JP2009193979A - 面発光型半導体レーザ、光学装置、光照射装置、情報処理装置、光送信装置、光空間伝送装置および光伝送システム - Google Patents

面発光型半導体レーザ、光学装置、光照射装置、情報処理装置、光送信装置、光空間伝送装置および光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】電気抵抗の低減を図りつつ横モード制御が可能な面発光型半導体レーザを提供する。
【解決手段】VCSEL10、基板12上に形成され、Alを構成元素とする電流狭窄層32を含む下部DBR14と、活性領域16と、ポストPに加工された上部DBR18とを備える。下部DBR14には、ポストPの外側において、活性領域16から電流狭窄層32に到達する複数の孔30が形成されている。電流狭窄層32には、y方向に延在する導電領域38が形成され、上部DBR18の電流狭窄層40には、x方向に延在する導電領域44が形成されている。これらの導電領域38、44を組み合わせることで、光のxy方向を制御し、横モード制御を可能にしている。また、各導電領域38、44は、従来の横モード制御層の導電領域に比べ、その面積を広くすることができ、電気抵抗の低減を図っている。
【選択図】図1

Description

本発明は、面発光型半導体レーザ、光学装置、光照射装置、情報処理装置、光送信装置、光空間伝送装置および光伝送システムに関する。
光ファイバ等を用いたデータ通信、あるいは複写機等の情報処理装置の光源として、2次元アレイ化が容易でありかつ消費電力が小さい面発光型半導体レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser diode:以下、VCSELと呼ぶ)が利用されている。
典型的な酸化型VCSELは、Alを構成元素として含む半導体層を選択酸化し、これにより電流狭窄および光閉じ込めを同時に行う。このようなVCSELにおいて、レーザ光の基本横モードを制御しようとする場合、被酸化領域の大きさを約5μm以下にしればならない。しかし、Alを含む半導体層の酸化距離を制御することは難しく、また、高抵抗による発熱のため特性が劣化する。
このような欠点を解決する方法として、横モード制御層および電流狭窄層を別々に形成することが特許文献1および特許文献2に提案されている。これにより、素子抵抗が低く、かつ高出力の単一基本横モード発振を可能にしている。
また特許文献3は、上部DBRに散乱損失構造部又は低屈折率領域、空孔を設けることにより、電流密度の均一化を図り、単一基本横モード発振を可能にしている。さらに特許文献4は、上部DBRに2つの酸化層を形成し、一方の非酸化領域の形状に異方性を持たせることによって、偏光制御を行っている。
特開2004−253408号 特開2005−259951号 特開2006−41181号 特開2005−86170号
上記したいずれの特許文献の場合も、基板上にポストを形成した後、ポスト側面から酸化された酸化領域により導電経路を規定する構造である。基本横モード制御のためには、導電経路の径を少なくとも5μmよりも小さくしなければならず、この結果、ポスト内の電流経路の抵抗が高くなり、光出力の低下を招いてしまう。さらに、ポスト側面からの酸化を制御し、微細な導電領域を形成することは、再現性も困難であった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、複数の電流狭窄層を組み合わせることで、素子抵抗の低減を図りつつ、基本横モード制御が可能な面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明に係る面発光型半導体レーザは、基板と、前記基板上に形成され、第1導電型の第1の分布型ブラッグ反射鏡と、前記第1の分布型ブラッグ反射鏡上に形成された活性領域と、前記活性領域上に形成された第2導電型の第2の分布型ブラッグ反射鏡と、光軸と直交するx−y平面を含み、第1または第2の分布型ブラッグ反射鏡に流れる電流を狭窄する第1の電流狭窄層と、光軸と直交するx−y平面を含み、第1または第2の分布型ブラッグ反射鏡に流れる電流を狭窄する第2の電流狭窄層とを有し、前記第1の電流狭窄層には、x方向よりもy方向に相対的に大きく延在する第1の導電領域が形成され、前記第2の電流狭窄層には、y方向よりもx方向に相対的に大きく延在する第2の導電領域が形成されている。
好ましくは、前記第1の電流狭窄層は、前記第1導電型を有し、前記第1の分布型ブラッグ反射鏡内に形成され、前記第2の電流狭窄層は、前記第2導電型を有し、前記第2の分布型ブラッグ反射鏡内に形成される。また、前記第1の導電領域は、楕円形状または長方形状であり、長手方向がy方向に一致し、前記第2の導電領域は、楕円形状または長方形状であり、長手方向がx方向に一致する。
好ましくは、前記第1の分布型ブラッグ反射鏡は、少なくとも1つの溝を含み、前記溝は、前記第1の電流狭窄層の側面を露出させ、露出した側面から酸化させた酸化領域に囲まれた前記第1の導電領域を形成する。一方、前記第2の分布型ブラッグ反射鏡は、柱状構造を含み、前記柱状構造は、前記第2の電流狭窄層の側面を露出させ、露出した側面はから酸化させた酸化領域に囲まれた前記第2の導電領域を形成する。
好ましくは、前記第1および第2の電流狭窄層は、イオン注入により形成された絶縁領域と、前記絶縁層に囲まれた第1または第2の導電領域とを含む。さらに、前記第1および第2の導電領域は、レーザ光の基本横モード発振を制御する。例えば、レーザ光の発振波長が980nmより短い場合、前記第1の導電領域のx方向が3μm以下であり、前記第2の導電領域のy方向が3μm以下である。また、レーザ光の発振波長が1300nmより長い場合、前記第1の導電領域のx方向が5μm以下であり、前記第2の導電領域のy方向が5μm以下である。
本発明によれば、第1および第2の電流狭窄層を組み合わせることで、従来の横モード制御層の導電領域よりも面積が大きい導電領域を形成することができ、素子抵抗を低減することができる。また、第1および第2の電流狭窄層の第1および第2の導電領域の指向性を異ならせることで、レーザ光の基本横モード制御をも可能にしている。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の実施例に係るVCSELの概略平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線で切断したときの概略断面図である。なお、これらの図は、VCSELの主要な構成を説明するものであり、必ずしもVCSELの最終形態を示すものではない。
同図に示すように、本実施例に係るVCSEL10は、N型の基板12と、基板12上に形成されたN型の分布型ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector:以下、DBRという)14と、下部DBR14上に形成された活性領域16と、活性領域16上に形成されたP型の上部DBR18と、上部DBR18上に形成された環状のp側電極20と、基板12の裏面に形成されたn側電極22とを含んで構成される。なお、図1(a)において、p側電極20はハッチングで表されている。
基板12は、好ましくは、GaAs等のN型の半導体基板から構成され、半導体基板上にエピタキシャル成長により複数の半導体層を積層することで、下部DBR14、活性領域16および上部DBR18を構成している。好ましくは、下部DBR14および上部DBR18は、Al組成の異なる1組のAlGaAs半導体層を複数組積層したものであり、各層の膜厚は、1/4λ(λは、発振波長)である。また、上部DBR18は、半導体層をエッチングすることにより楕円柱状のポストPに加工されている。ここで、ポストPは、図1(a)の平面形状に示すように、x軸上に長軸、y軸上に短軸を有する楕円形状を有している。
VCSEL10は、下部DBR14と上部DBR18により垂直共振器を構成する。p側電極20およびn側電極22からのキャリアの注入により活性領域16において発生した光は、垂直共振器により増幅され、p側電極20の中央に形成された楕円状の開口24からレーザ光として出射される。
従来の典型的なVCSELは、ポスト内の上部DBRに選択酸化された電流狭窄層により電流狭窄および光閉じ込めを行っているが、本実施例のVCSEL10は、下部DBR14と上部DBR18のそれぞれに電流狭窄および光閉じ込めを行うための電流狭窄層を形成する。
まず、下部DBR14に形成された電流狭窄層について説明する。ポストPの中心軸(または光軸)Cにおいて、下部DBR14には左右対称となる位置に2つの角柱状の孔30が形成されている。すなわち、孔30は、中心軸Cから等しい距離にあり、下部DBR14の側面一部を露出させている。また、下部DBR14内に形成された電流狭窄層32には、電流狭窄および光閉じ込めを行うための酸化領域34と酸化領域34によって囲まれた導電領域38を含む。例えば、下部DBR14がN型の1組のAlxGa1-xAs層およびAlyGa1-yAs層(X>Y)を含むとき、電流狭窄層32は、N型のAlAs層またはAlzGa1-zAs層(Z>X)である。このAlzGa1-zAs層は、AlxGa1-xAs層を置換して形成される。2つの孔30は、露出する活性領域16の表面から、下部DBR14内の電流狭窄層32に至るかあるいはそれを幾分だけ越える深さを有する。
電流狭窄層32は、孔30によって露出された側面を有し、この側面から一定の距離だけ酸化される。孔30が角柱形状である場合、電流狭窄層32の酸化は、孔30を中心に等方的に広がり、その停止位置は、酸化時間を制御することにより決定される。図1(a)に示すように、1つの孔30の側面から進行した酸化領域34の停止位置36は、近似的に孔30と同心の角状となる。これにより、中心軸Cにおいて、酸化領域34に両側を挟まれた導電領域38が形成される。酸化領域34は、電気的に絶縁された領域であるが、導電領域38は、電気的に導電性のある領域であり、キャリアを通過させることができる。
導電領域38は、図1(a)に示すように、2つの酸化領域34の停止位置36によって規定され、中心軸Cに関して、x軸方向よりもy軸方向に相対的に大きい長方形状を形成する。停止位置36よって規定された導電領域38のx方向の幅、すなわち、導電領域38の短辺aは、制御する基本横モードに応じて、適宜決定される。導電領域38の短辺aは、レーザ光の基本横モードのx方向を制御するため、発振波長が1300nmより長い場合、好ましくは5μm以下であり、発振波長が980nmよりも短い場合、好ましくは3μm以下である。従来のVCSELとは異なり、本実施例の導電領域38は、酸化領域34により閉じられた閉面ではないため、n側電極22から活性領域16への電流経路が必要以上に絞り込まれることなく、光出力の低下が抑制され、かつ低抵抗化を図ることができる。
次に、上部DBR18に形成された電流狭窄層について説明する。上部DBR18がP型のAlGaAs層であるとき、その一部がP型のAlAs層またはAl組成の高いAlGaAs層に置換される。ここで、電流狭窄層40の酸化領域42の酸化距離は、電流狭窄層32の酸化領域34の酸化距離よりも短い。酸化距離または酸化速度は、Alの組成に比例し、Alの組成が大きいほど酸化速度または酸化距離が大きくなる。また、電流狭窄層40の酸化距離を小さくするために電流狭窄層40の膜厚を電流狭窄層32の膜厚よりも大きくしても良い。
基板上にポストPを形成した後に、ポストPの側面から電流狭窄層40を一定時間酸化することで、電流狭窄層40には、酸化領域42と、酸化領域42によって囲まれた導電領域44が形成される。電流狭窄層40の酸化は、ポストPの側面からほぼ等方的に内側に向けて進行するため、導電領域44は、ポストPの外形を反映した楕円状となる。ここで、導電領域44は、ポストPと同様に、その上面がx軸上に長軸、y軸上に短軸を有する。導電領域44の短軸bは、レーザ光の基本横モードのy方向を制御するため、発振波長が1300nmより長い場合、好ましくは5μm以下、発振波長が980nmより短い場合、好ましくは3μm以下である。
導電領域44の中心は、ポストPの中心軸Cにほぼ一致し、さらには下部DBR14内の導電領域38の中心線上にほぼ一致する。また、酸化領域42は、電気的に絶縁であり、導電領域44は、電気的に導電性であり、p側電極20から注入された電流を狭窄する。
図2(a)は、VCSEL10に形成された2つの導電領域38、44の平面的な模式図である。下部DBR14に形成された導電領域38と上部DBR18に形成された導電領域44は、中心軸または光軸Cを基準として、長手方向が90°で交差する関係にある。すなわち、導電領域38の長辺は、導電領域44の長軸と直交する。
下部DBR14に形成された導電領域38の短辺aは、x方向の電流および光閉じ込めを制御し、上部DBR18に形成された導電領域44の短軸bは、y方向の電流および光閉じ込めを制御する。x方向およびy方向の電流および光閉じ込めを制御する導電領域38、44を組み合わせることで、図2(a)に示すような導電領域38、44の重複領域50(ハッチングで示す)が形成され、当該重複領域50は、xy方向の電流および光閉じ込めを制御し、基本横モード発振を可能にする。レーザ光の発振波長が1300nmよりも大きいとき、重複領域50の大きさは、好ましくは、5μm×5μm以下であり、これは、1つの電流狭窄層に5μm×5μmの導電領域を形成するのと等価である。また、レーザ光の発振波長が980nmより短い場合、重複領域50は、3μm×3μm以下である。
また、図2(a)に示す以外にも、導電領域の平面形状を変更しても良い。例えば、ポストPを、x軸方向に長辺を有する長方形の角柱状にすることで、図2(b)に示すように、電流狭窄層40の導電領域44を長方形状にしてもよい。また、ポストPの外周を覆うような楕円形状の溝を形成することで、図2(c)に示すように、x軸方向よりもy軸方向に相対的に大きく延在する楕円形状の導電領域38を形成してもよい。
ここで、電流狭窄層40に酸化領域を形成する場合、電流狭窄層40の酸化速度を、電流狭窄層32よりも遅くし、電流狭窄層32と電流狭窄層40を同時に酸化することによって、大きさと形状の異なる導電領域38、44を同時に形成することができる。具体的には、電流狭窄層32のAlの組成や膜厚に対して、電流狭窄層40のAl組成を低くする、もしくは膜厚を薄くする。例えば、電流狭窄層32をAlAsで形成し、電流狭窄層40をAl0.95Ga0.05Asで形成することにより、電流狭窄層32の酸化速度を遅くする。
電流狭窄層40は、y方向の横モード制御および電流狭窄を行うため、上部DBR18内の活性領域16直近もしくは1〜4対(pair)離れた場所に位置される。一方、電流狭窄層32は、基本横モード発振におけるx方向の制御をするとともに、抵抗値を低減するため、電流狭窄層40よりも活性領域16から離れた下部DBR14内に位置される。例えば活性領域から1〜15対(pair)離れた場所に位置される。
図1(a)および図1(b)に示すVCSEL10を駆動するとき、下部DBR14および上部DBR18が順方向バイアスとなるようにp側電極20およびn側電極22に電流が印加され、p側電極20から正孔が注入され、n側電極22から電子が注入される。
このとき、n側電極22から活性領域16へ向かう電流経路は、酸化領域34によって挟まれた、x方向の制御をする導電領域38を通過する経路K1である。導電領域38は、y軸方向に相対的に大きく延在するため、従来の導電領域を持つ単一の電流狭窄層と比較し、その導電面積が広くなり、電流抵抗の低減を図ることができる。これにより、光出力の低下や抵抗による発熱のための特性劣化を抑制することができる。
また、p側電極20から活性領域16へ向かう電流経路K2は、電流狭窄層40の導電領域44を通過するように絞られ、活性領域16における正孔と電子の結合効率が増加し、発光効率が向上される。その一方で、導電領域44は、x軸方向に延在するため、従来の導電領域を持つ単一の電流狭窄層と比較し、その面積が広く、抵抗の低減が図られる。
なお、本実施例は、基板上に単一のポストPが形成されたシングルスポットタイプのVCSELを例示したが、基板上に複数のポストPを形成し、複数のポスト構造Pからレーザ光を出射するマルチビームまたはマルチスポットのVCSELであってもよい。さらに、AlGaAs系の半導体層を用いたVCSELを例示したが、他のIII−V族化合物半導体を用いたVCSELであってもよい。さらに、ポストPの形状は、円柱状の他、角柱状であってもよいし、下部DBRに形成する孔および溝の形状や数も適宜変更することが可能である。
次に、本発明の実施例に係るVCSELの製造方法について図3および図4を参照して説明する。まず、図3(a)に示すように、有機金属気相成長(MOCVD)法により、n型GaAs基板12上に、Al0.9Ga0.1AsとAl0.15Ga0.85Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に40.5周期積層した、キャリア濃度1×1018cm-3のN型の下部DBR14、アンドープ下部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とアンドープ量子井戸活性層(膜厚70nmGaAs量子井戸層3層と膜厚50nmAl0.3Ga0.7As障壁層4層とで構成されている)とアンドープ上部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とで構成された膜厚が媒質内波長となる活性領域16、その上にAl0.9Ga0.1AsとAl0.15Ga0.85Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に30周期積層したキャリア濃度が1×1018cm-3のP型の上部DBR18を順次積層する。
下部DBR14には、x方向の電流および光を閉じ込めるためのN型のAlAsからなる電流狭窄層32が形成されている。また、上部DBR18には、y方向の電流および光を閉じ込めるためのP型のAlAsからなる電流狭窄層40が形成されている。さらに、基板12と下部DBR14との間に、キャリア濃度1×1018cm-3のN型GaAsバッファ層を形成することができ、上部DBR18の最上層には、キャリア濃度が1×1019cm-3となる膜厚20nm程のP型GaAsコンタクト層を形成することができる。
次に、図3(b)に示すように、フォトリソ工程により上部DBR18上にマスクM1を形成し、反応性イオンエッチング(RIE)により活性領域16に到達するまでエッチングする。これにより、活性領域16上に、楕円状のポストPが形成される。なお、このエッチングは、必ずしも活性領域16の表面で停止することなく下部DBR14の一部がエッチングされてもよい。
次に、マスクM1を除去し、図3(c)に示すように、下部DBR14に形成すべき孔30を除く領域にマスクM2を形成する。マスクM2には、孔30に対応する開口が形成されている。マスクM2を用いて反応性イオンエッチングを行い、少なくとも電流狭窄層32に到達する深さの孔30を下部DBR14に形成する。
次に、マスクM2を除去した後に、図4(d)に示すように基板の酸化処理を行う。ポストP内の電流狭窄層40は、ポストPの側面から酸化され、また、下部DBR14内の電流狭窄層32は、孔30の側面から酸化される。これにより、ポストPには、電流狭窄層40の酸化領域42によって囲まれた導電領域44が形成され、下部DBR14には、電流狭窄層32の酸化領域34によって挟まれた導電領域38が形成される。
上記したように、電流狭窄層32の酸化速度は電流狭窄層40の酸化速度よりも大きい。このため、電流狭窄層40の膜厚を、電流狭窄層32よりも薄くするか、電流狭窄層40のAlの組成を電流狭窄層32のAl組成よりも小さくする。後者の場合、電流狭窄層は、AlAsではなく、AlGaAs層とすることができる。
次に、図4(e)に示すように、ポストPの頂部には、Auからなるp側電極20が形成され、基板裏面にはAu/Geからなるn側電極22が形成される。
こうして、下部DBR14と上部DBR18にそれぞれ酸化領域34、42を含む電流狭窄層32、40が形成され、レーザ光の横モード制御が行われる。
次に、本実施例の変形例について説明する。上記実施例では、下部DBR14と上部DBR18のそれぞれに電流狭窄層を形成したが、例えば、図5(a)に示すVCSEL60は、x方向の電流および光閉じ込めを制御する酸化領域62と、y方向の電流および光閉じ込めを制御する酸化領域64とを上部DBR18に形成してもよい。酸化領域62、64に囲まれた2つの導電領域を組み合わせることで、従来の単一の電流狭窄層と同様に、光のxy方向の電流および光閉じ込めを制御することができ、基本横モード発振を可能にする。
また、図5(b)に示すVCSEL80は、x方向の電流および光閉じ込めを制御する酸化領域82と、y方向の電流および光閉じ込めを制御する酸化領域84を下部DBR14に形成している。酸化領域82、84に囲まれた2つの導電領域を組み合わせることで、従来の単一の電流狭窄層と同様に、xy方向の電流および光閉じ込めを制御することができ、基本横モード発振を可能にする。
次に、本実施例のVCSELを利用した光学装置(モジュール)、光照射装置、光送信装置、伝送システム、光伝送装置等について図面を参照して説明する。図6(a)は、VCSELを実装した光学装置の構成を示す断面図である。光学装置300は、VCSELが形成されたチップ310を、導電性接着剤320を介して円盤状の金属ステム330上に固定する。導電性のリード340、342は、ステム330に形成された貫通孔(図示省略)内に挿入され、一方のリード340は、VCSELのn側電極に電気的に接続され、他方のリード342は、p側電極に電気的に接続される。
チップ310を含むステム330上に矩形状の中空のキャップ350が固定され、キャップ350の中央の開口内にボールレンズ360が固定されている。ボールレンズ360の光軸は、チップ310のほぼ中心と一致するように位置決めされる。リード340、342間に順方向の電圧が印加されると、チップ310から垂直方向にレーザ光が出射される。チップ310とボールレンズ360との距離は、チップ310からのレーザ光の広がり角θ内にボールレンズ360が含まれるように調整される。また、キャップ内に、VCSELの発光状態をモニターするための受光素子や温度センサを含ませるようにしてもよい。
図6(b)は、他の光学装置の構成を示す図であり、同図に示す光学装置302は、ボールレンズ360を用いる代わりに、キャップ350の中央の開口内に平板ガラス362を固定している。平板ガラス362の中心は、チップ310のほぼ中心と一致するように位置決めされる。チップ310と平板ガラス362との距離は、平板ガラス362の開口径がチップ310からのレーザ光の広がり角度θ以上になるように調整される。
図7は、VCSELを光源として適用した光照射装置の例を示す図である。光照射装置370は、図6(a)または図6(b)のようにVCSELを実装した光学装置300または302、光学装置300または302からのマルチビームのレーザ光を入射するコリメータレンズ372、一定の速度で回転し、コリメータレンズ372からの光線束を一定の広がり角で反射するポリゴンミラー374、ポリゴンミラー374からのレーザ光を入射し反射ミラー378を照射するfθレンズ376、ライン状の反射ミラー378、反射ミラー378からの反射光に基づき潜像を形成する感光体ドラム380を備えている。このように、VCSELからのレーザ光を感光体ドラム上に集光する光学系と、集光されたレーザ光を光体ドラム上で走査する機構とを備えた複写機やプリンタなど、光情報処理装置の光源として利用することができる。
図8は、図6(b)に示す光学装置を光送信装置に適用したときの構成を示す断面図である。光送信装置400は、ステム330に固定された円筒状の筐体410、筐体410の端面に一体に形成されたスリーブ420、スリーブ420の開口422内に保持されるフェルール430、およびフェルール430によって保持される光ファイバ440を含んで構成される。ステム330の円周方向に形成されたフランジ332には、筐体410の端部が固定される。フェルール430は、スリーブ420の開口422に正確に位置決めされ、光ファイバ440の光軸がボールレンズ360の光軸に整合される。フェルール430の貫通孔432内に光ファイバ440の芯線が保持されている。
チップ310の表面から出射されたレーザ光は、ボールレンズ360によって集光され、集光された光は、光ファイバ440の芯線に入射され、送信される。上記例ではボールレンズ360を用いているが、これ以外にも両凸レンズや平凸レンズ等の他のレンズを用いることができる。さらに、光送信装置400は、リード340、342に電気信号を印加するための駆動回路を含むものであってもよい。さらに、光送信装置400は、光ファイバ440を介して光信号を受信するための受信機能を含むものであってもよい。
図9は、図6(a)に示す光学装置を空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。空間伝送システム500は、光学装置300と、集光レンズ510と、拡散板520と、反射ミラー530とを含んでいる。集光レンズ510によって集光された光は、反射ミラー530の開口532を介して拡散板520で反射され、その反射光が反射ミラー530へ向けて反射される。反射ミラー530は、その反射光を所定の方向へ向けて反射させ、光伝送を行う。
図10(a)は、VCSELを光源に利用した光伝送システムの一構成例を示す図である。光伝送システム600は、VCSELが形成されたチップ310を含む光源610と、光源610から放出されたレーザ光の集光などを行う光学系620と、光学系620から出力されたレーザ光を受光する受光部630と、光源610の駆動を制御する制御部640とを有する。制御部640は、VCSELを駆動するための駆動パルス信号を光源610に供給する。光源610から放出された光は、光学系620を介し、光ファイバや空間伝送用の反射ミラーなどにより受光部630へ伝送される。受光部630は、受光した光をフォトディテクターなどによって検出する。受光部630は、制御信号650により制御部640の動作(例えば光伝送の開始タイミング)を制御することができる。
図10(b)は、光伝送システムに利用される光伝送装置の概観構成を示す図である。光伝送装置700は、ケース710、光信号送信/受信コネクタ接合部720、発光/受光素子730、電気信号ケーブル接合部740、電源入力部750、動作中を示すLED760、異常発生を示すLED770、DVIコネクタ780を含み、内部に送信回路基板/受信回路基板を有している。
光伝送装置700を用いた映像伝送システムを図11に示す。映像伝送システム800は、映像信号発生装置810で発生された映像信号を、液晶ディスプレイなどの画像表示装置820に伝送するため、図10(b)に示す光伝送装置を利用している。すなわち、映像伝送システム800は、映像信号発生装置810、画像表示装置820、DVI用電気ケーブル830、送信モジュール840、受信モジュール850、映像信号伝送光信号用コネクタ860、光ファイバ870、制御信号用電気ケーブルコネクタ880、電源アダプタ890、DVI用電気ケーブル900を含んでいる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係るVCSELは、光情報処理や光高速データ通信の分野で利用することができる。
図1(a)は、本発明の第1の実施例に係るVCSELの概略平面図、図1(b)は、そのA−A線概略断面図である。 2つの導電領域の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施例に係るVCSELの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例に係るVCSELの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例に係るVCSELの変形例を示す図である。 本発明の実施例に係るVCSELに光学部品を実装したモジュールの構成を示す概略断面図である。 VCSELを使用した光源装置の構成例を示す図である。 図6に示す光学装置を用いた光送信装置の構成を示す概略断面図である。 図6に示す光学装置を伝送システムに用いたときの構成を示す図である。 図10(a)は、光伝送システムの構成を示すブロック図、図10(b)は、光伝送装置の外観構成を示す図である。 図10(b)の光伝送装置を利用した映像伝送システムを示す図である。
符号の説明
10:VCSEL 12:基板
14:下部DBR 16:活性領域
18:上部DBR 20:p側電極
22:n側電極 24:開口
30:孔 32:電流狭窄層
34:酸化領域 36:酸化領域の停止位置
38:導電領域 40:電流狭窄層
42:酸化領域 44:導電領域
50:導電領域の重複領域 60:VCSEL
62、64:酸化領域 80:VCSEL
82、84:酸化領域

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1導電型の第1の分布型ブラッグ反射鏡と、
    前記第1の分布型ブラッグ反射鏡上に形成された活性領域と、
    前記活性領域上に形成された第2導電型の第2の分布型ブラッグ反射鏡と、
    光軸と直交するx−y平面を含み、第1または第2の分布型ブラッグ反射鏡に流れる電流を狭窄する第1の電流狭窄層と、
    光軸と直交するx−y平面を含み、第1または第2の分布型ブラッグ反射鏡に流れる電流を狭窄する第2の電流狭窄層とを有し、
    前記第1の電流狭窄層には、x方向よりもy方向に相対的に大きく延在する第1の導電領域が形成され、前記第2の電流狭窄層には、y方向よりもx方向に相対的に大きく延在する第2の導電領域が形成された、面発光型半導体レーザ。
  2. 前記第1の電流狭窄層は、前記第1導電型を有し、前記第1の分布型ブラッグ反射鏡内に形成され、前記第2の電流狭窄層は、前記第2導電型を有し、前記第2の分布型ブラッグ反射鏡内に形成される、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 前記第1の導電領域は、楕円形状または長方形状であり、長手方向がy方向に一致し、前記第2の導電領域は、楕円形状または長方形状であり、長手方向がx方向に一致する、請求項1または2に記載の面発光型半導体レーザ。
  4. 前記第1の分布型ブラッグ反射鏡は、少なくとも1つの溝を含み、前記少なくとも1つの溝は、前記第1の電流狭窄層の側面を露出させ、露出した側面から酸化された酸化領域は前記第1の導電領域を包囲する、請求項1ないし3いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  5. 前記第2の分布型ブラッグ反射鏡は、柱状構造を含み、前記柱状構造は、前記第2の電流狭窄層の側面を露出させ、露出した側面から酸化された酸化領域は前記第2の導電領域を包囲する、請求項1ないし4いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  6. 前記第1または第2の電流狭窄層は、イオン注入により形成された絶縁領域を含み、前記絶縁領域は第1または第2の導電領域を包囲する、請求項1ないし5いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  7. 前記第1および第2の電流狭窄層は、レーザ光の基本横モード発振を制御する、請求項1ないし6いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  8. レーザ光の発振波長が980nmより短い場合、前記第1の導電領域のx方向が3μm以下であり、前記第2の導電領域のy方向が3μm以下である、請求項1ないし7いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  9. レーザ光の発振波長が1300nmより長い場合、前記第1の導電領域のx方向が5μm以下であり、前記第2の導電領域のy方向が5μm以下である、請求項1ないし7いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  10. 請求項1ないし9いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザと、面発光型半導体レーザに電気的に接続された電気接続端子と、面発光型半導体レーザから出射された光を入射する光学部品とを備えた光学装置。
  11. 請求項1ないし9いずれか1つに記載された面発光型半導体レーザと、面発光型半導体レーザから発せられた光をレンズおよびミラーの少なくとも1つを含む光学部品を介して照射する照射手段と備えた、光照射装置。
  12. 請求項10に記載された光学装置と、面発光型半導体レーザから発せられた光を送信する送信手段とを備えた、情報処理装置。
  13. 請求項10に記載された光学装置と、面発光型半導体レーザから発せられた光を送信する送信手段とを備えた、光送信装置。
  14. 請求項10に記載された光学装置と、面発光型半導体レーザから発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送装置。
  15. 請求項10に記載された光学装置と、面発光型半導体レーザから発せられた光を伝送する伝送手段とを備えた、光伝送システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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