JP2009191032A - 15−置換ビタミンd3誘導体 - Google Patents

15−置換ビタミンd3誘導体 Download PDF

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真史 高野
Daisuke Sawada
大介 澤田
Atsushi Kikko
敦史 橘高
Hiroshi Saito
博 齋藤
Kenichiro Takagi
健一郎 高木
Seiichi Ishizuka
誠一 石塚
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Abstract

【課題】新規ビタミンD誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される溶媒和物。
Figure 2009191032

ここで、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品として有用なビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物、それらを用いた治療剤、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの製造中間体に関する。さらに詳しくは、15−置換ビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物、それらを含有する医薬組成物、およびそれらを有効成分とする骨粗鬆症、悪性腫瘍、乾癬症、副甲状腺機能亢進症、炎症性呼吸器疾患、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、脱毛症、アクネ、または皮膚炎の治療剤、ならびにそれらの製造中間体に関する。
活性型ビタミンD誘導体は、小腸でのカルシウム吸収促進作用を有し、骨では骨吸収、骨形成を調節する等の作用を有し、骨粗鬆症の治療剤として使用されている。また、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌抑制作用を有し、PTHの亢進した二次性副甲状腺機能亢進症の治療に用いられている。さらに、これらの作用に加えて免疫調節作用、細胞増殖抑制作用や細胞分化誘導作用が見いだされ、例えば、癌、乾癬、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、アクネ、湿疹、皮膚炎等の疾患治療剤への適応が検討されている。これら治療剤としての薬理効果を高めるため、これまでに体内の活性型ビタミンD誘導体である1α,25−ジヒドロキシビタミンDを構造モチーフとして数多くの活性型ビタミンD誘導体が合成されてきた。
しかしながらその多くはビタミンD側鎖やA環に対する修飾体であり、D環に対する修飾体は合成困難であるため16−エン誘導体を除いてほとんど報告されておらず、本発明の15位に置換基を有する誘導体は全く報告されていない。
本発明の目的は、従来の活性型ビタミンD誘導体よりも医薬治療剤として有用な新規ビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を提供することである。
また、本発明の目的は、それらビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する骨粗鬆症、悪性腫瘍、乾癬症、副甲状腺機能亢進症、炎症性呼吸器疾患、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、脱毛症、アクネ、または皮膚炎の治療剤を提供することである。
さらに、本発明の目的は、それらビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を含んでなる医薬組成物を提供することである。
さらに本発明の目的は、それらビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を製造するのに適した中間体を提供することである。
本発明の15位に置換基を有する誘導体(1)の合成は、例えば下記スキーム1のようにCD環側鎖化合物(2)と文献既知のA環化合物(3)のカップリング、引き続く水酸基の脱保護により行うことができる。ここで、R’は水酸基の保護基または炭素数1〜4のアルキル基を表し、PGは水酸基の保護基を表す。
(スキーム1)
Figure 2009191032
しかし、ここで用いられる化合物(2)の合成法は知られておらず、新たに合成法を開発する必要があった。そこで、本発明の発明者らは、以下に示す方法を検討した。
まず、1,5−水素原子移動機構に基づく方法を検討した。これは以下に示すように化合物Aから化合物Cへの変換を行うことにより、8位水酸基を18位へ移植する方法である(モーマンら(Moman et al.)、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、69巻、461−4625頁、2004年)。
Figure 2009191032
この方法を応用し、文献既知の化合物D(メイナルドら(Maynard et al.)、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、57巻、3214−4317頁、1992年)から誘導される化合物Eに対して同様の反応を行うことにより、18位の水酸基を15位に移植し、化合物(2)が合成できるのではないかと考えた。
Figure 2009191032
しかしながら、反応系は複雑な混合物を与え、目的とする15位置換体は得ることができず、代わりに化合物HないしIと思われる化合物が得られた。また、Eの段階でその後の化学変換に耐えうる十分量を確保することも困難と思われた。
Figure 2009191032
そこで、別の方法を考案した。すなわち、文献既知の化合物(4)(フェルナンデスら(Fernandes et al.)、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、57巻、3173−3178頁、1992年)に2重結合を導入し化合物(6)を得る。これをエポキシド(10)に変換し、これに対して側鎖のグリニヤ試薬(11)をカップリングさせることにより15位に水酸基が導入された化合物(12)を得る。これを変換して目的物(2)を得る方法である。
Figure 2009191032
まず化合物(4)から(6)の変換を行った。一般的な方法であるフェニルセレン置換脱離を検討したが、目的物は得られず、環拡大した(J)が得られたのみであった。本反応でセレノキシドへの酸化剤に過酸化水素の代わりにメタクロロ過安息香酸を用いるとわずかに目的の(6)が得られたが、本合成経路にのせるほど量産化ができず、断念せざるを得なかった。
Figure 2009191032
そこで、種々条件を検討した結果、エノールアセテート(5)を経由するルートで(6)が得られることがわかった。
Figure 2009191032
さらに、化合物(6)から目的物(2)への変換は、後述のスキーム2に沿って得られることがわかった。
以上のように、従来にはない合成法を新たに開発することにより、はじめて本発明化合物の合成が可能になり、本発明の完成に至ったのである。
すなわち、本発明は下記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物である。
Figure 2009191032
ここで、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
また、本発明は、上記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物と、製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物である。
また、本発明は、上記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、骨粗鬆症、悪性腫瘍、乾癬症、副甲状腺機能亢進症、炎症性呼吸器疾患、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、脱毛症、アクネ、および皮膚炎からなる群から選ばれる一つ以上の疾患の治療剤である。
さらに、本発明は、式(2)で表されるビタミンD誘導体の製造中間体である。
Figure 2009191032
ここで、R’は水酸基の保護基または炭素数1〜4のアルキル基を表し、PGは水酸基の保護基を表す。
本発明によれば、骨粗鬆症、悪性腫瘍、乾癬症、副甲状腺機能亢進症、炎症性呼吸器疾患、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、脱毛症、アクネ、皮膚炎などに代表される様々な疾患の治療に有効な新規ビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物が提供される。
一方、本発明の上記式(2)で表される製造中間体は、本発明のビタミンD誘導体等を製造するのに有用である。
本発明における用語の定義は以下の通りである。 アルキル基とは、直鎖、分岐鎖、あるいは環状の脂肪族炭化水素基をいう。C−Cのアルキル基とは、炭素数1から4のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基を具体的な基として挙げることができる。
上記式(1)中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表すが、中でも水素原子、メチル基が好ましい。
なお、上記式(1)中、ビタミンD構造の15位の立体配置は、R配置、S配置のいずれでもよい。
本発明のビタミンD誘導体は必要に応じてその医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。そのような溶媒としては、水、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノール、2−プロパノール、ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチルエ−テル、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等を挙げることができる。特に、水、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを好ましいものとして挙げることができる。
本発明のビタミンD誘導体の具体例としては、以下のものが挙げられる。
化合物(1a): 15(S)−ヒドロキシ−1α、25−ジヒドロキシビタミンD
化合物(1d): 15(R)−ヒドロキシ−1α、25−ジヒドロキシビタミンD
化合物(1c): 15(S)−メトキシ−1α、25−ジヒドロキシビタミンD
化合物(1d): 15(R)−メトキシ−1α、25−ジヒドロキシビタミンD
化合物(1e): 15(S)−エトキシ−1α、25−ジヒドロキシビタミンD
化合物(1f): 15(R)−エトキシ−1α、25−ジヒドロキシビタミンD
また上記式(2)中、R’は水酸基の保護基または炭素数1〜4のアルキル基を表し、PGは水酸基の保護基を表す。これら水酸基の保護基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イル基、アセチル基、ピバロイル基などが挙げられる。このうち、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基が好ましい例として挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基が好ましい。また、上記式(2)におけるORの置換した炭素の立体配置は、R配置、S配置のいずれでもよい。
上記式(1)で表されるビタミンD誘導体の合成はいかなる方法で行ってもよいが、例えば、前述の下記スキーム1に従い、CD環側鎖化合物(2)と文献既知のA環化合物(3)(例えば、Bagiolini et al.)、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、51巻、3098−3108頁、1986年)のカップリング、引き続く水酸基の脱保護により行うことができる。
(スキーム1)
Figure 2009191032
ここで、化合物(2)は、例えば下記スキーム2に従って合成することができる。
Figure 2009191032
すなわち、文献既知の化合物(4)(フェルナンデスら(Fernandes et al.)、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、57巻、3173−3178頁、1992年)からエノールアセテート(5)を経由して2重結合を導入した化合物(6)を得る。これを還元後、エポキシ化、酸化、エチリデン基導入反応を順次行って化合物(10)を得る。これに対して側鎖構造を持つグリニヤ試薬(11)をカップリングさせることにより15位に水酸基が導入された化合物(12)を得る。15位水酸基を保護(15−OH体合成用)あるいはエーテル化(15−アルコキシ体合成用)して化合物(13)とし、これに水素添加、TBS脱保護、酸化することにより目的物(2)を得ることができる。本スキームによれば15位の立体配置は(S)体のものが得られるが、化合物(12)を光延反応に付す、水酸基を酸化・還元する、などの処理により15位の立体配置が反転した化合物(12)を得、以降上記と同様に反応させることにより、15位の立体配置が(R)体のものも得ることができる。
以上のようにして得られるプレビタミンD誘導体は、必要に応じて前述のような医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。かかる溶媒和物は、フリーの化合物(1)を該溶媒、あるいは該溶媒を含有する混合溶媒より再結晶することにより得ることができる。
本発明のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する骨粗鬆症等の治療剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤としては、固体または液体いずれでもよく、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明の治療剤における有効成分の治療有効量は、投与経路、患者の年齢、性別、疾患の程度によって異なるが、通常0.001〜10000μg/日程度であり、投与回数は通常1〜3回/日ないし1〜3回/週であり、このような条件を満足するように製剤を調製するのが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1]
(5Z,7E)−(1S,3R,15S,20R)−15−ヒドロキシ−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物(1a))の製造
Figure 2009191032
(A) 化合物(4)(565mg,2.00mmol)(フェルナンデスら(Fernandes et al.)、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、57巻、3173−3178頁、1992年)の酢酸イソプロペニル(20mL)溶液に(+)−10−カンファースルホン酸(139mg,0.6mmol)を室温で加え、117℃で20時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、同温で1時間攪拌した。水層をエーテル抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製したところ、化合物(5)(480mg,1.48mmol,74%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 1.12 (s, 3H), 1.34 (dt, J = 3.6, 12.8 Hz, 1H), 1.46 (m, 1H), 1.52 (m, 1H), 1.59-1.69 (m, 2H), 1.75-1.88 (m, 2H), 1.99 (ddd, J = 3.3, 6.0, 14.2 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.30 (ddd, J = 1.7, 11.5, 14.2 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H), 5.41 (dd, J = 1.7, 3.2 Hz, 1H).
ESI-HRMS calcd for C18H33O3Si ([M+H]+) 325.2199, found 325.2199.
(B) (A)で得られた化合物(5)(192mg,0.59mmol)のアセトニトリル(7.4mL)溶液に炭酸アリルメチル(0.27mL,2.36mmol)とトリブチルスズメトキシド(0.08mL,0.30 mmol)を室温で加え、さらに酢酸パラジウム(40mg,0.18mmol)を70℃で加え、106℃で2時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、エーテルを用いてショートシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーでパラジウムを除去し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製したところ、化合物(6)(87mg,0.31mmol,62%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.044 (s, 3H), 0.058 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.33 (s, 3H), 1.48-1.50 (m, 3H), 1.75 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 2.55 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.42 (m, 1H), 6.00 (dd, J = 3.3, 6.0 Hz), 7.42 (m, 1H).
EI-LRMS m/z 280 (M+), 265, 223.
EI-HRMS calcd for C16H28O2Si 280.1868, found 280.1900.
(C) (B)で得られた化合物(6)(444mg,1.58mmol)のトルエン(5.3mL)溶液にDIBAL−Hトルエン溶液(0.99M,3.2mL,3.12mmol)を−78℃で加え、同温で40分間攪拌した。その溶液をエーテルで希釈した後、飽和酒石酸水溶液を同温で加え、室温まで昇温して1時間攪拌した。水層をエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、化合物(7)(447mg,1.58 mmol,quant.)が白色固体として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.019 (s, 3H), 0.022 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.05 (s, 3H), 1.38-1.53 (m, 4H), 1.66 (m, 1H), 1.77-1.90 (m, 2H), 2.03 (m, 1H), 4.18 (s, 1H), 4.27 (dd, J = 2.4, 5.2 Hz, 1H), 5.64 (ddd, J = 1.0, 3.4, 4.4 Hz, 1H), 5.86 (m, 1H).
EI-LRMS m/z 282 (M+), 267, 225.
EI-HRMS calcd for C16H30O2Si 282.2015, found 282.2016.
(D) (C)で得られた化合物(7)(270mg,0.96mmol)のジクロロメタン(4.8mL)溶液にm−クロロ過安息香酸(495mg,2.87mmol)を0℃で加え、室温で5時間攪拌した。その溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を0℃で加えた後、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製したところ、化合物(8)(256mg,0.86mmol,90%)が無色油状物質として得られた。なお、得られた化合物(8)のエポキシ基の結合する炭素の立体配置は、(8)の水酸基をアセチル化し、これをX線結晶構造解析することにより上記記載の立体配置であることを確認した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.052 (s, 3H), 0.065 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 1.13-1.42 (m, 4H), 1.22 (s, 3H), 1.62-1.77 (m, 3H), 2.02 (s, 1H), 3.41-3.49 (m, 3H), 4.42 (m, 1H).
EI-LRMS m/z 298 (M+), 283, 241, 211.
EI-HRMS calcd for C16H30O2Si 298.1966, found 298.1971.
(E) (D)で得られた化合物(8)(341mg,1.14mmol)のジクロロメタン(5.7mL)溶液にテトラプロピルアンモニウム パールテネート(TPAP)(200mg,0.57mmol)と4−メチルモルフォリン N−オキシド(NMO)(200mg,1.71mmol)を0℃で加え、室温で30分間攪拌した。その溶液をエーテルで希釈し、ショートシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに通した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製したところ、化合物(9)(332mg,1.12mmol,98%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.017 (s, 3H), 0.039 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 1.29 (s, 3H), 1.33-1.46 (m, 3H), 1.62-1.75 (m, 4H), 3.57 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.47 (s, 1H).
EI-LRMS m/z 296 (M+), 265, 239, 223.
EI-HRMS calcd for C16H28O3Si 296.1800, found 296.1773.
(F) エチルトリフェニルホスホニウムブロミド(613mg,1.65mmol)のTHF(1.5mL)懸濁液にn−BuLi ヘキサン溶液(1.58M,0.9mL,1.45mmol)を−78℃で加え、0℃まで昇温して、同温で1時間攪拌した。その溶液に(E)で得られた化合物(9)(97 mg,0.33mmol)のTHF(1.8 mL)溶液を0℃で加えた後、同温で24時間攪拌した。その溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製したところ、化合物(10)(78mg,0.25mmol,76%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.049 (s, 3H), 0.073 (s, 3H), 0.88 (s, 9H), 1.19 (s, 9H), 1.22-1.46 (br, 3H), 1.60-1.76 (br, 4H), 1.78 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 3.55 (dd, J = 1.8, 3.3 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 5.29 (dd, J = 6.9, 13.4 Hz, 1H).
EI-LRMS m/z 308 (M+), 293, 262, 251, 235.
EI-HRMS calcd for C18H32O2Si 308.2170, found 308.2166.
(G) CuCN(109mg,1.20mmol)のエーテル(0.6mL)懸濁液に4−(メトキシメトキシ)−4−メチルペンチル基からなるグリニヤ試薬(11)(PG=MOM)(0.14M,4.0mL,1.2mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液に(F)で得られた化合物(10)(75mg,0.24mmol)のエーテル(0.6mL)溶液を−78℃で加えた後、−20℃まで昇温し、同温で2時間攪拌した。その溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を同温で加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、化合物(12)(PG=MOM)(75 mg,0.16mmol,69%)の無色油状物質が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.043 (s, 3H), 0.059 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 1.05 (t, J = 7.2, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.19 (s, 6H), 1.34-1.54 (br, 12H), 1.61-1.73 (br, 2H), 1.79-1.89 (br, 2H), 1.92-2.07 (br, 2H), 3.34 (s, 3H), 4.29 (m, 1H), 4.59-4.62 (br, 1H), 4.67 (s, 2H), 5.27 (s, 2H).
EI-LRMS m/z 453 (M+-H), 335.
EI-HRMS calcd for C26H49O4Si 453.3403, found 453.3409.
(H) (G)で得られた化合物(12)(PG=MOM)(12mg,0.026mmol)のジクロロメタン(0.26mL)溶液にクロロメチルメチルエーテル(0.3mL,0.039mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL,0.078mmol)を0℃で加え、室温で2.5時間攪拌した。その溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加えた後、水層をエーテル抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、化合物(13)(PG=R’=MOM)(11.4mg,0.024mmol,94%)の無色油状物質が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.035 (s, 3H), 0.038 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.99 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.05 (s, 3H), 1.18 (s, 6H), 1.22-1.59 (m, 10H), 1.64-1.75 (m, 2H), 1.79-1.88 (m, 1H), 2.01-2.07 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.38 (s, 3H), 4.28 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 4.67 (s, 2H), 4.71 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.36 (s, 1H).
ESI-HRMS calcd for C28H54O5SiNa ([M+Na]+) 521.3638, found 521.3638.
(I) (H)で得られた化合物(13)(PG=R’=MOM)(108mg,0.22mmol)のメタノール(2.2mL)溶液に触媒量のPd/Cを室温で加え、H雰囲気下、室温で18時間攪拌した。その溶液をエーテルで希釈した後、ろ紙でろ過し、Pd/Cを除去した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=40/1)で精製したところ、化合物(14)(PG=R’=MOM)(69mg,0.14mmol,64%)の無色油状物質が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.0070 (s, 3H), 0.027 (s, 3H), 0.86 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.91 (s, 3H), 1.19 (s, 6H), 1.15-1.47 (m, 7H), 1.68-179 (m, 4H), 1.88-1.91 (m, 1H), 3.34 (s, 3H), 3.36 (s, 3H), 3.85-3.95 (m, 1H), 4.17-4.18 (m, 1H), 4.62 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 5.9Hz, 1H), 4.68 (s, 2H).
ESI-HRMS calcd for C28H56O5SiNa ([M+Na]+) 523.3790, found 523.3795.
(J) (I)で得られた化合物(14)(PG=R’=MOM)(73mg,0.15mmol)のTHF(2.9mL)溶液にTBAF テトラヒドロフラン溶液(1.0M,2.9mL,2.92mmol)を室温で加え、80℃で16.5時間加熱還流した。その溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製したところ、化合物(15)(PG=R’=MOM)(53mg,0.14mmol,94%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 0.96 (s, 3H), 1.21 (s, 6H), 1.25 (s, 3H), 1.11-1.53 (m, 9H), 1.60 (s, 1H), 1.75-1.84 (m, 4H), 1.94-1.97 (m, 1H), 3.36 (s, 3H), 3.39 (s, 3H), 4.09 (dt, J = 9.3, 18.1 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.62 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.70 (s, 2H), 4.71 (d, J = 6.8 Hz, 1H).
ESI-HRMS calcd for C22H42O5Na ([M+Na]+) 409.2923, found 409.2930.
(K) (J)で得られた化合物(15)(PG=R’=MOM)(53mg,0.14mmol)のジクロロメタン(2.7mL)溶液にTPAP(24mg,0.069mmol)、NMO(24mg,0.21mmol)とMS4A(69mg)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。その溶液をエーテルで希釈し、ショートシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに通した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製したところ、化合物(2)(PG=R’=MOM)(51mg,0.14mmol,98%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.65 (s, 3H), 0.85-0.90 (m, 2H), 0.94 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.04-1.09 (m, 3H), 1.21 (s, 6H), 1.25 (s, 3H), 1.31-1.50 (m, 2H), 1.62-1.76 (m, 2H), 1.80-1.92 (m, 2H), 2.00-2.09 (m, 2H), 2.24-2.34 (m, 2H), 2.61 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.36 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 4.33 (dt, J = 4.2, 8.9 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.70 (s, 2H).
ESI-HRMS calcd for C22H40O5Na ([M+Na]+) 407.2773, found 407.2769.
(L) 化合物(3)(84mg,0.14mmol)(Baggiolini,E.G. et al.、J.Org.Chem.、1986年、51巻、3098頁)のTHF(0.9mL)溶液にn−BuLi ヘキサン溶液(1.57M,0.10mL,0.16mmol)を−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に(K)で得られた化合物(2)(PG=R’=MOM)(37mg,0.096mmol)のTHF(1.0mL)溶液を−78℃で加え、1時間同温で攪拌した。その後、室温まで2時間かけて昇温した。その溶液に水を0℃で加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−4/1−2/1)で精製したところ、化合物(16)(PG=R’=MOM)(9.2mg,0.012mmol,13%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.036 (s, 12H), 0.055 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.98-1.05 (m, 1H), 1.19 (s, 6H), 1.32-1.71 (m, 11H), 1.73-1.90 (m, 4H), 1.94 (br d, J = 12.7 Hz, 1H), 2.15-2.23 (m, 2H), 2.44 (dd, J = 3.7, 13.2 Hz, 1H), 2.84 (brd, J = 15.6 Hz, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.34 (s, 3H), 3.98 (dt, J = 4.4, 9.5 Hz, 1H), 4.14-4.19 (m, 1H), 4.36 (dd, J = 3.9, 6.6 Hz, 1H), 4.62 (s, 1H), 4.62 (s, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.88 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.12 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 11.0 Hz, 1H).
ESI-HRMS calcd for C43H80O6Si2Na ([M+Na]+) 749.5572, found 749.5576.
(M) (L)で得られた化合物(16)(22mg,0.029mmol)のMeOH(2.9mL)溶液に(+)−10−カンファースルホン酸(136mg,0.59mmol)を0℃で加え、室温で23時間攪拌した。その溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を0℃で加えた。その溶液を減圧下濃縮し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物を薄層プレパラティブクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製したところ、化合物(1a)(7.3mg,0.017mmol,58%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.59 (s, 3H), 0.92 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.05-1.11 (m, 1H), 1.22-1.69 (m, 15H), 1.76-2.09 (m, 9H), 2.28-2.36 (m, 2H), 2.61 (dd, J = 2.9, 12.9 Hz, 1H), 2.88 (dd, J = 2.9, 12.1 Hz, 1H), 3.58-3.74 (m, 2H), 4.03-4.30 (m, 2H), 4.43-4.46 (m, 1H), 5.01 (s, 1H), 5.35 (s, 1H), 6.18 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 11.1 Hz, 1H).
ESI-HRMS calcd for C27H44O4Na ([M+Na]+) 455.3137, found 455.3140.
[実施例2]
(5Z,7E)−(1S,3R,15R,20R)−15−メトキシ−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物(1c))の製造
Figure 2009191032
(A) 実施例1の(G)で得られた化合物(12)(PG=MOM)(120mg,0.26mmol)のTHF(5.2 mL)溶液に水素化ナトリウム(50mg,2.08mmol)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。その溶液にヨウ化メチル(0.16mL,2.60mmol)を室温で加え、80℃で2.5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製したところ、化合物(17)(PG=MOM、R’=CH)(90mg,0.19mmol,74%)の無色油状物質が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.029 (s, 3H), 0.041 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.98 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.05 (s, 3H), 1.18 (s, 6H), 1.20-1.52 (m, 9H), 1.60-1.72 (m, 3H), 1.77-1.90 (m, 1H), 1.99-2.08 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.39 (s, 3H), 4.18 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.67 (s, 2H), 5.45 (s, 1H).
ESI-HRMS calcd for C27H57O4SiNa ([M+Na]+) 491.3533, found 491.3524.
(B) (A)で得られた化合物(17)(PG=MOM、R’=CH)(90mg,0.19mmol)のメタノール(3.8mL)溶液に触媒量のPd/Cを室温で加え、同温でH雰囲気下、17時間攪拌した。その溶液をエーテルで希釈した後、ショートシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジエチルエーテル)によりPd/Cを除去した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=40/1)で精製したところ、(18)(PG=MOM、R’=CH)(83mg,0.18mmol,92%)の無色油状物質が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.013 (s, 6H), 0.86 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.91 (s, 3H), 0.95-1.03 (m, 1H), 1.14-1.47 (m, 11H), 1.19 (s, 6H), 1.58-1.78 (m, 4H), 1.88 (br d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.28 (s, 3H), 3.35 (s, 3H), 3.62 (dt, J = 3.9, 9.4 Hz, 1H), 4.14 (m, 1H), 4.68 (s, 2H).
ESI-HRMS calcd for C27H54O4SiNa ([M+Na]+) 493.3689, found 493.3690.
(C) (B)で得られた化合物(18)(PG=MOM、R’=CH)(122mg,0.26mmol)のTHF(3.3mL)溶液にTBAF テトラヒドロフラン溶液(1.0M,5.2mL,5.19mmol)を室温で加え、80℃で14時間加熱還流した。その溶液にTBAF テトラヒドロフラン溶液(1.0M,2.6mL,2.60mmol)を室温で加え、80℃で5時間加熱還流した。さらにその溶液にTBAF テトラヒドロフラン溶液(1.0M,5.2mL,5.19mmol)を室温で加え、80℃で17.5時間加熱還流した。さらにTBAF テトラヒドロフラン溶液(1.0M,5.2mL,5.19mmol)を室温で加え、80℃で5時間加熱還流した。その溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製したところ、化合物(19)(PG=MOM、R’=CH)(91mg,0.25mmol,98%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.96 (s, 3H), 1.03 (br t, J = 9.8 Hz, 1H), 1.21 (s, 6H), 1.24-1.72 (m, 13H), 1.74-1.82 (m, 3H), 1.95 (br d, J = 12.7 Hz, 1H), 3.35 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 3.74 (ddd, J = 3.9, 8.5, 12.8 Hz, 1H), 4.24 (m, 1H), 4.71 (s, 2H).
ESI-HRMS calcd for C21H40O4Na ([M+Na]+) 379.2824, found 379.2830.
(D) (C)で得られた化合物(19)(PG=MOM、R’=CH)(90mg,0.25mmol)のジクロロメタン(2.5mL)溶液にTPAP(44mg,0.13mmol)、NMO(44mg,0.38mmol)とMS4A(125mg)を0℃で加え、室温で1.5時間攪拌した。その溶液をエーテルで希釈し、ショートシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに通した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製したところ、化合物(2)(PG=MOM、R’=CH)(75mg,0.22mmol,85%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.64 (s, 3H), 0.95 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 1.02-1.10 (m, 1H), 1.21 (s, 6H), 1.23-1.50 (m, 8H), 1.62-1.94 (m, 5H), 1.99-2.08 (m, 2H), 2.23-2.34 (m, 2H), 2.55 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.29 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 4.01 (dt, J = 3.6, 8.6 Hz, 1 H), 4.70 (s, 3H).
ESI-HRMS calcd for C21H38O4Na ([M+Na]+) 377.2668, found 377.2674.
(E) 化合物(3)(185mg,0.32mmol)のTHF(2.0mL)溶液にn−BuLi ヘキサン溶液(1.60M,0.22mL,0.35mmol)を−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に(D)で得られた化合物(2)(PG=MOM、R’=CH)(75mg,0.21mmol)のTHF(2.2mL)溶液を−78℃で加え、同温で2時間攪拌した。その後、室温まで2.5時間かけて昇温した。その溶液に水を0℃で加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→6/1→4/1→2/1)で精製したところ、化合物(20)(13mg,0.018mmol,9%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.040 (s, 3H), 0.044 (s, 3H), 0.051 (s, 6H), 0.54 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.03 (m, 1H), 1.19 (s, 6H), 1.31-1.87 (m, 15H), 1.92 (br d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.07 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 2.21 (dd, J = 7.7, 13.2 Hz, 1H), 2.44 (dd, 4.0, 13.2 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 2.9, 13.2 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 3.35 (s, 3H), 3.69 (ddd, J = 4.0, 9.3, 13.7 Hz, 1H), 4.17 (m, 1H), 4.36 (dd, J = 3.5, 6.7 Hz, 1H), 4.69 (s, 2H), 4.90 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.16 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 11.4 Hz, 1H).
ESI-HRMS calcd for C42H79O5Si2([M+H]+) 719.5466, found 719.5458.
(F) (E)で得られた化合物(20)(4.7mg,0.0065mmol)のMeOH(1.3mL)溶液に(+)−10−カンファースルホン酸(15mg,0.065mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を0℃で加えた。その溶液を減圧下で濃縮し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物を薄層プレパラティブクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製したところ、化合物(1c)(2.8mg,0.0063mmol,97%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.58 (s, 3H), 0.93 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.08 (m, 1H), 1.22 (s, 6H), 1.34-1.75 (m, 18H), 1.85 (m, 1H), 1.97 (m, 4H), 2.11 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 2.31 (dd, J = 7.4, 13.0 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 13.0, 3.9 Hz, 1H), 2.84 (dd, J = 13.0, 3.2 Hz, 1H), 3.31 (s, 3H), 3.73 (ddd, J = 3.9, 9.2, 13.6 Hz, 1H), 4.21 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 5.05 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.35 (s, 1H), 6.16 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 11.4 Hz, 1H).
ESI-HRMS calcd for C28H46O4Na ([M+Na]+) 469.3294, found 469.3286.
[実施例3]
ニワトリ小腸粘膜細胞質内1α、25−ジヒドロキシビタミンD リセプタ−(VDR)
に対する結合親和性
文献記載の方法(石塚ら、ステロイズ(Steroids)、1982年、37巻、p.33−43)に従った。すなわち、12×75mmのポリプロピレンチュ−ブに、GEヘルスケアバイオサイエンス社から購入した[26、27−メチル−H]1α、25−ジヒドロキシビタミンD(176Ci/mmol)20pgと被験化合物を50μlのエタノ−ルに溶解した。これに、リン酸緩衝液(pH7.4)1mlにニワトリ小腸粘膜細胞より上記文献記載の方法で調製したVDR0.1mgとゲラチン2mgを溶解した溶液を加え、25℃で1時間反応させた。反応後、40%ポリエチレングリコ−ル6000溶液1mlを各チュ−ブに加え、激しく撹拌後、4℃、2260×gで60分間遠心分離した。沈殿部分のチュ−ブをカッタ−ナイフで切り取り、液体シンチレ−ション用バイアルに入れ、10mlのジオキサンシンチレ−タ−を加え、放射能をベックマンLS6500型液体シンチレ−ションカウンタ−で測定した。
この結果、本発明の化合物は、少なくとも1α,25−ジヒドロキシビタミンDの数10分の1の親和性は有することがわかった。
[実施例4]
ヒト骨芽細胞(HOS細胞)におけるVDR転写活性
レポーターベクターはpGL3ベクター(promega社)を用い、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に、文献既知の方法(Ozonoら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry )、265巻、21881―21888頁、1990年)で得られるヒトオステオカルシン遺伝子プロモーター部分の配列を、HOS細胞(ATCCより入手)から取得したcDNAよりクローニングし、組み込んで構築した。発現ベクターはpCDNA3ベクター(Invitrogen社)にヒトVDRおよびヒトRXRをコードするDNA配列を挿入して構築した。HOS細胞は10%FBSを含むDMEM培地で37℃、5%COの条件で培養し、2日あるいは3日ごとに継代した。この継代培養していた細胞を遠心回収し、無血清、フェノールレッド不含のDMEM培地に4×10cells/mlの密度で分散させ、96ウェルプレートに0.1mL/ウェルで播種した。この系に、(1)に記載した各種ベクターをLipofectamin2000(Invitrogen社)試薬を用いてウェルあたり0.05mL添加した。37℃で3時間インキュベートした後、各ウェルに各種濃度の被験化合物エタノール溶液あるいはコントロールとしてエタノールを2μLずつ添加した。37℃で24時間インキュベートした後、培地を取り除き、PBS(−)で一度洗浄した後、DualGlo−Luciferase Assay kit(Promega社)を用いて、ルミノメータ(ベルトールド社)によりルシフェラーゼ活性を測定した。
この結果、本発明の化合物は、1α,25−ジヒドロキシビタミンDに比べ、2分の1から同等の転写活性を有することが判明した。
本発明のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物は、医薬品として用いられる。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
    Figure 2009191032
    ここで、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
  2. Rが水素原子またはメチル基を表す請求項1に記載のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
  3. Rが水素原子を表す請求項1に記載のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
  4. Rがメチル基を表す請求項1に記載のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物と、製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、骨粗鬆症、悪性腫瘍、乾癬症、副甲状腺機能亢進症、炎症性呼吸器疾患、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、脱毛症、アクネ、および皮膚炎からなる群から選ばれる一つ以上の疾患の治療剤。
  7. 下記式(2)で表される化合物。
    Figure 2009191032
    ここで、R’は水酸基の保護基または炭素数1〜4のアルキル基を表し、PGは水酸基の保護基を表す。
  8. R’とPGがいずれもメトキシメチル基を表す請求項7に記載の化合物。
  9. R’がメチル基を表し、PGがメトキシメチル基を表す請求項7に記載の化合物。
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