JP2009222628A - クーロンカウンタ、その内部電源生成方法及びそれに適用される内部電源制御方法 - Google Patents

クーロンカウンタ、その内部電源生成方法及びそれに適用される内部電源制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模の縮小し、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して低消費
電力化を図り、誤差の少ないカウント値を出力可能なクーロンカウンタを提供する。
【解決手段】センス抵抗両端に生じる電位差の入力電圧に比例したカウント値を出力する
クーロンカウンタにおけるIC部の要部となるA/D変換回路30、及びロジック回路1
0と、ロジック回路10による動作処理のタイミングを指示するためのクロック信号を生
成する発振回路31とについて、外部電源として電源電圧5Vが印加される内部電源生成
回路32で生成した電源電圧5Vよりも低電圧な第1の電圧3VをA/D変換回路30へ
、第1の電圧3Vよりも低電圧な第2の電圧1.8Vをロジック回路10へ、第2の電圧
1.8vよりも低電圧な第3の電圧1.2Vを発振回路31へそれぞれ印加する。
【選択図】図4

Description

本発明は、クーロンカウンタ、その内部電源生成方法及びそれに適用される内部電源制
御方法に関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、ノート型パソコン(PC)、携帯電話や
ゲーム機等の2次電池を用いるモバイル機器分野において、それらのモバイル機器に使用
中の2次電池の電池残量を検出するために電池残留検出装置が広く利用されている。電池
残留検出装置は、クーロンカウンタとも呼ばれ、検出抵抗(センス抵抗)を流れる充放電
の電流を電圧に変換し、変換された電圧値を基に2次電池の電池残量を把握する。
特開2006−184035号公報
ところで、特許文献1に開示された電池残留検出装置では、電池から充放電される電流
に反比例したパルス数が出力されるため、最終段にそのパルス数を反転させるための反転
ブロックが必要であり、それによって電流に比例したカウント値が出力されるようになっ
ていた(例えば、段落[0023]〜[0025]を参照。)。このように、上記の従来
例では、電池残量を算出するために反転ブロックを必要としており、少なくともその分だ
け回路規模が大きくなってしまうという問題があった。
また、クーロンカウンタが有するオペアンプや、比較器の出力には通常オフセットが含
まれる。このため、オフセットが原因で、クーロンカウンタから出力されるカウント値に
ずれ(誤差)が生じる可能性があった。
更に、内部回路へ使用目的に合わせた電圧印加や低消費電力化については、何等配慮さ
れていない。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、回路規模の縮小を
可能とすると共に、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して低消費電力化を
図り、誤差の少ないカウント値を出力できるようにしたクーロンカウンタ、その内部電源
生成方法及びそれに適用される内部電源制御方法の提供を目的とする。
〔発明1〕 上記課題を解決するために、発明1のクーロンカウンタは、
検出抵抗(例えば図1中のセンス抵抗Rs)の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前
記入力電圧に比例したカウント値を出力するクーロンカウンタ(例えば図1中のクーロン
カウンタ100)であって、
スイッチ素子(例えば図3中のスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、
D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2)と第1のキャパシタ(例えば図3中のサン
プリング容量Cs1、Cs2)及び第2のキャパシタ(例えば図3中の積分容量Ci1、
Ci2)とを有し、前記スイッチ素子が操作されることにより、前記入力電圧を前記第1
のキャパシタでサンプリングすると共に、サンプリングされた前記入力電圧に比例する電
圧を前記第2のキャパシタで積分するスイッチト・キャパシタ方式の積分回路と、前記積
分回路から出力される出力電圧を基準値と比較して、前記出力電圧が前記基準値以上の場
合は第1の信号を出力し、前記出力電圧が前記基準値未満の場合は第2の信号を出力する
比較回路(例えば図3中のコンパレータ5)と、を含むA/D変換回路(例えば図4中の
A/D変換回路30)と、
前記比較回路から出力される前記第1の信号と前記第2の信号とを一定時間カウントし
てその差を前記カウント値として出力するカウント回路(例えば図11中の内部カウンタ
11)と、前記カウント値に含まれるオフセット値を保持する記憶回路(例えば図11中
のレジスタ20)と、を含むロジック回路(例えば図3中、図4中のロジック回路10)
と、
前記ロジック回路による動作処理のタイミングを指示するためのクロック信号を生成す
る発振回路(例えば図4中の発振回路31)と、
外部電源として印加された電源電圧(例えば図4中の5V)を降圧させ、前記電源電圧
よりも低電圧な第1の電圧(例えば図4中の3V)、前記第1の電圧よりも低電圧な第2の
電圧(例えば図4中の1.8V)、前記第2の電圧よりも低電圧な第3の電圧(例えば図
4中の1.2V)を生成し、且つ前記第1の電圧を前記A/D変換回路、前記第2の電圧
を前記ロジック回路、前記第3の電圧を前記発振回路へそれぞれ印加する内部電源生成回
路(例えば図4中の内部電源生成回路32)と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成によれば、クーロンカウンタを外部からの電源電圧のみで駆動する場合
に必要とされている面積サイズが大きくて高耐圧なスイッチ素子によりチップサイズや消
費電力が大きくなっていた問題を改善し、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印
加して低耐圧な小型スイッチ素子を適用可能としてチップサイズの小型化並びに低消費電
力化を図った上、カウント回路から出力されるカウント値から検出抵抗を流れる電流量を
把握することができる。従って、例えば、検出抵抗の一端が2次電池に接続されている場
合は、検出抵抗を流れる充放電の電流量をカウント値から把握することができる。また、
比較回路から出力される第1、第2の信号の出力数(即ち、パルス数)は検出抵抗の両端
に生じる電位差(即ち、入力電圧)に比例した数であり、検出抵抗を流れる電流に比例し
た数である。従って、反転ブロックは不要であり、回路規模の縮小が可能である。
さらに、記憶回路によりオフセット値が保持されるので、比較回路から出力されるカウ
ント値に対してオフセット補正することができ、オフセット値を含まないカウント値を出
力することができる。
〔発明2〕 発明2のクーロンカウンタは、
前記内部電源生成回路(例えば図8中の内部電源生成回路32)は、外部電源投入時の待
機時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマンドにより前記A/D変
換回路に対する前記第1の電圧の印加、並びに前記発振回路に対する前記第3の電圧の印
加を停止すると共に、外部から与えられる降圧コマンドにより前記ロジック回路に印加す
る前記第2の電圧を降圧させる機能を持つことを特徴としたものである。
このような機能によれば、スタンバイモード時にもIC部を制御する必要があるために
そのロジック回路用の定電圧回路(レギュレータ回路)を動作させなければならないこと
により、通常動作時と同様にレギュレータ回路を動作させると消費電流が大きくなって2
次電池用のIC部として使用時間(寿命)を延ばすために不都合であったという問題を改
善でき、スタンバイモード時に通常動作されるレギュレータ回路の場合よりも消費電流(
消費電力)を小さくすることができる。
〔発明3〕 発明3のクーロンカウンタは、
前記内部電源生成回路(例えば図8中の内部電源生成回路32)は、前記スタンバイモ
ード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより前記ロジック回路を前記第2の電圧
へ昇圧されるように立ち上げた後、前記A/D変換回路に前記第1の電圧を印加するよう
に立ち上げ、次に前記発振回路に前記第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンス
の電源立ち上げ機能を持つことを特徴とするものである。
このような機能によれば、スタンバイモード時のような電源が安定しないときにA/D
変換回路でのA/D変換を受けてロジック回路でカウント動作が行われる際のカウント誤
差の発生が抑制(軽減化)され、電源が安定した時点で的確にカウント動作が行われるよ
うになる。
〔発明4〜6〕
発明4のクーロンカウンタは、
検出抵抗(例えば図1中のセンス抵抗Rs)の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前
記入力電圧に比例したカウント値を出力するクーロンカウンタ(例えば図1中のクーロン
カウンタ100)であって、
スイッチ素子(例えば図3中のスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、
D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2)と第1のキャパシタ(例えば図3中のサン
プリング容量Cs1、Cs2)及び第2のキャパシタ(例えば図3中の積分容量Ci1、
Ci2)とを有し、前記スイッチ素子が操作されることにより、前記入力電圧を前記第1
のキャパシタでサンプリングすると共に、サンプリングされた前記入力電圧に比例する電
圧を前記第2のキャパシタで積分するスイッチト・キャパシタ方式の積分回路と、前記積
分回路から出力される出力電圧を基準値と比較して、前記出力電圧が前記基準値以上の場
合は第1の信号を出力し、前記出力電圧が前記基準値未満の場合は第2の信号を出力する
比較回路(例えば図3中のコンパレータ5)と、を含むA/D変換回路(例えば図5中の
A/D変換回路30)と、
前記比較回路から出力される前記第1の信号と前記第2の信号とを一定時間カウントし
てその差を前記カウント値として出力するカウント回路(例えば図11中の内部カウンタ
11)と、前記カウント値に含まれるオフセット値を保持する記憶回路(例えば図11中
のレジスタ20)と、を含むロジック回路(例えば図3中、図5中のロジック回路10)
と、
前記ロジック回路による動作処理のタイミングを指示するためのクロック信号を生成す
る発振回路(例えば図5中の発振回路31)と、を備え、
前記A/D変換回路には、外部電源として印加される電圧値が異なる2系統の電源電圧
(例えば図5中の5V、3V)のうちの一方の第1の電圧(例えば図5中の3V)が印加
され、
更に、前記電源電圧のうちの他方(例えば図5中の5V)を降圧させ、前記第1の電圧
よりも低電圧な第2の電圧(例えば図5中の1.8V)、前記第2の電圧よりも低電圧な
第3の電圧(例えば図5中の1.2V)を生成し、且つ前記第2の電圧を前記ロジック回
路、前記第3の電圧を前記発振回路へそれぞれ印加する内部電源生成回路(例えば図5中
の内部電源生成回路33)を備えたことを特徴とするものである。
発明5のクーロンカウンタは、
前記A/D変換回路(例えば図9中のA/D変換回路30)は、外部電源投入時の待機
時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマンドにより前記第1の電圧
の印加が停止されるもので、前記内部電源生成回路(例えば図9中の内部電源生成回路3
3)は、前記スタンバイモード時に外部から与えられる停止コマンドにより前記発振回路
(例えば図9中の発振回路31)に対する前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部
から与えられる降圧コマンドにより前記ロジック回路(例えば図9中のロジック回路10
)に印加する前記第2の電圧を降圧させる機能を持つことを特徴とするものである。
発明6のクーロンカウンタは、
前記内部電源生成回路(例えば図9中の内部電源生成回路33)は、スタンバイモード
時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより前記ロジック回路(例えば図9中のロジ
ック回路10)を前記第2の電圧へ昇圧されるように立ち上げた後、前記A/D変換回路
(例えば図9中のA/D変換回路30)に対する前記第1の電圧の印加による立ち上げが
終了してから前記発振回路に前記第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電
源立ち上げ機能を持つことを特徴とするものである。
発明4〜6のクーロンカウンタによれば、外部電源として電圧値が異なる2系統の電源
電圧が印加され、その一方の第1の電圧(適切な電圧値)がA/D変換回路に印加される
場合について、内部電源生成回路が他方の電源電圧を降圧して第1の電圧よりも低電圧な
第2の電圧、第2の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成してロジック回路、発振回路へ
それぞれ印加するものとし、スタンバイモード時やスタンバイモード時以後にA/D変換
回路が内部電源生成回路とは別個に各種コマンドによる独自な制御を受ける構成のもので
、作用効果上は発明1〜3の場合と同等なものとなる。
発明7のクーロンカウンタの内部電源生成方法は、
検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を
出力するクーロンカウンタの内部回路へ外部電源が印加される際、前記外部電源として印
加された電源電圧を降圧させ、前記電源電圧よりも低電圧な第1の電圧、前記第1の電圧よ
りも低電圧な第2の電圧、前記第2の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成して前記内部
回路の別個な各部へそれぞれ印加することを特徴とするものである。
このような手法によれば、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して発明1
の場合と同等な作用効果が得られる。
発明8の上記クーロンカウンタの内部電源生成方法に適用されるクーロンカウンタの内
部電源制御方法は、
外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマン
ドにより前記第1の電圧の印加、並びに前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部か
ら与えられる降圧コマンドにより前記第2の電圧を降圧させる制御を行うことを特徴とす
るものである。
このような手法によれば、発明2の場合と同様にスタンバイモード時に通常動作される
構成回路部分を持つ場合よりも消費電流(消費電力)を小さくすることができる。
発明9のクーロンカウンタの内部電源制御方法は、
前記スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより前記第2の電圧
へ昇圧されるように立ち上げた後、前記第1の電圧を印加するように立ち上げ、次に前記
第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ制御を行うことを特徴
とするものである。
このような手法によれば、発明3の場合と同様にスタンバイモード時のような電源が安
定しないときに基本動作(カウント動作)が行われる際の誤差(カウント誤差)の発生が
抑制(軽減化)され、電源が安定した時点で的確に基本動作(カウント動作)が行われる
ようになる。
発明10のクーロンカウンタの内部電源生成方法は、
検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を
出力するクーロンカウンタの内部回路へ外部電源として電圧値が異なる2系統の電源電圧
が印加される際、前記電源電圧のうちの一方を前記内部回路の一部へ印加される第1の電
圧とすると共に、他方を降圧させて前記第1の電圧よりも低電圧な第2の電圧、前記第2
の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成して前記内部回路の別個な他部へそれぞれ印加す
ることを特徴とするものである。
このような手法によれば、外部電源として電圧値が異なる電源電圧が印加され、その一
方が内部回路の一部に印加される場合について、他方の電源電圧を降圧して内部回路の別
個な他部へ印加するようにしているので、発明7の場合と同様な作用効果が得られる。
発明11の上記クーロンカウンタの内部電源生成方法に適用されるクーロンカウンタの
内部電源制御方法は、
外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマン
ドにより前記第1の電圧の印加が停止されたとき、前記スタンバイモード時に外部から与
えられる停止コマンドにより前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部から与えられ
る降圧コマンドにより前記第2の電圧を降圧させる制御を行うことを特徴とするものであ
る。
このような手法によれば、スタンバイモード時に内部回路の一部が他部とは別個に各種
コマンドによる独自な制御を受ける場合のもので、発明8の場合と同様な作用効果が得ら
れる。
発明12のクーロンカウンタの内部電源制御方法は、
前記スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより前記第2の電圧
へ昇圧されるように立ち上げた後、前記第1の電圧の印加による立ち上げが終了してから
前記第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ制御を行うことを
特徴とするものである。
このような手法によれば、スタンバイモード時以後に内部回路の一部が他部とは別個に
各種コマンドによる独自な制御を受ける場合のもので、発明9の場合と同様な作用効果が
得られる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るクーロンカウンタ100と、クーロンカウンタ100
の適用対象となるシステムSとの関係を示す概念図である。図1において、クーロンカウ
ンタ100の適用対象となるシステムSは、例えば、ノート型パソコン、携帯電話又はゲ
ーム機等の電子機器である。このようなシステムSには、例えば、リチウムイオン電池等
の充放電可能な2次電池が着脱可能に装着されている。
図1に示すように、クーロンカウンタ100は検出抵抗(以下、センス抵抗)Rsと、
センス抵抗Rsの両端に生じる電位差を入力電圧とし、この入力電圧に比例したカウント
値を出力するIC部50とを備える。これらのうち、センス抵抗Rsは2次電池に流れ込
む又は2次電池から流れ出す電流(即ち、充放電の電流)を検出するための抵抗素子であ
り、その一端が例えばシステムS側の2次電池に接続され、その他端が例えば接地電位に
接続されている。
また、IC部50には2つの入力端子Vin、Vinが設けられており、これら入
力端子Vin、Vinがそれぞれセンス抵抗Rsの両端に接続されている。センス抵
抗Rsに充放電の電流が流れると、電流の向きと大きさに応じて入力端子Vin、Vi
間に電位差(即ち、入力電圧)が生じる。つまり、センス抵抗Rsにより、充放電の
電流が入力電圧に変換される。そして、この入力電圧に比例して、IC部50から例えば
13ビットのカウント値が出力される。
図2は、入力電圧とカウント値との関係を示す図である。図2において、その縦軸はI
C部50への入力電圧を示し、その横軸はIC部50から出力される13ビットのカウン
ト値を示す。図2の直線aに示すように、入力電圧とカウント値は例えば右肩上がりの比
例関係にある。ここで、入力電圧は、基準電圧発生回路の基準電圧VREFによって、例
えば最大値50mV、最小値−50mVにそれぞれ設定されており、入力電圧が最大値を
とるときのカウント値は8192(=213)に設定され、最小値をとるときのカウント
値は−8192に設定されている。また、正の入力電圧は例えば放電流がセンス抵抗Rs
に流れていることを示し、負の入力電圧は例えば充電流がセンス抵抗Rsに流れているこ
とを示す。このように、図1に示したセンス抵抗Rsに充放電の電流が流れると、IC部
50から−8192〜+8192のカウント値が出力される。
ここで、入力電圧は、例えば基準電圧発生回路の基準電圧VREFによって、その値を
一定の範囲に設定することが可能である。充放電の電流は、例えばセンス抵抗Rsの抵抗
値を調整することによって、その値を測定可能な一定の範囲に設定することが可能である
。クーロンカウンタ100が有するIC部50は、後述するように、全差動入力オペアン
プ1とコンパレータ5とを有するが、これらの出力には通常オフセットが含まれる。ここ
で、オフセットとは、入力信号が0Vであるにも関わらず僅かに出力されてしまう電圧の
ことである。このため、図2の実線特性aに対する破線特性bに示されるように、オフセ
ットが原因でIC部50から出力される内部カウント値にずれが生じる可能性がある。以
下、この内部カウント値のずれを、オフセット値とも呼ぶ。オフセット値は、半導体チッ
プの製造バラツキや、温度などにより変化する。
次に、IC部50の構成について説明する。
図3は、IC部50の回路構成を例示したブロック図である。図9に示すように、クー
ロンカウンタ100が有するIC部50は、例えば、スイッチA1、A2、B1、B2、
C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2と、第1のキャパシタと
してのサンプリング容量Cs1、Cs2と、第2のキャパシタとしての積分容量Ci1、
Ci2と、全差動入力オペアンプ1と、基準電圧VREFP、VREFNを可変値として
発生する基準電圧発生回路3と、比較回路としてのコンパレータ5と、ロジック回路10
と、を備える。
このうち、スイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、
R1、R2、I1、I2と、サンプリング容量Cs1、Cs2と、積分容量Ci1、Ci
2と、全差動入力オペアンプ1とは、スイッチト・キャパシタ方式の積分回路をなす。基
準電圧発生回路3からの基準電圧VREFP、VREFNは、積分回路に印加される。
次に、これら各部の接続関係を説明する。図3に示すように、サンプリング容量Cs1
の入力側(即ち、図中の左側)電極はスイッチA1を介して入力端子Vinに接続され
ると共に、スイッチB1を介して入力端子Vinに接続されている。また、この入力側
電極はスイッチC1を介して基準電圧発生回路3のX端子に接続されると共に、スイッチ
D1を介して基準電圧発生回路3のY端子に接続されている。また、サンプリング容量C
s1の出力側(即ち、図中の右側)電極は全差動入力オペアンプ1の正(+)入力端子に
接続されると共に、スイッチS1を介して基準値を示すコモン電圧(以下、VCMと呼ぶ
)に接続されている。なお、VCMは例えば1Vである。
サンプリング容量Cs2の入力側電極はスイッチA2を介して入力端子Vinに接続
されると共に、スイッチB2を介して入力端子Vinに接続されている。また、この入
力側電極はスイッチD2を介して基準電圧発生回路3のX端子に接続されると共に、スイ
ッチC2を介して基準電圧発生回路3のY端子に接続されている。また、サンプリング容
量Cs2の出力側電極は全差動入力オペアンプ1の負(−)入力端子に接続されると共に
、スイッチS2を介してVCMに接続されている。
なお、これらスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2
、R1、R2、I1、I2は、例えば、MOS電界効果トランジスタからなり、そのオン
・オフはロジック回路10から出力される制御信号により行われる。
積分容量Ci1は、その入力側電極が全差動入力オペアンプ1の正入力端子に接続され
ると共に、その出力側電極がスイッチI1を介して全差動入力オペアンプ1の負出力端子
に接続されている。積分容量Ci2は、その入力側電極が全差動入力オペアンプ1の負入
力端子に接続されると共に、その出力側電極がスイッチI2を介して全差動入力オペアン
プ1の正出力端子に接続されている。さらに、積分容量Ci1、Ci2の両端には放電用
のスイッチR1、R2がそれぞれ接続されている。
全差動入力オペアンプ1の負出力端子及び正出力端子はそれぞれコンパレータ5に接続
されており、負出力端子側の電位Voutがコンパレータ5の入力端子In+に入力さ
れ、正出力端子側の電位Voutがコンパレータ5の入力端子In−に入力されるよう
になっている。さらに、コンパレータ5はロジック回路10に接続し、コンパレータ5の
出力端子Qから出力される第1の信号としての信号Qと、コンパレータ5の出力端子QB
から出力される第2の信号としての信号QBとがそれぞれロジック回路10に入力される
ようになっている。また、図示しないが、発振回路もロジック回路10に接続されており
、発振回路で生成されるクロック(CLOCK)信号がロジック回路10に入力されるよ
うになっている。因みに、このIC部50における発振回路やロジック回路10を除く箇
所は電気的にA/D(アナログ/デジタル)変換を行うA/D変換回路とみなすことがで
きる。
即ち、基準電圧発生回路3は、積分回路と直接的に繋がっておらず、基準電圧発生回路
3とスイッチC1、D2及びスイッチC2、D1との間にはセレクタが介在されており、
このセレクタが信号Q、QBの状態に応じて基準電圧発生回路3からの基準電圧VREF
を切り替えてX端子、Y端子に印加する。したがって、基準電圧発生回路3からの基準電
圧VREFは、積分回路に断続的に印加される。また、全差動入力オペアンプ1から出力
される電圧は、VCMを軸として対称に出力される。コンパレータ5では、全差動入力オ
ペアンプ1の負出力が正出力より大きい場合に信号Qを出力し、逆の場合には信号QBを
出力する。
ところで、クーロンカウンタ100は、通常外部からの電源電圧(例えば5V)のみで
積分回路のスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R
1、R2、I1、I2を駆動している。こうした場合に必要とされるスイッチA1、A2
、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2は、高耐
圧で面積サイズが大きいものであるため、クーロンカウンタ100全体のチップサイズや
消費電力が大きくなっている。
そこで、本実施形態では、こうしたクーロンカウンタ100全体のチップサイズや消費
電力が大きいという問題を改善し、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して
低耐圧な小型スイッチ素子を適用可能としてチップサイズの小型化並びに低消費電力化が
図られるようにするため、外部から印加された電源電圧(例えば5V)を降圧させて各部
へ印加する内部電源生成回路を備えることを特徴とする。
こうした場合の内部電源生成回路としては、外部電源として印加される電圧値に応じて
、電圧値が同じ電源電圧が印加される場合と電圧値が異なる電源電圧が印加される場合と
に応じた機能構成のものを用いれば良い。
図4は、本実施例に適用される一例に係る内部電源生成回路32の概略構成を示した回
路ブロック図である。
この内部電源生成回路32は、外部電源として電圧値が同じ電源電圧5Vが印加される
場合のもので、電源電圧5Vを降圧させ、電源電圧5Vよりも低電圧な第1の電圧3V、
第1の電圧3Vよりも低電圧な第2の電圧1.8V、第2の電圧1.8vよりも低電圧な
第3の電圧1.2Vを生成し、且つ第1の電圧3VをA/D変換回路30、第2の電圧1
.8Vをロジック回路10、第3の電圧1.2Vを発振回路31へそれぞれ印加するもの
である。
図5は、本実施例に適用される他例に係る内部電源生成回路42の概略構成を示した回
路ブロック図である。
この内部電源生成回路33は、外部電源として電圧値が異なる2系統の電源電圧5V、
3Vが印加され、一方の電源電圧(第1の電圧)3VがA/D変換回路30に印加される
場合のもので、他方の電源電圧5Vを降圧させ、第1の電圧3Vよりも低電圧な第2の電
圧1.8V、第2の電圧1.8Vよりも低電圧な第3の電圧1.2Vを生成し、且つ第2
の電圧1.8Vをロジック回路10、第3の電圧1.2Vを発振回路31へそれぞれ印加
するものである。
このような構成の内部電源生成回路32、33を用いれば、クーロンカウンタ100を
外部からの電源電圧5Vのみで駆動する場合に必要とされている面積サイズが大きくて高
耐圧なスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、
R2、I1、I2によりチップサイズや消費電力が大きくなっていた問題が改善され、内
部回路(A/D変換回路30、ロジック回路10、発振回路31)へ使用目的に合わせた
最適な電圧を印加することができる。即ち、ここでのスイッチA1、A2、B1、B2、
C1、C2、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2は、低耐圧で小型のもの
が適用可能となっており、IC部50やクーロンカウンタ100のチップサイズが小型化
され、低消費電力化が図られるものとなっている。特にA/D変換回路30の電源電圧を
3Vにすると、全差動入力オペアンプ1については平均30μA程度の駆動電流において
数mA程度のピーク負荷電流で稼動するために負荷能力上において都合が良く、SN比等
のアナログ特性が向上する。
図6は、上述した図4に示した内部電源生成回路32の細部構成を例示した回路図であ
る。また、図7は、図6に示した内部電源生成回路32に備えられるオペアンプOP2の
細部構成を例示した回路図である。
図6を参照すれば、内部電源生成回路32は、何れも外部電源として電源電圧5Vが印
加されると共に、それぞれ接地接続されたオペアンプOP1〜OP3から成る。
オペアンプOP1は、正極入力端子側から基準電圧が印加される他、出力端子側から負
極入力端子側へと負帰還(ネガティブフィードバック)が行われるように、負極入力端子
側を出力端子側及び接地接続箇所の間に直列接続された抵抗器R1、R2の間に結線した
構成となっている。このオペアンプOP1の場合、抵抗器R1、R2の抵抗値を適宜選定
すれば、電源端子から電源電圧VDD=5Vが印加され、正極入力端子側から1.2Vの
基準電圧が印加された状態で出力端子側から3Vの出力電圧を得ることができる。
オペアンプOP2は、図7を参照すれば、電源端子及び接地接続箇所の間に電流源を介
在させて1個のP型MOSトランジスタTr1と2個のN型MOSトランジスタTr2、
Tr3とを直列接続した構成となっている。
MOSトランジスタTr1は、ソース電極側が電源端子に接続され、ゲート電極側から
バイアス電圧が印加される。MOSトランジスタTr2、Tr3はそれぞれゲート電極側
とドレイン電極側とが接続されて短絡されており、MOSトランジスタTr2のドレイン
電極側とMOSトランジスタTr1のドレイン電極側との結線からの引き出し線が出力電
圧用となっている。その他、MOSトランジスタTr2のソース電極側とMOSトランジ
スタTr3のドレイン電極側とが接続され、MOSトランジスタTr3のソース電極側は
電流源に接続されている。このオペアンプOP2の場合、電源端子から電源電圧VDD
5Vが印加された状態でMOSトランジスタTr1のゲート電極に印加されるバイアス電
圧値と電流源から供給する電流値とを適宜選定すれば、出力端子側から1.8Vの出力電
圧を得ることができる。
オペアンプOP3は、正極入力端子側から基準電圧が印加される他、出力端子側から負
極入力端子側へと負帰還(ネガティブフィードバック)が行われるように、負極入力端子
側を出力端子側に結線した構成となっている。このオペアンプOP3の場合、電源端子か
ら電源電圧VDD=5Vが印加され、正極入力端子側から1.2Vの基準電圧が印加され
た状態で出力端子側から1.2Vの出力電圧を得ることができる。オペアンプOP3の具
体的な構成例は略図するが、例えば差動対を用いたシングルエンド形の構成が挙げられる
以上は電源投入後、或る程度の時間が経過した安定動作時にクーロンカウンタ100の
要部となる各部(A/D変換回路30、ロジック回路10、発振回路31)へ使用目的に
合わせた最適な電圧を印加して低耐圧な小型スイッチ素子を適用可能とし、チップサイズ
の小型化並びに低消費電力化を図るための技術を説明した。しかし、クーロンカウンタ1
00では、外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード(システムSがオフ状態で
、スリープモードとも呼ばれる)時においても、IC部50を制御する必要があるために
そのロジック回路10用の定電圧回路(レギュレータ回路)を動作させなければならない
ことにより、通常動作時と同様にレギュレータ回路10を動作させると、消費電流が大き
くなって2次電池用のIC部50として使用時間(寿命)を延ばす上で不都合であるとい
う問題がある。本実施形態の場合には、各部へ電源電圧を降圧させて印加しているため、
5Vを印加した場合よりは消費電流(消費電力)が格段に低下するものの、スタンバイモ
ード時におけるレギュレータ回路の消費電流は極力低下させることが望ましい。
図8は、上述した図4に示す内部電源生成回路32の応用例に係る概略構成を示したも
のである。また、図9は上述した図5に示す内部電源生成回路33の応用例に係る概略構
成を示したものである。
図8を参照すれば、この内部電圧生成回路32の場合、スタンバイモード時に外部から
与えられる停止コマンドによりA/D変換回路30に対する第1の電圧3.0Vの印加、
並びに発振回路31に対する第3の電圧1.2Vの印加を停止すると共に、外部から与え
られる降圧コマンドによりロジック回路10に印加する第2の電圧1.8Vを降圧させて
1.8V未満(例えば1.5V)の出力を行わせる機能を持つ。ここでロジック回路10
に印加する第2の電圧1.8Vを降圧させるためには、図7に示したオペアンプOP2に
印加するバイアス電圧及び電流源の電流値を調整すれば良い。
図9を参照すれば、この内部電圧生成回路33の場合、スタンバイモード時に外部から
与えられる停止コマンドにより発振回路31に対する第3の電圧1.2Vの印加を停止す
ると共に、外部から与えられる降圧コマンドによりロジック回路10に印加する第2の電
圧1.8Vを降圧させて1.8V未満(例えば1.5V)の出力を行わせる機能を持つ。
また、A/D変換回路30については、同様にスタンバイモード時に外部から与えられる
停止コマンドにより第1の電圧3Vの印加が停止されるものである。ここでもロジック回
路10に印加する第2の電圧1.8Vを降圧させるためには、上述したようにオペアンプ
OP2に印加するバイアス電圧及び電流源の電流値を調整すれば良い。内部電圧生成回路
32、33の何れにおいても、各種コマンドはシステムSや或いはロジック回路10から
生成出力されたものを用いることができる。
このような内部電圧生成回路32、33の機能によれば、何れもスタンバイモード時に
通常動作されるレギュレータ回路の場合よりも消費電流(消費電力)を小さくすることが
できる。例えばロジック回路10がスタンバイモード時から解除されるための解除コマン
ドを受けることができる程度の消費電流1μA以下にすることも可能である。
その他、スタンバイモード時のような電源が安定しないときには、A/D変換回路30
でのA/D変換を受けてロジック回路10でカウント動作が行われる際(詳細は後述する
)のカウント誤差の発生の問題についても、改善する必要がある。
図10は、内部電圧生成回路32、33に適用される電源立ち上げ機能のシーケンスを
示したものである。
ここでは、カウント誤差の発生を抑制するための電源立ち上げ機能として、電源投入後
に順次ロジック用電源、アナログ用電源、発振回路用電源を立ち上げた後、所定の時間を
経てカウント開始が立ち上げられる様子を示している。
こうしたシーケンスを内部電源生成回路32に持たせる場合、内部電源生成回路32は
スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドによりロジック回路10を第
2の電圧1.8Vへ昇圧されるように立ち上げた後、A/D変換回路10に第1の電圧3
.0Vを印加するように立ち上げ、次に発振回路31に第3の電圧1.2Vを印加するよ
うに立ち上げる電源立ち上げ機能を持つものとなる。
内部電圧生成回路33の場合、スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマ
ンドによりロジック回路10を第2の電圧1.8Vへ昇圧されるように立ち上げた後、A
/D変換回路30に対する第1の電圧3.0Vの印加による立ち上げが終了してから発振
回路31に第3の電圧1.2Vを印加するように立ち上げる電源立ち上げ機能を持つもの
となる。ここでも各種コマンドは、上述したようにシステムSや或いはロジック回路10
から生成出力されたものを用いることができる。
このような電源立ち上げ機能を持つ内部電圧生成回路32、33を適用すれば、ロジッ
ク回路10におけるカウント誤差の発生が抑制(軽減化)され、電源が安定した時点で的
確にカウント動作が行われるようになる。
何れにせよ、本実施形態の内部電源生成回路32、33やそれらの動作に関連する各種
コマンドを含む機能は、外部電源として電圧値が同じ電源電圧5Vが印加される場合と電
圧値が異なる電源電圧5V、3Vが印加される場合(低電圧な電源電圧3VがA/D変換
回路30に印加される場合)との何れにおいても、内部回路へ使用目的に合わせた最適な
電圧を印加して低消費電力化、スタンバイモード時の低消費電流化、スタンバイモード時
以後の電源安定時での的確なカウント動作を図られるようにすることを特徴としている。
図11は、IC部50に備えられるロジック回路10の回路構成を例示したブロック図
である。図11に示すように、このロジック回路10は、カウント回路としての内部カウ
ンタ11と、分周器13と、更新パルス発生器15と、CMR(Current Mea
surement Resistor)17と、演算回路18と、ACR(Accumu
lated Current Resistor)19と、オフセット値を保持するため
の記憶回路としてのレジスタ20と、を備える。CMR17とACR19は、例えば、そ
れぞれが複数個のフリップフロップからなるレジスタである。また、レジスタ20も複数
個のフリップフロップからなる。
図11に示すように、内部カウンタ11には、発振回路31で生成されたCLOCK信
号と、分周器13によりCLOCK信号が例えば2分周された(即ち、パルス幅が2倍に
調整された)分周信号ClkDiv1と、CLOCK信号を基に更新パルス発生器で生成
されたレジスタ更新パルス(以下、更新パルスと呼ぶ)と、コンパレータ5(図3参照)
から出力される信号Q、QBが入力されるようになっている。
さらに、内部カウンタ11は、少なくとも3つ以上の出力端子を有し、第1の端子はC
MR17に接続され、第2の端子は演算回路18を介してACR19に接続され、第3の
端子はレジスタ20に接続されている。ここで、CMR17は、更新パルスが入力された
ときに内部カウンタ11から出力される内部カウント値を「1回変換時間当たりのカウン
ト値」として保持すると共に、その保持する値を出力するようになっている。また、演算
回路18は、更新パルスが入力されたときに内部カウンタ11から出力される内部カウン
ト値に所定の演算処理を行って演算値を出力する。ACR19は、この演算値を順次積算
して「単位時間当たりのカウント値」を保持すると共に、その保持する値を出力するよう
になっている。なお、「1回変換時間当たりのカウント値」「単位時間当たりのカウント
値」は、その両方とも2次電池の充放電状態を示すデータである。
また、レジスタ20は、例えば(1回変換時間当たりの)オフセット値を保持すると共
に、その保持するオフセット値を出力するようになっている。このオフセット値は、CM
R17から出力される「1回変換時間当たりのカウント値」と、ACR19から出力され
る「単位時間当たりのカウント値」のオフセット補正に用いられる。
次に、クーロンカウンタ100の動作例について説明する。
図12は、クーロンカウンタ100のIC部50が有するスイッチの動作例を示したタ
イミングチャートである。図12において、「CLKR」は図3に示したスイッチR1、
R2のクロック動作を示し、「CLKA」はスイッチA1、A2のクロック動作を示し、
「CLKB」はスイッチB1、B2のクロック動作を示し、「CLKC」はスイッチC1
、C2のクロック動作を示し、「CLKD」はスイッチD1、D2のクロック動作を示し
、「CLKS」はスイッチS1、S2のクロック動作を示し、「CLKI」はスイッチS
1、S2のクロック動作を示す。また、「EN」はコンパレータ5に入力される出力制御
信号(Enable)を示す。
まず、図12のTiming(タイミング)1では、スイッチR1、R2がオンとなり
、積分容量Ci1、Ci2の電荷が放電される。これにより、積分容量Ci1、Ci2の
蓄積電荷は0(ゼロ)となる。なお、この放電操作は、クーロンカウンタによるカウント
動作の開始前、即ち、リセット時にのみ行われる。
次に、Timing2では、スイッチA1、A2、S1、S2がオンとなり、他のスイ
ッチは全てオフとなる。これにより、入力電圧のサンプリング動作が行われる。ここでは
、サンプリング容量Cs1の入力側電極に入力端子Vinの電位(以下、単にVin
)が印加され、その出力側電極にVCMが印加される。また、サンプリング容量Cs2の
入力側電極に入力端子Vinの電位(以下、単にVin)が印加され、その出力側電
極にVCMが印加される。これにより、サンプリング容量Cs1には(VCM−Vin
)に応じた電荷が蓄積され、サンプリング容量Cs2には(VCM−Vin)に応じた
電荷が蓄積される。また、全差動入力オペアンプ1の正入力端子と負入力端子にはそれぞ
れVCMが入力され、その負出力端子と正出力端子は積分容量Ci1、Ci2から電気的
に離される。その結果、負出力端子側の電位Voutと、正出力端子側の電位Vout
は共にVCMとなる。
次に、Timing3では、スイッチB1、B2、I1、I2がオンとなり、他のスイ
ッチは全てオフとなる。これにより、入力電圧の積分動作が行われる。ここでは、サンプ
リング容量Cs1の入力側電極にVinが印加される。また、サンプリング容量Cs1
の出力側電極はVCMから電気的に切り離される。その結果、サンプリング容量Cs1の
出力側電極はVCM+(Vin−Vin)となり、この電位の変化に応じてサンプリ
ング容量Cs1と積分容量Ci1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極に
は(Vin−Vin)に比例した電圧V1が生じる。つまり、入力電圧に比例した電
圧V1が積分容量Ci1に転送される。
また同時に、サンプリング容量Cs2の入力側電極にVinが印加され、サンプリン
グ容量Cs2の出力側電極はVCMから電気的に切り離される。その結果、サンプリング
容量Cs2の出力側電極はVCM+(Vin−Vin)となり、この電位の変化に応
じてサンプリング容量Cs2と積分容量Ci2との間で電荷が移動し、積分容量Ci2の
入力側電極には(Vin−Vin)に比例した電圧−V1が生じる。つまり、電圧−
V1が積分容量Ci2に転送される。
このような積分動作により、全差動入力オペアンプ1の負出力端子側には電圧V1が現
れ、電位Voutは「VCM+V1」となる。また同時に、全差動入力オペアンプ1の
正出力端子側には−V1が現れ、電位Voutは「VCM−V1」となる。
次に、Timing4では、スイッチC1、C2、S1、S2がオンとなり、他のスイ
ッチは全てオフとなる。これにより、基準電圧VREFのサンプリング動作が行われる。
この基準電圧VREFは、上述した基準電圧発生回路3から出力されるものであるが、動
作上は端子X、Y間の電位差を示すものとなる。ここでは、基準電圧発生回路3が有する
X端子の電位(以下、単に電位X)がサンプリング容量Cs1に印加されると共に、基準
電圧発生回路3が有するY端子の電位(以下、単に電位Y)がサンプリング容量Cs2に
印加される。また、全差動入力オペアンプ1の正入力端子と負入力端子にはそれぞれVC
Mが入力され、その出力側は積分容量Ci1、Ci2から電気的に離される。従って、負
出力端子側の電位Voutと、正出力端子側の電位Voutは共にVCMとなる。
次に、Timing5では、スイッチD1、D2、I1、I2がオンとなり、他のスイ
ッチは全てオフとなる。これにより、基準電圧VREFの積分動作が行われる。ここでは
、サンプリング容量Cs1の入力側電極に電位Yが印加される。また、サンプリング容量
Cs1の出力側電極はVCMから電気的に分離される。その結果、サンプリング容量Cs
1の出力側電極はVCM+(Y−X)となり、この電位の変化に応じてサンプリング容量
Cs1と積分容量Ci1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には基準電
圧VREF(X−Y)に比例した電圧V2が生じる。この電圧V2が積分容量Ci1に転
送される。
また同時に、サンプリング容量Cs2の入力側電極に電位Xが印加される。また、サン
プリング容量Cs2の出力側電極はVCMから電気的に分離される。その結果、サンプリ
ング容量Cs2の出力側電極はVCM+(X−Y)となり、この電位の変化に応じてサン
プリング容量Cs2と積分容量Ci2との間で電荷が移動し、積分容量Ci2の入力側電
極には(Y−X)に比例した電圧−V2が生じる。この電圧−V2が積分容量Ci2に転
送される。
このような積分動作により、全差動入力オペアンプ1の負出力端子側には電圧V2が現
れ、電位Voutは「VCM+V1+V2」となる。また同時に、全差動入力オペアン
プ1の正出力端子側には−V2が現れ、電位Voutは「VCM−V1−V2」となる
。以降は、Timing2〜4の動作を繰り返し行って、入力電圧を信号Q,QBに変換
していく。
図13は、入力電圧の信号Q,QBへの変換方法を説明する図である。ここでは、より
具体的な説明を行うために、図3に示したVinを10mV、Vinを0mVとする
。また、基準電圧発生回路3は例えば基準電圧VREFについて、端子Xと端子Yとの間
の電位差を例えば51.2mV又は−51.2mVに切り替える機能を有するが、ここで
は基準電圧発生回路3の機能の一例として、基準電圧VREFの電位差を示す端子Xの電
位を50mV又は−50mVに切り替えることができ、端子Yの電位は0mVに固定する
ものとする。なお、図13では、「CLOCK」「CLKR」「CLKI」「EN」を示
していないが、Timing2〜5におけるクロック動作は例えば図12の場合と同じで
ある。
図13に示すように、まず、リセット(即ち、Timing1)後の最初のTimin
g2では、入力電圧のサンプリング動作が行われるので、VoutはVCMとなってい
る。次に、Timing3では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−10m
Vとなり、この−10mVの変化に応じてサンプリング容量Cs1と積分容量Ci1との
間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には入力電圧10mVに比例した電圧“
10”が生じる。これにより、VoutはVCMから“10”上昇し、VCM+10と
なる。
またこのとき、コンパレータ5は、Vout≧VCMとなっていることを確認して信
号Qを出力すると共に、信号Qの出力を基準電圧発生回路3にフィードバックする。これ
により、基準電圧発生回路3において、端子Xの電位は−50mVに設定される。
次に、Timing4では、基準電圧VREFのサンプリング動作が行われるので、V
outは再びVCMとなる。そして、Timing5では、サンプリング容量Cs1の
出力側電極はVCM+50mVとなり、この50mVの変化に応じてサンプリング容量C
s1と積分容量Ci1との間で電荷が移動し、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧
−50mVに比例した電圧“−50”が生じる。これにより、VoutはVCM+10
に“−50”が足されて、VCM−40となる。
次に、2回目のTiming2では、Voutは再びVCMとなる。そして、Tim
ing3では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−10mVとなり、積分容
量Ci1の入力側電極には入力電圧10mVに比例した電圧“10”が生じる。これによ
り、VoutはVCM−40から“10”上昇し、VCM−30となる。またこのとき
、コンパレータ5は、Vout<VCMとなっていることを確認して信号QBを出力す
ると共に、信号QBの出力を基準電圧発生回路3にフィードバックする。これにより、基
準電圧発生回路3において、端子Xの電位は50mVに設定される。次に、Timing
4では、基準電圧VREFのサンプリング動作が行われるので、Voutは再びVCM
となる。そして、Timing5では、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−
50mVとなり、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧50mVに比例した電圧“5
0”が生じる。これにより、VoutはVCM−30に“50”が足されて、VCM+
20となる。
以下同様の手順で、3回目、4回目とTiming2〜5を繰り返して、各回のTim
ing3のときのVoutをコンパレータ5でモニタする。そして、Timing3の
ときのVoutが、Vout≧VCM、となっているときは、コンパレータ5から信
号Qを出力する共に、基準電圧発生回路3の端子Xを−50mVに設定する。また、Ti
ming3のときのVoutが、Vout<VCM、となっているときは、コンパレ
ータ5から信号QBを出すと共に、基準電圧発生回路3の端子Xを50mVに設定する。
このように、コンパレータ5は、各回のTiming3のときのVoutをVCMを基
準に2値化して、デジタル信号Q、QBを出力する。そして、出力された信号Q、QBは
ロジック回路10内で一定時間カウント(即ち、積算)されて、そのカウント値はオフセ
ット補正された後で外部に出力される。
図14は、信号Q、QBのカウント方法を示す図である。図14において、分周信号C
lkDiv1の1周期は例えば102μsec(≒0.8sec/8192、8192=
13)に設定されている。また、更新パルスの1周期は例えば0.8sec(≒360
0sec/4096、4096=212)に設定されており、1時間当たり約212回更
新パルスが出力される。
図14において、内部カウンタ11は、ClkDiv1がLOW(ロウ)で、且つ、C
LOCK信号が立ち下がるときに、信号Qの入力があれば+1をカウントし、信号QBの
入力があれば−1をカウントする。そして、更新パルスの入力のタイミングで、内部カウ
ンタ11は信号Q、QBを足した値(以下、内部カウント値)をCMR17とACR19
の両方に向けて出力すると共に、内部カウント値をゼロ(0)にリセットする。例えば、
図14では、更新パルスが入力されたときの内部カウント値の一例として6726を記載
しているが、この内部カウント値(6726)がCMR17とACR19の両方に向けて
同時に出力される。
なお、かりに、更新パルスが入力されてから次の更新パルスが入力されるまでの間に信
号Qのみが内部カウンタ11に入力された場合は内部カウント値は例えば8192となる
。その逆に、信号QBのみが内部カウンタ11に入力された場合は内部カウント値は例え
ば−8192となる。
上記のように、内部カウント値(6726)がCMR17とACR19の両方に向けて
同時に出力されると、CMR17では、この内部カウント値を「1回変換時間当たりのカ
ウント値」として保持する。ここで、1回変換時間とは、更新パルスが入力されてから次
の更新パルスが入力されるまでの時間(即ち、更新パルスの1周期)のことである。CM
R17により保持される「1回変換時間当たりのカウント値」は、図2に示したように1
回変換時間当たりの充放電量を示しており、この値はオフセット補正された後で外部に出
力される。
また、ACR19に向けて出力される内部カウント値(6726)は、演算回路18に
よって演算処理されてからACR19に入力される。例えば、内部カウント値(6726
)は演算回路によって4096(=212)で割り算され、小数点以下を切り捨てた値(
例えば、整数1)がACR19に入力される。そして、ACR19は、更新パルスが入力
されるたびに、このような整数値を足して「単位時間当たりのカウント値」として保持す
る。ここで、単位時間は任意に設定可能な時間であり、例えば、1回変換時間×4096
回(≒0.8sec×4096≒1hour)である。ACR19により保持される「単
位時間当たりのカウント値」は、図2に示したように単位時間当たりの充放電量を示して
おり、この値はオフセット補正された後で外部に出力される。
上述した内部電源生成回路32、33やそれらの動作に関連する各種コマンドを含む機
能を導入した場合、要部へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して低消費電力化が図ら
れると共に、スタンバイモード時の低消費電流化が図られ、スタンバイモード時以後の電
源安定時において入力電圧の信号Q、QBへの変換や信号Q、QBのカウントが安定して
的確に行われるようになる。
即ち、本実施形態のクーロンカウンタ100の場合、その技術的要点の一つは、クーロ
ンカウンタ100の内部回路へ外部電源が印加される際、外部電源として印加された電源
電圧を降圧させ、その電源電圧よりも低電圧な第1の電圧、第1の電圧よりも低電圧な第2
の電圧、第2の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成して内部回路の別個な各部へそれぞ
れ印加するクーロンカウンタ100の内部電源生成方法であると換言できる。また、こう
した内部電源生成方法に適用されるクーロンカウンタ100の内部電源制御方法は、外部
電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマンドによ
り第1の電圧の印加、並びに第3の電圧の印加を停止すると共に、外部から与えられる降
圧コマンドにより第2の電圧を降圧させる制御を行うものである。更に、内部電源制御方
法として、スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより第2の電圧
へ昇圧されるように立ち上げた後、第1の電圧を印加するように立ち上げ、次に第3の電
圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ制御を行うものである。
技術的要点のもう一つは、外部電源として電圧値が異なる2系統の電源電圧が印加され
る際、電源電圧のうちの一方を内部回路の一部へ印加される第1の電圧とすると共に、他
方を降圧させて第1の電圧よりも低電圧な第2の電圧、第2の電圧よりも低電圧な第3の
電圧を生成して内部回路の別個な他部へそれぞれ印加するクーロンカウンタ100の内部
電源生成方法であると換言できる。また、こうした内部電源生成方法に適用されるクーロ
ンカウンタ100の内部電源制御方法は、外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモ
ード時に外部から与えられる停止コマンドにより第1の電圧の印加が停止されたとき、ス
タンバイモード時に外部から与えられる停止コマンドにより第3の電圧の印加を停止する
と共に、外部から与えられる降圧コマンドにより第2の電圧を降圧させる制御を行うもの
である。更に、内部電源制御方法として、スタンバイモード時以後に外部から与えられる
昇圧コマンドにより第2の電圧へ昇圧されるように立ち上げた後、第1の電圧の印加によ
る立ち上げが終了してから第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち
上げ制御を行うものである。
このような手法によれば、外部電源として電圧値が同じ電源電圧が印加される場合や電
圧値が異なる電源電圧が印加される場合の何れにおいても、内部回路の各部へ使用目的に
合わせた最適な電圧を印加して低消費電力化、スタンバイモード時の低消費電流化、スタ
ンバイモード時以後の電源安定時での的確な基本動作が行われる。
次に、クーロンカウンタ100のオフセット値の測定方法について説明する。
図15は、本発明のクーロンカウンタ100のオフセット値の測定方法の一例を説明す
るために示した動作処理信号のタイミングチャートである。なお、図15では、「CLO
CK」「「CLKR」「CLKI」「EN」を図示しないが、Timing2〜5におけ
るクロック動作は例えば図11と同じである。また、図15では、オフセット値の測定前
から積分容量Ci1、Ci2にそれぞれ電荷が蓄積されている場合を例にVoutを示
している。
図15に示すように、クーロンカウンタ100のオフセット値の測定を開始するときは
、Timing1(即ち、積分容量Ci1、Ci2の放電操作)は行わないで、Timi
ng2から始める。つまり、積分容量Ci1、Ci2に蓄積された電荷を保持したまま、
オフセット値の測定を開始する。図15に示すように、Timing2では、スイッチS
1、S2がオンとなり、他のスイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2
はオフとなる。これにより、サンプリング容量Cs1、Cs2の入力側電極はVin
Vinからそれぞれ電気的に離された状態となる。このとき、全差動入力オペアンプ1
の負出力端子側の電位Voutと、正出力端子側の電位VoutはそれぞれVCMと
なる。
次に、Timing3では、スイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D
2、S1、S2がオフとなる。これにより、サンプリング容量Cs1、Cs2の入力側電
極は、Vin、Vinからそれぞれ電気的に離された状態に維持され、これら入力側
電極に電位の変化は生じない。即ち、オフセット測定時の入力電圧は0mVに設定される
。その結果、積分容量Ci1、Ci2には入力電圧0mVがそれぞれ積分されることとな
る。ここでは、オフセット値の測定前から積分容量Ci1、Ci2にそれぞれ電荷が蓄積
されているため、VoutはVCMより大きい、又は小さい値となる。例えば、Vou
はVCM−20となる。また、コンパレータ5は、Vout<VCMとなっている
ことを確認して信号QBを出力すると共に、信号QBの出力を基準電圧発生回路3にフィ
ードバックする。これにより、基準電圧発生回路3において、端子Xの電位は50mVに
設定される。
次に、Timing4では、スイッチC1、C2、S1、S2がオンとなり、スイッチ
A1、A2、B1、B2、D1、D2がオフとなる。これにより、基準電圧VREFのサ
ンプリング動作が行われ、Voutは再びVCMとなる。そして、Timing5では
、スイッチD1、D2がオンとなり、スイッチA1、A2、B1、B2、C1、C2、S
1、S2がオフとなる。これにより、サンプリング容量Cs1の出力側電極はVCM−5
0mVとなり、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧50mVに比例した電圧“50
”が生じる。その結果、VoutはVCM−20に“50”が足されて、VCM+30
となる。
次に、2回目のTiming2では、サンプリング容量Cs1、Cs2の入力側電極は
Vin、Vinからそれぞれ電気的に離された状態となり、VoutとVout
は再びVCMとなる。次に、Timing3では、サンプリング容量Cs1、Cs2の入
力側電極はVin、Vinからそれぞれ電気的に離された状態にあるため、積分容量
Ci1、Ci2に入力電圧0mVがそれぞれ積分される。その結果、Voutは例えば
VCM+30となる。また、コンパレータ5は、Vout≧VCMとなっていることを
確認して信号Qを出力すると共に、信号Qの出力を基準電圧発生回路3にフィードバック
する。これにより、基準電圧発生回路3において、端子Xの電位は−50mVに設定され
る。
次に、Timing4では、基準電圧VREFのサンプリング動作が行われるので、V
outは再びVCMとなる。そして、Timing5では、サンプリング容量Cs1の
出力側電極はVCM+50mVとなり、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧−50
mVに比例した電圧“−50”が生じる。これにより、VoutはVCM+30に“−
50”が足されて、VCM−20となる。
以下同様の手順で、例えば、3回目、4回目〜8192回目までTiming2〜5を
繰り返す。そして、8192回まで繰り返すことにより得られた信号Q(+1)、信号Q
B(−1)のカウント値が、1回変換時間当たりのオフセット値である。ここで、全差動
入力オペアンプ1やコンパレータ5のオフセットが完全にゼロ、又は、ゼロに近い場合は
、信号Qと信号QBがそれぞれ4096ずつカウントされ、オフセット値は0(=409
6−4096)となる。また、全差動入力オペアンプ1やコンパレータ5のオフセットが
大きいほど、オフセット値も大きくなる。このように、内部カウンタ11で測定されたオ
フセット値は、内部カウンタ11から出力されて、レジスタ20に保持される。
そして、上述したように、このオフセット値がCMR17から出力される「1回変換時
間当たりのカウント値」と、ACR19から出力される「単位時間当たりのカウント値」
とのオフセット補正に用いられる。
以下はクーロンカウンタ100のオフセット補正方法を説明する。まず、CMR17に
対するオフセット補正方法について説明する。例えば、CMR17から出力される「1回
変換時間当たりのカウント値」が6726で、そのときレジスタ20で保持されているオ
フセット値が10の場合は、オフセットの影響により信号Qが信号QBよりも10多くカ
ウントされている。従って、オフセット補正として「1回変換時間当たりのカウント値」
6726から10の減算を行う。これにより、オフセット補正後の「1回変換時間当たり
のカウント値」は6716(=6726−10)となる。また逆に、CMR17から出力
される「1回変換時間当たりのカウント値」が6726で、そのときレジスタ20で保持
されているオフセット値が−10の場合は、信号Qが信号QBよりも10少なくカウント
されているので、カウント値に対して10の加算を行う。これにより、オフセット補正後
の「1回変換時間当たりのカウント値」は6736(=6726+10)となる。
次に、ACR19に対するオフセット補正方法について説明する。例えば、単位時間=
1回変換時間(約0.8sec)×4096回に設定した場合、単位時間当たりのオフセ
ット値は、(1回変換時間当たりの)オフセット値を4096で割り算し、その値を40
96回積算した値となる。つまり、「単位時間当たりのオフセット値」=「1回変換時間
当たりのオフセット値」となる。従って、例えば、ACR19から出力される「単位時間
当たりのカウント値」が6803で、そのときレジスタ20で保持されているオフセット
値が10の場合は、カウント値に対して10の減算を行う。これにより、オフセット補正
後の「単位時間当たりのカウント値」は6793(=6803−10)となる。また逆に
、ACR19から出力される「単位時間当たりのカウント値」が6803で、そのときレ
ジスタ20で保持されているオフセット値が−10の場合は、カウント値に対して10の
加算を行う。これにより、オフセット補正後の「単位時間当たりのカウント値」は681
3(=6803+10)となる。
なお、オフセット値は、半導体チップの製造バラツキや温度などにより変化する。従っ
て、例えば、1回変換時間×1024回(≒0.8sec×1024≒15min)毎に
、オフセット値の測定を行ってその値をレジスタ20に保持しておくことが好ましい。こ
れにより、最新のオフセット値を「1回変換時間当たりのオフセット値」と「単位時間当
たりのカウント値」とにそれぞれ反映させることができる。
以上のように、本発明の実施形態のクーロンカウンタ100によれば、特許文献1に開
示された従来例とは異なり、コンパレータ5から出力される信号Q、QBの出力数(即ち
、パルス数)は入力電圧に比例した数であり、センス抵抗Rsを流れる電流に比例した数
である。このため、反転ブロックは不要であり、回路規模の縮小化が可能である他、外部
電源として電圧値が同じ電源電圧が印加される場合と電圧値が異なる電源電圧が印加され
る場合との何れにおいても、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して低消費
電力化を図ることができ、チップサイズの小型化並びに低消費電力化が図られる。また、
スタンバイモード時の低消費電流化、スタンバイモード時以後の電源安定時での的確なカ
ウント動作が図られる。
また、特許文献1に開示された従来例では、1変換時間ごとに内部容量の両端をショー
トして放電させているため、1LSB(Least Significant Bit)
以下の僅かな電池充放電電流を検知することはできない。これに対して、本発明の実施形
態では、IC部50の動作開始時(即ち、Timing1のとき)に、積分容量Ci1、
Ci2の両端を一度ショートさせるだけである。変換時間ごとに積分容量Ci1、Ci2
の両端をショートさせる必要はない。従って、カウント動作中に1LSB以下の充放電の
電流が流れていても、積分容量Ci1、Ci2に少しずつ電荷が溜まり続け、それが1L
SB分の電荷まで溜まれば信号Q、QBのカウント値として出力される。このため、1L
SB以下の僅かな電流も検知可能である。
さらに、本実施形態のクーロンカウンタ100のオフセット値の測定方法及びオフセッ
ト値の補正方法によれば、外部電源として電圧値が同じ電源電圧が印加される場合と電圧
値が異なる電源電圧が印加される場合(低電圧な電源電圧がA/D変換回路30に印加さ
れる場合)との何れにおいても、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して低
消費電力化、スタンバイモード時の低消費電流化、スタンバイモード時以後の電源安定時
での的確なカウント動作を図られるようにした上、入力電圧が0Vのときのカウント値(
即ち、オフセット値)を測定することができる他、レジスタ20によりオフセット値が保
持されるので、コンパレータ5から出力されるカウント値に対してオフセット補正するこ
とができ、オフセット値を含まないカウント値を出力することができる。即ち、CMR1
7、ACR19から出力されるカウント値はオフセット値を含むが、その後、オフセット
補正によりこれらのカウント値からオフセット値が取り除かれる。従って、誤差の少ない
カウント値を最終的なカウント値として外部に出力することができる。
上記図15では、Timing2〜5の間、スイッチA1、A2、B1、B2をオフに
して、オフセット値の測定を行う場合について説明した。しかしながら、オフセット値の
測定方法はこれに限られることはない。例えば、図16に示すようなスイッチ操作により
、オフセット値を測定しても良い。
図16は、クーロンカウンタ100のオフセット値の測定方法の他例を説明するために
示した処理信号のタイミングチャートである。なお、図16では、「CLOCK」「「C
LKR」「CLKI」「EN」を図示しないが、Timing2〜5におけるクロック動
作は例えば図12で説明した場合と同じである。また、図15と同様に、図16でも、オ
フセット値の測定前から積分容量Ci1、Ci2にそれぞれ電荷が蓄積されている場合を
例にVoutを示している。
図16に示すように、オフセット値の測定はTiming2から始める。Timing
2では、スイッチA1、A2、S1、S2がオンとなり、他のスイッチB1、B2、C1
、C2、D1、D2はオフとなる。これにより、サンプリング容量Cs1、Cs2の入力
側電極にはそれぞれVin、Vinが印加され、その出力側電極にはVCMが印加さ
れる。また、全差動入力オペアンプ1の負出力端子側の電位Voutと、正出力端子側
の電位VoutはそれぞれVCMとなる。なお、図16に示すように、ここでは、Ti
ming2からTiming3に移行するまでの短期間(例えば、20μsec)に、ス
イッチA1、A2はオンからオフとなる。
次に、Timing3では、スイッチA1、A2が再度オンとなり、スイッチB1、B
2、C1、C2、D1、D2、S1、S2がオフとなる。このとき、サンプリング容量C
s1、Cs2の入力側電極にはVin、Vinが印加されるので、その電位はTim
ing1のときと同じ値となる。従って、サンプリングされる入力電圧は実質的に0mV
となり、積分容量Ci1、Ci2に入力電圧0mVがそれぞれ積分される。図16では、
オフセット値の測定前から積分容量Ci1、Ci2にそれぞれ電荷が蓄積されている場合
を想定しているので、Voutは例えばVCM−20となる。また、コンパレータ5は
、Vout<VCMとなっていることを確認して信号QBを出力すると共に、信号QB
の出力を基準電圧発生回路3にフィードバックする。これにより、基準電圧発生回路3に
おいて、端子Xの電位は50mVに設定される。
Timing4、5のスイッチ操作は図15で説明した場合と同じである。即ち、Ti
ming4では、基準電圧VREFのサンプリング動作が行われるので、Voutは再
びVCMとなる。そして、Timing5では、サンプリング容量Cs1の出力側電極は
VCM−50mVとなり、積分容量Ci1の入力側電極には基準電圧50mVに比例した
電圧“50”が生じる。これにより、VoutはVCM−20に“50”が足されて、
VCM+30となる。
以下同様の手順で、例えば、2回目、3回目〜8192回目までTiming2〜5を
繰り返す。上述した一例の場合と同様、Timing2のときのVoutがVout
≧VCMとなっているときは信号Qを出力すると共に、端子Xの電位を−50mVに設定
する。また、Timing2のときのVoutがVout<VCMとなっているとき
は信号QBを出力すると共に、端子Xの電位を50mVに設定する。そして、Timin
g2〜5を8192回まで繰り返すことにより得られた信号Q(+1)、信号QB(−1
)のカウント値が、1回変換時間当たりのオフセット値である。
このように、図16のTiming2、3で、スイッチA1、A2を2回続けてオンす
ることにより、それぞれ入力電圧0mVを作り出している。従って、入力電圧0mV時の
Voutを出力することができ、このときの信号Q,QBのカウント値をオフセット値
として測定することができる。
なお、先の図15を参照して説明したオフセット値の測定方法の一例と、図16を参照
して説明したオフセット値の測定方法の他例は、基本的に、サンプリング容量Cs1、C
s2でサンプリングされる電圧を一定にすることで、システムSの側で電圧を制御しなく
ても、入力電圧0mVを作り出すという点で同じである。しかしながら、一例の方は他例
の場合と比べて大きな利点がある。それは、一例の方では、センス抵抗Rsとサンプリン
グ容量Cs1、Cs2との間は電気的に離れているので、サンプリング期間中にセンス抵
抗Rsの両端の電位が変化した場合でも、サンプリング容量Cs1、Cs2の入力側電極
には影響が生じないという点である。
即ち、他例の方では、Timing2(1回目のスイッチA1、A2をオン)とTim
ing3(2回目のスイッチA1、A2をオン)との間の僅かな時間に、センス抵抗Rs
を流れる電流が変化すると、入力電圧が0mVから変化してしまう。このため、センス抵
抗Rsを流れる電流の変化が大きい場合は、オフセット値を正確に測定することができな
い可能性がある。これに対して、一例の方では、センス抵抗Rsとサンプリング容量Cs
1、Cs2との間は電気的に離れているので、センス抵抗Rsの電流変化に関わりなく、
入力電圧を0mVに維持することができる。従って、オフセット値をより正しく測定する
ことができる。
なお、オフセット値の測定方法の他例によりオフセット値を測定するステップと、測定
されたオフセット値をレジスタ20で保持するステップと、入力電圧に応じてコンパレー
タ5から出力されるカウント値に対して、レジスタ20で保持されているオフセット値を
反映させるステップとを含むようにオフセット値の補正を実行した場合においても、一例
で説明した場合と同様に、外部電源として電圧値が同じ電源電圧が印加される場合と電圧
値が異なる電源電圧が印加される場合(低電圧な電源電圧がA/D変換回路30に印加さ
れる場合)との何れにおいても、内部回路へ使用目的に合わせた最適な電圧を印加して低
消費電力化、スタンバイモード時の低消費電流化、スタンバイモード時以後の電源安定時
での的確なカウント動作を図られるようにした上、コンパレータ5から出力されるカウン
ト値をオフセット補正することができ、オフセット補正された誤差の少ないカウント値を
出力することができる。
本発明の実施形態に係るクーロンカウンタ100とシステムSとの関係を示す図。 入力電圧とカウント値との関係を示す図。 図1に示すクーロンカウンタ100のIC部50の回路構成を例示した図である。 実施形態に適用される一例に係る内部電源生成回路32の概略構成を示した回路ブロック図である。 実施形態に適用される他例に係る内部電源生成回路42の概略構成を示した回路ブロック図である。 図4に示した内部電源生成回路32の細部構成を例示した回路図である。 図6に示した内部電源生成回路32に備えられるオペアンプOP2の細部構成を例示した回路図である。 図4に示す内部電源生成回路32の応用例に係る概略構成を示したものである。 図5に示す内部電源生成回路33の応用例に係る概略構成を示したものである。 図8に示した内部電圧生成回路32、並びに図9に示した内部電圧生成回路33に適用される電源立ち上げ機能のシーケンスを示したものである。 図3に示すIC部50に備えられるロジック回路10の回路構成を例示したブロック図である。 図3に示すIC部50に備えられるスイッチの動作例を示したタイミングチャートである。 入力電圧の信号Q,QBへの変換方法を示した図である。 信号Q,QBのカウント方法を示す図である。 クーロンカウンタ100のオフセット値の測定方法の一例を説明するために示した動作処理信号のタイミングチャートである。 クーロンカウンタ100のオフセット値の測定方法の他例を説明するために示した動作処理信号のタイミングチャートである。
符号の説明
1 全差動入力オペアンプ、3 基準電圧発生回路(VREF)、5 コンパレータ、
10 ロジック回路、11 内部カウンタ、13 分周器、15 更新パルス発生器、1
7 CMR、18 演算回路、19 ACR、20 レジスタ、30 A/D変換回路、
31 発振回路、32、33 内部電源生成回路、A1、A2、B1、B2、C1、C2
、D1、D2、S1、S2、R1、R2、I1、I2 スイッチ、Cs1、Cs2 サン
プリング容量、Ci1、Ci2 積分容量、OP1〜OP3 オペアンプ、R1、R2
抵抗器、Tr1〜Tr3 トランジスタ

Claims (12)

  1. 検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を
    出力するクーロンカウンタであって、
    スイッチ素子と第1のキャパシタ及び第2のキャパシタとを有し、前記スイッチ素子が
    操作されることにより、前記入力電圧を前記第1のキャパシタでサンプリングすると共に
    、サンプリングされた前記入力電圧に比例する電圧を前記第2のキャパシタで積分するス
    イッチト・キャパシタ方式の積分回路と、前記積分回路から出力される出力電圧を基準値
    と比較して、前記出力電圧が前記基準値以上の場合は第1の信号を出力し、前記出力電圧
    が前記基準値未満の場合は第2の信号を出力する比較回路と、を含むA/D変換回路と、
    前記比較回路から出力される前記第1の信号と前記第2の信号とを一定時間カウントし
    てその差を前記カウント値として出力するカウント回路と、前記カウント値に含まれるオ
    フセット値を保持する記憶回路と、を含むロジック回路と、
    前記ロジック回路による動作処理のタイミングを指示するためのクロック信号を生成す
    る発振回路と、
    外部電源として印加された電源電圧を降圧させ、前記電源電圧よりも低電圧な第1の電
    圧、前記第1の電圧よりも低電圧な第2の電圧、前記第2の電圧よりも低電圧な第3の電
    圧を生成し、且つ前記第1の電圧を前記A/D変換回路、前記第2の電圧を前記ロジック
    回路、前記第3の電圧を前記発振回路へそれぞれ印加する内部電源生成回路と、を備えた
    ことを特徴とするクーロンカウンタ。
  2. 前記内部電源生成回路は、外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部
    から与えられる停止コマンドにより前記A/D変換回路に対する前記第1の電圧の印加、
    並びに前記発振回路に対する前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部から与えられ
    る降圧コマンドにより前記ロジック回路に印加する前記第2の電圧を降圧させる機能を持
    つことを特徴とする請求項1記載のクーロンカウンタ。
  3. 前記内部電源生成回路は、前記スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマ
    ンドにより前記ロジック回路を前記第2の電圧へ昇圧されるように立ち上げた後、前記A
    /D変換回路に前記第1の電圧を印加するように立ち上げ、次に前記発振回路に前記第3
    の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ機能を持つことを特徴とす
    る請求項2記載のクーロンカウンタ。
  4. 検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を
    出力するクーロンカウンタであって、
    スイッチ素子と第1のキャパシタ及び第2のキャパシタとを有し、前記スイッチ素子が
    操作されることにより、前記入力電圧を前記第1のキャパシタでサンプリングすると共に
    、サンプリングされた前記入力電圧に比例する電圧を前記第2のキャパシタで積分するス
    イッチト・キャパシタ方式の積分回路と、前記積分回路から出力される出力電圧を基準値
    と比較して、前記出力電圧が前記基準値以上の場合は第1の信号を出力し、前記出力電圧
    が前記基準値未満の場合は第2の信号を出力する比較回路と、を含むA/D変換回路と、
    前記比較回路から出力される前記第1の信号と前記第2の信号とを一定時間カウントし
    てその差を前記カウント値として出力するカウント回路と、前記カウント値に含まれるオ
    フセット値を保持する記憶回路と、を含むロジック回路と、
    前記ロジック回路による動作処理のタイミングを指示するためのクロック信号を生成す
    る発振回路と、を備え、
    前記A/D変換回路には、外部電源として印加される電圧値が異なる2系統の電源電圧
    のうちの一方の第1の電圧が印加され、
    更に、前記電源電圧のうちの他方を降圧させ、前記第1の電圧よりも低電圧な第2の電
    圧、前記第2の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成し、且つ前記第2の電圧を前記ロジ
    ック回路、前記第3の電圧を前記発振回路へそれぞれ印加する内部電源生成回路を備えた
    ことを特徴とするクーロンカウンタ。
  5. 前記A/D変換回路は、外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部か
    ら与えられる停止コマンドにより前記第1の電圧の印加が停止されるもので、前記内部電
    源生成回路は、前記スタンバイモード時に外部から与えられる停止コマンドにより前記発
    振回路に対する前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部から与えられる降圧コマン
    ドにより前記ロジック回路に印加する前記第2の電圧を降圧させる機能を持つことを特徴
    とする請求項4記載のクーロンカウンタ。
  6. 前記内部電源生成回路は、前記スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマ
    ンドにより前記ロジック回路を前記第2の電圧へ昇圧されるように立ち上げた後、前記A
    /D変換回路に対する前記第1の電圧の印加による立ち上げが終了してから前記発振回路
    に前記第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ機能を持つこと
    を特徴とする請求項5記載のクーロンカウンタ。
  7. 検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を
    出力するクーロンカウンタの内部回路へ外部電源が印加される際、前記外部電源として印
    加された電源電圧を降圧させ、前記電源電圧よりも低電圧な第1の電圧、前記第1の電圧よ
    りも低電圧な第2の電圧、前記第2の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成して前記内部
    回路の別個な各部へそれぞれ印加することを特徴とするクーロンカウンタの内部電源生成
    方法。
  8. 外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマン
    ドにより前記第1の電圧の印加、並びに前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部か
    ら与えられる降圧コマンドにより前記第2の電圧を降圧させる制御を行うことを特徴とす
    る請求項7記載のクーロンカウンタの内部電源生成方法に適用されるクーロンカウンタの
    内部電源制御方法。
  9. 前記スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより前記第2の電圧
    へ昇圧されるように立ち上げた後、前記第1の電圧を印加するように立ち上げ、次に前記
    第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ制御を行うことを特徴
    とする請求項8記載のクーロンカウンタの内部電源制御方法。
  10. 検出抵抗の両端に生じる電位差を入力電圧とし、前記入力電圧に比例したカウント値を
    出力するクーロンカウンタの内部回路へ外部電源として電圧値が異なる2系統の電源電圧
    が印加される際、前記電源電圧のうちの一方を前記内部回路の一部へ印加される第1の電
    圧とすると共に、他方を降圧させて前記第1の電圧よりも低電圧な第2の電圧、前記第2
    の電圧よりも低電圧な第3の電圧を生成して前記内部回路の別個な他部へそれぞれ印加す
    ることを特徴とするクーロンカウンタの内部電源生成方法。
  11. 外部電源投入時の待機時間を示すスタンバイモード時に外部から与えられる停止コマン
    ドにより前記第1の電圧の印加が停止されたとき、前記スタンバイモード時に外部から与
    えられる停止コマンドにより前記第3の電圧の印加を停止すると共に、外部から与えられ
    る降圧コマンドにより前記第2の電圧を降圧させる制御を行うことを特徴とする請求項1
    0記載のクーロンカウンタの内部電源生成方法に適用されるクーロンカウンタの内部電源
    制御方法。
  12. 前記スタンバイモード時以後に外部から与えられる昇圧コマンドにより前記第2の電圧
    へ昇圧されるように立ち上げた後、前記第1の電圧の印加による立ち上げが終了してから
    前記第3の電圧を印加するように立ち上げるシーケンスの電源立ち上げ制御を行うことを
    特徴とする請求項11記載のクーロンカウンタの内部電源制御方法。
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