることを特徴とするフラーレン誘導体組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体組成物を含む太陽電池材料。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体組成物を含むn型半導体材料。
  7. 有機太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体組成物。
  8. n型半導体に用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体組成物。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体組成物の製造方法であって、フラーレン骨格の炭素数が異なる複数種のフラーレンを含む原料を、溶媒と混合し、その後前記置換基を付加することを特徴とするフラーレン誘導体組成物の製造方法。
  10. 請求項9記載のフラーレン誘導体の製造方法において、前記原料には、C70が5〜90質量%含まれていることを特徴とするフラーレン誘導体組成物の製造方法。
  11. 請求項9又は10記載のフラーレン誘導体組成物の製造方法において、前記原料には、C60が50〜85質量%、C70が15〜50質量%含まれていることを特徴とするフラーレン誘導体組成物の製造方法。
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