JP2009191090A - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性、安定性および定着性に優れ、特にテキスタイル用インクジェット記録用インクとして優れるインクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】顔料被覆層に樹脂微粒子を含み、平均粒径が20nm以上200nm以下の分散体と、ガラス転位温度が−10℃以下で、且つ酸価が100mgKOH/g以下である高分子微粒子を含んでなるインクジェット記録用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、発色性、安定性および定着性に優れ、特にテキスタイル用インクジェット記録用インクとして優れるインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録に用いられるインクは、被記録体である紙への印字において、にじみがないこと、乾燥性がよいこと、様々な被記録体表面に均一に印字できること、カラー印字等の多色系の印字において隣り合った色が混じり合わないことなどの特性が要求されている。
従来のインクにおいて、特に顔料を用いたインクの多くは、主に浸透性を抑えることで、紙表面に対するインクのぬれを抑え、紙表面近くにインク滴をとどめることで印字品質を確保する検討がなされ、実用化されている。しかしながら、紙に対するぬれを抑えるインクでは、紙種の違いによるにじみの差が大きく、特に様々な紙の成分が混じっている再生紙では、その各成分に対するインクのぬれ特性の差に起因するにじみが発生する。また、このようなインクでは、印字の乾燥に時間がかかり、カラー印字等の多色系の印字において隣り合った色が混色してしまうという課題を有し、更に、顔料を用いたインクでは、顔料が紙等の表面に残るため、耐擦性が悪くなるという課題もある。
このような課題を解決するため、インクの紙への浸透性を向上させることが試みられており、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの添加(特許文献1参照)、アセチレングリコール系の界面活性剤であるサーフィノール465(日信化学製)の添加(特許文献2参照)、あるいはジエチレングリコールモノブチルエーテルとサーフィノール465の両方を添加すること(特許文献3参照)などが検討されている。また、ジエチレングリコールのエーテル類をインクに用いることなどが検討されている(特許文献4参照)。
また、顔料を用いたインクでは、顔料の分散安定性を確保しながらインクの浸透性を向上することが一般に難しく浸透剤の選択の幅が狭いため、従来グリコールエーテルと顔料との組み合わせは、顔料にトリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた例(特許文献5参照)やエチレングリコール、ジエチレングリコールあるいはトリエチレングリコールのエーテル類を用いた例(特許文献6参照)などもある。
さらに、テキスタイル用としては、例えば染料を用いたもの(特許文献7参照)や結着剤に関するもの(特許文献8参照)などがある。
米国特許第5156675号明細書 米国特許第5183502号明細書 米国特許第5196056号明細書 米国特許第2083372号明細書 特開昭56−147861号公報 特開平9−111165号公報 特開2007−515561号公報 特開2007−126635号公報
しかしながら、従来の水性インクは、印字品質が不十分であり、特にテキスタイル用インクジェット記録用インクとしては定着性が不十分であり、色濃度や発色性も不十分だった。また、従来の顔料分散体は、保存安定性が低く不安定であり、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が存在すると、顔料からのポリマーの吸脱着が起こりやすくなり、インクの保存安定性が劣るという課題があった。通常の水性インクは、紙に対するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要である。これらの物質を用いないインクでは、紙に対する浸透性が不十分となり、均一な印字を行なうためには紙種が制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるという課題があった。
さらに、従来の分散体に本発明で用いるような添加剤(アセチレングリコール系やアセチレンアルコール系の界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル若しくは1,2−アルキレングリコールまたはこれらの混合物)を用いると、長期の保存安定性が得られず、インクの再溶解性が悪いためインクが乾燥してインクジェットヘッドのノズルの先等で詰まり易くなるという課題を有していた。
そこで本発明は、このような課題を解決するもので、その目的とするところは、発色性、安定性および定着性に優れ、特にテキスタイル用インクジェット記録用インクとして優れ、また、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れるインクジェット記録用インクを提供することにある。
本発明のインクジェット用インクは、樹脂微粒子を含むポリマー層で被覆された顔料を水に分散可能とした平均粒径が20nm以上300nm以下の分散体と、ガラス転位温度が−10℃以下で、且つ酸価が100mgKOH/g以下である高分子微粒子とを含んでなることを特徴とする。
本発明は、発色性、安定性および定着性に優れ、特にテキスタイル用インクジェット記録用インクとして優れることなどの特性が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果完成されたものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、樹脂微粒子を含むポリマー層で被覆された顔料を水に分散可能とした平均粒径が20nm以上300nm以下の分散体と、ガラス転位温度が−10℃以下で、且つ酸価が100mgKOH/g以下である高分子微粒子とを含んでなることを特徴とする。
ここで、「樹脂微粒子を含むポリマー層で被覆された顔料」とは、顔料表面をポリマー層で被覆する際に、ポリマー中に樹脂微粒子を添加することによって得られるポリマー被覆顔料を指す。これによって、顔料を被覆するポリマー層厚を大きくし、インクの粘度増加を抑制した上で、布地への定着性や耐擦性、洗濯堅牢性を向上させることができる。
本発明において用いる樹脂微粒子は、水性溶媒中に分散させた水性エマルション形態が好ましい。さらに、樹脂微粒子はガラス転移温度が60℃以下で、平均粒子径が50nm以下であるものが好ましい。樹脂微粒子のガラス転移温度が60℃を超えるか、平均粒子径が50nmを超えると、布地への定着性が低下する。また、樹脂微粒子としての添加量は、0.5重量%〜30重量%(以下単に「%」ということもある。)が好ましい。これ以下の添加量では定着性や耐擦性が確保できなくなり、これ以上の添加量ではインクの吐出安定性が悪化する傾向になる。
前記樹脂微粒子は、不飽和ビニル単量体を重合開始剤および乳化剤を加えた水中における乳化重合法によって製造することができる。不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳化重合で用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、およびジエン単量体類があげられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等のビニルシアン化号物;塩化ビニリデンおよび塩化ビニル等のハロゲン化単量体類;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソールおよびビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレンおよびイソプロピレン等のオレフィン類;ブタジエンおよびクロロプレン等のジエン類;ならびに、ビニルエーテル、ビニルケトンおよびビニルピロリドン等のビニル単量体類があげられる。また、前記モノマーを複数種組み合わせて重合した樹脂微粒子を用いても良く、さらには単一のモノマーを重合して作製した樹脂微粒子を複数混合して用いることもできる。
樹脂微粒子を乳化重合する際の重合開始剤、乳化剤、界面活性剤、分子量調整剤および中和剤等は公知の方法に準じて用いることができる。特に乳化剤として重合性界面活性剤を用いた場合、重合性界面活性剤がモノマーと共重合することから、液中に残存、遊離する乳化剤を低減できるため、インクジェットインクの吐出安定性を高めることができる。
また、本発明の樹脂微粒子を含むポリマーを顔料に被覆する方法は、転相乳化であることが好ましい。転相乳化法を用いることによって、インクの安定性が向上する。
また、本発明において、上記顔料および上記高分子微粒子の平均粒径は光散乱法で測定する。光散乱法による顔料の平均粒径が20nm未満では発色性が低下する。また、顔料分散体の平均粒径が300nmを超えると定着性が低下する。より好ましくは40nm〜230nmである。一方、高分子微粒子の粒径は、50nm以上500nm以下が好ましく、より好ましくは60nm以上300nm以下である。高分子微粒子の粒径が50nm未満では定着性が低下し、500nmを超えるとインクジェットヘッドからの吐出が不安定になりやすい。
また、高分子微粒子のガラス転位温度は、−10℃以下が好ましく、特にテキスタイル用インクとしての顔料の定着性が向上する。−10℃を超えると顔料の定着性が徐々に低下してくる。また、高分子微粒子の酸価は、100mgKOH/g以下が好ましく、酸価が100mgKOH/gを超えると、テキスタイル用として布に印捺した場合の洗濯堅牢性が低下する。より好ましくは50mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である。さらに、高分子微粒子の分子量は、10万以上が好ましく、さらに好ましくは20万以上である。10万未満ではテキスタイル用として布に印捺した場合の洗濯堅牢性が低下する。
また、本発明のインクが含んでなる樹脂微粒子を含むポリマー層で被覆された顔料を水に分散可能とした平均粒径が20nm以上300nm以下の分散体において、当該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算重量平均分子量が10000以上200000以下であることが好ましい。スチレン換算重量平均分子量が10000以上200000以下であることで、特にテキスタイル用インクとしての顔料の定着性が向上し、顔料インクの保存安定性も向上する。また、分散剤としての上記ポリマーとは別に、分散を安定させるために、分散安定剤として水分散性または水溶解性のポリマーや界面活性剤を添加してもよい。顔料の分散に用いる上記ポリマーは、少なくともその80%以上が(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーであることが好ましい。
また、本発明のインクが含んでなる高分子微粒子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算重量平均分子量は、100000以上1000000以下であることが好ましい。スチレン換算重量平均分子量が100000以上1000000以下であることで、特にテキスタイル用インクとしての顔料の定着性が向上する。
また、本発明のインクは、1、2−アルキレングリコールを用いることが好ましい。1、2−アルキレングリコールを用いることでにじみが低減し、印刷品質が向上する。本発明に用いる1、2−アルキレングリコールの例としては1、2−ヘキサンジオール、1、2−ペンタンジオールおよび4−メチル−1、2−ペンタンジールのように、炭素数5または6の1、2−アルキレングリコールが好ましい。中でも、炭素数6の1、2−ヘキサンジオールおよび4−メチル−1、2−ペンタンジオールが好ましい。これら1、2−アルキレングリコールの添加量は0.3%〜30%、より好ましくは0.5%〜10%である。
また、本発明のインクは、グリコールエーテルを用いることも好ましい。このグリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノブチルエーテルを用いることが好ましい。これらグリコールエーテルの添加量は0.1%〜20%、より好ましくは0.5%〜10%である。
また、本発明のインクは、アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を用いることが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を用いることで、さらににじみが低減し、印刷品質が向上する。本発明に用いるアセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤は2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールおよび2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、2、4−ジメチル−5−デシン−4−オールおよび2、4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上が好ましい。それらアセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤はエアプロダクツ(英国)社のオルフィン104シリーズ、オルフィンE1010などのEシリーズ、日信化学製サーフィノール465あるいはサーフィノール61などとして入手可能である。これらの添加により印字の乾燥性が向上し、高速印刷が可能となる。
また、本発明のインクは、上記した1、2−アルキレングリコールと、アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤と、グリコールエーテルとからなる群から選ばれる2種以上を用いることにより、よりにじみを低減させることができる。
また、本発明のインクは、前記高分子微粒子の含有量(重量%)が、前記顔料の含有量より多いことが好ましい。顔料より重量単位で多くの高分子微粒子を添加することにより、特にテキスタイル用インクとしての顔料の定着性が向上する。さらに、テキスタイル用としては、布に印刷した後に、水または界面活性剤入りの水で洗浄する工程を入れることで、インク中の水溶性成分を洗い流すことで、高分子微粒子の布への定着が強固になり、耐擦性をさらに向上させることができる。
本発明に用いることができる顔料としては、黒色インク用として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類が特に好ましいが、銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を用いることもできる。
また、カラーインク用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、153、155、180、185、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、202、206、209、219、C.I.ピグメントバイオレット19、23、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できる。
また、本発明に用いる顔料は、分散機を用いて分散するが、その分散機としては市販の種々の分散機を用いることができる。好ましくはコンタミが少ないという観点から、非メディア分散がよい。その具体例としては、湿式ジェットミル(ジーナス社)、ナノマーザー(ナノマーザー社)、ホモジナイザー(ゴーリン社)、アルティマイザー(スギノマシン社)およびマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社)などが挙げられる。
また、本発明のインクジェット記録用インクに用いる顔料の添加量は、0.5%〜30%が好ましいが、1.0%〜15%がより好ましい。0.5%以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、30%以上の添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
さらに、本発明のインクは、その放置安定性の確保、インクジェットヘッドからの安定吐出、目詰まり改善、あるいはインクの劣化防止等を目的として、保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を添加することもできる。
また、本発明のインクは、ピエゾ素子のような、加熱がおこらない電歪素子を用いた方法により吐出されることが好ましく、サーマルヘッドのような加熱が起こる場合は、添加している高分子微粒子や、顔料の分散などに用いるポリマーが変質して吐出が不安定になりやすい。特にテキスタイル用のインクジェットインクのように大量のインクを長時間に渡って吐出させる場合は、加熱がおこるヘッドは好ましくない。
以下、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂エマルション1の製造
水600.0重量部に、ベンジルメタクリレート40.0重量部と予め水80.0重量部に溶解しておいたアニオン性重合性界面活性剤アクアロンKH−10(第一工業製薬社製)10.0重量部を加えて攪拌した。これを、1mol/l水酸化カリウム水溶液でpH8に調整した後、滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器に投入した。反応容器の内温を80℃に昇温した後、水100.0重量部に重合開始剤として過硫酸カリウム1.0重量部を溶解した過硫酸カリウム水溶液を滴下し、窒素を導入しながら80℃で6時間重合した。重合終了後、1mol/l水酸化カリウム水溶液でpH8に調整した。次いで、これを限外濾過装置でクロスフロー法による限外濾過を行ない、固形分濃度を20%に調整した。
(2)顔料分散体1の製造
顔料分散体1はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート75部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート150部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート5部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部および過硫酸ナトリウム1部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作製した。このポリマーの一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ40℃であった。
また、上記分散ポリマー溶液40部と上記樹脂エマルション1を50部、ピグメントブルー15:3を30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、メチルエチルケトン30部を混合した。その後超高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製アルティマイザーHJP−25005)を用いて200MPaで15パスして分散した。その後、別の容器に移してイオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌した。そして、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整した。その後、0.3μmのメンブレンフィルターでろ過しイオン交換水で調整して顔料濃度が15%である顔料分散体1とした。マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装製)を用いて粒径を測定したところ85nmであった。
(3)高分子微粒子の作製
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート19部、ブチルアクリレート15部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート25部、ブチルアクリレート16部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンA(EM−A)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ−27℃であった。株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は200000であった。
また、酸価の測定は以下の方法により測定した。上記高分子微粒子水分散液の水酸化ナトリウム中和前の状態で採取し、その固形分濃度を熱天秤(セイコー電子工業製TG−2121)により正確に測定する。次に、この高分子微粒子水分散液約10gを精密に量り採り、共栓三角フラスコに入れて2−プロパノール−テトラヒドロフラン混液(1:2)100mlを加えて溶解し、これに、フェノールフタレン試液を指示薬として、30秒間持続する淡紅色を呈するまで0.1mol/Lの2−プロパノール製水酸化カリウム溶液で滴定する方法によって測定する。酸価は式(1)により求める。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×f)/S・・・式(1)
S:試料の採取量(g)
a:0.1mol/Lの2−プロパノール製水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
f:0.1mol/Lの2−プロパノール製水酸化カリウム溶液のファクタ
尚、aは滴定値(ml)−ブランク値(ml)
上記方法にて求めたEM−Aの酸価は、20mgKOH/gであった。
(4)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって作製した。尚、本発明の実施例および比較例中の残量の水にはインクの腐食防止のためトップサイド240(パーマケムアジア社製)を0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.02%、インク系中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na塩を0.04%それぞれイオン交換水に添加したものを用いた。
(5)耐擦性試験とドライクリーニング性試験
実施例1のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−A650を用いて、綿にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルをテスター産業株式会社の学振式摩擦堅牢性試験機AB−301Sを用いて荷重200gで100回擦る摩擦堅牢性を行なった。インクのはがれ具合を確認する日本工業規格(JIS)JIS L0849によって、乾燥と湿潤の2水準で評価した。また、同様にドライクリーニング試験をJIS L0860のB法によって評価した。耐擦性試験およびドライクリーニング試験の結果を表1に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例1のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V630を用いて、35℃35%雰囲気で富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にマイクロソフトワードで文字サイズ11の標準、MSPゴシックで4000字/ページの割合で80ページ印刷して評価した。全く印字乱れがないものをAA、1箇所印字乱れがあるものをA、2箇所〜3箇所印字乱れがあるものをB、4箇所〜5箇所印字乱れがあるものをC、6箇所以上印字乱れがあるものをDとして結果を表1に示す。
(実施例2)
(1)顔料分散体2の製造
まず、顔料分散体2はピグメントバイオレット19(キナクリドン顔料:クラリアント製)と前記樹脂エマルション1を用いて顔料分散体1と同様に作製し、顔料分散体2とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ100nmであった。
(2)高分子微粒子の作製
実施例1と同じ高分子微粒子EM−Aを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体2を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性試験とドライクリーニング性試験
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で耐擦性試験とドライクリーニング性試験を行なった。耐擦性試験およびドライクリーニング試験の結果を表1に示す。
(5)吐出安定性の測定
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
(1)顔料分散体3の製造
まず、顔料分散体3はピグメントイエロー14(アゾ系顔料:クラリアント製)と前記樹脂エマルション1を用いて顔料分散体1と同様に作製し、顔料分散体3とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ110nmであった。
(2)高分子微粒子の作製
実施例1と同じ高分子微粒子EM−Aを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体3を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性試験とドライクリーニング性試験
実施例3のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で耐擦性試験とドライクリーニング性試験を行なった。耐擦性試験およびドライクリーニング試験の結果を表1に示す。
(5)吐出安定性の測定
実施例3のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1は、実施例1においてエチルアクリレートの一部をスチレンに変更する以外は同様にして、ガラス転移温度が0℃の高分子微粒子を用いた以外は実施例1と同様にインクを作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンB(EM−B)とした。また、実施例1と同じ方法で求めた酸価は、20mgKOH/gであった。インク組成を表2に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2は、実施例2おいて、顔料の粒径が350nmの分散体を作製した以外は実施例2と同様にインクを作製して評価した。なお、粒径は実施例1と同じ方法で測定し、この粒径が350nmの分散体を顔料分散体2Aとする。インク組成を表2に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3は、実施例3において、添加する高分子微粒子の酸価を120mgKOH/gおよび150mgKOH/gにした以外は実施例3と同様にインクを作製して評価した。酸価を120mgKOH/gにした高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンC(EM−C)とし、酸価を150mgKOH/gにした高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンD(EM−D)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
Figure 2009191090
Figure 2009191090
(実施例4)
(1)樹脂エマルション2の製造
水600.0重量部に、2−エチルヘキシルメタクリレート40.0重量部と予め水80.0重量部に溶解しておいたアニオン性重合性界面活性剤アクアロンKH−10(第一工業製薬社製)10.0重量部を加えて攪拌した。これを、1mol/l水酸化カリウム水溶液でpH8に調整した後、滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器に投入した。反応容器の内温を80℃に昇温した後、水100.0重量部に重合開始剤として過硫酸カリウム1.0重量部を溶解した過硫酸カリウム水溶液を滴下し、窒素を導入しながら80℃で6時間重合した。重合終了後、1mol/l水酸化カリウム水溶液でpH8に調整した。次いで、これを限外濾過装置でクロスフロー法による限外濾過を行ない、固形分濃度を20%に調整した。
(2)顔料分散体4の製造
顔料分散体4はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート75部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート150部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート5部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部および過硫酸ナトリウム1部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作製した。このポリマーの一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ40℃であった。
また、上記分散ポリマー溶液40部と上記樹脂エマルション2を50部、ピグメントブルー15:3を30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、メチルエチルケトン30部を混合した。その後超高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製アルティマイザーHJP−25005)を用いて200MPaで15パスして分散した。その後、別の容器に移してイオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌した。そして、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整した。その後、0.3μmのメンブレンフィルターでろ過しイオン交換水で調整して顔料濃度が20%である顔料分散体4とした。マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装製)を用いて粒径を測定したところ120nmであった。
(3)高分子微粒子の作製
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.3部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート20部、ブチルアクリレート25部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート20部、ブチルアクリレート20部、ラウリルアクリレート20部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作製してエマルジョンE(EM−E)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ−31℃であった。株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は200000であった。また、実施例1と同じ方法で求めた酸価は、20mgKOH/gであった。
(4)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体4を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作成して評価した。
(5)耐擦性試験とドライクリーニング性試験
実施例4のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で耐擦性試験とドライクリーニング性試験を行なった。耐擦性試験およびドライクリーニング試験の結果を表3に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例4のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
(実施例5)
実施例5は、ピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体4と同様に作製した、顔料分散体5を用いた以外は実施例4と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例4と同様に行なった。結果を表3に示す。
(実施例6)
実施例6は、ピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン系ジスアゾ顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体4と同様に作製した、顔料分散体6を用いた以外は実施例4と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例4と同様に行なった。結果を表3に示す。
(比較例4)
(1)顔料分散体7の製造
まず、顔料分散体7はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。尚、顔料分散体7の製造においては、樹脂エマルションは使用せず、顔料および分散ポリマーのみで行なった。樹脂エマルションは、樹脂エマルション2をインク調製段階で添加することとした。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機、温度調整器、および窒素導入管を備えた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート75部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート150部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート5部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部および過硫酸ナトリウム1部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作製した。
また、上記分散ポリマー溶液40部とピグメントブルー15:3を30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、メチルエチルケトン30部を混合した。その後、ジルコニアビーズを用いたアイガーミルを用いて2時間かけて分散した。次いで、別の容器に移してイオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌した。そして、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整した。その後、0.3μmのメンブレンフィルターでろ過しイオン交換水で調整して顔料濃度が15%である顔料分散体7とした。
(2)高分子微粒子の作製
実施例4と同じ高分子微粒子EM−Eを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
上記の方法で作製した分散体7を用い、実施例4で作製した樹脂エマルション2および表4に示すビヒクル成分と混合することによって、インクを作製して評価した。
(4)耐擦性試験とドライクリーニング性試験
比較例4のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で耐擦性試験とドライクリーニング性試験を行なった。耐擦性試験およびドライクリーニング試験の結果を表3に示す。
(5)吐出安定性の測定
比較例4のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
(比較例5)
比較例5は、ピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体7と同様に作製した、顔料分散体8を用いた以外は比較例4と同様にインクを作製して評価した。尚、顔料分散体8の製造においては、樹脂エマルションは使用せず、顔料および分散ポリマーのみで行なった。樹脂エマルションは、樹脂エマルション2をインク調製段階で添加することとした。インク組成を表4に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例4と同様に行なった。結果を表3に示す。
(比較例6)
比較例6は、ピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン系ジスアゾ顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体7と同様に作製した、顔料分散体9を用いた以外は比較例4と同様にインクを作製して評価した。尚、顔料分散体9の製造においては、樹脂エマルションは使用せず、顔料および分散ポリマーのみで行なった。樹脂エマルションは、樹脂エマルション2をインク調製段階で添加することとした。インク組成を表4に示す。耐擦性試験、ドライクリーニング性試験および吐出安定性試験は実施例4と同様に行なった。結果を表3に示す。
Figure 2009191090
Figure 2009191090

Claims (6)

  1. 樹脂微粒子を含むポリマー層で被覆された顔料を水に分散可能とした平均粒径が20nm以上300nm以下の分散体と、ガラス転位温度が−10℃以下で、且つ酸価が100mgKOH/g以下である高分子微粒子とを含んでなることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算重量平均分子量が10000以上200000以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記高分子微粒子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算重量平均分子量が100000以上1000000以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 1、2−アルキレングリコールを含んでなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  5. アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記高分子微粒子の含有量(重量%)が、前記顔料の含有量より多いことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
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