JP2009191084A - パーム椰子果実及びその中果皮絞り粕の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーム椰子からパームオイル生産時に発生する廃棄物の減量化、廃棄物成分の有効利用、廃液処理の負荷減少により、環境汚染問題の解決を図る。
【解決手段】パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を、pH5〜9、温度をパームオイルの融点以上に設定した緩衝塩溶液に浸漬して、浮遊成分、溶解成分、及び沈殿成分の3層に分離する。このうち、浮遊成分からはパームオイルを回収することができる。また、溶解成分を分取・処理することで、当該溶解成分に含まれるペクチンを分離することができる。緩衝塩としては、弱酸強塩基の塩が好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品分野等において利用範囲が増加している植物油脂パームオイルの生産に際し、発生する廃棄物の減量化、及び成分の有効利用に関するものである。さらに焼却、ボイラー燃料に供される廃棄物の減量化を図るとともに、成分の有効利用、即ち油脂の回収、ペクチンの分離活用等を行い、廃液処理の負荷減少にも寄与するものである。
パームオイルは植物油脂として、大豆油に次ぐ世界第二位の生産量で、マーガリン、ショートニング、インスタント食品、ケーキ、食用油、石鹸、界面活性剤として用途が広がり、最近では世界で3000万トン/年生産されている。その原料は西アフリカ熱帯雨林の起源のアブラヤシ(以下「パーム椰子」ともいう)で、テネラ種、DURA種、及びそれらの交配種から栽培される。概ね1ヘクタールあたり4トンのパームオイル(中果皮成分)と0.5トンのカーネルオイル(種子成分)が採れる。単位面積あたりの産油量はどの油脂植物より多く、大豆油の10倍以上である。このようにアブラヤシは栽培の効率が良く、また加工食品用途が拡大していることもあり、ますます栽培面積が増える傾向にある。
アブラヤシの果房(FRESH FRUIT BUNCH―以下FFBと称す)には多くの果実が生っており、収穫後果房は殺菌処理後脱穀され、果実を取り出し、残りのEFB空果房(EMPTY FRUIT BUNCH−以下EFBと称す)、及び殻は堆肥にされる。
果実は圧搾され、果肉(MESOCARP)から、スクリュープレス等でクルードパームオイルが絞られ、果実中果皮絞り粕(DRY MESOCARP−以下DMと称す)と種子が分離される。種子はシェルが剥かれ、カーネルオイルが得られる。DMとシェルはボイラーの燃料とされる。スクリュープレス等の機械的圧縮で果実からオイルは最高80%の収率であり、残りの20%強はDMに残される。
100のパームオイルを得るために、空果房130,果実中果皮絞り粕50、殻30、廃液200程度の廃棄物が発生する。固形廃棄物は過去全量焼却されていたが、煙害が大きな問題となり、1993年以降焼却は禁止され、堆肥化されている。しかし、堆肥化ではメタンの発生に加え、不法投棄による発火やカブトムシの大量発生被害等の二次的問題が発生している。
現在廃棄物対策がすすみ、EFBはパルプ、成形物、専焼プラントによる発電、DMはボイラー燃料に利用されつつあるが、量的には過大で滞積による問題は依然として残る。
DMは世界でクルードオイル3000万トンに匹敵する量(約1500万トン)が排出され、一部はボイラー燃料、家畜の飼料として使われるが、量が多いため、殆んどが貯蔵若しくは廃棄処理されている状況で、農業廃棄物の環境汚染問題が残されている。
特許文献1(特開平6−269639号公報)には、パーム油製造工程における廃棄物減量を目的とした手法が開示されているが、その手法は、有効成分となる油分を取り除いた後の水溶液(パーム油漿液)に関するものであり、DM等の廃棄物に対象物とするものではない。
特開平6−269639号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、パーム椰子からパームオイル生産時に発生する廃棄物の減量化、廃棄物成分の有効利用、廃液処理の負荷減少により、上記の環境汚染問題の解決を図ることを目的とするものである。
上記問題点に鑑み、本発明者は、パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕の処理方法について鋭意検討を進めた結果、これらを特定条件下の緩衝塩溶液に浸漬することによって、浮遊成分、溶解成分、沈殿成分の3層に簡単に分離することができ、さらには各成分から有用物質を分離し、有効利用できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を処理する方法であって、
当該パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を、pH5〜9、温度をパームオイルの融点以上に設定した緩衝塩溶液に浸漬して、浮遊成分、溶解成分、及び沈殿成分の3層に分離することを特徴とする処理方法。
2.パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を処理する方法であって、
当該パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を、pH5〜9、温度をパームオイルの融点以上に設定した緩衝塩溶液に浸漬して、浮遊成分、溶解成分、及び沈殿成分の3層に分離した後、沈殿固形物を除去して、浮遊成分、及び溶解成分の2層を得ることを特徴とする処理方法。
3.項1.または項2.記載の処理方法で得られた浮遊成分を分取し、当該浮遊成分に含まれるパームオイルを回収することを特徴とする処理方法。
4.項1.または項2.に記載の処理方法で得られた溶解成分を分取し、当該溶解成分に炭素数4以下のアルコールを混合してペクチンを分離することを特徴とする処理方法。
5.項1.または項2.に記載の処理方法で得られた溶解成分を分取し、当該溶解成分に金属塩を混合してペクチン酸塩を分離することを特徴とする処理方法。
6.項5.記載の処理方法で得られたペクチン酸塩を、酸で洗浄して、ペクチンを分離精製することを特徴とする処理方法。
7.前記緩衝塩として、弱酸強塩基の塩を含むことを特徴とする項1.〜6.のいずれかに記載の処理方法。
8.前記緩衝塩として、蓚酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸から選ばれる多塩基酸と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる強塩基との塩を、少なくとも1種以上含むことを特徴とする項1.〜7.のいずれかに記載の処理方法。
本発明によれば、パーム椰子からパームオイル生産時に発生する廃棄物の減量化を図り、環境汚染問題を軽減し、さらには副成物の有効活用を図ることができる。
本発明は、パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を特定水溶液に浸漬し、浮遊成分、溶解成分、沈殿成分の3層に分離することを特徴とするものである。
具体的に、浮遊成分は油脂(パームオイル)、粉末セルロースからなるものである。この浮遊成分から粉末セルロースを除去するか、あるいは浮遊成分をそのままフロートポンプで油脂生産ラインに戻すことにより、パームオイルを回収することができる。
溶解部分は、緩衝塩溶液に溶解した成分からなるものであり、ペクチン、糖等が含まれる。この溶解成分にエタノール等のアルコールを混合する方法等により、ペクチンを分離することができる。分離されたペクチンは、新たに有効利用できる。ペクチンの利用分野としては、例えばジャム、アイスクリーム、ヨーグルト等の食品工業、接着剤、医療用カプセル材、飼料、塗料・建材、紙・繊維加工等の架橋材、ゲル化材等が挙げられる。
沈殿部分は木質化したセルロースからなるものである。この部分は、ボイラー燃料として利用することができる。
本発明の方法によれば、DMの焼却分は1/10に減量化される。また、油脂(パームオイル)は15−20%が回収され、ペクチンは30%近くが利用される。
本発明では、果実自体を本方法であらかじめ処理し、通常のパームオイル生産工程で分液し、ペクチン等を分離・有効利用することにより、廃液処理の負荷も低減できる。
本発明は、経済効果の点においても多大なる貢献をもたらすものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
パーム椰子のDMは植物細胞からなり、細胞内には油脂、脂肪酸、糖の他、微量成分としてカロチン、トコフェロール類、ステロール、りん脂質、テルペン等が含まれている。セルロースで構成される細胞壁はペクチンで結合されており、ペクチンの細胞間結合はカルシウム、亜鉛、ホウ素等で架橋されている。本発明では、適性条件下でキレート形成性緩衝塩を用いて、細胞壁におけるこのような架橋を取り除くことにより、パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を浮遊成分、溶解成分、沈殿物の3層に容易に分離でき、各層に含まれる各成分を有効利用することができる。分離された3成分は、主に油脂回収、ペクチンの分離、木質沈殿成分の焼却にそれぞれ利用される。
本発明では、各層の分離を容易にするため、pHを5〜9、温度をパームオイルの融点以上に設定した緩衝塩溶液を用いる。
緩衝塩溶液に用いる緩衝塩としては、弱酸強塩基の塩が好適であり、具体的には、蓚酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸から選ばれる多塩基酸と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる強塩基との塩が好適である。このような塩としては、ペクチンとのキレート形成能の大きい物質が好ましく、例えば、蓚酸アンモニウム、蓚酸ナトリウム、蓚酸カリウム、燐酸一カリウム、燐酸二カリウム、燐酸三カリウム、燐酸一ナトリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ソーダ、トリポリ燐酸ソーダ、燐酸アンモニウム、燐酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、リンゴ酸アンモニウム、コハク酸カリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸アンモニウム等が使用できる。これら塩は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。このような物質では、酢酸ナトリウム等の一塩基酸ナトリウムに比べ、ペクチンのキレート形成能が高く、分離されるペクチン量が多くなり、3層分離を効率的に行うことができる。
緩衝塩溶液の濃度は、層分離を速やかに行うために0.05〜5%(さらには0.1〜3%)であることが好ましい。
DM等を緩衝塩溶液に浸漬する際には、緩衝塩溶液の温度をパームオイルの融点以上に設定する。すなわち、本発明では、浸漬処理時にパームオイルが液状となるように温度設定を行う。DM等に含まれるパームオイルは天然品であるため、その融点はパーム椰子の産地、生長時の気象条件等により異なるが、通常30〜60℃程度である。緩衝塩溶液の温度は、使用するパームオイルの融点に応じて適宜決定すればよい。浸漬工程は通常加温下で行い、具体的には緩衝塩溶液の温度を30℃以上、好ましくは50〜90℃、より好ましくは70〜85℃に設定する。このような温度設定により、層分離が速くなり、各種成分の劣化を防ぐことができる。浸漬工程は、攪拌下で行うことも可能である。
一般にペクチンは林檎、柑橘類から酸で分離製造されるが、DMでは油脂成分が多く、細胞間結合も強いため、pH5〜9、好ましくはpH6〜8で、上記緩衝塩により分離するのが適当である。pH5未満の酸性下ではペクチンの分解、低分子化が進行し、分離されるペクチン量が少なくなる。またpH10を超えるアルカリ条件下ではペクチンの鹸化のみが生じ、細胞間分離は進行しないため、ペクチン分離量は少なくなる。さらには油脂の石鹸化が進行し、3層に分離することは困難である。
本発明では、上記浸漬工程の後、残渣固形分(沈殿成分)を除去して、浮遊成分、溶解成分の2層を分離することができる。この工程では、例えばフィルタープレス、スクリュープレス等で圧搾する方法等を採用すればよい。
また、浮遊成分を分取することで、浮遊成分に含まれるパームオイルを回収することができる。溶解成分の上方に分離した浮遊成分を分取する際には、例えばスクレーパポンプ等を使用することができる。分取した浮遊成分については、浮遊成分に含まれる粉末セルロースを除去するか、あるいは浮遊成分をそのままフロートポンプで油脂生産ラインに戻ることにより、パームオイルを回収することができる。
溶解成分からのペクチンの分離回収は、アルコールによる沈殿分離、あるいは金属塩による分離等の常法に従って行うことができる。このうち、アルコールによる沈殿分離においては、緩衝塩とキレート形成されたペクチンを含む水溶液に対し、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等の炭素数4以下のアルコールを混合する方法を採用することができる。このようなアルコールとしては、特にエタノール、メタノールが好適である。
金属塩による分離については、カルシウム塩、亜鉛塩、銅塩等の各種金属塩が使用できるが、この中でも塩化亜鉛、塩化カルシウムが好ましく、とりわけ塩化カルシウムが好ましい。この方法では、ペクチン酸塩が分離沈殿する。
本発明では、このようなペクチン酸塩を塩酸等の酸で洗浄することにより、ペクチンを分離精製することができる。例えば、金属塩として塩化カルシウムを用いた場合は、ペクチン酸カルシウムが分離沈殿し、このペクチン酸カルシウムを酸洗浄することでペクチンが精製分離される。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。なお、実施例におけるDMとしては、パームオイル精製工場(マレーシア)から入手したものを使用した。
(実施例1)
DM3gをヘキサメタ燐酸ナトリウム1%の水溶液40ccに浸漬し、pH6に調整して、フラスコ中75℃で3時間攪拌処理して、浮遊成分、溶解成分、沈殿成分の3層に分離した。これをろ過により沈殿成分と液成分に分別した。2層からなる液成分は、分液漏斗により、浮遊成分と溶解成分(緩衝塩水溶液)に分離した。
浮遊成分については、簡易式の遠心分離法でセルロースを除去して、パームオイルを得た。得られたパームオイルの赤外線吸収スペクトルを確認したところ、市販の食用パームオイルと同一の吸収スペクトルであった。収量は0.6gであった。
溶解成分にはエタノールを混合することにより、ペクチン0.8gを分離した。
沈殿成分は木質セルロース0.2gであった。この木質セルロースにつき、X線回折、NMRによる分析を行ったところ、その成分は低結晶性セルロースであった。
(実施例2)
DMを2g、緩衝塩として1%蓚酸アンモニウム、pHを7とした以外は実施例1と同様の方法で処理を行い、3層に分離した。
このうち、浮遊成分からはパームオイル0.5gが得られた。このパームオイルの分光吸収スペクトルを確認したところ、市販のカロチーノパームオイルと同様のカロチン、ビタミンEが豊富に含まれていた。
溶解成分に対しては、塩化カルシウム1%を加え、沈殿物を1Nの酸で洗浄することによりペクチン0.5gを分離した。
沈殿木質部の収量は0.2gであった。
(実施例3)
緩衝塩として燐酸二水素ナトリウムと燐酸水素二ナトリウムを用い、その2%水溶液(pH6.8)50ccにDM3gを浸漬して、75℃に2時間加温した後、フィルタープレスで圧搾して、固形分0.2gを除去した。
浮遊成分と溶解成分からなるろ液については、フロートポンプで浮遊成分を分離して、実施例1と同様に、遠心分離で粉末セルロースを沈殿させて、パームオイル0.7gを得た。
残りの溶解成分に対しては、同量のエタノールを加え、得られた沈殿物をエタノールで洗浄して、ペクチン0.8gを分離した。
(実施例4)
酢酸ナトリウム1%でpH7に調製した水溶液50ccに、DM3gを浸漬し、75℃で4時間攪拌した以外は、実施例1と同様の方法で処理を行い、ペクチン0.1gを得た。
(実施例5)
脱殻したパーム椰子果実をスライスして、その1gをヘキサメタ燐酸ナトリウム1%の水溶液10cc(pH6)に50℃で一昼夜浸漬した。これをフィルタープレスで絞り、0.35gの油脂を得た。
(参考例1)
塩酸でpH3及び4にそれぞれ調製した液40ccに、DM3gを75℃で4時間浸漬攪拌した後、分液漏斗での分離を試みた。しかし、系の分離状態は不完全で、水溶液部分からペクチンはエタノールで分離できなかった。
(参考例2)
炭酸ソーダ、カセイソーダでそれぞれ、pH10,11に調製した液40ccにDM3gを浸漬して、70℃で4時間浸漬攪拌したところ、油脂が石鹸化して、半固体になり、分離不能であった。

Claims (8)

  1. パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を処理する方法であって、
    当該パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を、pH5〜9、温度をパームオイルの融点以上に設定した緩衝塩溶液に浸漬して、浮遊成分、溶解成分、及び沈殿成分の3層に分離することを特徴とする処理方法。
  2. パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を処理する方法であって、
    当該パーム椰子果実及び/またはその中果皮絞り粕を、pH5〜9、温度をパームオイルの融点以上に設定した緩衝塩溶液に浸漬して、浮遊成分、溶解成分、及び沈殿成分の3層に分離した後、沈殿成分を除去して、浮遊成分、及び溶解成分の2層を得ることを特徴とする処理方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の処理方法で得られた浮遊成分を分取し、当該浮遊成分に含まれるパームオイルを回収することを特徴とする処理方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の処理方法で得られた溶解成分を分取し、当該溶解成分に炭素数4以下のアルコールを混合してペクチンを分離することを特徴とする処理方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の処理方法で得られた溶解成分を分取し、当該溶解成分に金属塩を混合してペクチン酸塩を分離することを特徴とする処理方法。
  6. 請求項5記載の処理方法で得られたペクチン酸塩を、酸で洗浄して、ペクチンを分離精製することを特徴とする処理方法。
  7. 前記緩衝塩として、弱酸強塩基の塩を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の処理方法。
  8. 前記緩衝塩として、蓚酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸から選ばれる多塩基酸と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる強塩基との塩を、少なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の処理方法。
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