JP2009195539A - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】いわゆる「セブン機」と総称されるパチンコ遊技機において、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替える制御に応じて遊技の興趣を高めたパチンコ遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、第1始動口への入賞に応じた第1の抽選結果、及び第2始動口への入賞に応じた第2の抽選結果を所定の最大保留数を上限として記憶する記憶手段231と、記憶手段231が最大保留数の抽選結果を記憶している状態で第2始動口への入賞が発生した場合に、最大保留数の抽選結果の中に第1の抽選結果があれば、この第1の抽選結果を新たな第2の抽選結果に入れ替える入替手段34と、抽選結果の入れ替えにより追加された第2の抽選結果が当たりである追加当選回数を集計する計数手段36と、追加当選回数を報知する報知手段38と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、図柄表示窓に停止表示された図柄により大当たりの抽選結果を表示する、いわゆる「セブン機」と総称されるパチンコ遊技機に関する。
従来より、例えば、図柄を変動表示する図柄表示窓に停止表示された図柄の組合せに応じて大当たりやボーナスを発生させる、いわゆる「セブン機」と総称されるパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機では、始動口への玉の入賞に応じて抽選処理が実行され、その抽選結果が順次、保留(記憶)される。保留された抽選結果は、記憶された順番で読み出され、図柄表示窓にその当否が表示される。多くのパチンコ遊技機では、抽選結果の保留数が上限に到達している場合には、新たな抽選処理が実行されないようになっている。
このようなパチンコ遊技機としては、例えば、抽選結果を保留可能な上限時間を設定し、当該上限時間が経過した抽選結果を消去する遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このパチンコ遊技機では、前記上限時間が経過した抽選結果を順次、消去することにより、抽選結果の保留数が上限に達しているために新たな抽選結果を保留できず、前記始動口への入賞が無駄となってしまう頻度を低減しようとしている。
さらに、前述のような「セブン機」と総称されるパチンコ遊技機としては、例えば、抽選結果の保留数が上限に到達した後であっても始動口への入賞に応じて抽選処理を実行し、保留された抽選結果のうちのハズレの抽選結果を新たな抽選結果に入れ替える遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このパチンコ遊技機の遊技では、抽選結果の保留数が上限に到達した後であっても、始動口への入賞に応じて大当たりに対する期待度を高めていくことが可能である。このような遊技仕様によれば、抽選結果の保留数が上限に到達した場合にも遊技を継続させるように遊技者を動機付けることが可能である。
しかしながら、前記従来のパチンコ遊技機では、次のような問題がある。すなわち、時間の経過と共に抽選結果が消去される前記特許文献1のパチンコ遊技機では、始動口への入賞が途切れると抽選結果の保留が早々に無くなり図柄変動が行われない状況が発生し易く遊技者が損をした気分に陥るおそれがあり、遊技の興趣が阻害されるおそれがある。また、ハズレの抽選結果を新たな抽選結果に入れ替える前記特許文献2のパチンコ遊技機では、新たな抽選結果への入替による効果が遊技者側から見えにくく、抽選結果の入替によって遊技の興趣を向上できないおそれがある。
特開2005−177206号公報 特開平10−127879号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、図柄表示窓に停止表示された図柄により大当たりの抽選結果を表示する、いわゆる「セブン機」と総称されるパチンコ遊技機において、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替える制御に応じて遊技の興趣を高めたパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
第1の発明は、遊技領域に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域に設けられた始動口と、
該始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、
所定の最大保留数を上限として前記抽選手段による抽選結果を記憶する記憶手段と、
該記憶手段が記憶する前記抽選結果を1つずつ読み出す読出手段と、
複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより前記読出手段が読み出した抽選結果を表示する表示手段と、
前記記憶手段が前記最大保留数の前記抽選結果を記憶している状態で前記始動口への入賞が発生した場合に、当該最大保留数の抽選結果のうちのいずれか1つを、前記抽選手段による新たな抽選結果に入れ替える入替手段と、
該入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果を判別可能に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機にある(請求項1)。
前記第1の発明のパチンコ遊技機は、保留された前記抽選結果のうちのいずれかを前記新たな抽選結果に入れ替える前記入替手段を備えている。該入替手段は、前記抽選結果の保留数が前記最大保留数に達している状態で前記始動口への入賞が発生した場合に、抽選結果の入れ替えを実行する。
さらに、前記パチンコ遊技機は、前記入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果を判別可能に報知する前記報知手段を備えている。例えば、入れ替えにより追加された抽選結果であると前記報知手段の報知により遊技者が判別できた抽選結果が当たりの抽選結果であった場合には、前記入替手段による抽選結果の入れ替えによる恩恵を遊技者が実感できるようになる。このように、前記入替手段による抽選結果の入れ替えにより恩恵を受けた旨を遊技者に明確に認識させることができれば、上記抽選結果の保留数が前記最大保留数に到達しても玉の打ち込みを継続するように遊技者を仕向け、稼動率を向上させることができる。さらに、抽選結果の入れ替えにより恩恵を受けた旨を明確に認識できた遊技者にあっては、遊技を通じて感じ得る遊技の興趣が向上し得る。
以上のように、前記第1の発明のパチンコ遊技機は、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替えることで稼動率の向上を期待できると共に遊技の興趣を向上し得る優れた特性の遊技機である。
第2の発明は、遊技領域に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域に設けられた始動口と、
該始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、
所定の最大保留数を上限として前記抽選手段による抽選結果を記憶する記憶手段と、
該記憶手段が記憶する前記抽選結果を1つずつ読み出す読出手段と、
複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより前記読出手段が読み出した抽選結果を表示する表示手段と、
前記記憶手段が前記最大保留数の前記抽選結果を記憶している状態で前記始動口への入賞が発生した場合に、当該最大保留数の抽選結果のうちのいずれか1つを、前記抽選手段による新たな抽選結果に入れ替える入替手段と、
該入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果が当たりの抽選結果であった追加当選回数を集計する計数手段と、
前記追加当選回数を報知する報知手段とを、備えたことを特徴とするパチンコ遊技機にある(請求項2)。
前記第2の発明のパチンコ遊技機は、保留された前記抽選結果のうちのいずれかを前記新たな抽選結果に入れ替える前記入替手段と、当該入れ替えにより追加された抽選結果が当たりであった回数である前記追加当選回数を計数する前記計数手段と、を備えている。前記入替手段は、前記抽選結果の保留数が前記最大保留数に達している状態で前記始動口への入賞が発生した場合に、前記抽選結果の入れ替えを実行する。
前記追加当選回数は、前記入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果が当たりであった回数である。この追加当選回数を構成する当たりの抽選結果は、前記入替手段を持たない一般的なパチンコ遊技機であればそもそも抽選処理が実行されず発生しなかったか、あるいは保留不可能につき無効となっていたはずの抽選結果である。つまり、前記追加当選回数は、前記抽選結果を入れ替える前記入替手段の恩恵により初めて顕在化した当たりの発生回数を表している。
さらに、前記パチンコ遊技機は、前記追加当選回数を報知する前記報知手段を備えている。前記追加当選回数の報知を受けた遊技者は、前記入替手段による前記抽選結果の入れ替えにより恩恵を受けた回数を明確に把握できるようになる。前記追加当選回数により恩恵を受けた旨を遊技者に明確に把握させることができれば、上記抽選結果の保留数が前記最大保留数に到達しても玉の打ち込みを継続するように遊技者を仕向け、稼動率を向上させることができる。さらに、前記追加当選回数により恩恵を受けた旨を明確に認識できた遊技者にあっては、遊技を通じて感じ得る遊技の興趣が向上し得る。
以上のように、前記第2の発明のパチンコ遊技機は、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替えることで稼動率の向上を期待できると共に遊技の興趣を向上し得るという優れた特性の遊技機である。
第3の発明は、遊技領域に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域に設けられた第1始動口及び第2始動口と、
前記第1始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する第1抽選手段と、
該第1抽選手段による抽選処理よりも遊技者にとって有利な抽選処理を、前記第2始動口への入賞に応じて実行する第2抽選手段と、
前記第1抽選手段による第1の抽選結果及び前記第2抽選手段による第2の抽選結果を、所定の最大保留数を上限として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する抽選結果を1つずつ読み出す読出手段と、
複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより前記読出手段が読み出した抽選結果を表示する表示手段と、
前記記憶手段が前記最大保留数の抽選結果を記憶している状態で前記第2始動口への入賞が発生した際、前記最大保留数の抽選結果の中に前記第1の抽選結果があれば、当該第1の抽選結果を前記第2始動口への入賞に応じた新たな第2の抽選結果に入れ替える入替手段と、
該入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された第2の抽選結果が当たりの抽選結果であった追加当選回数を集計する計数手段と、
前記追加当選回数を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機にある(請求項3)。
前記第3の発明のパチンコ遊技機は、前記第1始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する前記第1抽選手段のほかに、前記第2始動口の入賞に応じて前記第1抽選手段よりも遊技者にとって有利な抽選処理を実行する前記第2抽選手段を備えている。さらに、前記パチンコ遊技機は、前記抽選結果の保留数が前記最大保留数に達している状態で前記第2始動口への入賞が発生した場合に前記第1の抽選結果を前記新たな第2の抽選結果に入れ替える前記入替手段と、当該入れ替えにより追加された第2の抽選結果が当たりであった前記追加当選回数を計数する前記計数手段とを備えている。
前記追加当選回数は、前記第2の発明と同様、前記入替手段による入れ替えにより追加された第2の抽選結果が当たりであった回数である。前記報知手段により、この追加当選回数を報知すれば、恩恵を受けた度合いを遊技者にはっきりと把握させることができ、前記第2の発明と同様の作用効果を得ることが可能である。
以上のように、前記第3の発明のパチンコ遊技機は、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替えることで稼動率の向上を期待できると共に遊技の興趣を向上し得るという優れた特性の遊技機である。
前記第2及び前記第3の発明における計数手段は、前記入替手段による抽選結果の入れ替えにより削除された抽選結果が当たりの抽選結果であった削除当選回数を集計し、
前記報知手段は、前記追加当選回数と前記削除当選回数とを比較可能に報知することが好ましい(請求項4)。
この場合には、前記入替手段による入れ替えにより削除された抽選結果が当たりであった前記削除当選回数と、前記追加当選回数との対比に基づいて、抽選結果の入れ替えによる損得を勘定できるようになる。
また、前記計数手段は、前記入替手段が抽選結果を入れ替えた入替回数を集計し、
前記報知手段は、前記入替回数と前記追加当選回数を比較可能に報知することが好ましい(請求項5)。
この場合には、前記入替回数と前記追加当選回数との対比に基づいて、入れ替えられた抽選結果のうちの当たりの抽選結果の割合を把握できるようになる。
なお、前記抽選結果の保留数が前記最大保留数に到達した状況における当たりの発生確率を、それ以外の状況よりも高く設定しておくことも良い。この場合には、前記入替回数と前記追加当選回数との対比に基づいて、前記抽選結果の保留数が前記最大保留数に到達した状況の方が有利となる旨を遊技者に知らしめることができる。この場合には、玉の発射を中断せずに遊技するよう、遊技者を仕向けることができ、稼動率を一層、向上できるようになる。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、いわゆるセブン機と総称されるパチンコ遊技機1に関する例である。この内容について、図1〜図11を用いて説明する。
本例のパチンコ遊技機1(以下、単に遊技機1という。)は、図1及び図2に示すごとく、遊技領域13に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域13に設けられた第1始動口171及び第2始動口172と、第1始動口171への入賞に応じて抽選処理を実行する第1抽選手段311と、第1抽選手段311による抽選処理よりも遊技者にとって有利な抽選処理を、第2始動口172への入賞に応じて実行する第2抽選手段312と、第1抽選手段311による第1の抽選結果及び第2抽選手段312による第2の抽選結果を、所定の最大保留数(本例では、4つ。)を上限として記憶する記憶手段231と、該記憶手段231が記憶する抽選結果を1つずつ読み出す読出手段35と、複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより読出手段35が読み出した抽選結果を表示する表示手段37と、記憶手段231が最大保留数の抽選結果を記憶している状態で第2始動口172への入賞が発生した際、最大保留数の抽選結果の中に第1の抽選結果があれば、この第1の抽選結果を第2始動口172への入賞に応じた新たな第2の抽選結果に入れ替える入替手段34と、該入替手段34による抽選結果の入れ替えにより追加された第2の抽選結果が当たりの抽選結果であった追加当選回数を集計する計数手段36と、追加当選回数を報知する報知手段38と、を備えている。
以下、この内容について詳しく説明する。
まず、本例の遊技機1の外観的な構成について、図2を用いて説明する。遊技機1は、台枠に取り付けられた開閉扉12と、開閉扉12の内側に配置される遊技盤に形成された略円形状の遊技領域13と、遊技領域13の左右に配設された左右一対のスピーカ14と、遊技領域13の下側に設けられた玉供給皿111と、玉供給皿111の前面中央に配置された操作ボタン433と、玉供給皿111の右下に配置された発射ハンドル112とを備えている。
開閉扉12は、図2に示すごとく、遊技機1に対面して左側のヒンジ122を介して回動可能な状態で台枠に固定された扉である。開閉扉12は、遊技領域13に対応する略円形状の透明窓120と、透明窓120の上方に配置された装飾ランプ126とを有している。さらに、開閉扉12では、スピーカ14の配設位置に対応して複数の貫通孔124が穿孔されている。
操作ボタン433は、図1及び図2に示すごとく、前記追加当選回数等の入替情報を表示させるための略矩形状の操作ボタンである。操作ボタン433が押下操作されると、図3を参照して後述するごとく液晶表示装置191に前記入替情報が表示される。
発射ハンドル112は、図2に示すごとく、遊技領域13への玉の打ち出し強さを調整するための操作ハンドルである。発射ハンドル112は、図示しないスプリングにより左回転方向の初期位置に向けて付勢されている。初期位置に発射ハンドル112が位置する場合の打ち出し強さはゼロであり、この状態では玉は発射されない。遊技機1では、発射ハンドル112が右回転方向に操作された際、遊技領域13に向けて玉が発射される。そして、発射ハンドル112の操作量が大きくなるほど、玉の打ち出し強さが強くなる。さらに、発射ハンドル112は、玉の発射を一時停止するための発射停止ボタン(図示略)を備えている。発射停止ボタンを操作すれば、発射ハンドル112を右回転方向に操作した状態において玉の発射を一時停止可能である。
遊技領域13は、図2に示すごとく、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域13には、液晶表示装置191を含む表示装置19を中心とし、通過ゲート175、始動入賞装置である第1始動口171、可変入賞装置である第2始動口172、いわゆるアタッカーと呼ばれる大入賞口16、普図表示部181、及び普図保留表示部182が配設されている。さらに、遊技領域13の最下部には、いずれの入賞口にも入賞することなく流下した玉を排出するための玉排出口15が開口している。
表示装置19は、図2に示すごとく、略中央に配置された液晶表示装置191のほか、下枠部分に配設された特図保留表示部192を備えている。液晶表示装置191は、特別図柄の抽選(以下、特図抽選という。)の結果である前記第1及び前記第2の抽選結果を表示する特図表示部(表示手段37の一部。)としての機能のほか、大当たり状態の遊技を演出する大当たり表示を実施する機能を備えている。なお、以下の説明では、特図表示部としての液晶表示装置191を適宜、特図表示部191と記載する。さらになお、以下の説明では、第1及び第2の抽選結果を、第1特図抽選結果あるいは第2特図抽選結果という。
特図表示部191では、図2に示すごとく、複数種類の図柄を変動表示する図柄表示領域190L、C、Rが3カ所、形成されている。特図表示部191は、各図柄表示領域190L、C、Rに停止表示された3つの停止図柄の組合せにより特図抽選の抽選結果(以下、特図抽選結果という。)を表示する。本例では、各図柄表示領域190L、C、Rに変動表示する図柄として、1〜9のアラビア数字を図案化した9種類の図柄を採用している。
特図表示部191は、図2に示すごとく、特図抽選結果を表示するに当たって各図柄表示領域190L、C、Rにおける図柄変動を一斉に開始し、所定の特図変動時間の経過後、いずれかの図柄を各図柄表示領域190L、C、Rに停止させる。特図抽選に当選した際、特図表示部191は、同じ図柄(いわゆるゾロ目)の組合せによりその旨を報知する。
特図保留表示部192は、図2に示すごとく、特図抽選結果の保留数を表示する表示部である。特図保留表示部192は、水平方向に略等間隔で配置された複数のLED(Light Emitting Diode)を有している。このLEDの配置数は、特図抽選結果の最大保留数と同数の4つである。特図保留表示部192は、LEDの点灯個数により特図抽選結果の保留数を表示する。
通過ゲート175は、図2に示すごとく、普通図柄の抽選(以下、普図抽選という。)の契機となるゲートである。通過ゲート175では、玉を通過させるのみで賞球の払い出しが設定されていない。本例の遊技機1では、遊技領域13に対面して表示装置19の左側に通過ゲート175が配置されている。
第1始動口171及び第2始動口172は、図2に示すごとく、大当たり抽選である特図抽選の契機となる入賞口である。第1始動口171及び第2始動口172に対しては、入賞に応じた玉の払出数として3個が設定されている。第1始動口171及び第2始動口172は、表示装置19と大入賞口16との間隙に当たる位置に、第1始動口171を上にして縦方向に隙間少なく配列されている。第2始動口172は、一対の可動羽根174を開口部173に設けた、いわゆる電チュー(電動チューリップ)である。通常時における一対の可動羽根174は、玉を通過させ得る程度の隙間を空けて相互に対面するよう、立設された状態にある。しかし、本例の遊技機1では、第1始動口171の直下に第2始動口172が配置されているため、一対の可動羽根174が開いた状態でなければ、第2始動口172へ玉が入賞することはない。
第2始動口172において相互に離隔するように回動した一対の可動羽根174(図2中、破線で示す状態。)は、開口部173への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、第2始動口172への入賞確率が非常に高くなる。第2始動口172は、普図抽選での当選に応じて可動羽根174を開放する。なお、本例では、通常状態における普図抽選の当選確率が50/100となっており、時短状態では99/100となっている。また、可動羽根174の開放時間は、通常状態では1秒、時短状態では1.5秒×3回となっている。
普図表示部181は、図2に示すごとく、普図抽選結果を表示する表示部である。本例の普図表示部181は、1つのLEDにより構成されている。普図表示部181は、LEDの点滅により変動動作を表示する。普図表示部181は、普図抽選結果が当たりのときLEDを点灯させ、ハズレのときLEDを消灯させる。なお、普図変動時間については、通常状態で2秒、時短状態で1秒となっている。
普図保留表示部182は、普図抽選結果の保留数を表示する表示部である。普図保留表示部182は、4つのLEDが縦に連設されてなる。普図保留表示部182は、点灯中のLEDの個数により普図抽選結果の保留数(最大普図保留数4)を表示する。なお、本例の遊技機1では、遊技領域13の左端部分に普図表示部181及び普図保留表示部182が配置されている。
大入賞口16は、図2に示すごとく、大当たりに応じて開口するアタッカーと呼ばれる大入賞口である。大入賞口16は、横長略矩形状を呈する開口部160と、該開口部160の下辺を中心として回動する蓋部材161とを有する。大入賞口16では、遊技領域13をなす遊技盤の盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置した際に開口部160が閉塞状態となる一方、蓋部材161が遊技者側に回動すると開口部160が開放状態となる。さらに、このように回動した蓋部材161は、玉を開口部160に導くための受け皿となる。この大入賞口16は、玉排出口15の上側に配置されている。
次に、遊技機1のシステム的な構成について、図1及び図2を用いて説明する。遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出及び打込を制御する払出制御回路41、遊技演出を制御する副制御回路43、各種の遊技データを表示するLED460、入賞玉あるいは通過玉の検出器51〜54、第2始動口172を駆動する電チューソレノイド55、大入賞口16を開口させる大入賞ソレノイド56、及び電力供給のための電源回路45等が電気的に接続されている。
払出制御回路41は、図1及び図2に示すごとく、入賞に応じた玉の払出、及び玉の打込を制御する回路である。払出制御回路41に対しては、払出装置410及び発射制御回路42が電気的に接続されている。払出装置410は、入賞に応じて主回路20により指示される所定数の玉を払い出す装置である。発射制御回路42は、ハンドル装置422を構成する発射ハンドル112の操作量に応じて、発射装置421による玉の打ち出し強さを制御する回路である。
副制御回路43は、図1及び図2に示すごとく、各種遊技演出の制御回路である。副制御回路43に対しては、スピーカ14を含むアンプ/スピーカ431、装飾ランプ126等の装飾ランプ類432、及び液晶表示装置(特図表示部)191を制御する表示制御回路44が電気的に接続されている。表示制御回路44は、液晶表示装置191と共に、前記表示手段37あるいは前記報知手段38を構成している。
表示手段37としての表示制御回路44は、図1及び図2に示すごとく、主回路20から副制御回路43を介して入力される変動開始指示信号に応じて図柄変動を開始し、同様の変動停止指示信号に応じて図柄変動を停止させる。
報知手段38としての表示制御回路44は、図1〜図3に示すごとく、遊技者による操作ボタン433の操作に応じて、前記追加当選回数等の入替情報を表示する報知画面380を液晶表示装置191に表示させる。報知画面380に表示される入替情報としては、図3に示すごとく、入替回数、削除当選回数及び追加当選回数がある。入替回数は、保留された抽選結果が新たな抽選結果に入れ替えられた回数である。追加当選回数は、入れ替えにより追加された抽選結果が当たりの抽選結果であった回数である。削除当選回数は、入れ替えにより削除された抽選結果が当たりの抽選結果であった回数である。例えば、図3に示す入替情報は、入替回数が73回、削除当選回数が1回、追加当選回数が3回である旨を表示している。
表示制御回路44は、さらに、大当たり状態の遊技を演出する演出画面を液晶表示装置191に表示させる機能を備えている。表示制御回路44は、主回路20から入力される大当開始指示信号、ラウンド開始指示信号及び大当終了指示信号に応じて大当たり表示処理を実行する。表示制御回路44が液晶表示装置191に表示させる大当たり状態の演出画面としては、大当たり状態のスタートを表す大当たり開始表示、大当たり状態の継続中に表示される大当たり中表示、及び大当たり状態の終了を表す大当たり終了表示等がある。なお、本例の説明では、各演出画面の図示を省略している。
前記検出器としては、図1及び図2に示すごとく、通過ゲート175の通過玉を検出するゲート通過検出器53と、第1始動口171への入賞玉を検出する第1始動入賞検出器51と、第2始動口172への入賞玉を検出する第2始動入賞検出器52、大入賞口16への入賞玉を検出する大入賞検出器54とがある。
電チューソレノイド55は、第2始動口172の可動羽根174を開閉するためのソレノイドである。
大入賞ソレノイド56は、大入賞口16の蓋部材161を回動駆動して大入賞口16を入賞可能な状態とするソレノイドである。
主回路20は、図1に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、特図抽選あるいは普図抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部25、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)24等を備えている。本例の主回路20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、前記第1抽選手段311、前記第2抽選手段312を含む抽選手段31、停止表示させる予定の停止図柄を決定する停止図柄決定手段32、停止表示された図柄の組合せにより抽選結果を表示する表示手段37、停止表示された図柄の組合せに応じて大当たり状態を発生させる特典付与手段33、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替える入替手段34、保留された抽選結果を1つずつ読み出す読出手段35、及び前記追加当選回数等を集計する計数手段36としての機能を実現する。
ROM22は、図1に示すごとく、CPU21に実行させる各種の処理プログラムや、抽選処理に利用される各種判定テーブルの圧縮データを記憶している。
RAM23は、図1及び図4に示すごとく、CPU21のワークエリア、各種判定テーブルの展開エリア、及び一時書き込みエリア等として利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM23の記憶エリアには、それぞれ5データ分の特図保留領域及び普図保留領域が割り当てられているほか、第1乱数カウンタ251が発生した乱数の書き込みエリア、第2乱数カウンタ252が発生した乱数の書き込みエリア、特図判定テーブルの展開エリア、普図乱数カウンタ253が発生した乱数の書き込みエリア、普図判定テーブルの展開エリア等が形成されている。RAM23の記憶エリアに形成された特図保留領域が、前記記憶手段231を構成している。
特図判定テーブルは、特図抽選用の判定テーブルである。特図判定テーブルは、0〜3299までの全乱数範囲のうち、ハズレに対応する乱数範囲、第1大当たりに対応する乱数範囲(0〜7、3000〜3001)、及び第2大当たりに対応する乱数範囲(8、9及び3002〜3009)が規定されたデータテーブルである。普図判定テーブルは、普図抽選用の判定テーブルである。普図判定テーブルは、ハズレに対応する乱数範囲、及び普図当選に対応する乱数範囲が規定されたデータテーブルである。これらの判定テーブルは、ROM22に格納された圧縮データを展開して得られるデータテーブルである。本例の遊技機1では、CPU21の起動時やハードリセット等に応じて前記圧縮データの展開が実行される。
普図判定テーブルとしては、通常状態用の通常用普図判定テーブルと、時短状態用の時短用普図判定テーブルとがある。本例の通常用普図判定テーブル(図示略)によれば、50%の当選確率で普図抽選に当選でき、時短用普図判定テーブル(図示略)によれば、ほぼ100%の当選確率で普図抽選に当選できる。
記憶手段231を構成する特図保留領域は、図1及び図4に示すごとく、特図抽選結果、すなわち特図抽選に応じて抽出された乱数の抽出値を記憶(保留)する記憶エリアである。普図保留領域は、普図抽選結果、すなわち普図抽選に応じて抽出された乱数の抽出値を記憶(保留)する記憶エリアである。
乱数抽出部25は、図1及び図4に示すごとく、特図抽選及び普図抽選用の乱数を抽出する手段である。乱数抽出部25は、第1乱数カウンタ251、第2乱数カウンタ252及び普図乱数カウンタ253が発生する整数の中から乱数を抽出する。乱数抽出部25は、乱数の抽出値をRAM23に書き込みする。第1(第2)乱数カウンタ251(252)の抽出値は、RAM23上の第1(第2)乱数カウンタの書き込みエリアに書き込まれる。普図乱数カウンタ253の抽出値は、RAM23上の普図乱数カウンタの書き込みエリアに書き込まれる。なお、第1乱数カウンタ251は、0〜2999の範囲の整数を発生する一方、第2乱数カウンタ252は、3000〜3299の範囲の整数を発生する。また、普図乱数カウンタ253は、所定範囲の整数を発生する。
抽選手段31は、図1及び図4に示すごとく、特図抽選あるいは普図抽選を実行する手段である。特に、抽選手段31は、特図抽選の抽選処理を実行する前記第1抽選手段311及び前記第2抽選手段312を備えている。第1抽選手段311は、第1始動口171への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段である。第2抽選手段312は、第2始動口172への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段である。
第1抽選手段311は、特図保留領域における特図抽選結果の保留数が3以下である場合にRAM23内の第1乱数カウンタの書き込みエリアに書き込まれた乱数を新たな特図抽選結果として特図保留領域の空きエリアに保留(記憶)する。一方、第1抽選手段311は、特図保留領域における特図抽選結果の保留数が4つ(最大保留数)である場合には、新たな特図抽選結果の保留をキャンセルする。
第2抽選手段312は、特図保留領域における特図抽選結果の保留数が3以下である場合にRAM23内の第2乱数カウンタの書き込みエリアに書き込まれた乱数を新たな特図抽選結果として特図保留領域の空きエリアに保留する。一方、第2抽選手段312は、特図保留領域における特図抽選結果の保留数が4つ(最大保留数)である場合、まず、特図保留領域に第1特図抽選結果が保留されているか否かを判断する。第1特図抽選結果が保留されていれば、RAM23内の第2乱数カウンタの書き込みエリアに書き込まれた乱数を前記入替手段34に引き渡す。
また、抽選手段31は、普図保留領域における普図抽選結果の保留数が3つ以下である場合にRAM23内の普図乱数カウンタの書き込みエリアに書き込まれた抽出値を新たな普図抽選結果として普図保留領域の空きエリアに保留する。一方、普図抽選結果の保留数が4つ(最大保留数)である場合には、新たな普図抽選結果の普図保留領域への保留(記憶)をキャンセルする。
入替手段34は、図1及び図4に示すごとく、特図保留領域に保留された特図抽選結果(乱数の抽出値)を新たな特図抽選結果に入れ替える手段である。入替手段34は、特図保留領域に最大保留数の特図抽選結果が保留された状態で第2始動口172への入賞が発生した際、前記のような入れ替えを実行する場合がある。入替手段34は、最大保留数の特図抽選結果の中に第1特図抽選結果が存在する場合に、当該第1特図抽選結果のいずれか(本例では最新のもの。)を新たな第2特図抽選結果に入れ替える。この場合、入替手段34は、第1特図抽選結果の当否に関わらず当該第1特図抽選結果を削除し、削除により生じた空きエリアに新たな第2特図抽選結果を保留(記憶)する。なお、入替手段34は、特図保留領域に保留された特図抽選結果(乱数の抽出値)のうち、0〜2999の範囲に属する抽出値を第1特図抽選結果と判断する。なお、入替手段34が特図保留領域に保留された特図保留結果を入れ替える手順については、後で詳細に説明する。
計数手段36は、図1に示すごとく、入替回数、削除当選回数、追加当選回数を計数する手段である。入替回数は、入替手段34が第1特図抽選結果を第2特図抽選結果に入れ替えた回数である。削除当選回数は、入れ替えにより削除された第1特図抽選結果が当たりであった回数である。追加当選回数とは、入れ替えた新たな第2特図抽選結果が当たりであった回数である。計数手段36は、入替手段34が第1特図抽選結果に代えて新たな第2特図抽選結果を保留する際、当該第1特図抽選結果及び第2特図抽選結果を特図判定テーブルと照合することにより当該第1特図抽選結果及び第2特図抽選結果の当否をそれぞれ判定する。
読出手段35は、図1及び図4に示すごとく、特図保留領域(普図保留領域)に記憶、すなわち保留された特図抽選結果(普図抽選結果)である乱数の抽出値を読み出す手段である。読出手段35は、特図(普図)の変動表示を開始可能であるとき、すなわち特図(普図)の変動中でなく、かつ、大当たり中(電チュー作動中)でもないとき、特図保留領域(普図保留領域)に記憶、すなわち保留された特図抽選結果(普図抽選結果)の有無を確認する。読出手段35は、特図保留領域(普図保留領域)に記憶された特図抽選結果(普図抽選結果)のうち最も古いものを読み出す。
読出手段35により読み出された特図抽選結果(普図抽選結果)である乱数の抽出値は、特図判定テーブル(普図判定テーブル)との照合により当否判定が実行される。なお、抽出値を照合する対象の判定テーブルは、前述したように遊技状態に応じて選択される。特図抽選の当否判定としては、第1大当たり、第2大当たり及びハズレがある。普図抽選の当否判定としては、当選及びハズレがある。なお、本例では、特図抽選における第1大当たり、及び第2大当たりの確率が、それぞれ、300分の1、30分の1となっている。
停止図柄決定手段32は、図1及び図2に示すごとく、前記特図表示部191の各図柄表示領域190L、C、Rに停止表示させる停止図柄を決定する手段である。停止図柄決定手段32は、特図抽選による当否判定結果に応じて停止図柄を決定する。停止図柄決定手段32は、特図抽選に当選した場合、各図柄表示領域190L、C、Rに停止させる停止図柄として同じ種類の図柄を決定する。第1大当たりの場合、1〜9のうち偶数が関連付けられた図柄が停止図柄として決定される。第2大当たりの場合、1〜9のうち奇数が関連付けられた図柄が停止図柄として決定される。
特典付与手段33は、図1及び図2に示すごとく、特図表示部191に停止表示された停止図柄の組合せに応じて大当たり状態(特典)を発生させる手段である。特典付与手段33では、第1(第2)大当たり状態あるいは時短状態に対応する状態フラグが規定されている。特典付与手段33は、停止図柄の組み合わせが第1(第2)大当たり図柄(偶数(奇数)のゾロ目)であるとき、状態フラグのフラグ値として1(2)をセットし、第1(第2)大当たり状態を発生させる。第1(第2)大当たり状態は、入賞玉10個、あるいは開放時間25秒を終了条件として大入賞口(アタッカー)16が開放されるラウンドが繰り返し実行される遊技者側に有利な遊技状態である。
特典付与手段33は、第1(第2)大当たり状態においてラウンドを5回(15回)、繰り返し実行してから状態フラグのフラグ値として3をセットし、時短状態を発生させる。第1(第2)大当たり状態に後続して発生する時短状態は、20回(50回)の図柄変動、及び新たな大当たりの発生のうちいずれかの成立に応じて終了する。時短状態が終了すると状態フラグがゼロリセットされ、通常状態に復帰する。
特典付与手段33は、大当たり状態におけるラウンドの実行回数を計数するための加算カウンタであるラウンドカウンタ(図示略)、及び時短状態における図柄変動回数(時短回数)を計数するための減算カウンタである時短回数カウンタ(図示略)を備えている。特典付与手段33は、ラウンドカウンタのカウンタ値であるラウンド数により大当たり状態の発生期間を制御すると共に、時短回数カウンタのカウンタ値である図柄変動回数(時短回数)により時短状態の発生期間を制御している。なお、本例の遊技機1の時短状態においては、普図当選時の第2始動口(電チュー)172の開放時間が長くなるため、遊技者の持玉の減少度合いが抑制される。
ここで、前記入替手段34が特図抽選結果を入れ替える手順を図5を用いて説明する。同図において縦方向に配列された5連の枠は、特図保留領域内の特図抽選結果(乱数の抽出値)の記憶領域に対応している。また、枠の左横の0〜4の添字は、保留序列(保留した順番)を示している。添字が少ない枠に格納された特図抽選結果ほど、保留されたタイミングが古くなっている。特に、添字ゼロの枠に格納された特図抽選結果は、特図表示部191により表示している最中の特図抽選結果である。各枠内には、格納された特図抽選結果である乱数の抽出値を示してある。前記のごとく、第1特図抽選結果としての乱数の抽出値は、0〜2999の範囲に属する整数であり、第2特図抽選結果としての乱数の抽出値は、3000〜3299の範囲に属数する整数である。また、同図(A)〜(E)では、第2始動口172への入賞に伴って入替手段34が実行する入替処理が時系列で示されている。
図5(A)は、第2始動口172への入賞が発生する前の特図保留領域に保留された各特図抽選結果(乱数の抽出値)を示している。同図から知られるように、この状態では、最大保留数に当たる4つの特図抽選結果が特図保留領域に保留されている。4つの特図抽選結果のうち、添字1及び添字3の枠には第1特図抽選結果が格納され、添字2及び4の枠に第2特図抽選結果が格納されている。
第2始動口172への入賞が発生すると、図5(B)に示すごとく、保留されている第1特図抽選結果のうちの最新のもの、すなわち添字3の枠に格納された第1特図抽選結果が検索される。図5(C)に示すごとく、添字3の枠に格納された第1特図抽選結果が削除されると共に、当該第1特図抽選結果よりも抽出時点が新しい特図抽選結果である添字4の第2特図抽選結果が添字3の枠に移し替えられる(図5(D))。そして、空きとなった添字4の枠には、図5(E)に示すごとく、第2始動口172に応じた新たな特図抽選結果である第2特図抽選結果が格納される。
次に、上記のように構成された本例の遊技機1の動作について、図6〜図11のフローチャートに沿って説明する。図6は、第1始動口171への入賞に応じた第1始動入賞処理の流れを示している。図7は、第2始動口172への入賞に応じた第2始動入賞処理の流れを示している。図8は、特図表示部191に図柄変動を実行させるための変動前処理の流れを示している。図9は、特図表示部191に図柄変動を実行させるための特図変動処理の流れを示している。図10は、大当たり状態を発生させる大当たり処理の流れを示している。図11は、入替情報を表示する入替情報表示処理の流れを示している。
図6に示す第1始動入賞処理では、主回路20は、まず、第1始動口171の入賞玉が検出されたか否かを判断する(S101)。入賞玉が検出された場合(S101:YES)には、3玉の払い出しを指示し(S102)、特図保留領域における特図抽選結果(以下、特図保留という。)の保留数を判断する(S103)。保留数が3つ以下である場合(S103:YES)には、第1乱数カウンタ251が発生する乱数のうちのいずれか1つ(そのタイミングでの乱数値)を抽出し(S104)、特図保留領域に第1特図保留として保留(記憶)する(S105)。一方、特図保留領域における第1特図保留の保留数が4つの場合(S103:NO)には、乱数抽出部25による乱数の抽出を実行せず、第1始動入賞処理を終了する。
図7に示す第2始動入賞処理では、主回路20は、まず、第2始動口172の入賞玉が検出されたか否かを判断する(S201)。入賞玉が検出された場合(S201:YES)には、3玉の払い出しを指示し(S202)、特図保留領域における特図保留の保留数を判断する(S203)。保留数が4つである場合(S203:NO)には、特図保留領域に第1特図保留があるか否を判断する(S204)。
第1特図保留がある場合(S204:YES)には、最新の第1特図保留を読み出し(S205)て当否判定を実行する(S206)。大当たり当選である場合(S207:YES)には、削除当選回数を1加算した上で(S208)、当該第1特図保留を消去し(S209)、入替回数を1加算する(S210)。一方、保留数が3以下である場合(S203:YES)には、S204〜S210を迂回する。
その後、第2乱数カウンタに格納された乱数を第2特図抽選結果として特図保留領域へ追加する(S211)。第1特図保留を削除(S209)した後の第2特図保留の追加である場合(S212:YES)には、当該第2特図抽選結果の当否判定を実行する(S213)。大当たり当選である場合(S214:YES)には、追加当選回数を1加算した後(S215)、当該第2特図抽選結果を第2特図保留として記憶する(S216)。
図8に示す変動前処理では、主回路20は、まず、特図保留(特図抽選結果)があるか否かを判断する(S301)。特図保留がある場合(S301:YES)には、状態フラグのフラグ値を判断する(S302)。状態フラグのフラグ値がゼロ(通常状態)あるいは3(時短状態)である場合(S302:YES)には、特図表示部191において図柄の変動表示中であるか否かを判断する(S303)。図柄変動が実施されていなければ(S303:NO)、最古の特図保留を読み出し(S304)、当否判定を実行する(S305)。当否判定の結果に応じて特図表示部191における停止図柄及び変動パターンを決定し(S306)、特図変動処理P1を実施する。
図9に示すごとく主回路20による特図変動処理P1では、主回路20は、まず、表示制御回路44に向けて変動開始指示信号を送信する(S401)。その後、前記ステップS306において決定した変動パターンに応じた特図変動時間の経過後(S402:YES)、表示制御回路44に向けて変動停止指示信号を送信する(S403)。図柄変動が停止した後、停止図柄の組合せを判断する(S404、S406)。停止図柄の組み合わせが第1大当たり図柄(偶数のゾロ目)である場合(S404:YES)には、状態フラグのフラグ値を1に変更する(S405)。停止図柄の組み合わせが第2大当たり図柄(奇数のゾロ目)である場合(S406:YES)には、状態フラグのフラグ値を2に変更する(S407)。
その後、状態フラグのフラグ値が3(時短状態)であるか否かを判断する(S408)。状態フラグが3である場合(S408:YES)には、時短回数を1減算し(S409)、時短回数がゼロであるか否かを判断する(S410)。時短回数がゼロである場合(S410:YES)には、状態フラグのフラグ値をゼロ(通常状態)に変更する(S411)。一方、状態フラグが3でない場合(S408:NO)には、ステップS409〜S411を迂回する。
図10に示すごとく大当たり処理では、主回路20は、まず、状態フラグのフラグ値を判断する(S501)。状態フラグが1(第1大当たり)あるいは2(第2大当たり)である場合(S501:YES)には、ラウンド数を表すラウンドカウンタのカウンタ値を1加算する(S502)。その後、S503〜S505の組合せにより、入賞玉が10個に達するか(S504)、あるいは開放時間が25秒に達するまでの間(S505)、大入賞口(アタッカー)16を開放し(S503)、その後、閉鎖する(S506)。
前記のごとく大入賞口16を開放する処理は、状態フラグによって異なる。状態フラグが1の場合(S507:YES)は、ラウンド数が5に達するまで繰り返し実行する(S508)。ラウンド数が5に達した場合(S508:YES)には、時短回数カウンタに20を設定する(S509)。状態フラグが2である場合(ステップS510:YES)には、ラウンド数が15に達するまで繰り返し実行する(S511)。ラウンド数が15に達した場合(S511:YES)には、時短回数カウンタに50を設定する(S512)。その後、ラウンド数をゼロリセットし(S513)、状態フラグのフラグ値を3に変更する(S514)。
図11に示すごとく入替情報表示処理では、主回路20は、まず、操作ボタン433の操作がされたか否かを判断する(S601)。操作ボタン433が操作された場合(S601:YES)には、液晶表示装置(特図表示部)191の図柄変動が待機中(図柄変動中でも大当たり中でもない状態)であるか否かを判断する(S602)。図柄変動が待機中である場合(S602:YES)には、図3に示すごとく報知画面380を表示し(S603)、遊技者に入替情報を報知する。入替情報を表示してから10秒経過後(S604:YES)には、待機画面を液晶表示装置191に表示する(S605)。
このように、本例の遊技機1では、特図保留が最大保留数に達した場合に特図保留の入れ替えが実行され得る。特図保留の入れ替えに当たっては、第1特図保留が削除され、当選確率が高い方の第2特図保留が新たに保留される。そのため、前記遊技機1では、特図保留の入れ替えに応じて大当たりに対する期待度が高くなり得る。特に、本例の遊技機1の遊技者は、特図保留の入れ替えによる大当たりの期待度の向上度合いを前記入替情報を介して定量的に把握できる。
特図保留の入れ替えによる効果を明確に把握した遊技者は、特図保留が最大保留数に到達した状態での遊技が有利であると認識し得る。このような遊技者は、特図保留をなるべく多く貯めるように遊技するようになり、特図保留表示部192のLEDが全て点灯されたときには達成感を感じるようになる。遊技機1の遊技者は、このような状態を長く継続できるよう、玉の発射を中断せずに遊技するようになる。そのため、遊技機1では、稼動率の向上を期待できる。
以上のように、本例の遊技機1は、停止表示された図柄の組合せにより大当たりの抽選結果を表示する、いわゆる「セブン機」と総称される遊技機において、保留された抽選結果を新たな抽選結果に入れ替える制御に応じて遊技者が感じる得る遊技の興趣を高めた優れた特性の遊技機である。
本例の遊技機1では、入替回数、削除当選回数及び追加当選回数を表示するように構成したが、このような表示に代えて、例えば、抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果は緑色、それ以外の抽選結果は赤色というように特図保留表示部192によるLEDの発光色を相違させることも良い。この場合には、LEDの発光色に応じて、入れ替えにより追加された抽選結果を判別可能に遊技者側に報知できる。特図表示部191に表示された抽選結果が入れ替えにより追加されたものであるか否か、遊技者が明確に認識できるようになり、入れ替えにより追加された抽選結果に基づいて当たりが発生した場合には、抽選結果の入れ替えによって恩恵を受けて得をしたことを遊技者に実感させることが可能になる。このような構成の遊技機では、前記の特図保留表示部192が報知手段としての機能を奏することになる。なお、入れ替えによって追加された抽選結果が当たりであるときだけ、特図保留表示部192のLEDの発光色を変更するようにしても良い。この場合にも、抽選結果の入れ替えによる恩恵を遊技者が実感できるようになる。
なお、本例では、遊技者による操作ボタン433の押下操作により入替回数、削除当選回数及び追加当選回数等の入替情報を液晶表示装置191に表示させるようにしたが、操作ボタン433の操作によらず、例えば、大当たり当選の発生に応じて前記入替情報を液晶表示装置191に表示させることも良い。
また、開店前の電源起動時や遊技者の操作により、入替回数、削除当選回数及び追加当選回数等をゼロリセットすることも良い。
また、削除当選回数については、通常状態において削除された第1特図保留(第1特図抽選結果)が当たりであった回数であっても良い。
またなお、本例では、大当たりの当選確率が異なる第1始動口171と第2始動口172とを設けた例であるが、これに代えて、第1始動口171と第2始動口172との有利度合いを同等にすると共に、特図保留が最大保留数に達している場合には、いずれかの始動口への入賞に応じて必ず特図保留の入れ替えが実行されるように構成することもできる。入れ替えにより削除する特図保留としては、第1特図保留であるか第2特図保留であるかの区別をせずに最新のものを削除するのが良い。さらに、第2始動口172を省略して第1始動口171のみの構成にすると共に、特図保留が最大保留数に達している場合には、第1始動口171への入賞に応じて必ず特図保留の入れ替えが実行されるように構成することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、この具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
実施例における、遊技機のシステム構成を示すブロック図。 実施例における、遊技機を示す正面図。 実施例における、報知手段が表示する報知画面を示す正面図。 実施例における、RAMの記憶エリアを説明する図。 実施例における、抽選結果を入れ替える手順を説明する説明図。 実施例における、第1始動入賞処理の流れを示すフロー図。 実施例における、第2始動入賞処理の流れを示すフロー図。 実施例における、変動前処理の流れを示すフロー図。 実施例における、特図変動処理の流れを示すフロー図。 実施例における、大当たり処理の流れを示すフロー図。 実施例における、入替情報表示処理の流れを示すフロー図。
符号の説明
1 パチンコ遊技機
13 遊技領域
15 玉排出口
16 大入賞口(アタッカー)
171 第1始動口
172 第2始動口(電チュー)
175 通過ゲート
19 表示装置
191 液晶表示装置(特図表示部)
192 特図保留表示部
20 主回路
231 記憶手段
25 乱数抽出部
31 抽選手段
311 第1抽選手段
312 第2抽選手段
34 入替手段
35 読出手段
36 計数手段
37 表示手段
38 報知手段
380 報知画面
422 ハンドル装置
433 操作ボタン
55 電チューソレノイド
56 大入賞ソレノイド

Claims (5)

  1. 遊技領域に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域に設けられた始動口と、
    該始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、
    所定の最大保留数を上限として前記抽選手段による抽選結果を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段が記憶する前記抽選結果を1つずつ読み出す読出手段と、
    複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより前記読出手段が読み出した抽選結果を表示する表示手段と、
    前記記憶手段が前記最大保留数の前記抽選結果を記憶している状態で前記始動口への入賞が発生した場合に、当該最大保留数の抽選結果のうちのいずれか1つを、前記抽選手段による新たな抽選結果に入れ替える入替手段と、
    該入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果を判別可能に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 遊技領域に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域に設けられた始動口と、
    該始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、
    所定の最大保留数を上限として前記抽選手段による抽選結果を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段が記憶する前記抽選結果を1つずつ読み出す読出手段と、
    複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより前記読出手段が読み出した抽選結果を表示する表示手段と、
    前記記憶手段が前記最大保留数の前記抽選結果を記憶している状態で前記始動口への入賞が発生した場合に、当該最大保留数の抽選結果のうちのいずれか1つを、前記抽選手段による新たな抽選結果に入れ替える入替手段と、
    該入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された抽選結果が当たりの抽選結果であった追加当選回数を集計する計数手段と、
    前記追加当選回数を報知する報知手段とを、備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
  3. 遊技領域に打ち込まれた玉が入賞可能なように該遊技領域に設けられた第1始動口及び第2始動口と、
    前記第1始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する第1抽選手段と、
    該第1抽選手段による抽選処理よりも遊技者にとって有利な抽選処理を、前記第2始動口への入賞に応じて実行する第2抽選手段と、
    前記第1抽選手段による第1の抽選結果及び前記第2抽選手段による第2の抽選結果を、所定の最大保留数を上限として記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段が記憶する抽選結果を1つずつ読み出す読出手段と、
    複数の図柄を変動表示すると共に停止表示された図柄の組み合わせにより前記読出手段が読み出した抽選結果を表示する表示手段と、
    前記記憶手段が前記最大保留数の抽選結果を記憶している状態で前記第2始動口への入賞が発生した際、前記最大保留数の抽選結果の中に前記第1の抽選結果があれば、当該第1の抽選結果を前記第2始動口への入賞に応じた新たな第2の抽選結果に入れ替える入替手段と、
    該入替手段による抽選結果の入れ替えにより追加された第2の抽選結果が当たりの抽選結果であった追加当選回数を集計する計数手段と、
    前記追加当選回数を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
  4. 前記計数手段は、前記入替手段による抽選結果の入れ替えにより削除された抽選結果が当たりの抽選結果であった削除当選回数を集計し、
    前記報知手段は、前記追加当選回数と前記削除当選回数とを比較可能に報知するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のパチンコ遊技機。
  5. 前記計数手段は、前記入替手段が抽選結果を入れ替えた入替回数を集計し、
    前記報知手段は、前記入替回数と前記追加当選回数を比較可能に報知するように構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
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