JP2009191726A - 排気浄化装置及び排気浄化方法 - Google Patents

排気浄化装置及び排気浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタの再生処理に際してオイル希釈割合を悪化させることなくフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させ得る装置を提供する。
【解決手段】フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路(10)に出て触媒(14)にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行う第1ポスト噴射実行手段(21)と、この第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路(10)に出て触媒(14)にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行う第2ポスト噴射実行手段(21)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気浄化装置及び排気浄化方法、特にディーゼルエンジンの排気中のパティキュレートを捕集するフィルタの再生処理に関する。
排気通路に触媒付きフィルタを備え、このフィルタに堆積したパティキュレート量が所定値を超えたとき、燃料噴射弁によるメイン噴射直後の膨張行程前半(例えばATDC40〜90deg)にポスト噴射を実行し、これによって触媒付きフィルタの再生処理を行わせるものがある(特許文献1参照)。
特許第3671455号公報
ところで、上記特許文献1の技術においてメイン噴射直後の膨張行程前半にポスト噴射を実行するのは、ポスト噴射の燃料をまだ温度が高い燃焼室内で燃焼させることにより排気温度を上昇させ、この高温の排気をフィルタに流すことによってフィルタのパティキュレートを燃焼させようとする趣旨である。
しかしながら、発明者の実験によると、特許文献1の技術によれば、必ずしも最適にフィルタの再生処理を行われているわけでないことが判明している。
これについて図2を参照して説明すると、ポスト噴射時期が例えば膨張行程前半にある(進角側の)所定値Bであるとき、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃焼する分が多くなり、このため触媒上流の排気温度が図2上段のように高くなるものの、燃焼室内で燃焼することなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が少なくなるため、触媒温度は図2中段のように低いままである。これは、触媒は未燃燃料を酸化することによって温度上昇するので、触媒にまで到達する燃料分が少ないと昇温しようがないためである。この逆に、ポスト噴射時期が例えば膨張行程後半または排気行程にある(遅角側の)所定値Aであるとき、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃焼する分が少なくこれを受けて触媒上流の排気温度が図2上段のように低いままであるのに対して、燃焼室内で燃焼することなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が多くなり、この燃料分を触媒が酸化(燃焼)させることによって触媒温度が図2中段のように上昇し、パティキュレートの自着火温度(700℃程度)にまで到達している。
このようなポスト噴射時期に対する触媒上流の排気温度と触媒温度の各特性に鑑みたとき、フィルタ内のパティキュレートの燃焼に資する温度は触媒上流の排気温度ではなくてむしろ触媒温度である。従って、特許文献1の技術のようにポスト噴射の燃料を膨張行程前半で噴射して燃焼室内で燃焼させることにより排気温度を上昇させたのでは、燃焼室内で燃焼することなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が少なくなり、触媒温度は低いままとなり、フィルタ温度がパティキュレートの自着火温度にまで上昇せずフィルタ内のパティキュレートが燃焼を開始しないことが考えられる。
そこで、図2においてポスト噴射時期を例えば膨張行程後半または排気行程にある所定値Aへと遅角することにより、燃焼室内で燃焼することなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分を多くしてやれば、触媒温度が上昇し、フィルタ温度がパティキュレートの自着火温度にまで上昇するものと思われる。
しかしながら、フィルタの再生処理中ずっとポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程にある所定値Aに維持したのでは、オイル希釈割合が図2下段のように所定値Cへと大きくなってしまう。
このように、フィルタの再生処理をポスト噴射で行わせる場合に、ポスト噴射時期を膨張行程前半にある(進角側の)所定値Bにフィルタの再生処理中ずっと維持する特許文献1の方法ではフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度にまで上昇せずフィルタ内のパティキュレートが燃焼を開始しない可能性があり、またポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程にある(遅角側の)所定値Aにフィルタの再生処理中ずっと維持する方法ではオイル希釈割合が悪化してしまうのである。
そこで本発明は、フィルタの再生処理に際してオイル希釈割合を悪化させることなくフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させ得る装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁(9)と、排気通路に設けられ排気中のパティキュレートを捕集するフィルタ(13)と、このフィルタ(13)の上流にフィルタ(13)と別体で設けられるかまたはフィルタ(13)内に担持され排気中の未燃成分または一酸化炭素を燃焼させる触媒(14)とを備え、前記フィルタ(13)の再生時期になった場合に前記燃料噴射弁(9)を用いたメイン噴射直後の膨張行程または排気行程で前記燃料噴射弁を用いたポスト噴射を行って前記フィルタ(13)の再生処理を行わせるようにした排気浄化装置及び排気浄化方法において、前記フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路(10)に出て前記触媒(14)にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行い、この第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路(10)に出て前記触媒(14)にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行うように構成する。
ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が多くなるようにすれば、触媒に到達した燃料分を触媒が酸化することで触媒温度が上昇し、この触媒温度の上昇を受けてフィルタ温度が昇温するため確実にフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させて、フィルタ内のパティキュレートに種火を形成することができる。そして、フィルタ内のパティキュレートに種火が一旦形成された後には、この種火から周囲のパティキュレートに燃焼が伝播する過程を進む特性がある。すなわちフィルタ内のパティキュレートに種火を形成した後には、種火を形成したときの温度よりフィルタ温度を低下させても、フィルタ内のパティキュレートの燃焼が継続することが分かっている。本発明は、こうした実験結果を受けて創作されたものである。すなわち、本発明によれば、フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行うので、確実にフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させて、フィルタ内のパティキュレートに種火を形成することができる。
次に、第1の発明によれば、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行うので、フィルタの再生処理中ずっと第1のポスト噴射を継続して実行する場合に比べてオイル希釈割合を小さいレベルに保つことができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略構成図である。図1において、ディーゼルエンジン1の吸気通路2には可変ノズル型のターボチャージャ3の吸気コンプレッサが備えられ、吸入空気は吸気コンプレッサによって過給され、インタークーラ4で冷却され、吸気絞り弁5を通過した後、コレクタ6を経て、各気筒の燃焼室内へ流入する。燃料は、コモンレール式燃料噴射装置により、すなわち、高圧燃料ポンプ7により高圧化されてコモンレール8に送られ、各気筒の燃料噴射弁9から燃焼室内へ直接噴射される。燃焼室内に流入した空気と燃料噴射弁9から噴射された燃料はここで圧縮着火により燃焼し、排気は排気通路10へ流出する。
排気通路10へ流出した排気の一部は、EGRガスとして、EGR通路11によりEGR弁12を介して吸気側に還流される。排気の残りは、可変ノズル型のターボチャージャ3の排気タービンを通り、排気タービンを駆動する。
エンジンコントロールユニット21には、アクセルセンサ22からのアクセル開度(アクセルペダルの踏込量のこと)、クランク角センサ23からのエンジン回転速度の各信号が入力されている。そしてコントロールユニット21では、エンジン負荷(アクセル開度など)及びエンジン回転速度に基づいて、メイン噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量を算出し、これらに対応する開弁指令信号を燃料噴射弁9に出力する。また、エンジンコントロールユニット21では、目標EGR率と目標吸入空気量とが得られるようにEGR制御と過給圧制御を協調して行う。なお、エンジンコントロールユニット21は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成されている。
排気通路10の排気タービン下流には、排気中のパティキュレートを捕集するフィルタ(DPF)13を配置してある。フィルタ13のパティキュレート堆積量が所定値(閾値)に達すると、エンジンコントロールユニット21ではメイン噴射直後の膨張行程あるいは排気行程でポスト噴射を行うことにより、フィルタ13の再生処理を行い、フィルタ13に堆積しているパティキュレートを燃焼除去し、フィルタ13を再生する。すなわち、目標となる再生温度が得られるようにエンジンの負荷と回転速度と(運転条件)に応じてポスト噴射量とポスト噴射時期とを予め定めており、そのときのエンジンの負荷と回転速度とに応じたポスト噴射量とポスト噴射時期とが得られるようにポスト噴射を行う。
フィルタ13に堆積しているパティキュレートの全てが燃焼除去される完全再生を行わせるには再生処理時にフィルタ13の許容温度を超えない範囲で少しでもパティキュレートの燃焼温度を高めてやることが必要となる。このため本実施形態ではフィルタ13の上流に酸化触媒(貴金属)14を配置してある。この触媒14によりフィルタ13の再生処理のためのポスト噴射によって流入する排気成分(HC、CO)を燃焼させてフィルタ13の温度を高めフィルタ13内のパティキュレートの燃焼を促進させる。なお、触媒14をフィルタ13の手前に別体で設けるのでなくフィルタ13を構成する担体に酸化触媒をコーティングしてもよい。このときには、パティキュレートが燃焼する際の酸化反応を促進してその分フィルタ41の温度を実質的に上昇させ、フィルタ13内のパティキュレートの燃焼を促進させることとなる。
なお、触媒14は酸化触媒に限られない。酸化機能を備える触媒(例えば三元触媒)であれば、酸化触媒に代えることができる。
さて、ポスト噴射によってフィルタ13の再生処理を行わせる場合に、ポスト噴射の燃料をまだ温度が高い燃焼室内で燃焼させるためメイン噴射直後の膨張行程前半(例えばATDC40〜90deg)にポスト噴射を実行することにより排気温度を上昇させ、この高温の排気をフィルタ13に流すことによってフィルタ13内のパティキュレートを燃焼させようとする従来装置がある。
しかしながら、発明者の実験によると、従来装置によれば、必ずしも最適にフィルタ13の再生処理を行われているわけでないことが判明している。これについて説明すると、図2はポスト噴射時期を相違させたときに触媒上流の排気温度と触媒温度とがどのように変化するのかをまとめた本発明者の実験結果で、図2に示したようにポスト噴射時期に対する触媒上流の排気温度と触媒温度の各特性が相反するような特性となっている。つまり、ポスト噴射時期が例えば膨張行程前半にある(進角側の)所定値Bのとき、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃焼する分が多くなり、このため触媒上流の排気温度が図2上段のように高くなるものの、燃焼室内で燃焼することなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が少なくなり、触媒温度は図2中段のように低いままである。これは、触媒14は未燃燃料を酸化することによって温度上昇するので、触媒14にまで到達する燃料分が少ないと昇温しようがないためである。この逆に、ポスト噴射時期が例えば膨張行程後半または排気行程にある(遅角側の)所定値Aのとき、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃焼する分が少なくこれを受けて触媒上流の排気温度が図2上段のように低いままであるのに対して、燃焼室内で燃焼することなく排気通路10に出て触媒14まで到達する燃料分が多くなり、この燃料分を触媒14が酸化(燃焼)させることによって触媒温度が図2中段のように上昇し、パティキュレートの自着火温度(700℃程度)にまで到達している。
このようなポスト噴射時期に対する触媒上流の排気温度と触媒温度の各特性に鑑みたとき、フィルタ13に堆積しているパティキュレートの燃焼に資する温度は触媒上流の排気温度ではなくてむしろ触媒温度である。従って、特許文献1の技術のようにポスト噴射の燃料を膨張行程前半で噴射して燃焼室内で燃焼させることにより触媒上流の排気温度を上昇させたのでは、燃焼室内で燃焼することなく排気通路10に出て触媒に14まで到達する燃料分が少なくなり、触媒温度は低いままとなり、フィルタ温度(=触媒温度)がパティキュレートの自着火温度にまで上昇せずフィルタ13内のパティキュレートが燃焼を開始しないことが考えられるのである。
この場合、図2においてポスト噴射時期を例えば膨張行程後半または排気行程にある所定値Aへと遅角することにより、燃焼室内で燃焼することなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分を多くしてやれば、触媒温度が上昇し、フィルタ温度がパティキュレートの自着火温度にまで上昇するものと思われる。
しかしながら、オイル希釈割合は図2下段に示すようにポスト噴射時期を遅角させるほど悪化する特性であるため、フィルタ13の再生処理中ずっとポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程にある所定値Aに維持したのでは、オイル希釈割合が図2下段のように所定値Cへと大きいままとなってしまう。
ここで、「オイル希釈」とは、ポスト噴射により燃料噴射弁9から噴かれた燃料がシリンダ壁に衝突して壁流となり、シリンダ壁に形成された壁流燃料がピストンリングとシリンダ壁の間をすり抜けてクランク室内に入り、クランク室内のオイルに混入していく現象のことである。図2の下段に示したようにポスト噴射時期が進角側にあるほどオイル希釈割合が小さくなるのは、ポスト噴射時期が進角側にあるほどピストン位置が上死点位置に近づいて燃料噴射弁9から噴かれた燃料が衝突するシリンダ壁面積が小さくなるためである。この逆に、ポスト噴射時期が遅角側にあるほどピストン位置が上死点位置より遠ざかり、燃料噴射弁9から噴かれた燃料が衝突するシリンダ壁面積が大きくなるため、オイル希釈割合が大きくなる。オイル希釈割合が大きくなるほど燃費が悪くなる。
このように、フィルタ13の再生処理をポスト噴射で行わせる場合に、ポスト噴射時期を膨張行程前半にある(進角側の)所定値Bにフィルタの再生処理中ずっと維持する従来装置の方法ではフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度にまで上昇せずフィルタ13内のパティキュレートが燃焼を開始しない可能性があり、またポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程にある(遅角側の)所定値Aにフィルタの再生処理中ずっと維持する方法ではオイル希釈割合が悪化してしまうのである。
そこで本発明は、フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行い、この第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行うことで、オイル希釈割合を悪化させることなくフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させてフィルタ13の再生処理を最適に行わせることとする。多気筒エンジンではこうしたフィルタの再生処理を各気筒毎に行わせる。
以下、第1のポスト噴射、第2のポスト噴射の順に図2を参照して具体的に説明する。
まず第1のポスト噴射については、目標ポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程中にある所定値Aとしてフィルタ13内のパティキュレートに火種を形成することである。ここで、火種を形成するためのポスト噴射時期とポスト噴射量とはエンジンの負荷と回転速度(つまり運転条件)により相違するので、火種を形成するためのポスト噴射時期とポスト噴射量とをマップ値で与える(図6、図7参照)。
ただし、燃料噴射弁9の流量特性のバラツキや経時劣化により実際にはフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達せず、フィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されないことが考えられるので、実際の排気温度に基づいて目標ポスト噴射時期のフィードバック制御を行う。すなわち、フィルタ温度(=触媒温度)が700℃程度でフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成され(つまり700℃程度がパティキュレートの自着火温度である)、700℃を超えるとその火種から燃焼の伝播が生じるのであるが、その際のパティキュレート燃焼速度は非常に速いことが実験により分かっている(図8参照)。この場合に、フィルタ温度(=触媒温度)がパティキュレートの自着火温度となるときの触媒上流の排気温度は図2上段に示したように600℃程度である。従って、フィルタ13内のパティキュレートに火種を形成するには、600℃程度を第1規定排気温度Treg1として設定し、フィルタ13の再生処理の開始当初に実際の触媒上流の排気温度が第1規定排気温度Treg1を超えていれば燃料噴射弁9の流量特性のバラツキや経時劣化が生じていると判断し、実際の触媒上流の排気温度が第1規定排気温度Treg1以下となるまで目標ポスト噴射時期を遅角側に補正してやればよい。
第2のポスト噴射については目標ポスト噴射時期を膨張行程前半にある所定値Bとして火種からの燃焼伝播を継続させることである。この場合に、オイル希釈割合が第2のポスト噴射実行時における目標値(この目標値を例えば所定値Dとする。)となるときの触媒上流の排気温度が650℃程度であったとすると、オイル希釈割合が所定値Dとなるようにするには、650℃程度を第2規定排気温度Treg2として設定し、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、触媒上流の排気温度がこの第2規定排気温度Treg2未満であれば触媒上流の排気温度がこの第2規定排気温度Treg2以上となるまで目標ポスト噴射時期を進角側に補正してやればよい。
第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達したか否か(第2のポスト噴射を開始するか否か)は、フィルタ13の再生処理の開始からの経過時間に基づいて判定する。すなわち、フィルタ13の再生処理の開始からの経過時間と所定値(Time1)とを比較し、フィルタ13の再生処理の開始からの経過時間が所定値(Time1)以上となった場合に第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達したと判定する。
第2のポスト噴射の終了タイミング(フィルタ再生処理の終了タイミング)は、第1のポスト噴射の終了からの経過時間あるいは第2のポスト噴射の開始からの経過時間に基づいて判定する。すなわち、第1のポスト噴射の終了からの経過時間あるいは第2のポスト噴射の開始からの経過時間と所定値(Time2)とを比較し、第1のポスト噴射の終了からの経過時間あるいは第2のポスト噴射の開始からの経過時間が所定値(Time2)以上となった場合に第2のポスト噴射の終了タイミング(フィルタ再生処理の終了タイミング)になったと判定する。
エンジンコントロールユニット21で行われるこのフィルタ13の再生処理をフローチャートに基づいて説明する。
図3、図4、図5のフローチャートはフィルタ13の再生処理を行うためのもので、一定周期で繰り返し実行する。具体的には、実行するタイミングは各気筒毎に圧縮上死点位置になったタイミングである。ただし、ポスト噴射を実行するタイミングはこのタイミングではなく、算出した目標ポスト噴射時期となったときである。フローを正確に書こうとすると複雑になるのでそうすることはせず、タイミングの相違する操作が混在することになっている。
ステップ1では、エンジンの負荷、回転速度、温度センサ24により検出される触媒14上流の排気温度(触媒14上流の排気温度を以下単に「排気温度」という。)Texh、差圧センサ26により検出されるフィルタ13の圧力損失ΔP、温度センサ27により検出されるフィルタ温度(フィルタ温度)Tfilを読み込む。ここで、フィルタ温度としては、フィルタ13の再生処理中においてフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されている状態やその火種より燃焼伝播が生じている状態での温度を扱うので、温度センサ27はフィルタ13の出口またはフィルタ13の中央位置に設けることが必要である。
ステップ2では、フィルタ13のパティキュレート堆積量(PM堆積量)を算出(予測)する。ここで、パティキュレート堆積量は、差圧センサ26により検出されるフィルタ13の圧力損失ΔPと排気流量とから予測するようにしても良いし、エンジンの運転状態に応じた単位時間当たりのパティキュレートの堆積量を算出すると共に、このパティキュレートの堆積量を積算することにより予測しても良い。ここに挙げたパティキュレート堆積量を予測する方法は特開2004−197722号公報に記載されているので、ここではその説明を省略する。
ステップ3、4では、火種形成フラグ、伝播維持フラグをみる。ここではエンジン始動時に火種形成フラグ=0、伝播維持フラグ=0に初期設定されているものとすると、このときステップ5に進み、パティキュレート堆積量と所定値PM1を比較する。パティキュレート堆積量が所定値PM1以下であるときはフィルタ13の再生時期になっていないので、そのまま処理を終了する。
パティキュレート堆積量が所定値PM1を超えると、フィルタ13の再生時期になったと判断し、フィルタ13の再生処理を行わせるためステップ6に進んで火種形成フラグ=1とする。
この火種形成フラグ=1により、次回には図3のステップ3より図4のステップ7以降に進む。
図4は第1のポスト噴射を行う部分である。第1のポスト噴射を行うとは、フィルタ再生処理開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせたポスト噴射を行うことである。
図4においてステップ7では前回の火種形成フラグの値をみる。図3のステップ3で今回に火種形成フラグ=1でありかつ図4のステップ7で前回に火種形成フラグ=0であった、つまり火種形成フラグがゼロから1に切換わったときにはフィルタ13の再生処理を開始するタイミングであると判断し、ステップ8、9、10に進む。
ステップ8ではエンジンの負荷と回転速度から図6を内容とするマップを検索することにより基本ポスト噴射時期ITPbase[degATDC]を、図7を内容とするマップを検索することにより基本ポスト噴射量QPbaseをそれぞれ求め、これら求めた基本ポスト噴射時期ITPbase、基本ポスト噴射量QPbaseを目標ポスト噴射時期ITPm、目標ポスト噴射量QPmに移し、これら目標ポスト噴射時期ITPmと目標ポスト噴射量QPmとを用いステップ9でポスト噴射を行う。
ここで、基本ポスト噴射時期ITPbaseはフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されるように定めたポスト噴射時期である。図2でいうとポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃焼することなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が多くなり、この燃料分を触媒14が酸化(燃焼)させることによって触媒温度が、フィルタ13内のパティキュレートに火種が形成される温度に上昇するような膨張行程後半または排気行程中の所定値Aを狙うものである。
図2は所定のエンジン負荷と回転速度とから定まる1つの運転条件での特性であるため、運転条件つまりエンジン負荷と回転速度とが異なれば、図2の特性も多少相違したものとなる。そこで、運転条件を相違させた図2の各特性を求めることで各運転条件毎にフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成される温度に上昇するような最適な所定値Aをそれぞれ決定することができる。図6はこの所定値Aのデータを集めて作成したものである。図6に示したようにエンジン回転速度一定の条件で基本ポスト噴射時期ITPbaseを低負荷ほど進角している理由は、燃焼室内温度が低下する低負荷で進角させて燃焼室内での着火性を高めるためである。なお、フィルタ再生処理のためのポスト噴射は膨張行程あるいは排気行程で行うので、基本ポスト噴射時期ITPbaseの単位は圧縮上死点を起点として遅角側に計測したクランク角[degATDC]としている。
上記の基本ポスト噴射量QPbaseは基本ポスト噴射時期でポスト噴射を行う場合、つまり触媒温度(=フィルタ温度)が高くなった状態でフィルタ13内のパティキュレートに火種を作るための燃料である。この燃料が多すぎると火種からの燃焼伝播が生じフィルタ温度が過度に上昇してフィルタ13の耐久性が悪くなるので、種火が作られるだけの値を定めている。図7に示したように基本ポスト噴射量QPbaseをエンジンの負荷と回転速度に応じた可変値としているのは、負荷と回転速度が相違してもフィルタ13内のパティキュレートに火種が作られるようにかつ火種からの燃焼伝播が生じてフィルタ温度が過度に上昇しないようにするためである。エンジン回転速度一定の条件で低負荷ほど基本ポスト噴射量QPbaseを多くしているのは、低負荷で火種を作るためにはポスト噴射量を多く必要とするためである。
ステップ10では第1タイマを起動する(t1=0)。このタイマは、火種形成フラグがゼロから1に切換わってからの経過時間(フィルタ再生処理を開始してからの経過時間)を計測するためのものである。
図3のステップ3で今回に火種形成フラグ=1でありかつ図4のステップ7で前回に火種形成フラグ=1であった、つまり火種形成フラグが1を継続するときには図4のステップ7より図4のステップ11以降に進む。
ステップ11〜14は燃料噴射弁9の流量特性のバラツキや経時劣化により実際には触媒温度(=フィルタ温度)がパティキュレートの自着火温度に到達せず、フィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されないことが考え得るため、実際の排気温度に基づいて目標ポスト噴射時期のフィードバック制御を行う部分である。
まずステップ11では温度センサ24により検出される排気温度Texhと第1規定排気温度Treg1とを比較する。ここで、燃料噴射弁9の流量特性のバラツキや経時劣化により排気温度Texhが高すぎることになっているとフィルタ13内のパティキュレートに火種は形成されない。これは、排気温度Texhが高いということは、ポスト噴射量のうち燃焼室内で燃焼してしまう燃料分が多くなり、燃焼室内で燃焼することなく触媒14に供給される燃料分が少なくなっていることを意味し、燃焼室内で燃焼することなく触媒14に供給される燃料分が少なっていると触媒温度(=フィルタ温度)が上昇せず、フィルタ13内のパテキュレートに火種が形成されないためである。
上記の第1規定排気温度Treg1はフィルタ13内のパテキューレートに火種が形成され得る排気温度の上限値で、例えば600℃程度である。ステップ11で排気温度Texhが第1規定排気温度Treg1より高いときには、燃料噴射弁9の流量特性のバラツキや経時劣化により排気温度が高すぎるために触媒温度がパティキュレートの自着火温度に到達しておらずフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されないと判断し、火種が形成される温度にまで排気温度を下げるためステップ12に進み、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmを遅角補正する。例えば、ポスト噴射時期の遅角補正量をΔITP1とすれば、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmにこの遅角補正量ΔITP1を加算した値を改めて目標ポスト噴射時期ITPmとする。ステップ13では図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmをそのまま維持する。ステップ14では遅角補正された目標ポスト噴射時期ITPとこの維持される目標ポスト噴射量QPmとを用いて、ポスト噴射を実行する。
目標ポスト噴射時期ITPmを遅角補正すると、ポスト噴射量のうち燃焼室内で燃焼することなく排気通路10に排出される燃料分が目標ポスト噴射時期ITPmを遅角補正する前より増えるため、そのぶん実際の排気温度が低下する。その一方で、ポスト噴射量のうち燃焼室内で燃焼するこことなく触媒14に供給される燃料分が目標ポスト噴射時期を遅角補正する前より増えるため、そのぶん実際の触媒温度(=フィルタ温度)が上昇する。そして、次回にステップ11で再び排気温度Texhと第1規定排気温度Treg1とを比較する。排気温度Texhが第1規定排気温度Treg1を超えていれば、ステップ12〜14の操作を繰り返す。この繰り返し、つまり目標ポスト噴射時期ITPmを遅角側にずらしてゆくことで、排気温度Texhが第1規定排気温度Treg1以下に収まると、触媒温度が上昇し、この触媒温度とほぼ同じ温度であるフィルタ温度も上昇し、パティキュレートの自着火温度に到達してフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されることとなる。
排気温度Texhが第1規定排気温度Treg1以下に収まったときには、ステップ11よりステップ15〜20に進む。ステップ15〜20は触媒14の酸化特性のバラツキや経時劣化に対応する部分である。すなわち、触媒14の酸化特性が正常な状態にあれば、基本ポスト噴射量QPbaseと基本ポスト噴射時期ITPbaseとを用いたポスト噴射で触媒温度(フィルタ温度)がフィルタ13内のパティキュレートに火種を形成するのに最適な温度範囲(例えば700℃±20℃)に収まるはずである。しかしながら、触媒14の酸化特性にバラツキがあったり経時劣化が生じると、基本ポスト噴射量QPbaseと基本ポスト噴射時期ITPbaseとを用いたポスト噴射を行っても、触媒温度(フィルタ温度)がフィルタ13内のパティキュレートに火種を形成するのに最適な温度範囲から外れてしまう事態が生じ得る。例えば、フィルタ温度が最適な温度範囲から外れて低いとフィルタ内のパティキュレートに火種が形成されない。この逆に、フィルタ温度が最適な温度範囲から高いと火種からの燃焼伝播が盛んに行われてしまう。そこで、フィルタ温度が最適な温度範囲にあるか否かを判定し、フィルタ温度が最適な温度範囲から外れている場合にポスト噴射量を補正することにより、触媒14の酸化特性にバラツキがあったり経時劣化が生じていてもフィルタ温度がフィルタ13内のパティキュレートに火種を形成するのに最適な温度範囲に収まるようにする。具体的に説明すると、ステップ15、16で温度センサ27により検出されるフィルタ温度Tfilと第1上限温度Treg1-1、第1下限温度Treg1-2を比較する。
ここで、第1下限温度Treg1-2は、フィルタ13内のパティキュレートに形成した火種を維持するのに好都合なフィルタ温度の下限値(例えば680℃程度)である。フィルタ温度Tfilが下限温度Treg1-2以下であるときには触媒14のバラツキや経時劣化によりフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されないと判断し、ステップ15、16よりステップ17に進んで目標ポスト噴射量QPmを増量補正する。例えば、ポスト噴射量の増量補正量をΔQP1とすれば、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmにこの増量補正量ΔQP1を加算した値を改めて目標ポスト噴射量QPmとする。ステップ18では図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmをそのまま維持する。ステップ19では増量補正された目標ポスト噴射量とこの維持される目標ポスト噴射時期とを用いて、ポスト噴射を実行する。
目標ポスト噴射量QPmを増量補正すると、触媒14による熱の発生量が増し、フィルタ温度Tfilが上昇してゆく。そして、次回にステップ16で再びフィルタ温度Tfilと第1下限温度Treg1-2とを比較する。フィルタ温度Tfilが第1下限温度Treg1-2以下であればステップ17〜19の操作を繰り返す。この繰り返し、つまり目標ポスト噴射量QPmを増量補正してゆくことで、やがてはフィルタ温度Tfilが第1下限温度Treg1-2を超える。このときには、フィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されると判断しステップ21に進む。
上記の第1上限温度Treg1-1は、フィルタ13内のパティキュレートに形成した火種を維持するのに好都合なフィルタ温度の上限値(例えば720℃程度)である。フィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1以上であれば触媒14のバラツキや経時劣化によりフィルタ13内のパティキュレートに形成された火種からの燃焼伝播が行われてしまうと判断し、ステップ15よりステップ20に進んで目標ポスト噴射量QPmを減量補正する。例えば、ポスト噴射量の減量補正量をΔQP2とすれば、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmからこの減量補正量ΔQP2だけ差し引いた値を改めて目標ポスト噴射量QPmとする。ステップ18では図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmをそのまま維持する。ステップ19では減量補正された目標ポスト噴射量とこの維持される目標ポスト噴射時期とを用いて、ポスト噴射を実行する。
目標ポスト噴射量QPmを減量補正すると、触媒14による熱の発生量が減り、フィルタ温度Tfilが下降してゆく。そして、次回にステップ15で再びフィルタ温度Tfilと第1上限温度Treg1-1とを比較する。フィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1以上であればステップ20、18、19の操作を繰り返す。この繰り返し、つまり目標ポスト噴射量QPmを減量補正してゆくことで、やがてはフィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1を下回る。このときには、火種からの燃焼伝播がやむと判断してステップ21に進む。
なお、第1上限温度Treg1-1は、フィルタ13の耐久性を保証する温度でもある。すなわち、フィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1以上であればフィルタ13内のパティキュレートに形成された火種からの燃焼伝播が行われ、フィルタ温度が急激に上昇してしまうことにもなるが、フィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1未満に収まるように目標ポスト噴射量を減量補正することでフィルタ13の耐久性が損なわれることがないようにしている。
ステップ21は第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達したか否かを判定する部分である。すなわち、ステップ21で第1タイマ値t1と所定値Time1を比較する。所定値Time1は火種が安定するのを待つための時間で、最終的には適合によって定める。第1タイマ値t1が所定値Time1未満であるときにはまだ第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達していない(従って火種が安定していない)と判断してステップ22に進み、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmと、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmとをそのまま維持する。ステップ23ではその維持される目標ポスト噴射時期と目標ポスト噴射量とを用いてポスト噴射を行う。
第1タイマ値t1が所定値Time1以上となる前はステップ22、23の操作を繰り返し、やがて第1タイマ値t1が所定値Time1以上になると、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した、従って火種が安定したと判断し、第1のポスト噴射を終了して第2のポスト噴射を実行するためステップ21よりステップ24、25に進み、火種形成フラグ=0かつ伝播維持フラグ=1とした後、ステップ22、23の操作を実行する。
ステップ26では第2タイマを起動する(t2=0)。このタイマは、伝播維持フラグがゼロから1に切換わってからの経過時間(第1のポスト噴射を終了してからの経過時間)を計測するためのものである。
火種形成フラグ=0かつ伝播維持フラグ=1より次回には図3のステップ3、4より図5のステップ27以降に進む。
図5は第2のポスト噴射を行う部分である。第2のポスト噴射を行うとは、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませたポスト噴射を行うことである。
図5においてまずステップ27で排気温度Texhと第2規定排気温度Treg2とを比較する。ここで、第2規定排気温度Treg2は図2で前述したようにオイル希釈割合が所定値D(第2のポスト噴射実行時における目標値)となるポスト噴射時期で得られる排気温度で、例えば650℃程度である。フィルタ13内のパティキュレートに火種を形成するためには、目標ポスト噴射時期ITPmを膨張行程後半または排気行程にある所定値Aまで遅角して排気温度を下げ、触媒温度(=フィルタ温度)をパティキュレートの自着火温度(700℃程度)まで上昇させる必要があるものの、目標ポスト噴射時期ITPmを膨張行程後半または排気行程にある所定値Aに維持したままではオイル希釈割合が所定値Cへと大きくなる。また、火種が形成された後には、ポスト噴射時期ITPmを膨張行程前半まで進角し、触媒温度を低下させてもフィルタ13内のパティキュレートに形成した火種からの燃焼伝播を行わせることが可能であり、目標ポスト噴射時期ITPmを膨張行程前半まで進角することで、オイル希釈割合を所定値Cより所定値Dへと小さくすることができる。
第1のポスト噴射を終了したタイミングでは、排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2より低くなっている。従って、ステップ27で排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2より低いときには、まだ第1のポスト噴射の終了直後にあり、オイル希釈割合が所定値Dよりも大きいと判断し、ステップ28に進んで、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmを進角補正する。例えば、ポスト噴射時期の進角補正量をΔITP2とすれば、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmからこの進角補正量ΔITP2だけ差し引いた値を改めて目標ポスト噴射時期ITPmとする。ステップ29では図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmをそのまま維持する。ステップ30では進角補正された目標ポスト噴射時期ITPとこの維持される目標ポスト噴射量とを用いて、ポスト噴射を実行する。
目標ポスト噴射時期ITPmを進角補正すると、ポスト噴射量のうち燃焼室内で燃焼して排気通路10に排出される燃料分が目標ポスト噴射時期ITPmを進角補正する前より増えるため、そのぶん排気温度が上昇する。そして、次回にステップ27で再び排気温度Texhと第2規定排気温度Treg2とを比較する。排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2未満であれば、ステップ28〜30の操作を繰り返す。この繰り返し、つまり目標ポスト噴射時期ITPmを進角側にずらしてゆくことで、排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2以上となり、オイル希釈割合が所定値Dへと小さくされることとなる。
ステップ28での目標ポスト噴射時期ITPmの進角補正によりポスト噴射量のうち燃焼室内で燃焼することなく触媒14に供給される燃料分が目標ポスト噴射時期ITPmを進角補正する前より減るため、そのぶん触媒温度(フィルタ温度)が低下するものの、第2のポスト噴射時になると、フィルタ13内のパティキュレートに形成された火種からの燃焼が周りのパティキュレートへと伝播していく。
実施形態では、ステップ27で排気温度Texhと第2規定排気温度Treg2との比較により、排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2未満である場合に、排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2以上となるまで目標ポスト噴射時期ITPmを進角補正することで目標ポスト噴射時期ITPmを膨張行程前半まで進ませるようにしているが、これに限られるものでない。例えば、図2に示したように、第3規定触媒温度Treg3を図示の位置に採り、第1のポスト噴射の終了タイミングで温度センサにより検出される実際の触媒温度Tcatとこの第3規定触媒温度Treg3とを比較し、実触媒温度Tcatが第3規定触媒温度Treg3以上である場合に、実触媒温度Tcatを第3規定触媒温度Treg3未満となるまで目標ポスト噴射時期ITPmを進角補正して所定値B’へと進めることで目標ポスト噴射時期ITPmを膨張行程前半まで進ませるようにしてもかまわない。このときには、オイル希釈割合が所定値Dよりもさらに小さな所定値D’となり、一段とオイル希釈割合を小さなものとすることができる。
排気温度Texhが第2規定排気温度Treg2以上となったときには、ステップ27よりステップ31〜36に進む。ステップ31〜36は第2のポスト噴射における実際のフィルタ温度Tfilをパティキュレートの自着火温度(700℃程度)より所定値だけ低下させた目標温度(例えば650℃程度)の付近に維持する部分である。すなわち、図8に示したように700℃程度でフィルタ13内のパティキュレートに火種が形成されるが、この火種から燃焼の伝播が生じる700℃を少し超える付近の温度域ではパティキュレートの燃焼速度は非常に速い。従って、フィルタ13内のパティキュレートに火種を形成するためには700℃程度のフィルタ温度が必要であっても、種火からの燃焼伝播を行わせる段階においては実際のフィルタ温度を700℃付近に維持することは非常に困難である。というのも、実際のフィルタ温度が700℃を超えて少しでも高くなると、燃焼速度が急激に大きくなってフィルタ温度が急上昇しフィルタ13の耐熱温度を超えかねないのである。この場合に、種火からの燃焼伝播を行わせる段階においては実際のフィルタ温度を700℃より低下させても種火からの燃焼伝播は維持されるし、実際のフィルタ温度を700℃より所定値だけ低下させることで、フィルタ13内のパティキュレートの燃焼が緩慢となってパティキュレートの燃焼速度が速過ぎないようにすることができ好都合である。そこで、種火からの燃焼伝播を行わせる段階においてはパティキュレートの自着火温度(700℃程度)より所定値だけ低下させた温度を目標温度(例えば650℃程度)としてこの目標温度の付近にフィルタ温度Tfilを維持する。すなわち、実際のフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度(700℃程度)より所定値だけ低下させた目標温度範囲(650℃±20℃)にあるか否かを判定し、フィルタ温度がこの目標温度範囲から外れている場合にポスト噴射量を減量側あるいは増量側に補正することにより、フィルタ13内のパティキュレートを大き過ぎない適度の燃焼速度で燃焼させるようにする。
具体的に説明すると、ステップ31、32で温度センサ27により検出されるフィルタ温度Tfilと第2上限温度Treg2-1、第2下限温度Treg2-2をそれぞれ比較する。ここで、第2上限温度Treg2-1、第2下限温度Treg2-2は、目標温度(例えば650℃程度)に対して許容幅(例えば±20℃)を持たせた場合の上限側温度(650℃+20℃=670℃程度)、下限側温度(650℃−20℃=630℃程度)である。ここで、上記の目標温度はこれを低くするほど燃焼速度が小さくなり、フィルタ13の再生終了までの時間が長引くことになるので、最終的には適合により設定する。
フィルタ温度Tfilが第2下限温度Treg2-2以下であるときにはステップ31、32よりステップ33に進んで目標ポスト噴射量QPmを増量補正する。例えば、ポスト噴射量の増量補正量をΔQP3とすれば、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmにこの増量補正量ΔQP3を加算した値を改めて目標ポスト噴射量QPmとする。ステップ34では図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmをそのまま維持する。ステップ35では増量補正された目標ポスト噴射量とこの維持される目標ポスト噴射時期とを用いて、ポスト噴射を実行する。
目標ポスト噴射量QPmを増量補正すると燃焼の伝播状態がよくなり、実際のフィルタ温度Tfilが上昇する。そして、次回にステップ32で再びフィルタ温度Tfilと第2下限温度Treg2-2とを比較する。フィルタ温度Tfilが第2下限温度Treg2-2以下であればステップ33〜35の操作を繰り返す。この繰り返し、つまり目標ポスト噴射量QPmを増量補正してゆくことで、やがてフィルタ温度Tfilが第2下限温度Treg2-2を超える。このときには、フィルタ温度Tfilが目標温度の許容幅内に収まったと判断してステップ37に進む。
一方、フィルタ温度Tfilが第2上限温度Treg2-1以上であれば、ステップ31よりステップ36に進んで目標ポスト噴射量QPmを減量補正する。例えば、ポスト噴射量の減量補正量をΔQP4とすれば、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmからこの減量補正量ΔQP4だけ差し引いた値を改めて目標ポスト噴射量QPmとする。ステップ34では図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmをそのまま維持する。ステップ35では減量補正された目標ポスト噴射量とこの維持される目標ポスト噴射時期とを用いて、ポスト噴射を実行する。
目標ポスト噴射量を減量補正すると、燃焼の伝播状態が悪くなり、実際のフィルタ温度Tfilが下降する。そして、次回にステップ31で再びフィルタ温度Tfilと第2上限温度Treg2-1とを比較する。フィルタ温度Tfilが第2上限温度Treg2-1以上であればステップ36、34、35の操作を繰り返す。この繰り返し、つまり目標ポスト噴射量QPmを減量補正してゆくことで、やがてフィルタ温度Tfilが第2上限温度Treg2-1を下回る。このときには、フィルタ温度Tfilが目標温度の許容幅内に収まったと判断してステップ37に進む。
ステップ37は第2のポスト噴射を終了する(つまりフィルタ13の再生処理を終了する)か否かを判定する部分である。すなわち、ステップ37では第2タイマ値t2と所定値Time2を比較する。所定値Time2はフィルタ13内のパティキュレートが全て燃焼し燃え残りがないようにするための時間で、最終的には適合によって定める。第2タイマ値t2が所定値Time2未満であるときにはまだフィルタ13内のパティキュレートの全てが燃焼し終わってないと判断してステップ38に進み、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射時期ITPmあるいは前回の目標ポスト噴射時期ITPmと、図4ステップ8で算出済みの目標ポスト噴射量QPmあるいは前回の目標ポスト噴射量QPmとをそのまま維持する。ステップ39ではその維持される目標ポスト噴射時期と目標ポスト噴射量とを用いてポスト噴射を行う。
第2タイマ値t2が所定値Time2以上となる前はステップ38、39の操作を繰り返し、やがて第2タイマ値t2が所定値Time2以上になると、フィルタ13内のパティキュレートの全てが燃焼し終わったと判断し第2のポスト噴射(従ってフィルタ13の再生処理)を終了するためステップ37よりステップ40に進んでポスト噴射を中止し、フィルタ13の次回の再生処理に備えるためステップ41で伝播維持フラグ=0とする。
上記の伝播維持フラグ=0により次回には図3においてステップ1、2、3、4、5と流れ、ステップ5で再びパティキュレート堆積量と所定値PM1とを比較することになる。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態(請求項1、9に記載の発明)によれば、フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行うので(図3のステップ3、図4のステップ7〜10参照)、確実にフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させて、フィルタ13内のパティキュレートに種火を形成することができる。
次に、本実施形態(請求項1、9に記載の発明)によれば、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後には、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路10に出て触媒14にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行うので(図3のステップ3、4、図5のステップ27〜30参照)、フィルタ13の再生処理中ずっと第1のポスト噴射を継続して実行する場合に比べてオイル希釈割合を小さいレベルに保つことができる。
本実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、第1ポスト噴射実行手段は、フィルタ再生処理開始当初に温度センサ24(排気温度検出手段)により検出される排気温度Texh(触媒上流の排気温度)が第1規定排気温度Treg1を超えている場合に排気温度Texhが第1規定排気温度Treg1以下に収まるまで目標ポスト噴射時期ITPmを遅角補正するので(図4のステップ11、12参照)、燃料噴射弁9の噴射特性にバラツキや経時劣化が生じていても、フィルタ温度をパティキュレートの自着火温度に到達させ、フィルタ13内のパティキュレートに火種を形成することができる。
本実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、第1のポスト噴射の実行中かつ温度センサ27(フィルタ温度検出手段)により検出されるフィルタ温度Tfilが第1下限温度Treg1-2(680℃程度)以下である場合にフィルタ温度Tfilが第1下限温度Treg1-2を超えるまで目標ポスト噴射量QPmを増量補正するので(図4のステップ16、17参照)、触媒14の酸化特性にバラツキや経時劣化が生じていても、フィルタ温度Tfilを最適な温度範囲内(700℃±20℃程度)に収めて、フィルタ13内のパティキュレートに火種を形成することができる。
本実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、第1のポスト噴射の実行中かつ温度センサ27(フィルタ温度検出手段)により検出されるフィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1(720℃程度)以上である場合にフィルタ温度Tfilが第1上限温度Treg1-1未満となるまで目標ポスト噴射量QPmを減量補正するので(図4のステップ15、20参照)、触媒14の酸化特性にバラツキや経時劣化が生じていても、フィルタ温度Tfilを最適な温度範囲(700℃±20℃程度)に収めて、第1のポスト噴射の段階で既に火種からの燃焼伝播が盛んに行われてしまうことを防止できる。
本実施形態(請求項6に記載の発明)によれば、第2のポスト噴射の実行中かつ温度センサ27(フィルタ温度検出手段)により検出されるフィルタ温度Tfilがパティキュレートの自着火温度(700℃程度)より所定値だけ低下させた目標値(650℃程度)の付近に維持されるように目標ポスト噴射量QPmを補正するので(図5のステップ32、33、31、36参照)、種火からの燃焼伝播を行わせる段階においてフィルタ13内のパティキュレートを大き過ぎない適度の燃焼速度で燃焼させることが可能となり、フィルタの耐久性を維持できる。
実施形態では、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後にはポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て触媒にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行うことで、火種からの燃焼伝播を維持させるようにしているが、第2のポスト噴射に代えて実行する次のような他の実施形態が考えられる。
第2実施形態:第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後には、第1のポスト噴射での目標ポスト噴射時期ITPmを維持したまま(つまり目標ポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程に維持したまま)、第1のポスト噴射での目標ポスト噴射量QPmを低減したポスト噴射を行う。
この第2実施形態(請求項7に記載の発明)によれば、目標ポスト噴射量QPmを減量すると排気中の空気過剰率が大きくなり、触媒温度は低下するものの、フィルタ13内パティキュレートの燃焼を維持できる。
第3実施形態:第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後には、第2のポスト噴射を中止し、代わって吸気絞り弁9(吸気絞り装置)の開度を所定値だけ小さくする(吸気を絞る)。
この第3実施形態(請求項8に記載の発明)によれば次の効果が生じる。すなわち、第2のポスト噴射を中止するだけだとフィルタ13を通過する作動ガスによりフィルタ13から熱が奪われてしまいフィルタ温度の低下を招き、フィルタ13内パティキュレートの燃焼を維持できなくなるのであるが、吸気絞りによりフィルタ13を通過する作動ガスを低減することでフィルタ13から熱が奪われないようにすることが可能となりフィル温度が維持されフィルタ13内パティキュレートの燃焼を維持できる。すなわち、第3実施形態においても、第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後には、第2のポスト噴射を中止し、代わって吸気絞り弁9(吸気絞り装置)の開度を所定値だけ小さくすることで、オイル希釈割合を悪化させることなくフィルタ温度をパティキュレートの自着火温度にまで上昇させてフィルタ13の再生処理を最適に行わせることができる。
請求項1の第1ポスト噴射実行手段の機能は図3のステップ3、図4のステップ7〜10により、第2ポスト噴射実行手段の機能は図3のステップ3、4、図5のステップ27〜30によりそれぞれ果たされている。
請求項9の第1ポスト噴射実行処理手順は図3のステップ3、図4のステップ7〜10により、第2ポスト噴射実行処理手順は図3のステップ3、4、図5のステップ27〜30によりそれぞれ果たされている。
本発明の一実施形態を示す概略構成図。 ポスト噴射時期に対する排気温度、触媒温度、オイル希釈割合の特性図。 フィルタの再生処理を説明するためのフローチャート。 フィルタの再生処理を説明するためのフローチャート。 フィルタの再生処理を説明するためのフローチャート。 基本ポスト噴射時期の特性図。 基本ポスト噴射量の特性図。 フィルタ温度に対するパティキュレート燃焼速度の特性図。
符号の説明
1 エンジン
5 吸気絞り弁(吸気絞り装置)
9 燃料噴射弁
13 フィルタ
14 酸化触媒(触媒)
21 エンジンコントロールユニット
24 温度センサ(排気温度検出手段)
27 温度センサ(フィルタ温度検出手段)

Claims (9)

  1. 燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    排気通路に設けられ排気中のパティキュレートを捕集するフィルタと、
    このフィルタの上流にフィルタと別体で設けられるかまたはフィルタ内に担持され排気中の未燃成分または一酸化炭素を燃焼させる触媒と
    を備え、
    前記フィルタの再生時期になった場合に前記燃料噴射弁を用いたメイン噴射直後の膨張行程または排気行程で前記燃料噴射弁を用いたポスト噴射を行って前記フィルタの再生処理を行わせるようにした排気浄化装置において、
    前記フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て前記触媒にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行う第1ポスト噴射実行手段と、
    この第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て前記触媒にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行う第2ポスト噴射実行手段と
    を備えることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記触媒上流の排気温度を検出する排気温度検出手段を備え、
    前記第1ポスト噴射実行手段は、前記フィルタ再生処理開始当初にこの排気温度検出手段により検出される触媒上流の排気温度が第1規定排気温度を超えている場合に触媒上流の排気温度が第1規定排気温度以下に収まるまでポスト噴射時期を遅角補正することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記触媒上流の排気温度を検出する排気温度検出手段を備え、
    前記第2ポスト噴射実行手段は、前記第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、この排気温度検出手段により検出される触媒上流の排気温度が第2規定排気温度未満である場合に触媒上流の排気温度が第2規定排気温度以上となるまでポスト噴射時期を進角補正することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  4. フィルタ温度を検出するフィルタ温度検出手段を備え、
    前記第1のポスト噴射の実行中かつこのフィルタ温度検出手段により検出されるフィルタ温度が第1下限温度以下である場合にフィルタ温度が第1下限温度を超えるまでポスト噴射量を増量補正することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. フィルタ温度を検出するフィルタ温度検出手段を備え、
    前記第1のポスト噴射の実行中かつこのフィルタ温度検出手段により検出されるフィルタ温度が第1上限温度以上である場合にフィルタ温度が第1上限温度未満となるまでポスト噴射量を減量補正することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  6. フィルタ温度を検出するフィルタ温度検出手段を備え、
    前記第2のポスト噴射の実行中かつこのフィルタ温度検出手段により検出されるフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度より所定値だけ低下させた目標値の付近に維持されるようにポスト噴射量を補正することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  7. 前記第2のポスト噴射に代えて、前記第1のポスト噴射でのポスト噴射時期を維持したまま前記第1のポスト噴射でのポスト噴射量を減量したポスト噴射を行うことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  8. 吸気絞り装置を備え、
    前記第2のポスト噴射を中止し、代わってこの吸気絞り装置を用いて吸気を絞ることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  9. 燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    排気通路に設けられ排気中のパティキュレートを捕集するフィルタと、
    このフィルタの上流にフィルタと別体で設けられるかまたはフィルタ内に担持され排気中の未燃成分または一酸化炭素を燃焼させる触媒と
    を備え、
    前記フィルタの再生時期になった場合に前記燃料噴射弁を用いたメイン噴射直後の膨張行程または排気行程で前記燃料噴射弁を用いたポスト噴射を行って前記フィルタの再生処理を行わせるようにした排気浄化方法において、
    前記フィルタ再生処理の開始当初にポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て前記触媒にまで到達する燃料分が多くなるようにポスト噴射時期を膨張行程後半または排気行程まで遅らせた第1のポスト噴射を行う第1ポスト噴射実行処理手順と、
    この第1のポスト噴射によりフィルタ温度がパティキュレートの自着火温度に到達した後に、ポスト噴射の燃料のうち燃焼室内で燃えることなく排気通路に出て前記触媒にまで到達する燃料分が少なくなるようにポスト噴射時期を膨張行程前半まで進ませた第2のポスト噴射を行う第2ポスト噴射実行処理手順と
    を含むことを特徴とする排気浄化方法。
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