JP2009192464A - クーロンカウンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】回路規模の縮小を可能としたクーロンカウンタを提供する。
【解決手段】センス抵抗Rsの両端に生じる電位差を入力電圧とし、入力電圧に比例したカウント値を出力するクーロンカウンタ100であって、サンプリング容量Cs1と、積分容量Ci1とを有し、入力電圧をサンプリング容量Cs1でサンプリングすると共に、サンプリングされた入力電圧に比例する電圧を積分容量Ci1で積分するスイッチト・キャパシタ方式の積分回路と、積分容量Ci1で積分された電圧を反映して積分回路から出力される出力電圧Vout-がVCM以上の場合は信号Qを出力し、出力電圧Vout-がVCMよりも低い場合は信号QBを出力するコンパレータ5と、信号Q、QBとを一定時間カウントしてその差をカウント値として出力するロジック回路10と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、クーロンカウンタに関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、ノート型パソコン(PC)、携帯電話やゲーム機等の2次電池を用いるモバイル機器分野において、それらのモバイル機器に使用中の2次電池の電池残量を検出するために電池残留検出装置が広く利用されている。電池残留検出装置は、クーロンカウンタとも呼ばれ、検出抵抗(センス抵抗)を流れる充放電の電流を電圧に変換し、変換された電圧値を基に2次電池の電池残量を把握する。
特開2006−184035号公報
ところで、特許文献1に開示された電池残留検出装置では、電池から充放電される電流に反比例したパルス数が出力されるため、最終段にそのパルス数を反転させるための反転ブロックが必要であり、それによって電流に比例したカウント値が出力されるようになっていた(例えば、段落[0023]〜[0025]を参照。)。このように、上記の従来例では、電池残量を算出するために反転ブロックを必要としており、少なくともその分だけ回路規模が大きくなってしまうという問題があった。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、回路規模の縮小を可能としたクーロンカウンタの提供を目的とする。
〔発明1〕 上記課題を解決するために、発明1のクーロンカウンタは、検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を出力するクーロンカウンタであって、スイッチ素子と、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを有し、前記スイッチ素子が操作されることにより、前記入力電圧を第1のキャパシタでサンプリングすると共に、サンプリングされた前記入力電圧に比例する電圧を前記第2のキャパシタで積分するスイッチト・キャパシタ方式の積分回路と、前記積分回路から出力される出力電圧を基準値と比較して、前記出力電圧が前記基準値以上の場合は第1の信号を出力し、前記出力電圧が前記基準値未満の場合は第2の信号を出力する比較回路と、前記第1の信号と前記第2の信号とを一定時間カウントしてその差を前記カウント値として出力するカウント回路と、を備えることを特徴とするものである。
このような構成によれば、カウント回路から出力されるカウント値から検出抵抗を流れる電流量を把握することができる。従って、例えば、検出抵抗の一端が2次電池に接続されている場合は、検出抵抗を流れる充放電の電流量をカウント値から把握することができる。また、比較回路から出力される第1、第2の信号の出力数(即ち、パルス数)は検出抵抗の両端に生じる電位差(即ち、入力電圧)に比例した数であり、検出抵抗を流れる電流に比例した数である。従って、反転ブロックは不要であり、回路規模の縮小が可能である。
〔発明2〕 発明2のクーロンカウンタは、発明1のクーロンカウンタにおいて、前記カウント値を第1のカウント値として保持する第1の記憶回路と、前記カウント値をさらに一定時間積算して第2のカウント値を保持する第2の記憶回路と、を備えることを特徴とするものである。
このような構成によれば、例えば、更新パルスが入力されてから次の更新パルスが入力されるまでの「1変換時間当たりのカウント値」を第1の記憶回路で保持することができる。また、例えば、「単位時間当たりのカウント値」を第2の記憶回路で保持することができる。
〔発明3〕 発明3のクーロンカウンタは、発明2のクーロンカウンタにおいて、前記カウント回路は、前記第1の記憶回路と前記第2の記憶回路の両方に向けて、同じカウント値を同じタイミングで出力することを特徴とするものである。
このような構成によれば、例えば、検出抵抗を流れる現在の電流量を「1回変換時間当たりのカウント値」と「単位時間当たりのカウント値」の両方にほぼ同時に反映させることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
(1)第1実施形態
(クーロンカウンタの構成例)
図1は、本発明の実施の形態に係るクーロンカウンタ100と、クーロンカウンタ100の適用対象となるシステムSとの関係を示す概念図である。図1において、クーロンカウンタ100の適用対象となるシステムSは、例えば、ノート型パソコン、携帯電話又はゲーム機等の電子機器である。このようなシステムSには、例えば、リチウムイオン電池等の充放電可能な2次電池が着脱可能に装着されている。
図1に示すように、クーロンカウンタ100は検出抵抗(以下、センス抵抗)Rsと、センス抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、この入力電圧に比例したカウント値を出力するIC部50とを備える。これらのうち、センス抵抗Rsは2次電池に流れ込む又は2次電池から流れ出す電流(即ち、充放電の電流)を検出するための抵抗素子であり、その一端が例えばシステムS側の2次電池に接続され、その他端が例えば接地電位に接続されている。
また、IC部50には2つの入力端子Vin+、Vin-が設けられており、これら入力端子Vin+、Vin-がそれぞれセンス抵抗Rsの両端に接続されている。センス抵抗Rsに充放電の電流が流れると、電流の向きと大きさに応じて入力端子Vin+、Vin-間に電位差(即ち、入力電圧)が生じる。つまり、センス抵抗Rsにより、充放電の電流が入力電圧に変換される。そして、この入力電圧に比例して、IC部50から例えば13ビットのカウント値が出力される。
図2は、入力電圧とカウント値との関係を示す図である。図2において、その縦軸はIC部50への入力電圧を示し、その横軸はIC部50から出力される13ビットのカウント値を示す。図2に示すように、入力電圧とカウント値は例えば右肩上がりの比例関係にある。ここで、入力電圧は、基準電圧発生回路の基準電圧によって、例えば最大値50mV、最小値−50mVにそれぞれ設定されており、入力電圧が最大値をとるときのカウント値は8192(=213)に設定され、最小値をとるときのカウント値は−8192に設定されている。また、正の入力電圧は例えば放電流がセンス抵抗Rsに流れていることを示し、負の入力電圧は例えば充電流がセンス抵抗Rsに流れていることを示す。このように、図1に示したセンス抵抗Rsに充放電の電流が流れると、IC部から−8192〜+8192のカウント値が出力される。
なお、入力電圧は、例えば基準電圧発生回路の基準電圧によって、その値を一定の範囲に設定することが可能である。また、充放電の電流は、例えばセンス抵抗Rsの抵抗値を調整することによって、その値を測定可能な一定の範囲に設定することが可能である。次に、IC部の構成について説明する。
図3は、IC部50の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、クーロンカウンタが有するIC部50は、例えば、スイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2と、サンプリング容量Cs1、Cs2と、積分容量Ci1、Ci2と、全差動入力オペアンプ1と、基準電圧発生回路(以下、VREF回路)3と、コンパレータ5と、ロジック回路10と、を備える。
次に、これら各部の接続関係を説明する。図3に示すように、サンプリング容量Cs1の入力側(即ち、図中の左側)電極はスイッチA1を介して入力端子Vin+に接続されると共に、スイッチB1を介して入力端子Vin-に接続されている。また、この入力側電極はスイッチC1を介してVREF回路3のX端子に接続されると共に、スイッチD1を介してVREF回路3のY端子に接続されている。また、サンプリング容量Cs1の出力側(即ち、図中の右側)電極は全差動入力オペアンプ1の正(+)入力端子に接続されると共に、スイッチS1を介してコモン電圧(以下、VCM)に接続されている。なお、VCMは例えば1Vである。
サンプリング容量Cs2の入力側電極はスイッチA2を介して入力端子Vin-に接続されると共に、スイッチB2を介して入力端子Vin+に接続されている。また、この入力側電極はスイッチD2を介してVREF回路3のX端子に接続されると共に、スイッチC2を介してVREF回路3のY端子に接続されている。また、サンプリング容量Cs2の出力側電極は全差動入力オペアンプ1の負(−)入力端子に接続されると共に、スイッチS2を介してVCMに接続されている。
なお、これらスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2は、例えば、MOS電界効果トランジスタからなり、そのオン・オフはロジック回路10から出力される制御信号により行われる。
積分容量Ci1は、その入力側電極が全差動入力オペアンプ1の正入力端子に接続されると共に、その出力側電極がスイッチI1を介して全差動入力オペアンプ1の負出力端子に接続されている。積分容量Ci2は、その入力側電極が全差動入力オペアンプ1の負入力端子に接続されると共に、その出力側電極がスイッチI2を介して全差動入力オペアンプ1の正出力端子に接続されている。さらに、積分容量Ci1、Ci2の両端には放電用のスイッチR1、R2がそれぞれ接続されている。
全差動入力オペアンプ1の負出力端子及び正出力端子はそれぞれコンパレータ5に接続されており、負出力端子側の電位Vout-がコンパレータ5の入力端子In+に入力され、正出力端子側の電位Vout+がコンパレータ5の入力端子In−に入力されるようになっている。さらに、コンパレータ5はロジック回路10に接続し、コンパレータ5の出力端子Qから出力される信号Qと、コンパレータ5の出力端子QBから出力される信号QBとがそれぞれロジック回路10に入力されるようになっている。また、図示しないが、発振回路もロジック回路10に接続されており、発振回路で生成されるクロック(CLOCK)信号がロジック回路10に入力されるようになっている。
図4は、本発明の第1実施形態に係るロジック回路10の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、このロジック回路10は、内部カウンタ11と、分周器13と、更新パルス発生器15と、CMR(Current Measurement Resistor)17と、演算回路18と、ACR(Accumulated Current Resistor)19と、を備える。CMR17とACR19は、例えば、それぞれが複数個のフリップフロップからなるレジスタである。
図4に示すように、内部カウンタ11には、図示しない発振回路で生成されたCLOCK信号と、分周器13によりCLOCK信号が例えば2分周された(即ち、パルス幅が2倍に調整された)分周信号ClkDiv1と、CLOCK信号を基に更新パルス発生器で生成されたレジスタ更新パルス(以下、更新パルス)と、コンパレータ5(図3参照。)から出力される信号Q、QBが入力されるようになっている。
さらに、内部カウンタ11は、少なくとも2つ以上の出力端子を有し、第1の端子はCMR17に接続され、第2の端子は演算回路18を介してACR19に接続されている。ここで、CMR17は、更新パルスが入力されたときに内部カウンタ11から出力される内部カウント値を「1回変換時間当たりのカウント値」として保持すると共に、その保持する値を外部に出力するようになっている。また、演算回路18は、更新パルスが入力されたときに内部カウンタ11から出力される内部カウント値に所定の演算処理を行って演算値を出力する。ACR19は、この演算値を順次積算して「単位時間当たりのカウント値」を保持すると共に、その保持する値を外部に出力するようになっている。なお、「1回変換時間当たりのカウント値」「単位時間当たりのカウント値」は、その両方とも2次電池の充放電状態を示すデータである。
(クーロンカウンタの動作例)
次に、クーロンカウンタの動作例について説明する。
図5は、クーロンカウンタが有するスイッチ等の動作例を示すタイミングチャートである。図5において、「CLKR」は図3に示したスイッチR1、R2のクロック動作を示し、「CLKA」はスイッチA1、A2のクロック動作を示し、「CLKB」はスイッチB1、B2のクロック動作を示し、「CLKC」はスイッチC1、C2のクロック動作を示し、「CLKD」はスイッチD1、D2のクロック動作を示し、「CLKS」はスイッチS1、S2のクロック動作を示し、「CLKI」はスイッチS1、S2のクロック動作を示す。また、「EN」はコンパレータ5に入力される、出力制御信号(Enable)を示す。
まず、図5のTiming(タイミング)1では、スイッチR1、R2がオンとなり、積分容量Ci1、Ci2の電荷が放電される。これにより、積分容量の蓄積電荷は0(ゼロ)となる。なお、この放電操作は、クーロンカウンタによるカウント動作の開始前、即ち、リセット時にのみ行われる。
次に、Timing2では、スイッチA1、A2、S1、S2がオンとなり、他のスイッチは全てオフとなる。これにより、入力電圧のサンプリング動作が行われる。ここでは、サンプリング容量Cs1の入力側電極に入力端子Vin+の電位(以下、単にVin+)が印加され、その出力側電極にVCMが印加される。また、サンプリング容量Cs2の入力側電極に入力端子Vin-の電位(以下、単にVin-)が印加され、その出力側電極にVCMが印加される。これにより、サンプリング容量Cs1には(VCM−Vin+)に応じた電荷が蓄積され、サンプリング容量Cs2には(VCM−Vin-)に応じた電荷が蓄積される。また、全差動入力オペアンプ1の正入力端子と負入力端子にはそれぞれVCMが入力され、その負出力端子と正出力端子は積分容量Ci1、Ci2から電気的に離される。その結果、負出力端子側の電位Vout-と、正出力端子側の電位Vout+は共にVCMとなる。
次に、Timing3では、スイッチB1、B2、I1、I2がオンとなり、他のスイッチは全てオフとなる。これにより、入力電圧の積分動作が行われる。ここでは、サンプリング容量Cs1の入力側電極にVin-が印加される。また、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCMから電気的に切り離される。その結果、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM+(Vin-−Vin+)となり、この電位の変化に応じてサンプリング容量Cs1と積分容量Ci1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には(Vin+−Vin-)に比例した電圧V1が生じる。つまり、入力電圧に比例した電圧V1が積分容量Ci1に転送される。
また同時に、サンプリング容量Cs2の入力側電極にVin+が印加され、サンプリング容量Cs2の出力側電極はVCMから電気的に切り離される。その結果、サンプリング容量Cs2の出力側電極はVCM+(Vin+−Vin-)となり、この電位の変化に応じてサンプリング容量Cs2と積分容量Ci2との間で電荷が移動し、積分容量Ci2の入力側電極には(Vin-−Vin+)に比例した電圧−V1が生じる。つまり、電圧−V1が積分容量Ci2に転送される。
このような積分動作により、全差動入力オペアンプ1の負出力端子側には電圧V1が現れ、電位Vout-は「VCM+V1」となる。また同時に、全差動入力オペアンプ1の正出力端子側には−V1が現れ、電位Vout+は「VCM−V1」となる。
次に、Timing4では、スイッチC1、C2、S1、S2がオンとなり、他のスイッチは全てオフとなる。これにより、基準電圧のサンプリング動作が行われる。基準電圧とは、VREF回路3から出力される電圧のことであり、端子X、Y間の電位差のことである。ここでは、VREF回路3が有するX端子の電位(以下、単に電位X)がサンプリング容量Cs1に印加されると共に、VREF回路3が有するY端子の電位(以下、単に電位Y)がサンプリング容量Cs2に印加される。また、全差動入力オペアンプ1の正入力端子と負入力端子にはそれぞれVCMが入力され、その出力側は積分容量Ci1、Ci2から電気的に離される。従って、負出力端子側の電位Vout-と、正出力端子側の電位Vout+は共にVCMとなる。
次に、Timing5では、スイッチD1、D2、I1、I2がオンとなり、他のスイッチは全てオフとなる。これにより、基準電圧の積分動作が行われる。ここでは、サンプリング容量Cs1の入力側電極に電位Yが印加される。また、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCMから電気的に分離される。その結果、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM+(Y−X)となり、この電位の変化に応じてサンプリング容量Cs1と積分容量Ci1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧(X−Y)に比例した電圧V2が生じる。この電圧V2が積分容量Ci1に転送される。
また同時に、サンプリング容量Cs2の入力側電極に電位Xが印加される。また、サンプリング容量Cs2の出力側電極はVCMから電気的に分離される。その結果、サンプリング容量Cs2の出力側電極はVCM+(X−Y)となり、この電位の変化に応じてサンプリング容量Cs2と積分容量Ci2との間で電荷が移動し、積分容量Ci2の入力側電極には(Y−X)に比例した電圧−V2が生じる。この電圧−V2が積分容量Ci2に転送される。
このような積分動作により、全差動入力オペアンプ1の負出力端子側には電圧V2が現れ、電位Vout-は「VCM+V1+V2」となる。また同時に、全差動入力オペアンプ1の正出力端子側には−V2が現れ、電位Vout+は「VCM−V1−V2」となる。以降は、Timing2〜4の動作を繰り返し行って、入力電圧を信号Q,QBに変換していく。
図6は、入力電圧の信号Q,QBへの変換方法を示す図である。ここでは、より具体的な説明を行うために、図3に示したVin+を10mV、Vin-を0mVとする。また、VREF回路3は端子Xと端子Yとの間の電位差を例えば50mV又は−50mVに切り替える機能を有するが、ここではVREF回路3の機能の一例として、端子Xの電位を50mV又は−50mVに切り替えることができ、端子Yの電位は0mVに固定するものとする。なお、図6では、「CLOCK」「CLKR」「CLKI」「EN」を示していないが、Timing2〜5におけるクロック動作は例えば図5と同じである。
図6に示すように、まず、リセット(即ち、Timing1)後の最初のTiming2では、入力電圧のサンプリング動作が行われるので、Vout-はVCMとなっている。次に、Timing3では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−10mVとなり、この−10mVの変化に応じてサンプリング容量Cs1と積分容量Cs1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には入力電圧10mVに比例した電圧“10”が生じる。これにより、Vout-はVCMから“10”上昇し、VCM+10となる。
またこのとき、コンパレータ5は、Vout-≧VCMとなっていることを確認して信号Qを出力すると共に、信号Qの出力をVREF回路3にフィードバックする。これにより、VREF回路3において、端子Xの電位は−50mVに設定される。
次に、Timing4では、基準電圧のサンプリング動作が行われるので、Vout-は再びVCMとなる。そして、Timing5では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM+50mVとなり、この50mVの変化に応じてサンプリング容量Cs1と積分容量Cs1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧−50mVに比例した電圧“−50”が生じる。これにより、Vout-はVCM+10に“−50”が足されて、VCM−40となる。
次に、2回目のTiming2では、Vout-は再びVCMとなる。そして、Timing3では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−10mVとなり、積分容量Ci1の入力側電極には入力電圧10mVに比例した電圧“10”が生じる。これにより、Vout-はVCM−40から“10”上昇し、VCM−30となる。またこのとき、コンパレータ5は、Vout-<VCMとなっていることを確認して信号QBを出力すると共に、信号QBの出力をVREF回路3にフィードバックする。これにより、VREF回路3において、端子Xの電位は50mVに設定される。次に、Timing4では、基準電圧のサンプリング動作が行われるので、Vout-は再びVCMとなる。そして、Timing5では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−50mVとなり、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧50mVに比例した電圧“50”が生じる。これにより、Vout-はVCM−30に“50”が足されて、VCM+20となる。
以下同様の手順で、3回目、4回目とTiming2〜5を繰り返して、各回のTiming3のときのVout-をコンパレータ5でモニタする。そして、Timing3のときのVout-が、Vout-≧VCM、となっているときは、コンパレータ5から信号Qを出力する共に、VREF回路3の端子Xを−50mVに設定する。また、Timing3のときのVout-が、Vout-<VCM、となっているときは、コンパレータ5から信号QBを出すと共に、VREF回路3の端子Xを50mVに設定する。このように、コンパレータ5は、各回のTiming3のときのVout-をVCMを基準に2値化して、デジタル信号Q,QBを出力する。そして、出力された信号Q,QBはロジック回路10内で一定時間カウント(即ち、積算)されて、そのカウント値が外部に出力される。
図7は、本発明の第1実施形態に係る信号Q,QBのカウント方法を示す図である。図7において、分周信号ClkDiv1の1周期は例えば102μsec(≒0.8sec/8192、8192=213)に設定されている。また、更新パルスの1周期は例えば0.8sec(≒3600sec/4096、4096=212)に設定されており、1時間当たり約212回更新パルスが出力される。
図7において、内部カウンタ11は、ClkDiv1がLOW(ロウ)で、且つ、CLOCK信号が立ち下がるときに、信号Qの入力があれば+1をカウントし、信号QBの入力があれば−1をカウントする。そして、更新パルスの入力のタイミングで、内部カウンタ11は信号Q,QBを足した値(以下、内部カウント値)をCMR17とACR19の両方に向けて出力すると共に、内部カウント値をゼロ(0)にリセットする。例えば、図7では、更新パルスが入力されたときの内部カウント値の一例として6726を記載しているが、この内部カウント値(6726)がCMR17とACR19の両方に向けて同時に出力される。
なお、かりに、更新パルスが入力されてから次の更新パルスが入力されるまでの間に信号Qのみが内部カウンタ11に入力された場合は内部カウント値は例えば8192となる。その逆に、信号QBのみが内部カウンタ11に入力された場合は内部カウント値は例えば−8192となる。
上記のように、内部カウント値(6726)がCMR17とACR19の両方に向けて同時に出力されると、CMR17では、この内部カウント値を「1回変換時間当たりのカウント値」として保持する。ここで、1回変換時間とは、更新パルスが入力されてから次の更新パルスが入力されるまでの時間(即ち、更新パルスの1周期)のことである。CMR17により保持される「1回変換時間当たりのカウント値」は、図2に示したように1回変換時間当たりの充放電量を示しており、この値は外部に出力される。
また、ACR19に向けて出力される内部カウント値(6726)は、演算回路18によって演算処理されてからACR19に入力される。例えば、内部カウント値(6726)は演算回路によって4096(=212)で割り算され、小数点以下を切り捨てた値(例えば、整数1)がACR19に入力される。そして、ACR19は、更新パルスが入力されるたびに、このような整数値を足して「単位時間当たりのカウント値」として保持する。ここで、単位時間は任意に設定可能な時間であり、例えば、1回変換時間×4096回(≒0.8sec×4096≒1hour)である。ACR19により保持される「単位時間当たりのカウント値」は、図2に示したように単位時間当たりの充放電量を示しており、この値は外部に出力される。
このように、本発明の第1実施形態によれば、特許文献1に開示された従来例とは異なり、コンパレータ11から出力される信号Q,QBの出力数(即ち、パルス数)は入力電圧に比例した数であり、センス抵抗Rsを流れる電流に比例した数である。このため、反転ブロックは不要であり、回路規模の縮小が可能である。
また、特許文献1に開示された従来例では、1変換時間ごとに内部容量の両端をショートして放電させているため、1LSB(Least Significant Bit)以下のわずかな電池充放電電流を検知することはできない。これに対して、本発明の第1実施形態では、IC部50の動作開始時(即ち、Timing1のとき)に、積算容量Ci1、Ci2の両端を一度ショートさせるだけである。変換時間ごとに積算容量Ci1、Ci2の両端をショートさせる必要はない。従って、カウント動作中に1LSB以下の充放電の電流が流れていても、Ci1、Ci2に少しずつ電荷が溜まり続け、それが1LSB分の電荷まで溜まれば信号Q,QBのカウント値として出力される。このため、1LSB以下のわずかな電流も検知可能である。
さらに、本発明の第1実施形態によれば、CMR17とACR19とを備えているので、「1回変換時間当たりのカウント値」と「単位時間当たりのカウント値」の両方を保持すると共に、これらの値を外部に出力することができる。従って、例えば、0.8秒間の電流量(A)と1時間の電流量(Ah)の両方を知ることができるので、電流量の短期的変化と、長期的変化の両方を把握することができる。
(2)第2実施形態
上記の第1実施形態では、図4に示したように、内部カウンタ11は少なくとも2つ以上の出力端子を有し、第1の端子はCMR17に接続され、第2の端子は演算回路18を介してACR19に接続されている場合について説明した。しかしながら、本発明のロジック回路はこのような構成に限定されることはない。例えば、図8に示すような構成であっても良い。
図8は、本発明の第2実施形態に係るロジック回路10´の構成例を示す図である。図8において、第1実施形態と同一の構成及び機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図8に示すように、このロジック回路10´は、内部カウンタ11と、分周器13と、更新パルス発生器15と、CMR17と、演算回路18と、ACR19と、を備える。ここで、CMR17及びACR19は、第1実施形態と同様に、例えば複数個のフリップフロップからなるレジスタである。このロジック回路10´では、内部カウンタ11は少なくとも1つ以上の出力端子を有し、第1の出力端子にCMR17が接続されている。また、このCMR17に演算回路18を介してACR19が接続されている。
図9は、本発明の第2実施形態に係る信号Q,QBのカウント方法を示す図であり、(a)は1回目の更新パルスが入力されたときを示し、(b)は2回目の更新パルスが入力されたときを示している。
図9(a)及び(b)に示すように、このロジック回路10´では、内部カウンタ11で積算された内部カウント値は、更新パルスが入力されたタイミングでCMR17→(演算回路18)→ACR19の順に出力される。つまり、1回目の更新パルスで内部カウンタ11からCMR17に内部カウント値(一例として、6726)が出力され、2回目の更新パルスで同カウント値(6726)がACR19に出力される。
このような構成であっても、IC部50から出力されるカウント値からセンス抵抗Rsを流れる充放電の電流量を把握することができる。また、第1実施形態と同様、コンパレータ5から出力される第1、第2の信号の出力数(即ち、パルス数)はセンス抵抗Rsの両端に生じる電位差(即ち、入力電圧)に比例した数であり、センス抵抗Rsを流れる電流に比例した数であるため、反転ブロックは不要である。従って、回路規模の縮小が可能である。
なお、第1実施形態は、第2実施形態に比べて大きな利点を有する。即ち、第2実施形態では、現在の充放電量を「単位時間当たりのカウント値」に反映させるために2回の更新パルス(≒2×0.8sec)を必要とし、ACR19の出力はCMR17の出力よりも1回の更新パルス分だけ遅れてしまう。これに対して、第1実施形態では、内部カウンタ11は少なくとも2つ以上の出力端子を有し、第1の端子はCMR17に接続され、第2の端子は演算回路18を介してACR19に接続されている。そして、更新パルスが入力されるタイミングで、内部カウンタ11からCMR17とACR19の両方に向けて同じ内部カウント値(一例として、6726)が出力されるようになっている。このため、現在の充放電量を「単位時間当たりのカウント値」に1回の更新パルスで反映させることができ、CMR17に対するACR19の出力遅延をほぼゼロ(0)にすることができる。つまり、センス抵抗Rsを流れる現在の電流量を「単位時間当たりのカウント値」に、よりリアルタイムに反映させることができる。
この第1、第2実施形態では、サンプリング容量Cs1、Cs2が本発明の「第1のキャパシタ」に対応し、積分容量Ci1、Ci2が本発明の「第2のキャパシタ」に対応している。また、スイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2と、サンプリング容量Cs1、Cs2と、積分容量Ci1、Ci2と、全差動入力オペアンプ1とにより、本発明の「スイッチト・キャパシタ方式の積分回路」が構成されている。さらに、コンパレータ5が本発明の「比較回路」に対応し、ロジック回路10、10´が本発明の「カウント回路」に対応している。また、CMR17が本発明の「第1の記憶回路」に対応し、ACR19が本発明の「第2の記憶回路」に対応している。そして、VCMが本発明の「基準値」に対応し、信号Qが本発明の「第1の信号」に対応し、信号QBが本発明の「第2の信号」に対応している。
実施の形態に係るクーロンカウンタ100とシステムSとの関係を示す図。 入力電圧とカウント値との関係を示す図。 IC部50の構成例を示す図。 第1実施形態に係るロジック回路10の構成例を示す図。 スイッチ等の動作例を示すタイミングチャート。 入力電圧の信号Q,QBへの変換方法を示す図。 第1実施形態に係る信号Q,QBのカウント方法を示す図。 第2実施形態に係るロジック回路10´の構成例を示す図。 第2実施形態に係る信号Q,QBのカウント方法を示す図。
符号の説明
1 全差動入力オペアンプ、3 VREF回路、5 コンパレータ、10、10´ ロジック回路、11 内部カウンタ、13 分周器、15 更新パルス発生器、17 CMR、18 演算回路、19 ACR、A1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2 スイッチ、Cs1、Cs2 サンプリング容量、Ci1、Ci2 積分容量

Claims (3)

  1. 検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を出力するクーロンカウンタであって、
    スイッチ素子と、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを有し、前記スイッチ素子が操作されることにより、前記入力電圧を第1のキャパシタでサンプリングすると共に、サンプリングされた前記入力電圧に比例する電圧を前記第2のキャパシタで積分するスイッチト・キャパシタ方式の積分回路と、
    前記積分回路から出力される出力電圧を基準値と比較して、前記出力電圧が前記基準値以上の場合は第1の信号を出力し、前記出力電圧が前記基準値未満の場合は第2の信号を出力する比較回路と、
    前記第1の信号と前記第2の信号とを一定時間カウントしてその差を前記カウント値として出力するカウント回路と、を備えることを特徴とするクーロンカウンタ。
  2. 前記カウント値を第1のカウント値として保持する第1の記憶回路と、
    前記カウント値をさらに一定時間積算して第2のカウント値を保持する第2の記憶回路と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のクーロンカウンタ。
  3. 前記カウント回路は、前記第1の記憶回路と前記第2の記憶回路の両方に向けて、同じカウント値を同じタイミングで出力することを特徴とする請求項2に記載のクーロンカウンタ。
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